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医療事務の勉強を初心者が始める|点数の数え方とレセプト

@SOHO編集部
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医療事務の勉強を初心者が始める|点数の数え方とレセプト

この記事のポイント

  • ✓医療事務の勉強を初心者が始めるときは
  • ✓1点10円の点数の仕組みと
  • ✓レセプト(診療報酬明細書)の流れから入るのが近道です

医療事務の勉強を初心者が始めるとき、最初にぶつかるのが「点数」という考え方です。病院や診療所の会計は、診察や検査、薬の1つひとつに決められた点数を足し合わせ、1点を10円として計算します。この仕組みが分かると、テキストのどこを読んでいるのかが見えるようになり、勉強が一気に進みます。

この記事では、医療事務をまったく知らない人に向けて、点数の数え方、レセプト(診療報酬明細書)の役割、勉強の順番、資格試験の現状、独学と講座の選び方までを順に整理します。2026年6月1日に施行された令和8年度の診療報酬の改定に合わせ、点数は厚生労働省の告示で確かめた数字を使っています。

医療事務とはどんな仕事か

医療事務は、病院や診療所で、受付、会計、診療報酬の請求などを担う仕事です。大きく分けると、次の3つの仕事があります。

  1. 受付と窓口の仕事(保険証の確認、診察券の発行、患者の案内)
  2. 会計の仕事(その日の診療の点数を計算し、患者の負担額を受け取る)
  3. 請求の仕事(1か月分の診療をまとめ、健康保険の側に費用を請求する)

このうち、医療事務ならではの専門知識が求められるのが、2つ目と3つ目です。日本の医療は、患者が窓口で払うのは費用の一部で、残りは健康保険の側が支払う仕組みになっています。病院や診療所は、健康保険の側に「この患者にこういう診療をしたので、残りの費用を支払ってください」と請求しなければなりません。この請求の書類がレセプトで、その作成が医療事務の中心の仕事になります。

医療事務は、国家資格がなくても就ける仕事です。資格は民間の団体が実施する試験で、持っていなくても採用されることはあります。ただ、点数の計算やレセプトの仕組みは、働き始めてから一から覚えるには量が多いため、事前に基礎を勉強しておくと、採用でも入職後でも有利になります。

点数の基本:1点は10円

医療事務の勉強は、点数の仕組みから始まります。

点数表とは

診療報酬とは、病院や診療所が行った診療の対価として受け取る費用のことです。その金額は、国が定めた「診療報酬点数表」で、診療の行為ごとに点数として決められています。点数表の通則には、患者1人あたりの費用は、点数の合計に10円をかけた額とすることが書かれています。つまり、1点は10円です。

点数表は、原則として2年に1度改定されます。直近の改定は令和8年度の改定で、厚生労働省の告示(令和8年厚生労働省告示第69号)として公布され、2026年6月1日から施行されています。改定の資料と点数表は、厚生労働省の令和8年度診療報酬改定のページで公開されています。

点数表の構成

医科の点数表は、大きく「基本診療料」と「特掲診療料」に分かれています。

区分 内容 例
基本診療料 診察そのものにかかる費用 初診料、再診料、入院料
特掲診療料 個別の医療行為にかかる費用 医学管理、検査、画像診断、投薬、注射、処置、手術

基本診療料には、簡単な検査や処置の費用が含まれていると定められています。特掲診療料は、行った医療行為ごとに点数を足していきます。初心者は、まず基本診療料の初診料と再診料、特掲診療料の投薬(処方箋料)から覚えると、外来の会計の大枠がつかめます。

初診料と再診料を数えてみる

ここからは、令和8年度の点数表の数字を使って、実際に点数を数えてみます。

初診料は291点

初診料は、その病院や診療所で初めて診察を受けたときにかかる費用です。令和8年度の点数表では、次のように定められています。

A000 初診料 291点 注1 保険医療機関において初診を行った場合に算定する。 出典: 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)医科点数表」

点数表では、「算定する」という言葉がよく出てきます。算定とは、決められた点数を請求の対象として数えることを意味します。

再診料は76点

2回目以降の診察には、再診料がかかります。令和8年度の点数表では、再診料は76点です。再診のときに、検査や処置をせずに計画的な医学管理を行った場合には、外来管理加算として52点が加わります。加算とは、条件を満たしたときに基本の点数に上乗せされる点数のことです。

時間外と乳幼児の加算

初診料には、診療時間や患者の年齢によって加算が付きます。医療機関が表示している診療時間以外の時間に初診を行った場合は時間外加算85点、休日は250点、深夜(午後10時から午前6時まで)は480点です。6歳未満の乳幼児に初診を行った場合は、乳幼児加算として75点が加わります。

このように、同じ初診でも、時間帯や年齢で点数が変わります。医療事務の勉強では、「どんな条件のときに、どの加算が付くか」を覚えることが大きな部分を占めます。

会計の計算例

点数が分かったら、患者の窓口での負担額を計算してみます。ここでは、ほかの加算を除いた単純な例で、仕組みをつかむことを目的にします。

例1:診療所で初診を受け、院外処方の処方箋をもらった場合

項目 点数
初診料 291点
処方箋料(一般的な場合) 60点
合計 351点

合計351点に10円をかけると、医療費の総額は3,510円です。患者の負担割合が3割の場合、3,510円の3割で1,053円になります。窓口で受け取る額は、10円未満を四捨五入して1,050円です。

例2:同じ診療所で再診を受け、処方箋をもらった場合

項目 点数
再診料 76点
外来管理加算 52点
処方箋料(一般的な場合) 60点
合計 188点

188点は医療費の総額で1,880円です。3割の負担で564円、10円未満を四捨五入して560円を窓口で受け取ります。

実際の会計では、医療機関の体制に応じた加算や、検査、薬の費用が加わるため、金額はこの例より高くなることが多くなります。また、患者の負担割合は、年齢や所得によって1割から3割の間で変わります。勉強の最初の段階では、「点数を足す、10円をかける、負担割合をかける、10円未満を四捨五入する」という4つの手順を確実に身につけることが大切です。

レセプトとは何か

医療事務の勉強で、点数と並んで大事なのがレセプトです。

レセプトの役割

レセプトとは、病院や診療所が健康保険の側に診療報酬を請求するための明細書のことです。正式には診療報酬明細書と呼ばれます。患者1人ごとに、1か月分の診療の内容と点数をまとめて作ります。

前の節の例でいえば、患者が窓口で払った1,050円以外の、残りの7割分の費用を請求するのがレセプトです。病院や診療所の収入の大部分は、このレセプトによる請求から入ってきます。レセプトに誤りがあると、請求が認められずに差し戻されたり、点数を減らされたりするため、医療機関の経営に直接影響します。

レセプトの流れ

レセプトは、次のような流れで処理されます。

  1. 病院や診療所が、1か月分の診療をまとめて患者ごとにレセプトを作る
  2. 診療した月の翌月10日までに、審査支払機関に提出する
  3. 審査支払機関が、内容が点数表のルールに合っているかを審査する
  4. 審査を通った分が、健康保険の側から審査支払機関を通じて医療機関に支払われる

審査支払機関とは、レセプトの内容を確かめ、健康保険の側と医療機関の間でお金のやり取りを仲立ちする機関のことです。会社員などが入る健康保険は社会保険診療報酬支払基金、自営業の人などが入る国民健康保険は国民健康保険団体連合会が担当します。

現在は、ほとんどのレセプトがコンピュータで作られ、オンラインで提出されています。医療事務の職場では、レセプトコンピュータ(レセコン)と呼ばれる専用のソフトに診療の内容を入力し、点数の計算とレセプトの作成を行います。

毎月の締めの時期の忙しさ

レセプトの提出期限が翌月10日までなので、医療事務の職場は毎月の初めの10日間がもっとも忙しくなります。この時期は「レセプト期間」などと呼ばれ、作成したレセプトの内容を見直す点検の作業が集中します。働き方を選ぶときは、この時期に残業が増えやすいことを知っておくと、思い違いを防げます。

院内処方と院外処方の違い

外来の会計を勉強するときに、最初に区別しておきたいのが院内処方と院外処方です。

院外処方とは、医師が処方箋を出し、患者が病院や診療所の外にある薬局で薬を受け取る形のことです。この場合、病院や診療所が算定するのは処方箋料で、薬そのものの費用や薬剤師の調剤の費用は、薬局の側が別に計算して請求します。前の節の計算例は、この院外処方の形でした。

院内処方とは、病院や診療所の中で薬を渡す形のことです。この場合は、処方箋料ではなく、処方料、調剤料、薬そのものの費用(薬剤料)などを、病院や診療所の側で算定します。薬剤料は、国が定めた薬の価格(薬価)をもとに計算するため、計算の手順が院外処方より複雑になります。

どちらの形かで、会計の計算もレセプトの書き方も変わります。勉強の最初は院外処方の計算で全体の流れをつかみ、そのあとで院内処方の薬剤料の計算に進むと、混乱しにくくなります。働く医療機関を選ぶときも、院内処方か院外処方かで日々の仕事の中身が変わることを知っておくとよいでしょう。

医療事務でよく使う言葉

医療事務のテキストには、聞き慣れない言葉が多く出てきます。最初に意味を押さえておくと、テキストを読む速さが上がります。

言葉 意味
算定 決められた点数を請求の対象として数えること
加算 条件を満たしたときに基本の点数に上乗せされる点数
包括 ほかの点数に含まれていて、別に数えられないこと
返戻 レセプトに不備があり、医療機関に差し戻されること
査定 審査で認められず、点数を減らされること
公費負担医療 国や自治体が医療費の一部や全部を負担する制度
傷病名 レセプトに書く病気やけがの名前

この中で、とくに注意したいのが「包括」です。ある検査がほかの点数に包括されている場合、その検査の点数を別に数えると、審査で査定されます。点数表の注に「所定点数に含まれる」「別に算定できない」と書かれているところが包括の目印です。点数を足すことと同じくらい、足してはいけないものを見分けることが、医療事務の正確さを左右します。

返戻と査定を防ぐ考え方

レセプトの仕事の目標は、返戻や査定を受けずに、行った診療の費用を正しく受け取ることです。初心者のうちから、次の考え方を身につけておくと、実務に入ってから役立ちます。

傷病名と診療の内容を合わせる

レセプトでは、行った検査や薬が、書かれた傷病名に照らして適切かどうかが審査されます。たとえば、ある検査を行ったのに、その検査が必要になる傷病名が書かれていなければ、査定の対象になることがあります。カルテを読むときは、行った診療と傷病名の結び付きを意識します。

回数や日数の決まりを確かめる

点数表には、「月1回に限り算定する」「1日につき算定する」のように、回数や日数の決まりが書かれている項目が多くあります。同じ月に同じ項目を2回数えていないか、日数を数え間違えていないかを確かめる習慣をつけます。

患者の情報を確かめる

保険の種類や負担割合、公費負担医療の対象かどうかを取り違えると、レセプトそのものが返戻されます。受付の段階で保険の資格を正しく確かめることが、請求の正確さの出発点です。受付と請求は別の仕事に見えますが、実際には1本の流れでつながっています。受付で確かめた情報が正しければ、月末の請求の作業で差し戻しに追われる時間を大きく減らせます。

初心者の勉強の順番

医療事務の勉強は、範囲が広いため、順番を決めて進めることが大切です。初心者には次の順番をおすすめします。

ステップ1:医療保険の仕組みを知る

最初に、日本の医療保険の仕組みを大まかに理解します。会社員が入る健康保険、自営業の人などが入る国民健康保険、75歳以上の人が入る後期高齢者医療制度の違い、患者の負担割合、保険証(現在はマイナンバーカードの保険証の利用が中心)の確認の方法などです。ここが分かると、レセプトをどこに出すのかが理解できます。

ステップ2:外来の点数を覚える

次に、外来の会計で使う点数を覚えます。初診料、再診料、主な加算、処方箋料や院内処方の薬の費用、よく行われる検査の点数などです。外来の計算は、入院に比べて項目が少ないため、点数の仕組みをつかむのに向いています。

ステップ3:外来のレセプトを書く

外来の点数が分かったら、外来のレセプトを実際に書いてみます。カルテ(診療の記録)を読み取り、どの行為にどの点数が付くかを判断して、レセプトの決められた欄に書き込む練習です。最初は時間がかかりますが、何枚も書くうちに、カルテの読み方とレセプトの書き方が結び付いてきます。

ステップ4:入院の点数とレセプトに進む

外来に慣れたら、入院の点数とレセプトに進みます。入院の計算は、入院料の種類や日数、食事の費用などが加わり、外来より複雑です。ただ、外来で身につけた点数の考え方がそのまま土台になるので、順番に進めれば理解できます。

ステップ5:接遇と法規を確かめる

最後に、窓口での患者への接し方(接遇)や、医療に関わる法律の基本を確かめます。資格試験によっては、学科の問題でこれらの分野が出題されます。

点数表の読み方のコツ

医療事務の勉強でつまずきやすいのが、点数表の読み方です。点数表は法令の文章で書かれているため、初めて読むと意味が取りにくく感じます。

「区分番号」で探す

点数表の項目には、「A000」「A001」「F400」のような区分番号が付いています。アルファベットは分野を表し、Aは基本診療料、Bは医学管理、Dは検査、Fは投薬などです。区分番号で探す習慣をつけると、分厚い点数表の中から目的の項目を早く見つけられます。

「注」を必ず読む

点数表の各項目には、「注1」「注2」のような注が付いています。注には、その点数を算定できる条件や、加算の条件が書かれています。点数そのものよりも、注のほうが大切な情報を含んでいることが多いので、項目を読むときは注まで必ず読みます。

通知とあわせて読む

点数表とは別に、厚生労働省は点数表の運用の細かいルールを示した通知(留意事項)を出しています。点数表に書かれた条件の具体的な意味は、通知を読むと分かることがあります。勉強の段階では、テキストが通知の内容を分かりやすく整理してくれているので、テキストで理解してから原文に当たるとよいでしょう。

医療事務の資格試験の現状

医療事務の資格は、すべて民間の団体が実施する試験です。国家資格ではないため、持っていなくても医療事務として働けますが、勉強の到達目標や、採用のときの評価の目安として使われています。

診療報酬請求事務能力認定試験は終了

医療事務の資格の中で難しい試験として知られていた診療報酬請求事務能力認定試験は、2025年12月14日に実施された第63回試験が最後になりました。実施していた公益財団法人日本医療保険事務協会は、令和8年3月31日を以て解散しています。過去に合格した人の合格の事実は変わりませんが、これから受けることはできません。古い勉強法の記事やテキストでこの試験を目標にしているものがあるので、注意してください。

医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)

現在受けられる代表的な試験の1つが、一般財団法人日本医療教育財団が実施する医療事務技能審査試験です。合格者には「メディカルクラーク」の称号が付与されます。同財団は、試験の規模について次のように説明しています。

昭和49年度からの50年で総受験者数は171万人、合格者数は99万人を超えています。 出典: 日本医療教育財団「医療事務技能審査試験(メディカル クラーク®)」

医科の試験は、インターネットを通じて受けるIBT方式で、2026年10月から2027年2月までは毎月、主に土曜日と日曜日に複数の試験日が設けられています。申し込みは試験日の1か月前から1週間前までです。各試験がどの時点の点数表に対応しているかは、同財団が案内しているので、勉強に使うテキストの点数表の版と合わせて確かめておきます。

ほかの医療事務の試験

ほかにも、民間の団体や講座の運営会社が実施する医療事務の試験がいくつかあります。試験ごとに、テキストの持ち込みができるか、実技(レセプトの作成)があるか、受験の方式や日程が違います。受ける試験を選ぶときは、主催団体の公式の案内で、出題の範囲と受験の方法を確かめてから決めます。

独学と講座の選び方

医療事務の勉強の方法は、独学、通信講座、通学講座の3つに分かれます。

独学が向いている人

独学は、費用をもっとも抑えられる方法です。市販のテキストと問題集、点数表があれば始められます。次のような人に向いています。

  • 自分で計画を立てて、毎日少しずつ勉強を続けられる人
  • 分からないことを自分で調べて解決するのが苦にならない人
  • 医療機関での受付などの経験があり、ある程度の知識がある人

独学で注意したいのは、テキストの点数表の版です。2026年6月に点数表が改定されたため、それより前に出版されたテキストは、点数が古いままの場合があります。テキストを選ぶときは、令和8年度の改定に対応しているかを必ず確かめます。手元のテキストの点数が正しいか迷ったときは、厚生労働省が公開している点数表の原文で確かめる習慣をつけておくと、改定のたびに古い情報で覚え直す手間が省けます。

講座が向いている人

通信講座や通学講座は、費用はかかりますが、勉強の順番が整理されており、分からないところを質問できます。次のような人に向いています。

  • 何から始めればよいか分からず、道筋を示してほしい人
  • レセプトの書き方を、添削を受けながら身につけたい人
  • 期限を決めて、短い期間で資格を取りたい人

講座を選ぶときは、改定後の点数表に対応しているか、レセプトの添削の回数、質問の受け付け方、受験の対策の内容を比べます。仕事を探している人は、ハローワークの職業訓練(ハロートレーニング)に医療事務のコースがあるかを確かめる方法もあります。

1か月の勉強計画の例

医療事務の勉強を始めたばかりの人が、最初の1か月で外来の基礎を身につけるための計画の例です。平日に1日30分から1時間、休日に2時間ほど勉強する前提で組んでいます。

週 内容
1週目 医療保険の仕組み、負担割合、審査支払機関を理解する
2週目 初診料、再診料、主な加算を覚え、会計の計算を繰り返す
3週目 投薬と検査の点数を学び、外来の会計を一通り計算できるようにする
4週目 外来のレセプトを書く練習を始め、間違えたところを点数表で確かめる

1か月で外来の流れがつかめたら、2か月目からは外来のレセプトの練習の量を増やし、3か月目以降に入院の点数とレセプトに進むのが無理のない進め方です。受ける試験が決まっている場合は、試験日から逆算して、入院の範囲まで終える時期を決めておきます。

計画どおりに進まない週があっても、焦る必要はありません。点数の仕組みは、最初の理解に時間がかかる分、一度分かると先の内容が速く進みます。遅れた週は、次の週の内容を少し減らし、計算とレセプトの練習の時間を守ることを優先します。

勉強を続けるためのコツ

医療事務の勉強は、覚えることが多く、途中で手が止まりやすい分野です。続けるためのコツを整理します。

1日の勉強を小さく区切る

1日に何時間も勉強しようとすると、続きません。「今日は初診料の加算を覚える」「今日はレセプトを1枚書く」のように、1日の目標を小さく区切ると、達成感を積み重ねられます。

自分の受診の明細を見る

自分や家族が病院や診療所を受診したときにもらう明細書は、生きた教材です。明細書には、初診料や再診料、加算、検査、薬の点数が書かれています。勉強した点数と照らし合わせると、点数表の内容が実際の会計とどう結び付いているのかが分かります。

計算を表計算ソフトで確かめる

点数の計算に慣れないうちは、表計算ソフトで簡単な計算表を作ると便利です。項目と点数を並べ、合計に10円をかけ、負担割合をかけて10円未満を四捨五入する計算式を入れておけば、手で計算した結果を確かめられます。計算の手順を式として組み立てることで、仕組みの理解も深まります。

間違えたところを記録する

レセプトの練習で間違えたところは、ノートや表計算ソフトに記録しておきます。「どの項目を」「なぜ間違えたか」「正しくはどうか」の3点を1行で書くだけで十分です。記録がたまると、自分が間違えやすい分野が見えてきます。加算の条件を読み落とす、包括される点数を数えてしまう、回数の決まりを見落とす、といった傾向が分かれば、そこを重点的に復習できます。試験の直前には、この記録を見直すだけで効率よく弱点を確かめられます。

医療事務の求人で見られる点

勉強を進めながら、医療事務の求人でどんな点が見られるかも知っておくと、勉強の力の入れどころが分かります。

未経験の採用で重視されること

未経験の人を採用する医療機関では、資格の有無よりも、窓口での対応の印象や、正確に作業を進める姿勢が重視される傾向があります。患者は体調が悪い中で来院しているため、落ち着いて丁寧に対応できるかどうかが見られます。面接では、前職での接客や事務の経験を、医療事務の仕事にどう生かせるかを具体的に話せるようにしておきます。

経験者の採用で重視されること

経験者の採用では、レセプトの作成や点検の経験、使ったことのあるレセプトコンピュータや電子カルテの種類が問われます。外来だけでなく入院のレセプトを担当した経験があると、任される仕事の幅が広がります。

勉強中であることも伝えられる

資格を取る前でも、勉強中であることは面接で伝えられます。「現在、医療事務の講座で外来のレセプトまで学んでいる」のように、どこまで進んでいるかを具体的に話すと、入職後にどの段階から教えればよいかが採用担当者に伝わります。

パソコンの操作と入力の力も磨く

医療事務の現場では、レセプトコンピュータや電子カルテへの入力が仕事の多くを占めます。点数の知識と同じくらい、パソコンの基本操作と、正確に速く入力する力が求められます。

受付では、患者の情報や保険の情報を入力し、会計では診療の内容を入力して点数を計算します。入力の誤りは、そのまま会計やレセプトの誤りにつながります。勉強の合間に、文字の入力の練習や、表計算ソフトの基本的な操作を練習しておくと、入職後の負担が軽くなります。

レセプトコンピュータは、点数の計算を自動で行ってくれます。それでも、何をどう入力すれば正しい点数になるのかを判断するのは人です。点数の仕組みを理解していれば、コンピュータが出した結果がおかしいときに気づけます。コンピュータに任せる部分と、人が確かめる部分を区別できることが、医療事務の専門性です。

医療事務の働き方と、在宅でできる仕事

医療事務の働き方は、病院や診療所の正職員、パート、派遣など、さまざまです。勤務の時間帯を選びやすく、子育てや家族の事情と両立しやすい仕事として選ばれています。

在宅でできる医療事務の仕事も、一部にあります。レセプトの点検、医療機関の書類の作成の補助、医療に関わる文章の作成などです。ただし、患者の個人情報を扱う仕事が多いため、在宅で任される範囲は限られており、情報の管理のルールも厳しく決められています。在宅の仕事を受ける場合は、契約で情報の扱いと作業の範囲を必ず確かめます。個人情報を自宅のパソコンで扱う場合は、パスワードの管理や画面ののぞき見の防止、作業が終わった資料の削除の方法まで、依頼する側の決まりに従う必要があります。こうした決まりを守れることも、在宅で医療の仕事を任されるための条件になります。

運営者の立場から見た、医療事務の知識の生かし方

在宅ワークとフリーランスの仲介を20年あまり続けてきた運営者として見てきた範囲では、医療事務の知識を持つ人が、その知識を文章の仕事に生かす例が少しずつ増えています。医療機関のホームページの原稿、患者向けの案内文、医療事務の講座の教材、医療の制度を説明する記事などは、点数やレセプトの仕組みを正しく理解している人でなければ書けない内容です。

こうした仕事で長く依頼が続く人ほど、制度の改定のたびに一次資料を確かめ、古い情報のまま書かないことを徹底しています。医療事務の勉強で身につけた「点数表の原文に当たる習慣」は、そのまま文章の仕事の信頼につながります。文章の仕事を始めるときの実績の見せ方は、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で整理しています。また、仲介の手数料が間に乗らない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側の手取りは厚くなります。手数料0%で直接やり取りできる場では、専門の知識がそのまま報酬に反映されやすくなります。

最初の1週間でやること

最後に、医療事務の勉強を始める人が、最初の1週間でやることを整理します。

  1. 令和8年度の改定に対応したテキストを1冊選ぶ
  2. 医療保険の仕組み(保険の種類、負担割合、審査支払機関)の章を読む
  3. 初診料、再診料、主な加算の点数を書き出し、この記事の計算例を自分で計算する
  4. 自分や家族の受診の明細書を見て、点数と照らし合わせる
  5. 目標にする試験を1つ決め、主催団体の公式の案内で試験の方式と日程を確かめる

医療事務の勉強は、点数の仕組みが分かったところから一気に進みます。最初の1週間で「点数を足して10円をかける」という基本を身につければ、その先のレセプトの勉強も迷わずに進められます。窓口で患者に会計の内容を説明する場面や、医療機関の中で報告の文書を書く場面では、分かりやすい文章を書く力も求められます。文書の書き方を体系立てて確かめたい人は、ビジネス文書検定の資格ガイドで、級ごとの出題の範囲を確認できます。

よくある質問

Q. 医療事務は資格がなくても働けますか?

働けます。医療事務の資格はすべて民間の団体が実施する試験で、国家資格ではありません。資格がなくても採用されることはあります。ただ、点数の計算やレセプトの仕組みは覚える量が多いため、事前に勉強しておくと採用でも入職後でも有利になります。資格は勉強の到達目標や、知識の水準を示す目安として役立ちます。

Q. 医療事務の点数はどうやって計算しますか?

診療の行為ごとに決められた点数を足し、合計に10円をかけて医療費の総額を出します。そこに患者の負担割合をかけ、10円未満を四捨五入した額が窓口での負担額です。令和8年度の点数表では、初診料は291点、再診料は76点です。実際の会計では加算や検査、薬の費用が加わるため、点数表の注を読んで条件を確かめます。

Q. 診療報酬請求事務能力認定試験は今も受けられますか?

受けられません。2025年12月14日に実施された第63回試験が最後になり、実施していた公益財団法人日本医療保険事務協会は令和8年3月31日を以て解散しています。現在受けられる試験には、日本医療教育財団の医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)などがあります。受ける試験は主催団体の公式の案内で確かめてください。

Q. 独学で使うテキストを選ぶときの注意点は何ですか?

令和8年度の診療報酬改定に対応しているかを必ず確かめてください。点数表は2026年6月1日に改定されたため、それより前に出版されたテキストは点数が古いままの場合があります。受ける試験が決まっているなら、その試験がどの時点の点数表に対応しているかも主催団体の案内で確かめ、テキストの版と合わせておくと安心です。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年2月3日最終更新:2026年11月2日
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

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