フリーランス看護師が在宅で受けられる仕事と、個人で始めるまでの手順


この記事のポイント
- ✓フリーランスの看護師が在宅で受けられる仕事を
- ✓医療系サービスの仕事などに分けて説明します
- ✓看護師の免許でできることの範囲
夜勤や不規則な勤務を続けるのが難しくなった、子育てや介護で家を空けにくい、体を壊して病棟に戻るのが不安だ。そうした事情から、看護師の経験を生かして、フリーランスとして在宅で働く道を探す人が増えています。
ただ、看護師の仕事の中心である患者さんへの看護は、患者さんのそばで行うものです。在宅で受けられるのは、看護の知識と経験を生かした周辺の仕事になります。この記事では、看護師の免許でできることの範囲を確かめたうえで、フリーランスの看護師が在宅で受けられる仕事の種類と、個人で始めるまでの手順を順に説明します。守秘義務、医療の記事を書くときの決まり、所属先の規則、開業届と確定申告まで、始める前に知っておきたいことを整理しました。
フリーランス看護師とはどんな働き方か
フリーランスの看護師とは、病院や施設に正職員として雇われるのではなく、仕事ごとに契約を結んで働く看護師のことです。実際には、次のような働き方がまとめて「フリーランス看護師」と呼ばれています。
- 単発や短期の仕事を組み合わせる。健康診断、イベントの救護、ツアーの付き添いなど、日にちの決まった仕事を受けます。多くは、その日ごとに雇われる形です。
- 業務委託で仕事を受ける。医療の記事の執筆や監修、教材づくり、相談の窓口など、看護の知識を使う仕事を、個人として受けます。
- 看護以外の仕事と組み合わせる。医療の知識を生かしつつ、文章、デザイン、動画の編集、ITの仕事などを受けます。
このうち、在宅で受けやすいのは、2つ目の業務委託の仕事と、3つ目の看護以外の仕事です。1つ目の単発の仕事は現場に出向く仕事が中心なので、在宅の仕事と組み合わせて収入を安定させる人もいます。
同じ「フリーランス」という言葉でも、雇われて働く形と、個人として仕事を受ける形では、法律の上での扱いが違います。雇われて働く場合は、労働時間や最低賃金の決まりが適用されます。業務委託の場合は、それらの決まりは原則として適用されず、仕事の量も収入も自分で管理します。
看護師の免許でできることの範囲
在宅の仕事を考える前に、看護師の免許でできることの範囲を確かめておきます。保健師助産師看護師法は、看護師の仕事を次のように定めています。
第五条 この法律において「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。 出典: laws.e-gov.go.jp
療養上の世話とは、病気やけがの人の身の回りの世話や観察のこと、診療の補助とは、医師の指示のもとで行う処置や検査などのことです。同じ法律の第37条は、医療機器を使う、医薬品を渡す、医薬品について指示をする、といった行為を、主治の医師の指示がある場合を除いて行ってはならないと定めています。
この決まりから、在宅の仕事を考えるときに押さえておきたいのは次の点です。
- 個人のフリーランスとして、医師の指示なしに、特定の人の病気について診断したり、薬の飲み方を指示したりすることはできない
- オンラインや電話で健康の相談に乗る仕事でも、一般的な情報の提供や、受診をすすめることが中心になる
- 相談の窓口の仕事は、医師と連携する体制のある会社や団体の仕事として受けるのが一般的
在宅で受けられる仕事は、看護の知識と経験を使って、情報を伝える、文章にする、教える、サービスづくりに生かす、といった仕事だと考えると分かりやすくなります。どこまでが免許の範囲の仕事にあたるかは、仕事の中身によって判断が変わるので、迷うときは依頼主や所管の窓口に確かめます。
在宅で受けられる仕事の種類
フリーランスの看護師が在宅で受けやすい仕事を、種類ごとに紹介します。
電話やオンラインの健康相談
企業の健康相談の窓口や、保険の会社のサービスなどで、利用者からの健康の相談に電話やオンラインで答える仕事です。看護師の資格と臨床の経験が求められることが多く、医師と連携する体制の中で働きます。会社に雇われて在宅で働く形と、業務委託で受ける形があります。相談の内容には個人の健康の情報が含まれるため、情報の扱いの決まりが厳しく定められています。
医療や看護の記事の執筆
病気や健康、看護の仕事、医療の制度などについて、Webの記事やパンフレットの文章を書く仕事です。看護師の経験がある書き手は、専門用語を正しく使い、患者さんや家族に分かりやすく伝えられることが評価されます。報酬は1文字あたり、1記事あたりで決まることが多く、経験とともに単価を上げていけます。
医療記事の監修
ほかの人が書いた医療や健康の記事について、内容に誤りがないかを確かめる仕事です。監修者として名前が出ることもあり、記事の内容に責任を負う立場になります。引き受ける場合は、どこまでを確かめるのか、名前をどう出すのかを、契約の前に決めておきます。
看護学生や資格試験の教材づくり
看護学生向けの教材、国家試験の問題の解説、病院の新人研修の資料などを作る仕事です。現場の経験が、分かりやすい説明と具体的な例に生きます。オンラインの講座の講師や、レポートの添削の仕事もあります。
医療系サービスの企画やサポート
医療や介護のアプリ、Webサービスを作る会社で、現場の目線から意見を出す、利用者からの問い合わせに答える、使い方の説明の資料を作る、といった仕事です。電子カルテや医療のシステムを作る現場では、看護の業務の流れを知っている人の意見が重宝されます。
看護以外の在宅の仕事
医療の知識を直接は使わないものの、在宅で受けやすい仕事として、文章の作成、データの入力、動画の編集、Webデザインなどに進む看護師もいます。看護の仕事で身に付けた正確さ、記録の力、相手に合わせた伝え方は、どの仕事でも役立ちます。
記事の執筆の仕事の進め方
在宅の仕事の中でも依頼の多い、医療や看護の記事の執筆について、1本の記事ができるまでの流れを紹介します。
- 依頼の内容を確かめる。誰に向けた記事か、何を伝える記事か、文字数、納期、参考にしてよい資料、禁止されている表現を確かめます。
- 根拠になる資料を集める。公的な機関のページ、診療の指針、学会の資料など、根拠のはっきりした情報を集めます。記事の中で根拠を示す場合は、どの資料のどの部分かを控えておきます。
- 見出しの構成を作る。読者が知りたい順に見出しを並べ、依頼主に確認してもらいます。構成の段階で方向を合わせておくと、書き直しが減ります。
- 本文を書く。専門用語は、初めて出てきたところで分かりやすく言い換えます。読者が自分で判断せず、気になる症状があるときは医療機関に相談するよう添えます。
- 見直す。数字、薬の名前、制度の名前に誤りがないか、根拠の資料と照らし合わせます。効き目を保証するような表現がないかも確かめます。
- 納品し、修正に応える。依頼主からの修正の依頼には、根拠を示しながら対応します。
看護師の経験がある書き手の強みは、専門用語の正しい使い方と、患者さんや家族が実際に何に困っているかを知っていることです。この2つを記事に生かすと、ほかの書き手との違いがはっきり出ます。
監修を引き受けるときに確かめること
記事の監修は、自分の名前で記事の内容に責任を持つ仕事です。引き受ける前に、次の点を依頼主と確かめます。
- 確かめる範囲。記事の全文の医学的な内容を確かめるのか、特定の部分だけか。
- 修正の権限。誤りを見つけたとき、直してもらえるのか、指摘するだけか。直してもらえない場合に、監修を断れるか。
- 名前と経歴の出し方。名前、資格、経歴をどう表示するか。表示の前に確認させてもらえるか。
- 商品の紹介の有無。記事の中で商品を紹介している場合、効き目を保証すると受け取られる表現がないか。
- 公開後の更新。情報が古くなったとき、記事を更新する責任は誰が持つのか。
監修者として名前が出る記事は、公開されたあとも長く残ります。内容に納得できないまま名前を出すことは避けます。確かめる範囲と責任の範囲が、報酬に見合っているかも考えて引き受けます。
教材づくりとオンライン講師の仕事の進め方
看護学生や新人看護師に向けた教材づくり、国家試験の対策、オンラインの講座の講師も、在宅で受けやすい仕事です。
教材づくりの仕事では、学ぶ人がつまずきやすい点を、現場の経験から先回りして説明できることが強みになります。問題の解説を書く仕事では、正解の理由だけでなく、ほかの選択肢がなぜ違うのかまで説明すると、学ぶ人の理解が深まります。根拠として、教科書や公的な資料のどこに書かれているかを示せるようにしておきます。
オンライン講師の仕事では、画面越しに教えるための準備が要ります。資料を画面で見やすい大きさにする、話す内容を時間で区切っておく、質問を受ける時間を決めておく、といった工夫です。看護の技術の実演のように、画面越しでは伝えにくい内容は、動画や図を使って補います。
教材や講座で使う事例も、守秘義務の範囲で作ります。実際の患者さんの話をもとにせず、学ぶために作った架空の事例であることが分かるようにしておきます。
医療の記事を書くときに守る決まり
看護師が在宅で受ける仕事のうち、執筆と監修は特に依頼が多い仕事です。医療や健康の記事を書くときは、法律の決まりを守る必要があります。
医薬品や化粧品の効き目の書き方
医薬品、医療機器、化粧品などの効き目について書くときは、医薬品医療機器等法の決まりに注意します。厚生労働省は、広告の規制について次の条文を示しています。
第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。 出典: mhlw.go.jp
同じ条文の第2項は、医師その他の者が効き目を保証したと誤解されるおそれのある記事も、同じく禁じています。看護師が監修者として名前を出す記事で、商品の効き目を保証するような書き方をすると、この決まりに触れるおそれがあります。商品を紹介する記事の監修を頼まれたときは、表現の範囲を依頼主とよく確かめます。
根拠のある情報だけを書く
病気の原因、治療の方法、予防の方法について書くときは、公的な機関の情報や、診療の指針など、根拠のはっきりした情報をもとに書きます。自分の経験だけで「この方法が効く」と書くと、読んだ人の健康に影響するおそれがあります。読者が自分で判断せず、医療機関に相談するよう添えることも大切です。
患者さんの話を書かない
看護の経験を記事に生かすときも、患者さんの話をそのまま書いてはいけません。この点は次の節で詳しく説明します。
守秘義務は、在宅の仕事でも続く
看護師には、法律で守秘義務が定められています。保健師助産師看護師法の第42条の2は、次のように定めています。
第四十二条の二 保健師、看護師又は准看護師は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。保健師、看護師又は准看護師でなくなつた後においても、同様とする。 出典: laws.e-gov.go.jp
病棟を離れて在宅の仕事に移ったあとも、この義務は続きます。記事や講座で看護の経験を話すときは、次の点に気を付けます。
- 患者さんが特定できる情報(年齢、病名、時期、病院名、地域などの組み合わせ)を書かない
- 実際の出来事をもとにする場合も、複数の例を組み合わせ、細部を変えて、誰の話か分からないようにする
- 同僚や病院の内部の事情も、外に出してよい情報かを考えてから書く
- SNSで仕事の話をするときも、同じ注意を払う
健康相談の仕事では、相談者の健康の情報を扱います。会社や依頼主が決めた情報の扱いの決まりを守り、自宅で仕事をするときも、家族に相談の内容が聞こえない、画面が見えない環境を用意します。
個人で始めるまでの手順
フリーランスの看護師として、在宅の仕事を個人で始めるまでの流れを順に説明します。
手順1 経験を書き出す
これまでの経験を、働いた病院や施設の種類、担当した診療科、年数、得意な分野、指導の経験、委員会の活動などに分けて書き出します。在宅の仕事では、「どの分野について、どの程度詳しく書けるか、教えられるか」が問われるので、分野ごとに整理しておくと、仕事を探すときの軸になります。
手順2 所属先の規則を確かめる
病院や施設で働きながら副業として始める場合は、就業規則で副業が認められているかを確かめます。公立の病院で働く人は公務員にあたることがあり、副業に許可が必要な場合があります。認められる範囲や手続きは、勤め先ごとに違うので、人事の担当に確かめてから始めます。
手順3 働く形と、仕事の探し方を決める
在宅で受ける仕事の種類を決めたら、探し方を決めます。主な方法は次のとおりです。
- 在宅ワークの仲介サイトやクラウドソーシングで、医療や看護の記事、教材の仕事を探す
- 医療や健康のサービスを運営する会社の、業務委託や在宅の求人に応募する
- 看護師向けの求人サイトで、在宅や業務委託の仕事を探す
- 前の職場や知り合いから、仕事を紹介してもらう
手順4 開業届を出す
業務委託の仕事を事業として続ける場合は、税務署に開業届を出します。国税庁の案内では、開業届の提出時期は次のとおりです。
事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までに提出してください。 出典: nta.go.jp
青色申告をしたい場合は、別に届け出が必要です。どちらも、手続きの方法は国税庁の案内で確かめます。
手順5 契約の中身を確かめる
仕事を受けるときは、仕事の範囲、報酬、支払い日、納期、修正の回数、名前の出し方(監修の場合)、秘密保持を確かめます。2024年11月に施行されたフリーランス法では、個人に仕事を頼む会社に、取引の条件をはっきり示すことや、原則として60日以内に報酬を支払うことなどが義務づけられています。条件が口約束のままなら、メールで条件を書いて送り、確認の返事をもらっておきます。
手順6 収支を記録し、確定申告をする
受け取った報酬、かかった費用(パソコン、通信、資料の購入、学会や研修の参加費など)を記録します。事業や副業の所得は、自分で確定申告を行います。会社員として病院に勤めながら副業として受ける場合は、副業の所得が年間で20万円を超えると確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告が必要になることがあるので、住んでいる市区町村に確かめます。
実績の作り方とプロフィールの書き方
在宅の仕事を始めたばかりのころは、実績がないことが壁になります。看護師としての経験はあっても、在宅の仕事の実績がないと、依頼主は仕事を任せてよいか判断しにくいからです。
プロフィールに書くこと
仲介のサイトや応募書類のプロフィールには、次のことを書きます。
- 看護師としての経験年数と、働いた病院や施設の種類(病院名は出さなくてもよい)
- 担当した診療科と、特に詳しい分野
- 指導、委員会、研究などの経験
- 在宅でできる仕事と、対応できる時間帯
- 使える道具(文書作成、表計算、オンライン会議など)
「何でもできます」と書くより、「循環器の病棟での経験をもとに、心臓の病気の記事を書けます」のように、分野を絞って書くほうが、依頼主の目に留まります。
見本を用意する
文章の仕事では、自分が書いた見本の記事を用意しておくと、応募のときに力を示せます。公的な資料をもとに、よくある病気や健康の話題について、一般の読者向けの短い記事を書いておきます。見本の記事でも、根拠になる資料を示し、効き目を保証するような表現を避けて書きます。
最初の仕事を丁寧に仕上げる
最初の数件の仕事は、納期より早めに仕上げ、依頼主の指示を一つ一つ確かめて丁寧に対応します。最初の仕事で信頼を得られると、継続の依頼や、ほかの依頼主の紹介につながります。
依頼主とのやり取りで気を付けること
在宅の仕事では、依頼主とのやり取りのほとんどが、メールやチャットの文章になります。病院の中での申し送りとは違う気配りが要ります。
- 返事の時間を決める。日中のうちに返事をする、といった目安を決めて守ります。
- 専門用語を使いすぎない。依頼主の多くは医療の専門家ではありません。説明するときは、分かりやすい言葉に言い換えます。
- できないことは早めに伝える。免許の範囲を超える依頼や、根拠のない表現を求められたときは、理由を添えて早めに伝えます。
- やり取りを残す。仕事の範囲や修正の指示は、メールやチャットで残しておきます。
依頼主から、効き目を強く言い切る表現を求められることもあります。そうしたときは、法律の決まりと、読者の健康への影響を説明し、表現を変える提案をします。説明しても変わらない場合は、引き受けない判断も大切です。
在宅の仕事を受けるときの備え
フリーランスとして仕事を受けると、雇われていたときには病院や会社が引き受けていた備えを、自分で用意する必要があります。
- 賠償の備え。健康相談や監修の仕事では、内容に誤りがあったときの責任を問われることがあります。看護職向けの賠償責任の保険などがあるか、仕事の内容に合うかを確かめます。依頼主の会社がどこまで責任を負うのかも、契約で確かめます。
- 収入の波への備え。業務委託の仕事は、月によって量が変わります。数か月分の生活費を手元に残しておくと、仕事が少ない月にも慌てずに済みます。
- 社会保険の手続き。病院を辞めてフリーランスになる場合は、健康保険と年金の切り替えの手続きが必要です。国民健康保険と国民年金に入るのか、家族の扶養に入るのかで、手続きと負担が変わります。窓口は住んでいる市区町村です。
- 学び続ける仕組み。現場を離れると、新しい治療や制度の情報に触れる機会が減ります。学会や研修、専門誌などで、情報を更新する時間を確保します。
報酬の考え方
在宅の仕事の報酬は、仕事の種類と依頼主によって大きく違うため、ここでは金額ではなく、報酬を考えるときの視点を紹介します。
- 時間あたりの報酬で比べる。1記事あたりの報酬が高くても、調べものや修正に時間がかかれば、時間あたりの報酬は下がります。仕事を受けたら、かかった時間を記録して、時間あたりの報酬を計算します。
- 専門性に見合っているかを考える。看護師の資格と経験が前提になる仕事は、資格を問わない仕事より高い報酬を求められる立場にあります。依頼主に経験を具体的に示すことで、報酬の交渉がしやすくなります。
- 手数料を引いた手取りで考える。仲介のサイトを通じて受ける場合は、報酬から手数料が引かれることがあるので、手取りの額で比べます。
- 継続の仕事を重視する。単発の仕事より、毎月決まった量を頼まれる仕事のほうが、収入の見通しが立ちます。
最初のうちは、実績を作るために報酬の低い仕事を受けることもありますが、時間あたりの報酬を記録しておけば、いつ報酬の見直しを相談するかを判断できます。
在宅で働く環境と、情報の守り方
在宅で看護の知識を使う仕事をするときは、作業の環境と情報の守り方を整えておきます。
- 作業の場所を決める。健康相談の仕事では、相談者の話が家族に聞こえない場所が必要です。
- ヘッドセットを使う。電話やオンラインの相談では、相手の声が周りに漏れないようにします。
- 仕事用の端末を分ける。依頼主から端末を貸してもらえる場合はそれを使い、私物の端末を使う場合も、仕事のデータを家族と共有するフォルダに保存しないようにします。
- 資料の扱いを決める。依頼主から受け取った資料は、仕事が終わったら決められた方法で削除します。
情報の扱いの決まりは、依頼主ごとに違います。仕事を始める前に、どの道具でやり取りし、どこに保存し、いつ削除するのかを確かめておきます。
病院を辞めて独立するときの順番
勤めている病院を辞めてフリーランスとして独立する場合は、順番を考えて進めると、収入が途切れる期間を短くできます。
- 在宅の仕事を副業として試す。勤め先の規則で認められていれば、在職中に在宅の仕事を少しずつ受け、自分に合う仕事と依頼主を見つけます。
- 生活費の見通しを立てる。在宅の仕事だけで、毎月の生活費をどの程度まかなえるかを計算します。足りない分を現場の仕事で補うかどうかも考えます。
- 退職の時期を決める。継続の依頼が見えてきた段階で、退職の時期を決めます。
- 退職後の手続きを済ませる。健康保険と年金の切り替え、開業届の提出を行います。
いきなり退職してから仕事を探し始めると、仕事が決まるまでの間、収入がない期間が続きます。副業として試す期間を持つことで、独立後の働き方を具体的に描けます。
在宅のフリーランスに向いている看護師
在宅のフリーランスの仕事に向いているのは、次のような看護師です。
- 患者さんや家族に、病気や治療のことを分かりやすく説明するのが得意な人
- 看護記録や申し送りの文章を丁寧に書いてきた人
- 新人の指導や、勉強会の資料づくりが好きだった人
- 1つの分野について、深く調べて学ぶことが苦にならない人
- 自分で時間を管理し、締め切りを守れる人
逆に、患者さんと直接関わることにやりがいを感じる人には、在宅の仕事だけでは物足りなさを感じることがあります。その場合は、在宅の仕事と、現場の単発の仕事やパートを組み合わせる働き方も選べます。
在宅の仕事と現場の仕事を組み合わせる
フリーランスの看護師の中には、在宅の仕事だけでなく、現場の仕事と組み合わせて働く人も多くいます。組み合わせることで、収入を安定させ、臨床の感覚も保てます。
組み合わせ方の例を挙げます。
- 平日は在宅で記事の執筆と監修、週末に健康診断やイベントの救護の仕事
- 週3日は訪問看護やクリニックのパート、残りの日は在宅で教材づくり
- 季節の健診の時期は現場の仕事を多めに、それ以外は在宅の仕事を中心に
現場の仕事は、雇われて働く形が多く、勤務先ごとの規則に従います。在宅の業務委託の仕事と組み合わせる場合は、それぞれの仕事の勤務先や依頼主の規則で、ほかの仕事との掛け持ちが認められているかを確かめます。
現場の仕事を続けていると、在宅の仕事にも新しい話題を持ち込めます。現場の今の様子を知っている書き手や講師は、依頼主から重宝されます。
1週間の働き方の例
在宅の仕事と現場の仕事を組み合わせた場合の、1週間の働き方の例を紹介します。働く時間や仕事の組み合わせは人によって違いますが、予定の立て方の参考になります。
- 月曜日と火曜日。在宅で記事の執筆。午前に調べもの、午後に執筆。
- 水曜日。在宅で監修の仕事と、依頼主との打ち合わせ。
- 木曜日。クリニックのパートで現場の仕事。
- 金曜日。在宅で教材の問題の解説づくり。夕方に翌週の予定を整理。
- 土曜日。健康診断の単発の仕事。
- 日曜日。休み。
在宅の仕事は、自分で時間を決められる反面、休みの日にも仕事をしてしまいがちです。休む日をあらかじめ決めておくことが、長く続けるために大切です。現場の仕事の日は、体力を使うので、前後の日の在宅の仕事を軽めにしておくと無理がありません。
在宅の看護の仕事を探すときに注意したいこと
看護師の在宅の仕事を探していると、次のような誘いを見かけることがあります。応募や申し込みの前に、立ち止まって確かめます。
- 仕事を紹介する条件として、高額な講座や教材の購入を求められる
- 「看護師なら誰でも在宅ですぐ稼げる」とうたっている
- 運営している会社の名前や所在地がはっきりしない
- 仕事の中身より、収入の話ばかりが書かれている
学ぶための講座そのものが悪いわけではありませんが、仕事の紹介と引き換えに先にお金を払わせる売り方は、トラブルが多い取引として法律で決まりが設けられています。講座に申し込む場合は、内容、費用、返金の条件を確かめ、仕事が保証されるような言い方を信じないようにします。困ったときは、最寄りの消費生活センターに相談します。
在宅の仕事を探せるサイト
看護師の資格を活かせる在宅の仕事は、次のサイトで探せます。
| サイト | 探せる仕事 | 探し方 |
|---|---|---|
| Indeed | オンライン診療の補助、電話やチャットの健康相談(雇用) | 「看護師 フルリモート」で検索 |
| エンゲージ | 看護師・保健師のテレワーク・在宅OKの求人(雇用、業務委託) | 看護師×テレワーク・在宅OKの一覧 |
| クラウドワークス | キャリア相談、記事の執筆や監修(業務委託) | 「看護師」で検索 |
| @SOHO | 記事の執筆や監修、資料作り(業務委託) | 在宅の案件一覧 |
求人の中には、「在宅医療」「在宅看護」のように患者の自宅を訪問する仕事や、研修の期間だけ出社する仕事も混ざっています。応募の前に、仕事の内容と勤務地の欄を確かめます。
看護の経験をほかの在宅の仕事に広げる
看護の知識を直接使う仕事のほかにも、看護師の経験が生きる在宅の仕事はあります。
文章の仕事に進むなら、医療や健康の分野で経験を積みながら、ほかの分野にも広げていく道があります。Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップでは、文章の仕事で単価を上げていくための段階を紹介しています。専門の知識がある書き手は、単価の高い仕事を受けやすいことも分かります。
医療のシステムやアプリを作る現場では、看護の業務の流れを知っている人の意見が欠かせません。アプリケーション開発のお仕事では、アプリ開発の仕事の種類と、在宅で受けられる仕事の中身を紹介しています。開発そのものを担当しなくても、現場の目線で仕様を確かめる役割で関わる道があります。
文章の基本を体系立てて学びたい人には、ビジネス文書検定が目安になります。依頼主とのやり取りや、報告書、提案書の書き方を整えることは、どの在宅の仕事でも信頼につながります。
在宅ワークとフリーランスの仲介を20年にわたって続けてきた運営者として見てきた限りでは、専門職の経験を持つ人が在宅の仕事で長く続けられるかどうかは、資格そのものより、「専門の内容を、専門外の人に分かる言葉で伝えられるか」で決まっています。依頼主の多くは医療の専門家ではないため、看護師の知識を読者や利用者に届く形に直してくれる人を求めています。仲介の手数料が乗らない直接の取引なら、依頼主は同じ予算でより多くの仕事を頼め、受ける側は手取りが厚くなります。専門職の在宅の仕事では、この直接の信頼関係が特に大きな意味を持ちます。
フリーランスの看護師が在宅で受けられる仕事は、看護の知識と経験を、伝える、書く、教える、サービスに生かす仕事です。免許でできることの範囲と守秘義務を押さえ、所属先の規則と契約の中身を確かめて始めれば、看護師としての経験を、新しい形で生かし続けられます。
よくある質問
Q. フリーランスの看護師が在宅で患者さんの相談に乗ってもよいですか?
一般的な健康の情報を伝えたり、受診をすすめたりする相談は、会社や団体の健康相談の窓口の仕事として行われています。ただし、医師の指示なしに特定の人の病気を診断したり、薬の飲み方を指示したりすることはできません。相談の仕事は、医師と連携する体制のある会社や団体を通じて受けるのが一般的で、どこまで答えられるかは依頼主の決まりで確かめます。
Q. 看護師の経験を記事に書くとき、患者さんの話を使ってもよいですか?
看護師には法律で守秘義務があり、看護師でなくなったあとも続きます。患者さんが特定できる情報は書けません。経験を生かす場合は、複数の例を組み合わせ、年齢、病名、時期、病院名などの細部を変えて、誰の話か分からないようにします。同僚や病院の内部の事情も、外に出してよい情報かを考えてから書きます。
Q. 病院に勤めながら副業で在宅の仕事を受けられますか?
勤め先の就業規則で副業が認められていれば受けられます。届け出や許可が必要な病院もあり、公立の病院で働く人は公務員として許可が必要な場合があります。認められる範囲は勤め先ごとに違うので、人事の担当に確かめてから始めます。副業の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要で、20万円以下でも住民税の申告が必要になることがあります。
Q. フリーランスの看護師として開業届は必要ですか?
業務委託の仕事を事業として続ける場合は、税務署に開業届を出します。国税庁の案内では、提出時期は事業を始めた日の属する年分の確定申告期限までです。青色申告をしたい場合は別に届け出が必要です。病院を辞めて独立する場合は、健康保険と年金の切り替えの手続きも必要になるので、住んでいる市区町村の窓口で確かめます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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