受付の自動化の進め方|問い合わせと予約の受け口を整える手順


この記事のポイント
- ✓受付の自動化を進めたい人に向けて
- ✓来訪・電話・問い合わせ・予約の受け口ごとの自動化の方法
- ✓受け口を1つに整える手順
受付の自動化を考え始める人の多くは、「電話とメールと問い合わせフォームがばらばらに届いて、誰が返事をしたのか分からない」「予約の受け付けに1日の何時間も取られている」という悩みを抱えています。受付の自動化とは、来訪者の取り次ぎ、問い合わせの受け付け、予約の受け付けといった、これまで人が手で行っていた入り口の作業を、システムに任せる取り組みのことです。ただし、高価な受付機を入れる前にやるべきことがあります。それは、受け付けの入り口を整理して、届いたものを誰が、いつまでに、どう返すかを決めることです。この記事では、受け口ごとの自動化の方法、メリットとデメリット、受け口を整える手順、受け付けた後の対応の回し方、ツールの選び方を順番に説明します。受け付けた問い合わせや申し込みを担当と状況つきで記録し、返信まで同じ画面で進める道具の1つとして、Halictも紹介します。
受付の自動化とは何を自動にすることか
「受付」と一口に言っても、会社やお店によって指すものが違います。自動化の話がかみ合わない原因の多くは、どの受付を自動にしたいのかがはっきりしていないことです。受付の仕事は、大きく次の4つに分けられます。
| 受付の種類 | 主な場面 | 自動化の代表的な方法 |
|---|---|---|
| 来訪の受付 | オフィスの入口、クリニックの窓口 | タブレットやQRコードでの受付、呼び出しの通知 |
| 電話の受付 | 代表電話、店舗の電話 | 自動音声の案内、用件ごとの振り分け、折り返しの受け付け |
| 問い合わせの受付 | Webサイト、メール | 問い合わせフォーム、自動返信、担当への通知 |
| 予約の受付 | 美容室、教室、相談、面談 | 予約システム、空き枠の公開、確認メールの自動送信 |
来訪の受付は、オフィスやクリニックで「受付システム」と呼ばれる製品が扱う分野です。受付の窓口にタブレットを設け、来た人が画面で担当者を選ぶと、担当者のスマホやチャットに通知が届く仕組みが広く使われています。
一方、在宅で働く人や小さな事業者にとって負担が大きいのは、問い合わせと予約の受付です。人が訪ねてくることはほとんどなくても、Webサイトやメール、SNSのメッセージから問い合わせが毎日届き、その1件ずつに返事をし、日程を決め、記録を残す作業が積み重なります。
この記事で中心に扱うのは、この問い合わせと予約の受付です。来訪の受付についても、選び方の考え方は共通しているので、必要なところで触れます。
自動化を考えるときに大切なのは、受付の仕事を「入口」と「その後」に分けて見ることです。入口とは、相手の用件を受け取って記録する部分です。その後とは、担当を決め、返事をし、必要なら日程を決め、終わったことを確かめるまでの部分です。多くのツールは入口を自動にすることは得意ですが、その後の部分は人が回す仕組みを作らないと、受け取ったまま放置される問い合わせが増えてしまいます。
受付の自動化が広がっている背景
受付の自動化が広がった背景には、働き方の変化があります。法人向けのIT製品を比べるサイトでは、受付システムが広がった理由を次のように説明しています。
コロナウイルスのまん延や働き方改革により、在宅勤務が増加し、オフィスへの訪問者が減りました。そのため受付業務に人手を割かず、無人化・自動化する企業が増加しました。非対面かつ非接触で受付対応でき、受付業務に加えて関連ツールとの連携により業務効率化も叶えるため、導入が進んでいます。 出典: it-trend.jp
オフィスに人が常にいるとは限らなくなったことで、「受付に誰かが座っている」ことを前提にした仕組みは成り立ちにくくなりました。同じことは、問い合わせや予約にも起きています。
問い合わせの入口は、この数年で大きく増えました。以前は電話とメールが中心でしたが、今はWebサイトのフォーム、SNSのメッセージ、チャット、予約サイトのメッセージ機能など、相手が使いたい方法で連絡してきます。入口が増えるほど、1つずつ確かめる手間が増え、見落としも起きやすくなります。
人手の面でも、受付の仕事に人を張り付ける余裕のある事業者は減っています。小さな事業者では、受付専任の人を雇うより、本業の合間に受付をこなしているのが実態です。美容室なら施術中に電話が鳴り、教室なら授業中に予約の連絡が届き、在宅の個人事業主なら作業中にメールが積み上がります。
こうした事情から、「受付の作業を減らしたい」というより、「受付の作業で本業が止まるのを防ぎたい」という理由で自動化を考える人が増えています。目的がそこにあるなら、受付機を入れることより、届いたものを1か所に集め、決まった手順で返せる形にすることの方が効き目が大きい場合があります。
受付を自動化するメリット
受付を自動化するメリットは、作業時間が減ることだけではありません。主なメリットを整理すると、次の5つになります。
1つ目は、受付の時間に縛られなくなることです。フォームや予約システムは夜中でも休日でも受け付けてくれます。相手は思い立ったときに連絡でき、こちらは決めた時間にまとめて対応できます。電話の受付だけに頼っていると、出られなかった電話はそのまま機会を逃すことになりますが、フォームなら用件が記録として残ります。
2つ目は、聞き漏れが減ることです。電話で予約を受けると、名前の漢字、連絡先、希望の日時、要望を聞き漏らすことがあります。フォームなら必須の項目を決めておけるので、毎回同じ情報がそろった状態で受け取れます。折り返しの電話で聞き直す手間がなくなるだけで、1件あたり5分から10分ほど短くなることも珍しくありません。
3つ目は、最初の返事が早くなることです。自動返信のメールを設定しておけば、相手は送った直後に「受け付けました」という連絡を受け取れます。返事がいつ来るのか分からない不安が減り、同じ用件を電話でもう一度問い合わせてくることも減ります。
4つ目は、対応の記録が残ることです。誰が、いつ、何を返したかが残っていれば、担当が休んでも引き継げます。あとから「言った」「言わない」の行き違いになったときにも、記録が確かめる手がかりになります。
5つ目は、数字で振り返れることです。1か月に何件の問い合わせがあり、どの用件が多く、返事までにどのくらいかかったかが分かれば、よくある質問をWebサイトに載せる、予約枠を見直すといった改善につなげられます。
これらのメリットのうち、小さな事業者にとって特に大きいのは2つ目と4つ目です。聞き漏れと記録の不足は、本人が気づかないうちに信頼を損ねる原因になります。自動化を「楽をするため」だけでなく、「抜け漏れを防ぐため」と考えると、どこから手を付けるべきかが見えてきます。
受付の自動化のデメリットと注意点
受付の自動化にはデメリットもあります。先に知っておけば、導入してから困ることを減らせます。
1つ目のデメリットは、機械に任せた入口が使いにくいと、相手が離れてしまうことです。項目が多すぎるフォーム、スマホで押しにくい予約画面、選択肢が分かりにくい自動音声は、相手に「面倒だ」と思わせます。電話なら一言で済んだ用件を、何画面も入力させるのは逆効果です。
2つ目は、自動返信が冷たく見えることがあることです。定型の文章だけで終わると、相手は「本当に人が読んでいるのか」と不安になります。自動返信には、いつまでに担当から連絡するのかを必ず書き、その約束を守る仕組みを作っておく必要があります。
3つ目は、入口を増やしたことで、かえって見る場所が増えることです。フォーム、予約システム、メール、SNSのメッセージを別々の画面で確かめていると、自動化する前より見落としが増えることもあります。自動化は入口を増やすことではなく、入口から届いたものを1か所に集めることだと考えておきます。
4つ目は、費用が続くことです。多くの受付の仕組みは月額の料金がかかります。使う人数や受付の件数で料金が変わる製品も多く、事業が大きくなると費用も上がります。導入する前に、1年でいくらになるかを計算しておきます。
5つ目は、個人情報を扱う責任が生まれることです。フォームや予約システムには、名前、連絡先、相談の内容といった個人情報が集まります。どの会社のサーバーにデータが保存され、誰が見られるのかを把握しておかないと、思わぬ形で情報が漏れるおそれがあります。この点は、あとの節でもう少し詳しく説明します。
注意点をまとめると、「相手にとって使いやすいか」「受け取った後を回せるか」「費用と情報の管理に無理がないか」の3つを、導入の前に確かめることになります。どれか1つでも欠けると、自動化したことで受付が止まる原因になります。
受付を自動化する3つの方法
受付を自動化する方法は、扱う受付の種類によって大きく3つに分かれます。
方法1:来訪の受付をタブレットやQRコードにする
オフィスやクリニックの窓口で使われる方法です。入口にタブレットを設け、来た人が画面で名前や担当者を選ぶと、担当者に通知が届きます。事前に予約した人にはQRコードを送っておき、受付で読み取るだけで済む形もあります。来訪者が多い会社や、受付に人を配する余裕がない会社に向いています。
方法2:予約を予約システムに任せる
美容室、教室、相談、面談のように、日時を決めて会う仕事で使われる方法です。空いている枠を公開しておき、相手に選んでもらいます。予約が入ると確認のメールが自動で送られ、前日にお知らせのメールを送れる製品もあります。電話で日程を調整する時間がほとんどなくなるのが大きな利点です。
方法3:問い合わせをフォームで受けて、担当と状況を付けて回す
Webサイトの問い合わせ、資料の請求、申し込み、見積もりの依頼のように、内容を読んでから返事を考える受付に使う方法です。フォームで用件を受け取り、自動返信を送り、届いた1件ごとに担当者と状況を付けて、返事を出すところまで管理します。
3つの方法は、組み合わせて使うことも多くあります。たとえば相談の仕事なら、最初の問い合わせはフォームで受けて内容を確かめ、相談を受けると決めた人にだけ予約の画面を案内する、という流れがよく使われます。いきなり予約を受け付けると、相談の内容が合わない人まで予約してしまい、断る手間が増えるためです。
どの方法から始めるかは、今いちばん時間を取られている受付で決めます。電話での予約調整に時間を取られているなら方法2、届いた問い合わせの返事が遅れがちなら方法3が先です。全部を一度に入れ替えようとすると、相手にも自分にも負担が大きくなります。
受付の自動化を進める手順
受付の自動化は、ツールを選ぶところから始めると失敗しやすくなります。次の順番で進めると、何を自動にして何を人が担うかがはっきりします。
- 今の受け口を書き出す
- 届く用件を分類する
- 受け口を1つにまとめる
- 自動返信の文面と返事の期限を決める
- 担当の決め方と状況の段階を決める
- 試しに1か月動かして、数字で見直す
手順1:今の受け口を書き出す
まず、問い合わせや予約がどこから届いているかをすべて書き出します。電話、メール、Webサイトのフォーム、SNSのメッセージ、予約サイト、紹介者からの連絡などです。それぞれについて、1か月に何件くらい届くか、誰が確かめているかを書き添えます。書き出してみると、「誰も毎日は見ていない入口」が見つかることがよくあります。
手順2:届く用件を分類する
次に、過去1か月から3か月の問い合わせを読み返し、用件を分類します。料金の質問、予約の申し込み、予約の変更、見積もりの依頼、苦情、営業の連絡、といった具合です。分類すると、自動で答えられる用件と、人が読んで判断する必要がある用件が分かれます。料金や営業時間のように毎回同じ答えになる質問は、Webサイトに答えを載せるだけで件数を減らせます。
手順3:受け口を1つにまとめる
用件が見えたら、できるだけ1つの受け口に集めます。Webサイトの問い合わせフォームを正面の入口にして、メールやSNSで届いた用件にもフォームを案内する、という形が分かりやすい方法です。電話で受けた用件も、受けた人が社内用のフォームに入力する決まりにすれば、記録が1か所にそろいます。
手順4:自動返信の文面と返事の期限を決める
自動返信には、受け付けたこと、受け付けた内容の控え、担当から連絡する期限、急ぎのときの連絡先を書きます。期限は「2営業日以内」のように、守れる長さで決めます。守れない期限を書くと、自動返信がかえって不信のもとになります。
手順5:担当の決め方と状況の段階を決める
届いた1件を誰が担当するかの決め方を決めます。用件の種類で決める、曜日で決める、届いた順に交代で受け持つ、などの方法があります。あわせて、「未対応」「対応中」「回答待ち」「完了」のように、状況の段階を決めます。段階が決まっていれば、今どの問い合わせが止まっているかが一目で分かります。
手順6:試しに1か月動かして、数字で見直す
仕組みができたら、1か月動かしてから見直します。届いた件数、用件ごとの割合、最初の返事までの時間、完了までの時間を数えます。返事の期限を守れなかった件があれば、その理由を確かめ、担当の決め方や段階を手直しします。
問い合わせの受け口を整えるポイント
問い合わせのフォームは、受付の自動化の中心になる入口です。作り方で使いやすさが大きく変わるので、押さえておきたい点を整理します。
項目は、返事をするために本当に必要なものだけにします。最初は名前、連絡先のメールアドレス、用件の種類、内容の4つで足ります。会社名や電話番号は、用件によって必要なときだけ聞くようにします。項目が1つ増えるごとに、途中でやめてしまう人が出やすくなります。
用件の種類は、選択肢で選んでもらいます。「料金について」「予約について」「見積もりの依頼」「その他」のように、手順2で分類した用件をそのまま選択肢にすると、届いた時点で振り分けができます。自由に書いてもらう欄だけだと、読むまで用件が分からず、担当を決めるのが遅れます。
必須の項目は最小限にします。必須にした項目は、相手が答えられないと送信できなくなります。「分からない」「まだ決まっていない」という答えも選べるようにしておくと、相談の入口として使いやすくなります。
スマホで入力しやすいかを必ず確かめます。問い合わせの多くはスマホから届きます。文字が小さすぎないか、選択肢が押しやすいか、入力の途中で画面が崩れないかを、自分のスマホで実際に入力して確かめます。
自動返信の文面は、たとえば次のような形にします。
〇〇様
お問い合わせいただき、ありがとうございます。
次の内容で受け付けました。
用件:〇〇
内容:〇〇
担当者より、2営業日以内にメールでご連絡します。
お急ぎの場合は、〇〇までお電話ください。
最後に、迷惑な送信への備えも考えておきます。フォームを公開すると、営業の連絡や機械による大量の送信が届くことがあります。多くのフォームの製品には、機械による送信を防ぐ仕組みがあります。導入するときに、どの程度の対策が用意されているかを確かめておきます。
予約の受け口を整えるポイント
予約の受付を自動にするときは、問い合わせとは違う点に気を配ります。
まず、予約できる枠のルールを先に決めます。1回あたりの時間、予約と予約の間の空き時間、何日先まで受け付けるか、当日の予約を受けるかを決めておかないと、予約システムを入れても調整の手間は減りません。たとえば、移動や準備に時間がかかる仕事なら、予約の間に30分の空きを必ず入れる設定にしておきます。
次に、変更と取り消しの決まりを決めます。何日前まで変更できるか、取り消しのときに料金がかかるかを、予約の画面と確認のメールの両方に書いておきます。決まりが書かれていないと、前日の取り消しに対応するたびに、相手との関係に気を遣うことになります。
前日のお知らせは、予約の受付を自動にするときに効果が大きい機能です。予約した日を忘れる人は一定数いるので、前日にメールやメッセージが届くだけで、来ない人が減ります。お知らせには、日時、場所やオンラインの接続先、変更のときの連絡方法を書きます。
予約と問い合わせの境目も決めておきます。日時だけ決まればよい用件は予約の画面へ、内容を聞いてから判断する用件は問い合わせのフォームへ案内します。初めての人の相談のように、内容を確かめないと受けられるか分からないものは、先に問い合わせで受けるほうが、双方の手間が少なくなります。
最後に、予約の情報をどこで見るかを決めます。予約システムの管理画面だけで見るのか、普段使っているカレンダーに予約を反映させるのかで、使い勝手が大きく変わります。予定の確かめ漏れを防ぐには、普段から開いているカレンダーに予約が入る形にしておくのが確実です。
受け付けた後の対応を回す仕組み
受付の自動化で見落とされやすいのが、受け付けた後の部分です。フォームを公開して自動返信を設定しただけでは、届いた問い合わせが受信箱に積み上がるだけで、誰がいつ返すかは決まりません。受け付けた後を回すには、次の3つを仕組みにしておきます。
1つ目は、1件ごとに担当者を付けることです。担当が決まっていない問い合わせは、「誰かが返しただろう」と思われたまま放置されがちです。届いた時点で担当を付ける決まりにするか、毎朝、担当のない問い合わせに担当を付ける時間を設けます。
2つ目は、状況の段階を付けることです。手順5で決めた「未対応」「対応中」「回答待ち」「完了」のような段階を、1件ずつに付けます。段階ごとに並べて見られれば、未対応のまま日が経っているものにすぐ気づけます。
3つ目は、返信の内容と履歴を同じ場所に残すことです。返信をメールソフトから送ると、記録はメールソフトの中に、受け付けた内容はフォームの管理画面に、と分かれてしまいます。担当が替わったときに、何を返したかを探す手間が生まれます。
小さな規模なら、表計算のシートに受け付けた内容を書き写し、担当と状況の列を設けて管理する方法でも回せます。ただし、件数が増えると、書き写す手間と、シートとメールソフトを行き来する手間が負担になってきます。
受け付けた内容を担当と状況つきで管理したいときの候補
表計算とメールソフトを行き来しながら受付を回すのが負担になってきたときの選択肢の1つが、フォームで受け付けた内容をそのまま管理できるHalictです。公式サイトによると、フォームで届いた1件ごとに担当者、ステージ、タグを付けて管理でき、ステージごとに札が並ぶボードで見ることもできます。ステージの変更、担当者の割り当て、メモ、メールの送信といった対応の履歴は、すべて時系列で残ります。
1件を開くと、回答の内容、対応の履歴、メモ、メールの送信が1つの画面にまとまっていて、同じ画面から返信を送れます。自動返信の設定もでき、送ったメールが読まれたかどうかも記録されます。料金は使う人数で決まり、公式の料金ページでは、1人で使うフリープランが0円、メンバー3人までのスタータープランが月額2,980円(税抜)と案内されています。フォームの数と受け取る回答の数は、どのプランでも無制限です。新しい受け付けを Teams、Slack、Chatwork に通知する機能は、メンバー10人までのチームプラン(月額7,800円、税抜)から使えます。
Halictは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
どの道具を使う場合でも、大切なのは「届いた1件が今どこにあるか」が誰にでも分かる状態を作ることです。道具はその状態を作る手間を減らすためのもので、担当と段階の決まりがなければ、どの道具を入れても受付は回りません。
受付の仕組みの選び方と比較のポイント
受付の仕組みを選ぶときは、次の5つのポイントで比べます。
- どの受付を自動にできるか
- 受け付けた後の管理ができるか
- 何人で使うか、料金がどう決まるか
- 今使っている道具とつながるか
- データの保存先と管理の仕組み
1つ目は、どの受付を自動にできるかです。来訪の受付、予約、問い合わせのどれに強い製品かで、向いている場面がまったく違います。予約システムに問い合わせのフォームが付いていても、届いた後の管理まではできないこともあります。手順2で分類した用件のうち、いちばん件数が多い用件に合う製品を選びます。
2つ目は、受け付けた後の管理ができるかです。担当者を付けられるか、状況の段階を付けられるか、同じ画面から返信できるか、履歴が残るかを確かめます。入口だけの製品を選ぶと、後の管理は別の道具で補うことになります。
3つ目は、料金の決まり方です。使う人数で決まる製品、受け付ける件数で決まる製品、作れるフォームの数で決まる製品があります。今の件数だけでなく、件数が2倍になったときの料金も確かめておきます。
4つ目は、今使っている道具とつながるかです。チャットへの通知、カレンダーへの反映、表計算への書き出しができると、新しい画面を見る手間が減ります。
5つ目は、データの保存先と管理の仕組みです。誰が見られるかを決められるか、退職した人の権限を外せるか、データを書き出して持ち出せるかを確かめます。
受付の仕組みの型ごとの違いを整理すると、次のようになります。
| 比べる点 | 来訪の受付システム | 予約システム | フォームと受付の管理 |
|---|---|---|---|
| 得意な受付 | 窓口での取り次ぎ | 日時を決める受付 | 内容を読んで返す受付 |
| 自動にできること | 呼び出しの通知、記録 | 空き枠の公開、確認とお知らせのメール | 受け付け、自動返信、振り分け |
| 受け付けた後の管理 | 来訪の記録が中心 | 予約の一覧が中心 | 担当と状況、返信の履歴 |
| 向いている事業者 | 来訪者の多い会社、クリニック | 美容室、教室、相談の仕事 | 問い合わせや申し込みの多い事業者 |
おすすめの選び方は、まず無料の範囲で試せる製品で1か月動かしてみることです。実際に問い合わせや予約を受けてみると、必要な項目や段階が具体的に見えてきます。その上で、足りない機能があれば有料のプランや別の製品を検討します。
個人情報の扱いで押さえておくこと
受付を自動にすると、名前、メールアドレス、電話番号、相談の内容といった個人情報が、フォームや予約システムに集まります。個人情報の扱いには法律の決まりがあり、受付の仕組みを作るときにも関わります。
個人情報保護法では、個人情報を受け取るときの決まりを次のように定めています。
個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない。 出典: e-Gov法令検索 個人情報の保護に関する法律
利用目的とは、受け取った個人情報を何のために使うかのことです。問い合わせのフォームなら、「お問い合わせへの回答のため」「ご予約の確認と連絡のため」といった目的を、フォームの近くやプライバシーポリシーに書いておくのが一般的なやり方です。同じ条文では、本人から直接書面(フォームのような電子的なものを含む)で個人情報を受け取るときは、あらかじめ利用目的をはっきり示すことも求めています。
実際の運用で気をつけたいのは、次の点です。
- フォームの送信ボタンの近くに、利用目的とプライバシーポリシーへの案内を書く
- 管理画面を見られる人を、受付を担当する人だけに絞る
- 担当を外れた人や辞めた人の権限を、その日のうちに外す
- 相談の内容のように知られたくない情報は、チャットへの通知に本文を流さない設定にする
- 不要になった受付の記録を、いつ削除するかを決めておく
個人情報の扱いの細かい判断は、事業の内容や扱う情報の種類で変わります。迷ったときは、個人情報保護委員会の公式サイトにある案内を確かめるか、専門家に相談してください。
受付の仕事を外の人に任せるとき
受付の自動化を進めると、仕組みを作る仕事や、届いた問い合わせに一次対応する仕事を、外の人に任せる場面も出てきます。小さな事業者では、受付の仕組みづくりを在宅のフリーランスに頼む例も増えています。
仕組みを作る仕事には、フォームや予約システムの設定、自動返信の文面づくり、チャットや表計算との連携の設定などがあります。業務の流れを自動にする仕事については、RPA・業務自動化ツールのお仕事で、どのような作業が依頼されるか、どのような技能が求められるかを紹介しています。受付の自動化は、こうした仕事の入り口として依頼されることが多い分野です。
自動返信やお知らせのメールの設計は、顧客とのやりとりを自動にする仕事とも重なります。CRM・メルマガ・自動化施策のお仕事では、顧客の情報を管理し、メールの配信を自動にする仕事の中身をまとめています。受付で集まった連絡先を、その後のお知らせにどう活かすかを考えるときの参考になります。
外の人に一次対応を任せるときは、次の3つを決めてから頼みます。
- 任せる範囲:どの用件まで答えてよいか、どこから事業者本人に回すか
- 返事の基準:返事の期限、使ってよい文面の例、言ってはいけないこと
- 情報の扱い:見てよい情報の範囲、作業を終えたときの権限の外し方
範囲を決めずに任せると、任された人は判断に迷い、結局すべてを事業者に確かめることになります。受付の段階と担当の決まりが仕組みとしてできていれば、外の人にも同じ手順で任せられます。
小さな事業者の受付を見てきて分かること
フリーランスや在宅ワークの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、受付で困っている事業者の多くは、道具が足りないのではなく、入口の数が多すぎることで困っています。電話、メール、フォーム、SNSのそれぞれに少しずつ問い合わせが届き、どれも「あとで返そう」と思ったまま日が経っていく、という形です。入口を1つにまとめ、担当と段階を決めただけで、返事の遅れがほとんどなくなった例も少なくありません。
もう1つ見えてきたのは、受付が整っている事業者ほど、仕事を外に任せるのが上手だということです。届いた用件と対応の履歴が1か所に残っていれば、外の協力者にも状況を説明しやすく、任せた後の確かめも短く済みます。仲介の手数料がかからない直接の取引であれば、同じ予算でより多くの作業を頼め、受ける側も手取りが厚くなります。その関係を長く続けるうえでも、受付の記録が整っていることは大きな助けになります。受付の自動化は、作業を減らすための取り組みであると同時に、人に任せられる形に整える取り組みでもあります。
まずは今の受け口を書き出すところから始めてください。1か月の件数と用件が見えれば、どの受付から自動にするべきかは自然に決まります。
よくある質問
Q. 受付の自動化は、まず何から始めればよいですか?
最初にやるのは、ツールを選ぶことではなく、今の受け口を書き出すことです。電話、メール、フォーム、SNSのそれぞれに1か月で何件届くか、誰が確かめているかを書き出し、過去の問い合わせを用件ごとに分類します。いちばん件数が多く時間を取られている用件から、自動にする方法を選ぶと失敗が少なくなります。
Q. 自動返信のメールには何を書けばよいですか?
受け付けたこと、受け付けた内容の控え、担当から連絡する期限、急ぎのときの連絡先の4つを書きます。期限は「2営業日以内」のように、確実に守れる長さにします。守れない期限を書くと、かえって相手の不安や不信のもとになるため、期限を守る担当の決まりとあわせて決めておきます。
Q. 小さな事業者でも受付の仕組みに費用をかけるべきですか?
件数が少ないうちは、無料のフォームと表計算のシートで、担当と状況の列を設けて管理する方法でも回せます。件数が増えて、書き写す手間やメールソフトとの行き来が負担になってきたら、受け付けた後の管理までできる製品を検討します。無料の範囲で1か月試してから決めると判断しやすくなります。
Q. フォームで個人情報を受け取るときに気をつけることは何ですか?
受け取った情報を何に使うかという利用目的を、フォームの近くやプライバシーポリシーに書いておきます。あわせて、管理画面を見られる人を担当者に絞り、担当を外れた人の権限はすぐに外します。細かい判断は扱う情報で変わるため、迷ったときは個人情報保護委員会の案内を確かめてください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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