秘書検定の講師・講座の仕事

長谷川 奈津
長谷川 奈津
秘書検定の講師・講座の仕事

この記事のポイント

  • 秘書検定 講師 副業を考えている人向けに
  • 個人指導という3つの形と
  • それぞれの値付けの考え方を整理しました

秘書検定を取ったあと、次の段階として「教える側」を考える人が増えています。受験者向けの対策指導だけでなく、企業の新人研修、若手向けのビジネスマナー講座、個人へのマンツーマン指導まで、教える形は複数あります。この記事では、それぞれの形態がどこから依頼されるのか、いくらで値付けするのか、教材を作るときに何を確認すべきかを整理します。資格を持っていることと、教える立場に立てることは別なので、そこを埋める順序も扱います。

教える側の需要は、資格対策の外側にある

「秘書検定の講師」と聞くと、まず資格試験の対策講座を思い浮かべる人が多いはずです。実際、専門学校や資格スクールには対策講座があり、講師の募集も出ています。ただし、この市場は既存のスクールが押さえており、副業として新規に入るには枠が限られます。

需要が伸びているのは、資格対策の外側です。企業の新人研修、若手社員向けのビジネスマナー研修、事務職への転職を目指す人向けの講座。ここは資格そのものではなく、資格の中身が求められている領域です。

企業の側でも、社内の人材を講師に立てる動きがあります。求人情報の中には、研修体制の説明として次のような記載が見られます。

多様な研修を月イチ実施毎月、さまざまなテーマの研修に参加できます。受付業務に活かせる「コミュニケーション術」はもちろん、将来のキャリアチェンジを見据えた「生成AI」「秘書検定」などの資格取得支援も用意しています。 講師も現場を知る人材研修の講師となるのは、現場の第一線で活躍してきた社員。リアルな経験談だからこそ、そのまま実践で即活かせます! 出典: 求人ボックス

「現場を知る人材が講師になる」という発想は、外部の講師を選ぶときにも同じように働きます。教えるのがうまい人より、実務で使っていた人が求められている場面が確実にあります。ここが、秘書検定を持ちながら実務を経験してきた人の入口になります。

教える形は、大きく4つ

形態によって、必要な準備も報酬の入り方も違います。順に整理します。

録画型のオンライン講座

動画を作って講座プラットフォームで販売する形です。一度作れば繰り返し売れるため、稼働時間と収入が切り離されます。ただし作るのに時間がかかり、売れるまでの期間も読めません。

価格帯は3,000円から15,000円が中心です。プラットフォームの手数料は、自分で集客した場合と、プラットフォーム経由で売れた場合で大きく変わります。後者では50%以上が引かれる設計のところもあるため、規約を必ず読んでください。

ライブ型のオンライン講座

日時を決めて、少人数に対してオンラインで教える形です。受講者の反応を見ながら進められるため満足度は高く、質疑の内容が次の講座の材料にもなります。

90分の講座を3,000円から8,000円で開き、5名から10名を集める形が現実的です。準備の時間を含めると1回あたり5時間前後かかるので、初回は時間単価が低くなります。同じ内容を繰り返すほど効率が上がる構造です。

企業研修

企業から直接、または研修会社を経由して依頼を受ける形です。単価がもっとも高く、半日の研修で5万円から15万円の水準が一般的です。研修会社を経由すると、そこから中間の取り分が引かれます。

ただし実績のない状態でいきなり企業研修に入るのは難しい形態です。研修会社は登録講師のリストを持っており、実績と評価で選んでいます。ここに入るには、まず他の形態で実績を作る必要があります。

個人指導

マンツーマンで教える形です。就職や転職を控えた人、社会人になったばかりの人、応対に不安がある人が対象になります。

60分5,000円から15,000円が目安です。準備の時間が少なくて済むため、時間単価としては悪くありません。ただし1対1なので、収入の上限は稼働時間で決まります。

キャリアの相談を受ける形の案件は、この個人指導と地続きです。どういう募集が出ているかはキャリア・副業・人生相談のお仕事で確認できます。教えることと相談に乗ることは、実務上かなり近い作業です。

どの順序で始めるか

4つの形態を、いきなり全部やる必要はありません。実績のない状態からの順序があります。

最初は個人指導です。募集の場が広く、準備の負担が小さく、受講者の反応が直接返ってきます。ここで「自分の説明のどこが伝わらないか」を把握します。

次にライブ型の講座です。個人指導で見つかったつまずきポイントを踏まえて、少人数向けの構成を作ります。5名程度なら、質疑にも対応できます。

そのうえで録画型の講座を作ります。ライブで何度か回した内容なら、どこを厚くすべきかが分かっています。いきなり動画から作ると、誰にも刺さらない一般論の講座になりがちです。

企業研修は最後です。個人向けの実績と、公開されている情報発信が揃ってから、研修会社への登録や直接の営業に進みます。

この順序を飛ばすと、たいてい途中で止まります。理由は単純で、教える内容ではなく「受講者がどこでつまずくか」の情報が足りないからです。

値付けをどう決めるか

価格を決めるとき、原価から積み上げる考え方は機能しません。教える仕事の原価はほぼ自分の時間だけだからです。代わりに、次の3つの軸で決めます。

第一の軸は、受講者にとっての代替手段です。同じ内容を書籍で学べるなら、書籍の価格が下限の基準になります。書籍では得られないもの、たとえば個別の添削や質疑があるなら、そこが価格の根拠になります。

第二の軸は、受講者が得るものの大きさです。就職の面接を控えている人にとって、応対の指導は結果に直結します。趣味の学びとは価格の感覚が違います。

第三の軸は、自分の稼働時間の上限です。副業として週8時間しか使えないなら、その時間で成立する価格を設定する必要があります。安い価格で人数を集める設計は、稼働時間の上限がある人には向きません。

形態 価格の目安 1回の準備時間
個人指導 60分で5,000円から15,000円 30分程度
ライブ講座 90分で3,000円から8,000円 3時間から5時間
録画講座 3,000円から15,000円 20時間以上
企業研修 半日で5万円から15万円 5時間から10時間

安くしすぎると、受講者の本気度も下がります。無料や極端な低価格の講座は、申し込みが多くても出席率が落ちる傾向があります。教える側の負担は変わらないので、結果として消耗します。

なお、講座の販売や案件の仲介にプラットフォームを使うと、手数料が引かれます。一般的な仲介では16.5%から20%、講座プラットフォームではさらに高い率が設定されている場合があります。継続の関係ができた相手とは、手数料0%で直接やり取りする形に移せるかを検討してください。教える仕事は稼働時間の上限が明確なので、手数料の差がそのまま手取りに響きます。

講座を作る手順

内容の作り方を、実務の順で書きます。

対象を1文で定義します。「入社1年目で、電話の取り次ぎに不安がある人」のように具体化してください。「ビジネスマナーを学びたい人」では、何を教えればいいのか決まりません。

その人が3か月後にできるようになっていることを、3つ書き出します。これが講座の到達目標です。目標が曖昧な講座は、受講者の満足度が上がりません。

到達目標から逆算して、扱う内容を並べます。ここで多くの人が失敗するのは、知っていることを全部入れようとすることです。90分の講座で扱える内容は、思っているより少ないものです。1つの講座で扱うテーマは3つまでに絞ってください。

演習を入れます。聞くだけの講座は身に付きません。文書を実際に書いてもらう、電話の応対を口に出してもらう、席次を図で示してもらう。手を動かす時間を全体の3割は確保します。

持ち帰れるものを用意します。チェックリスト、文例集、判断の基準表。講座が終わったあとに残るものがあると、評価が変わります。

最後に、一度誰かに聞いてもらいます。身近な人で構いません。説明が飛んでいる箇所は、自分では見つけられません。

90分をどう配分するか

講座の中身が決まっても、時間の配分を誤ると伝わりません。実際に回っている構成の一例を示します。

時間 内容 目的
最初の10分 受講者の状況の確認 何に困っているかを言葉にしてもらう
次の20分 原則の説明 判断の軸を1つ渡す
次の20分 演習 実際に書く、話す、選ぶ
次の15分 演習の講評 どこで判断が分かれたかを共有
次の15分 例外と応用 原則が通じない場面の扱い
最後の10分 質疑と持ち帰り資料の説明 現場で使える形にする

最初の10分を省く人が多いのですが、ここが講座全体の質を決めます。受講者が何に困っているかを聞いてから話し始めると、同じ内容でも刺さり方が変わります。人数が多くて全員に聞けない場合は、事前のアンケートで代替してください。

演習の講評に15分を割いている点にも意図があります。答え合わせをするのではなく、判断が分かれた箇所を共有するのが目的です。ビジネスマナーの領域は、正解が1つに定まらない部分が多くあります。「なぜ意見が割れたのか」を扱えると、受講者は自分で判断できるようになります。

例外と応用を最後に置くのは、原則を先に固めるためです。順序を逆にすると、受講者は「結局どうすればいいのか」が分からないまま終わります。

オンラインで教えるときの環境

対面と違い、オンラインの講座では環境そのものが評価の対象になります。最低限の水準を挙げます。

音声がもっとも重要です。映像が多少粗くても、音が聞き取れれば講座は成立します。逆に音が悪いと、内容がどれだけよくても評価が落ちます。パソコン内蔵のマイクではなく、外付けのマイクかヘッドセットを用意してください。

回線の安定性も同じ理由で重要です。有線接続が可能なら有線にします。無線しか使えない場合は、講座の時間帯に他の機器が通信しないようにしておきます。

映像は、顔の明るさだけ確保できていれば十分です。逆光にならない位置に座り、必要なら小さなライトを1つ足します。背景は、無地の壁か、情報の写り込まない場所を選んでください。秘書の実務経験がある人なら説明の要らない話ですが、書類や画面が背後に写り込むのは避けるべきです。

資料の共有方法も事前に決めておきます。画面共有だけで進めるのか、事前にファイルを配るのか。事前配布にすると受講者が手元でメモを取れるため、演習のある講座では配ったほうが進行が楽になります。

当日までに決めておく条件

講座を有料で開く以上、条件を先に決めて明示しておく必要があります。ここを曖昧にすると、当日か終了後に必ず問題が起きます。

キャンセルの扱い。何日前まで返金するのか、当日欠席はどうするのか。少人数の講座では、1名の欠席が開催の可否に響きます。

最少開催人数。何名集まらなければ中止にするのかを先に書いておきます。中止の場合の返金方法も併記します。

録画の扱い。講座を録画するのか、受講者による録画を認めるのか。認めない場合は申込時に明示します。教材の内容が転載される経路になるため、方針を決めておいてください。

資料の再配布。配った資料を第三者に渡してよいかどうか。原則として不可とし、その旨を資料自体にも記載します。

質問の受付範囲。講座中のみか、終了後も一定期間受け付けるのか。後者にする場合は期間と回数を区切ります。区切らないと、無償の対応が延々と続きます。

これらは、参加申込のページに箇条書きで載せておけば足ります。長い規約は読まれないので、必要な項目を短く並べるほうが実効性があります。

教材の著作権と、名乗り方で確認が要ること

ここは慎重に扱う必要がある領域です。

検定試験の過去問題や公式テキストの内容には、作成した団体の著作権があります。自作の教材に問題文をそのまま載せる、テキストの図表を複製するといった使い方は、許諾なしにはできません。試験の傾向を自分の言葉で説明すること自体は問題ありませんが、教材に何を載せるかは、著作権法の考え方に沿って個別に判断する必要があります。

検定の名称の使い方も同様です。検定名は商標として登録されている場合があり、講座名や広告での使い方に制限がかかることがあります。「秘書検定対策講座」といった名称を掲げるとき、どこまでが許容されるのかは、検定を実施する団体の方針と商標の登録状況によって変わります。断定できる領域ではないため、講座を公開する前に実施団体に確認するのが確実です。資格の体系や公式の情報は秘書検定のページに整理してあります。

もうひとつ、名乗り方の問題があります。秘書検定は業務独占の資格ではありません。この資格を持っていないと教えられない、という法的な仕組みはなく、逆に資格を持っているから何を名乗ってもよいわけでもありません。「秘書検定1級」と書くのは事実の表示なので問題ありませんが、公式に認定された講師であるかのように受け取られる表記は避けてください。

指導の中で、労務や契約に関する相談を受ける場面もあります。就業規則の解釈や雇用契約の内容についての個別の判断は、社会保険労務士や弁護士など、それぞれの分野の資格者の業務にあたる範囲があります。書類作成の代行を業として行う領域も、行政書士法などで制限が設けられています。教える立場としては、制度の一般的な説明にとどめ、個別の判断は専門家に確認するよう促すのが安全です。関連する資格の守備範囲は行政書士のページで確認できます。

受講者をどう集めるか

講座を作っても、集客ができなければ始まりません。副業として現実的な集め方を挙げます。

もっとも早いのは、既存の場に乗ることです。講座プラットフォーム、スキルの売買サイト、オンライン学習サービス。手数料は引かれますが、集客の仕組みが用意されています。実績が0の段階では、この経路から始めるのが合理的です。

次に、自分で発信する形です。ビジネスマナーや文書の書き方について定期的に書いていると、そこから問い合わせが来るようになります。時間はかかりますが、手数料が発生せず、内容で選ばれるため受講者との相性もよくなります。発信の設計についてはSEO対策・MEO対策の副業で稼ぐ方法|必要なスキルと案件相場のような検索まわりの基礎知識が役に立ちます。

三つ目は、紹介です。個人指導を受けた人が知人を紹介する形が中心になります。この経路は最も質が高い一方、意図して増やすことが難しいものです。

四つ目は、法人への直接の提案です。中小企業の総務担当者に対して、新人研修の外部委託を提案する形です。難易度は高いものの、決まれば単価が大きく変わります。同じように専門知識を法人向けに提供する働き方の例としてはITコンサルティング・講師のお仕事のような分野の募集の形が参考になります。

副業として教えるときの、勤務先との関係

会社に勤めながら講師をする場合、確認しておくことがあります。

まず就業規則です。副業を許可制にしている企業では、事前の申請が必要になります。講師業は社外に姿を出す仕事なので、届け出をしないまま始めると、後から問題になりやすい形態です。申請の際は、業務内容、稼働の時間帯、報酬の見込みを書く欄があるのが一般的です。

次に、競業にあたらないかの確認です。勤務先が研修事業を行っている場合、同種の講座を個人で開くことが競業避止の対象になる可能性があります。研修事業と無関係な業種であれば問題になりにくい領域ですが、判断が微妙なら事前に相談したほうが安全です。

三つ目は、機密の扱いです。講座で実務の話をするとき、勤務先の具体的な業務内容や取引先が特定される形で話すことはできません。事例として使う場合は、業種と場面だけを残し、固有の情報を落として組み直してください。

四つ目は、稼働の時間帯です。企業研修は平日日中に行われることが多く、会社員が受けるのは難しい形態です。副業として現実的なのは、平日夜と土日に実施できる個人指導とライブ講座になります。企業研修に進むのは、独立を視野に入れる段階だと考えたほうが計画が立てやすくなります。

五つ目は、報酬にかかる税務です。給与以外の所得が年20万円を超えると確定申告が必要になります。講座の売上から、機材や資料の費用を差し引いた金額が対象です。経費として扱える範囲は国税庁の案内で確認できます。

よくある失敗

教える側に回った人が最初の1年でつまずく形には、傾向があります。

内容を詰め込みすぎる失敗。教えたいことが多い人ほど、1回の講座に全部入れようとします。受講者は消化できず、満足度が下がります。

自分の経験談が中心になる失敗。実務の話は素材としては貴重ですが、受講者が知りたいのは自分の目の前の場面をどうするかです。経験は例示として使い、主役は受講者の手順にしてください。

質問に全部答えようとする失敗。労務、税務、法律の個別判断まで踏み込むと、責任の範囲を超えます。答えられない質問には「その判断は専門家に確認してください」と返せることが、教える側の信頼につながります。

価格を上げられない失敗。最初に安く設定すると、既存の受講者への説明が難しくなって上げにくくなります。値上げは新しい講座や新しい対象を作るタイミングで行うのが自然です。

準備時間を計算に入れない失敗。90分の講座に5時間の準備がかかるなら、実質の時間単価は表面の6分の1以下になります。副業として続けるには、同じ内容を繰り返し使える形にしておく必要があります。

受講者の満足度を、どこで測るか

講座を続けるには、良かったかどうかを自分の感覚で判断しないことが大事です。測る対象を決めておきます。

その場のアンケートは、参考にはなりますが過大に受け取らないでください。終了直後は満足度が高く出ます。聞くなら「今日の内容のうち、明日から使えそうなものを1つ挙げてください」という形にします。具体名が挙がらない場合、内容が抽象的すぎた可能性があります。

より有効なのは、1か月後の追跡です。実際に使ったかどうかを短く聞きます。使われていない内容は、講座から削るか、演習の形を変える必要があります。

再受講と紹介の数も指標になります。同じ人が別の講座に申し込む、知人を連れてくる。この2つが起きているなら、内容は機能しています。

逆に、申込は多いのに出席率が低い講座は、価格か告知に問題があります。内容ではなく、期待値の設定を見直してください。

教える人を見てきて気づくこと

在宅ワークとフリーランスの市場を20年運営してきた立場から見ると、教える仕事は「一度作れば楽になる」と誤解されやすい領域です。実際には、続けている人ほど作り直しに時間を使っています。受講者が変われば、つまずく場所も変わるからです。

運営者として見てきた限りでは、長く続く人には共通した動きがあります。講座が終わったあとに、受講者が実際にどうなったかを追いかけています。教えた内容が現場で使えたのか、使えなかったならどこで詰まったのか。この情報が次の講座の質を決めます。

もうひとつ気づくのは、教える仕事が単体では完結しにくいという点です。多くの人は、教える仕事と、書く仕事や監修の仕事を組み合わせています。講座の内容を記事にし、記事を読んだ人が講座に来る。この循環ができると、集客の負担が下がります。文章の仕事の相場感は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確認できるので、組み合わせを検討するときの材料にしてください。

中間マージンが乗らない直接の取引は、教える仕事とも相性がいい形です。同じ受講料でも、手数料が引かれるかどうかで手取りが変わります。教える側は稼働時間を増やせないため、この差は年単位で見ると小さくありません。

最初の1講座までの90日

具体的な進め方を、期間で区切って示します。

最初の30日は、対象を決めて内容を組み立てる期間です。誰に何を教えるかを1文で書き、到達目標を3つ立て、扱うテーマを3つに絞ります。同時に、既存の講座や書籍を調べて、自分が何を足せるのかを確認します。

次の30日は、個人指導を数件受ける期間です。知人でも、スキルの売買サイト経由でも構いません。ここで実際に教えてみて、説明が伝わらない箇所を洗い出します。この期間に集めた質問が、講座の中身になります。

最後の30日は、ライブ講座を1回開く期間です。少人数で構いません。募集の文章を書き、資料を作り、実際に実施します。終わったら受講者に感想を聞き、次の回に反映します。

この90日を回すと、教える仕事が自分に合っているかどうかが分かります。合っていれば、そこから録画型や企業研修へ広げる判断ができます。合っていなければ、書く仕事や監修の仕事に振り直せばいいだけです。資格の使い道は1つではありません。

秘書検定を持っていることは、教える側に立つ出発点として確かなものです。ただし資格が示すのは知識の範囲であって、伝える技術ではありません。受講者がどこでつまずくかを知っている人だけが、教える仕事を続けられます。

よくある質問

Q. 秘書検定2級でも講師として教えられますか?

教えられます。秘書検定は業務独占の資格ではないため、級によって教えてよい範囲が法的に決まっているわけではありません。ただし受講者や依頼企業は級を判断材料にするので、2級で始めるなら実務経験と組み合わせて説明してください。個人指導やライブ講座から入り、実績を作るのが現実的な順序です。

Q. 講座の値付けはどのくらいが目安ですか?

個人指導は60分で5,000円から15,000円、少人数のライブ講座は90分で3,000円から8,000円、録画型の講座は3,000円から15,000円が中心帯です。企業研修は半日で5万円から15万円の水準になります。準備時間を含めた実質の時間単価で判断し、安くしすぎないでください。

Q. 自作の教材に検定の過去問題を載せてもいいですか?

許諾なしには載せられません。過去問題や公式テキストの内容には作成した団体の著作権があります。試験の傾向を自分の言葉で説明することは問題ありませんが、問題文や図表の複製は別です。講座名に検定名を使う場合も商標の問題が生じうるため、公開前に実施団体へ確認してください。

Q. 受講者から労務や契約の相談を受けたらどうすべきですか?

制度の一般的な説明にとどめ、個別の判断は専門家に確認するよう促してください。就業規則の解釈や雇用契約の内容についての判断は社会保険労務士や弁護士の業務にあたる範囲があり、書類作成の代行も行政書士法などで制限が設けられています。答えられない質問に線を引けることが、教える側の信頼につながります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年4月29日最終更新:2026年9月1日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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