プレスリリース作成代行と配信の責任範囲|掲載保証をうたう業者の注意 2026


この記事のポイント
- ✓プレスリリース代行を検討する担当者向けに
- ✓依頼できる業務範囲や費用相場
- ✓代行会社と発注者の責任分担
「プレスリリースを配信したいけれど、掲載されなかったら誰の責任になるんだろう」。そんな不安を抱えて検索窓に「プレスリリース 代行 責任」と打ち込んだ方、多いのではないでしょうか。広報の担当になったばかりで前例がない、あるいは経営者自身がPRも兼務していて時間が足りない。そんな状況で外部に任せるのは自然な判断です。ただし、任せる前に「誰が何に責任を持つのか」をはっきりさせておかないと、あとで「思っていたのと違う」というトラブルにつながります。この記事では、プレスリリース代行に依頼できる業務範囲、費用相場、そして発注者と代行会社の責任分担について、実務目線で整理していきます。
プレスリリース代行を取り巻く現状をマクロ視点で見る
まず全体像から見ていきましょう。プレスリリースは、企業が新商品やサービス、資金調達、人事異動などの情報をメディアや生活者に向けて発信する公式文書です。かつては大企業の広報部が担う業務というイメージがありましたが、ここ数年でスタートアップや中小企業、個人事業主にも広がっています。背景にあるのは、PR TIMESや@Pressのような配信プラットフォームの普及です。以前は新聞社やテレビ局に直接ファックスやメールを送っていた作業が、今ではオンラインで一括配信できるようになりました。
一方で、配信の手軽さが増したぶん「作っただけで満足してしまう」ケースも増えています。プレスリリースは配信して終わりではなく、メディアが取り上げたくなる「フック」を作り、適切なタイミングで届け、反応を見て次に活かすという一連の活動です。ここに専門性が必要になるため、代行会社への依頼が増えているのです。
中小企業庁の調査でも、広報・PR業務を専任で持たない中小企業の割合は依然として高いとされています。専任担当がいない会社ほど、外部の力を借りる選択肢が現実的になります。
スタートアップや中小企業の場合は特に、そもそも自社でプレスリリースの配信を経験したことのないところもあるでしょう。プレスリリース代行会社では、原稿の作成からメディアリストの作成、プレスリリースの配信サイトへの入稿までの一通りの流れを依頼できるため、今後自社で運用する際の参考となります。 出典: prtimes.com
初めて広報を任された方からよくいただく相談があります。「代行会社に頼めば、メディアに載せてもらえますよね」というものです。ここに、実は大きな誤解が潜んでいます。次の章で、依頼できる業務範囲を具体的に見ていきましょう。
プレスリリース代行で依頼できる業務範囲
プレスリリース代行と一口に言っても、依頼できる業務は会社によって幅があります。代表的なものを整理すると、次のようになります。
・企画立案:どんな切り口でニュース性を出すか、リリースのテーマを決める工程 ・原稿作成:見出し、リード文、本文、会社概要をメディアフックを意識して執筆する工程 ・メディアリスト作成:業界・テーマに合った記者やメディアを選定するリスト作りの工程 ・配信作業:PR TIMESや@Pressなどの配信サイトへの入稿、または個別メディアへの送付 ・効果測定:掲載件数、閲覧数、SNSでの反応などを集計し次回に活かす分析
多くの企業がまず依頼するのは「原稿作成」と「配信」です。特に原稿作成は、社内に文章のプロがいない場合に外注価値が高い部分です。1本のプレスリリース原稿を自社で書く場合、企画から完成まで数日かかることも珍しくありません。外部のライターやPRパーソンに任せれば、ヒアリング後3日〜1週間程度で仕上がるケースが多いです。
ここで大切なのが、SNS運用代行・SNS広告のお仕事にも共通する考え方です。プレスリリースは配信した瞬間がゴールではなく、SNSでの拡散や自社サイトでの二次利用まで含めて設計するのが今の主流です。プレスリリース単体の代行だけでなく、SNS発信とセットで依頼する企業も増えています。
また、リリース配信後に問い合わせが増えた場合の一次対応や、記者からの取材依頼への窓口対応まで含めて代行してくれる会社もあります。逆に、原稿作成のみ、配信作業のみといった部分的な依頼を受け付ける会社もあるため、自社が「どこまで社内でできて、どこから外に出したいのか」を最初に整理しておくことが重要です。
プレスリリース代行先には、PR会社や総合広告代理店などが考えられます。また「PR TIMES」などのプレスリリース配信サービスに、原稿作成といったオプションサービスが用意されているケースもあります。代行先の多くは、数々の業界・業種のプレスリリースの配信を経験してきています。前述したメディアフックを意識した書き方はもちろん、プレスリリースの配信先や閲覧者の属性が自社と合うかどうかや、適切なプレスリリースの配信のタイミング、潜在的な顧客層へのアプローチ方法、プレスリリース配信後の効果測定の方法などの幅広い知見を有しているでしょう。 出典: prtimes.com
代行を依頼する前に知っておきたい費用相場
費用の話は、皆さんが一番気になるところだと思います。実際にご相談を受けていても「相場がわからないから見積もりの高い安いが判断できない」という声をよく聞きます。
大枠での目安を挙げると、次のようなレンジになります。
・原稿作成のみ:2万円〜10万円程度(内容の難易度、取材の有無で変動) ・原稿作成+配信サイトへの入稿代行:5万円〜15万円程度 ・メディアリスト作成込みのフル代行:10万円〜30万円程度 ・月額顧問契約(継続的な広報支援):15万円〜50万円程度/月
総合PR会社に依頼すると高額になりやすく、フリーランスのPRパーソンや広報経験者に直接依頼する場合は、同じ業務内容でも費用を抑えられる傾向があります。これは代理店を挟むことで発生する中間マージンの有無が大きく影響しています。
代理店や仲介会社を通す場合、実際に手を動かす担当者への報酬に加えて、営業窓口や管理部門のコストが料金に上乗せされます。一方でフリーランスへ直接依頼すれば、その中間マージンが発生しない分、同じ予算でより手厚い作業量を依頼できたり、単純に費用を抑えられたりします。もちろん、代理店には組織としての品質管理や複数人体制のバックアップという安心感がありますから、一概にどちらが良いとは言えません。ただ、費用対効果を重視するなら、直接依頼という選択肢を検討する価値は十分にあります。
費用の内訳を尋ねたときに、はっきり答えてくれるかどうかも代行会社選びの一つの判断材料になります。「一式で30万円です」とだけ言われて詳細が出てこない場合は、少し立ち止まって確認したほうがいいでしょう。
代行会社選びで見るべきポイントと比較の軸
いざ代行会社を比較しようとすると、どこも「実績多数」「メディア掲載率〇%」とアピールしていて、違いがわかりにくいものです。私がカウンセリングの現場で発注者側の相談を受けるときにお伝えしているチェックポイントを、いくつか紹介します。
実績の中身を確認する
「導入実績500社」という数字だけでなく、自社と近い業界・規模の実績があるかを確認しましょう。BtoB向けのニッチな製品を扱う会社が、BtoC向けの華やかな新商品発表を得意とする代行会社に依頼しても、噛み合わないことがあります。
契約書に業務範囲が明記されているか
口頭やメールのやり取りだけで進めず、契約書または発注書に「どこまでが代行会社の作業範囲か」を明記してもらいましょう。原稿の修正は何回まで無料か、配信後のメディア対応は含まれるか、といった細部まで確認しておくと、後々のトラブルを防げます。
担当者とのコミュニケーションのしやすさ
これは意外と見落とされがちですが、非常に重要です。プレスリリースは自社の事業内容を正確に理解してもらったうえで書いてもらう必要があります。ヒアリングが浅い担当者だと、表面的な原稿になりがちです。初回の打ち合わせで、どれだけ突っ込んだ質問をしてくれるかを見てみてください。
料金体系の透明性
前章でも触れましたが、見積もりの内訳が明確かどうかは信頼度を測る指標になります。
採用・労務・人事代行のお仕事を依頼する際も同じことが言えますが、外部委託先を選ぶときは「安さ」だけでなく「業務範囲の明確さ」を重視すると失敗が減ります。プレスリリース代行も例外ではありません。
掲載保証をうたう業者への注意点と責任範囲の考え方
ここが今回の記事で一番お伝えしたい部分です。「プレスリリース 代行 責任」というキーワードで検索される方の多くは、「掲載を保証してくれる業者はいるのか」「もし掲載されなかったら代行会社の責任を問えるのか」という疑問を持っていると思います。
結論から言うと、原則としてメディアへの掲載を保証することはできません。 なぜなら、掲載するかどうかを最終的に判断するのはメディア側(編集部、記者)であり、代行会社はあくまで「掲載される確率を高めるための支援」を行う立場だからです。これは配信サイトを使う場合も、代行会社経由で個別メディアに送付する場合も変わりません。
もし「掲載保証」「必ずテレビで紹介されます」といった文言を前面に出している業者を見かけたら、注意が必要です。優良な代行会社であれば、メディアフックの作り方や配信タイミングの工夫といった「打率を上げる工夫」については具体的に説明できますが、掲載そのものを約束することは基本的にありません。契約前にこの点をはっきり確認しておくことをおすすめします。
「プレスリリースを配信する目的は何か」「プレスリリースの配信に期待する効果は何か」を明確にし、依頼時にきちんと代行先に共有しましょう。プレスリリースを配信する自社の目的や期待する効果が明らかでないと、たとえ経験豊富な代行先に依頼したとしてもより良い広報PR活動にはつながりません。 出典: prtimes.com
では、代行会社と発注者の責任はどう分担されるべきなのでしょうか。実務的には、次のように整理するとわかりやすいです。
・代行会社の責任範囲:原稿のクオリティ、メディアフックの提案、配信作業の正確さ、期日の遵守 ・発注者の責任範囲:情報の事実確認(誤りのない数値・固有名詞の提供)、公開してよい情報かどうかの最終判断、社内承認プロセス ・双方の合意が必要な範囲:配信タイミング、配信先メディアの選定、原稿内容の最終承認
特に「事実確認」は見落とされがちです。代行会社はあくまで発注者から提供された情報をもとに原稿を作成します。数値の誤りや誤解を招く表現があった場合、最終的な確認責任は発注者側にもあることを理解しておく必要があります。契約時に「校正・校閲は誰が最終チェックするか」を明確にしておくと、責任の所在があいまいにならずに済みます。
失敗しないための依頼の流れ
実際に依頼する際の一般的な流れを整理しておきます。
- 目的とターゲットメディアの整理(社内での目的共有)
- 代行会社への問い合わせ、複数社への見積もり依頼
- ヒアリング(事業内容、伝えたいポイント、過去の広報実績の共有)
- 原稿の初稿確認、修正依頼
- 配信先メディアリストの確認
- 配信、効果測定、レポート受領
ここで意識してほしいのは「複数社への見積もり依頼」です。1社だけで即決すると、相場感がわからないまま契約してしまうリスクがあります。2〜3社から見積もりを取り、業務範囲・料金・担当者の対応を比較したうえで決めるのが安全です。
私自身、フリーランスとして独立してから、外部の制作会社に業務を依頼する立場を経験しました。最初の頃、価格の安さだけで決めてしまい、成果物の修正対応にかなり時間を取られたことがあります。契約前に「修正は何回まで無料か」を確認しておけばよかったと、後から強く感じました。発注する側になって初めて、業務範囲を事前に明確にしておくことの大切さを実感したのです。
ビジネス文書検定のような資格を持つライターが在籍しているかどうかも、原稿の質を見極める一つの目安になります。プレスリリースは事実を正確に、かつ簡潔に伝える文書力が問われるため、ビジネス文書の作成スキルを裏付ける資格保有者がいる会社は、一定の安心材料になるでしょう。
代理店経由と直接依頼、どちらを選ぶべきか
ここまで見てきたように、プレスリリース代行には「総合PR会社」「専門PR会社」「フリーランスのPRパーソンへの直接依頼」という大きく3つの選択肢があります。
総合PR会社は、大規模なメディアネットワークと複数人体制でのバックアップが強みです。予算に余裕があり、複数の広報施策を一括して任せたい企業には向いています。
専門PR会社は、特定業界に特化したメディアリレーションを持っていることが多く、ニッチな業界であれば費用対効果が高くなる場合があります。
フリーランスのPRパーソンへの直接依頼は、間に入る組織がない分、同じ予算でもより多くの作業時間を割いてもらえる、あるいは費用そのものを抑えられるという特徴があります。ただし、1人で対応している場合が多いため、繁忙期の対応スピードや、体調不良時のバックアップ体制については事前に確認しておくと安心です。
ソフトウェア作成者の年収・単価相場や著述家,記者,編集者の年収・単価相場のようなデータを見てもわかる通り、専門職の単価は経験年数やスキルレベルによって大きく変動します。プレスリリースのライティングを担うPRパーソンも同様で、経歴や実績に応じて費用感が変わることを理解したうえで、自社の予算とすり合わせていくとよいでしょう。
運営者が見てきたプレスリリース外注の実情
在宅ワーク・フリーランス市場を長く見てきた立場から言えば、プレスリリース代行に限らず、外注がうまくいく会社ほど「丸投げ」をしていません。任せる部分と、自社で判断する部分を切り分けたうえで依頼している会社ほど、成果物への満足度が高い傾向があります。
逆に、費用を払えばすべてお任せできると考えて依頼した会社ほど、「思っていたものと違う」というミスマッチが起きやすいというのが、現場で繰り返し見てきた実感です。事業内容や伝えたい強みを一番理解しているのは発注者自身であり、代行会社はその情報を的確な形に翻訳する専門家です。この役割分担を意識できるかどうかが、外注の成否を分けています。
もう一つ、20年この市場を見てきた立場から気づいたことがあります。長く同じ相手に依頼し続けている企業ほど、単発の作業発注ではなく「この人に任せておけば安心」という信頼関係の構築に時間を使っています。中間マージンが発生しない直接取引は、同じ予算でも依頼者側がより多くの作業量を頼める一方、受け手側の手取りも厚くなります。この双方が得をする構造こそが、直接依頼という選択肢の本質的な価値だと感じています。金額の大小だけでなく、関係性の質が長期的な成果を左右するのです。
独自データから見るプレスリリース代行の実情
外部への業務委託を検討する企業は、プレスリリース代行だけでなく、複数の業務領域を同時に見直すケースが多いというのも、現場でよく目にする傾向です。たとえば新商品発表のタイミングで、営業代行・アポ・販促資料作成のお仕事を合わせて依頼し、広報と営業の両輪で情報発信を強化する企業もあります。プレスリリースで認知を獲得しつつ、営業側で商談化を進めるという組み合わせです。
また、専門性の高い業務ほど、担当者の技術力を客観的に判断する材料が求められます。IT分野でCCNA(シスコ技術者認定)のような資格が技術者の実力を測る指標になるのと同じように、広報・PR領域でも実務経験や過去の掲載実績が、依頼先を見極める材料になります。責任の所在をあいまいにしないためにも、契約前に業務範囲・料金体系・修正対応の回数といった条件を書面で確認する習慣を持つことが、結果的に満足度の高い外注につながります。
なお、SNSと連動した情報発信の手法についてはSNS運用代行で稼ぐ!初心者から月8万円を目指す秘訣と費用相場やSNS運用代行のメリットとは?フリーランス吉田沙織が解説する賢い活用法でも詳しく触れています。プレスリリースとSNSを組み合わせた発信戦略を検討している方は、あわせて参考にしてみてください。専門性を活かした外注という点では、宅建士(宅地建物取引士)の副業での稼ぎ方|重要事項説明の代行【2026年版】のように、資格や専門知識を持つ人材へ業務を切り出す動きは、広報分野に限らず多くの業種で広がっています。
プレスリリース代行は、正しく使えば限られた社内リソースを補い、事業成長のスピードを上げてくれる心強い選択肢です。ただし「掲載保証」のような過度な約束をする業者には注意し、契約前に業務範囲と責任の分担を明確にしておくこと。この一手間が、外注を成功させる一番のポイントだと感じています。
よくある質問
Q. プレスリリース代行を依頼すれば、必ずメディアに掲載されますか?
掲載を保証することは基本的にできません。掲載可否はメディア側が判断するため、代行会社はメディアフックの提案や配信タイミングの工夫で掲載確率を高める役割を担います。掲載保証をうたう業者には注意が必要です。
Q. プレスリリース代行の費用相場はどのくらいですか?
原稿作成のみなら2万円〜10万円、配信作業込みで5万円〜15万円、メディアリスト作成込みのフル代行で10万円〜30万円程度が目安です。代理店より直接依頼のほうが費用を抑えやすい傾向があります。
Q. 代行会社と発注者の責任範囲はどう分ければよいですか?
原稿のクオリティや配信作業は代行会社の責任範囲、提供する情報の事実確認や公開可否の最終判断は発注者の責任範囲です。契約時に校正・校閲の最終確認者を明確にしておくとトラブルを防げます。
Q. 代行会社を選ぶときに確認すべきポイントは何ですか?
自社と近い業界・規模での実績があるか、契約書に業務範囲が明記されているか、料金体系が透明か、担当者のヒアリングが丁寧かを確認しましょう。複数社から見積もりを取り比較することも大切です。
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この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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