企画書を1本添えるだけで変わる、構成・台本作成の案件の取り方


この記事のポイント
- ✓構成・台本作成の案件の取り方で悩んでいる人へ
- ✓応募文だけで通らない理由と
- ✓企画書を1本添えることで何が変わるのかを整理しました
「応募しているのに、まったく返事が来ないんです」。構成・台本作成の仕事を始めたばかりの方から、こういうご相談をよくいただきます。
書く力がないわけではありません。文章を読ませていただくと、むしろしっかり書ける方が多い。それなのに通らない。理由はシンプルで、応募文だけでは「この人に頼んだらどうなるか」が相手に伝わっていないからです。
大丈夫ですよ。ここには決まった打ち手があります。企画書を1本添える。たったこれだけで、返信率は目に見えて変わります。この記事では、その企画書に何を書けばいいのか、どう作るのか、いつ添えるのかを、順番にお話しします。
応募が通らないとき、相手側で起きていること
まず、発注する側の状況を想像してみてください。1つの募集に、何十通も応募が届きます。1通あたりに使える時間は、長くても数十秒です。
その数十秒で見られているのは、経歴ではありません。「この人に任せたら、自分の手間がどれだけ減るか」の一点です。ここを想像させられた応募だけが、次に進みます。
経歴だけを並べた応募文が弱い理由
よくあるのが、こういう応募文です。「Webライターとして3年の経験があります。SEO記事を中心に執筆してきました。丁寧な仕事を心がけています。ぜひよろしくお願いいたします」。
丁寧で、悪いところはありません。ただ、読んだ側に何も残らないんです。3年の経験がこのチャンネルにどう効くのか、SEO記事の経験が動画台本にどうつながるのか、その橋渡しがない。だから、他の何十通と区別がつかない状態で流れていきます。
これは書き手の能力の問題ではなく、伝える順番の問題です。順番を変えるだけで、同じ経歴が急に意味を持ちはじめます。
「丁寧に」「一生懸命」が伝えないもの
もう1つ、心がけを書く応募文も多いです。「丁寧に対応します」「一生懸命取り組みます」。気持ちは本物だと思います。
でも、これを書かない応募者はいません。全員が書くことは、差になりません。差になるのは、「この案件について、すでに考えている」という事実です。考えた形跡がある応募は、それだけで別の山に移ります。
企画書は、その「考えた形跡」を目に見える形にしたものです。
企画書を1本添えると、相手の中で何が変わるか
企画書と聞くと、身構えてしまう方が多いかもしれません。何十ページも作るものではありません。A4で1枚、多くて2枚。それで十分です。
添えることで変わるのは、相手の判断の質です。応募文だけだと「この人は書けるのだろうか」という不安から始まります。企画書があると「この人はこう考える人だ」という理解から始まります。スタート地点が違うんです。
品定めから、相談に変わる
企画書が添えられていると、返信の内容が変わります。「ご経験を教えてください」ではなく、「この企画、実は似たことを考えていました」という返事が返ってきます。
関係が、審査から相談に変わるんです。この変化は大きい。相談として始まった関係は、条件の話もしやすくなります。
「書ける人」から「考えられる人」に見える
構成・台本作成の現場で本当に足りていないのは、文章を書ける人ではありません。企画を考えられる人です。文章を書けるだけの人は多く、代わりが見つかります。企画を出せる人は、代わりが見つかりにくい。
企画書を添えるということは、「私は考えられる側です」と行動で示すことです。言葉で「企画も得意です」と書くより、はるかに強い。
単価の交渉がしやすくなる
これは実務的な話です。台本を書くだけの役割と、企画から関わる役割では、単価の考え方が変わります。企画書を添えて入った案件は、最初から企画込みの関係で始まるので、後から役割を広げるより自然です。
単価の相場については、こういう記載があります。
「YouTube 企画」「動画構成」「台本作成」といったキーワードで案件を絞ると、定期的に案件が出ています。単価は1本あたり3,000円〜15,000円の幅があり、クライアントの予算感によって大きく異なります。 出典: ai-torisetu.com
1本あたり3,000円から15,000円という幅は、けっこう開きがありますよね。この幅のどこに位置づけられるかを決めているのが、任される範囲です。台本だけを書く役割は下のほうに、企画から任される役割は上のほうに寄ります。
企画書に書く5つの要素
では、中身の話をします。難しいことは書きません。次の5つだけです。
1つ目、誰に向けた動画か
そのチャンネルの視聴者を、自分の言葉で書きます。「30代の会社員で、転職を考えているけれど踏み切れていない人」といった具合です。
ここがずれていると、以降が全部ずれます。逆に、ここが合っていると、それだけで「分かっている人」に見えます。既存の動画をいくつか見て、コメント欄も読むと、輪郭が掴めます。コメント欄は視聴者の生の言葉が並んでいるので、いちばん早い教材です。
2つ目、この企画で解きたい課題
チャンネルが今抱えていそうな課題を1つ書きます。「解説動画は充実しているが、最初の1本として見られる入門動画がない」といった形です。
課題を当てにいく必要はありません。外していても構わないんです。大事なのは、外側から見た印象を伝えることです。中にいる人には見えない視点は、それ自体が価値になります。
3つ目、企画のタイトル案
タイトルを3つ書きます。1つだと「これがいいか悪いか」の判断になり、返答が止まりやすい。3つあると「この方向がいい」と選べるので、会話が進みます。
タイトルは、視聴者が検索しそうな言葉と、思わずクリックしたくなる言葉の両方を意識します。ここは動画の入口なので、いちばん時間をかけていい部分です。
4つ目、構成の骨組み
章立てを、想定尺つきで書きます。「導入 40秒 / 結論の提示 1分 / 理由3つ 4分 / 具体例 3分 / まとめと次の行動 1分」。合計尺が既存動画と揃っていると、それだけで実務が分かっている人に見えます。
各章に1行ずつ、何を話すかのメモを添えると親切です。ここまで書いても、A4で1枚に収まります。
5つ目、この企画を出した理由
最後に、なぜこの企画を選んだかを2、3行書きます。「既存動画で反応の良かった話題を入門者向けに開き直すと、新規の視聴者が入りやすいと考えました」といった形です。
理由が書いてあると、企画が思いつきではなく判断であることが伝わります。これが、いちばん人柄の出る部分でもあります。
企画書を作る手順
作り方の順番も決めておくと、迷わなくなります。慣れれば1時間から2時間で1本作れるようになります。
手順の1つ目、既存動画を5本見る
まず、そのチャンネルの動画を5本見ます。再生数の多いもの3本と、少ないもの2本を選ぶのがコツです。伸びているものだけ見ると、成功要因しか見えません。伸びていないものを見ると、避けるべき形が見えます。
見るときは、冒頭30秒、章の切り替わり方、締めの言葉に注目します。この3か所にチャンネルの型が出ます。
手順の2つ目、コメント欄を読む
次に、コメント欄を読みます。「ここが分からなかった」「続きが見たい」といった声が、そのまま次の企画の種になります。
視聴者が実際に使っている言葉をメモしておくと、タイトル案に使えます。作り手の言葉より、視聴者の言葉のほうが検索されやすいからです。
手順の3つ目、足りていない話題を探す
5本見てコメントを読むと、「この話題はまだない」という空白が見えてきます。その空白の中から、いちばん自然に埋まりそうなものを選びます。
無理に斬新な企画を出そうとしなくて大丈夫です。既存の路線の延長にありながら、まだ作られていないもの。これがいちばん採用されやすい企画です。
手順の4つ目、1枚にまとめる
5つの要素を1枚に落とし込みます。文字を詰め込みすぎないでください。読む側は数十秒しか使いません。見出しと箇条書きで、視線が滑るように作ります。
ファイル形式は、開きやすさを優先します。相手の環境が分からないので、PDFにしておくのが無難です。
使うツールと、その選び方
ツールは何でも構いません。ただ、選び方の基準はあります。
文書作成は、普段使っているもので十分です。表計算ソフトで構成表を作る人もいますし、文書ソフトで作る人もいます。共有のしやすさで選んでください。相手がコメントを書き込める形式だと、そこから会話が生まれます。
生成AIを企画出しの補助に使う人も増えています。構成案の初期の叩き台を出すところまでは早くなります。ただ、そのまま提出するのは避けてください。既存動画を見て、コメント欄を読んで、自分の判断を入れる。この工程を飛ばした企画書は、読めば分かります。相手も生成AIを使っているので、加工していないものはすぐ見抜かれます。
動画の企画は、マーケティングの知識があると視点が増えます。どんな領域が隣接しているかはAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で扱われている仕事の内容が参考になります。数字の観点を1行添えられるだけで、企画書の説得力は変わります。
つまずきやすいところ
企画書を作りはじめた方から、よく聞く失敗をいくつかお話しします。
1つ目は、長くしすぎること。気合いが入ると、5枚、10枚と増えていきます。でも、読まれません。1枚に収める制約が、企画を鋭くしてくれます。
2つ目は、批判から入ってしまうこと。「現状の動画は冒頭が長すぎます」といった指摘は、たとえ正しくても心証を悪くします。改善提案は、否定ではなく「こうするともっと届きやすくなります」という形に言い換えてください。同じ内容でも、受け取られ方がまったく違います。
3つ目は、汎用の企画書を使い回すこと。チャンネル名だけ差し替えた企画書は、読めば分かります。時間はかかりますが、1件ずつ作るほうが結果的に早い。10件の使い回しより、3件の作り込みのほうが通ります。
4つ目は、条件の話を先に書いてしまうこと。単価や稼働の希望は、興味を持ってもらってからで十分です。最初から条件が並んでいると、企画のほうが読まれません。
送るタイミングの考え方
企画書は、いつ送るかでも効き方が変わります。
募集に応募するときに添えるのが基本の形です。この場合、応募文は短くして、企画書に本体を寄せます。応募文には「募集内容を拝見し、企画案を1本作成しましたので添付します」と書けば十分です。
もう1つは、募集が出ていないチャンネルに直接送る形です。返信率は下がりますが、競合がいないので、通ったときの条件は良くなりやすい。この場合は、より丁寧に「もし不要でしたら読み飛ばしてください」といった逃げ道を用意しておくと、相手も気楽に読めます。
3つ目は、すでに取引がある相手に追加で送る形です。これがいちばん通ります。1本納品したあとに「次の企画として、こういう案も考えました」と1枚添える。継続の話が自然に始まります。
断られたときの受け止め方
ここは、いちばんお伝えしたい部分です。
企画書を作って送っても、通らないことのほうが多い。時間をかけたぶん、断られたときの落ち込みも大きくなります。「やっぱり自分には向いていないのかもしれない」と思ってしまう方が、本当に多いんです。
でも、少し考えてみてください。企画が通らない理由の大半は、企画の質ではありません。予算がなかった、すでに社内で決まっていた、時期が合わなかった。相手側の事情です。こちらからは見えないところで決まっています。
だから、断られた企画書は捨てないでください。似た属性のチャンネルに、視点を組み替えて出せます。1本作った労力は、2回目、3回目に効いてきます。
そしてもう1つ。数を送ると決めたら、返事が来ないことを前提にしてください。返事を待つ状態が続くと、気持ちが削れます。送ったら忘れる。次の1本に取りかかる。この切り替えができる人が、結果的に長く続いています。あなたは一人ではありません。同じところでつまずいている人は、たくさんいます。
企画書の見本として、1枚の中身を並べてみる
言葉だけだと形が見えにくいと思うので、1枚に並べたときの姿を書き出しておきます。架空のチャンネルを想定した例です。
冒頭に、宛名と一文の要約を置きます。「〇〇チャンネル ご担当者さま。既存の解説シリーズに続く、入門者向けの導入回のご提案です」。ここで、何の提案かが分かります。
次に、想定視聴者。「これから学びはじめる人。専門用語に触れた経験がなく、最初の1本を探している層」。ここは自分の言葉で書きます。
次に、現状の見立て。「既存の動画は中級者以上に向けた内容が充実している一方、入口となる回が見当たらないため、新規の視聴者が定着しにくい可能性があります」。断定せず、可能性として書くのがコツです。外していても失礼になりません。
次に、タイトル案を3つ。「はじめての〇〇、最初に知っておく3つのこと」「〇〇を10分で。用語を知らない人向けの入門編」「〇〇でつまずく人が最初に間違えること」。方向性を3つに散らすと、相手が選びやすくなります。
次に、構成の骨組みを想定尺つきで。導入40秒、結論の提示1分、理由3つで4分、具体例3分、まとめと次の行動1分。合計で約9分半。既存動画の長さに合わせています。
最後に、提案理由を3行。「既存動画のコメント欄に、用語の意味を尋ねる書き込みが複数ありました。入口となる回があると、そこから既存シリーズへ自然に流せると考えました」。
ここまでで、A4の1枚に収まります。難しいことは何も書いていません。見て、読んで、考えたことを、順番に並べただけです。
企画書が効きやすい相手、効きにくい相手
同じ企画書でも、送る相手によって効き方が違います。ここを知っておくと、時間の使いどころが分かります。
いちばん効くのは、個人や少人数で運営しているチャンネルです。企画を考える人手が足りていないので、外から企画が届くこと自体がありがたい。返信も本人から直接来ることが多く、話が早く進みます。
次に効くのが、動画に力を入れはじめたばかりの企業です。担当者が1人で、社内に映像の分かる人がいない。こういう状況では、構成を任せられる相手を探しています。企画書は、その候補として名前を覚えてもらう手段になります。
一方、効きにくいのが、制作体制がすでに固まっている制作会社です。企画は社内のディレクターが立てていて、外部に頼みたいのは執筆工程だけ。この場合、企画書を送っても役割が噛み合いません。制作会社に応募するときは、企画書よりも「指定の構成に沿って正確に書ける」ことを示すほうが効きます。
つまり、相手の体制によって見せるものを変える。企画書はいつでも万能な武器ではなく、企画を必要としている相手に効く道具です。募集文を読んで、企画を誰が立てているのかを想像してから、添えるかどうかを決めてください。
応募文は短く、企画書に本体を寄せる
企画書を添えるなら、応募文の役割は変わります。応募文は「読ませる」ものではなく、「企画書を開いてもらう」ためのものになります。
構成としては、4行で足ります。1行目に、募集を見てどこに関心を持ったか。2行目に、企画案を1本作って添付した旨。3行目に、自分が担当できる工程。4行目に、稼働の条件と連絡のとりやすい時間帯。これだけです。
長い自己紹介は、企画書のあとに置いてください。関心を持ってもらってから読まれるほうが、同じ経歴でも入り方が違います。順番を変えるだけで、伝わり方が変わるんです。
もう1つ、件名にあたる冒頭の一文も大事です。「ご提案:入門者向けシリーズの企画案を1本お送りします」のように、開く理由を先に書く。ここが抽象的だと、企画書まで届きません。
最初の数件を取るまでの進め方
まったくの初心者の方から、「何から手をつければいいですか」と聞かれることがよくあります。順番だけお伝えしておきます。
最初にやるのは、応募ではありません。企画書のひな型を1つ作ることです。5つの要素を並べたA4の枠を作り、そこに書き込む形にしておく。ひな型があると、1件あたりの作業時間が半分以下になります。
次に、練習として3チャンネル分の企画書を作ります。送らなくて構いません。作ってみると、5本見てコメントを読む工程にどれくらい時間がかかるかが分かります。この実測が、後で受注数の上限を決めるときに効いてきます。
そのうえで、応募を始めます。最初は返事が来なくて当たり前です。ここで諦めてしまう方が多いのですが、数件で判断できるものではありません。10件、20件と続けたあたりから、返信の傾向が見えてきます。傾向が見えたら、企画書の中身を調整する。この繰り返しです。
そして、1件目が取れたら、そこで数を追うのをいったん止めてください。1件目を丁寧に納品するほうが、次につながります。初めての案件は、想定より時間がかかるものです。並行して何件も受けると、どれも中途半端になってしまいます。
納品したあとが、いちばん取りやすい
案件の取り方の話をするとき、多くの人が「新しい相手をどう探すか」だけを考えます。でも、いちばん取りやすいのは、すでに一度仕事をした相手です。
納品して終わりにせず、次の企画を1枚添えて出す。「今回の内容の続きとして、こういう回も作れます」と書くだけで、次の依頼につながることがあります。相手にとっても、新しい人を探す手間が省けるので歓迎されます。
このとき、押しつけにならない書き方を心がけてください。「もしご予定が合えば」「必要になったタイミングで思い出していただければ」といった一言を添えるだけで、受け取る側の負担が減ります。営業は、相手に決断を迫るほど遠のくものです。
継続の関係が2つか3つできると、案件を探す時間が一気に減ります。探す時間が減ると、書く時間と考える時間に回せる。ここまで来ると、仕事の質そのものが上がっていきます。
職種としての全体像と、報酬の目安
構成・台本作成という仕事が、動画制作の中でどこに位置しているのかを知っておくと、提案の幅が広がります。サムネイル・構成・台本作成のお仕事には、仕事の流れと求められるスキルがまとまっています。サムネイルの文言まで提案できると、企画書の価値はさらに上がります。
報酬が妥当かどうかを判断するときは、書く仕事全体の相場を見ておくと落ち着いて考えられます。著述家,記者,編集者の年収・単価相場で文章を扱う職種の収入分布が確認できます。自分の希望額が市場のどのあたりなのかが分かると、交渉のときに気後れしなくなります。
企画書の書き方そのものを体系的に学びたい方には、ビジネス文書検定のような検定が骨組みとして使えます。資格が案件に直結するわけではありませんが、伝わる順番で書くという原則は、企画書にも台本にもそのまま効きます。副業としての全体像を先に掴んでおきたい方は、サムネイル・台本・構成作成の副業|YouTuber支援で稼ぐ方法から入ると流れが見えます。
音や映像の周辺工程に興味が出てきたら、作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事のような領域もあります。動画は複数の職種が集まって作られているので、隣を知っているだけで会話が通じやすくなります。
企画書を作る時間をどう確保するか
「企画書がいいのは分かるけれど、そんな時間はありません」。これも、よくいただく声です。
本業や家事のあいまに時間をひねり出すのは、簡単ではありません。だからこそ、工程を分けてください。動画を5本見る作業は、家事をしながらでも進められます。コメント欄を読むのは、通勤中でもできます。まとまった時間が必要なのは、1枚に落とし込む最後の30分だけです。
一度に全部やろうとすると、着手できません。細切れにできる工程と、集中が要る工程を分けておくと、1週間のどこかに必ず収まります。
それでも時間が足りないときは、送る件数を減らしてください。1週間に1件でいいんです。数を追って質を落とすより、月に4件の作り込んだ企画書のほうが、結果として通ります。焦らなくて大丈夫ですよ。
運営者として見てきたこと
フリーランスと在宅ワークの市場を20年見てきた立場から、ひとつ観察をお伝えします。
長く続いている人ほど、案件を「取りにいく」より「思い出してもらう」ことに時間を使っています。企画書を1枚添えるという行為は、まさにその種まきです。今回通らなくても、半年後に「そういえば企画を送ってくれた人がいた」と思い出されることがある。この間接的な効果は、応募数のような数字には出てきませんが、確実に効いています。
もうひとつ。運営者として見てきた限りでは、依頼する側と受ける側のあいだに中間マージンが乗らない直接の関係では、同じ予算でも依頼者はより多く頼めて、受け手の手取りは厚くなります。手数料0%という条件は、金額が増えるという話ではなく、同じ仕事をして手元に残るものの質が変わるという話です。企画から関わる関係を作れた相手とは、長い付き合いになります。そのときに、どの経路でやり取りするかは、想像以上に収入に効いてきます。
よくある質問
Q. 企画書はどのくらいの分量で作ればよいですか?
A4で1枚、多くても2枚に収めてください。発注側が1通の応募に使える時間は数十秒なので、長い企画書は読まれません。誰に向けた動画か、解きたい課題、タイトル案3つ、想定尺つきの構成、企画を選んだ理由の5要素が入っていれば十分です。
Q. 実績がなくても企画書だけで案件は取れますか?
実績がない段階ほど企画書は効きます。過去の成果物がなくても、そのチャンネルについて考えた形跡は示せるからです。既存動画を5本見てコメント欄を読み、まだ作られていない話題を1本提案するだけで、経歴だけの応募文とは別の扱いになります。
Q. 構成・台本作成の単価はどのくらいが目安ですか?
1本あたり3,000円から15,000円程度の幅があり、クライアントの予算感によって大きく変わります。台本だけを書く役割は低いほうに、企画から任される役割は高いほうに寄る傾向があります。企画書を添えて入ると、最初から企画込みの関係で始められます。
Q. 企画書を送っても返事が来ないときはどうすればよいですか?
返事が来ない理由の大半は企画の質ではなく、予算や時期といった相手側の事情です。送ったら結果を待たずに次へ進み、作った企画書は視点を組み替えて似た属性のチャンネルに再利用してください。1本作った労力は2回目以降に必ず効いてきます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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