LP制作・コーディングが続かない理由は、修正対応を工数に入れないこと

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
LP制作・コーディングが続かない理由は、修正対応を工数に入れないこと

この記事のポイント

  • LP制作・コーディングの副業が続かない理由を
  • 工数の観点から分析します
  • 実装より時間を食う修正対応と確認作業をどう見積もりに織り込むか

LP制作・コーディングの副業が続かない理由は、結論から言うと1つです。修正対応の時間を工数に入れていないから。技術力でも、営業力でも、根性でもありません。見積もりの構造の問題です。案件を受けるたびに想定の1.5倍から2倍の時間がかかり、時給換算するとアルバイトを下回る。それが数回続くと、人は続けられなくなります。この記事では、なぜ修正対応が工数から抜け落ちるのかという構造を分解し、実測の取り方、見積もりへの織り込み方、そして続けている人が実際に何をしているのかを整理します。撤退や方向転換の判断基準にも触れます。正直なところ、この分野を無条件におすすめする記事が多すぎると感じているので、悪い面も書きます。

前提として、この市場は簡単ではない

まず現状認識から始めます。ここを曖昧にしたまま「続け方」を語っても意味がありません。

供給過多という構造

LPコーディングは、初心者向けの副業として長く推奨されてきました。その結果、同じスキルレベルの人が同時に大量に参入しています。この構造については、次のように指摘されています。

LPコーディング案件は初心者の副業に不向き 案件遂行できるレベルになるまで時間がかかりすぎる上、副業ブームで供給過多になっている 実務経験のあるハイスキルな方へ集中的に仕事が集まっている状況に 出典: profuku.com

厳しい書き方ですが、実態に近い指摘です。フェアに書くなら、この指摘は「初心者が稼げない」という意味ではなく、「初心者向けの入口案件は競争が激しく、単価が上がりにくい」という意味です。案件そのものは発生し続けています。広告出稿がある限りLPは作り替えられるからです。問題は、入口の案件だけを繰り返していると、単価が上がらないまま作業量だけが増えることにあります。

学習コストは想定より大きい

HTMLとCSSの基礎を学ぶだけなら、比較的短期間で到達できます。ただし、案件として成立する水準は別です。デザインデータを正確に読み取る、レスポンシブ対応を設計する、複数ブラウザで表示を揃える、フォームや計測タグを組み込む。ここまで含めると、独学で数か月かかるのが普通です。

続かない人の多くは、この学習期間の途中で案件を受けています。受けること自体は悪くありませんが、学習しながら納期を守るのは負荷が高い。しかも、学習中に発生する調べ物の時間は、見積もりに入っていません。ここが最初のずれです。

本題。修正対応は、なぜ工数から消えるのか

ここが記事の核心です。3つの理由が重なっています。

理由1 見積もりの単位が「実装」になっている

多くの人は、見積もりを作るときに「コードを書く時間」を数えます。ヘッダーに1時間、ファーストビューに2時間、といった積み上げです。この積み上げ自体は正しい。問題は、そこで終わっていることです。

実際の案件では、書き終えたあとに、確認、指摘の受領、修正、再確認、再修正、という往復が発生します。この往復の時間は、実装時間とは別に存在します。にもかかわらず、見積書の項目には現れません。項目にないものは、意識からも消えます。

理由2 修正の量が事前に読めない

実装時間はある程度予測できます。修正時間は予測できません。相手の確認体制、決定権者の数、当初の要件の固まり具合によって、往復の回数が変わるからです。予測できないものを見積もりに入れるのは難しく、だから省かれます。

しかし、予測できないことと、計上しないことは別です。保険と同じで、平均的な発生量を見込んで枠を取っておくのが正しい扱いです。

理由3 「サービス」として無償対応してしまう

初期の案件では、次につなげたい気持ちから、追加の依頼にも無償で応じてしまいがちです。その1回はよくても、それが標準になると、以降すべての案件で同じ扱いになります。無償対応を織り込んだ単価にはなっていないので、案件が増えるほど時間あたりの収入は下がります。

正直なところ、これはかなり多くの人が通る道です。悪意のある発注者に搾取されているというより、自分で単価構造を壊してしまっているケースのほうが多い。

工数の内訳を、実際に書き出してみる

抽象論ではわかりにくいので、内訳の形を示します。

LP1枚の工程と、時間の配分

新規でLPを1枚組む場合、工程は概ね次のように分かれます。素材の受領と確認、環境の準備、共通パーツの実装、各セクションの実装、レスポンシブ対応、動きの実装、テストと表示確認、修正対応、公開作業。

このうち、実装に該当するのは3工程だけです。残りの6工程は、実装以外の時間です。実務では、実装以外の工程が全体の半分近くを占めることも珍しくありません。特にテストと修正対応は、初学者ほど比率が高くなります。

制作期間の目安として、コーディングのみの依頼で3日から10日という水準が示されることが多いのですが、この幅の広さ自体が、実装以外の要素で日数が変動することを表しています。同じ枚数でも、確認の往復が多い案件は日数が倍近くになります。

実測を取る方法

自分の工数を知る唯一の方法は、記録することです。おすすめは、工程ごとに開始と終了の時刻を書き留めるだけの単純な方法です。凝ったツールは要りません。表計算ソフトに、日付、工程名、時間、備考の4列があれば十分です。

3案件分の記録が集まると、自分の傾向が見えます。実装は速いが確認で時間を溶かしているのか、そもそも実装の見積もりが甘いのか。傾向がわかると、対策が具体的になります。感覚で「今回は大変だった」と振り返るのと、「修正対応に実装の6割の時間を使っていた」と数字で見るのとでは、次の行動が変わります。

時給換算をしてみる

記録が取れたら、報酬を総時間で割ってください。ここで多くの人がショックを受けます。実装時間だけで割れば妥当に見えた単価が、総時間で割ると大きく下がるからです。

ただし、ここで落ち込む必要はありません。最初の数件で時給が低くなるのは、学習コストが乗っているからです。問題は、5件目、10件目でも同じ水準のままであることです。同じ水準が続いているなら、単価の設計か、案件の選び方に問題があります。

技術職としての単価の分布はソフトウェア作成者の年収・単価相場で確認できます。市場全体の水準に対して自分がどこにいるかを把握しておくと、値上げのタイミングを判断しやすくなります。

修正対応を、見積もりに織り込む具体的な方法

ここからは対策です。難しいことはしません。

方法1 修正枠を工数として明記する

見積書に「修正対応(2回まで)」という項目を立て、そこに時間と金額を割り当てます。金額を書くことに抵抗があるかもしれませんが、内訳として示すほうが、発注側にとっても親切です。修正が無料だと思われている限り、依頼は際限なく増えます。

割り当てる時間の目安は、実装時間の20%から30%です。実測が取れたら、自分の数字に置き換えてください。

方法2 バッファ率を固定する

見積もりを出すとき、実測値に一定の係数を掛けます。初学者なら1.5倍、慣れてきたら1.2倍程度が現実的です。この係数を毎回変えないことが重要です。案件ごとに「今回は簡単そうだから」と下げると、そういう案件ほど想定外が起きます。

方法3 追加分の単価を先に決める

修正回数の上限を超えた分について、単価を先に提示しておきます。時間単価でも、作業項目単位でも構いません。決まっていれば、追加依頼が来たときに見積もりを出すだけで済みます。決まっていないと、そのつど値付けの心理的負担が発生し、面倒だからと無償で受けてしまいます。

方法4 確認の回数を構造で減らす

工数を減らす方向の対策も有効です。初稿を出す前に構造だけを共有する、修正依頼の受け口を1本に絞る、確認用のページを常に最新に保つ。この3つで、往復の回数はかなり減ります。減った分がそのまま時給の改善になります。

案件で求められる作業範囲を明確に説明したいときは、職種ごとの業務内容を整理したLP制作・HTML/CSSコーディングのお仕事が土台として使えます。標準的な範囲を第三者の記述で示せると、範囲外の依頼を追加として扱いやすくなります。

続けている人が、実際にやっていること

続いている人と、離脱する人の差は、才能ではありません。行動の差です。

型を持っている

毎回ゼロから組んでいる人は、案件のたびに同じ調べ物をします。続いている人は、自分の型を持っています。よく使うレイアウトの雛形、共通のスタイル、確認項目のチェックリスト。これらが手元にあると、実装時間が短縮されるだけでなく、抜け漏れによる手戻りが減ります。

型を作る作業は、最初の数案件では利益になりません。3件目以降から効いてきます。ここを面倒がって作らないと、10件目でも1件目と同じ時間がかかります。

案件を選んでいる

続いている人は、すべての案件に応募していません。デザインデータが完成している、修正回数の上限に同意してもらえる、納期に幅がある。この3条件を満たす案件を選んでいます。

選ぶためには、応募先の母数が要ります。母数がないと選べないので、結果として条件の悪い案件を受けることになります。案件を探す先を複数持っておくことが、条件を選ぶための前提条件です。

記録している

これは地味ですが、効果が大きい行動です。工数を記録している人は、値上げの根拠を持てます。「前回の案件では修正対応に想定の倍の時間がかかったため、今回は修正枠を明記します」と言えるかどうかは、記録の有無で決まります。

隣接領域を持っている

LP制作だけで案件を埋めようとすると、閑散期に収入がゼロになります。ゼロになると焦り、条件の悪い案件を受け、時給がさらに下がる。この悪循環を避けるために、隣接する仕事を持っている人が多い。

数値改善やマーケティングの側に広げるならAI・マーケティング・セキュリティのお仕事に該当する依頼が参考になります。文章の仕事を並行させる場合の単価感は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確認できます。まったく別ジャンルとして、成果物が明確でオンラインで完結する作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事のような領域を持っている人もいます。

工数の内訳を、表にして眺めてみる

言葉だけだと実感しにくいので、内訳の形を表にしておきます。数字は案件によって変わるので、あくまで配分の傾向として見てください。

工程 実装中心の見積もりでの扱い 実際に発生しやすい負荷
素材の受領と確認 計上されないことが多い 不足の発見と再依頼で数日止まる
環境の準備 計上されないことが多い 案件の初回のみ数時間
共通パーツの実装 計上される 型があれば短縮できる
各セクションの実装 計上される 見積もりどおりに進みやすい
レスポンシブ対応 一部だけ計上される 設計が甘いと実装の半分の時間がかかる
テストと表示確認 ほぼ計上されない 端末が増えるほど比例して増える
修正対応 ほぼ計上されない 実装時間の2割から3割
公開作業 計上されないことが多い 先方の環境待ちで日数がずれる

この表を見るとわかるとおり、計上されない工程が全体の半分を占めています。しかも、そのどれもが「自分の作業速度では短縮できない」性質を持っています。素材の不足は相手の対応待ちですし、公開作業はサーバー情報の受領待ちです。速く手を動かせば解決する、という種類の問題ではありません。

続かない人は、この表の右列を「例外的なトラブル」だと考えています。続く人は、これを「毎回起きる標準工程」として最初から見積もりに入れています。認識の差はこれだけです。

単価を上げるには、何を変えるか

工数を正しく計上すると、次に出てくる問題は「その金額では受けてもらえないのでは」という不安です。ここも整理しておきます。

範囲を明示すると、比較の土俵が変わる

同じ10万円でも、何が含まれるかが書かれていない見積もりと、範囲と修正回数と対応ブラウザが書かれた見積もりでは、受け取られ方が違います。後者は、金額の妥当性を判断できる情報が揃っているからです。判断できる見積もりは、値切りの対象になりにくい。

実際、依頼先による費用の幅はかなり大きく、大手の開発会社に一式を頼めば60万円以上、コーディング代行は数万円台、フリーランスへの依頼は10万円程度が目安として語られます。この差は技術力ではなく、含まれる工程の差です。自分の見積もりに何が含まれるかを書くだけで、この幅のどこに位置するのかが伝わります。

成果に寄せた提案ができると、単価の話が変わる

LPは成果を出すために作られるページです。表示速度、フォームの入力しやすさ、ファーストビューの構成といった、成果に関わる観点で提案ができると、作業者ではなく相談相手として扱われます。単価の交渉が、時間の切り売りの交渉ではなくなります。

この領域は、技術を極める方向より習得の負荷が軽いのが利点です。数値の読み方と、改善の定石をいくつか知っているだけで、会話の質が変わります。

値上げは、既存の相手より新規の相手で試す

すでに取引のある相手に値上げを申し出るのは、心理的な負担が大きい。まずは新規案件で新しい単価を提示し、通ることを確認してから、既存の相手に順次適用するほうが進めやすい方法です。通らなければ元の水準に戻せばよく、失うものがありません。

1年続けるための、ペース配分

最後に、継続の設計について書きます。多くの人が、始めた直後に飛ばしすぎて止まります。

同時進行は2件までにする

複数案件を並行すると、切り替えのたびに状況を思い出す時間が発生します。副業として使える時間が1日2時間程度なら、同時進行は2件が上限です。3件を超えると、進行管理そのものが工数になります。

月の稼働上限を先に決める

「案件が来たら受ける」という運用は、必ずどこかで破綻します。月に使える時間の上限を先に決め、その範囲を超える依頼は納期をずらすか断ります。上限を決めていないと、断る理由を毎回考えることになり、その判断疲れが継続を難しくします。

学習の時間を、稼働とは別枠で確保する

案件だけをこなしていると、技術が案件の範囲から広がりません。週に2時間でよいので、案件と無関係な学習の時間を確保してください。この時間が、翌年の単価を作ります。逆に、この枠を最初に削ってしまう人は、1年後も同じ単価の案件を受けています。

休む日をあらかじめ決める

続かない理由として、単純な消耗も無視できません。副業の時間を毎日埋めると、数週間は走れても、そのあとで一気に止まります。週に1日は触らない日を決めておくことが、結果として年間の総稼働を増やします。

続かない原因が、工数以外にある場合

工数の話だけで片付かないケースもあるので、フェアに書いておきます。

作業環境が原因のケース

通信環境が不安定だと、データの受け渡しや表示確認のたびに待ち時間が発生します。この待ち時間は工数に計上されませんが、確実に消耗します。在宅で作業する時間が長いなら、環境の整備は投資として妥当です。回線の選び方は在宅ワークに最適なネット回線|光回線vsホームルーターの選び方にまとまっています。

集中の持続が原因のケース

副業の時間帯は、本業や家事のあとであることが多く、そもそも集中しづらい条件です。この状態で難易度の高い工程に手をつけると、進まないまま時間だけが過ぎます。作業の割り当て方を変えるだけで改善する場合があるので、在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックのような方法を試す価値はあります。

スキルの証明が原因のケース

実績が薄いうちは、条件の良い案件に応募しても選ばれにくい。この状態が続くと、単価の低い案件しか受けられず、時給が上がりません。資格が万能とは言いませんが、公開作業やサーバー周りまで対応できることを示したいならCCNA(シスコ技術者認定)、やり取りの質を担保したいならビジネス文書検定が候補になります。在宅で使える資格を横断的に比較したい場合は在宅ワークに強い資格10選|自宅で稼げるスキルを身につけるが参考になります。

撤退と方向転換の判断基準

続けることだけが正解ではありません。判断の基準を持っておくべきです。

判断の材料は3つあります。1つ目は、時給の推移です。5件目以降も総時間ベースの時給が上がらないなら、単価設計か案件選びに構造的な問題があります。この場合、やめるより先に、見積もりの作り方を変えてみてください。それでも変わらないなら、市場のポジションが合っていない可能性があります。

2つ目は、修正対応の比率です。実装時間に対する修正時間の比率が、案件を重ねても下がらない場合、要件を固める工程に問題があります。これは技術ではなく進行管理の課題なので、そこを学ぶか、要件が固まっている案件に絞るかの選択になります。

3つ目は、作業そのものへの感覚です。細部を詰める作業に消耗を感じ続けるなら、無理に続ける理由はありません。同じWeb系でも、原稿を書く仕事、数値を見る仕事、素材を作る仕事など、性質の違う入口があります。撤退ではなく、隣に移るという選択肢を先に検討してください。

3か月でやめた人と、3年続けた人の分かれ目

最後に、期間で区切って比較してみます。傾向がはっきり出るからです。

3か月でやめた人に多いのは、最初の案件で想定の倍の時間がかかり、その原因を自分の能力不足だと解釈したパターンです。実際には、素材の不足、要件の曖昧さ、修正の往復といった、能力とは無関係な要因が大半を占めています。原因を取り違えると、対策も間違えます。技術書をもう1冊買っても、素材待ちの日数は減りません。

半年から1年でやめた人に多いのは、単価が上がらないまま作業量だけ増えたパターンです。案件は取れる。納品もできる。ただ、時給換算すると割に合わない。この段階で必要なのは技術の上積みではなく、見積もりの作り直しです。範囲を明示し、修正枠を計上し、追加の単価を決める。この3つを一度やるだけで、次の案件から数字が変わります。

3年続いた人に共通しているのは、記録があることです。どの案件にどれだけ時間がかかったかを持っている人は、値上げの根拠も、断る根拠も、受ける根拠も、すべて数字で説明できます。説明できると、交渉が感情の勝負にならない。淡々と条件を提示して、合わなければ次に行く。この態度が取れるかどうかが、長期の分かれ目でした。

そして、続いた人が特別に器用だったかというと、そんなことはありません。むしろ最初の案件で大きく失敗している人のほうが多い。違ったのは、失敗のあとに見積もりの形を変えたかどうかです。同じ形で受け続ければ、同じ結果が出ます。当たり前のことですが、ここを変えずに気合いで乗り切ろうとする人が、いちばん多く離脱していきます。

見積もりの形を変えるのは、1回で済む作業

見積もりの作り直しというと大がかりに聞こえますが、実際にやることは項目を足すだけです。範囲の定義、修正枠の時間と金額、超過時の単価、納期の起点。この4行を一度書けば、次の案件からはコピーして数字を入れ替えるだけになります。所要時間は最初の1回でせいぜい30分程度です。その30分を惜しんだために、案件ごとに数時間から数十時間の無償労働が積み上がっている。これが、続かない理由の実態です。

案件データから読み取れる、続く人の条件

在宅の案件を長く扱ってきた立場から言えば、続いている人には共通した特徴があります。単発の作業を高速でこなす人ではなく、同じ相手からの依頼が積み上がっている人です。継続案件は、要件の説明が省略でき、相手の好みも分かっているため、修正の往復が構造的に減ります。つまり、続く人は工数が少なくて済む状態を自分で作っている。

運営者として市場を見てきた限りでは、この「確認が少なくて済む関係」の価値は、単価の数%といった話ではありません。同じ報酬額でも、実作業時間が3割減れば時給は4割以上変わります。そして、間に何段も業者が入る取引ほど、伝言の往復が増えて確認コストが上がります。直接やり取りできる関係であれば、決定権者と条件を直接詰められるうえ、手数料0%の分だけ手取りが厚くなる。依頼する側も同じ予算でより多く頼めるので、双方にとって続けやすい構造になります。

もう1点、外部から見た実感として、離脱していく人の多くは技術で詰まっていません。見積もりで詰まっています。書ける人が続かない市場だとしたら、それは技術の市場ではなく、設計と交渉の市場だということです。LP制作・コーディングが続かない理由を、自分の能力の問題として片付けないでください。工数表に修正対応の行を1つ足すところから、変えられます。

よくある質問

Q. 修正対応は、見積もりのどのくらいの割合を見込むべきですか?

実装時間の20%から30%を目安に枠を取り、見積書に独立した項目として記載してください。回数の上限もあわせて明記し、超過分は別途見積もりとします。実測が3案件分たまったら、自分の数字に置き換えてください。初学者のうちは、実測値に1.5倍のバッファを掛けた日数と工数で提示するのが現実的です。

Q. 何件くらい受ければ、時給が安定してきますか?

明確な件数はありませんが、目安として5件目以降も総時間ベースの時給が上がらない場合は、単価設計か案件選びに構造的な問題があります。自分の型(雛形、共通スタイル、確認チェックリスト)が揃うのが3件目前後で、そこから実装時間と手戻りが減り始めます。工数記録を取っていないと、この変化に気づけません。

Q. 供給過多と言われる市場で、初心者が続ける意味はありますか?

入口の案件は競争が激しく単価が上がりにくいのは事実です。ただし案件そのものは発生し続けており、要件が固まった案件を選び、継続取引に育てられる人には余地があります。入口案件だけを繰り返すのではなく、数値改善や隣接領域へ広げて依頼の幅を持つことが、続けるうえでの現実的な戦略になります。

Q. 無償で修正に応じてしまう癖は、どう直せばよいですか?

着手前に修正回数の上限と超過時の単価を決め、見積書に明記することです。決まっていないと、そのつど値付けの判断が必要になり、面倒さから無償対応を選んでしまいます。すでに無償対応が標準になっている相手には、次回の案件から条件を明示した見積書で受ける形に切り替えると、角を立てずに修正できます。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年6月29日最終更新:2026年8月25日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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