コマツの個人情報が閲覧可能な状態に|外部ユーザー招待の仕組み 139,302名 氏名・メールアドレス・9月の続報 対象と確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓コマツ(小松製作所)の情報漏洩として検索されている件を
- ✓2026年6月16日と9月15日の公式発表で整理
- ✓外部ユーザー招待の仕組みで139,302名の氏名やメールアドレスが登録ユーザー間で閲覧可能だった範囲
コマツの情報漏洩として検索されている件は、株式会社小松製作所が2026年6月16日に公表した「個人情報が閲覧可能な状態にあったことに関するお知らせ」の事案です。外部の人を招待するための利用者管理の仕組みで、設定上の不備により、登録されていた139,302名の氏名、メールアドレス、登録ユーザー種別、アクセス日時(一部のユーザーのみ)が、同じシステムに登録されたユーザー同士で閲覧できる状態にありました。会社は、インターネット上で不特定多数の第三者から閲覧可能だったものではないとしています。 2026年11月1日時点では、続報として2026年9月15日に同じ題のお知らせが出ており、社内のシステムを横断的に点検した結果、ほかに4つのシステムで本来必要な範囲を超えて個人情報を閲覧できる状態にあった、またはそのおそれがあったと発表されています。どちらの発表でも、個人情報の不正利用などの二次被害は確認されていないとされています。 コマツから会議やファイル共有に招待されたことがある人、コマツや販売代理店のシステムを使っている人がまずすることは、コマツを名乗る招待メールや共有の通知を、送信元と中身で確かめてから開くことです。
この記事は、2026年11月1日時点でコマツの公式サイトに掲載されている2つのお知らせを開き直して確かめた内容だけで書いています。報道の数字や推測は入れていません。
コマツの件で何が起きたのか
2026年6月16日のお知らせによると、コマツが管理するシステムに登録されていたユーザー情報が、設定上の不備により、同じシステムに登録されていたユーザーの間で、ほかのユーザーの情報を閲覧できる状態になっていました。
問題になったのは、コマツの各種アプリケーションの利用、オンラインミーティングへの参加、ファイル共有などのために、社外の人を招待するときに使う利用者管理の仕組みです。取引先の担当者などを社内のシステムに招くとき、招かれた人は「ゲスト」としてシステムに登録されます。その登録の一覧が、本来は見えないはずの登録ユーザー同士で見えてしまっていた、というのが今回の事案の中身です。
公式の説明を引用します。
当社の各種アプリケーションの利用、オンラインミーティングへの参加、ファイル共有などのために外部ユーザーを招待する際に用いる利用者管理の仕組みにおいて、設定上の不備により、登録されているユーザー情報が関連システム内の登録ユーザー間で相互に閲覧可能な状態に置かれていたことが判明いたしました。 出典: コマツ「個人情報が閲覧可能な状態にあったことに関するお知らせ」(2026年6月16日)
ここで大切なのは、外部の攻撃者が侵入して情報を盗んだという発表ではないことです。会社は「本件はインターネット上で、不特定多数の第三者から閲覧可能であったものではございません」と明記しています。見ることができたのは、同じシステムに登録されていたユーザーに限られます。
一方で、閲覧できる状態は長く続いていた可能性があります。発生時期について、会社は「2021年頃から、ユーザーの情報が閲覧可能な状態となっていた可能性があります」と書いています。発覚したのは2026年4月23日です。つまり、5年ほどの間、登録ユーザーであれば他の登録者の名前やメールアドレスを見られた可能性がある、ということになります。
「情報漏洩」という言葉で検索されていますが、会社の発表の言葉は「閲覧可能な状態にあった」です。実際に誰かが他人の情報を見たか、持ち出したかについては、発表に記載がありません。この記事でも、発表の表現に合わせて「閲覧可能な状態」と書きます。
「閲覧可能な状態」と「漏えい」の違い
ニュースや検索では「情報漏洩」とひとまとめにされがちですが、会社の発表の言葉にはそれぞれ意味の違いがあります。今回の件を正しく受け止めるために、よく使われる言い方を整理します。
| 言い方 | おおまかな意味 | 今回の件との関係 |
|---|---|---|
| 漏えいした | 情報が外部に出たことが確認された | 発表ではこの言い方は使われていない |
| 漏えいした可能性がある | 外部に出たかもしれないが確認はできていない | 発表ではこの言い方は使われていない |
| 閲覧可能な状態にあった | 見ようと思えば見られる状態だった | 6月16日と9月15日の発表で使われている言い方 |
| 閲覧可能な状態にあったおそれがあった | 見られる状態だったかもしれない | 9月15日の発表で一部に使われている言い方 |
「閲覧可能な状態にあった」は、誰かが実際に見たことを意味しません。見た人がいたかどうか、見た情報を持ち出した人がいたかどうかは、発表には書かれていません。一方で、見られる状態だった人の範囲は「同じシステムに登録されたユーザー」と限られています。インターネットで誰でも検索して見つけられる状態とは違います。
この違いを知っておくと、必要以上に慌てずに済みます。今回の件で、住所や電話番号、カード番号が出回ったと心配する必要はありません。発表に書かれている項目の範囲で、偽のメールへの備えをしておけば十分です。逆に「漏えいではないから何もしなくてよい」とも言い切れません。氏名とメールアドレスは、仕事のやり取りに似せた偽のメールを作るときの材料になるからです。
公表の経緯と9月15日の続報で分かったこと
この件は、発覚から公表までと、その後の続報で、次のように進んでいます。日付はすべてコマツの公式発表に書かれたものです。
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 2021年頃 | ユーザーの情報が閲覧可能な状態となっていた可能性がある時期の始まり |
| 2026年4月23日 | 発覚 |
| 発覚後 | ユーザー情報の閲覧を不可とする設定に変更、個人情報保護委員会へ報告 |
| 2026年6月16日 | 「個人情報が閲覧可能な状態にあったことに関するお知らせ」を公表(139,302名) |
| 2026年9月15日 | 同じ題で続報を公表(ほかの4つのシステムの件) |
9月15日のお知らせは、6月16日の件を受けて、同じようなことがほかに起きていないかを確かめるために、コマツが管理するシステム全般で個人情報の保管状況と、アクセスできる範囲を横断的に点検した結果です。点検の結果、複数のシステムで、設計、設定または運用上の不備などにより、本来必要な範囲を超えて個人情報の閲覧が可能な状態にあった、またはそのおそれがあったことが分かったと発表されています。
9月15日に公表された4つの件は次のとおりです。
| No. | 概要 | 対象となる情報 | 対象者数 |
|---|---|---|---|
| 1 | グループや販売代理店などが使うポータルサイトで、掲載されたファイルに含まれるユーザー情報を閲覧・ダウンロードできる状態 | 氏名、メールアドレス、ユーザーID、会社名、親会社名、ユーザー種別、最終ログイン日時、利用OS、利用ブラウザ情報、地域区分など | 214,916名 |
| 2 | 設計変更などの承認手続に使うシステムで、必要な範囲を超えてユーザー情報を検索・閲覧できる状態 | 氏名、会社名 | 29,621名 |
| 3 | 販売代理店などと使う販売業務システムの権限付与申請の機能で、他社に所属するユーザー情報を検索・閲覧できる状態 | 氏名、メールアドレス、会社名、部門名、職位名 | 86,015名 |
| 4 | 販売代理店が製品の品質情報を報告するシステムで、担当部門を切り替える機能から必要な範囲を超えて担当者情報を閲覧できる状態 | 氏名、メールアドレス、会社名、部門名、電話番号(一部の対象者のみ) | 46,445名 |
表の項目は、公式の表を読みやすく短くしたものです。No.1の項目は、公式ではこのほかに「Active/InActiveの種別、ユーザー作成日時、ユーザーを作成したユーザー/システム、最終更新日時、最終更新を行ったユーザー/システム」も挙げられています。
9月の発表には大事な注意書きがあります。対象となる情報は対象者とシステムによって違い、表の項目のすべてが各対象者について閲覧可能だったわけではないこと、そして同じ人が複数のシステムを使っている場合があるため、対象者数には重複が含まれることです。4つの件の人数を合計して「何十万人が対象」と考えるのは正しくありません。
9月の発表でも、いずれの件もインターネット上で不特定多数の第三者から閲覧可能だったものではなく、閲覧できたのはシステムの利用権限を持つ利用者などに限られると書かれています。また、いずれの場合もパスワードなどの認証情報は含まれていないとしています。
2026年11月1日時点で、コマツのニュースルームには、この2つのお知らせのほかにこの件の続報は掲載されていません。
閲覧可能だった情報と書かれていない情報
6月16日の件で閲覧可能な状態だった情報は、公式に4項目と書かれています。発表に書かれていることと、書かれていないことを分けて整理します。
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| 閲覧可能な状態だった情報 | 氏名 |
| 閲覧可能な状態だった情報 | メールアドレス |
| 閲覧可能な状態だった情報 | 登録ユーザー種別(ほとんどの場合「Guest」または「User」と表示) |
| 閲覧可能な状態だった情報 | アクセス日時(一部のユーザーのみ) |
| 発表に記載がない情報 | 住所、電話番号、生年月日、パスワード、クレジットカード情報など |
6月16日の発表は、対象を「当該関連システムに登録されていたユーザー」、項目を「4項目」としています。住所や電話番号などは項目に挙がっていません。パスワードについて、6月16日の発表には触れた記載がありません。9月15日の発表は、9月に公表した4つの件について「パスワード等の認証情報は含まれておりません」としています。
登録ユーザー種別の「Guest」と「User」は、招待された社外の人か、それ以外の登録者かを区別する表示だと読めます。ただ、それぞれが具体的にどういう人を指すかは発表に書かれていないので、この記事でも決めつけません。
項目そのものは多くありません。けれども、氏名とメールアドレスに「コマツのシステムに招待されている」という事実が組み合わさると、受け取る人にとって意味のある情報になります。次の節で、その点を説明します。
氏名とメールアドレスだけでも注意が要る理由
氏名とメールアドレスは、ほかの漏えいの件でもよく対象になる項目です。単独で悪用されて直接お金を取られることは考えにくい項目ですが、今回の件には独特の事情があります。
一覧に載っていたのは、コマツと仕事上の関わりがある人たちです。建設機械の販売代理店、部品の取引先、システムの開発や保守を請け負う会社、オンライン会議に招かれた社外の担当者などが考えられます。そうした人の名前とメールアドレスが、「コマツのシステムのゲスト」という属性とセットで見える状態だったということは、もし悪意のある人の手に渡れば、次のようなメールが作られやすくなるということです。
- コマツの担当者を名乗り、オンライン会議への招待を装うメール
- ファイル共有の通知を装い、偽のログイン画面に誘導するメール
- 取引の条件変更や振込先の変更を装うメール
- アクセス権限の更新や再登録を求めるメール
宛名が本名で、送り主が実在する取引先の名前で、内容が普段の仕事のやり取りに似ていると、偽物を見分けるのは難しくなります。会社は二次被害は確認されていないと発表しています。それでも、受け取る側が普段から確認の手順を持っておくことは、この件に関係なく役に立ちます。
もう1つ、アクセス日時が一部のユーザーについて見えていた点も覚えておきます。いつごろシステムを使っていたかが分かると、「先日の会議の資料です」といった時期の合う文面を作りやすくなります。とはいえ、アクセス日時がどの程度の細かさで見えていたかは発表に書かれていません。必要以上に心配するより、確認の手順を決めておくほうが実際的です。
コマツを装う連絡の具体例と見分け方
今回の件で偽の連絡が実際に確認されたという発表はありません。ここでは、仕事で使うメールアドレスに一般的に届きやすい手口を、取引先を装う形に当てはめて例を挙げます。見分けるときの目のつけどころとあわせて確かめておきます。
| 届きやすい連絡の例 | 見分けるときに見るところ |
|---|---|
| 「来週の打ち合わせの招待です。下のボタンから参加登録をしてください」 | 実際に打ち合わせの予定があるか。参加登録でパスワードを求めていないか |
| 「共有ファイルの閲覧期限が切れます。再ログインしてください」 | 共有された覚えのあるファイルか。ログイン画面のアドレスが普段と同じか |
| 「ゲストアカウントの更新が必要です。本日中に手続きしてください」 | 期限を区切って急がせていないか。担当者から事前の話があったか |
| 「支払口座を変更しました。次回からこちらへお振り込みください」 | 登録済みの電話番号で担当者に確かめたか |
| 「請求書を添付します」と圧縮ファイルが付いている | 添付を開く前に、送り主と内容に心当たりがあるか |
どれも、宛名が本名で書かれていると本物らしく見えます。けれども、本物の招待や通知は、たいてい事前に担当者との会話があり、内容が案件と合っています。「急がせる」「パスワードを求める」「振込先を変える」のどれかが入っていたら、いったん手を止めて、メール以外の手段で確かめるのが基本です。
偽のメールに気づいたら、社内のメールの報告窓口があればそこに知らせ、自分だけで削除して終わりにしないようにします。同じメールが同僚にも届いているかもしれないからです。個人で仕事をしている人は、取引先の担当者に「このようなメールが届いた」と知らせると、相手の社内での注意にもつながります。
原因について発表で分かっていること
6月16日の発表で、原因は「設定上の不備」とされています。外部ユーザーを招待して登録するときのユーザーリストが、関連システム内の登録ユーザーから相互に見える設定になっていたということです。
再発防止策として、会社は次のことを挙げています。
- 関連システム内のユーザー情報を他の登録ユーザーから閲覧できる状態は既に停止している
- 外部ユーザーを招待・登録するときのユーザーリストを原則非公開とする設定を確保する手順を整備する
- 個人情報の重要性と適切な取り扱いについて社内で改めて周知徹底する
9月15日の発表では、原因は「設計、設定または運用上の不備等」とまとめられています。4つの件それぞれについて、なぜそうなったかの細かい説明はありません。再発防止策としては、個人情報を扱うシステムのアクセス権限の管理、保管方法、検索・閲覧範囲の設定、運用時の確認手順を改めて点検すること、設計・開発・運用の各段階で個人情報の扱いを確かめること、必要なシステム改修と運用改善を進めることが書かれています。
どのような製品やサービスの設定だったのか、誰が設定したのかといった点は、どちらの発表にも書かれていません。発表に無いことは、この記事でも書きません。
コマツの対応と今後の連絡
2つの発表に書かれている会社の対応は次のとおりです。
| 発表 | 書かれている対応 |
|---|---|
| 2026年6月16日 | 発覚を受けて、ユーザー情報の閲覧を不可とする設定に変更。個人情報保護法に基づき個人情報保護委員会へ報告 |
| 2026年9月15日 | 各システムで閲覧範囲を制限する設定変更、対象ファイルの非表示化、閲覧できる情報を業務上必要な範囲に限る措置などを実施し、全てのシステムで必要な範囲を超えて閲覧できない状態にした。個人情報保護委員会への報告など |
対象者一人ひとりへの個別の通知について、2つの発表には記載がありません。メールで知らせるのか、取引先の会社を通じて知らせるのかといった連絡の方法も書かれていません。お詫びの品や補償についての記載もありません。発表にないことは、この記事でもあるとは書きません。
ほかの会社の事案で、補償の考え方がどう扱われてきたかを知りたい人は、情報漏洩の補償はもらえるのか|お詫び金・ポイントの例と利用者が確かめること 2026が参考になります。今回の件でどうなるかは、会社の発表を見るしかありません。
自分が対象かを確かめる方法
6月16日の件の対象は、外部ユーザーを招待するための利用者管理の仕組みに登録されていたユーザーです。次のどれかに心当たりがある人は、対象に含まれている可能性があります。
- コマツの担当者から、オンライン会議への参加の招待を受けたことがある
- コマツの担当者から、ファイル共有の招待を受けて、共有された資料を開いたことがある
- コマツのアプリケーションを使うために、ゲストとしてアカウントを登録したことがある
- 勤め先がコマツの販売代理店や取引先で、コマツのシステムを業務で使っている
1と2は、自分では「登録した」という意識がないまま招待を受けていることがあります。招待のメールを受け取って参加しただけでも、招待の仕組みに登録されている場合があるので、思い当たる人は会社の窓口に問い合わせて確かめるのが確実です。
9月15日に公表された4つの件の対象は、ポータルサイト、設計変更などの承認手続のシステム、販売業務システム、品質情報を報告するシステムの利用者です。どれも、コマツのグループ会社や販売代理店などで業務に使われているシステムです。勤め先がこうしたシステムを使っている場合は、まず社内のシステム担当や情報管理の担当に、会社として連絡を受けているかを確かめるとよいでしょう。
個人として確かめたい場合の問い合わせ先は、どちらの発表でも同じメールアドレスが案内されています。問い合わせ窓口は後の節にまとめています。
対象かもしれない人がすること
閲覧可能だった項目は氏名とメールアドレスが中心です。やることは、メールで届く偽の連絡への備えに絞ります。
コマツを名乗る招待や通知は送信元を確かめる
会議の招待、ファイル共有の通知、アカウントの再登録の依頼などが届いたら、開く前に次の点を見ます。
- 送信元のメールアドレスのドメインが、これまでコマツの担当者とやり取りしてきたものと同じか
- 招待の内容が、相手と実際に話している案件と合っているか
- 急ぎで「今日中に」「ただちに」と求めていないか
- ログインを求める画面のアドレスが、普段使っている画面と同じか
少しでも違和感があれば、メールに書かれた連絡先ではなく、名刺やこれまでのやり取りで分かっている担当者の連絡先に、電話などで確かめます。
パスワードを入力する前に立ち止まる
コマツの発表では、9月に公表した4つの件についてパスワードなどの認証情報は含まれていないとしています。ここで心配なのは、すでに知られている名前とメールアドレスを使って、偽のログイン画面でパスワードを入力させようとする手口です。偽のログイン画面は、本物そっくりに作られます。メールのリンクから開いた画面でパスワードを求められたら、いったん閉じて、ブックマークや普段の入口から開き直します。
フィッシングメールの見分け方と、開いてしまった後にすることは、フィッシング詐欺メールの見分け方|5秒で振り分ける手順と開いた後の対処で詳しく説明しています。
業務用アカウントに多要素認証を設定する
多要素認証とは、パスワードのほかに、スマートフォンに届く確認コードや認証アプリなど別の手段でも本人確認をする仕組みのことです。仮にパスワードを入力してしまっても、もう1つの確認がなければログインされにくくなります。勤め先のメールやファイル共有のアカウントで設定できるなら、社内の担当に確かめて設定します。仕組みの違いと選び方は、MFA(多要素認証)導入のメリットと製品比較|2026年の認証セキュリティ決定版にまとめています。
振込先の変更の連絡は電話で裏を取る
取引先を装って振込先の変更を求めるメールは、名前と所属が分かっていると本物らしく見えます。請求や支払いを扱う立場の人は、振込先の変更をメールだけで受け付けず、登録済みの電話番号にかけて確かめる手順を決めておきます。
自分のメールアドレスが他の漏えいに含まれていないか調べる
今回の件とは別に、自分のメールアドレスが過去の漏えいに含まれていないかを調べておくと、どのくらい偽のメールが届きやすい状態かの目安になります。調べ方は、Have I Been Pwnedの使い方|メールアドレスとパスワードの漏洩を確認する方法と、大手クラウドの過去の漏洩で説明しています。
取引先の会社で担当している人が確かめること
今回の件は、個人のお客さまの会員情報ではなく、仕事で関わる人の情報が対象です。そのため、個人として気をつけるだけでなく、勤め先として確かめておくとよいことがあります。
- 社内でコマツのシステムを使っている人、コマツから招待を受けたことがある人を把握する
- 社内のメールの受信設定で、取引先を装う不審なメールを報告する窓口があるかを確かめる
- 経理や購買の担当者に、振込先変更の連絡は電話で確かめる手順を改めて伝える
- コマツから会社あてに連絡が来ているかを、取引の窓口になっている部署に確かめる
社員が少ない会社や個人事業では、こうした確認を一人で担うことになります。紙1枚に「確かめる手順」を書いて机の前に貼っておくだけでも、急な依頼に慌てずに済みます。社員向けの訓練の考え方は、社員のセキュリティ意識を向上させるフィッシングメール模擬訓練の効果|2026年最新の従業員教育ガイドが参考になります。
招待の仕組みで情報が見えてしまうのはなぜか
今回の件の原因は、発表では「設定上の不備」とだけ書かれています。どの製品のどの設定だったかは公表されていないので、ここでは一般に、社外の人を招く仕組みでどういうことが起きやすいかを説明します。今回の件の原因をこれと決めつけるものではありません。
会社が使うメールやファイル共有、オンライン会議の仕組みでは、社外の人を「ゲスト」として招待できるものが多くあります。招待された人は、その会社の利用者の一覧に名前が載ります。このとき、ゲスト同士やゲストと社員の間で、ほかの利用者の名前やメールアドレスをどこまで見られるかは、設定で決まります。
初めて導入したときの設定のまま使い続けていたり、使い方が広がるうちに設定を見直す機会がなかったりすると、本来は見せる必要のない一覧が見える状態のままになることがあります。ファイルやフォルダの共有範囲の設定を誤って、思ったより広い範囲から見えてしまう事故も同じ種類の問題です。クラウドストレージでの共有の事故の例は、クラウドストレージの権限設定ミス実例|Google Drive・Dropboxの共有事故で紹介しています。
個人情報保護委員会は、漏えい等の報告が必要な場合の例として、システムの設定ミスなどでインターネット上で個人データの閲覧が可能な状態となり、本人の数が1,000人を超える場合を挙げています。今回のコマツの件は、会社の発表ではインターネット上で不特定多数から見られる状態ではありませんでした。それでも会社は個人情報保護委員会へ報告しています。
以前に招待を受けて今は関わりがない人
6月16日の件は、2021年頃から閲覧可能な状態だった可能性があると発表されています。そのため、数年前にコマツの仕事に関わっていて、今は関わりがない人も対象に含まれている可能性があります。転職した人、部署を異動した人、取引が終わった会社の人などです。
この場合、登録されていたメールアドレスは前の勤め先のものかもしれません。前の勤め先のアドレスであれば、今は自分が受け取ることはなく、偽のメールが届いても前の勤め先の誰かが受け取ることになります。気になる場合は、前の勤め先の担当部署に、こうした発表があったことを知らせておくと親切です。
一方、個人のメールアドレスで招待を受けていた人は、今もそのアドレスに偽のメールが届く可能性があります。もう関わりのない会社の名前で会議の招待やファイル共有の通知が届いたら、それだけで疑ってかかる理由になります。心当たりのない招待は開かず、削除するか迷惑メールとして報告します。
使わなくなったゲストアカウントが残っているか気になる人は、問い合わせ窓口に、自分の登録が残っているかと、不要なら削除してもらえるかを尋ねることもできます。発表に削除の手続きについての記載はないので、窓口の案内に従います。
問い合わせ窓口
この件に関する問い合わせ先は、6月16日と9月15日の発表のどちらでも、次のとおり案内されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 窓口 | 株式会社小松製作所 |
| メールアドレス | [email protected] |
電話の窓口と受付時間は、この件の問い合わせ先としては発表に書かれていません。発表の末尾には報道関係者向けのコーポレートコミュニケーション部の連絡先も載っていますが、個人の問い合わせ先として案内されているのは上のメールアドレスです。
問い合わせるときは、いつごろ、どういう経緯でコマツのシステムに招待されたか、どのメールアドレスで登録されていたかを書くと、話が早く進みます。なお、問い合わせ先を装った偽のメールアドレスが使われることもあるので、問い合わせ先はコマツの公式サイトのお知らせで確かめてから使います。6月16日のお知らせはコマツ「個人情報が閲覧可能な状態にあったことに関するお知らせ」(2026年6月16日)、9月15日のお知らせはコマツ「個人情報が閲覧可能な状態にあったことに関するお知らせ」(2026年9月15日)で読めます。
在宅で仕事をする人が気をつけること
在宅で仕事をする人の中には、メーカーや販売代理店から業務を受けて、相手のシステムにゲストとして招かれて仕事をしている人がいます。翻訳、マニュアルの作成、図面の清書、Webサイトの更新、データの入力など、取引先の会議に参加したり、共有フォルダに納品したりする働き方は珍しくありません。今回の件は、そうした人が「招かれる側」として対象になり得る種類の事案です。
招かれる側として気をつけること
取引先のシステムに招かれると、自分の名前とメールアドレスが相手の利用者の一覧に載ります。どこまで見えるかは、こちらからは分からないことがほとんどです。そのため、招かれる側は次のことを習慣にしておくと安心です。
- 取引先ごとに、招待を受けたシステムとアカウントを手元の一覧にまとめておく
- 仕事が終わった取引先のアカウントは、相手に削除を頼む
- 取引先を名乗る招待や通知は、案件の内容と送信元を確かめてから開く
- 仕事用と個人用のメールアドレスを分け、仕事用のアドレスに多要素認証を設定する
仕事が終わっても招待が残ったままだと、自分の情報が相手のシステムに長く残ります。終わった取引先のアカウントを整理してもらうことは、相手にとっても管理の手間を減らすことになります。
預かる側として気をつけること
在宅で仕事をする人は、取引先の顧客名簿や担当者の連絡先を預かる立場になることもあります。自分で共有フォルダを作って取引先や外注先を招くときは、招いた人同士でお互いの名前やメールアドレスが見えないか、フォルダの共有範囲が必要な人だけになっているかを確かめます。
個人情報保護委員会は、漏えい等の対応とお役立ち資料のページで、漏えいが起きたときの報告の要件や、クラウドサービスやテレワーク環境を使うときの個人情報の漏えい事案についての注意喚起の資料を公開しています。自分が預かっている情報で設定の誤りに気づいたら、自分だけで片づけようとせず、まず取引先に知らせて対応を相談するのが基本です。報告が必要かどうかの判断は事情によって変わるので、取引先や個人情報保護委員会の案内で確かめます。
パスワードの使い回しをやめることも、預かる側の基本です。変える順番と作り方は、パスワードが漏洩したらどうなる|変更の順番と使い回しの見直し方 2026で詳しく説明しています。
アカウントを守る力を仕事に生かす
今回の件のように、社外の人を招く仕組みの設定や、アクセスできる範囲の点検は、会社の規模にかかわらず必要になっている仕事です。システムの設定を見直す、利用者の一覧を整理する、社員向けの注意の手順を作る、といった作業は、専門の診断会社だけでなく、在宅で仕事を受ける人にも依頼されることがあります。
まずは自分が招かれているアカウントや、自分が作った共有の設定を整理するところから始められます。発表を正確に読み、何が分かっていて何が分かっていないかを分けて考える習慣も、こうした仕事では役に立ちます。@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。
よくある質問
Q. コマツの件は外部からの不正アクセスですか?
コマツの発表では、外部からの不正アクセスではなく、外部ユーザーを招待する仕組みの設定上の不備により、登録ユーザー同士で他のユーザーの情報を閲覧できる状態にあったと説明されています。インターネット上で不特定多数の第三者から閲覧可能だったものではないとされています。
Q. パスワードは見られる状態でしたか?
2026年6月16日の発表で閲覧可能だった項目は、氏名、メールアドレス、登録ユーザー種別、アクセス日時(一部のユーザーのみ)の4項目です。9月15日の発表は、9月に公表した4つの件についてパスワードなどの認証情報は含まれていないとしています。
Q. 自分が対象かどうかはどこで確かめられますか?
個別の通知について発表には記載がありません。コマツから会議やファイル共有に招待されたことがある人は、発表に案内されている問い合わせ先のメールアドレス([email protected])に問い合わせて確かめるのが確実です。
Q. 9月15日の続報は6月の件と同じものですか?
別の件です。9月15日の発表は、6月の件を受けてシステム全般を点検した結果、ポータルサイトなど4つのシステムでも必要な範囲を超えて個人情報を閲覧できる状態にあった、またはそのおそれがあったと公表したものです。対象者数には重複が含まれるとされています。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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