志望動機が前職の話で終わると在宅オンラインで教える仕事は落ちる

長谷川 奈津
長谷川 奈津
志望動機が前職の話で終わると在宅オンラインで教える仕事は落ちる

この記事のポイント

  • オンラインで教える仕事に在宅で応募するとき
  • 志望動機が前職の説明で終わっていると落ちます
  • 通る志望動機の3層構造

オンラインで教える仕事に在宅で応募して、志望動機の欄で手が止まる。あるいは書いて送ったのに、まったく返事が来ない。そういう方に向けて書きます。

先日、ある方から相談を受けました。大手メーカーで20年間、新人研修の講師を担当してきた方です。オンライン講師の募集に5件応募して、全部落ちたと。志望動機を見せてもらったところ、原因はすぐ分かりました。前職でどんな研修を担当し、何人を指導し、どんな評価を得たか。そこまでは丁寧に書かれていました。ただ、そこで文章が終わっていたんです。

これ、知らない人が本当に多いんです。志望動機は、経歴の説明欄ではありません。読み手が知りたいのは「なぜこの仕事に応募したのか」であって、「あなたが過去に何をしたか」ではない。つまり、前職の話は志望動機の材料であって、志望動機そのものではないということです。

この記事では、落ちる志望動機の4つのパターン、通る志望動機の組み立て方、前職の経験を教える力に翻訳する手順、そして在宅で働くことをどう説明するかまで、実際に書き直せる形で整理します。契約形態によって書き分けが必要になる点も、法務の観点から触れます。

在宅オンライン講師の採用で、志望動機が果たしている役割

まず、採用する側が志望動機で何を見ているかを整理します。ここを外すと、どれだけ丁寧に書いても届きません。

オンラインで教える仕事の募集は、この数年で大きく増えました。日本語教師、学習塾の家庭教師、プログラミング講師、資格試験の対策、法人向けの研修まで、在宅で完結する形が定着しています。求人サイトを見ると、オンライン講師関連の募集は常時1,000件以上の規模で出ています。

ただし、応募者も同じくらい増えています。1つの募集に数十人が集まることが珍しくありません。採用側は、その中から選ばなければならない。選ぶときに何を見るか。指導スキルはある程度、経歴と面談で判断できます。では志望動機で何を見ているかというと、「この人は続けてくれるか」の一点です。

理由は運営の構造にあります。オンラインレッスンの運営者にとって、講師の入れ替わりは大きなコストです。学習者との相性が固まった頃に辞められると、学習者ごと失う可能性がある。1コマの報酬が1,200円前後から3,000円程度の水準である以上、採用と教育にかけられるコストは限られます。だから、続けられる理由が書かれているかを、志望動機で確認しているわけです。

在宅を希望する理由の伝え方には型がある

もう1つ、在宅ならではの論点があります。在宅で働きたい理由をそのまま書くと、逆効果になることがあるという点です。

在宅ワークの求人は人気が高く、志望動機は合否を分ける大きなポイントになります。単に「家で働きたいから」と伝えるのではなく、「在宅だからこそ、私は企業に貢献できる」というポジティブな伝え方に変換するのがオススメです。今回は「この人なら離れていても安心して仕事を任せられる」と感じてもらうための、志望動機の書き方のコツをまとめました! 出典: accessjob.jp

ここに書かれている「離れていても安心して仕事を任せられる」という視点が、在宅の志望動機の核心です。つまり、在宅を選ぶ理由が自分の都合だけで完結していると、読み手には「都合が変わったら辞めるだろう」と映る。ここを組み替える必要があります。

※ この記事で扱う契約や規定の話は一般的な考え方の整理です。個別の契約書で不安な条項がある場合は、内容を持って弁護士や社会保険労務士にご相談ください。

落ちる志望動機の4つのパターン

相談を受けてきた中で、通らない志望動機はほぼ4つの型に分かれます。自分の文面がどれに当てはまるか、照らしてみてください。

前職の説明で終わっている

冒頭に書いた事例がこれです。一番多く、一番もったいない型です。

「前職では新人研修を担当し、年間200名の指導にあたりました。カリキュラムの設計から実施、効果測定まで一貫して担当していました」。ここまでは事実として価値があります。問題は、この後に「その経験を活かしたいと考え、応募いたしました」で終わってしまうことです。

なぜこれで落ちるのか。「経験を活かしたい」は、応募者側の希望であって、採用側の利益ではありません。読み手からすると、活かした結果どうなるのかが書かれていない。つまり、前職の話は志望動機の前半であって、後半が抜けている状態です。

後半に何を書くべきか。前職で得たものを、応募先の学習者にどう使うかです。「新人研修では、理解が遅れている受講者を早い段階で見つける仕組みを作っていました。オンラインでも、画面越しに理解度を確認する手順を最初に設計したいと考えています」。ここまで書いて、初めて志望動機になります。

在宅であることが理由になっている

2つ目は、在宅を選ぶ理由が前面に出ている型です。

「子育て中のため通勤が難しく、在宅で働ける仕事を探していました」「親の介護があり、家を離れられない状況です」。事情としては当然のことですし、正直に書くこと自体は間違っていません。

ただ、これだけで終わると、読み手には「在宅であればどの仕事でもよかったのだろう」と受け取られます。実際、在宅ワークの募集には、この理由だけを書いた応募が大量に届きます。差がつかないどころか、続ける理由が見えないぶん不利になります。

書き換え方は難しくありません。在宅である事情は1文で触れて、その後に「だからこそこの仕事が合っている」という接続を作ります。「在宅で働ける環境が必要という事情があり、その中でオンライン講師を選んだのは、対面と違って記録が残る点が自分の進め方に合っているからです。授業の記録を毎回残して学習者と共有する形なら、離れていても進捗が見える状態を作れます」。この形なら、事情が強みに転換されています。

学ぶ楽しさを伝えたいという型

3つ目は、姿勢の表明だけで構成されている型です。「学ぶ楽しさを伝えたい」「一人ひとりに寄り添った指導をしたい」「生徒の成長に立ち会いたい」。

これらの言葉が悪いのではありません。問題は、ほぼ全員が同じことを書いてくるという点です。正直なところ、選考の場では情報量ゼロに近い扱いになります。

ここも具体化すれば効きます。「寄り添う」を行動に翻訳する。「学習者が課題をやってこないとき、量を減らすのではなく提出の形式を変えるようにしています。文章での提出を音声1分に変えると、続く方が増えます」。この1文があるだけで、実際にやってきた人だと伝わります。抽象的な姿勢は、具体的な手順に置き換えてください。

応募先を褒めるだけの型

4つ目は、応募先のサービスや理念を褒めることに文字数を使っている型です。「貴社の教育理念に共感しました」「学習者に寄り添うサービス設計に感銘を受けました」。

これも、それ自体は失礼ではありません。ただ、褒め言葉は志望動機の代わりにはならない。共感した理念が、自分の行動とどうつながるのかが必要です。「学習者の自走を重視する方針だと理解しています。私自身、授業の最後に必ず次回までの手順を学習者本人の言葉でまとめてもらう進め方をしており、その方針と重なると考えました」。ここまで書いて初めて、読んだ意味が出ます。

通る志望動機の3層構造

では、どう組み立てるか。私が相談を受けるときに使っている枠組みは、3つの層に分ける方法です。

第1層は「なぜ教える仕事なのか」です。他の在宅ワークではなく、教える仕事を選んだ理由。ここに前職や自分の経験を接続します。

第2層は「なぜオンラインなのか」です。対面ではなくオンラインを選んだ理由。ここで在宅の事情を扱いますが、事情だけで終わらせず、オンラインという形式の特性と自分の進め方を結びつけます。

第3層は「なぜこの募集なのか」です。数ある募集の中でこれを選んだ理由。募集要項に書かれている条件や対象学習者に触れて、自分がそこで何をするかを書きます。

この3層を、それぞれ150字から250字で書く。全体で500字から700字が適量です。長すぎる志望動機は読まれません。

3層のうち、どこが一番効くか

結論から言うと、第3層です。第1層と第2層は、他の募集にも使い回せます。だから採用側も「よくある文面」として流し読みします。第3層だけは、その募集を読んでいないと書けません。

具体的には、募集要項に書かれた条件を1つ拾って、それに答える形で書きます。対象が技能実習生なら、日常会話ではなく現場で使う表現に重点を置くことに触れる。対象が海外在住の子どもなら、時差と保護者との連絡に触れる。対象が社会人の資格取得なら、学習時間の確保が最大の障壁であることに触れる。

第3層が書けているかどうかで、通過率がはっきり変わります。ここに一番時間をかけてください。

3層を貫く一本の軸を作る

もう1つ、3層がばらばらだと説得力が落ちます。3つを貫く軸を1つ決めてから書くと、文章が締まります。

軸は何でも構いません。「記録を残す進め方」「つまずきを早期に見つける」「学習者本人に言語化してもらう」といった、自分の指導の特徴を1つ選ぶ。そして第1層で軸の由来を語り、第2層でオンラインとの相性を語り、第3層でその募集の対象にどう当てはめるかを語る。

この構成にすると、読み手の頭に1つのことだけが残ります。志望動機で複数のことを伝えようとすると、結局何も残りません。1つに絞ってください。

前職の経験を「教える力」に翻訳する手順

前職の話を捨てる必要はありません。翻訳の仕方を知らないだけです。手順を示します。

第1段階は、前職での業務を作業単位まで分解することです。「営業をしていた」ではなく、「初回訪問で相手の課題を聞き取り、社内で提案書を作り、決裁者に説明していた」まで割る。

第2段階は、それぞれの作業を、教える仕事のどの場面に対応するか対応表を作ることです。課題の聞き取りは初回レッスンのヒアリングに、提案書の作成は学習計画の設計に、決裁者への説明は保護者や企業担当者への報告に対応します。

第3段階は、対応させた中から一番強いものを1つ選ぶことです。全部を書こうとすると散らかります。

第4段階は、選んだ1つについて、前職での具体的な状況と、教える場面での使い方の両方を書くことです。

例を示します。経理職から転じる場合。「前職では、他部署から届く伝票の不備を減らすため、間違いやすい箇所だけを抜き出した1枚のメモを作って配布していました。全部を説明するより、間違う箇所だけを絞るほうが定着すると分かったからです。オンラインでの指導でも同じ考え方で進めます。教材を最初から全部説明するのではなく、学習者がつまずいた箇所だけを抜き出した資料を毎回作って渡す形にしたいと考えています」。

看護職から転じる場合。「前職では、患者さんに服薬の説明をするとき、必ず本人の言葉で復唱してもらう手順を取っていました。理解したつもりで間違って覚えているケースが多いためです。オンラインの授業でも、説明した内容を学習者自身の言葉で言い直してもらう時間を毎回取ります。画面越しでは表情から理解度を読み取りにくいので、この手順がより重要になると考えています」。

どちらも、前職の経験が具体的な指導手順に翻訳されています。この形なら、経歴が長い人ほど有利になります。逆に翻訳しないまま経歴だけ並べると、経歴の長さが不利にすら働きます。

在宅で働くことをどう説明するか

在宅の説明は、志望動機の中で一番慎重に扱うべき部分です。書き方を3つの原則で整理します。

第1の原則は、事情は書くが、事情を理由にしないことです。「子育て中のため」は書いてよい。ただ、その後に「だからこの仕事を選んだ」と続けないでください。続けるなら「その事情の中で、この仕事を選んだのは〇〇だからです」と、選択の理由を別に立てます。

第2の原則は、稼働の安定性を数字で示すことです。在宅で不安がられるのは、時間が読めないことです。「平日は19時から22時、土曜は9時から17時で対応でき、この枠を直近6か月は維持できる見込みです」と書く。維持できる期間まで書くと、続ける意思が伝わります。

第3の原則は、自己管理の方法を具体的に書くことです。ここを書ける人が本当に少ない。

在宅ワークの面接では、「なぜ在宅で働きたいのか」「どのように自己管理を行うのか」といった点が重視されます。こうした実践の場として活用しやすいのが「ママワークス」です。ママワークスは在宅ワークに特化した求人サイトで、データ入力やライティング、事務サポートなど幅広い案件が掲載されています。未経験から応募できる仕事も多く、在宅ワークの経験を積みながら、面接でアピールできる実績を作れる点が魅力です。これから在宅ワークに挑戦したい方にとって、第一歩として取り入れやすいサービスです。 出典: mamaworks.jp

自己管理の説明として使えるのは、たとえば次のような内容です。授業の30分前には機材を立ち上げて接続を確認する。予定はカレンダーで一元管理し、二重予約が起きない運用にしている。家族には授業時間を事前に共有し、その時間帯は生活音が入らないようにしている。授業の記録は当日中に残し、翌日に持ち越さない。

こうした運用は、書くと当たり前に見えます。ただ、実際に書いている応募者はほとんどいません。当たり前のことを具体的に書くだけで差がつく、という珍しい領域です。

通信環境の記述を省かない

自己管理と並んで抜けやすいのが、環境の記述です。「オンライン授業に適した環境があります」では、何も伝わりません。

書くべきは、接続の方法(有線か無線か)、通信速度のおおよその実測値、使用しているマイクとカメラ、授業中に背景に何が映るか、停電や回線障害が起きたときの代替手段です。最後の代替手段まで書ける人は、まずいません。「回線が落ちた場合はスマートフォンのテザリングに切り替えて再接続します。切り替えに要する時間は3分程度です」。ここまで書いてあると、運営側は非常に安心します。

契約形態によって書き分けが必要になる

ここからは法務の観点です。志望動機を書く前に、応募先の契約形態を必ず確認してください。ここを間違えると、採用された後にトラブルになります。

オンラインで教える仕事の募集は、大きく2つに分かれます。雇用(アルバイト、契約社員、非常勤)と、業務委託です。

雇用の場合、勤務時間が定められ、その時間は使用者の指揮命令下に入ります。社会保険の適用や在宅勤務手当がつく代わりに、勤務時間中に他の仕事はできません。本業がある方は、勤務先の副業規定との関係を先に確認する必要があります。

業務委託の場合、時間の裁量はこちらにありますが、成果物や役務の提供に責任を負います。掛け持ちは基本的に自由ですが、契約書に競業避止の条項が入っていることがあります。つまり「同種のサービスで他社の業務に従事しない」という条項です。これ、テンプレートの流用で入っていることが本当に多いんです。

志望動機との関係で言えば、雇用の募集には「長く勤めたい」という文脈が合いますし、業務委託の募集には「継続的に安定して稼働できる」という文脈が合います。同じ内容でも語彙が変わります。募集要項の雇用形態欄を見てから書いてください。

副業として応募する場合の注意点

本業を持ちながら応募する方は、次の3点を確認してください。

1点目は、勤務先の就業規則における副業の扱いです。届出制なのか、許可制なのか、禁止なのか。禁止であっても一律に無効となるわけではありませんが、無断で始めて発覚すると社内で問題になります。届出が必要なら、内定前に手続きを進めておくのが安全です。

2点目は、競業に当たらないかです。同業他社で教える仕事をする場合、本業の顧客や情報と重なる可能性があります。特に企業研修の分野では注意が必要です。

3点目は、労働時間の通算です。副業先が雇用契約の場合、本業と副業の労働時間が通算される場面があります。長時間労働になっていないか、自分でも把握しておいてください。制度の詳細は働き方によって変わるため、厚生労働省が公表している副業・兼業に関する資料を確認するのが確実です。

※ 就業規則の解釈で判断がつかない場合は、勤務先の人事に確認するか、労働問題を扱う専門家に相談してください。

報酬と支払いの条件も先に見る

志望動機の話から少し離れますが、応募前に見ておくべき条件も挙げておきます。報酬の計算単位(コマ単位か時間単位か)、キャンセル時の扱い、準備時間や記録作成時間が報酬に含まれるか、支払いの締め日と支払日。

特に3つ目は見落としがちです。1コマ40分の授業でも、準備と記録で20分かかるなら、実質の時間単価は1.5倍の時間で割ることになります。この点を理解して応募すると、後から条件が違ったと感じることが減ります。

法律はあなたの味方ですが、味方になってもらうには先に条件を見ておく必要があります。

志望動機の文例

3層構造を使った文例を示します。そのまま使うのではなく、自分の経験に置き換えてください。

企業研修の経験者が、ビジネス日本語のオンライン講師に応募する場合。

「前職では、社内向けの業務研修を10年ほど担当していました。その中で一番効いたのは、受講者がつまずいた箇所だけを抜き出して翌週の冒頭で扱う進め方でした。全体を説明し直すより定着します。オンラインを選んだのは、この進め方と相性が良いからです。画面共有の記録が残るため、どこで止まったかを後から正確に振り返れます。今回の募集では、業務の中で使う日本語を扱うと拝見しました。会議での発言やメールの作成など、実際に困る場面を最初に絞り込み、その場面だけを繰り返す形で進めたいと考えています。」

子育て中の方が、海外在住の子ども向け講師に応募する場合。

「自分の子どもの学習に付き添う中で、教える順番によって理解の速さがまるで違うことを実感しました。その経験から、教える仕事に関心を持つようになりました。在宅である必要があるのは家庭の事情ですが、オンラインを選んだ理由は別にあります。授業の記録を毎回文字で残して保護者の方と共有できるため、離れた場所からでも進捗を見える状態にできるからです。今回の募集は海外在住のお子さんが対象と拝見しました。時差の関係で連絡が取りにくい状況を想定し、授業後24時間以内に記録をお送りする運用を最初から取り入れたいと考えています。」

技術職の方が、プログラミング講師に応募する場合。

「実務では、後輩が環境構築でつまずいて先に進めない場面を何度も見てきました。そのため、手順書を作るときは必ずエラーが出たときの分岐を書き添えるようにしています。オンライン指導を選んだのは、画面を共有しながら手を動かしてもらう形が、この分野では最も効率が良いと考えているからです。今回の募集では初学者を対象とすると拝見しました。初回は環境構築の確認だけに時間を使い、完成させたいものを1つ決めてから進める形を提案します。」

3例とも、前職の話が指導手順に翻訳され、オンラインを選ぶ理由が形式の特性と結びつき、最後に募集内容へ着地しています。

落ちたときに何を見直すか

志望動機を直しても落ちることはあります。そのとき何を見るか。

まず、応募先の要件を満たしているか確認してください。資格要件が明記されている募集に、要件を満たさず応募し続けても通過率は上がりません。日本語教師の分野では、養成講座420時間の修了や検定試験の合格が要件になっている募集が多くあります。要件を満たしていない場合は、要件不要の募集に絞るか、資格取得を先に進めるかの判断になります。

次に、稼働時間帯の需要を確認してください。オンラインレッスンは、平日の夜間と土日に需要が集中します。平日昼間しか対応できない条件だと、そもそも枠がない可能性があります。

そして、応募数です。15件から20件出して面談が1件もないなら、志望動機ではなく応募先の選び方に問題があります。要件が合う募集を絞り込んで、1件ずつ丁寧に書くほうが結果が出ます。

在宅の働き方そのものを続けられるか不安な方は、孤独や燃え尽きの防ぎ方を扱った在宅ワーカーのメンタルヘルスケア|孤独・燃え尽きを防ぐ5つの習慣【2026年版】に、稼働設計の考え方がまとまっています。在宅で長く働くための土台作りとして、応募活動と並行して読んでおくと役に立ちます。

運営者の視点から見た、続く人の共通点

20年この市場を見てきた立場から言えば、志望動機に嘘がない人ほど長く続きます。当たり前に聞こえますが、実際の選考では逆のことが起きています。通したい一心で盛った内容を書くと、稼働が始まってから条件が合わなくなり、数か月で離脱することになる。

だから私は、相談を受けたときに必ず「書けない条件は書かないでください」と伝えます。週5コマしか入れられないなら、そう書く。夜間は対応できないなら、そう書く。条件を正直に書いた応募のほうが、結果として長く続く関係になります。運営者として見てきた限りでも、条件を隠して入った人が続いた例はほとんどありません。

もう1つ、収入面の観察を書いておきます。仲介の手数料が引かれる経路だけで稼働数を増やすと、コマ数は増えても手元に残る額が思ったほど伸びません。中間マージンが乗らない直接の取引なら、依頼側は同じ予算でより多くのコマを組めますし、受け手は同じ授業数でも手取りが厚くなります。手数料0%の意味は、単価そのものが上がることではなく、同じ働き方で残る額の質が変わることです。長く続けている方ほど、コマ数を増やすより、この構造のほうを整えています。

分野を広げたい方には、周辺領域の情報も挙げておきます。企業向けにAIの使い方を教える仕事は、いま相談が増えている領域です。実際にどんな支援が求められているかはAIコンサル・業務活用支援のお仕事にまとまっています。マーケティングやセキュリティまで含めて教える立場を目指すなら、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事も参考になります。文書の書き方を教える方向に進むなら、文書作成の基準を体系的に学べるビジネス文書検定が、指導内容の裏付けとして使えます。

在宅で専門性を活かす働き方の実例を知りたい方は、法律事務所の在宅・時短勤務の現状をまとめた法律事務所のパラリーガルの働き方|在宅・時短勤務の現状【2026年版】も、勤務形態の交渉例として参考になります。

志望動機と面談での説明を食い違わせない

書いた志望動機は、面談でそのまま質問の材料になります。ここで説明が食い違うと、書類で得た評価が一気に消えます。相談を受けた事例で、実際にこれが起きたケースを匿名化して紹介します。

ある方は、志望動機に「学習者の理解度を毎回記録して共有する進め方を大切にしています」と書きました。内容としては良い記述です。ところが面談で「その記録は具体的にどんな形式ですか」と聞かれ、答えられなかった。実際にはやったことがなく、良さそうな表現として書いていたためです。結果は不採用でした。

つまり、志望動機に書いた進め方は、面談で3段階まで掘られる前提で書く必要があるということです。3段階というのは、何をするか、どうやるか、うまくいかなかったときにどうするか、の3つです。この3つに答えられない記述は、書かないほうが安全です。

掘られる前提で準備しておく3つの答え

第1に、何をするかの答えです。これは志望動機に書いた内容そのものなので、そのまま答えられます。

第2に、どうやるかの答えです。ここで形式や道具の話になります。記録を共有すると書いたなら、どのツールで、いつまでに、どんな項目を書くのか。表計算ソフトなのか、メールなのか、専用の管理画面なのか。この解像度で答えられるかどうかが分かれ目です。実際にやったことがあれば必ず答えられますし、なければ答えられません。

第3に、うまくいかなかったときの答えです。記録を送っても学習者が読まない、保護者から返信がない、記録を書く時間が取れない。こうした場面をどう扱うかまで用意しておく。ここまで答えられる応募者は少数派なので、大きく差がつきます。

準備の方法は単純です。志望動機を書き終えたら、自分の書いた文の中から具体的な進め方の記述を全部抜き出し、それぞれに3段階の答えをメモしておく。10分もかかりません。この一手間で、面談の通過率が変わります。

書けることだけを書くという原則

もう1つ、根本的な話をします。志望動機に書けないことがあるとき、多くの人は「経験がないから書けない」と考えます。ただ、実際には「経験を積んでから書く」という順番でも間に合います。

たとえば記録の共有をやったことがないなら、知人に2回だけ授業をして、その2回で記録を作ってみる。これで書ける材料ができます。形式も決まりますし、うまくいかない場面も体験できます。準備に必要なのは数時間です。

これ、知らない人が本当に多いんです。志望動機は書類を整える作業だと思われがちですが、実際は「書ける材料を作る作業」が先にあります。材料がないまま言葉だけを整えても、面談で崩れます。逆に材料さえあれば、文章は素直に書くだけで通ります。法律の相談でも同じですが、証拠のない主張は通りません。志望動機も構造は同じです。

今日から書き直す手順

最後に、手を動かす順番を示します。

第1に、いまの志望動機を読み返して、前職の説明が全体の何割かを数えてください。半分を超えていたら、そこが落ちている原因です。

第2に、3層構造で書き直してください。なぜ教える仕事か、なぜオンラインか、なぜこの募集か。それぞれ150字から250字。

第3に、3層を貫く軸を1つ決めてください。自分の指導の特徴を1つだけ選びます。

第4に、稼働時間を曜日と時間帯の具体値で書き、維持できる期間を添えてください。

第5に、自己管理の方法と通信環境を、それぞれ1文から2文で書いてください。回線障害時の代替手段まで書けると理想的です。

第6に、応募先の雇用形態を確認し、副業規定や競業条項に問題がないか確認してください。

この6つを踏むと、志望動機は経歴の説明から、続けられる根拠の説明に変わります。前職の経験は捨てるものではなく、翻訳して使うものです。翻訳の仕方さえ分かれば、経験が長い方ほど有利になります。

よくある質問

Q. 在宅を希望する理由は志望動機に書いてもいいですか?

書いて構いませんが、それを応募の理由にしないでください。事情は1文で触れ、その後に「その中でこの仕事を選んだのは〇〇だから」と選択の理由を別に立てます。在宅の事情だけで終わると、事情が変われば辞めると受け取られ、続ける根拠が伝わりません。

Q. 志望動機はどのくらいの長さが適切ですか?

全体で500字から700字が適量です。なぜ教える仕事か、なぜオンラインか、なぜこの募集かの3層に分け、それぞれ150字から250字で書きます。特に3層目は募集要項を読んでいないと書けない部分なので、ここに一番時間をかけてください。

Q. 指導経験がない場合、志望動機に何を書けばいいですか?

前職の業務を作業単位に分解し、教える場面のどこに対応するかを対応表にしてください。課題の聞き取りは初回ヒアリングに、資料作成は学習計画の設計に対応します。その中から一番強いものを1つ選び、前職での具体的な状況と指導での使い方の両方を書きます。

Q. 本業がある状態で応募するとき、確認すべきことはありますか?

勤務先の就業規則で副業が届出制か許可制か禁止かを確認してください。あわせて、本業の顧客や情報と重なる競業に当たらないか、副業先が雇用契約の場合に労働時間が通算される点も確認が必要です。判断がつかない条項は人事や専門家に相談してください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年2月15日最終更新:2026年8月21日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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