LPICの資格の段階と、在宅のインフラの仕事への活かし方


この記事のポイント
- ✓LPIC(エルピック)の資格を
- ✓Linux Essentialsから LPIC-1
- ✓LPIC-3までの段階と試験の中身の順に整理しました
エルピック(LPIC)の資格は、Linuxを扱うエンジニアの力を測る資格として長く知られてきました。サーバの仕事に就きたい人や、在宅でインフラの仕事を受けたい人が最初に調べる資格の1つです。一方で、日本では似た名前のLinuCという資格もあり、どちらを受ければよいのか迷う人も少なくありません。LPICは世界共通の認定で、段階を追って進む仕組みになっています。この記事では、LPICの段階と試験の中身を実施団体の公式ページで確かめたうえで、LinuCとの違い、勉強の進め方、在宅で受けられるインフラの仕事の種類と、未経験から近づく流れまでを順に整理します。
LPICとはどんな資格か
LPICは、非営利団体のLinux Professional Institute(LPI)が実施する、Linuxの技術者の認定です。Linuxとは、サーバやクラウドで広く使われている、無料で使えるOSのことです。OSとは、パソコンやサーバを動かすための土台になるソフトのことで、身近なものではWindowsやmacOSがあります。
LPIの公式ページでは、LPIは世界初で最大の、特定の会社の製品に偏らないLinuxとオープンソースの認定機関であり、350,000人以上の認定資格保有者がいて、180か国以上でプロフェッショナルを認定していると紹介されています。特定の会社の製品に偏らないことを、ベンダーニュートラルと呼びます。LPICで問われるのは、特定の会社のLinuxだけでなく、どのLinuxでも共通して使える知識と操作です。
LPICの認定には、5年間の有効期間があります。期限が来る前に同じ認定を受け直すか、上の段階の認定を取ると、有効期間を延ばせます。技術の変化が速い分野なので、学び直しが前提になっていると考えておくとよいでしょう。
LPICの段階と、それぞれで問われる力
LPIの認定は、入門のEssentialsと、プロ向けのLPIC-1、LPIC-2、LPIC-3に分かれています。公式ページの記載をもとに整理します。
| 段階 | 認定の条件 | 問われる力 | 有効期間 |
|---|---|---|---|
| Linux Essentials | 010試験に合格(40問・60分) | Linuxとオープンソースの基本、コマンドラインの基礎 | 生涯有効 |
| LPIC-1 | 101試験と102試験の両方に合格 | コマンドラインでの保守作業、Linuxのインストールと設定、基本的なネットワークの設定 | 5年間 |
| LPIC-2 | 有効なLPIC-1を持ち、201試験と202試験の両方に合格 | 中小規模のネットワークの管理、各種サーバの構築 | 5年間 |
| LPIC-3 | 専門分野ごとの試験に合格 | 混在環境、セキュリティ、仮想化とコンテナ、高可用性とストレージの4分野 | 5年間 |
Linux Essentialsには受験の前提条件がなく、Linuxに初めて触れる人が基礎を確かめるのに向いています。LPIC-1にも前提条件はなく、ここから始める人も多くいます。LPIC-2を受けるには、有効なLPIC-1を持っていることが条件です。
LPIC-3は、1つの試験ではなく、専門分野ごとの4つの認定に分かれています。WindowsとLinuxが混在する環境、セキュリティ、仮想化とコンテナ、止まらないシステムとストレージの仕組み、という分野です。ここまで来ると、特定の分野の専門家として仕事を受ける段階になります。
在宅でインフラの仕事を受けたい人が最初に目指すのは、LPIC-1です。LPIC-1は、サーバの日々の保守作業ができる力を示す認定で、インフラの仕事の入口にあたります。
Linux Essentialsから始めるかどうかの決め方
LPICを受けようとする人がまず迷うのが、入門のLinux Essentialsから受けるか、いきなりLPIC-1から始めるかです。どちらにも前提条件はないので、自分の今の段階で選びます。
Linux Essentialsから始めるのが向いているのは、次のような人です。
- パソコンの操作は慣れているが、文字でコマンドを打つ操作に触れたことがない
- オープンソースやライセンスの考え方を、基本から学びたい
- まず1つ合格して、学ぶ習慣をつけたい
Linux Essentialsは40問で60分の試験で、LPIの公式ページでは、Linuxとオープンソースの基本の考え方、コマンドラインの操作、ファイルとディレクトリの管理、簡単なシェルスクリプトの作成などの基礎を問うと説明されています。有効期間は生涯で、一度取れば期限を気にせずにすみます。
一方、ITの仕事の経験がある人や、すでにLinuxを少し触ったことがある人は、LPIC-1から始めても問題ありません。仕事で評価されるのは、主にLPIC-1から上の認定だからです。
なお、Linux Essentialsは現行のバージョン2.0(試験コード010-200)が始まったばかりで、公式ページでは、日本語を含む翻訳版は今後数か月以内に公開される予定と案内されています。日本語で受けたい人は、受験の前に、どの言語で受けられるかを公式ページで確かめてください。旧バージョン1.6(試験コード010-160)は2027年4月まで受験できるとされています。
LPIC-1の試験の中身
LPIC-1の現行のバージョンは5.0で、試験コードは101-500と102-500です。各試験は90分で、60問の多肢選択問題と穴埋め問題で構成されています。2つの試験の両方に合格すると、LPIC-1に認定されます。
それぞれの試験で扱う主な範囲は、公式ページで次のように示されています。
| 試験 | 主な範囲 |
|---|---|
| 101試験 | システムの構成、Linuxのインストールとパッケージ管理、GNUとUnixのコマンド、デバイスとファイルシステム |
| 102試験 | シェルとシェルスクリプト、画面まわりの仕組み、管理業務、基本的なシステムサービス、ネットワークの基礎、セキュリティ |
パッケージ管理とは、ソフトを入れたり、新しくしたり、取り除いたりする作業のことです。シェルとは、文字でコマンドを打ち込んでLinuxを操作する仕組みのことで、シェルスクリプトは、その命令をまとめて自動で実行させるためのものです。
LPIの公式ページは、LPIC-1の認定を受けるにはLinuxシステムの構成を理解すること、ファイルとアクセス権限とシステムのセキュリティを扱えること、ユーザーの追加やバックアップと復元、再起動などの簡単な保守作業ができることを求めていると説明しています。
試験は、ピアソンVUEのテストセンターで受けるほか、OnVUEという仕組みで自宅や職場からオンラインで受けることもできます。どちらも日本語で受験できます。受験料は国ごとに決められていて、公式の料金ページで国を選ぶと確かめられます。
LPIC-2とLPIC-3で広がる仕事
LPIC-2の現行のバージョンは4.5で、試験コードは201-450と202-450です。LPIC-1と同じく、各90分で60問の試験を2つ受けます。
LPIの公式ページでは、LPIC-2の認定者に求められる力として、次のようなものが挙げられています。
- Linuxカーネルに関する作業や、システムの起動と保守を含む、高度なシステム管理
- ストレージとファイルシステムの高度な管理、ファイアウォールやVPNを含むネットワークと認証の設定
- DHCP、DNS、SSH、Webサーバ、ファイルサーバ、メールの配信など、基本的なネットワークサービスの構築と設定
- アシスタントを監督し、自動化や購入について管理者に助言すること
ファイアウォールとは、外からの不正な通信を防ぐ仕組みのことで、VPNは、インターネット上に安全な専用の通り道を作る仕組みのことです。DNSは、ホームページの住所にあたる名前と、サーバの場所を結び付ける仕組みです。
LPIC-2まで進むと、サーバの日々の保守だけでなく、新しくサーバを組み立てる構築の仕事や、小さな会社のネットワーク全体を任される仕事が視野に入ります。LPIC-3は、セキュリティや仮想化など特定の分野を深く扱う段階で、専門の技術者として案件を受けるときの裏付けになります。
LPICとLinuCの違い
LPICを調べると、必ずと言ってよいほど出てくるのがLinuC(リナック)です。LinuCは、日本の団体であるLPI-Japanが実施するLinuxの技術者の認定です。
LPI-Japanは、長くLPICの普及を担ってきましたが、2018年に、試験配信会社を通じたLPICの取り扱いを基本的に止めると告知し、その後はLinuCを運営しています。LPI-Japanの告知では、次のように書かれています。
LPI-Japanでは長期にわたりLinux技術者認定試験として「LPIC」の普及活動を行なってまいりましたが、試験配信会社経由でのお取り扱いを基本的には停止することになりました。 出典: LPI-Japan LPIC
現在、LPICの試験はLPIが実施していて、日本からも日本語で受けられます。LinuCは、LPI-Japanが日本の現場に合わせて内容を見直した認定です。2つの違いを、公式の記載で整理します。
| 比べる点 | LPIC | LinuC |
|---|---|---|
| 実施団体 | Linux Professional Institute(非営利団体) | LPI-Japan(日本の団体) |
| 段階 | Essentials、LPIC-1から3 | レベル1から4(レベル4はシステムアーキテクト) |
| 最初の段階の試験 | 101試験と102試験、各90分・60問 | 101試験と102試験、各90分・約60問 |
| 受験料 | 国ごとに設定(公式の料金ページで確かめる) | 1試験あたり16,500円(税込) |
| 期限 | 有効期間5年 | 有効期限は無いが、有意性の期限が5年 |
LinuCのレベル1も、101試験と102試験の両方に合格すると認定され、2つの試験は5年以内に合格する必要があります。受験のための実務経験や前提の資格は求められていません。
どちらを受けるかは、使い道で決めます。海外の会社の仕事を受けたい人や、世界共通の認定を持っておきたい人はLPIC、日本の会社に向けて実力を示したい人や、日本語の学習教材を豊富に使いたい人はLinuCが選びやすいでしょう。どちらも、Linuxのサーバを扱う基礎の力を示すという点では同じ方向を向いています。
勉強の進め方
LPICの勉強は、本を読むだけでなく、実際にLinuxを動かして手を動かすことが欠かせません。コマンドを覚えても、自分で打ったことがなければ、試験の穴埋め問題にも、仕事の場面にも対応できないからです。
初めて学ぶ人の進め方の例を示します。
- 学習の環境を作る。手持ちのパソコンに仮想マシンを作ってLinuxを入れるか、クラウドのサービスで小さなサーバを借ります。仮想マシンとは、パソコンの中に、もう1台のパソコンをソフトで作る仕組みのことです
- 基本の操作を覚える。ファイルの作成とコピーと削除、ディレクトリの移動、権限の変更など、毎日使う操作をくり返し打ちます
- 試験の範囲に沿って学ぶ。公式の試験の目的(出題範囲)を見ながら、1項目ずつ確かめます
- 問題集で弱いところを探す。間違えた問題は、実際にコマンドを打って結果を確かめます
- 101試験に合格したら、102試験に進む
無料で使える教材もあります。LPI-Japanは、Linuxの基礎知識から簡単なサーバの構築までを学べる「Linux標準教科書」を公開しています。LinuCを受ける人向けに作られた教材ですが、Linuxの基本の操作はLPICと共通する部分が多く、初めて学ぶ人の入口として使えます。LPIも、公式ページで試験ごとの学習教材を紹介しています。
勉強の時間の目安は、人によって大きく違います。ITの仕事の経験がない人は、1日1時間ほどを続けて、101試験に数か月かかることも珍しくありません。焦らず、手を動かす時間を確保することが、合格への近道です。
勉強の記録を残しておくことも勧めます。その日に打ったコマンド、つまずいたところ、調べて分かったことを短く書いておくと、試験の前の見直しに使えるだけでなく、のちに仕事で同じ作業をするときの手順書の下書きにもなります。
勉強の中で身につけたい基本の操作
LPIC-1の範囲は広いですが、仕事でも毎日のように使う基本の操作があります。勉強の最初のうちに、次のような操作を、何も見ずに打てるようにしておくと、その後の学習が楽になります。
| 操作の種類 | 例 | 仕事で使う場面 |
|---|---|---|
| ファイルとディレクトリの操作 | 作成、コピー、移動、削除、一覧の表示 | 設定ファイルを控えてから書き換える |
| 権限の確認と変更 | 持ち主、読み書きと実行の許可 | 必要な人だけがファイルを触れるようにする |
| 文字の検索と加工 | ファイルの中から特定の文字を探す、並べ替える | エラーの記録から原因を探す |
| ソフトの管理 | 入れる、新しくする、取り除く | セキュリティの更新を当てる |
| プロセスの確認 | 動いているプログラムの一覧、止める | 重くなったサーバの原因を探す |
| ネットワークの確認 | 通信できるかの確認、設定の表示 | つながらないときの切り分け |
プロセスとは、サーバの中で動いているプログラムのひとつひとつのことです。こうした操作は、試験の問題としても出ますが、それ以上に、仕事の現場で何度も使います。
覚え方のコツは、意味を理解してから打つことです。コマンドの名前の由来や、付ける記号の意味を知っておくと、忘れにくくなります。たとえば、ファイルの一覧を表示するコマンドに付ける記号を変えると、隠れたファイルまで表示したり、詳しい情報まで表示したりできます。こうした違いを実際に打って確かめることが、穴埋め問題への備えにもなります。
勉強でつまずきやすいところ
LPICの勉強で多くの人がつまずくのは、次のようなところです。
1つ目は、ファイルシステムとディスクの管理です。ディスクをどう分けて、どこにつなぐかという考え方は、普段パソコンを使っていても意識しない部分です。図を書きながら、仮想マシンに実際にディスクを追加して試すと、理解が進みます。
2つ目は、権限の考え方です。誰が、どのファイルを、読めるか、書けるか、実行できるかを、数字や記号で表す仕組みは、最初は分かりにくいものです。自分で利用者を作り、権限を変えて、読めるかどうかを確かめると、仕組みが体で分かります。
3つ目は、ネットワークの基礎です。IPアドレスやポートの考え方は、Linuxだけでなく、インフラの仕事全体の土台になります。IPアドレスとは、ネットワークにつながる機器のひとつひとつに割り当てられる番号のことです。分かりにくいと感じたら、ネットワークの入門書を1冊並行して読むのも1つの方法です。
つまずいたときは、問題集の解説を読むだけで終わらせず、仮想マシンで同じ操作をしてみることが大切です。間違えた操作でも、仮想マシンなら作り直せます。壊しても困らない環境で試せることが、自分で学習の環境を作る大きな利点です。
試験の申し込みから当日までの流れ
LPICの試験は、日時と会場を自分で選んで受けられます。申し込みから当日までの流れを整理します。
- LPIのアカウント(LPI ID)を作る
- 試験を配信するピアソンVUEで、受ける試験と、テストセンターかオンライン(OnVUE)かを選び、日時を予約する
- 受験料を支払う。受験チケット(バウチャー)を先に買っておく方法もある
- 当日は、本人確認の書類を用意して受ける
オンラインで受ける場合は、自宅や職場の静かな個室で、決められた条件を満たすパソコンとカメラを用意します。机の上や部屋の様子を確かめられることもあるので、事前に試験配信会社の案内を読み、動作の確認をしておきます。テストセンターで受ける場合は、会場までの時間に余裕を持って出かけます。
2つの試験は、同じ日に受けることもできますが、101試験に合格してから102試験の勉強に集中する人が多くいます。受け方の決まりや、不合格だったときに再び受けられるまでの期間は、公式ページの方針で確かめてください。
在宅で受けられるインフラの仕事の種類
インフラの仕事とは、サーバやネットワークなど、システムが動くための土台を作り、守る仕事のことです。LPICで学ぶ知識は、こうした仕事の基礎になります。在宅で受けられるインフラの仕事には、次のようなものがあります。
| 仕事の種類 | 主な内容 | 求められる段階の目安 |
|---|---|---|
| 運用・監視 | サーバが正しく動いているかを見張り、異常があれば決められた手順で対応する | LPIC-1程度の基礎 |
| 保守 | ソフトの更新、ユーザーの追加、バックアップの確認など、日々の作業を行う | LPIC-1程度の基礎と実務の経験 |
| 構築 | 新しくサーバを組み立て、Webサーバやメールなどを設定する | LPIC-2程度の知識と経験 |
| クラウドの設定 | クラウドのサービス上でサーバやネットワークを組み立てる | Linuxの知識に加え、クラウドの知識 |
| 自動化 | くり返しの作業をスクリプトで自動にする | シェルスクリプトの経験 |
運用や監視の仕事は、決められた手順に沿って進めることが多く、未経験に近い人が最初に関わりやすい仕事です。一方で、サーバの異常は時間を選ばずに起きるため、夜間や休日の対応が求められる契約もあります。在宅で受ける場合も、対応できる時間帯を最初にはっきり伝えておくことが大切です。
インフラの仕事では、Linuxの知識と合わせて、ネットワークの知識も求められます。ネットワークの機器の設定や仕組みを学ぶなら、CCNA(シスコ技術者認定)が代表的な資格です。LinuxのLPICとネットワークのCCNAを組み合わせると、サーバとネットワークの両方を扱える人として仕事の幅が広がります。
在宅でインフラの仕事をするときに求められること
インフラの仕事を在宅で受けるときは、技術の力のほかに、守らなければならない決まりがいくつもあります。会社のサーバに外から入って作業するため、ひとつの操作の誤りや、情報の扱いの甘さが、依頼した会社に大きな損害を与えるおそれがあるからです。
在宅の作業で求められることの例を挙げます。
- 決められたVPNや作業用の端末だけを使い、個人用のパソコンから会社のサーバに入らない
- 作業の手順書を作り、依頼者の確認を受けてから作業する
- 作業の前にバックアップを取り、元に戻す手順を用意しておく
- 作業の記録を残し、何をいつ変えたかを依頼者に報告する
- パスワードや鍵の扱いに気をつけ、メールやチャットに書かない
- 秘密保持の約束を守り、作業で知った情報を外に漏らさない
インフラの仕事では、「動いているものを止めない」ことがいちばん大切です。変更を加える作業は、利用者の少ない時間帯に行うことが多く、作業の時間帯の調整も仕事の一部になります。
在宅で働く環境も整えます。安定したインターネット回線、作業の内容が家族から見えない場所、セキュリティソフトを入れた作業用のパソコンなどです。依頼者によっては、作業環境の条件を契約で定めていることもあります。
未経験から在宅のインフラの仕事に近づく流れ
インフラの仕事は、経験を重視する分野です。資格を取っても、実務の経験がないうちから、在宅ですぐにサーバの構築を任されることはまれです。未経験から近づくための流れを整理します。
- LPIC-1(またはLinuCレベル1)を取り、Linuxの基礎を固める
- 自分で小さなサーバを作り、Webサーバを動かすなど、手を動かした経験を積む。作った手順を文章にまとめておくと、実績として説明できます
- 運用・監視の仕事や、会社の社内のIT担当など、経験を積める仕事に就く。最初は出社が必要な仕事でも、経験を積むことを優先します
- 経験を積みながら、LPIC-2や、クラウド、ネットワークの資格に進む
- 経験と資格がそろってきたら、在宅で受けられる保守や構築の仕事を探す
在宅のインフラの仕事は、会社勤めで経験を積んだ人が、働き方を変えるときに選ぶことが多い仕事です。最初から在宅にこだわるより、まず経験を積める仕事に就き、その経験を在宅の仕事につなげる方が、結果として近道になります。
副業でインフラの仕事を受ける場合は、勤め先の就業規則で副業の扱いを確かめます。インフラの仕事は、勤め先の仕事と内容が近いことが多く、競業や秘密の扱いに触れないかも確かめておく必要があります。
在宅のインフラの仕事を探すときに見せるもの
在宅でインフラの仕事を探すとき、依頼する側が知りたいのは、資格の名前より「この人に自社のサーバを任せて大丈夫か」です。応募や提案のときに、次のようなものを見せられるようにしておくと、判断の材料になります。
- 扱ったことのあるLinuxの種類と、使ったことのあるサービス(Webサーバ、データベース、メールなど)
- 自分で組み立てたサーバの構成図と、構築の手順を書いた文書
- 作ったスクリプトの例と、何を自動にしたのかの説明
- 対応できる時間帯と、急な対応への考え方
- 作業の報告のひな形
構成図とは、サーバやネットワークの機器がどうつながっているかを示す図のことです。手書きを清書したものでも、図を作るソフトで描いたものでもかまいません。自分で作った環境の構成図があると、知識だけでなく、実際に組み立てた経験があることが伝わります。
インフラの仕事は、依頼者の大切な情報を扱う仕事なので、最初は小さな作業から任されることが多くあります。小さな作業でも、手順書を作り、報告を丁寧にすることで、少しずつ任される範囲が広がっていきます。
副業でインフラの仕事を受けるときの契約の確かめ方
会社に勤めながら、副業でインフラの仕事を受ける人もいます。サーバの保守や小さな構築の作業は、夜や休日に進められることもあり、副業として選ばれやすい仕事です。ただし、インフラの仕事ならではの注意点があります。
まず、勤め先の決まりです。厚生労働省のモデル就業規則(令和7年12月版)の第70条では、労働者は勤務時間外に他の会社の業務に従事できるとしたうえで、会社の秘密が漏れる場合や、競業によって会社の利益を害する場合などには、会社が禁止や制限をできるとしています。インフラの仕事は、勤め先の仕事と内容が近いことが多いので、自分の会社の就業規則で、副業の届け出と、競業の扱いを確かめます。
次に、契約の中身です。副業で受ける場合も、次の点を文章で確かめておきます。
- 作業の範囲と、範囲の外の作業を頼まれたときの扱い
- 対応する時間帯と、急な障害への対応の有無
- 作業の誤りでサーバが止まったときの責任の範囲
- 秘密保持の範囲と、作業が終わったあとの情報の扱い
- 報酬と支払いの時期
特に、障害への対応の有無ははっきりさせておきます。本業の勤務時間中に呼び出されても対応できないなら、その旨を契約の段階で伝えておくことが、依頼者との信頼を守ることにつながります。
インフラの仕事の市場をどう見るか
LPIの公式ページでは、オープンソースの利用が世界の組織で広がっているという調査が紹介されています。サーバやクラウドの多くはLinuxで動いており、Linuxを扱える人の需要は、クラウドの広がりとともに続いています。
一方で、インフラの仕事の中身は変わりつつあります。自社でサーバを持つ会社が減り、クラウドのサービスを使う会社が増えたことで、サーバを1台ずつ組み立てる仕事より、クラウドの設定や、作業の自動化の仕事が増えています。Linuxの基礎は、こうした新しい仕事でも土台になりますが、Linuxだけでなく、クラウドやセキュリティの知識を重ねていくことが求められます。
セキュリティの分野は、インフラの知識が活きる分野の1つです。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、情報セキュリティ対策を含む、企業のテクノロジー活用を支える仕事の内容を紹介しています。また、アプリを作る側に進みたい人には、サーバの知識が強みになります。アプリケーション開発のお仕事では、Webアプリなどを企画・設計・実装する仕事の内容をまとめています。
インフラの仕事は、1件ごとの作業より、同じ依頼者のシステムを長く見守る形で続くことが多い仕事です。信頼を得た相手から継続して頼まれることが、在宅で働き続けるための土台になります。
在宅ワークの仲介を続けてきた立場から見えること
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、技術の仕事を在宅で長く続けている人には共通点があります。資格の数より、作業の報告の丁寧さで信頼を得ている点です。インフラの仕事は、うまくいっているときは目に見えにくい仕事です。何をしたか、なぜそうしたかを分かる言葉で報告できる人に、依頼は続きます。
もう1つ見えるのは、依頼する側と受ける側が直接やりとりできる形の方が、仕事が続きやすいということです。間に入る手数料が少なければ、依頼する側は同じ予算でより長い時間の保守を頼め、受ける側の手取りは厚くなります。毎月の保守のように長く続く仕事ほど、手数料0%で直接取引できる場を使えるかどうかの差が積み重なります。
LPICを仕事につなげるために整えておくこと
最後に、LPICの勉強と並行して整えておくと、仕事につながりやすくなることを挙げます。
- 自分で作ったサーバの構成と、作るときの手順を文章にまとめる
- 勉強で使ったコマンドやスクリプトを、説明つきで整理しておく
- 作業の手順書と報告書のひな形を作る
- 次に学ぶ分野(ネットワーク、クラウド、セキュリティ)を決める
ネットワークの分野に進むなら、CCNA(シスコ技術者認定)が次の目標の候補になります。ネットワークの設計・構築・運用に必要な基礎知識を体系的に示せる資格で、LPICで学んだサーバの知識と組み合わせると、インフラ全体を見渡せる力がつきます。
LPICは、Linuxの基礎を世界共通の基準で示せる資格です。資格を取ったことを入口に、手を動かした経験を積み、報告の丁寧さで信頼を重ねていく。この積み重ねが、在宅のインフラの仕事につながります。
よくある質問
Q. LPICとLinuCはどちらを受ければよいですか?
使い道で決めます。LPICは非営利団体のLPIが実施する世界共通の認定で、海外の会社の仕事を受けたい人に向いています。LinuCは日本のLPI-Japanが実施する認定で、日本語の教材が豊富です。どちらも最初の段階は101試験と102試験の両方に合格する形で、Linuxのサーバを扱う基礎の力を示すという点では同じです。
Q. LPIC-1に受験の条件はありますか?
LPIの公式ページでは、LPIC-1に前提条件はないと案内されています。実務の経験がない人でも受験できます。認定には101試験と102試験の両方に合格する必要があり、各試験は90分で60問です。LPIC-2を受けるには、有効なLPIC-1を持っていることが条件になります。
Q. LPICに有効期限はありますか?
LPIC-1、LPIC-2、LPIC-3には5年間の有効期間があります。期限の前に同じ認定を受け直すか、上の段階の認定を取ると、有効期間を延ばせます。入門のLinux Essentialsは生涯有効とされています。期限の扱いは変わることがあるので、LPIの公式ページで最新の内容を確かめてください。
Q. 資格を取れば在宅でインフラの仕事を受けられますか?
資格だけで在宅の仕事をすぐに受けるのは難しいのが実情です。インフラの仕事は経験を重視する分野で、最初は運用・監視の仕事や社内のIT担当など、経験を積める仕事に就く人が多くいます。手を動かした経験と資格がそろってから、在宅で受けられる保守や構築の仕事を探すと、近づきやすくなります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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