作業療法士を辞めたいと思ったとき|辞める前に確かめる5つのこと【2026年版】

前田 壮一
前田 壮一
作業療法士を辞めたいと思ったとき|辞める前に確かめる5つのこと【2026年版】

この記事のポイント

  • 作業療法士を辞めたいと感じたときに
  • 辞める前に確かめておきたい5つの論点を整理しました
  • 他業種へ移った場合の収入の現実

まず、安心してください。作業療法士を辞めたいと思うこと自体は、能力の問題でも根性の問題でもありません。医療・福祉の現場は、業務の密度、対人的な緊張、給与の伸びにくさという三つの負荷が同時にかかる環境です。そこで「このまま続けられるだろうか」と考えるのは、むしろ状況を正確に見ている証拠だと思います。

ただし、「辞めたい」と「辞めるべき」の間には距離があります。この距離を測らないまま動くと、辞めた先で同じ壁に当たるか、想定していなかった別の壁に当たります。特に収入面については、事前に数字を見ておかないと後から取り返しがつきません。

この記事では、作業療法士を辞めたいと感じたときに確かめておきたい五つの論点を、順に整理します。辞めることを勧める記事でも、止める記事でもありません。判断に必要な材料を並べるための記事です。私は43歳でメーカーを退職してフリーランスになった人間で、医療職ではありません。ただ、辞める前に何を確かめておくべきだったかについては、当時の自分に言いたいことがあります。焦らせずに書いていきます。

確かめること1|自分の「辞めたい」がどの層にあるか

離職理由は共通するパターンに分かれる

作業療法士が辞めたいと感じる理由には、業界共通のパターンがあります。この分野を扱っている情報源は、次のように整理しています。

作業療法士の離職率は全体として平均的ですが、個々の職場ではさまざまな理由で退職を考える人がいます。 多くの作業療法士が「辞めたい」と感じる背景には、給与面での将来性、職場の人間関係、業務負担の重さといった共通の悩みが見受けられます。 実際に仕事を辞めた人たちが抱えていたのはどのような問題だったのか、ここでは主な5つの退職理由を掘り下げていきます。 出典: nitiriha.com

ここで注目すべきは、離職率そのものは「全体として平均的」とされている点です。つまり、作業療法士という職種が特別に離職しやすいわけではない。にもかかわらず辞めたいと感じる人が一定数いるのは、職場ごとの環境差が大きいからだと読めます。

そして、挙げられている悩みは三つに集約されます。給与面での将来性、職場の人間関係、業務負担の重さ。あなたの「辞めたい」がこのどれに当たるかを、まず特定してください。

三つの層で対処法が違う

給与面での将来性が主因なら、これは職場を変えることで一定の改善が見込めます。ただし後述するとおり、業界の年収帯そのものに天井があるため、期待できる改善幅には限界があります。

業務負担の重さが主因なら、事業形態を変えることで大きく改善する可能性があります。急性期病院から生活期の通所リハビリへ、入所系から外来へといった移動で、一日の密度と緊張度は変わります。同じ資格のまま環境だけを変えられる点で、対処しやすい層です。

職場の人間関係が主因なら、これが最も判断が難しい層です。転職すれば人は変わりますが、次の職場で良好な関係が築ける保証はありません。部署異動や配置転換で解決する可能性があるなら、先にそちらを検討する価値があります。

体調に影響が出ている場合

不眠、食欲の変化、朝に体が動かないといった状態が続いている場合は、この記事のような一般的な情報ではなく、産業医や医療機関に相談してください。判断力そのものが落ちている状態でキャリアの決断をすると、後から見て理解できない選択をしていることがあります。まず状態を整えるのが先です。労働者の健康管理に関する制度については厚生労働省が情報を公開しています(厚生労働省)。

確かめること2|辞めた後の収入がどうなるか

他業種へ移ると収入は下がるのが通常

「給料が安いから辞めたい」という理由で他業種へ移る場合、必ず先に確認しておくべき数字があります。この点について、次のような指摘があります。

OTの平均年収が430万円として、未経験で一般企業に入ると300万円台からスタートすることも珍しくない。「給料が安いから辞めたい」と思っていたのに、辞めたらもっと安くなる。この皮肉な現実は、知っておいた方がいいです。 出典: reha-compass.jp

これは冷たい指摘に見えますが、実務的には最も重要な情報です。国家資格を要する専門職は、資格のない職種に比べて初任の水準が高く設定されています。その資格を使わない仕事に未経験で移れば、水準はリセットされます。

年収430万円から350万円へ下がった場合、月の手取りでおよそ5万円前後の差が出ます。住宅ローンや教育費を抱えている場合、この差は生活の設計そのものに関わります。

私は43歳でメーカーを辞めましたが、そのとき最も怖かったのがここでした。住宅ローンは20年残っていて、子どもは中学と小学校。妻に「大丈夫なの」と何度も聞かれました。結果として踏み切れたのは、辞める1年前から在宅ワークの仕事を並行して始めていて、ゼロからのスタートではなかったからです。準備の有無で、同じ決断でも怖さがまったく違います。

業界内での年収の天井

一方で、作業療法士として働き続けた場合の伸びにも構造的な限界があります。リハビリ職の年収はボリュームゾーンが300万円台から400万円台に集中しており、500万円以上の層は限られます。管理職ポストに就くか、複数の役割を兼ねるかしない限り、大きな上振れは起きにくい構造です。

この二つの数字、つまり「他業種へ移ると下がる」と「業界内でも天井がある」を並べると、収入を理由に辞めるという判断は、単純な移動では解決しないことがわかります。解決するとすれば、資格を残したまま収入の入り口を増やすか、資格が評価される他業種へ移るかのどちらかです。

制度面で確認しておくこと

辞める前に確認すべき制度上の項目があります。

退職後の健康保険をどうするか。任意継続、国民健康保険、家族の被扶養者になるという選択肢があり、保険料が変わります。年金についても、厚生年金から国民年金へ切り替える手続きが必要です。2026年8月時点の手続きと要件は日本年金機構の案内で確認してください(日本年金機構)。

雇用保険の給付についても、自己都合と会社都合で扱いが変わります。制度の詳細は改定が入る分野なので、厚生労働省の情報で最新の内容を確認してください。

独立や業務委託での働き方を考える場合は、開業届や確定申告の手続きが関わります。所得区分や申告の要否については国税庁の情報で確認してください(国税庁)。

確かめること3|辞めずに解決できる部分がないか

事業形態を変えるという選択

現在の職場が辛いことと、作業療法士という仕事が向いていないことは、別の話です。ここを混同すると、資格を捨てる必要のない場面で捨ててしまいます。

事業形態を変えるだけで、日々の負荷は大きく変わります。急性期病院は判断のスピードと知識の更新量が最も多い環境です。回復期リハビリ病棟は経過を追いながら関われますが、365日体制の施設では休日が不定期になります。通所リハビリやデイサービスは対象者の状態が安定しており、判断の緊急度が下がります。訪問リハビリは一人での判断が多い代わりに、対人的な緊張が少ない環境を好む人には合います。児童分野は成人領域とまったく違う専門性が必要ですが、関心が合えば長く続けられる領域です。

「作業療法士を辞めたい」ではなく「今の病棟が辛い」だとしたら、移動先は同じ資格の中にあります。

勤務形態を変えるという選択

常勤を続けることだけが選択肢ではありません。週4日の常勤、非常勤の掛け持ち、時短勤務といった形があります。収入は下がりますが、続けられる状態を作ることを優先する時期があってもいいと思います。

ただし、勤務時間を減らすと社会保険の加入要件に影響する場合があります。週の所定労働時間が短い場合の加入条件は日本年金機構の案内で確認してください。手取りと将来の年金額の両方に関わる項目です。

職場の中で交渉できること

辞める前に試せることとして、業務分担の見直しの相談、記録時間の勤務時間内確保の要望、担当対象者の調整、研修参加の機会の要望などがあります。

これらを一度も相談せずに辞めると、次の職場でも同じ状況になったときに、また辞めるしかなくなります。交渉が通らなかったという事実があれば、辞める判断に納得がいきます。通れば辞めずに済みます。どちらに転んでも損はありません。

確かめること4|資格を活かせる他の道があるか

医療機関以外で資格が評価される場所

作業療法士の資格と臨床経験が評価される領域は、病院と介護施設だけではありません。

福祉用具の分野では、メーカーの商品開発、営業技術職、レンタル事業所の相談員といった職種があります。使う人の身体機能を理解していることが直接的な強みになります。

住環境の分野では、住宅改修の提案、建築事務所やリフォーム会社での相談業務があります。生活動作の理解が設計に反映される領域です。

行政と地域の分野では、地域包括支援センター、市区町村の介護予防事業、就労支援機関などがあります。

産業保健の分野では、企業の健康管理部門で、復職支援や職場環境の調整に関わる形があります。

教育の分野では、養成校の教員、実習指導、研修講師といった道があります。

これらはいずれも、資格を捨てずに環境を変える選択肢です。「病院か介護施設か」という二択で考えていると見えてきませんが、視野を広げると資格の使い道はかなり広い。

資格を追加して選択肢を広げる

現在の資格に何かを足すことで、移動先が広がる場合があります。文書作成や説明資料の作成を体系的に学びたいならビジネス文書検定が候補です。報告書や提案書の構成を段階的に扱う検定で、記録や家族への説明資料が多い職種とは接続します。医療系システムの導入支援やサポート職に興味があるなら、ネットワークの基礎を扱うCCNA(シスコ技術者認定)のような技術資格が入口になります。

ただし、資格を取れば道が開けるという発想には注意が必要です。資格は入口の条件を満たすためのものであり、それ自体が仕事を生むわけではありません。何をしたいかを決めてから、その入口に必要な資格を取る順序を守ってください。

確かめること5|辞める前に収入の入り口を増やせないか

準備してから辞めるという順序

ここが、私が最も伝えたい部分です。辞めるかどうかを決める前に、勤務先以外の収入源を小さく作っておくと、判断の質が変わります。

理由は二つあります。第一に、収入の柱が複数あると、辞める判断を焦らずにできます。「今すぐ決めなければ」という圧力が消えるだけで、条件の見え方が変わります。第二に、実際に別の仕事をやってみることで、その方向が自分に合うかどうかが事前にわかります。想像で判断するのと、月に数時間でも実際にやってみるのとでは、精度がまったく違います。

作業療法士の知識が評価される業務委託の仕事としては、医療・介護分野の記事の執筆と監修、研修資料や教材の制作、福祉用具や住環境に関する相談対応などがあります。文章を書く仕事の相場を先に把握しておきたいなら著述家,記者,編集者の年収・単価相場を見てください。年収帯と単価の考え方が整理されており、月に何時間使えばどの程度になるかの見当がつきます。

技術寄りの方向を考えるならソフトウェア作成者の年収・単価相場が参考になります。医療系システムの要件整理や導入支援は、臨床の業務手順を知っている人が評価される数少ない技術領域です。

具体的な仕事の中身を知りたい場合は、分野別のガイドが役立ちます。AIコンサル・業務活用支援のお仕事は、業務改善の知見を持つ人が相談役として関わる形の仕事を扱っています。介護事業所や福祉施設は記録業務と情報共有の非効率を抱えていることが多く、現場を知る人からの提案には需要があります。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、AI活用やマーケティング支援の案件がどう発注されるかがまとまっています。開発寄りの領域はアプリケーション開発のお仕事にまとまっています。

副業を始める前の確認事項

副業を始める前に、勤務先の就業規則で副業の可否と届出の要否を必ず確認してください。医療法人や社会福祉法人では届出制にしている例が多く、無断で始めると信頼を損ねます。就業規則に禁止規定がある場合は、規定の範囲を確認したうえで判断してください。

所得が発生した場合の確定申告の要件は国税庁の情報で確認してください。給与以外の所得がある場合の申告基準や、住民税の扱いについても案内があります。

辞めると決めた場合の進め方

順序を間違えない

辞めると決めた場合でも、順序があります。

先に退職を申し出て、それから転職活動を始めるのは避けてください。収入が途切れると焦りが生まれ、条件の判断が甘くなります。在職中に応募するほうが、今の職場に残る選択肢がある分、条件交渉でも強い立場に立てます。

在職中の活動が難しい場合は、面接日程の調整を代行してくれる人材紹介サービスを使う方法があります。ただし紹介会社は事業所からの成功報酬で動いているため、紹介される求人には偏りが出ます。求人検索サイトとハローワークも自分で見ておくと、相場観がずれません。

媒体の選び方については転職サイトおすすめ比較【2026年版】|年代・職種別の選び方に整理があります。年代別・職種別に何を優先すべきかがまとまっており、医療職にも応用できます。20代で経験年数が浅い段階での転職を考えているなら、20代の転職サイトおすすめ5選|未経験・第二新卒向けも見ておくと、若年層向けの求人がどこに集まるかがわかります。

応募書類で辞めた理由をどう書くか

退職理由を書類や面接で述べるとき、前職の不満を並べるのは避けてください。採用側は「ここでも同じ理由で辞めるのではないか」と読みます。

述べるべきは、次の環境で何をしたいかです。「業務量が多すぎた」ではなく「一人ひとりの生活場面まで関わる時間を取りたい」。「人間関係が悪かった」ではなく「多職種で情報を共有しながら進める体制で働きたい」。同じ事実でも、向かう先を主語にすると印象が変わります。

書類の構成に不安がある場合は、職務経歴書の書き方完全ガイド|転職成功率を上げるコツ【2026年版】に型が整理されています。実績の並べ方や、何を数字で書くかという考え方は職種を問わず共通します。

20年この市場を見てきて思うこと

フリーランスと在宅ワークの市場を長く運営してきた立場から言うと、辞めた後に満足度が上がる人と下がる人の差は、辞める理由の切実さではありません。準備の有無です。

辞めてから次を探した人は、条件の妥協が早い。収入が途切れているので、当然そうなります。一方、在職中に次の目処を立てていた人は、条件を選べます。同じ人が同じ市場で動いても、結果が変わる。この差は、能力ではなく順序の問題です。

もうひとつ、運営者として見てきた限りで確かなことがあります。長く仕事を得ている人は、能力が飛び抜けている人ではなく、「この人に任せると楽だ」と思われている人です。説明の手間が少なく、確認の往復が減り、任せた後で心配しなくていい相手が選ばれ続けます。これは臨床でも同じでしょう。今の職場で辛い思いをしていても、周囲から相談が集まっているなら、その価値はどこへ行っても通用します。

収入の構造についても触れておきます。仲介手数料が中間で抜かれない直接取引の仕事は、依頼する側から見れば同じ予算でより多く頼めますし、受ける側から見れば手取りが厚くなります。手数料0%という条件が意味するのは、金額の話だけではありません。同じ仕事量に対して手元に残るものが厚いという、働き方の質の話です。業界の年収帯に天井を感じたとき、勤務先の外にこういう構造の仕事があることは、知っておいて損はありません。

在宅ワーク市場のデータから見える選択肢の広げ方

在宅ワークのマッチングサービスに流通する案件を横断的に見ると、医療・福祉の実務経験が直接評価される領域が三つに整理できます。

一つ目は、専門情報の執筆と監修です。医療・介護分野は根拠のない情報が出回りやすいため、発注側は有資格者による確認を重視します。著述家,記者,編集者の年収・単価相場で示される単価は一般的な執筆業務のものですが、専門性が求められる領域では相場より高く発注される例があります。

二つ目は、研修と教育コンテンツの制作です。介護事業所向けの研修資料、家族向けの説明資料、福祉用具の使い方を伝える教材など、現場での説明経験がそのまま活きる仕事です。文書作成の力を裏づけたいなら、前述のビジネス文書検定のような資格が下支えになります。

三つ目は、業務改善への関与です。AIコンサル・業務活用支援のお仕事で扱われるような、業務にツールをどう組み込むかを設計する仕事は、現場の作業手順を理解している人ほど強みが出ます。技術寄りに踏み込むならAI・マーケティング・セキュリティのお仕事アプリケーション開発のお仕事まで視野が広がります。

これらは、いますぐ本業を置き換えるものではありません。ただ、月に数時間から始められる規模のものが多く、「辞めなければ状況が変わらない」という前提を一度緩めてくれます。選択肢が複数ある状態で今の職場を見ると、判断が驚くほど冷静になります。辞めたいと思ったときこそ、すぐに動くのではなく、選べる状態を先に作ってください。

判断を先延ばしにしないための実務手順

ここまでの五つを踏まえて、実際に何から手をつけるかを順番に並べておきます。頭の中で「辞めたい」を回し続けている状態が最も消耗するので、作業リストに落とすことが目的です。

第一週にやることは、辞めたい理由を紙に書き出して分類することです。給与、業務量、人間関係、将来性、通勤、体調の六項目に分け、それぞれに10点満点で点数をつけます。合計点ではなく、点数の偏りを見てください。一項目に集中しているなら、その項目だけを解決する手段を探せば済みます。全項目が高い場合は、環境そのものが合っていない可能性があります。

第二週にやることは、数字を集めることです。現在の年収、基本給と手当の内訳、賞与の算定基礎、年間休日、直近三か月の実残業時間。これらを紙に書き出します。この数字がないと、転職先の条件が良いのか悪いのか判断できません。多くの人が、自分の基本給がいくらかを即答できません。

第三週にやることは、選択肢を三つ以上並べることです。同じ資格で事業形態を変える、勤務形態を変える、資格を活かせる他業種へ移る、資格を使わない業種へ移る、勤務を続けながら収入の入り口を増やす。この中から現実的なものを三つ以上挙げます。選択肢が一つしかない状態で決断すると、後から「他に手があったのでは」と考え続けることになります。

第四週にやることは、最も現実的な選択肢について具体的な情報を集めることです。求人を三件以上見る、条件を比較表にする、必要なら面接を受けてみる。受けるだけなら辞める必要はありません。実際の条件提示を見ると、頭の中の想像より判断材料が増えます。

この四週間で状況が整理されなくても構いません。重要なのは、「辞めたい」という感情を、確認可能な項目に変換することです。感情のままでは比較も判断もできませんが、数字と選択肢の形になれば扱えます。

そして、どの選択肢を選ぶ場合でも、辞める前に一度は今の職場で交渉してみてください。業務分担、記録時間の確保、担当の調整。通れば辞めずに済み、通らなければ辞める判断に根拠が加わります。試さずに辞めると、次の職場で同じ状況になったときに、また同じ場所に立つことになります。

最後にもう一点だけ付け加えます。辞めるかどうかを決める期限を、自分で切ってください。期限がないまま考え続けると、判断そのものが日常の一部になり、消耗だけが積み上がります。三か月なら三か月と決めて、その間に必要な情報を集め、期限が来たら決める。集めきれなかった場合は、期限を延ばすのではなく「今ある材料で決める」ほうが、結果として納得のいく選択になります。完璧な情報が揃うことはありませんし、揃うのを待っている間に選べたはずの求人は閉じていきます。

働き方の選択に正解はありませんが、順序には良し悪しがあります。感情を項目に分け、数字を集め、選択肢を三つ以上並べ、期限を切って決める。この順序を踏んだ判断は、たとえ結果が思い通りでなくても、後から自分で説明できます。説明できる判断は、次の判断の材料になります。

よくある質問

Q. 作業療法士を辞めて一般企業に転職すると収入はどうなりますか?

リハビリ職の平均年収は430万円程度とされる一方、未経験で一般企業に入ると300万円台からのスタートになることも珍しくないと指摘されています。国家資格を要する専門職は初任の水準が高く設定されているため、資格を使わない職種に未経験で移ると水準がリセットされます。収入が主な理由の場合は、この差を先に数字で確認してください。

Q. 辞めたい理由が人間関係の場合、転職すべきですか?

転職すれば人は変わりますが、次の職場で良好な関係になる保証はありません。まず部署異動や配置転換で解決する可能性を検討してください。業務分担の見直しや担当調整を一度も相談せずに辞めると、次の職場でも同じ状況で辞めるしかなくなります。交渉が通らなかった事実があれば、辞める判断にも納得がいきます。

Q. 作業療法士の資格を活かせる医療機関以外の職場はありますか?

福祉用具メーカーの商品開発や営業技術職、住宅改修やリフォームの相談業務、地域包括支援センターや自治体の介護予防事業、企業の産業保健部門での復職支援、養成校の教員や研修講師などがあります。病院か介護施設かの二択で考えていると見えませんが、資格を残したまま環境を変える選択肢は広くあります。

Q. 辞める前にやっておくべきことは何ですか?

在職中に転職活動を始めること、退職後の健康保険と年金の切り替え手続きを確認すること、そして勤務先以外の収入源を小さく作っておくことです。収入の柱が複数あると焦らずに条件を選べます。副業を始める場合は事前に就業規則で可否と届出の要否を確認し、確定申告の要件は国税庁の情報で確認してください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年8月30日最終更新:2026年8月31日
前田 壮一

この記事を書いた人

前田 壮一@SOHO編集部

元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身

大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。

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