管理栄養士の履歴書と職務経歴書|書く順番と、埋めにくい欄の扱い


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この記事のポイント
- ✓管理栄養士の履歴書と職務経歴書を
- ✓職務経歴書の3つの構成
- ✓ブランクや短期離職など埋めにくい欄の扱い
履歴書と職務経歴書、どちらから書き始めていますか。多くの方が履歴書から手をつけるのですが、実は逆のほうが早く仕上がります。これ、知らない人が本当に多いんです。
理由はシンプルで、職務経歴書を書く過程で自分の業務が整理され、その内容が履歴書の職歴欄や志望動機欄の材料になるからです。順番を変えるだけで、書く時間が短くなります。
管理栄養士 働き方を考えて応募先を決めたあと、最初に立ちはだかるのがこの2種類の書類です。しかも、管理栄養士は資格職なので、資格欄の書き方や職務経歴の示し方に固有のポイントがあります。
この記事では、2つの書類の役割の違いから始めて、書く順番、埋めにくい欄の扱い、そして応募書類が持つ法的な性質までをまとめます。書類は自分を売り込む道具であると同時に、内容に責任が伴う文書でもあります。そこも噛み砕いてお話しします。
履歴書と職務経歴書は、役割が違います
まず、この2つを混同しないことが出発点です。
履歴書は、事実を定型の様式で示す書類です。氏名、生年月日、学歴、職歴、資格。何が書かれるかがあらかじめ決まっていて、記載の順序も形式も定まっています。つまり、比較しやすくするための書類だということです。
職務経歴書は、業務の中身を自由な形式で示す書類です。どんな施設で、どんな対象者に、どんな業務を、どの程度の規模で行ってきたか。ここは書き方が定まっていないので、伝え方の工夫が効きます。
役割が違うので、同じ内容を両方に詳しく書く必要はありません。履歴書の職歴欄には勤務先と期間だけを記載し、業務の詳細は職務経歴書に回す。この分担ができていると、両方が読みやすくなります。
そして冒頭でお伝えした通り、書く順番は職務経歴書が先です。業務を洗い出す作業を先に済ませておくと、履歴書の記載に迷わなくなります。
職務経歴書の構成を、3つから選ぶ
職務経歴書には、代表的な構成が3つあります。自分の経歴に合うものを選んでください。
編年式
古い職歴から新しい職歴へ、時系列で並べる形式です。もっとも基本的な構成で、職歴の数が少ない方や、一貫したキャリアを積んできた方に向いています。
読む側にとって、経歴の流れが追いやすいのが利点です。一方で、直近の業務が最後に来るため、そこを読んでもらうまでに時間がかかります。
逆編年式
新しい職歴から古い職歴へ、時系列を逆に並べる形式です。直近の経験をもっとも見てほしい場合に向いています。
管理栄養士の転職では、この形式が使いやすいことが多い。直近の職場での業務が、応募先の業務にもっとも近いことが一般的だからです。
キャリア式
時系列ではなく、業務の種類ごとにまとめる形式です。栄養管理、給食管理、栄養指導、衛生管理といった区分で整理します。
職歴の数が多い方、非常勤やパートを複数掛け持ちしてきた方、ブランクが複数回ある方に向いています。時系列で並べると細切れに見えてしまう経歴も、業務でまとめると厚みが出ます。
ただし、いつどこで何をしたかが分かりにくくなるため、末尾に勤務先と期間の一覧を添えておくと親切です。
職務経歴書に書くべき5つの要素
構成を決めたら、中身です。管理栄養士の職務経歴書には、次の5つを入れてください。
1. 施設の情報
施設の種類と規模を書きます。病院なら病床数と診療科の傾向、介護施設なら定員と施設種別、給食受託会社なら配属先の種類と食数、保育園なら園児数。
「病院に勤務」だけでは、読む側は何も判断できません。規模が分かると、業務量と責任の範囲が推測できます。
2. 対象者の情報
誰に対して業務を行っていたかを書きます。入院患者、入所者、園児、社員、地域住民。疾患の傾向や年齢層まで書ければ、さらに具体的になります。
管理栄養士の業務は対象者によって大きく変わるため、この情報は応募先が適性を判断する材料になります。
3. 担当業務の内容と頻度
何を、どれくらいの頻度で行っていたかを書きます。栄養管理計画書の作成を月何件、栄養指導を週何件、献立作成を月何回、発注業務を週何回。
頻度が入ることで、業務の実態が伝わります。担当していたと書くだけでは、どの程度関わっていたかが分かりません。
4. 使用していたシステム
給食管理システムの名称、電子カルテの種類、表計算ソフトの使用範囲。システムの経験は、入職後の立ち上がりの速さに直結するため、意外と重視されます。
同じシステムを使っている職場なら、それだけで教育コストが下がります。書いておいて損はありません。
5. 取り組みと変化
業務の中で工夫したこと、改善したことがあれば書きます。記録の様式を見直した、発注の手順を整理した、他職種との情報共有の仕組みを作った。
ここで注意したいのは、成果を誇張しないことです。書いた内容は面接で必ず掘り下げられます。※実際より大きく見せる記載は、後述する通りリスクを伴います。事実の範囲で書いてください。
履歴書の各欄を、順番に見ていく
職務経歴書ができたら、履歴書に移ります。
学歴
一般的には、高等学校卒業から書き始める形が多く見られます。管理栄養士の場合、養成施設の名称と学部学科を正確に書いてください。略称ではなく正式名称です。
学部学科名は、その人の学びの内容を示す情報になります。栄養に関する専攻であることが分かる記載にしておきましょう。
職歴
勤務先の正式名称と、入社と退社の年月を書きます。法人格の表記も省略しないでください。医療法人、社会福祉法人、株式会社。これらを省くと、正式名称ではなくなります。
配属先が変わった場合、その異動も書いておくと経歴が正確に伝わります。ただし、詳細な業務内容はここには書かず、職務経歴書に回します。
在職中の場合は、末尾に「現在に至る」と記載するのが一般的です。
免許と資格
管理栄養士の場合、ここが重要な欄になります。
書き方の原則は、正式名称を使うことです。免許や資格には正式な名称があり、通称で書くと不正確になります。取得年月も正確に記載してください。手元の免許証や合格証で確認するのが確実です。
記載の順序は、取得年月の古い順に並べるのが一般的です。応募先の業務に直接関係する資格が複数ある場合でも、順序を入れ替えず時系列で並べます。
栄養士免許と管理栄養士免許の両方を持っている場合、両方を記載します。管理栄養士は栄養士免許を前提とする資格なので、両方あるのが自然な形です。
普通自動車免許は、業務で運転の可能性がある職場では書いておくと有利になることがあります。訪問での栄養指導や、複数施設を回る業務がある場合です。
※免許や資格の名称、有効期間、更新の要否は制度によって異なります。記載に迷う場合は、交付元の機関や所管の窓口で確認してください。
志望動機欄
履歴書に志望動機の欄がある場合、職務経歴書の内容と矛盾しない形で書きます。
欄の大きさに応じて分量を調整してください。小さな欄にびっしり詰めると読みづらくなります。欄の8割程度を目安にすると収まりがよくなります。
内容としては、応募先を選んだ理由と、自分の経験がどう活きるかの2点で構成します。
本人希望記入欄
ここを「貴社の規定に従います」の一言で埋める方が多いのですが、条件面に希望がある場合は書いておくべきです。
勤務可能な時間帯、勤務地の希望、入職可能な時期。これらは採用側が配置を検討するために必要な情報です。書かないまま選考が進むと、内定の段階で条件が合わないことが判明します。
書き方としては、簡潔に。「保育園の送迎のため、始業8時30分以降を希望します」といった形で、理由と希望を1文にまとめます。
通勤時間
正確に記載してください。実際より短く書くと、入職後に無理が生じます。逆に長く書きすぎると、通勤の負担を理由に敬遠される可能性もあります。
公共交通機関を使う場合、乗り換えの待ち時間も含めた実際の所要時間を書きます。
扶養家族と配偶者の欄
様式によって設けられている欄です。事実を記載します。この欄の記載が採用の判断に直接使われるべきものではありませんが、社会保険の手続きに関わる情報として設けられていることが多い。
※採用選考における適切な取り扱いについては、厚生労働省が考え方を示しています。判断に迷う場合は公的な相談窓口を利用してください。
埋めにくい欄を、どう扱うか
ここからが本題かもしれません。多くの方がつまずくのは、書けない部分の扱い方です。
ブランクがある場合
出産、育児、介護、療養。離職期間がある方は珍しくありません。
原則は、隠さないことです。職歴欄で期間が空いていると、読む側は必ず気づきます。触れずにいると、面接で説明を求められたときに答えづらくなります。
書き方としては、履歴書の職歴欄には期間の空白として残し、職務経歴書やその他の欄で理由を簡潔に補足します。長い説明は不要です。「育児のため離職」という程度で足ります。
そのうえで、その期間に取り組んだことがあれば添えます。資格の勉強、関連する情報の収集、家庭での食事管理。これらは経歴の空白を埋める材料になります。
管理栄養士は更新制の資格ではないため、離職期間があっても資格そのものは失われません。これは大きな強みです。
短期間で離職した職歴がある場合
在籍期間が短い職歴を隠したくなる気持ちは理解できます。ただし、隠すことにはリスクがあります。この点は後で詳しく述べます。
書いたうえで、理由を簡潔に添えるのが安全です。理由は事実の範囲で、かつ前向きな向きに変換して書きます。
非常勤やパートを複数掛け持ちしていた場合
時系列で並べると細切れに見えるため、キャリア式の職務経歴書が向いています。業務の種類ごとにまとめれば、経験の総量が伝わります。
履歴書の職歴欄には、勤務先と期間を正確に並べます。数が多い場合でも省略はしないでください。
職歴が少ない、または未経験の場合
新卒や、他職種からの転向で職歴が少ない場合、書くことがないと感じるかもしれません。
実習の経験、卒業研究のテーマ、在学中に取り組んだこと。これらは職務経歴書に書ける材料です。実習日誌を読み返すと、当時考えていたことが出てきます。
また、栄養と直接関係のない職歴も、書き方によっては強みになります。接客の経験は対象者や保護者への説明に、事務の経験は記録や帳票の処理に活きます。持ち運べる部分を明示してください。
賞罰欄
様式に賞罰欄がある場合、該当がなければ「なし」と記載します。空欄にすると、書き忘れなのか該当がないのかが分かりません。
※賞罰欄に記載すべき範囲については解釈が分かれる部分があります。判断に迷う内容がある場合は、専門家に相談することをおすすめします。
応募書類は、法的な性質を持つ文書です
ここは私の専門に近い部分なので、丁寧にお話しします。
応募書類は、単なる自己紹介の紙ではありません。採用の判断材料として提出され、その内容を前提に労働契約が結ばれます。つまり、契約の前提となる情報を提供する文書だということです。
この性質から、いくつかの注意点が生まれます。
事実と異なる記載は避ける
学歴、職歴、資格。これらについて事実と異なる記載をすることは、経歴の詐称にあたる可能性があります。
程度によっては、採用の取り消しや、入職後の懲戒の対象になり得ます。※具体的な判断は個別の事情によりますので、不安がある場合は専門家に相談してください。
ここで言いたいのは、脅すことではありません。書類は自分を守るものでもある、ということです。事実を書いておけば、あとから問題になることはない。逆に、少し大きく見せた記載が、何年も経ってから問題になることがあります。
過去にご相談を受けたケースでも、共通していたのは「その場では小さな判断だった」という点でした。少し盛って書いた、期間を丸めた、担当していない業務を書いた。一つひとつは小さくても、積み重なると全体の信頼性が問われます。
資格の記載は特に慎重に
管理栄養士は業務独占ではありませんが、名称独占の資格です。免許を持たない人が管理栄養士と名乗ることは認められていません。
だからこそ、資格欄の記載は正確である必要があります。受験予定の資格を取得済みのように書く、通称で書いて別の資格と紛らわしくする。こうした記載は避けてください。
取得見込みの場合は、その旨を明記します。「令和〇年〇月取得見込み」といった形です。
個人情報の扱い
応募書類には、氏名、住所、生年月日、経歴といった個人情報が含まれます。提出した書類がどう扱われるかは、応募先の方針によります。
不採用となった場合の書類の取り扱いについて、返却するのか、応募先で処分するのかを明示している職場もあります。気になる場合は確認して構いません。
自分の側でも、提出前の書類の管理には気をつけてください。共有のパソコンに保存したまま、印刷したものを放置したまま、といった状態は避けましょう。
提出の形式で気をつけること
近年は、データでの提出が増えました。形式ごとに注意点があります。
手書きの場合、消せるボールペンは避けてください。熱で消える性質があるため、書類として不適切です。修正液や修正テープの使用も、正式な書類では避けるのが一般的です。書き損じたら書き直します。
データの場合、指定された形式に従います。指定がなければ、レイアウトが崩れにくい形式を選ぶのが無難です。ファイル名は、氏名と書類の種類が分かる形にしておくと、受け取る側が管理しやすくなります。
写真は、指定のサイズで、直近に撮影したものを使います。データの場合は、貼り付ける位置とサイズがずれていないか、印刷したときにどう見えるかを確認してください。
送付する前に、必ず全体を見返してください。誤字脱字、日付の記載漏れ、押印の要否。細かい部分ですが、書類を扱う職種として見られている部分でもあります。
管理栄養士の業務は記録と報告の比重が大きい仕事です。応募書類の丁寧さは、そのまま業務への姿勢として受け取られます。ビジネス文書の基本的な作法を確認しておきたい方には、ビジネス文書検定の出題範囲が参考になります。社内文書と社外文書の書き分けや敬語の使い方が体系的に整理されているので、自分の癖に気づく材料になります。
応募先ごとに書き分ける
同じ書類を全ての応募先に使い回すのは、効率的に見えて逆効果です。
職務経歴書は、応募先の業務に近い経験を前に出す形に組み替えます。病院に応募するなら栄養管理と多職種連携を、保育園に応募するならアレルギー対応と保護者への説明を、給食受託会社に応募するなら現場運営と衛生管理を。
書く内容そのものは事実なので変わりませんが、並べる順序と分量は変えられます。読む側は、自分の職場に関係のある部分を探しながら読みます。それが前にあるほど、伝わりやすくなります。
就職先の実態としては、次のようなデータが公表されています。
管理栄養士・栄養士養成施設の卒業生の65%は、管理栄養士や栄養士、および関連する仕事に就業しています。一方で、一般事務の仕事に就いた方が25%、進学や独立を選択した方も5%程度います。管理栄養士として、どのようなキャリアを形成したいかを考える場合は、こうした実際の就職実態を参考にするのも良いでしょう。 出典: co-medical.mynavi.jp
関連する仕事に就いた方が65%という数字は、進路が分かれていることを示しています。だからこそ、応募先ごとに自分の経験のどの部分が合うのかを示す必要があるわけです。
条件面の判断材料も揃えておく
書類を出す前に、待遇の相場を把握しておくと、後の交渉が落ち着いて進められます。
管理栄養士・栄養士の仕事の内容や環境は、職場によって異なります。平均年収は、厚生労働省の「平成24年度賃金構造基本統計調査」によると、管理栄養士は約400万円、栄養士は約350万円とされます。就職してから「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、自分の希望と照らし合わせて、仕事内容をチェックしておきましょう。 出典: dietitian.or.jp
管理栄養士で約400万円という数字は、調査時点の全国平均です。つまり、地域や施設の規模による差はこれより大きくなります。最新の統計は厚生労働省のサイトで公開されています。
栄養に関する執筆や監修といった、専門性を文章の形で提供する仕事に関心がある方は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場にまとまっている統計ベースの水準が、報酬の妥当性を判断する物差しになります。
職場の選び方そのものを整理したい方には、看護師におすすめの職場・働き方・転職支援ツールを徹底解説が参考になります。資格を持つ人が職場の種類ごとに何が変わるかがまとめられており、職務経歴書で何を前に出すかを考える材料になります。企業への転向を検討している方は、企業薬剤師への転職ガイド|年収・働き方・中途採用の壁を突破する方法【2026年版】にある、資格者が企業側で何を評価されるかという観点が役に立ちます。専門知識を外部から提供する働き方に関心があるなら、AIコンサル・業務活用支援のお仕事にある進め方も見ておくとよいでしょう。
職務経歴書の分量と、見た目の整え方
書く内容が決まっても、分量とレイアウトで迷う方が多いので、目安をお伝えします。
分量は、A4で1枚から2枚が一般的です。職歴が多い方でも、3枚を超えると読み切ってもらえない可能性が高くなります。
読む側は、複数の応募書類に目を通しています。1枚あたりに使える時間は限られている。つまり、全部を書くのではなく、判断に必要な情報を選んで書くという作業だということです。
レイアウトについては、次の点を押さえておくと読みやすくなります。
見出しを立てて、区切りを明確にする。文章が延々と続く書類は、どこに何が書いてあるか分かりません。
箇条書きを使う。担当業務や実績は、文章にするより項目で並べたほうが把握しやすくなります。
余白を残す。ぎっしり詰まった書類は、読む前に負担を感じさせます。
冒頭に要約を置く。職務経歴書の最初に、経歴の全体像を3行程度でまとめておくと、読む側が構造を掴んだうえで詳細に入れます。
フォントとサイズは統一する。途中で変わっていると、読みにくいだけでなく、雑な印象を与えます。
自己PR欄をどう埋めるか
職務経歴書の末尾に自己PRを設ける形式が一般的です。ここで書くべきは、職歴の要約ではありません。
書く内容は、自分の業務上の特徴と、それが応募先でどう活きるかの2点です。
特徴は、行動として書いてください。「責任感があります」ではなく「記録を溜め込まず、その日のうちに処理する習慣があります」。前者は評価であり、後者は事実です。事実のほうが信頼されます。
応募先でどう活きるかは、募集の内容と接続させます。求人票に書かれている業務のうち、自分の経験が直接使える部分を挙げる。ここが具体的だと、採用側は配置を想像できます。
分量は、300字前後を目安にすると、読みやすく収まります。長く書けば伝わるというものではありません。
職場の種類ごとに、何を前に出すか
同じ経歴でも、応募先によって前に出す部分が変わります。具体的に見ていきましょう。
病院に応募する場合
前に出すのは、栄養管理計画の作成、栄養指導の件数と対象疾患、多職種でのカンファレンスへの参加、電子カルテの使用経験です。
医療チームの一員として動いた経験があることを示すのが目的なので、他職種とのやり取りが分かる記載を入れてください。
介護施設に応募する場合
栄養ケア計画の作成、ミールラウンドの実施、食形態の調整、家族への説明、ケアマネジャーとの連携。継続的な関わりを示す内容が中心になります。
対象者の状態が変化する中で、どう対応したかという記載があると、実務の理解が伝わります。
給食受託会社に応募する場合
食数の管理、発注と在庫の管理、原価の管理、衛生管理、人員配置やシフトの作成、クライアントとの折衝。現場運営の経験が焦点です。
扱っていた食数の規模を数字で示すと、業務量が伝わります。
保育園に応募する場合
アレルギー対応の経験、献立作成、食育活動、保護者向けの資料作成、調理員との連携。子どもと保護者の両方に関わる部分を前に出します。
アレルギー対応については、手順を守って進めていたことが分かる記載にしてください。※対応の手順は園ごとに定められており、医師の指示に基づいて行われるものです。
行政に応募する場合
事業の企画と実施、健診での栄養相談、統計の集計、報告書の作成、住民向けの講座。個人ではなく集団を対象とした業務が中心になります。
公文書の作成経験があれば、それも書いておくと有利です。
企業に応募する場合
商品開発、品質管理、保健指導、資料作成、社内外への提案。事業への貢献という観点で整理します。
企業では、専門知識を持たない相手に説明した経験が評価されることがあります。そうした場面があれば書いてください。
独立や業務委託で関わる場合の書類
雇用されずに働く選択肢を取る場合、必要な書類の種類が変わります。
履歴書と職務経歴書の代わりに求められるのが、実績をまとめた資料です。どんな案件を、どの規模で、どう進めたか。守秘義務の範囲に注意しながら、扱える範囲でまとめます。
そして、業務を受ける段階では契約書が必要になります。委託される業務の範囲、報酬の額と支払時期、成果物の権利、秘密保持、契約を終了するときの条件。この5点が明確になっているかを確認してください。
口頭の合意だけで始めると、認識の食い違いが起きたときに拠り所がなくなります。※契約の内容に不安がある場合は、締結の前に専門家へ相談してください。あとからの相談では取れる手段が限られます。これ、本当に多いご相談です。
請求書の発行と、入金の管理も自分で行うことになります。いつ請求書を出し、いつ入金があったかを記録し、遅れがあれば確認する。この習慣がないと、入金漏れに気づけません。
帳簿については会計ソフトを使うのが現実的で、freeeやマネーフォワードといったサービスが広く使われています。申告の手続きそのものは国税庁の情報が一次情報になります。
書類を使い回せる形で管理する
複数の応募先に出す場合、毎回ゼロから書くのは非効率です。仕組みを作っておきましょう。
まず、元となる職務経歴書を1つ作ります。ここには、書ける内容をすべて入れておきます。分量が多くても構いません。これは提出用ではなく、材料の置き場です。
次に、応募先ごとに、この材料から必要な部分を抜き出して並べ替えます。前に出す内容を変え、分量を調整し、応募先の名称を入れる。この作業なら、1件あたり短時間で済みます。
ファイルの管理も決めておいてください。応募先ごとにフォルダを分け、提出したファイルをそのまま残しておく。面接前に読み返すときに、何を書いて出したかがすぐ分かります。
そして、応募の記録を1枚のメモにまとめておきます。応募先、応募日、提出した書類、選考の状況。同時に複数を進めていると混乱するので、この一覧があると助かります。
定期的に材料を更新する
在職中であれば、担当業務は増えていきます。半年に一度でいいので、元の職務経歴書に追記する習慣をつけておくと、いざ動くときに慌てません。
追記するのは、新しく担当した業務、規模が変わった数字、導入されたシステム、取得した資格。事実だけで構いません。
この習慣には、もうひとつ効果があります。自分がこの半年で何を積み上げたかが可視化されるので、今の職場で成長できているかを判断する材料になります。転職しないと決めている方にも、意味のある作業です。
提出前の最終確認
出す前に、次の項目を確認してください。
応募先の正式名称が正確か。法人格の表記まで含めて確認します。
日付は提出日になっているか。作成した日のまま放置されていることがあります。
氏名や住所に誤りがないか。基本的な部分ほど見落とします。
職歴の年月に矛盾がないか。前職の退職月と次の入職月がつながっているか、重なっていないかを確認します。
資格の名称と取得年月が正確か。手元の免許証と照合してください。
職務経歴書と履歴書の内容が矛盾していないか。勤務期間や勤務先の名称がずれていることがあります。
複数の応募先に出す場合、書類が入れ替わっていないか。これは実際によく起こります。
控えを取っているか。何を書いて出したかが分からないと、面接の準備ができません。
運営者の視点から見た、通る書類の共通点
フリーランスと在宅ワークの市場を20年見てきた立場から言えることがあります。
応募書類でも提案書でも、選ばれるものには共通点があります。読む人が判断できる形で書かれていることです。自分がやってきたことを並べるだけでは、相手は判断できません。この人に頼むと何がどう進むのかが見える書類が、選ばれます。
そして、運営者として見てきた限り、長く続く人ほど、単発の仕事を取ることより「この人に任せると確認の手間が減る」という関係を作ることに時間を使っています。書類の正確さは、その関係の入り口です。数字が合っている、名称が正しい、矛盾がない。当たり前のことが揃っている書類は、それだけで信頼の材料になります。
もうひとつ、市場を見ていて確かなことがあります。間に入る事業者が増えるほど、受け手の手取りは薄くなるという構造です。同じ予算で発注されていても、途中で引かれる分だけ、最終的に手元に残る額が変わります。手数料0%の直接取引が効いてくるのは、依頼する側が同じ予算でより多く頼めるようになり、受け手の手取りも厚くなるからです。双方が得をする形だから、この構造は続いています。
書類を書くという作業は、自分の経歴を正確に言葉にする作業です。正確に書けていれば、それは自分を守る記録にもなります。法律はあなたの味方ですし、正しく書かれた書類もまた、あなたの味方です。
自分で添削するときの、5つの観点
書き上がったら、提出の前に自分で読み返します。見るべき観点を5つに絞りました。
ひとつ目。応募先の名称を消したとき、他の職場にもそのまま出せてしまわないか。出せてしまうなら、その職場に向けた記載が足りていません。
ふたつ目。書いた内容を、面接で3分間説明できるか。説明できない記載は、面接で掘り下げられたときに答えられません。書く段階で削っておくほうが安全です。
3つ目。数字が入っているか。施設の規模、対象者の人数、業務の頻度。数字がない書類は、読む側が業務量を推測できません。
4つ目。事実と評価が混ざっていないか。自分がやったことと、それをどう思うかは分けて書きます。混ざっていると、どこまでが事実か分かりにくくなります。
5つ目。読んだ人が、あなたが働いている姿を想像できるか。これが最終的な判断基準です。
この5つを通したうえで、可能なら誰かに読んでもらってください。自分では気づけない部分が必ずあります。読んでもらう相手は、同じ職種でなくて構いません。むしろ、専門外の人が読んで理解できるかどうかは、良い指標になります。
迷ったときは、削る
書くことが増えてくると、全部入れたくなります。ただ、読む側の時間は限られています。
判断に迷ったときは、削るほうを選んでください。応募先の業務と接続しない記載は、あってもなくても評価に影響しません。むしろ、量が増えることで重要な部分が埋もれます。
削った内容は、元の職務経歴書に残しておけばいい。別の応募先では、その部分が前に出るかもしれません。
書き終わらないときは、材料を先に並べる
いつまでも書き上がらないという方は、いきなり文章にしようとしている可能性があります。
先に材料だけを並べてください。勤務先、期間、施設の規模、対象者、担当業務、頻度、使っていたシステム。これを表の形で書き出します。文章にする必要はありません。
材料が揃うと、あとは並べ替えて言葉をつなぐだけになります。文章から書き始めると、書きながら思い出す作業と、表現を整える作業を同時にやることになり、進まなくなります。
作業を分けるというのは、書類仕事全般に効く考え方です。管理栄養士の業務でも同じで、記録を書くときに情報を集める作業と書く作業を分けると、速くなります。応募書類で身につけた進め方が、入職後の仕事にもそのまま使えるということです。
よくある質問
Q. 履歴書と職務経歴書は、どちらから書くべきですか?
職務経歴書からです。業務を洗い出す過程で経歴が整理され、その内容が履歴書の職歴欄や志望動機欄の材料になります。履歴書から書き始めると、職歴欄で何をどこまで書くか迷い、そこで手が止まりやすい。職務経歴書に業務の詳細をまとめておけば、履歴書には勤務先と期間だけを簡潔に書けばよくなります。
Q. 管理栄養士の資格は、履歴書のどこにどう書けばよいですか?
免許と資格の欄に、正式名称と取得年月を記載します。通称ではなく正式名称を使い、手元の免許証で確認してください。栄養士免許と管理栄養士免許の両方を持っている場合は両方を記載し、取得年月の古い順に並べるのが一般的です。取得見込みの場合は、その旨を明記してください。
Q. ブランクがある場合、職歴欄はどう書けばよいですか?
隠さず、期間の空白として残したうえで、理由を簡潔に補足してください。長い説明は不要で、育児のため離職といった程度で足ります。そのうえで、その期間に取り組んだことがあれば添えます。管理栄養士は更新制の資格ではないため、離職期間があっても資格そのものは失われません。この点は面接でも伝えられます。
Q. 短期間で辞めた職歴は、書かなくてもよいですか?
書いたほうが安全です。応募書類は採用の判断材料として提出され、その内容を前提に労働契約が結ばれます。事実と異なる記載は経歴の詐称にあたる可能性があり、程度によっては採用の取り消しなどにつながることもあります。書いたうえで理由を簡潔に添え、前向きな向きに変換して説明するのが現実的な対応です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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