大学生が家庭教師を個人契約で受けるときの生徒の探し方と注意点

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大学生が家庭教師を個人契約で受けるときの生徒の探し方と注意点

この記事のポイント

  • ✓大学生が家庭教師を個人契約で受けるときの生徒の探し方
  • ✓契約前に家庭と決めておくこと
  • ✓トラブルと安全への備えを

家庭教師のセンターに登録して教えるのではなく、家庭と直接約束して教える「個人契約」を考える大学生は少なくありません。手元に残る報酬が多くなりやすい一方で、生徒をどう見つけるか、料金をいくらにするか、税金や親の扶養はどうなるかを、自分ひとりで決めなければなりません。この記事では、大学生が家庭教師を個人契約で受けるときの生徒の探し方と、契約の前に決めておくこと、税金と扶養の線、トラブルと安全への備えを順に整理します。税金と保険の数字は、国税庁と日本年金機構の今日時点の記載で確かめたものです。

家庭教師の個人契約とは、どんな働き方か

家庭教師の個人契約とは、家庭教師のセンターや派遣の会社を通さず、生徒の家庭と講師が直接、指導の内容と報酬を取り決める働き方のことです。家庭が講師に直接報酬を払い、間に入る会社の取り分はありません。

センターに登録して教える場合とは、立場が大きく違います。センター経由では、多くの場合、センターが家庭と契約を結び、講師はセンターから仕事を受けます。報酬の請求、支払いの催促、家庭からの苦情の受け止めは、センターが担ってくれます。個人契約では、こうした役割をすべて講師自身が担います。

個人契約の講師は、雇われて働く人ではありません。家庭に雇われるアルバイトではなく、指導という仕事を引き受ける個人の事業者に近い立場です。このため、アルバイトのような給与ではなく、報酬として受け取ります。この違いは、あとで説明する税金と扶養の計算に大きく関わります。

「家庭教師の個人契約は違法ではないのか」という疑問を持つ人もいます。家庭と講師が合意して、勉強を教え、その対価を受け取ること自体を禁じる法律はありません。気をつけたいのは、もらった報酬を税金の申告で正しく扱うことと、センターに登録している場合はその規約を守ることです。たとえば、センターから紹介された家庭と、センターを通さずに直接契約を結び直すことは、多くのセンターの規約で禁じられています。違反すると違約金を求められることもあるので、登録している人は規約を読み返しておきましょう。

センター経由と個人契約の違い

比べる点 センター経由 個人契約
生徒の見つけ方 センターが紹介する 自分で探す
報酬の決め方 センターの規定 家庭と相談して決める
報酬の受け取り センターから 家庭から直接
未払いや苦情への対応 センターが間に入る 自分で対応する
研修や教材 用意されていることが多い 自分で準備する
税金の扱い センターとの契約の形による 自分で申告を考える

個人契約が向いているのは、教える科目に自信があり、家庭とのやりとりも含めて自分で管理できる人です。反対に、初めて家庭教師をする人や、家庭との交渉に不安がある人は、まずセンター経由で経験を積み、教え方と家庭との接し方を身につけてから個人契約に移るほうが無理がありません。

個人契約で受けるメリットと、引き受けること

個人契約の一番のメリットは、間に入る会社の取り分がないため、家庭が払う金額のほとんどが講師の手元に残ることです。家庭の側も、センターの入会金や管理費を払わずに済むので、同じ予算でより多くの回数を頼めることがあります。講師と家庭の双方に得のある形を作りやすいのが、個人契約の特長です。

そのほかのメリットとして、次のようなものがあります。

・指導の日時や回数を、家庭と相談して柔軟に決められる
・教材や教え方を、生徒に合わせて自由に選べる
・同じ家庭の兄弟姉妹を続けて受け持つなど、関係が長く続きやすい
・センターの研修や報告書の決まりに縛られない

一方で、引き受けることも多くなります。報酬の請求と受け取り、日程の調整、急な休みの扱い、保護者への報告、そして万一のトラブルへの対応まで、すべて自分の仕事になります。センター経由なら事務の担当者がしてくれることを、自分の時間を使って行うことになります。

特に見落としやすいのが、授業の時間以外にかかる時間です。教材の準備、宿題の採点、テスト前の問題作り、保護者への連絡など、1回90分の授業の前後に30分から1時間ほどの準備がかかることは珍しくありません。報酬を決めるときは、授業の時間だけでなく、この準備の時間も含めて考えることが大切です。

言葉を扱う仕事をしてきた立場から見ると、個人契約で信頼される講師は、授業の中身と同じくらい、保護者への連絡の言葉選びに気を配っています。「今日は集中できていませんでした」と書くか、「今日は途中で疲れが見えたので、後半は復習に切り替えました」と書くかで、受け取る保護者の気持ちは大きく変わります。同じ事実でも、次にどうするかまで添えて伝えると、保護者は安心して任せられます。

生徒の探し方5つ

個人契約の生徒を見つける方法は、大きく5つあります。それぞれの特徴と、気をつけることを整理します。

1. 知り合いからの紹介

最も始めやすく、トラブルも少ないのが、親戚や知人、高校時代の先生や部活動の後輩の家庭など、知り合いを通じた紹介です。紹介してくれる人がいるので、家庭の様子があらかじめ分かり、お互いに安心して始められます。

ただし、知り合いだからこそ、お金の話をあいまいにしがちです。紹介であっても、料金や支払いの方法は最初にはっきり決め、書面に残しておきましょう。

2. 大学や大学生協の紹介

大学によっては、学生支援の窓口や大学生協が、家庭教師のアルバイトを紹介していることがあります。大学を通した紹介は、家庭の側も大学の名前を見て安心できるので、話がまとまりやすい方法です。紹介の仕組みがあるか、紹介料がかかるかは大学や生協によって違うので、学生支援の窓口で確かめてください。

3. 個人契約のマッチングサイトや掲示板

家庭と講師をつなぐマッチングサイトや掲示板も、多く運営されています。講師が自分の大学、得意な科目、指導できる地域を登録し、家庭から連絡を受ける形が一般的です。

料金の仕組みはサイトによって大きく違います。講師の登録が無料で家庭が紹介料を払う形、講師が月々の利用料を払う形、契約が決まったときに手数料がかかる形などがあります。登録の前に、誰がいつ、何に対していくら払うのかを、利用規約と料金のページで必ず確かめてください。

4. オンラインでの指導

最近は、ビデオ通話を使ったオンラインの家庭教師も広がっています。移動の時間と交通費がかからず、住んでいる地域の外の生徒も受け持てるのが利点です。一方で、対面よりも生徒の手元の様子が見えにくく、ノートの書き方やつまずき方をつかむのに工夫が要ります。書画カメラやタブレットのペン入力を使い、生徒の手元を映してもらう方法がよく使われます。

5. SNSや地域の掲示板

SNSや地域の情報誌、スーパーの掲示板などで生徒を募る人もいます。ただし、SNSでの募集は、相手の素性が分かりにくく、安全の面で注意が必要です。最初のやりとりで家庭の住所や家族構成を詳しく聞かれる、会う前にお金の話ばかりになるなど、不自然な点があれば無理に進めないようにしましょう。

探し方ごとの向き不向き

探し方 始めやすさ 安心感 主な注意点
知り合いの紹介 高い 高い お金の話をあいまいにしない
大学・生協の紹介 中くらい 高い 紹介の仕組みと料金を確かめる
マッチングサイト 中くらい 中くらい 手数料と規約を読む
オンライン 高い 中くらい 機材と通信の準備
SNS・掲示板 高い 低い 相手の素性を確かめる

初めて個人契約をする人は、知り合いの紹介か、大学を通した紹介から始めるのが安心です。慣れてきたら、マッチングサイトやオンラインで受け持つ生徒の幅を広げていく、という順番が無理のない進め方です。

報酬の相場と、料金の決め方

個人契約では、料金を自分で決めなければなりません。参考になるのが、求人として出ている家庭教師の時給です。求人ボックスの集計では、次のように示されています。

家庭教師の仕事の平均時給はアルバイト・パートで約1,796円。派遣社員では1,498円程度の相場になっているようです。 出典: 求人ボックス

この数字は、センターや塾の求人の時給を集計したものです。個人契約では、センターの取り分がない分、家庭が払う金額をこれと同じか少し上に設定しても、家庭の負担はセンター経由より軽くなることがあります。

料金を決めるときは、次の点を考えに入れます。

・教える学年と科目(中学受験、大学受験など、準備に手間のかかるものほど高めにする)
・1回の時間と、月の回数
・交通費を別に受け取るか、料金に含めるか
・準備や採点にかかる時間
・自分の大学や、これまでの指導の経験

インターネットの質問サイトには、「90分、交通費込みで3,000円は妥当か」といった保護者からの相談も見られます。90分で3,000円は、時給に直すと約2,000円です。交通費を含めると、移動の距離によっては求人の平均と大きく変わらない水準になります。片道に1時間かかる家庭なら、往復の時間も含めると実際の時給は半分近くまで下がります。料金を考えるときは、移動の時間も含めて、自分の時間1時間あたりにいくら残るかを計算してみてください。

報酬の受け取り方

報酬の受け取り方は、手渡し、銀行振込、スマートフォンの送金サービスなどから、家庭と相談して決めます。手渡しは手軽ですが、受け取った記録が残りにくく、金額の行き違いが起きたときに確かめる手段がありません。手渡しにする場合は、受け取った日と金額を書いた簡単な領収書を渡し、自分の手元にも控えを残しておきましょう。銀行振込なら通帳に記録が残るので、税金の申告のときにも、受け取った金額を正確に数えられます。振込手数料をどちらが負担するかも、最初に決めておくと揉めません。

料金は、最初に決めたら途中で上げにくいものです。最初から無理のない金額を伝え、受験の学年に上がるときなど、指導の中身が変わる節目に見直す約束をしておくと、話を切り出しやすくなります。

契約の前に家庭と決めておくこと

個人契約のトラブルの多くは、最初の取り決めがあいまいだったことから起こります。指導を始める前に、次の項目を家庭と話し合い、紙かメールで残しておきましょう。

決めておく項目

  1. 料金(1回あたりか、1か月あたりか)
  2. 支払いの方法と期日(手渡しか振込か、毎回か月末か)
  3. 指導の曜日、時間、回数
  4. 交通費の扱い
  5. 急な休みの扱い(生徒の都合、講師の都合、それぞれ何日前までなら振替か)
  6. 教材の費用を誰が負担するか
  7. 指導の期間と、やめるときの連絡の時期
  8. 連絡の手段(保護者の誰に、どの方法で連絡するか)
  9. 指導の範囲(宿題を見るだけか、受験の対策まで含むか)

特に揉めやすいのが、5番目の休みの扱いです。「前日までの連絡なら振替、当日の休みは1回分の料金をいただく」のように、具体的に決めておきます。講師の側の都合で休む場合の扱いも、同じように決めておくと公平です。

書面の例

難しい契約書を作る必要はありません。次のような簡単な合意の文面を作り、保護者と講師がそれぞれ控えを持つだけでも、あとの行き違いを大きく減らせます。

・指導の科目と対象:中学2年生の数学と英語
・指導の日時:毎週火曜日と金曜日、19時から20時30分
・料金:1回あたり〇〇円、交通費は実費を毎月末にまとめて精算
・支払い:毎月末日までに、その月の分を指定の口座へ振込
・休みの扱い:前日18時までの連絡で振替、それ以降は1回分の料金
・終了の連絡:やめるときは1か月前までに伝える

長く続く契約で知っておきたい法律

指導の期間が2か月を超え、支払いの総額が5万円を超える家庭教師の契約は、特定商取引法で「特定継続的役務提供」と呼ばれる取引に当たることがあります。特定商取引法とは、訪問販売や長期の習い事など、トラブルが起きやすい取引について、事業者が守るべきことを決めた法律です。この取引に当たると、事業者は契約の内容を書いた書面を渡すことや、一定の期間内であれば契約を取り消せる仕組み(クーリング・オフ)、途中でやめるときの違約金の上限などを守る必要があります。

この決まりは、主に家庭教師の事業を営む会社を想定したものです。大学生が個人で数人を教える場合にどこまで当てはまるかは、取引の形によって変わります。ただ、家庭の側から見れば、内容を書いた書面があること、途中でやめられることは安心につながります。月謝をまとめて前払いでもらう約束にはせず、その月の分をその月に受け取る形にしておけば、途中でやめるときの精算で揉めることもありません。法律の内容は、消費者庁の特定商取引法のページで確かめられます。

税金と親の扶養:大学生が知っておきたい線

個人契約の報酬は、アルバイトの給与とは税金の扱いが違います。ここを知らずに受け持ちを広げると、親の扶養から外れてしまうことがあるので、特に注意が必要です。

報酬は「給与」ではなく、多くは「雑所得」

個人契約で受け取る報酬は、雇われて得る給与ではないので、給与所得にはなりません。継続して教えている場合、多くは雑所得か、規模によっては事業所得として扱われます。雑所得とは、給与や事業などのどれにも当たらない所得のことで、国税庁は計算の方法を次のように説明しています。

総収入金額 − 必要経費 = 業務に係る雑所得 (注)業務に係るものとは、副業に係る収入のうち営利を目的とした継続的なものをいいます。 出典: 国税庁 No.1500 雑所得

ここで大切なのは、給与なら差し引ける「給与所得控除」が、雑所得には無いことです。給与所得控除とは、給与の収入から一定の額を経費の代わりに差し引ける仕組みのことで、令和8年分は最低でも74万円が差し引かれます。個人契約の報酬は、この差し引きが無い代わりに、教材費や交通費など実際にかかった経費を差し引きます。経費が少なければ、受け取った報酬がほぼそのまま所得になります。

親の扶養から外れる線

親の税金の計算で、子どもが扶養親族になれるのは、その子の1年間の合計所得金額が62万円以下のときです(令和8年分)。給与だけなら給与の収入が136万円以下に当たりますが、個人契約の報酬は給与所得控除が無いので、経費を差し引いた後の所得が62万円を超えた時点で、この線を越えます。

19歳以上23歳未満の子どもの場合は、所得が62万円を超えても、123万円以下までなら、親が「特定親族特別控除」を受けられます。特定親族特別控除とは、扶養親族から外れた大学生の年代の子どもについて、子の所得に応じて段階的に親の控除を残す仕組みのことで、控除の額は子の所得が多いほど小さくなります。

アルバイトの給与と個人契約の報酬の両方がある人は、給与所得と雑所得を合計して判断します。たとえば、塾のアルバイトの給与と、個人契約の家庭教師の報酬の両方を受け取っている場合、それぞれの所得を合計した金額が線を越えていないかを見る必要があります。

本人の所得税と勤労学生控除

本人の所得税は、令和8年分は合計所得金額が132万円以下なら基礎控除が104万円になります。基礎控除とは、すべての人が所得から差し引ける控除のことです。さらに、学生で合計所得金額が89万円以下などの要件を満たせば、勤労学生控除として27万円を差し引けます。勤労学生控除は、自分の勤労による所得があることと、勤労による所得以外の所得が10万円以下であることが要件です。個人契約の報酬がこれに含まれるかは、所得の区分によって変わるので、確定申告の前に税務署で確かめてください。

確定申告と「20万円」の誤解

「20万円以下なら申告しなくてよい」という話はよく聞かれます。国税庁の説明では、これは給与を1か所から受けていて年末調整を受けている人が、給与以外の所得の合計が20万円以下のときに、所得税の確定申告をしなくてよいという決まりです。アルバイトをしていない学生が個人契約の報酬だけを受け取っている場合は、この決まりとは別に、所得の合計が基礎控除などを下回るかどうかで申告が必要かが決まります。

また、所得税の申告が要らない場合でも、住民税の申告は別に必要になることがあります。住民税は市区町村ごとに扱いが違うので、住んでいる市区町村の税の窓口で確かめましょう。

健康保険の扶養

税金とは別に、親の勤め先の健康保険の扶養の線もあります。日本年金機構の説明では、19歳以上23歳未満の人は、令和7年10月1日以降の認定から、年間の収入が150万円未満であることが要件の1つになっています。ここでいう収入は、税金の所得とは数え方が違い、これから1年間に見込まれる収入で判断します。親が加入している健康保険の組合によって判断の方法が違うことがあるので、親の勤め先を通して確かめてもらうのが確実です。詳しくは日本年金機構の被扶養者の説明で確かめられます。

記録の付け方

税金と扶養の判断のために、受け取った報酬と使った経費は、毎月記録しておきましょう。日付、家庭、金額、受け取った方法を表に整理し、教材や文房具の領収書は封筒やファイルに保管しておきます。振込で受け取ると、通帳やアプリの記録が残るので、あとから確かめやすくなります。確定申告の書類は、国税庁の確定申告書等作成コーナーで画面の案内に沿って作れます。

初回の面談で確かめること

個人契約が決まりかけたら、指導を始める前に、保護者と生徒と顔を合わせる面談の場を設けましょう。センター経由なら担当者が事前に聞き取ってくれることを、個人契約では自分で聞き取る必要があります。面談で確かめておきたいのは、次の5つです。

1. 家庭が家庭教師に何を求めているか

「定期テストの点数を上げたい」「志望校に合格したい」「家で勉強する習慣をつけたい」など、家庭の求めることはさまざまです。目的によって、指導の進め方も、成果の見え方も変わります。保護者の言葉をそのまま書き留めておき、毎月の報告でその目的にどれだけ近づいたかを伝えると、話がかみ合います。

2. 生徒本人の気持ち

保護者が熱心でも、生徒本人が家庭教師を望んでいないことがあります。面談では、保護者のいない場面で、生徒本人に「どの教科が一番困っているか」「どんな教え方だと分かりやすいか」を聞いてみましょう。本人の言葉を聞いておくと、初回の授業から話のきっかけを作れます。

3. 今の成績と使っている教材

学校の通知表や直近のテストの答案、学校で使っている教科書と問題集を見せてもらいます。どこでつまずいているのかを、答案の間違い方から読み取ると、最初の数回で何をするかが決まります。

4. ほかの習い事や塾との関係

塾にも通っている生徒の場合、塾の宿題を手伝うのか、塾とは別の内容を教えるのかで、指導の中身が大きく変わります。部活動や習い事の予定も聞いて、無理のない曜日と時間を一緒に決めます。

5. 連絡の窓口

保護者のうち、誰に連絡すればよいかを決めておきます。父親と母親で指導に求めることが違う家庭もあるので、連絡と相談の窓口を1人に決めておくと、話が食い違うことを防げます。

面談のあとは、聞き取った内容を短くまとめてメールなどで保護者に送り、「この理解で合っていますか」と確かめておくと安心です。最初の段階で認識を合わせておくことが、長く続く契約の土台になります。

オンラインで教えるときの準備

オンラインで個人契約をする場合は、面談の段階で機材と通信の状態も確かめます。生徒の側に、カメラ付きのパソコンかタブレット、安定した通信、手元を映す方法があるかを聞いておきます。講師の側も、背景に私生活が映り込まないように場所を整え、音声が聞き取りやすいマイク付きのイヤホンを用意しておくと、授業の質が安定します。ビデオ通話のサービスは、家庭が使い慣れているものに合わせると、最初の接続でつまずきません。

よくあるトラブルと、防ぎ方

個人契約で起こりやすいトラブルと、それぞれの防ぎ方を整理します。

報酬の支払いが遅れる、払われない

最も多いのが、報酬の支払いの遅れです。手渡しの約束で、毎回「次にまとめて」と言われているうちに、何か月分もたまってしまうことがあります。防ぐには、支払いの期日を決めて書面に残すこと、振込にして記録を残すこと、未払いが1か月分たまった時点で指導を続けるかどうかを話し合うことが大切です。

成績が上がらないことへの不満

家庭教師に頼む家庭は、成績が上がることを期待しています。しかし、成績は本人の努力や学校の授業、体調など、多くのことに左右されます。最初の時点で、成績の結果は約束できないこと、そのかわりに毎回の指導の内容と宿題の様子を報告することを伝えておきましょう。毎月の短い報告書で、できるようになったことと次の課題を伝えておくと、保護者の不満が大きくなる前に話し合えます。

指導の範囲が広がっていく

最初は数学だけの約束だったのに、英語の宿題も、学校の提出物も、と頼まれることが多くなっていくことがあります。断りにくい場面ですが、範囲を広げるなら時間を延ばすか料金を見直すかを相談しましょう。最初に指導の範囲を決めておくと、この話を切り出しやすくなります。

急な打ち切り

家庭の事情で、急に指導が終わることもあります。生活の予定を家庭教師の報酬に頼っている人ほど、急な打ち切りは痛手です。やめるときは1か月前までに伝える、という約束を最初にしておくと、次の生徒を探す時間を作れます。

困ったときの相談先

お金のトラブルが自分たちで解決できないときは、法律の相談を受け付けている法テラスのような公的な窓口があります。大学の学生相談の窓口も、学生が巻き込まれたトラブルの相談に乗ってくれます。一人で抱え込まず、早めに相談しましょう。

安全に教えるための備え

個人契約では、センターのように講師を守る仕組みがありません。自分の身を守る工夫も、自分で用意する必要があります。

まず、初めて訪ねる家庭の場合は、住所と保護者の名前、連絡先を、家族か信頼できる友人に伝えておきましょう。初回の顔合わせは、できれば保護者が在宅の時間にしてもらい、指導中も家の中に保護者がいる状態をお願いしておくと安心です。生徒と講師が2人きりで長い時間を過ごす状況は、講師にとっても、何か誤解が生じたときに説明しにくくなります。

夜の指導が終わったあとの帰り道にも気を配ります。駅から遠い家庭や、街灯の少ない地域では、指導の時間を早めにするか、帰りの交通手段を決めておきましょう。

オンラインの指導では、ビデオ通話のリンクを保護者の連絡先に送り、保護者が指導の様子をいつでも確かめられるようにしておくと、家庭の安心につながります。指導の記録を残したいときは、録画するかどうかを事前に保護者の同意を得て決めます。

生徒の家庭の情報も、大切に扱う必要があります。成績表、学校の名前、家族の事情など、指導の中で知ったことを、友人との会話やSNSに書かないようにしましょう。生徒の写真をSNSに載せることも避けます。

長く信頼される講師になるために

個人契約を長く続けている講師に共通しているのは、指導の中身に加えて、保護者との連絡を丁寧に続けていることです。毎回の指導のあとに、その日に扱った範囲と、宿題、次回までの課題を、短い文章で保護者に送るだけでも、信頼は大きく変わります。

報告の文章は、短く、事実と次の行動を分けて書くのがこつです。「今日は一次関数の文章題を扱いました。式を立てる段階でつまずくことが多いので、次回までに教科書の例題3問を解いてきてもらいます」のように書くと、保護者は家で何を見守ればよいかが分かります。こうした報告や連絡の文章を書く力は、ビジネス文書検定のような資格で体系立てて身につけることもできます。社会に出てからの報告書やメールにも、そのまま役立つ力です。

教える科目の幅を広げることも、長く続けるための工夫です。数学と英語の両方を教えられると、受験の学年でも続けて頼まれやすくなります。自分が受験で使った参考書や問題集を整理しておき、生徒のつまずきに合わせて使い分けられるようにしておくと、準備の時間も短くなります。

生成AIを指導の準備に使う講師も多くなっています。練習問題の案を出させたり、解説の言い回しを複数出させたりすると、準備の時間を短くできます。ただし、AIの出した解答や解説には誤りが混ざることがあるので、生徒に渡す前に必ず自分で解き直して確かめましょう。AIを仕事の中でどう使うかを考える仕事の広がりは、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で確かめられます。

家庭教師の経験を、その先の仕事につなげる

家庭教師の個人契約で身につくのは、教える力だけではありません。料金を決める、約束を書面にする、支払いを管理する、相手の期待を聞き取って応える、といった経験は、どれも自分で仕事を受ける働き方の基本です。

フリーランスや在宅ワークの市場を20年見てきた運営者の立場から言えば、長く仕事を続けている人ほど、単発の作業ではなく、「この人に任せると安心だ」と思ってもらえる関係づくりに時間を使っています。家庭教師の個人契約で、保護者に毎回の報告を欠かさなかった経験は、社会に出てからクライアントと直接仕事をするときにも、そのまま生きてきます。

個人契約の良さは、間に入る会社の取り分がないことです。依頼する側は同じ予算でより多くの指導を頼め、受ける側は手元に残る報酬が厚くなります。手数料0%で直接取引できる仕組みは、家庭教師に限らず、在宅の仕事でも同じように双方にとって無理のない関係を作ります。

大学生のうちに、教える仕事のほかにも、文章を書く仕事などで自分の力を試してみる人もいます。Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップでは、在宅で文章を書く仕事の単価を上げていく段階を紹介しています。また、大学院に進んで研究の道を考えている人は、研究者の年収・単価相場で、研究職の収入の相場を見ておくと、進路を考える材料になるはずです。

よくある質問

Q. 大学生が家庭教師を個人契約で受けても問題はありませんか?

家庭と講師が合意して勉強を教え、報酬を受け取ること自体を禁じる法律はありません。気をつけたいのは、受け取った報酬を税金の申告で正しく扱うことと、家庭教師のセンターに登録している場合に、紹介された家庭と直接契約し直すことを禁じる規約に反しないことです。

Q. 個人契約の家庭教師の料金はいくらにすればよいですか?

求人ボックスの集計では、アルバイトの家庭教師の平均時給は約1,796円です。個人契約では会社の取り分がないので、これと同じか少し上の水準で決める人が多くいます。学年や科目、準備の時間、交通費を含めるかどうかで変わるので、移動の時間も含めて1時間あたりに残る金額を計算して決めましょう。

Q. 個人契約の報酬で親の扶養から外れることはありますか?

あります。令和8年分は、子の合計所得金額が62万円を超えると親の扶養控除の対象から外れます。個人契約の報酬は給与所得控除が無いため、経費を引いた所得がそのまま数えられます。19歳以上23歳未満なら123万円以下まで特定親族特別控除が残ります。健康保険の扶養は別の基準なので、親の勤め先で確かめてください。

Q. 個人契約で家庭と決めておくべきことは何ですか?

料金、支払いの方法と期日、指導の日時と回数、交通費、急な休みの扱い、教材費の負担、やめるときの連絡の時期、連絡の手段、指導の範囲です。特に休みの扱いと支払いの期日は揉めやすいので、簡単な合意の文面を作り、保護者と講師がそれぞれ控えを持っておくと安心です。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月9日最終更新:2026年10月12日
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