ペットシッター士の資格を訪問の仕事に生かす方法と、取得の流れ


この記事のポイント
- ✓ペットシッター士資格は
- ✓日本ペットシッター協会が認定する民間資格です
- ✓訪問の仕事に必要な第一種動物取扱業の登録
ペットシッター士資格を調べている人の多くは、「動物が好きだから、飼い主の留守中にお世話をする仕事をしてみたい」「今の仕事と並行して、週末だけ訪問のシッターを受けたい」と考えています。ところが調べていくと、資格を取るだけでは訪問の仕事を自分で始められないこと、動物取扱業という登録が別に必要なことが分かり、何から手を付ければよいのか迷ってしまいます。この記事では、ペットシッター士の資格の中身と取得の流れ、費用、そして資格を実際の訪問の仕事に結びつけるまでの手順を順番に整理します。結論を先に書くと、ペットシッター士は「動物取扱責任者になるための条件の一部」を満たす資格であり、仕事として独立するには、資格に加えて実務経験と自治体への登録が必要です。
ペットシッター士はどんな資格か
ペットシッター士は、特定非営利活動法人日本ペットシッター協会が認定する民間資格です。ペットシッターの仕事に関する国家資格はなく、ペットシッター士のほかにも、複数の団体がそれぞれ独自の資格や検定を設けています。
ペットシッターとは、飼い主が旅行や出張、入院などで家を空けている間に、飼い主の家を訪ねて犬や猫などのお世話をする仕事です。ペットホテルのように動物を預かるのではなく、動物は住み慣れた家にいたまま、シッターが通う形を取るのが特徴です。食事と水の交換、トイレの掃除、犬の散歩、遊びの相手、体調の観察、そして飼い主への報告までが基本的な仕事になります。
ペットシッター士の講座で学ぶのは、大きく分けて2つの領域です。1つは動物そのものの知識で、犬、猫、小動物の習性、健康の管理、しつけと飼い方の基本が含まれます。もう1つは仕事としての進め方で、電話の受け答え、事前の打ち合わせ、カルテや契約書、報告書の作り方、留守宅でのお世話の方法、営業の進め方までを扱います。動物の知識だけでなく、他人の家に入って仕事をするための段取りまで学べるのが、この資格の大きな特徴です。
資格の位置づけで押さえておきたいのは、ペットシッター士を持っていても、それだけで訪問の仕事を自分の名前で始められるわけではない、という点です。後で詳しく説明しますが、ペットシッターを仕事として営むには、動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)に基づいて、都道府県や政令指定都市への登録が必要になります。ペットシッター士は、その登録に必要な「動物取扱責任者」の要件のうち、知識と技術の証明に当たる部分を満たすための資格、と理解しておくと全体像がつかみやすくなります。
取得の流れと費用の目安
ペットシッター士を取る方法は、主に3つあります。協会の通信講座で自宅で学ぶ方法、東京の協会本校に通う方法、そして全国のカルチャースクールで開かれる講座に通う方法です。どの方法でも、決められた内容を学んだあとに認定試験を受け、合格すると認定証が発行される流れは共通しています。
カルチャースクールの講座の例を見てみます。JEUGIAカルチャーセンターのペットシッター士資格認定講座は、2日間の講座で、1日目に法令や健康管理、習性やしつけを学び、1週間から2週間ほど自宅で学習したうえで、2日目に実務の進め方を学び、最後に50分の試験を受ける構成です。講座の案内には、資格と動物取扱業の関係について次のように書かれています。
2日間の講座でペットシッター士を取得すると、実務経験を経て動物取扱業(保管と訓練)を取得できるようになります。 出典: JEUGIAカルチャーセンター
費用は、この講座の場合、2026年10月時点で受講料が全2回で60,500円(税込)、教材費が13,200円(税込、受験料込み)です。通信講座や本校の通学講座は、内容や時期によって費用が変わるので、申し込む前に協会や講座を開いている教室の最新の案内で確かめてください。
どの方法を選ぶかは、生活のリズムで決めるのが現実的です。平日に時間が取りにくい人は、カルチャースクールの日曜日の講座が通いやすく、講師や同じ受講生に直接質問できるのも利点です。近くに講座がない人や、自分のペースで少しずつ進めたい人は通信講座が向いています。どの方法でも、テキストを読むだけでなく、実際に犬や猫と接した経験と結びつけながら学ぶと、試験のあとも知識が仕事に生きます。
講座を選ぶときに確かめておきたいのは、試験に落ちた場合の扱い、追加でかかる費用、そして修了後の支援の内容です。認定後に協会の会員になる場合は、年会費や任意の保険料が別にかかることがあります。初期にかかる費用を一覧にして、仕事として回収できる見込みがあるかを考えてから申し込むと、あとで慌てずに済みます。
訪問の仕事に必要な第一種動物取扱業の登録
ペットシッターを仕事として営むときに、資格よりも先に理解しておきたいのが第一種動物取扱業の登録です。第一種動物取扱業とは、動物の販売や保管、貸出し、訓練、展示などを、営利を目的として業として行うことです。環境省は、ペットシッターもこの規制の対象になると明記しています。
代理販売やペットシッター、出張訓練などのように、動物の所有や飼養施設がない場合も、規制の対象になります。 出典: 環境省
自分では動物を飼っておらず、お店も持たず、飼い主の家に通うだけであっても、お金を受け取ってお世話をするなら登録が必要になる、ということです。ペットシッターは、業種の分け方では「保管」に当たります。保管とは、顧客の動物を預かってお世話をする業のことで、ペットホテルや、動物を預かる形のトリミングサロンと同じ区分です。散歩のときにしつけも請け負う場合は、「訓練」の登録も検討することになります。
登録の窓口は、事業所の所在地を管轄する都道府県か政令指定都市で、実際の受付は動物愛護センターや保健所が担当していることが多くなっています。登録を受けずに第一種動物取扱業を営むと、動物愛護管理法により100万円以下の罰金の対象になります。知人に頼まれて少しお世話をするのと、料金を決めて継続的に受けるのとでは扱いが変わるので、仕事として受け始める前に必ず窓口に相談してください。
登録には有効期間があり、5年ごとに更新を受けないと効力を失います。登録を受けたあとは、事業所ごとに、氏名や登録番号などを書いた標識を、公衆の見やすい場所に掲げることも求められます。訪問型のシッターの場合、自宅を事業所として登録することが多いので、標識の掲示の方法や、ホームページでの登録番号の表示の方法も、窓口で確かめておくと安心です。
動物取扱責任者の要件と、ペットシッター士の関係
第一種動物取扱業の登録では、事業所ごとに動物取扱責任者を選ぶ必要があります。動物取扱責任者とは、その事業所の仕事を適正に進めるための知識と経験を持つ人として、一定の要件を満たした人のことです。一人で開業する場合は、自分自身が動物取扱責任者になります。
要件は、動物愛護管理法の施行規則という環境省の決まりで定められています。内容を分かりやすく整理すると、次のどれかに当てはまる必要があります。
- 獣医師の免許を持っている
- 愛玩動物看護師の免許を持っている
- 半年以上の実務経験、または1年以上の飼養経験があり、かつ、1年以上その分野を教える学校などを卒業している
- 半年以上の実務経験、または1年以上の飼養経験があり、かつ、公平性と専門性を持った団体が行う客観的な試験で、知識と技術を持っていることの証明を得ている
ペットシッター士が関わるのは4つめです。協会や講座の案内では、ペットシッター士はこの「客観的な試験」に当たり、保管と訓練の業種で使えると説明されています。つまり、資格に加えて実務経験か飼養経験がそろったときに、はじめて動物取扱責任者の要件を満たせる、という関係です。
ここで注意したいのが実務経験の数え方です。施行規則では、実務経験は常勤の職員として在職したものに限ると書かれています。週に数回のアルバイトや、知人のペットの世話を手伝った経験が実務経験として認められるかどうかは、窓口の判断になります。講座の案内でも、実務経験の判断は保健所によって基準が違う場合があるので、受講の前に近くの保健所に問い合わせるよう呼びかけています。
もう1つの「1年以上の飼養経験」は、扱おうとする動物の種類ごとに、実務経験と同じ程度と認められる飼育の経験のことです。自分の犬や猫を長く飼ってきた経験がこれに当たるかどうかも、自治体によって確認の方法が違います。資格の講座に申し込む前に、自分の経験がどちらに当たりそうか、どんな書類で証明するのかを、窓口で確かめておくのが確実です。
登録までの手順を順番に整理する
ペットシッター士を取ってから訪問の仕事を自分で始めるまでの流れを、順番に書き出します。自治体によって細かな手順は違うので、全体の地図として使ってください。
- 事業所を構える予定の都道府県か政令指定都市の窓口に、登録の要件と実務経験の判断基準を問い合わせる
- ペットシッター士の講座を受け、認定試験に合格する
- 必要に応じて、ペットシッターの会社やペットホテルで働いて実務経験を積む
- 登録申請書と、資格の証明、実務経験の証明などの書類をそろえる
- 窓口に申請し、必要に応じて事業所の確認を受ける
- 登録証を受け取り、標識を掲げ、動物取扱責任者研修を受ける
- 5年ごとの更新の時期を手帳やカレンダーに記録しておく
順番で大事なのは、1番目の問い合わせを最初にすることです。資格を取ったあとに「この経験では要件を満たせない」と分かると、実務経験を積むために回り道をすることになります。逆に、窓口で先に要件を確かめておけば、講座の受講と実務経験の積み方を同時に計画できます。
登録のあとも、動物取扱責任者は都道府県などが開く動物取扱責任者研修を受けることが求められます。研修では、法令や施設の管理、動物の管理の方法などを学び直します。日程の案内は登録をした事業者に届くので、案内を見落とさないようにしておきましょう。
訪問のペットシッターの仕事の中身
登録までの道筋が見えたら、実際の仕事の流れも具体的に思い描いておきます。訪問のペットシッターの仕事は、お世話の時間そのものより、その前後の準備と報告に手間がかかります。
最初の段取りは、事前の打ち合わせです。依頼を受けたら、飼い主の家を訪ねて、ペットの性格、食事の量と時間、薬の有無、散歩のコース、苦手なこと、かかりつけの動物病院を聞き取り、カルテにまとめます。この段階で、ペットがシッターに慣れるかどうかも確かめます。初対面の人に強く警戒する犬や猫もいるので、打ち合わせのときにおやつを渡す、しばらく同じ部屋で過ごすといった時間を取ると、本番のお世話がずっと楽になります。
お世話の当日は、決められた時間に訪問し、食事と水の交換、トイレの掃除、ブラッシング、遊び、犬なら散歩を行います。体調の変化に気付けるよう、食べた量、便や尿の状態、元気の有無を毎回記録します。猫の場合は、隠れていて姿を見せないこともあるので、無理に探し回らず、食べた形跡やトイレの使用で無事を確かめる工夫も必要です。
お世話が終わったら、飼い主に報告します。写真付きのメッセージで様子を伝える方法が広く使われていて、飼い主にとっては旅先で安心できる大事な時間になります。報告の文面は短くても構いませんが、食事の量、トイレ、様子の3点は毎回欠かさず書くようにすると信頼につながります。
現場でよく聞く失敗に、報告の写真に家の中の様子が写り込んでしまう、というものがあります。飼い主の家の間取りや郵便物が写った写真を、SNSで紹介用に使ってしまうと、防犯の上で大きな問題になります。写真は飼い主への報告にだけ使い、宣伝に使いたいときは必ず事前に許可を取り、家の中が写らないように撮るのが基本です。
犬の散歩と猫のお世話で特に気を付けること
訪問のお世話で、いちばん重い事故につながりやすいのが、動物が逃げ出してしまうことです。飼い主の留守中に家の外へ出てしまうと、見つけ出すのは簡単ではありません。動物の種類ごとに、気を付ける点を押さえておきます。
犬の散歩では、出発前に首輪やハーネスの緩みを必ず確かめます。飼い主と散歩するときには問題がなくても、慣れないシッターと歩くと緊張して後ずさりし、首輪が抜けてしまうことがあります。リードは手首に通して持ち、交差点や他の犬とすれ違う場面では短く持つのが基本です。散歩のコースは飼い主がいつも使う道に合わせ、初めての道に連れ出さないようにすると、犬も落ち着いて歩けます。
夏場の散歩では、路面の熱さにも注意が必要です。日中のアスファルトは、人が思う以上に熱くなります。散歩の時間を早朝や夕方にずらす、手の甲で路面の温度を確かめてから歩かせる、といった配慮を、事前の打ち合わせで飼い主と取り決めておきます。冬場は、室内の暖房の扱いも確かめておきたい点です。
猫のお世話で気を付けたいのは、玄関の出入りです。シッターがドアを開けた瞬間に、足元をすり抜けて外へ出てしまう猫は珍しくありません。玄関に入るときはドアを少しだけ開けて猫の位置を確かめる、帰るときも同じように確かめる、という習慣を徹底します。窓や網戸の開け閉めにも注意し、換気のために窓を開けるのは避けるのが無難です。
小鳥やうさぎ、ハムスターなどの小動物を預かる場合は、ケージの扉の閉め忘れと、室温の管理が特に大切です。犬や猫と比べて体調の変化が外から分かりにくいので、食べた量と便の状態を毎回きちんと記録し、少しでも気になることがあれば飼い主に連絡して判断を仰ぎます。
鍵の預かりと契約書、保険の備え
訪問のペットシッターならではの責任が、鍵の預かりです。飼い主が留守の家に一人で入る仕事なので、鍵の管理と、何かあったときの取り決めが、信頼を左右します。
鍵は、受け取りと返却のときに必ず受領の記録を残し、保管中は事業用の決まった場所で管理します。鍵に住所や氏名が分かる札を付けて持ち歩かない、移動中に車に放置しない、といった基本を徹底するだけで、紛失や盗難の危険はかなり減らせます。オートロックの暗証番号や警備会社の解除方法を聞く場合も、メモの扱いに注意が必要です。
契約書には、料金、訪問の日時と回数、お世話の内容、キャンセルの扱い、鍵の受け渡しの方法、ペットの体調が急に悪くなったときの対応、動物病院に連れて行く場合の費用の負担、そして事故が起きたときの責任の範囲を書いておきます。特に体調の急変への対応は、飼い主と事前に「この症状ならこの病院に連れて行く」「連絡がつかないときはどうするか」を決めておかないと、いざというときに判断に迷います。診断や治療の判断はシッターの役割ではないので、異変があれば動物病院に相談する流れを契約の段階で決めておきましょう。
保険の備えも欠かせません。散歩中に犬が他人をかんでしまった、家の中で物を壊してしまった、鍵をなくして錠の交換が必要になった、といった事故は、気を付けていても起こり得ます。ペットシッター向けの賠償責任保険や、団体の会員向けの保険があるので、補償の範囲と、鍵の紛失や預かっている動物のけがが対象になるかを確かめて加入しておきます。
トラブルが起きたときの連絡の順番
どれだけ準備をしていても、訪問の仕事では想定外のことが起こります。慌てて判断を誤らないように、起きたときの連絡の順番をあらかじめ決めておきます。
ペットの様子がいつもと違うときは、まず飼い主に連絡し、事前に決めておいた対応に沿って動きます。ぐったりして動かない、呼吸が苦しそう、けがをしているといった、急いで対応が必要に見える場面では、かかりつけの動物病院に電話で相談し、指示を受けます。シッターが自分の判断で薬を与えたり、様子見を決めたりするのは避けてください。動物の体調についての判断は獣医師の役割で、シッターの役割は、異変に気付いて正確に伝えることです。
鍵をなくした、家の中の物を壊してしまった、といったトラブルは、隠さずにすぐ飼い主に伝えます。報告が遅れるほど、信頼の回復は難しくなります。保険を使う場合に備えて、いつ、どこで、何が起きたかを、その日のうちに記録に残しておくことも大切です。
訪問したときに、窓が割れている、玄関の鍵が開いているなど、家の様子に異変があった場合は、中に入らずに警察と飼い主に連絡します。一人で中を確かめようとすると、思わぬ危険に巻き込まれることがあります。こうした場面での動き方も、契約の段階で飼い主と共有しておくと、互いに安心して任せられる関係が作れます。
依頼を受ける前に確かめておきたいこと
新しい依頼を受けるときは、打ち合わせの場で確かめる項目を一覧にしておくと、聞き漏らしを防げます。項目を毎回同じ順番で確かめると、飼い主にも準備の丁寧さが伝わります。
まず、飼い主の連絡先です。旅行先や出張先での連絡手段、連絡がつかないときの代わりの連絡先を聞いておきます。海外への旅行では時差があり、すぐに返事がもらえないこともあるので、代わりの連絡先は特に大切です。
次に、ペットの健康に関わる情報です。かかりつけの動物病院の名前と連絡先、持病や飲んでいる薬、食べてはいけないもの、過去に体調を崩したときの様子を聞き取ります。犬の場合は、市区町村への登録と狂犬病の予防注射が法律で飼い主に義務づけられているので、鑑札と注射済票の有無も確かめておくと、散歩中に何かあったときに慌てずに済みます。
さらに、家の中のルールです。入ってよい部屋と入ってはいけない部屋、照明やエアコンの使い方、ゴミの扱い、郵便物や宅配便を受け取るかどうかを決めておきます。シッターの仕事はペットのお世話であり、家事の代行ではないので、頼まれてもできないことは最初に伝えておくと、あとで行き違いが起きません。
最後に、料金とキャンセルの取り決めです。訪問の回数と時間、追加の料金がかかる場合、直前のキャンセルの扱いを書面で確かめます。初めての依頼では、本番の前に短い時間の訪問を1回入れて、ペットの反応や家の中の様子を確かめる方法もあります。この1回の準備が、本番の事故を防ぐいちばんの近道になります。
副業から始めるときの最初の1年の進め方
会社員や家事の合間に、ペットシッターを副業として始めたいと考える人も多いでしょう。いきなり開業を目指すより、1年ほどの計画を立てて段階的に進めるほうが、無理なく続けられます。
最初の3か月は、情報を集める時期です。事業所を構える予定の自治体の窓口で、登録の要件と実務経験の判断基準を確かめ、ペットシッター士の講座の日程と費用を調べます。勤め先の就業規則で副業が認められているかも、この時期に確かめておきます。
次の3か月で、講座を受けて資格を取ります。並行して、ペットシッターの会社やペットホテルの求人を調べ、実務経験を積める働き方があるかを探します。週末だけの勤務が実務経験として認められるかどうかは自治体の判断になるので、応募の前に窓口で確かめておくと安心です。
後半の半年は、実際の現場で経験を積む時期です。会社の一員として訪問のお世話を担当し、打ち合わせ、鍵の管理、報告の流れを体で覚えます。この時期に、自分が得意な動物の種類や、無理なく受けられる訪問の回数が見えてきます。
1年が過ぎたら、自分で登録して開業するか、会社の一員として続けるかを判断します。開業する場合は、登録の申請、保険への加入、契約書のひな形の作成、料金表の作成を順番に進めます。焦って開業すると、鍵の管理や事故への備えが追いつかないことがあるので、準備がそろってから一歩を踏み出してください。
働き方の選び方と料金の考え方
ペットシッター士の資格を生かす働き方は、大きく分けて3つあります。自分の状況に合わせて選び、段階的に移っていくのが無理のない進め方です。
1つめは、ペットシッターの会社やペットホテルで働く方法です。会社が第一種動物取扱業の登録をしているので、自分で登録をしなくても仕事を始められ、先輩から現場の進め方を学べます。常勤として働けば、動物取扱責任者の要件に必要な実務経験を積むこともできます。
2つめは、ペットシッターの会社から業務委託で仕事を受ける方法です。業務委託とは、雇われるのではなく、個人の事業者として仕事を請け負う形のことです。この場合、会社の登録の範囲で働くのか、自分自身の登録が必要なのかは、契約の形と自治体の判断で変わることがあります。契約を結ぶ前に、会社と窓口の両方に確かめてください。
3つめは、自分で登録をして開業する方法です。料金を自分で決められ、仕事の進め方も自由になる一方で、集客、契約、鍵の管理、事故への備えまで、すべてを自分で背負うことになります。
料金は、地域、訪問1回の時間、ペットの数、交通費の扱いで大きく変わるので、一律の相場では語れません。決めるときは、近隣で営業しているシッターの料金表を複数見比べ、移動時間と準備や報告の時間まで含めて1回あたりにかかる時間を計算し、その時間に見合う金額かどうかで判断します。年末年始や大型連休は依頼が集中しやすいので、繁忙期の料金や受付の締め切りをあらかじめ決めておくと、無理な詰め込みを避けられます。
開業するときの届出と税金の基本
自分で開業する場合は、動物取扱業の登録とは別に、税金の手続きも必要です。ここでは基本だけを整理します。
個人で事業を始めたときは、税務署に開業届を出します。開業届の提出期限は、2026年1月1日からの制度の変更により、開業した年分の確定申告の期限までとなっています。あわせて、青色申告承認申請書を出しておくと、帳簿をきちんと付けることを条件に青色申告特別控除を受けられます。青色申告特別控除は原則55万円で、電子帳簿保存か電子申告(e-Tax)による申告をすると65万円になります。
会社員として働きながら副業で訪問のシッターを受ける場合は、勤め先の就業規則で副業が認められているかを先に確かめてください。所得税の確定申告が必要になるかどうかは、副業の所得の金額や本人の状況で変わります。住民税の申告が別に必要になることもあるので、不安があれば税務署や市区町村の窓口に相談しましょう。
経費として扱えるものには、訪問のための交通費、ペット用の消耗品、保険料、講座の受講料、報告用の通信費などがあります。仕事と私生活の両方で使うものは、仕事に使った割合で分けて考えるのが一般的ですが、扱いは金額や状況で変わるので、判断に迷うものは税務署で確かめてください。
ほかのペット関連資格との違い
ペットの仕事に関わる資格は、ペットシッター士のほかにもいくつもあります。違いを知っておくと、自分に合う組み合わせが選べます。
国家資格では、獣医師と愛玩動物看護師があります。愛玩動物看護師は、令和元年にできた愛玩動物看護師法による比較的新しい国家資格で、獣医師の指示のもとで動物の診療の補助などを行います。どちらも動物取扱責任者の要件をそれだけで満たせるのが大きな違いですが、養成課程を経て国家試験に合格する必要があり、取得までに数年単位の時間がかかります。
民間資格では、ペットシッター士のほか、愛玩動物飼養管理士、認定ペットシッター、ドッグシッターやキャットシッターの資格などがあります。費用や学ぶ内容、試験の有無はそれぞれ違い、動物取扱責任者の要件として扱われるかどうかの判断も資格ごとに異なります。資格を選ぶときは、自分が登録しようとしている自治体で、その資格が要件の証明として使えるかを確かめるのが最優先です。
ペットシッター士の強みは、動物の知識に加えて、打ち合わせ、契約、報告といった、訪問の仕事そのものの進め方を学べる点にあります。将来は自分で開業したい、という人には、仕事の段取りを一通り学べる資格として選びやすいと言えます。
公開データから見るペットシッターの仕事と発信の力
最後に、ペットシッターの仕事を長く続けるうえで役に立つ、周辺の力について整理します。
訪問のペットシッターは、地域の飼い主に見つけてもらえるかどうかで仕事の量が決まります。そのため、ホームページやSNSで、どんなお世話をするのか、どんな準備をしているのかを分かりやすく発信する力が欠かせません。ペットの飼い方やお世話の知識を文章で発信する仕事は、ライターの仕事としても成り立っています。文章を書く仕事の年収の分布は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確認できます。ペットの記事の執筆を副業として組み合わせたい人は、実績の見せ方をWebライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で確かめておくと、最初の受注までの近道になります。
集客の発信を自分で続けるのが難しいときは、地域の店舗の集客やSNSの運用を手伝う人に頼む方法もあります。集客や発信を支える仕事の広がりは、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。
フリーランスと在宅ワークの市場を長く見てきた運営者の立場から言えば、訪問型の仕事で長く続いている人ほど、報告の丁寧さで選ばれています。料金の安さで選ばれた依頼は、より安い相手が現れると離れていきますが、「毎回の報告で安心できた」という理由で選ばれた依頼は、何年も続く関係になりやすいものです。
その報告や契約書を整える文章の力は、資格の勉強とは別に磨いておく価値があります。契約書や報告書のような実務の文書の書き方を体系的に学べる検定の概要は、ビジネス文書検定で紹介しています。仲介の手数料がかからない直接の取引なら、依頼する側は同じ予算でより手厚いお世話を頼め、受ける側は手数料0%なので手取りが厚くなります。資格、登録、丁寧な報告の3つをそろえて、信頼で選ばれるシッターを目指してください。
よくある質問
Q. ペットシッター士の資格だけで訪問の仕事を始められますか?
資格だけでは始められません。ペットシッターを仕事として営むには、動物愛護管理法に基づく第一種動物取扱業(保管)の登録が必要で、登録には動物取扱責任者の選任が求められます。ペットシッター士は、その要件のうち知識と技術の証明に当たる資格で、半年以上の実務経験か1年以上の飼養経験と組み合わせて要件を満たします。
Q. ペットシッター士の取得にかかる費用はどのくらいですか?
受講方法で変わります。たとえばJEUGIAカルチャーセンターの2日間の認定講座は、2026年10月時点で受講料60,500円(税込)、教材費13,200円(税込、受験料込み)です。通信講座や協会本校の講座は内容や時期で費用が違うので、申し込む前に最新の案内で確かめてください。認定後の会員の年会費や保険料が別にかかることもあります。
Q. アルバイトの経験は実務経験として認められますか?
施行規則では、実務経験は常勤の職員として在職したものに限るとされています。週に数回のアルバイトや知人のペットの世話の経験が認められるかどうかは、登録先の自治体の判断になり、保健所によって基準が違う場合があります。講座を受ける前に、事業所を構える予定の自治体の窓口で、判断基準と証明の書類を確かめておくのが確実です。
Q. 登録しないでペットシッターの仕事をするとどうなりますか?
料金を受け取って継続的にお世話をする場合は、第一種動物取扱業の登録が必要です。登録を受けずに営むと、動物愛護管理法により100万円以下の罰金の対象になります。また、登録は5年ごとに更新を受けないと効力を失います。知人に頼まれた範囲を超えて仕事として受ける前に、都道府県や政令指定都市の窓口に相談してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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