産前産後 国民年金 免除 個人事業主 2026|在宅フリーランスの申請方法


この記事のポイント
- ✓産前産後 国民年金 免除を個人事業主・フリーランスが受けるための条件と申請方法を2026年版で解説
- ✓免除期間中も保険料納付扱いで将来の年金が減らない仕組み
- ✓国民健康保険料の免除との違いまで実務目線でまとめました
出産を控えた個人事業主やフリーランスの方が「産前産後 国民年金 免除」と検索するとき、その裏には「会社員には産休・育休の社会保険料免除があるのに、自分には何もないのでは」という不安があると思います。結論から言うと、国民年金第1号被保険者(自営業者・フリーランス等)にも、産前産後の一定期間、国民年金保険料が免除される制度がきちんと存在します。しかも、この免除期間は「未納」ではなく「保険料を納めた期間」として扱われるため、将来受け取る老齢基礎年金が減ることはありません。この記事では、申請の条件・期間・手続きの流れ、そして見落としがちな国民健康保険料の免除との違いまで、在宅で働く方の目線で網羅的に解説します。
私はふだんアパレルブランドのEC運営支援やSNS運用を在宅で請け負っているフリーランスですが、同業の仲間からも「出産のときの年金どうした?」と聞かれることがよくあります。フリーランスは会社が手続きをしてくれないぶん、制度を「知っている人だけが得をする」構造になりがちです。だからこそ、申請漏れで損をしないように、仕組みを正しく理解しておくことが大切です。
個人事業主・フリーランスを取り巻く出産期の社会保険の現状
まず、産前産後の保険料免除を考える前提として、自営業・フリーランスがどんな社会保険の枠組みに置かれているかを整理しておきます。ここを理解しないと、「会社員と何が違うのか」「自分はどの制度を使えるのか」が見えてきません。
会社員(厚生年金の第2号被保険者)は、産前産後休業・育児休業の期間中、健康保険料と厚生年金保険料の両方が免除され、しかもその期間は保険料を納めたものとして扱われます。一方、個人事業主やフリーランスは国民年金の第1号被保険者であり、長らく「出産しても保険料の免除はない」状態が続いていました。出産で一時的に仕事を休んでも、毎月の国民年金保険料(2024年度で月額16,980円、2025年度で月額17,510円)は変わらず請求されていたのです。
この不公平を是正するために、2019年4月から第1号被保険者向けの「産前産後期間の国民年金保険料免除」が始まりました。次世代育成支援、つまり子育て世帯を社会全体で支えるという観点から導入された制度です。さらに2024年1月からは、これまで対象外だった「国民健康保険料」についても産前産後期間の免除が始まり、自営業・フリーランスの出産期の負担はようやく会社員に近づきつつあります。
次世代育成支援の観点から、国民年金第1号被保険者が出産した際に、出産前後の一定期間の国民年金保険料が免除される制度が平成31年(2019年)4月から始まりました。なお、この制度は、国民年金保険料を月額100円程度引き上げることにより、国民年金の被保険者全体によって支えられています。
ここで重要なのは、この免除制度が「被保険者全体で支える」仕組みだという点です。月額100円程度の引き上げ分を皆で負担することで、出産する人の保険料をまかなっています。つまり、対象になる人が申請しないと、負担だけしているのに恩恵を受けない、ということになります。申請主義の制度なので、「知らなかった」「申請し忘れた」では救済されにくい。だからこそ、本記事で条件と手順をしっかり押さえてほしいのです。
なお、フリーランスの社会保険や経費の扱い全般については、個人事業主の保険料は経費にできる?仕訳と確定申告の方法で確定申告時の仕訳まで含めて整理しているので、産前産後の手続きと合わせて確認しておくと、年間を通じた支払い管理がしやすくなります。
産前産後の国民年金保険料が免除される期間と仕組み
ここからが本題です。産前産後の国民年金保険料免除は、「いつから・いつまで・何か月分」が免除されるのかを正確に把握しておく必要があります。出産予定日を基準に期間が決まるため、ここを取り違えると申請のタイミングを誤りかねません。
免除される期間は出産月の前月から4か月間が基本
単胎(赤ちゃんが1人)の場合、免除される期間は「出産予定日または出産日が属する月の前月から、その翌々月までの4か月間」です。たとえば3月が出産月であれば、2月・3月・4月・5月の4か月分の国民年金保険料が免除されます。
多胎妊娠(双子以上)の場合は免除期間が拡大され、「出産予定日または出産日が属する月の3か月前から、その翌々月までの6か月間」が対象になります。双子の出産は身体的負担も大きく、仕事の再開も遅れがちなので、この拡大措置はありがたい設計です。
ここで言う「出産」とは、妊娠85日(4か月)以上の出産を指します。これには死産・流産・早産・人工妊娠中絶も含まれます。つまり、残念ながら出産に至らなかったケースでも、妊娠85日以上であれば免除の対象になり得ます。これは見落とされやすいポイントなので、該当する可能性がある方は窓口で必ず確認してください。
免除期間は「納付済み」扱いで将来の年金が減らない
産前産後免除の最大のメリットは、免除された期間が「保険料を納付した期間」として扱われる点です。一般的な国民年金の免除制度(全額免除・一部免除・納付猶予など)では、免除期間中は将来の年金額が満額より少なく計算されます。たとえば全額免除の場合、その期間の老齢基礎年金は満額の2分の1で計算されるのが原則です。
ところが、産前産後免除は別格です。免除されているにもかかわらず、満額納付したのと同じ扱いになります。つまり、保険料を払わなくていいのに、将来の年金は1円も減らない。これは経済合理性という観点でも非常に手厚い制度です。在宅で働きながら出産・育児を経験する方にとって、収入が一時的に落ち込む時期に保険料負担がなくなり、なおかつ年金も減らないというのは、活用しない手はありません。
付加保険料や国民年金基金との関係も確認しておく
国民年金に上乗せして将来の年金を増やす制度として、月額400円の付加保険料や国民年金基金があります。産前産後免除の期間中、付加保険料については「免除期間中であっても納付できる」扱いになっています。将来の年金額を少しでも増やしたい方は、免除期間中も付加保険料を納付し続けるという選択肢があることを知っておくとよいでしょう。
一方で、免除期間と付加保険料・基金の扱いは制度改正で細かく変わることがあります。出産時点の最新ルールは、日本年金機構の公式サイト(https://www.nenkin.go.jp/)や、お住まいの市区町村の国民年金窓口で確認するのが確実です。フリーランスは老後の備えを自分で組み立てる必要があるため、こうした上乗せ制度の扱いも含めて把握しておくと安心です。
対象となる方の条件を個人事業主・フリーランス目線で整理
「自分は本当に対象になるのか?」という不安に直接答えます。産前産後免除の対象は、シンプルに言えば「国民年金第1号被保険者で、出産した(する)人」です。ただし、いくつか押さえておくべき条件と注意点があります。
第1号被保険者であることが大前提
対象は、出産日(または出産予定日)時点で国民年金第1号被保険者である方です。具体的には、自営業者・個人事業主・フリーランス・農業や漁業の従事者・家族従業者・学生・社会保険が適用されないパートやアルバイトなどが該当します。会社員(第2号被保険者)や、その扶養に入っている配偶者(第3号被保険者)は、別の枠組み(厚生年金の産休・育休免除など)になるため、この国民年金第1号向けの免除制度の対象ではありません。
在宅でフリーランスとして開業届を出して働いている方は、ほぼこの第1号被保険者に該当します。たとえばライティングやデザイン、EC運営代行、SNS運用代行といった在宅の業務委託で生計を立てている方は対象です。Webライターやエンジニアなど職種を問わず、国民年金を自分で納めている立場であれば申請できます。職種別の働き方や単価の相場感は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場や著述家,記者,編集者の年収・単価相場といった年収データベースで把握できるので、復帰後の収入計画を立てる際の参考になります。
所得制限がないのが大きな特徴
一般的な国民年金の免除制度(全額免除など)は、本人・配偶者・世帯主の所得が一定以下であることが条件です。ところが、産前産後免除には所得制限がありません。前年の所得がいくらであっても、第1号被保険者で出産した(する)人であれば免除されます。
これはフリーランスにとって非常に大きなポイントです。前年に大きく稼いだ年であっても、出産に伴う産前産後期間は所得に関係なく免除を受けられます。「所得が高いから免除は無理だろう」と諦めて申請しない人が一定数いますが、産前産後免除に限ってはその心配は不要です。所得の多寡で判断せず、出産する全ての第1号被保険者が申請すべき制度だと理解してください。
国民健康保険料の免除は別制度で対象範囲が異なる
ここで多くの人が混同するのが、国民年金保険料の免除と国民健康保険料の免除の違いです。前述のとおり、2024年1月から国民健康保険料についても産前産後期間の免除が始まりました。
自営業者や個人事業主、フリーランス、農業や漁業の従事者、家族従業者、学生、社会保険が適用されないパート・アルバイトなどで、「国民健康保険」に加入している方の場合、産前産後の「国民年金保険料」を免除する制度はあったものの、「国民健康保険料」を免除する制度はありませんでした。
つまり2024年以降は、国民年金保険料と国民健康保険料の両方で産前産後免除が使えるようになったわけです。ただし、この2つは別の制度であり、届出先も異なります。国民年金保険料の免除は市区町村の国民年金窓口(または年金事務所)、国民健康保険料の免除は市区町村の国民健康保険窓口に届け出ます。どちらか一方だけ申請して、もう一方を忘れるケースが起きやすいので注意が必要です。
国民健康保険料の免除期間は、出産予定月の前月から翌々月までの4か月相当分(多胎の場合は3か月前から翌々月までの6か月相当分)の所得割額と均等割額が免除される設計です。「年金は申請したけど健康保険は忘れていた」とならないよう、出産の届出を出すときに、窓口で「国民年金と国民健康保険、両方の産前産後免除を申請したい」と伝えるのが確実です。
届出方法と申請のタイミングを実務ベースで解説
制度の中身がわかったら、次は具体的な手続きです。ここを正確に押さえないと、せっかくの制度を使い損ねます。申請は本人の届出が必要な「申請主義」なので、放っておいても自動では免除されません。
国民年金保険料の産前産後期間の免除は、本人による申請が必要です。手続きは比較的に簡単ですので、個人事業主やフリーランスでこれから出産を予定している方や出産したばかりの方は、必ず利用するようにしましょう。
届出は出産予定日の6か月前から提出できる
産前産後免除の届出は、出産予定日の6か月前から提出することができます。つまり、出産前(妊娠中)でも申請が可能です。出産前に申請する場合は、母子健康手帳など出産予定日が確認できる書類を持参します。出産後に申請する場合は、出産日が確認できる書類が必要になりますが、市区町村に出生届を提出していれば、自治体側で出産日を確認できるため添付書類が省略できるケースもあります。
「出産前の慌ただしい時期に窓口へ行く余裕がない」という方も多いと思います。その場合は出産後でも申請できますし、後述するように過去にさかのぼっての申請も一定範囲で認められています。ただ、出産前後はとにかく忙しく、申請を後回しにすると忘れがちです。可能であれば出産前、母子手帳をもらってしばらく経った安定期あたりに、他の手続きとまとめて済ませておくのが現実的です。
届出先と必要なものをチェックリストで把握する
国民年金保険料の産前産後免除の届出先は、お住まいの市区町村の国民年金担当窓口です(年金事務所でも受付可能)。届出に必要なものは、おおむね次のとおりです。
1つ目は、産前産後期間に係る保険料免除の届書(国民年金被保険者関係届書)です。これは窓口に備え付けられているほか、日本年金機構のサイトからダウンロードもできます。2つ目は、本人確認書類とマイナンバーが確認できるもの(マイナンバーカードなど)です。3つ目は、出産予定日または出産日が確認できる書類です。出産前なら母子健康手帳、出産後で同一市区町村に出生届を出していれば原則不要、別の市区町村で出生届を出した場合は出産日のわかる書類が必要になることがあります。
自治体によって細かい必要書類が異なるため、行く前に市区町村のサイトで「産前産後 国民年金 免除 届出」と検索して確認するか、電話で問い合わせておくと二度手間を防げます。私自身、行政の手続きで「あと一つ書類が足りなくて出直し」になった経験が何度かあり、フリーランスにとっては移動の時間こそコストです。事前確認の一手間を惜しまないことをおすすめします。
過去にさかのぼっての申請も可能
「制度を知らずに出産から時間が経ってしまった」という方も諦めないでください。産前産後免除は、2019年4月以降に出産した方であれば、過去にさかのぼって申請できる場合があります。ただし、保険料はすでに納付済みであることが多く、その場合は還付(払い戻し)の手続きになります。免除対象期間の保険料を納めていれば、申請によって還付を受けられる可能性があります。
さかのぼり申請の可否や還付の範囲は、納付状況や時期によって変わるため、心当たりがある方は市区町村の国民年金窓口か年金事務所に相談してみてください。「もう過ぎたから無理」と自己判断せず、まず問い合わせる。これだけで取り戻せるお金がある可能性があります。
産前産後免除と他の免除・確定申告の関係を比較整理
産前産後免除は単独で完結する話ではなく、ふだんの確定申告や他の免除制度とも関わってきます。フリーランスとして年間を通じてお金の管理をするうえで、この相互関係を理解しておくと判断がぶれません。
全額免除・納付猶予との違いを比較する
国民年金の免除には、産前産後免除のほかに、所得が低い場合の「全額免除・一部免除」「納付猶予(50歳未満)」「学生納付特例」などがあります。これらと産前産後免除の決定的な違いは2つあります。
1つ目は、所得制限の有無です。全額免除などは所得審査がありますが、産前産後免除には所得制限がありません。2つ目は、年金額への反映です。全額免除の期間は将来の年金が満額の2分の1で計算されるのに対し、産前産後免除は満額納付と同じ扱いです。つまり、同じ「免除」でも、産前産後免除のほうが圧倒的に有利です。
仮に、出産する年に所得が低くて全額免除の対象にもなり得る場合でも、産前産後期間については産前産後免除が優先して適用されます。年金額が減らない産前産後免除のほうが得だからです。この優先関係を知らずに「どちらか一方しか使えない」と誤解する人がいますが、産前産後期間は産前産後免除、それ以外の低所得期間は全額免除、というように使い分け(併用)が可能です。
確定申告との関係|免除期間中の社会保険料控除はどうなる
確定申告で気になるのが、社会保険料控除の扱いです。国民年金保険料は全額が社会保険料控除の対象になりますが、産前産後免除を受けた期間は「保険料を払っていない」ため、その月分は控除の対象になりません。当然ながら、払っていないものを控除に計上することはできません。
一方で、免除期間以外に納付した国民年金保険料は通常どおり全額控除できます。また、付加保険料を免除期間中も納付した場合、その付加保険料は社会保険料控除の対象です。確定申告の際は、日本年金機構から届く「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」に記載された実際の納付額をベースに申告します。免除分は証明書にも反映されているので、証明書どおりに記入すれば計算ミスは起きにくい設計です。
確定申告そのものの進め方や、保険料を含む経費・控除の仕訳については、個人事業主の保険料は経費にできる?仕訳と確定申告の方法で具体的に解説しています。産前産後免除を受けた年の申告は、免除月の扱いで迷いやすいので、申告前に一度読んでおくと安心です。
出産育児一時金・国民健康保険料免除との合わせ技
出産にまつわる公的支援は、産前産後の年金・健康保険料免除だけではありません。出産時には「出産育児一時金」が、加入している健康保険(国民健康保険を含む)から支給されます。2023年4月以降、出産育児一時金は原則50万円に引き上げられています。これは免除制度とは別の給付なので、両方とも受け取れます。
つまり、自営業・フリーランスが出産する場合、(1)国民年金保険料の産前産後免除、(2)国民健康保険料の産前産後免除、(3)出産育児一時金の受給、という3つの支援を組み合わせて活用できます。これらは申請窓口がそれぞれ異なるため、出産前後に「年金・国保・一時金の3つを忘れずに手続きする」とメモしておくと取りこぼしがありません。会社員のように勤め先が代行してくれない分、フリーランスは自分で漏れなく押さえる必要があります。
最後に、産前産後の制度を踏まえたうえで、在宅フリーランスが出産・育児期をどう乗り切り、どう復帰していくかを、業務委託マッチングサービス上のデータや市場動向から考察します。制度で守れるのは保険料の負担までで、収入の回復は自分の働き方の設計次第だからです。
在宅・業務委託は出産期との相性がよい
そもそも、なぜ「産前産後 国民年金 免除 個人事業主」を検索する人が増えているのか。背景には、在宅・業務委託で働く人が増えているという構造があります。在宅ワーク求人サイトや業務委託マッチングサービスを見ると、ライティング・デザイン・EC運営代行・SNS運用代行・データ入力など、場所と時間に縛られない案件が数多く流通しています。
こうした在宅案件は、出産・育児期と相性がよいのが特徴です。通勤が不要で、納期さえ守れば作業時間を自分で組み立てられるため、体調や赤ちゃんのリズムに合わせて働けます。実際、出産前に案件を一旦セーブし、産前産後免除で保険料負担を抑えながら回復に専念し、落ち着いてから少しずつ案件を再開する、という働き方を選ぶ人は珍しくありません。制度(保険料免除)と働き方(在宅・業務委託)の両輪で、出産期の負担を最小化できるわけです。
復帰時に選びやすい在宅案件の領域
復帰のフェーズでは、いきなりフル稼働に戻すのではなく、稼働量を調整しやすい案件から再開するのが現実的です。たとえばAIコンサル・業務活用支援のお仕事のように、企業のAI導入や業務効率化を在宅で支援する領域は、近年需要が伸びています。生成AIの普及で「使いたいがどう活用すればいいかわからない」という企業が増えており、その橋渡し役のニーズが高まっているためです。
同様に、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事はマーケティング施策やセキュリティ対策を在宅で請け負える分野で、SNS運用やデータ分析の経験を活かしやすいのが特徴です。開発系のスキルがある方なら、アプリケーション開発のお仕事のように単価が高めで、リモートで完結しやすい案件もあります。こうした案件はスキルを示す材料があると受注しやすく、たとえば事務スキルならビジネス文書検定、ネットワーク系ならCCNA(シスコ技術者認定)のような資格が、信頼の裏付けとして機能します。
ここで一つ、私自身の現場での気付きを共有します。アパレルブランドのEC運営代行をしていると、中小ブランドは「デザインはできるけれどECの運営や商品説明文の作成、Instagram運用、在庫管理が手につかない」という悩みを抱えていることが本当に多いです。これらをまとめて在宅で請け負うと、非常に感謝されます。出産で一度仕事を離れても、こうした「まとめて任せられる人」のニーズは消えません。むしろ、子育てで生活者目線が磨かれることが、商品企画やSNSの言葉選びに活きる場面もあります。出産期は「キャリアの中断」ではなく、視点を増やす期間にもなり得るのです。
制度を使い倒し、収入の谷を浅くする
産前産後免除を整理してきて改めて感じるのは、フリーランスは「使える制度を知っているかどうか」で手取りが大きく変わるということです。会社員なら勤め先が代行してくれる手続きを、フリーランスは自分で見つけ、自分で申請しなければなりません。その分、産前産後の国民年金・国民健康保険料の免除や出産育児一時金など、申請すれば確実に効果が出る制度は、迷わず全て使い切るべきです。
そのうえで、収入面では在宅・業務委託という働き方を選ぶことで、出産前の案件の調整、出産後の段階的な復帰がしやすくなります。保険料の負担を制度で抑え、収入の谷を働き方で浅くする。この両輪を意識すれば、出産・育児というライフイベントを、キャリアを諦めずに乗り越えられます。制度は申請しなければ動きません。出産が決まったら、まず母子健康手帳の交付とあわせて、国民年金・国民健康保険の産前産後免除の申請を予定に組み込んでおく。たったこれだけで、出産前後の数か月分の保険料負担がなくなり、しかも将来の年金は減りません。フリーランスにとって、これほど確実に効くお金の対策はそう多くありません。生命保険など民間の備えの見直しも含めて、出産前後は家計を総点検する好機です。ライフステージ別の見直しの観点は生命保険の見直しポイント|ライフステージ別のチェックリスト、20代での選び方は20代の生命保険おすすめ|独身・既婚で変わる選び方で整理しているので、産前産後免除の申請とあわせて確認しておくと、出産期のお金まわりを一気に最適化できます。
公的機関・関連参考情報
本記事の内容に関連する公的機関や信頼できる情報源は以下の通りです。最新情報は公式サイトで確認してください。
よくある質問
Q. 自営業者でも産前産後の国民健康保険料は免除されますか?
2024年1月から、国民健康保険でも産前産後の保険料免除制度が始まりました。出産予定日(または出産日)の属する月の前月から4ヶ月分(多胎妊娠は6ヶ月分)の所得割と均等割が、所得制限なしで免除されます。会社員の社会保険とは異なり、市区町村の窓口への届出が必要なケースが多いため、母子健康手帳が交付されたら早めに手続きの方法を確認しておくと安心です。
Q. 免除期間中も付加年金に加入できますか?
残念ながら、保険料の免除(一部免除を含む)や納付猶予を受けている期間は、付加保険料(月額400円)を納めることはできません。また、国民年金基金への加入も制限されます。
Q. 国民年金保険料を払えない場合はどうすればいい?
放置するのが一番危険です。「免除制度」や「納付猶予制度」を申請してください。承認されれば、未納扱いにならず、将来の年金額にも(全額ではありませんが)反映されます。また、滞納すると将来の「障害年金」や「遺族年金」が受け取 れなくなるリスクがあります。
Q. フリーランスの妻が夫の社会保険の扶養に入るための条件は何ですか?
一般的に年間の見込み収入が130万円未満であることが条件ですが、健康保険組合によって「売上」か「必要経費を引いた所得」かという基準が異なります。事前に組合の規約を確認することが必須です。
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この記事を書いた人
丸山 桃子
アパレルEC運営支援・SNSコンサル
アパレル企業でMD・ECバイヤーとして勤務後、フリーランスに独立。アパレルブランドのEC運営支援・SNS運用を手がけ、ファッション・EC系の記事を執筆しています。
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