保健師の講師・講座の仕事


この記事のポイント
- ✓保健師 講師 副業として教える側に回る仕事を整理しました
- ✓個人指導のそれぞれについて
- ✓値付けの考え方までを実務の順番でまとめています
保健師として働いていると、頼まれて人前で話す機会が回ってきます。社内の健康セミナー、地域の健康教室、研修の一コマ。本業の一部としてやってきたその仕事は、外に出すと単独で成立する仕事になります。しかもオンラインが定着したことで、移動なしで完結する形が普通になりました。
この記事では、教える側に回る仕事にどんな種類があるのか、依頼はどこから来るのか、90分をどう組み立てるのか、そしていくらで受けるのかを、順番に整理します。資格の取り方や試験の話は扱いません。すでに保健師免許を持っている人が、それを講師の仕事に換えるための話だけを書きます。
教えてほしいという依頼が来る場面
企業の研修
最も数が多い入口です。健康経営の取り組みが広がったことで、社員向けの健康セミナーを外部に依頼する企業が増えました。テーマは生活習慣病の予防、睡眠、腰痛・肩こり、女性の健康、メンタルヘルスの基礎、管理職向けの部下の不調の見つけ方など。
依頼の形は、1回60分から90分の単発が中心で、年に1回か2回のペースで繰り返し呼ばれることもあります。オンライン開催が定着したため、住んでいる場所と関係なく受けられるようになりました。この変化が、保健師の講師案件を在宅の仕事に変えた最大の要因です。
資格制度や研修カリキュラムの講師
福祉・介護分野には、法令や制度に基づく研修が数多くあり、そのカリキュラムを担当する講師が募集されています。受講対象や指定のカリキュラムが決まっているため、話す内容の自由度は低い代わりに、継続的に開催されるので依頼が安定します。
行動援護従業者養成研修の研修講師を募集しています。指定カリキュラムに沿った講義に加え、講師自身の経験や知識を活かした指導をお願いします。介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、各種研修修了者、看護師・保健師、大学教員、強度行動障害支援者養成研修指導者・修了者、養護学校教員などが対象となります。 出典: 求人ボックス
この募集文で注目すべきは、対象資格が幅広く列挙されている点です。保健師でなければならない仕事ではなく、複数の資格のいずれかを持つ人が候補になる。つまり選ばれるかどうかは資格そのものより、その分野の実務をどれだけ扱ってきたかで決まります。
自治体や地域の健康講座
特定健診の受診勧奨、介護予防教室、母子向けの離乳食講座、生活習慣病の予防教室など。行政の保健師経験がある人にとっては、対象者も進め方も見慣れたものです。委託先の事業者を通して回ってくることが多く、単価は控えめですが、地域とのつながりが継続案件を生みます。
学校やPTA向けの講話
思春期の健康、睡眠、スマートフォンとの付き合い方、感染症の基礎といったテーマで、学校や保護者会から依頼が来ます。学校保健の経験がある人には相性がよい領域です。開催が学期に紐づくため、時期が偏るのが特徴です。
オンライン講座と個人指導
録画した講座を販売する形、少人数のオンライン講座を定期開催する形、個別に相談を受ける形。この3つは自分で内容と値段を決められる代わりに、集客をすべて自分でやることになります。依頼を受ける仕事と、自分で開く仕事は性質がまったく違うので、混ぜて考えないほうがよいです。
在宅で完結する形と、現地に行く形
オンライン開催が定着したとはいえ、すべてがオンラインになったわけではありません。現地開催が残りやすいのは、実技を伴うもの(応急処置、運動指導)、対象者がオンラインに不慣れなもの(高齢者向け)、その場の関係づくりが目的に含まれるもの(新入社員研修)です。
在宅の仕事として組み立てたいなら、最初からオンライン前提のテーマを選ぶのが早い。企業向けの座学、管理職向けの知識研修、資料が中心の講座は、オンラインで支障がありません。受注時に「オンラインのみで承っています」と明示しておけば、条件の合わない依頼が最初から来なくなります。
移動がなくなると、拘束時間は劇的に減ります。現地開催の90分の講義は、移動と待機を含めると半日が消えますが、オンラインなら前後15分の接続確認を入れても2時間で終わります。同じ報酬なら、時間あたりの実入りが倍以上変わります。
依頼はどこから来るのか
研修会社と制作会社を経由する道
企業研修の多くは、企業が直接講師を探すのではなく、研修会社や人材開発の支援会社が窓口になっています。ここに講師として登録しておくと、テーマが合ったときに声がかかる。単価から仲介の取り分が引かれますが、集客をしなくてよいのが利点です。最初の実績を作る段階では、この経路が最も現実的です。
登録の際に聞かれるのは、対応できるテーマ、対象者の層、実施形式、過去の実施実績です。実績が少ない段階では、本業で担当してきた社内研修や健康教室の実施回数を書けば材料になります。社外の実績である必要はありません。
在宅ワーク求人サイトの募集
「健康セミナー講師募集」「研修講師(保健師資格必須)」といった形で、業務委託の募集が出ます。指定カリキュラムの研修講師や、オンライン講座の担当講師はこの経路で見つかることが多い。応募時に提出する内容が明確なので、比較的準備しやすい入口です。
過去の勤務先とつながり続ける
見落とされがちですが、実際に最も多いのがこの経路です。以前勤めていた企業、委託先の自治体、関わりのあった健保組合から、退職後に講師として声がかかる。相手はすでにあなたの仕事ぶりを知っているので、選考がありません。
この経路を残すには、辞めるときの引き継ぎを丁寧にやることと、年に1回程度でも連絡を取れる関係を保つことです。営業活動というより、関係のメンテナンスに近い作業です。
自分で発信する
書いたものを公開しておくと、それを見た担当者から依頼が来ることがあります。ブログでも、業界向けのメディアへの寄稿でもかまいません。この経路の利点は、テーマを自分で選べることです。書いた内容と同じテーマの依頼が来るので、準備がそのまま流用できます。
提案資料とプロフィールの作り方
1枚の提案資料を用意する
依頼側の担当者は、社内でこの講師を呼びたいと説明する必要があります。そのとき使える1枚があるかどうかで、話の進み方が変わります。載せるのは、テーマ名、対象者、所要時間、参加者が持ち帰るもの、当日の流れ、講師の実務経歴。この6項目を1枚に収めます。
作り込んだ企画書は不要です。1枚で概要が分かり、担当者がそのまま上司に転送できる形であることのほうが重要です。
プロフィールに書くこと
「保健師歴12年」だけでは、何を頼めるか分かりません。扱ってきた対象と場面を具体的に書きます。「製造業の健康管理室で特定保健指導とストレスチェック後の面談を担当」「行政で乳幼児健診と新生児訪問を担当」のように書くと、担当者は自社の課題と照合できます。
あわせて、受けない領域を書いておくと選考が早く進みます。診断や治療に踏み込む内容は医師の領域だと明示しておけば、そぐわない依頼が減ります。
始め方の順番
教える内容を1つに絞る
最初につまずくのは、「保健師なので健康全般について話せます」という出し方をしてしまうことです。依頼側は、自社の課題に合う人を探しているので、全般を扱える人よりも、特定のテーマを扱ってきた人を選びます。
絞り方の基準は、自分が最も多く現場で扱ってきた対象と場面です。特定保健指導を数百件やってきたなら生活習慣病、ストレスチェック後の面談を担当してきたならメンタル不調の早期発見、乳幼児健診を担当してきたなら子育て世代の健康。ここを1つに決めて、その1つで90分の型を作ります。
90分の型を作る
講義の骨格は、テーマが変わっても使い回せます。実務で使われている構成はおおむね次の並びです。
| 時間 | 内容 |
|---|---|
| 最初の10分 | 参加者の状況を確認する。挙手やチャットで反応をもらう |
| 次の25分 | 現状のデータと、なぜこのテーマが自分に関係あるのかを示す |
| 次の30分 | 具体的な判断基準と行動。ここが本体 |
| 次の15分 | 個別の事情に応じた例外と、相談先の案内 |
| 最後の10分 | 質疑と、明日から何をするかの持ち帰り |
この型に沿って1本作り込むと、テーマを変えた2本目は半分以下の時間で作れます。逆に、毎回ゼロから資料を作っていると、単価がいくら高くても割に合いません。
型を作るときに一緒に決めておきたいのが、削る順番です。研修は時間が押すことが前提で、実際には予定より短く終わらせるよう求められる場面が頻繁にあります。どのブロックから削るかを先に決めておけば、当日その場で慌てずに済みます。削ってよいのは背景の説明で、絶対に削らないのは具体的な判断基準の部分です。この優先順位を資料の段階で自分に分かる形で印を付けておくと、時間が押しても内容の中心が崩れません。
資料の作り方
スライドは文字を詰めないほうがよい、とよく言われますが、企業研修では事情が違います。参加できなかった人に資料だけが配られることが多く、資料単体で意味が通る必要がある。この矛盾は、投影用と配布用を分けることで解決できます。投影用は要点だけ、配布用は説明を補った版を用意する。手間はかかりますが、資料が独り歩きしても内容が誤解されなくなります。
数字を載せるときは、出典と調査年を必ずスライドに書き入れてください。研修資料は数年使い回されることがあり、出典がないと更新のタイミングが誰にも分からなくなります。
試す場所を先に作る
いきなり有償の依頼を受けるのが不安なら、無償または低額で試す場を作る方法があります。地域のサークル、知人の会社の朝礼枠、オンラインの小規模な勉強会など。ここで大事なのは、練習として扱わず、本番と同じ準備をすることです。録画を取っておくと、次の営業でそのまま実績として使えます。
ただし、無償で受け続けるのは避けてください。無償の実績はいくら積んでも単価の交渉材料になりません。最初の2回か3回までと決めて、そこから先は必ず有償にします。
値付けの考え方
単発の講師料の帯
企業向けの60分から90分の研修で、3万円から10万円程度が広く見られる帯です。自治体や地域の講座は1万円から3万円程度と控えめで、指定カリキュラムの研修講師は時給換算で設定されることが多く、3,000円から8,000円程度の幅に収まります。
同じ90分でも金額が数倍違うのは、話す内容の難易度ではなく、依頼側の予算の出どころが違うからです。人材開発の予算から出る企業研修と、事業費から出る地域講座では、そもそも桁が違います。応募する前に、その講座が何の予算で開かれているかを見ておくと、条件交渉の見通しが立ちます。
資料作成を無償にしない
見落とされやすいのがここです。講師料が講義の時間分しか計算されていないと、資料作成の数時間が丸ごと無償になります。新規のテーマで依頼を受けるときは、資料作成費を別に立てるか、講師料に含める前提で金額を提示してください。既存の資料を使い回す2回目以降は、この分を下げて提示することで交渉の余地が作れます。
キャンセルと延期の扱い
企業研修は、参加者が集まらないことを理由に直前で延期になることがあります。開催の何日前からキャンセル料が発生するかを、受注時に決めておく。実務では、7日前から50%、前日以降は100%といった設定がよく使われます。この一文があるだけで、直前の予定変更に振り回されなくなります。
録画講座は別の商売として考える
作った講義を録画して販売する形は、一度作れば繰り返し売れる点が魅力ですが、依頼を受ける仕事とはまったく別の技能が要ります。集客、販売ページ、決済、問い合わせ対応。これらを自分でやる覚悟がないなら、まずは依頼を受ける形で数をこなし、同じ質問が繰り返し来ることを確認してから録画に移るほうが確実です。
当日の進め方
オンライン研修で失敗が起きるのは、内容ではなく段取りの部分です。開始15分前に接続して、画面共有と音声を確認する。参加者のカメラとマイクの扱いを主催者と決めておく。質疑をチャットで受けるか音声で受けるかを最初に宣言する。この3つを毎回同じ手順でやれば、事故はほぼ起きません。
反応が見えないのがオンラインの難点なので、10分に1回は参加者に何かを求める設計にします。チャットに一言書いてもらう、投票機能で選んでもらう、手元の紙に書いてもらう。この間の取り方だけで、最後まで残る参加者の割合が変わります。
1回で終わらせず、年間の枠に入る
講師の仕事で収入が安定するかどうかは、単価よりも「来年も呼ばれるか」で決まります。企業の研修計画は年度単位で組まれるため、次年度の計画が固まる時期に候補として名前が挙がっているかどうかが分岐点になります。
そのために有効なのは、実施後の報告に次回の提案を1行添えることです。「今回は基礎編でしたので、次は管理職向けに絞った回があると効果が上がると思います」といった具体的な提案があると、担当者は来年度の企画に組み込みやすくなる。逆に、実施して終わりにすると、翌年には別の候補と横並びで比較されます。
もうひとつは、同じ企業の中で別の部署に横展開することです。人事部門で実施した内容を、工場の安全衛生委員会や支社向けにも展開できないかを提案する。すでに一度実施しているので、社内での説明コストがほぼゼロです。1社の中で年に3回、4回と積み上がると、新規の営業をしなくても稼働が埋まります。
参加者アンケートの結果を自分でも受け取れるようにしておくと、この提案の説得力が上がります。集計結果を持っていれば、次の依頼先に対しても実績として示せます。依頼時に「アンケート結果を共有していただけますか」と一言添えるだけなので、必ず頼んでおいてください。
契約と請求まわり
決めておく5項目
契約書が交わされない小規模な依頼でも、次の5つはメールで確認しておいてください。実施日時と所要時間、報酬額と支払期日、資料の著作権が誰に帰属するか、録画の可否と二次利用の範囲、キャンセル料の条件。
このうち見落とされやすいのが、録画と資料の扱いです。研修を録画して社内で繰り返し再生されると、1回分の報酬で何度も使われることになります。録画を許可するなら、視聴期間や視聴範囲を決めるか、その分を報酬に上乗せする形にします。
資料の著作権
作った資料の権利を依頼側に譲渡する条件になっていると、同じ資料を他社の研修で使えなくなります。テーマを絞って型を作り回す進め方とは相性が悪いので、原則として著作権は自分に残し、依頼側には使用を許諾する形にするのが望ましい。この点は受注前に確認してください。
源泉徴収と請求書
講師料は、支払元によって源泉徴収されて振り込まれることがあります。提示された金額が税込なのか、源泉徴収後の手取りなのかで、実際に入る額が変わります。見積もりの段階で確認してください。給与以外の所得が年間で一定額を超えると確定申告が必要になるので、支払調書と入金記録は年単位で残しておきます。細かい取り扱いは所得の区分によって変わるため、国税庁の確定申告に関する情報や税務署の窓口で確認するのが確実です。
つまずきやすいところ
資格の線引きを説明できるようにしておく
保健師は名称独占の資格であり、保健師の免許を持たない者が保健師またはこれに紛らわしい名称を使うことは、保健師助産師看護師法第42条の3で禁じられています。肩書きとして「保健師」を掲げられること自体が講師としての土台になります。
一方で、健康教育や講話そのものは業務独占ではありません。「保健師でなければできない講座」という説明は正確ではないので、そう言われても鵜呑みにしないほうがよいです。診断や治療、薬の効き方に踏み込む内容は医師の領域なので、依頼のテーマがそこに寄っている場合は、扱える範囲を先に確認してください。判断に迷う内容は、引き受ける前に所属先や専門家に相談することをおすすめします。
勤務先の規定
常勤で働きながら受ける場合は、就業規則の副業規定を確認してください。地方公務員として働いている保健師には、地方公務員法の営利企業への従事制限があり、許可の要否が民間勤務とは別の枠組みになります。所属の人事部門に確認するのが確実です。
参加者からの個別相談への対応
講義のあとに、個別の健康相談を持ちかけられることがあります。その場で答えると、講義とは別の責任が発生します。実務としては、一般的な情報として答えられる範囲にとどめ、個別の判断が要る内容は受診や産業医への相談を案内する形にする。この線引きを最初に宣言しておくと、対応が楽になります。
続けている人がやっていること
フリーランス・在宅ワークの市場を20年見てきた立場から言えば、講師の仕事で継続している人は、話がうまい人ではありません。終わったあとの扱いが丁寧な人です。
具体的には、当日中に主催者へ実施報告を短く送る、質疑で答えきれなかった質問に後日まとめて回答する、次回に向けた改善点を自分から1つ提案する。この3つをやっている人には、翌年も同じ担当者から連絡が来ます。研修の担当者は毎年同じ悩みを抱えているので、去年うまくいった人に頼むのが最も安全な選択だからです。
もうひとつ、運営者として見てきた限りでは、仲介の取り分が乗らない直接の取引に移った人ほど、同じ拘束時間に対する手取りが厚くなっています。依頼側から見ても、同じ予算で開催回数を増やせます。手数料0%で直接つながる形が広がっているのは、どちらか一方が得をするからではなく、両側の帳尻が同時に合うからです。年に何回も呼ばれる研修では、この差が累積します。
在宅の仕事全体の中での位置づけ
在宅で受けられる仕事を、作業量に比例して報酬が増えるものと、判断や経験に対して報酬が付くものに分けると、講師は後者の典型です。90分という時間の枠は変わらないのに、話す人によって金額が数倍変わる。変えているのは、その人が持っている現場の経験です。
教える形の仕事全般がどう組み立てられているかを見たい場合は、講師業を含む分野の解説としてITコンサルティング・講師のお仕事がまとまっています。分野は違いますが、依頼の受け方、資料の扱い、単価の決まり方の構造は共通しています。相談を受ける形の仕事に広げるなら、キャリア・副業・人生相談のお仕事が近い領域です。講師と個別相談は、集客の入口を共有できるため、両方持っている人が多い組み合わせです。
資格を軸に仕事を組み立てる進め方は、他の資格でも構造が似ています。国家資格を持つ人がコンサルティングの形で仕事にしている例としてマンション管理士の副業|管理組合のコンサルティング【2026年版】があり、依頼の入口や単価の考え方は保健師にもそのまま当てはまります。相談業を軸にした始め方はキャリアコンサルタント資格の活かし方|副業・独立ガイド【2026年版】にまとめられています。
単価の相場観を掴むための材料としては、統計から職種ごとの収入を整理した著述家,記者,編集者の年収・単価相場のようなページが使えます。講師業そのものの統計ではありませんが、研修資料の制作や記事執筆と講師業は同じ予算枠から出ることが多く、依頼側の相場感を推し量る材料になります。資格が案件の要件としてどう書かれるかを知りたい場合は、行政書士のような資格ガイドの説明が参考になります。
講師の仕事には、他の在宅ワークにない副産物もあります。人前で説明した内容は、そのまま記事や資料の材料になることです。研修で何度も質問される箇所は、読者がつまずく箇所とほぼ一致します。講義を何本かやった人が書く健康記事は、どこを厚く説明すべきかが分かっているので、最初から実用的な形になります。逆の順番も成立し、記事を書いた人が講師に呼ばれることもあります。書く仕事と教える仕事は、同じ材料を別の形で出しているだけなので、片方が動き始めるともう片方も取りやすくなります。
一方で、講師の仕事だけを積み上げていくと、収入が開催回数に縛られます。話す時間そのものは増やせないため、どこかで頭打ちになる。そこを超えたい場合は、資料の形で残る成果物を作るか、複数の企業に同じ内容を展開するかのどちらかになります。どちらを選ぶにしても、テーマを絞って1本を仕上げておくことが前提条件になります。
最後に規模感を書いておきます。本業を持ちながら回せる範囲は、月1回から4回程度です。新規テーマの資料作成に5時間から10時間かかるためで、既存の資料を使い回せるようになると、1回あたりの準備は1時間程度まで下がります。つまり、この仕事は最初の1本を作り込めるかどうかで、その後の効率がほぼ決まります。テーマを絞って1本を仕上げることが、遠回りに見えて最短の道です。
よくある質問
Q. 人前で話した経験がなくても講師の仕事は受けられますか?
受けられます。企業研修の参加者が求めているのは話術ではなく、現場を知っている人の判断基準だからです。まずは自分が最も多く扱ってきたテーマを1つ選び、90分の構成を作り込んでください。地域のサークルや知人の会社の枠で2回か3回試して録画を残せば、応募時の材料になります。
Q. 保健師の講師料の相場はどのくらいですか?
企業向けの60分から90分の研修で3万円から10万円程度、自治体や地域の講座は1万円から3万円程度、指定カリキュラムの研修講師は時給換算で3,000円から8,000円程度が広く見られる帯です。金額の差は内容の難易度より、依頼側の予算の出どころによって決まります。
Q. オンラインだけで受けることはできますか?
できます。座学中心の企業研修や管理職向けの知識研修は、オンラインで支障がありません。受注時に「オンラインのみで承っています」と明示しておくと、条件の合わない依頼が最初から来なくなります。移動がなくなる分、同じ報酬でも時間あたりの実入りが大きく変わります。
Q. 講義のあとに個別の健康相談をされたらどうすればよいですか?
一般的な情報として答えられる範囲にとどめ、個別の判断が要る内容は受診や産業医への相談を案内してください。その場で個別の判断を示すと、講義とは別の責任が発生します。講義の冒頭でこの線引きを宣言しておくと、質疑の時間の運び方が楽になります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
関連記事
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

AI活用
職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人
看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人
薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人
介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人
保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人
医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ
サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス
経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方







