障害のある人が在宅でできる仕事の探し方と、働き方の選び方

@SOHO編集部
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障害のある人が在宅でできる仕事の探し方と、働き方の選び方

この記事のポイント

  • ✓障害のある人が在宅でできる仕事の探し方を
  • ✓障害者雇用枠での在宅勤務
  • ✓就労移行支援や就労継続支援などの福祉サービスの4つの働き方に分けて整理しました

障害のある人が在宅でできる仕事を探すとき、まず迷うのは「どこで、どのような形の仕事を探せばよいのか」という点です。在宅の仕事には、会社に雇われて自宅で働く形もあれば、仕事を請け負う業務委託の形もあり、福祉のサービスを使いながら働く準備をする道もあります。結論から言うと、自分に合う働き方は、体調の波、働ける時間、必要な配慮、収入の安定をどれだけ求めるかで変わります。1人で探すより、ハローワークの専門の窓口や支援機関の力を借りながら、働き方を比べて選ぶほうが、長く続けられる仕事に出会いやすくなります。この記事では、障害のある人が在宅で働くときの4つの働き方と、それぞれの探し方、選ぶときに確かめることを順に説明します。

障害のある人の在宅の仕事を取り巻く状況

在宅勤務が広がったことで、障害のある人の働き方の選択肢も広がっています。通勤の負担が大きい人、体調に合わせて休みを取りながら働きたい人、人の多い場所が苦手な人にとって、自宅で働ける仕事は、働き続けるための大きな助けになります。

企業の側にも、障害のある人の採用を進める理由があります。厚生労働省によると、障害者雇用促進法では、企業に対して、雇用する労働者の2.7%に相当する障害者を雇用することを義務付けています。これを障害者雇用率制度と呼びます。この率を満たすために、在宅勤務を前提にした障害者雇用の求人を出す企業も出てきています。

たとえば、人材サービスのグループ会社の採用サイトでは、次のように案内されています。

パーソルダイバースでは2024年3月より、フルリモートワーク(在宅勤務)かつ週30時間未満の短時間勤務が可能な障害のある方の採用活動を行っています。 出典: persol-diverse.co.jp

このように、在宅で、しかも短い時間から働ける求人も出ています。ただし、在宅の求人の数は、通勤を前提にした求人と比べるとまだ限られます。探し方を知り、働き方の違いを理解したうえで、自分に合うものを選ぶことが大切です。

在宅で働くときの4つの働き方

障害のある人が在宅で働く形は、大きく4つに分けられます。

働き方 契約の形 収入の形 向いている人
障害者雇用枠での在宅勤務 雇用契約 給与 配慮を受けながら安定して働きたい人
一般の求人での在宅勤務 雇用契約 給与 障害を伝えずに、または伝えたうえで一般の枠で働きたい人
業務委託(フリーランス) 業務委託契約 報酬 自分の得意なことを生かし、時間や量を自分で決めたい人
就労系の福祉サービス サービスの利用(A型は雇用契約) 賃金や工賃 働く準備をしたい人、支援を受けながら働きたい人

それぞれの働き方の中身と、探し方を順に説明します。

働き方1:障害者雇用枠での在宅勤務

障害者雇用枠とは、企業が障害のある人を対象に設けている採用の枠のことです。応募するには、多くの場合、障害者手帳を持っていることが条件になります。

障害者雇用枠で働く利点

障害者雇用枠の求人では、障害があることを前提に、働く時間や仕事の内容、職場での配慮を相談しやすくなります。体調に合わせた勤務時間の調整や、通院のための休み、連絡の方法の工夫など、必要な配慮を最初から伝えたうえで働けるのが大きな利点です。

雇用契約なので、給与は毎月決まった形で支払われ、条件を満たせば社会保険や雇用保険にも加入します。収入の安定を重視する人に向いています。

合理的配慮を受けられる

障害者雇用枠に限らず、雇用の場面では、事業主に合理的配慮の提供が義務付けられています。厚生労働省は次のように説明しています。

雇用分野においては、障害者雇用促進法において、事業主は過重な負担にならない範囲で障害者に対して合理的配慮を提供することが義務付けられています。 出典: 厚生労働省

合理的配慮とは、障害のある人が、障害のない人と同じように働けるように、一人ひとりの障害の特性や困りごとに合わせて、職場が行う調整のことです。在宅勤務の場合なら、連絡を電話ではなくチャットにする、作業の指示を文字で残す、休憩を取りやすい勤務の形にする、といった調整が考えられます。どのような配慮が必要かは、本人から伝え、職場と話し合って決めます。

障害者雇用枠の在宅の求人の探し方

障害者雇用枠の在宅の求人は、次の場所で探せます。

  • ハローワークの障害のある人向けの窓口
  • 障害者雇用を専門に扱う求人サイトや転職の支援サービス
  • 一般の求人サイトで「障害者雇用」「在宅」などの条件で絞り込む
  • 企業の採用サイト(特例子会社など、障害者雇用に力を入れている会社)

一般の求人サイトでも、障害者雇用枠の在宅の求人が出ています。たとえば求人検索サイトの求人ボックスで「障害者 在宅の仕事」を東京都で検索すると、次のような求人が表示されます。

【仕事内容】障がい者雇用枠の募集です 企業情報〈設立〉2016年 【ここがポイント】<障がい者雇用>契約社員/完全在宅/事務職/身体・精神障がい者雇用実績多数/月19.2万円〜 出典: 求人ボックス

このように、雇用の形、在宅かどうか、職種、これまでにどの障害のある人を雇ってきたかが書かれている求人は、応募の前に働き方を想像しやすくなります。

働き方2:一般の求人での在宅勤務

障害者雇用枠ではなく、一般の採用の枠で、在宅勤務の求人に応募する方法もあります。障害を伝えずに応募する人もいれば、伝えたうえで一般の枠で働く人もいます。

一般の枠で働く利点は、応募できる求人の数が多く、職種や給与の幅が広いことです。一方で、障害を伝えない場合は、必要な配慮を受けにくくなります。体調を崩したときに理由を説明しにくい、通院の休みを取りにくい、といった困りごとが起きやすくなります。

障害を伝えるかどうかは、本人が決めることです。ただ、在宅で長く働き続けることを考えるなら、どのような配慮があれば働きやすいかを整理したうえで、伝えるかどうかを判断すると、あとから困ることが減ります。障害を伝えたうえで一般の枠で働く場合も、雇用の場面での合理的配慮の提供は事業主の義務です。

働き始めてから障害を伝えることもできます。その場合は、まず直属の上司や人事の担当者など、伝える相手を決め、どこまでの範囲の人に知らせてよいかも一緒に伝えます。伝える内容は、応募のときと同じく、困りごとと、あると助かる配慮と、自分ができることの3つを中心にまとめると、話し合いが進めやすくなります。

働き方3:業務委託で在宅の仕事を受ける

会社に雇われるのではなく、仕事を請け負って報酬を受け取る業務委託の形で、在宅の仕事を受ける方法もあります。いわゆるフリーランスの働き方です。

業務委託の利点

業務委託では、受ける仕事の量や、働く時間を自分で決められます。体調のよい日に多めに作業し、調子の悪い日は休む、という働き方がしやすくなります。文章を書く、データを入力する、デザインを作る、プログラムを書く、音声を編集する、といった、パソコンで完結する仕事が中心です。

業務委託で気をつけること

業務委託は雇用ではないため、雇用で守られる仕組みは使えません。給与ではなく報酬なので、仕事がない月は収入がありません。社会保険や雇用保険にも、雇用されている人と同じ形では加入しません。障害者雇用率制度の対象にもならないため、雇用の場面での合理的配慮の義務も、そのままの形では当てはまりません。

そのため、業務委託だけで生活を支えようとすると、収入の波が大きな負担になることがあります。障害年金などの公的な給付を受けている人は、収入が増えたときに給付にどう影響するかを、年金事務所や市区町村の窓口で確かめておきます。

業務委託の仕事を受けるときは、仕事の内容、報酬の額、納期、支払いの時期を、必ず書面で確かめます。体調の波がある人は、納期に余裕のある仕事から受け、自分が1週間にどれだけの量をこなせるかを把握してから、受ける量を広げていきます。

業務委託で受けやすい仕事

文章を書く仕事は、短い記事から始められ、慣れるにつれて単価を上げていける仕事です。単価の上げ方はWebライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップで、実績の積み方から順に説明しています。デザインの仕事は、成果物を納品する形が多く、自分のペースで進めやすい仕事です。相場はデザイナーの年収・単価相場で確かめられます。

働き方4:就労系の福祉サービスを使う

すぐに一般の会社で働くことに不安がある人や、働く準備から始めたい人には、障害者総合支援法に基づく就労系の福祉サービスがあります。厚生労働省によると、就労系障害福祉サービスには、就労選択支援、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、就労定着支援の5種類があります。

就労選択支援

本人が働く先や働き方について、よりよい選択ができるように、本人の希望、働く力、向き不向きなどを確かめながら、合った選択を手伝うサービスです。令和7年10月1日に始まりました。どの働き方が自分に合うか分からない人が、最初に相談する場として使えます。

就労移行支援

一般の会社で働くことを目指す人が、一定の期間、働くために必要な知識や力を身につける訓練を受けるサービスです。パソコンの操作、ビジネスのマナー、体調の管理の仕方などを学び、就職の活動の支援も受けられます。

就労継続支援A型

一般の会社で働くことが難しいものの、雇用契約を結んで働ける人が、事業所と雇用契約を結んで働くサービスです。雇用契約なので、賃金が支払われます。

就労継続支援B型

一般の会社で働くことが難しく、雇用契約を結んで働くことも難しい人が、事業所で作業をして、工賃を受け取るサービスです。雇用契約ではないため、体調に合わせて通う日や時間を調整しやすいのが特徴です。厚生労働省の公表では、B型事業所の令和5年度の平均工賃の月額の実績は22,649円とされています。

就労定着支援

就労移行支援などを使って一般の会社に新しく雇われた人が、働き続けるうえで生じる生活の困りごとについて、相談や助言を受けられるサービスです。

福祉サービスと在宅

就労系の福祉サービスは、事業所に通う形が基本ですが、事業所によっては、在宅でのサービスの利用に取り組んでいるところもあります。在宅での利用ができるかどうか、どのような条件があるかは、事業所や市区町村によって違います。利用を考えるときは、住んでいる市区町村の障害福祉の窓口と、利用したい事業所に確かめてください。サービスの概要は、厚生労働省の障害者の就労支援対策の状況のページで確かめられます。

ハローワークと支援機関を使う

在宅の仕事を1人で探すのは、思っている以上に大変です。障害のある人が使える公的な支援の窓口を知っておくと、探し方の幅が広がります。

ハローワークの専門の窓口

厚生労働省によると、全国のハローワークには、障害のある求職者向けに専門的に相談にのる窓口があり、障害に理解のある専門の相談員が、担当者制で、就職から職場への定着まで一貫して支援します。応募の書類の作成の支援や、模擬の面接など、障害の特性に合わせた支援も行っています。ハローワークが連携する支援機関と協力して、働く前にその企業で実習を受けることや、条件に合う求人を事業主に出してもらうよう働きかけることもあります。

障害者就業・生活支援センターと地域障害者職業センター

ハローワークは、地域の障害者就業・生活支援センターや、地域障害者職業センターなどの支援機関と協力して、就職から職場への定着まで支援しています。働くことと生活のことを一緒に相談したい人は、障害者就業・生活支援センターに相談すると、仕事と暮らしの両方の困りごとを整理しやすくなります。

相談に行く前に準備しておくこと

ハローワークや支援機関に相談に行くときは、次のことを簡単にメモしておくと、限られた時間で話を進めやすくなります。

  • これまでの仕事や学校での経験と、得意だったこと
  • 1日に働ける時間と、週に働ける日数の目安
  • 働くうえで困りやすいことと、あると助かる配慮
  • 在宅で働きたい理由と、通勤ができるかどうか
  • 収入についての希望と、受けている公的な給付の有無

全部を埋められなくても問題ありません。分からないところは、相談しながら一緒に整理してもらえます。

在宅でできる仕事の種類

在宅でできる仕事は、パソコンとインターネットで完結するものが中心です。代表的な仕事と、求められる力を整理します。

データ入力・事務

紙やPDFの内容を表計算ソフトに入力する、顧客の情報を整理する、資料を作る、といった仕事です。正確に、決まった手順で作業を続けられる人に向いています。障害者雇用枠の在宅の求人でも、事務の仕事は多く見られます。表計算ソフトや文書作成ソフトの基本の操作ができると、応募できる求人が広がります。

カスタマーサポート

メールやチャットで、お客様からの問い合わせに答える仕事です。電話での対応がない仕事を選べば、話すことが苦手な人でも取り組めることがあります。決まった答え方の手順が用意されている職場が多く、慣れるまでの支えがあるのも特徴です。

ライティング・編集

Webの記事や商品の説明文を書く仕事です。自分の体験や得意な分野の知識を生かせるほか、調べたことを分かりやすくまとめる力が求められます。業務委託の形で、短い記事から始められます。

デザイン

Webサイトの画像、バナー、チラシ、ロゴなどを作る仕事です。デザインのソフトを使える力と、相手の希望を形にする力が求められます。作品を見せて仕事を得ることが多いので、作品の一覧を用意しておきます。

プログラミング・Web制作

Webサイトやアプリを作る、既存のシステムを直す、といった仕事です。学ぶことは多いものの、在宅で働きやすく、成果で評価されやすい仕事です。就労移行支援の事業所の中には、プログラミングの訓練に力を入れているところもあります。

音声や動画の編集

ポッドキャストの音声の編集、動画の切り出しや字幕付け、ナレーションの収録などの仕事です。音声の編集は、聞きやすくするための雑音の除去や音量の調整、話の間の詰め方など、地道な作業の積み重ねです。集中して細かい作業を続けるのが得意な人に向いています。必要な機材は、パソコン、ヘッドホン、編集のソフトが基本で、ナレーションの収録まで受けるならマイクも要ります。

翻訳

語学が得意な人なら、文書の翻訳の仕事もあります。専門分野を持つと仕事を受けやすくなります。

どの仕事でも、最初から高い報酬を目指すより、自分が続けられる量と内容の仕事から始めて、実績を積んでいくほうが、結果として長く働けます。

困りごとに合わせた在宅の働き方の工夫

在宅での働きやすさは、一人ひとりの困りごとによって違います。ここでは、よくある困りごとごとに、職場と相談しやすい工夫の例を挙げます。どの工夫が合うかは人によって違うため、支援機関の担当者や主治医の意見も聞きながら、自分に合う形を探してください。

移動や長時間の姿勢がつらい場合

在宅勤務は通勤の負担がない点で大きな助けになりますが、長い時間同じ姿勢で作業を続けるのがつらい場合もあります。休憩を細かく取れる勤務の形にする、作業の机や椅子を自分の体に合ったものにする、音声で入力できる道具を使う、といった工夫が考えられます。

体調や気分に波がある場合

日によって調子が違う場合は、勤務時間を短めに決めて始める、調子のよくない日の連絡の方法をあらかじめ決めておく、締切に余裕のある仕事から受ける、といった工夫が考えられます。在宅勤務では、通勤がない分、調子のよくない日でも働きやすいことがある一方、仕事と休む時間の境目があいまいになりやすい点に気をつけます。

聞くことや話すことに負担がある場合

電話やビデオ会議での会話に負担がある場合は、連絡をチャットやメールにしてもらう、会議の内容を文字で残してもらう、といった工夫が考えられます。在宅の仕事では、もともと文字での連絡が中心の職場も多く、相談しやすい配慮の1つです。

指示を覚えることや段取りに負担がある場合

口頭の指示を覚えにくい、複数の作業を同時に進めるのが難しい、といった場合は、指示を文字で受け取る、作業の手順書を用意してもらう、1日の作業の順番をあらかじめ決めておく、といった工夫が考えられます。タスクの一覧を共有してもらえると、何をどの順番で進めればよいかが分かりやすくなります。

応募の書類と面接で配慮を伝える方法

必要な配慮は、働き始めてから伝えるより、応募や面接の段階で伝えておくほうが、職場も準備しやすくなります。伝えるときは、障害の名前だけでなく、「何に困るか」と「どうすれば働きやすいか」をセットで伝えるのがこつです。

たとえば、次のような伝え方があります。

「長い時間の会話が続くと疲れやすいため、連絡は主にチャットでお願いできると助かります。チャットでいただいたご連絡には、勤務時間中であれば1時間以内に返信します。週に1回、15分ほどのビデオ会議であれば問題なく参加できます。」

この伝え方には、困りごと、お願いしたい配慮、自分ができること、の3つが入っています。配慮をお願いするだけでなく、自分ができることを一緒に伝えると、職場の側も働く姿を思い浮かべやすくなります。伝え方に迷うときは、ハローワークの専門の窓口や、就労移行支援の事業所の担当者に、書類の書き方や面接の練習を手伝ってもらえます。

在宅で働き続けるための生活の整え方

在宅で働くと、通勤がない分、生活の区切りがつきにくくなります。働き続けるために、次のような工夫をしておくと、無理が積み重なりにくくなります。

  • 始業と終業の時刻を決め、その時刻に作業を始めて終える
  • 作業する場所と休む場所を、できるだけ分ける
  • 1時間に1回など、休憩の時間を決めて席を立つ
  • 1日の終わりに、その日にしたことと翌日にすることを短く書き出す
  • 調子がよくない日が続いたら、早めに職場や支援機関に相談する

在宅の仕事は、自分で自分の働き方を整える部分が大きい仕事です。最初から完璧にできる必要はありません。働きながら、自分に合う区切り方を見つけていけば十分です。

障害者手帳を持っていない場合の探し方

障害者雇用枠の求人に応募するには、多くの場合、障害者手帳を持っていることが条件になります。手帳を持っていない場合や、手帳の申請を迷っている場合でも、在宅の仕事を探す道はあります。

1つ目は、一般の求人の在宅勤務に応募する方法です。障害を伝えたうえで、必要な配慮を相談することもできます。2つ目は、業務委託で在宅の仕事を受ける方法です。3つ目は、支援機関に相談する方法です。ハローワークの専門の窓口や障害者就業・生活支援センターでは、手帳の有無にかかわらず相談を受け付けているところがあります。就労系の福祉サービスも、利用できるかどうかは手帳の有無だけで決まるわけではなく、市区町村が判断します。どの支援が使えるかは、住んでいる市区町村の障害福祉の窓口で確かめてください。

収入と公的な給付の関係を確かめる

障害年金や生活保護などの公的な給付を受けながら働く場合は、働いて得た収入が給付にどう影響するかを、働き始める前に確かめておきます。給付の種類によって、収入の扱いや届け出の決まりが違うためです。

障害年金については年金事務所、生活保護については住んでいる地域の福祉事務所が相談の窓口です。収入の届け出が必要な給付を受けている場合は、在宅の仕事や業務委託の報酬も届け出の対象になることがあるので、仕事を始めたら早めに相談します。届け出を忘れると、あとから給付の返還を求められることもあるため、迷ったら必ず窓口に確かめます。

業務委託の報酬を受け取る場合は、所得税の確定申告が必要になることもあります。所得とは、報酬から必要な経費を引いた額のことです。申告が必要かどうかは、ほかの収入や金額によって変わるので、税務署で確かめてください。

1週間の働き方を組み立ててみる

働き方を選ぶときは、実際の1週間の過ごし方に当てはめて考えると、無理がないかを確かめやすくなります。たとえば、体調に波があり、1日に長く働くと疲れが翌日に残りやすい人が、障害者雇用枠で週に20時間の在宅勤務をする場合を考えてみます。

1日4時間を週5日にする形なら、毎日の生活のリズムを保ちやすい一方、調子のよくない日にも4時間の作業が求められます。1日5時間を週4日にする形なら、間に休みの日を挟めますが、働く日の負担は少し大きくなります。どちらが合うかは、人によって違います。働き始める前に、自分の体調の記録を数週間つけておくと、どの曜日や時間帯に調子がよいかが分かり、職場と勤務の形を相談するときの材料になります。

業務委託で仕事を受ける場合も、同じように1週間で使える作業の時間を先に決め、その時間に収まる量だけを受けるようにします。受けた仕事が作業の時間を超えそうなときは、早めに納期の相談をします。

在宅の仕事を選ぶときに確かめること

在宅の仕事は、通勤がない分、働きやすく見えます。ただ、実際に始めてみると、在宅ならではの困りごともあります。仕事を選ぶ前に、次の点を確かめておきます。

働ける時間と体調の波

1日に何時間、週に何日なら、無理なく働けるかを書き出します。体調に波がある人は、調子のよい日を基準にせず、調子のよくない日でもこなせる量を基準にします。最初は短い時間から始め、慣れてから時間を延ばすほうが、長く続けられます。

連絡の方法

在宅の仕事では、電話、チャット、メール、ビデオ会議など、連絡の方法がさまざまです。電話が苦手、ビデオ会議で長く話すと疲れる、といった困りごとがあるなら、どの方法で連絡を取るのかを、応募の前に確かめておきます。

仕事の指示の受け方

口頭の指示だけでは覚えにくい人は、指示を文字で残してもらえるかを確かめます。在宅の仕事では、もともとチャットや文書で指示を出す職場も多いので、相談しやすい配慮の1つです。

自宅の作業の環境

パソコン、通信の環境、作業する机や椅子など、自宅で働く環境が整っているかを確かめます。会社がパソコンを貸してくれるのか、自分で用意するのかも、求人を見るときの確認の点です。

ひとりで抱え込まない仕組み

在宅で働くと、困りごとを周りに気づいてもらいにくくなります。定期的に上司や担当者と話す時間があるか、困ったときにだれに相談すればよいかが決まっているかを確かめておきます。

在宅の仕事を探すときに気をつけたい誘い

在宅の仕事を探していると、「スマートフォンだけで簡単に稼げる」「登録料を払えば仕事を紹介する」といった誘いに出会うことがあります。次のような特徴がある誘いには、応じる前に立ち止まります。

  • 仕事を始める前に、登録料、教材費、研修費などを払うよう求める
  • 作業の中身に比べて、報酬が高すぎる
  • 会社の名前や所在地、連絡先がはっきりしない
  • 契約の内容を、書面で示してくれない

障害のある人を対象にした誘いの中にも、こうした手口が混ざっていることがあります。おかしいと感じたら、家族や支援機関の担当者、最寄りの消費生活センターに相談してから判断します。

在宅の仕事を始めるまでの順番

ここまでの内容を、在宅の仕事を始めるまでの順番に整理します。

  1. 自分の働ける時間、体調の波、必要な配慮、得意なことを書き出す
  2. ハローワークの専門の窓口や、障害者就業・生活支援センターに相談する
  3. 4つの働き方の中から、自分に合いそうなものを選ぶ。迷う場合は、就労選択支援の利用も考える
  4. 働く準備が必要なら、就労移行支援などの福祉サービスで、パソコンの操作や体調の管理を身につける
  5. 求人を探し、応募する。必要な配慮は、応募の書類や面接で具体的に伝える
  6. 働き始めたら、最初は短い時間から始め、困りごとを早めに相談する

最初から完璧な仕事を見つける必要はありません。働いてみて分かることも多いので、支援機関と相談しながら、少しずつ自分に合う形に近づけていけば十分です。

在宅ワークの仲介から見た障害のある人の働き方の考察

2004年から在宅ワークとフリーランスの仲介を続けてきた運営者として見てきた範囲では、在宅で長く仕事を続けている人には、障害の有無にかかわらず共通点があります。自分が無理なくこなせる量を知っていて、それを仕事を頼む側に先に伝えていることです。「1日に3時間まで」「連絡はチャットでお願いしたい」と最初に伝えている人ほど、頼む側も仕事を割り振りやすく、結果として継続の依頼が続く傾向があります。配慮を伝えることは、遠慮することではなく、仕事をうまく進めるための情報を渡すことだと言えます。

業務委託の形で仕事を受ける場合、中間の手数料が乗らない直接の取引では、頼む側の予算がそのまま報酬になる分、受ける側の手取りが厚くなります。短い時間しか働けない人にとって、同じ作業時間で手取りが厚いことの意味は小さくありません。手数料0%で直接取引できる場は、自分のペースで働きたい人の選択肢の1つになります。

在宅で受けられる仕事の幅を広げたい人は、技術系の仕事にも目を向けると選択肢が増えます。アプリケーション開発のお仕事では開発の仕事の種類と求められるスキルを、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事では生成AIやマーケティングの分野で在宅で受けられる仕事を紹介しています。事務の仕事を目指すなら、ビジネス文書検定のように、文書の書き方の基本を示せる検定も役立ちます。

よくある質問

Q. 障害者雇用枠で在宅勤務の求人はありますか?

在宅勤務を前提にした障害者雇用枠の求人は出ています。ハローワークの障害のある人向けの窓口、障害者雇用を専門に扱う求人サイト、一般の求人サイトでの絞り込み、企業の採用サイトなどで探せます。応募するには、多くの場合、障害者手帳を持っていることが条件になるため、求人ごとに応募の条件を確かめてください。

Q. 在宅勤務でも合理的配慮を受けられますか?

雇用の場面では、事業主は過重な負担にならない範囲で、障害のある人に合理的配慮を提供することが義務付けられています。在宅勤務なら、連絡をチャットにする、指示を文字で残す、休憩を取りやすい勤務の形にする、といった調整が考えられます。どのような配慮が必要かは本人から伝え、職場と話し合って決めます。

Q. 就労継続支援A型とB型はどう違いますか?

A型は、事業所と雇用契約を結んで働き、賃金を受け取るサービスです。B型は、雇用契約を結ばずに作業をして工賃を受け取るサービスで、体調に合わせて通う日や時間を調整しやすいのが特徴です。在宅での利用ができるかどうかは事業所や市区町村によって違うため、市区町村の障害福祉の窓口と事業所に確かめてください。

Q. どの働き方が自分に合うか分からないときはどうすればよいですか?

ハローワークの障害のある人向けの専門の窓口や、障害者就業・生活支援センターに相談すると、働ける時間や必要な配慮を整理しながら選択肢を考えられます。令和7年10月から始まった就労選択支援は、本人の希望や働く力、向き不向きを確かめながら、働く先や働き方の選択を手伝うサービスです。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年10月15日最終更新:2026年10月17日
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