保育士の小児救急の資格|講習の種類


この記事のポイント
- ✓小児救急の資格を保育士が取るなら
- ✓赤十字の幼児安全法支援員
- ✓民間の国際資格EFR-CFCが主な選択肢です
小児救急の資格を保育士として取りたいと考えたとき、最初に迷うのは「どの講習を受ければ、園で役に立つ形で身につくのか」という点です。結論から書くと、国が定めた「小児救急の国家資格」はありません。保育士が受けるのは、消防署の救命講習、日本赤十字社の幼児安全法、民間団体の小児向け救命資格のいずれかで、それぞれ時間・費用・有効期限・学べる範囲が違います。
この記事では、主な講習の種類と中身、どれを先に受けるとよいか、園の安全対策の中でどう位置づけられているか、取ったあとの更新や履歴書への書き方までを、主催団体の公式の案内で確かめた事実をもとに整理します。初めて調べる人でも、読み終えたときに申し込み先が決まるように書いています。
保育士に小児救急の知識が求められる背景
保育所や認定こども園では、0歳から就学前までの子どもが長い時間を過ごします。乳幼児は気道が細く、食べ物やおもちゃをのどに詰まらせやすいこと、体温調節が未熟で熱を出しやすいこと、熱性けいれんを起こすことがあることなど、大人とは違う特徴を持っています。保育士の資格を取る過程でも子どもの保健は学びますが、心肺蘇生やAEDを実際に手で練習する時間は限られています。
国の指針も、職員が救急対応を実技で身につけることを求めています。こども家庭庁が所管する「教育・保育施設等における事故防止及び事故発生時の対応のためのガイドライン」には、次のように書かれています。
各施設・事業者においては、子どもの安全確保に関する研修に参加することを基本とするとともに、全ての職員は、救急対応(心肺蘇生法、気道内異物除去、AED・エピペン®の使用等)の実技講習、事故発生時の対処方法を身につける実践的な研修を通じて、事故防止に係る職員の資質の向上に努める。 出典: cfa.go.jp
このガイドラインは平成28年3月に作られ、現在はこども家庭庁のサイトで公開されています。同じ文書の中で、救急対応の実技講習を「定期的に受講」すること、施設としても訓練を計画的に行うこと、119番通報の訓練を場面を変えて実施することも挙げられています。つまり、小児救急の講習は「意識の高い人が個人的に受けるもの」ではなく、園で働く全員に期待されている基本の備えという位置づけです。
ここで押さえておきたいのは、ガイドラインが求めているのは特定の資格名ではなく「実技講習を受けて、使える状態を保つこと」だという点です。どの団体の講習を受けても、内容が心肺蘇生・気道異物の除去・AEDを含む実技であれば趣旨に合います。そのうえで、園から指定がある場合はそれに従い、指定がなければ自分の働き方に合うものを選ぶ、という順番で考えると迷いにくくなります。
小児救急の講習は大きく3種類
保育士が受けやすい小児救急の講習は、主催者で分けると次の3つです。
- 消防署(市町村の消防本部)が開く救命講習。普通救命講習Ⅲ、上級救命講習など
- 日本赤十字社の各都道府県支部が開く幼児安全法の講習
- 民間団体が開く小児向けの救命資格講座(EFR-CFC、PFAの小児コースなど)
それぞれの特徴を表にまとめます。時間と費用は各主催者の公式の案内で確かめたもので、地域や時期によって変わることがあります。
| 講習 | 主催 | 時間 | 費用の目安 | 交付されるもの | 有効期限 |
|---|---|---|---|---|---|
| 普通救命講習Ⅲ | 消防本部 | 3時間 | 無料の地域が多い(教材費のみの地域もある) | 修了証・救命技能認定証 | 地域の運用による |
| 上級救命講習 | 消防本部 | 8時間 | 同上 | 上級救命技能認定証 | 地域の運用による |
| 幼児安全法支援員養成講習 | 日本赤十字社 | 10時間 | 2,200円 | 赤十字幼児安全法支援員認定証 | 発行日から5年間 |
| EFR-CFC | 民間(例: 体験活動リーダースアカデミー) | 1日(9時30分から17時30分) | 19,800円(税込) | 国際資格の認定証 | 2年 |
時間だけで比べると消防の講習が短く、内容の幅で比べると赤十字と民間の講習が広い、というのが大まかな違いです。以下で1つずつ中身を見ていきます。
消防署の普通救命講習Ⅲと上級救命講習
消防本部が開く救命講習は、全国どこでも受けられ、費用がかからない地域が多いのが特徴です。種類は地域によって呼び方が少しずつ違いますが、多くの消防本部が次の分け方を使っています。千葉市消防局の案内では、こう説明されています。
普通救命講習Ⅲ・・主に小児・乳児・新生児を対象とした心肺蘇生法、異物除去法、止血法を学ぶ講習です。(3時間) 出典: city.chiba.jp
普通救命講習Ⅰは成人が対象、Ⅱは駅員や警備員など一定の頻度で心停止の人に対応することが想定される人が対象で、Ⅲが子ども向けです。保育士が最初に受けるなら、Ⅲがいちばん目的に合っています。乳児の胸骨圧迫は指2本で行う、子どもには人工呼吸を組み合わせることが勧められているなど、大人との違いを実際の人形で練習できます。
上級救命講習は8時間で、成人・小児・乳児・新生児の心肺蘇生に加え、けがの手当や搬送の方法まで学びます。先に普通救命講習を修了していないと上級を受けられないかどうかは、消防本部ごとに条件が決まっているので、申し込む前に案内を確かめてください。時間に余裕があるなら、上級を1回受けておくと、大人と子どもの両方に対応できる形で一通り身につきます。
消防の講習で注意したいのは、地域によって開いている講習の種類と名前が違うことです。普通救命講習Ⅲという名前の講習を開いていない地域では、子どもの心肺蘇生は上級救命講習などの中で学ぶことになります。住んでいる市区町村、または勤め先のある地域の消防本部のページを開き、「小児」「乳児」が対象に含まれる講習を探してください。
申し込みは個人でもできますが、一定の人数が集まれば団体向けの講習として日程を相談できる地域が多くあります。東京消防庁の案内では、10名以上なら団体向け講習の扱いになり、まず団体の所在地を管轄する消防署に連絡して日程を調整する流れです。園の職員でまとまって受ければ、勤務の調整もしやすく、園のAEDや園舎の配置に合わせた練習ができる場合もあります。
日本赤十字社の幼児安全法支援員
日本赤十字社の幼児安全法は、子どもに起こりやすい事故の予防と手当、病気への対応を学ぶ講習です。公式の案内では、内容をこう説明しています。
子どもを大切に育てるために、乳幼児期に起こりやすい事故の予防とその手当、かかりやすい病気と発熱・けいれんなどの症状に対する手当などの知識と技術を習得できます。 出典: jrc.or.jp
支援員養成講習の要項は次のとおりです(日本赤十字社の公式ページで確認)。
- 受講資格は満15歳以上
- 講習時間は10時間(標準の時間で、休憩時間などが加わる)
- 受講費は2,200円(教材費、保険料などの実費)
- 全課程の修了者には受講証、検定に合格した人には「赤十字幼児安全法支援員認定証」
消防の講習との大きな違いは、心肺蘇生だけでなく、発熱・けいれん・脱水・やけど・誤飲など、保育の現場で日常的に起こる場面への対応を広く扱う点です。心停止という最悪の事態は滅多に起きませんが、熱を出した子の様子を見て保護者に連絡するか、すぐ受診を勧めるかを判断する場面は毎週のようにあります。日々の判断の土台を作るという意味では、幼児安全法の中身は保育士の仕事にかなり近い内容です。
講習は日本赤十字社の各都道府県支部が開いていて、日程と会場は支部ごとのページに出ています。10時間なので、2日に分けて開かれることが多く、土日の開催もあります。同じ支部で短時間の「幼児安全法短期講習」を開いていることもあり、まずは短い講習で雰囲気をつかむこともできます。
認定証には有効期限があります。日本赤十字社のよくあるご質問には「認定証の有効期限は、発行日から5年間となります」と書かれています。以前あった資格継続研修は2019年3月31日で廃止されたため、資格を保つには、同じ講習を改めて受けて検定に合格する必要があります。
民間の小児救命資格(EFR-CFCなど)
民間の団体も、子ども向けの救命資格の講座を開いています。代表的なものの1つが、国際的な救急法プログラムであるEFR(Emergency First Response)の子ども向けコース、EFR-CFCです。日本では体験活動リーダースアカデミーなどが講座を開いています。講座の公式ページは、内容をこう説明しています。
この講座は、子どもの身体的な特性に配慮した心肺蘇生法やAEDの使用方法を学び、国際資格(EFR-CFC)を取得する1日講座です。基本的な子どもの救命スキルだけでなく、「病院へ連れていくべきか」「判断がつかない場合、どう行動すべきか」など、子どもと関わる大人に求められる緊急時の判断に必要な人体の基本構造についても学習します。 出典: fieday.net
同じページに書かれている講座の概要は、時間が9時30分から17時30分(認定試験の時間を含む)、定員12名、受講費19,800円(税込)、資格の有効期間は2年で、更新は集合形式での再受講です。カリキュラムには、心肺蘇生とAEDのほか、止血・固定・冷却の演習、病院受診の目安、子どもによくあるけがと病気の手当、事故現場を再現したシナリオ訓練が入っています。
民間の講座の利点は、少人数で質問しやすいこと、平日や土日の日程の選択肢が多いこと、救急車を呼ぶか・病院へ連れて行くか・様子を見るかの「判断」を練習する時間が長めにとられていることです。一方で、費用は公的な講習より高く、有効期限も短めです。国の資格ではなく、団体ごとに認定の基準が違うことも知っておく必要があります。
民間の講座を選ぶときは、次の3点を公式ページで確かめておくと安心です。
- 講習の内容が、日本の蘇生ガイドラインに沿っているかが書かれているか
- 実技(人形を使った練習)の時間がどれくらいあるか
- 認定の有効期限と、更新に何が必要か
どの講習から受けるとよいか
3種類を並べると、受ける順番は次のように考えると無理がありません。
- まず消防の普通救命講習Ⅲ(なければ上級救命講習)を受け、心肺蘇生・AED・気道異物の除去を手で覚える
- 次に赤十字の幼児安全法で、発熱やけいれん、誤飲、やけどなど日常の手当と事故の予防を広く学ぶ
- 園でリーダー役を担う、あるいは研修の講師役を任されるなら、民間の資格や上級救命講習で判断の練習を深める
心肺蘇生は、知っているだけでは体が動きません。胸骨圧迫の深さや速さは、実際に人形を押してみないと感覚がつかめないからです。最初の1回は、近くで受けやすく費用の負担が小さい消防の講習から入るのが現実的です。
費用の面から見ても、この順番には無理がありません。消防の講習は無料か教材費程度で受けられる地域が多く、赤十字の支援員養成講習は2,200円、民間のEFR-CFCは19,800円(税込)です。最初の1回で手順を体に入れ、次に日常の手当へ広げ、必要になった段階で判断の練習に費用をかける、という段階の踏み方になります。
すでに園に勤めている人は、まず園長や主任に、園として受講を決めている講習があるかを確かめてください。園によっては毎年、消防署を呼んで全職員で救命講習を受けていたり、赤十字の講習を受けた職員がいる状態を保つようにしていたりします。園が費用を負担する場合や、勤務時間内に受講できる場合もあります。ガイドラインにも、自治体が研修の参加費用を補助している場合があると書かれています。
これから転職や復職を考えている人は、応募の前に1つ受けておくと、面接で「どんな講習を受けたか」「何を学んだか」を具体的に話せます。民間の講座のページでは国際資格が転職に有利になると紹介されていますが、採用の判断は園ごとに違います。資格の名前よりも、受けた内容を自分の言葉で説明できることのほうが伝わりやすいと考えておくとよいでしょう。
申し込みから受講当日までの流れ
初めて救命講習を受ける人のために、申し込みから当日までの流れを整理しておきます。主催者によって細かい手順は違いますが、大まかな進め方は共通しています。
- 受けたい講習を決め、主催者の公式ページで日程と会場を探す。消防なら住んでいる地域か勤め先の地域の消防本部、赤十字なら都道府県支部のページを開く
- 申し込み方法を確かめる。電話、専用の申込フォーム、窓口のいずれかが多く、人気の日程は早く埋まる
- 事前の学習がある講習なら、受講日までに済ませておく。千葉市の案内では、総務省消防庁の応急手当WEB講習でインターネットの事前学習をしてから90分の実技講習を受けると、3時間の普通救命講習と同じ修了証が取れる。事前学習を終えたあとに出る受講証明書は、印刷するか画面を保存して当日に持っていく
- 当日は、床に膝をついて胸骨圧迫を練習するので、動きやすい服装で行く。スカートや裾の長い服は避け、髪の長い人はまとめておくと練習しやすい
- 受講後に交付された修了証や認定証は、なくさないように保管し、有効期限を控えておく
当日の練習では、人形を使って胸骨圧迫を何度も繰り返します。思っている以上に体力を使い、続けているうちに腕が疲れてきます。実際の場面では、疲れて圧迫が浅くなる前に交代することが大切だと講習で教わります。ここで「1人では続けられない」と体で分かることが、園で役割分担を決めておく意味の理解につながります。
園長や主任が職員の研修として組む場合は、全員が同じ日に抜けると保育が回らないため、消防署への団体講習の依頼と、個人での受講を組み合わせるのが現実的です。団体講習なら園の実情に合わせた質問がしやすく、個人受講なら勤務の都合に合わせて日を選べます。誰がいつ、どの講習を受け、認定の期限がいつ切れるかを一覧にしておくと、期限切れの職員が出るのを防げます。
保育の現場で特に練習しておきたい場面
講習を受けるときは、保育の現場で起こりやすい場面を頭に置いておくと、学んだことが残りやすくなります。ガイドラインが重大事故の起こりやすい場面として挙げているのは、睡眠中、プール活動や水遊び、食事中の誤嚥(ごえん。食べ物が気管に入ること)、玩具などの誤飲、食物アレルギーです。
睡眠中
乳児のうつぶせ寝は、窒息のおそれがあるため避けることが求められています。ガイドラインでは、睡眠中は呼吸や体の向きを定期的に確かめることが挙げられています。万一、呼吸をしていない子に気づいたときは、大声で人を呼び、119番通報とAEDの手配を頼み、すぐに心肺蘇生を始めます。乳児の場合は、硬い床の上に移してから胸骨圧迫を行う点も講習で確かめておきたいところです。
食事中の誤嚥と玩具の誤飲
のどに物が詰まったときの対応は、子どもの年齢で変わります。乳児は背中を手のひらでたたく方法(背部叩打法)と胸を押す方法を組み合わせ、1歳以上の子どもでは腹部を圧迫する方法も使えます。どちらも力加減と姿勢が大切で、文字で読むだけでは身につきません。普通救命講習Ⅲや幼児安全法では、乳児の人形を使ってこの手順を練習します。
プール活動と水遊び
ガイドラインは、プール活動の監視を担当する職員と、指導を担当する職員を分けることを求めています。水の事故は、静かに沈んで気づかれないことが多いからです。救命講習で学んだ心肺蘇生を、プールサイドでどう始めるか、誰がAEDを取りに行くかまで、園の配置に当てはめて考えておくと実際の場面で迷いません。
食物アレルギーとエピペン
食物アレルギーで重い症状(アナフィラキシー)が出たとき、医師から処方されたエピペンを、子どもに代わって保育士が使う場面があり得ます。ガイドラインは救急対応の中にエピペンの使用を含めています。救命講習とは別に、自治体や医療機関がアレルギー対応の研修を開いていることがあるので、アレルギーのある子を担当するなら、合わせて受けておくと安心です。エピペンの使い方そのものは、処方した医療機関の説明と保護者との取り決めに従ってください。
園で事故が起きたときの役割分担と119番通報
講習で心肺蘇生を身につけても、実際の園では1人で全部を行うわけではありません。子どもの命を守れるかどうかは、誰が胸骨圧迫を始め、誰がAEDを取りに行き、誰が119番に電話をかけるかが、最初の1分で決まるかどうかにかかっています。先ほどのガイドラインには、緊急時の役割分担の例と、119番通報で伝える内容の書式例が載っています。
ガイドラインが挙げている役割分担の例は、次のようなものです。
- 発見した職員は子どものそばを離れず、大声で人を集め、管理者が来るまでリーダー役を務める
- 1人目の応援はAEDを準備し、症状の様子を随時記録する
- 2人目の応援は119番通報をし、管理者を呼び、保護者へ連絡する
- 3人目の応援はほかの子どもの対応と、到着した救急車の誘導をする
職員が3人そろわない場面も想定し、2人で回せるようにしておくことも書かれています。役割ごとの担当と順番を決めて事務室の見やすい場所に掲示し、年に2回から3回は訓練するよう勧めています。
119番通報の書式例では、つながったらまず「救急です」と伝え、住所と目印、「いつ、どこで、誰が、どうした」と「今どんな状態か」、通報者の名前と電話番号を順に伝えます。通報後はしばらく電話の電源を切らないこと、道路に出て救急車に合図することも挙げられています。散歩や園外の活動中に通報する場合に備えて、通過する公園や交差点の名前を書いた地図を持ち歩く工夫も紹介されています。
講習を受けた人が園の中で果たせる役割は、ここにあります。講習で学んだ流れを、自分の園の配置図と職員の人数に当てはめて、掲示物と訓練の段取りに落とし込むことです。講習の修了証よりも、こうした準備を回せることのほうが、園長や同僚からの信頼につながります。
取ったあとの更新と、技能を保つ工夫
小児救急の資格は、取ったら終わりではありません。心肺蘇生の方法は、国際的なガイドラインの改訂に合わせて数年ごとに見直されますし、何より、使わない技術は時間とともに忘れていきます。
有効期限は講習ごとに違います。日本赤十字社の認定証は発行日から5年間、EFR-CFCは2年です。消防の救命技能認定証は、地域によっては一定の期間内に短い再講習を受けることで認定を保てる仕組みをとっています。期限と再講習の有無は消防本部ごとに違うので、認定証の裏面や受けた消防本部の案内を確かめてください。
なお、日本赤十字社の資格は全国共通で、取得したあとに引っ越しても新しい住所地でそのまま有効です。認定証をなくしたときは、講習を受けた都道府県支部に相談すれば再発行を受けられます。転職で地域が変わる人も、受け直す必要はありません。
技能を保つには、次のような工夫が役立ちます。
- 認定証を受け取ったら、有効期限をカレンダーやスマートフォンに登録し、半年前に通知が来るようにする
- 園の避難訓練や119番通報訓練の際に、心肺蘇生の流れを声に出して確かめる
- 園内の研修で、受けた講習の内容をほかの職員に共有する。人に説明すると自分の理解も深まる
- 年に1回は、消防の短時間の講習やWEB講習を使って手順を見直す
総務省消防庁は、事前にインターネットで学び、会場では実技を中心に受ける講習の仕組みを用意していて、千葉市など多くの地域がこれを取り入れています。忙しい時期でも、会場にいる時間を短くして受講できます。
救急車を呼ぶか迷ったときの相談先
講習で学ぶのは、明らかに命に関わる場面での対応だけではありません。実際の保育で多いのは、「顔色が少し悪い」「頭を打ったが泣いてすぐに遊び始めた」のように、救急車を呼ぶほどか判断に迷う場面です。こうしたときに使える公的な相談窓口があることも、講習と合わせて知っておくと役立ちます。
総務省消防庁が進めている救急安心センター事業(♯7119)は、急な病気やけがのときに、救急車を呼んだほうがよいか、すぐ病院に行ったほうがよいかを、医師や看護師などの専門家に電話で相談できる仕組みです。ただし、実施している地域とそうでない地域があります。勤め先の地域で使えるかどうかは、総務省消防庁の案内で確かめておきましょう。
子どもの急な病気については、厚生労働省の子ども医療電話相談事業(♯8000)もあります。都道府県ごとに実施していて、多くは夜間や休日の時間帯に、小児科医や看護師が保護者からの相談に応じる形です。実施時間帯と電話番号は都道府県ごとに違い、厚生労働省の一覧で確かめられます。保育中の判断は園の手順と園長の指示に従うのが基本ですが、お迎えのときに保護者へ「夜に様子が変わったら♯8000に相談できます」と伝えられると、家庭での判断の助けになります。
ただし、意識がない、呼吸がおかしい、けいれんが止まらないといった場面では、相談より先に119番通報です。相談窓口は迷ったときのためのもので、緊急の通報の代わりにはならないことを、園の職員全員で共有しておきましょう。
保育士のキャリアの中での位置づけ
保育士の処遇改善の仕組みとして、保育士等キャリアアップ研修があります。分野別に研修を受けることで、副主任保育士や専門リーダーといった役職につながる仕組みで、その分野の1つに「保健衛生・安全対策」があります。この分野では、事故防止や健康管理、先ほどのガイドラインの内容などを扱います。
小児救急の講習は、このキャリアアップ研修そのものではありませんが、内容は重なっています。救命講習で実技を身につけ、キャリアアップ研修で園の安全管理の考え方を学ぶ、という組み合わせにすると、園の安全対策の担当を任されたときに、手順書を作る、訓練を組み立てる、新人に教えるといった役割を担いやすくなります。研修の実施や受講の扱いは都道府県ごとに決まっているので、勤め先の自治体の案内を確かめてください。
事業所として職員の研修費を支えたい場合は、国の助成金を使える場合もあります。福祉分野で研修費の負担を軽くする方法は、福祉用具貸与事業所のスキルアップ助成金2026|人材開発支援助成金の活用法で、人材開発支援助成金の対象になる研修と申請の流れを解説しています。保育の事業所でも、要件に合えば同じ助成金を検討できます。
履歴書に書くときの書き方
小児救急の講習は、履歴書の「免許・資格」欄に書いて構いません。書くときは、交付された認定証の名前をそのまま正式名称で書き、取得した年月を添えます。
| 受けた講習 | 履歴書での書き方の例 |
|---|---|
| 日本赤十字社の幼児安全法支援員養成講習 | 赤十字幼児安全法支援員 認定 |
| 消防の普通救命講習Ⅲ | ○○市消防局 普通救命講習Ⅲ 修了 |
| 消防の上級救命講習 | ○○消防庁 上級救命講習 修了(上級救命技能認定) |
| EFR-CFC | EFR-CFC(小児救命救急法)認定 |
有効期限が切れた認定証を、今も持っているように書くのは避けます。期限が切れている場合は「修了」と書くか、受け直してから書きましょう。保育士の資格は国家資格で、正式には保育士登録をして保育士証の交付を受けている状態です。資格欄の一番上に「保育士資格 取得」または「保育士証 交付」と書き、その下に救命講習を並べると、読み手に伝わりやすくなります。
職務経歴書を書く場合は、資格欄とは別に、園の安全対策で担ったことを具体的に書くと伝わりやすくなります。たとえば次のような書き方です。
- 救急対応の園内研修を年2回企画し、消防署の団体講習の日程調整を担当した
- 119番通報の手順と緊急時の役割分担を掲示物にまとめ、散歩用の地図を作った
- 職員の救命講習の受講状況と認定の期限を一覧にして管理した
どれも資格の名前だけでは見えない、園の中での動き方を示す情報です。採用する側は、子どもの安全を任せられるかを見ているので、講習で学んだことをどう園の仕組みに生かしたかを書くと、経験の厚みが伝わります。
面接では、資格の名前を言うだけでなく、「乳児の気道異物の除去を人形で練習した」「園の119番通報訓練で通報役を担当した」など、具体的な経験を添えると、現場で動ける人だと伝わります。
現場の経験を在宅の仕事に生かすという道
小児救急の知識と保育の経験は、園の中だけで役に立つものではありません。保育や子育ての経験を持つ人が、在宅で文章を書く仕事を受ける場面は増えています。子育て支援の情報サイトや保育業界向けの媒体では、事故予防や応急手当の基本を、正確でやさしい言葉で書ける人が求められています。
ただし、医療や安全に関わる文章は、間違いがそのまま読み手の行動に影響します。講習で学んだ内容を書くときも、自分の判断を断定せず、公的な指針や主催団体の案内を出典として示す書き方が欠かせません。在宅ワークの仲介を長く続けてきた運営者として見てきた限りでは、医療や保育の分野で継続して仕事を頼まれる人は、専門知識の量よりも、出典を確かめてから書く習慣と、読み手の不安に寄り添う言葉選びで信頼を得ています。
文章の仕事を始めるなら、まず実績を見せる場所を用意することが第一歩です。Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】では、経験の少ない段階から見せられる作品の作り方を解説しています。仕事に慣れて単価を見直したい段階では、Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】が、専門分野を持つことで依頼が変わる流れを説明しています。
また、園の中で事故報告書や保護者向けのお知らせを書く機会は多く、文章の基本を身につけておくと、園の仕事にも在宅の仕事にも生きます。仲介を通さない直接の取引では、手数料0%で受け取った報酬がそのまま手元に残るため、専門分野の記事に時間をかけて丁寧に仕上げやすくなります。報告書や依頼文の書き方を体系的に学ぶ手段としては、ビジネス文書検定の資格ガイドが、試験の級と出題範囲、学び方を紹介しています。
よくある質問
Q. 保育士が小児救急の講習を受けるのは義務ですか?
法律で特定の資格を取ることが義務づけられているわけではありません。ただし、こども家庭庁が所管する事故防止のガイドラインは、全ての職員が心肺蘇生や気道異物の除去、AEDやエピペンの使用などの実技講習を受け、定期的に受け直すことを求めています。園として受講を決めている講習があることも多いので、勤め先に確かめてください。
Q. 無料で受けられる小児救急の講習はありますか?
消防本部が開く普通救命講習や上級救命講習は、無料で受けられる地域が多くあります。子ども向けの普通救命講習Ⅲがない地域では、上級救命講習の中で乳児と小児の心肺蘇生を学べます。教材費がかかる地域もあるので、住んでいる地域か勤め先の地域の消防本部の案内で費用と日程を確かめてください。
Q. 赤十字の幼児安全法と消防の救命講習はどちらがよいですか?
目的によって違います。心肺蘇生やAEDを短時間で手で覚えたいなら消防の講習、発熱やけいれん、誤飲、やけどなど日常の手当まで広く学びたいなら赤十字の幼児安全法が向いています。順番としては、まず消防の講習で心肺蘇生を身につけ、次に幼児安全法で日常の手当を学ぶ流れが無理なく進められます。
Q. 認定証の有効期限が切れたらどうなりますか?
日本赤十字社の認定証は発行日から5年間が有効期限で、更新のための研修は廃止されているため、同じ講習を受け直して検定に合格する必要があります。消防の認定証は地域ごとに期限と再講習の仕組みが違います。期限が切れた認定証を履歴書に書くときは、取得中のように書かず、受け直してから記載するのが確実です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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