認定こども園に向いている人|長く続く人に共通していること


この記事のポイント
- ✓認定こども園に向いている人の条件を
- ✓性格ではなく園の構造から整理しました
- ✓教育時間と生活時間の切り替え
「自分は認定こども園に向いているんでしょうか」。この質問、本当によく受けます。
そして多くの方が、性格の話として聞いてこられます。子どもが好きかどうか、体力があるかどうか、明るいかどうか。でも実は、適性はそこでは決まりません。
決まるのは、その職場の構造と自分の癖が噛み合うかどうかです。認定こども園には、保育園とも幼稚園とも違う固有の構造があります。その構造のどこに自分が置かれると楽で、どこだと苦しいのか。ここを知っておけば、向き不向きは自分で判断できます。
この記事では、認定こども園という職場の中で実際に何が起きているかから逆算して、向いている人の条件を整理します。大丈夫です。合わないと分かることも、大切な情報ですから。
「向いている人」を性格で決めないほうがいい理由
先に前提を1つ。適性を性格で判断するのは、あまりうまくいきません。
私がこれまで働き方の相談を受けてきて感じるのは、「明るくて子どもが好きな人」が必ずしも続いていないということです。逆に、「自分は人見知りだから保育には向いていない」と言っていた方が、乳児クラスで何年も落ち着いて働いているケースもあります。
なぜこうなるか。仕事が続くかどうかを決めているのは、性格の良し悪しではなく、その職場の具体的な場面に自分が耐えられるかどうかだからです。
たとえば、毎日14時に子どもの半分が帰っていく。この場面に何も感じない人と、残った子の気持ちが気になって仕方ない人がいます。どちらが正しいということはありません。ただ、後者の人が認定こども園で働くなら、その気持ちの扱い方を先に決めておいたほうがいい。
だから、ここから先は「こういう場面があります、あなたはどう感じますか」という形で書きます。性格診断ではなく、場面との相性です。
認定こども園という施設は、保育所と幼稚園の両方の機能を持っています。この形になった経緯も、園ごとに違います。
ひむきこどもえんは、令和4年4月より「幼保連携型認定こども園」になりました。これまでの「保育所」としての福祉機能に加え、学校教育法上に位置づけられる幼児教育を担う「学校」(幼稚園)としての機能も持つことになりました。 保護者の就労やその他の事情に関わらず、一定年齢に達した幼児に対して教育の場を広く提供することにより、地域の幼児の健やかな発達、豊かな情操の育成に貢献することを目指します。また、従来の保育所としての養護・育児機能の充実はもちろんのこと、保育園や幼稚園にまだ通っていない幼児あるいは保護者に対する子育て支援施策も同時に進めていきます。 出典: himuki-hoikuen.jp
福祉と教育、両方を同時に担う。この二重性が、働く人にとっての全部の起点になります。
午前と午後で立ち方が変わることを、切り替えられる人
1つ目の条件です。認定こども園では、同じ日の中で求められる立ち位置が変わります。
午前中、3歳以上児のクラスは教育時間に入ります。標準でおおむね4時間。朝の会があり、指導計画に沿った設定保育があり、クラス全員が同じ活動に向かいます。ここで担任は、全体をまとめる人として立ちます。全員に向けて話し、理解度を見て、遅れている子に入る。学校の授業運営に近い技術が要ります。
14時前後、教育時間だけで通っている子どもが降園します。ここからは、残った子どもたちとゆったりした時間に切り替わります。活動の密度を落とし、自由遊びを中心にして、一人ひとりに個別に関わる。求められる立ち方が、まったく逆になります。
この切り替えができる人が向いています。
苦手なパターンは2つあります。1つは、午前中の締めが強すぎて午後も緩められない人。もう1つは、午後の関わり方が心地よすぎて、午前中にクラス全体を動かすのが苦痛になる人。
ここは正直に自己判断してください。集団を前にして話すことに強い緊張を感じるなら、幼児クラスの担任は負担が大きくなります。逆に、一人ひとりに深く関わるより全体を動かすほうが得意なら、乳児クラスは向かないかもしれません。
大切なのは、認定こども園では両方が同じ日に来るということです。どちらか一方だけの職場ではありません。
自分の得意がどちらか分からないという方は、過去の経験を思い出してみてください。学生時代、人前で何かを進行する役と、誰か一人の相談に乗る役、どちらが自然にできましたか。そこに答えが出ています。
0歳と5歳が同じ建物にいることを、面白がれる人
2つ目です。認定こども園、特に幼保連携型では、0歳から5歳までが同じ園舎で過ごしています。
これは、働く側から見ると相当に幅が広い環境です。
0歳児クラスでは、授乳、離乳食、おむつ交換、午睡中の呼吸チェックが数分単位で走り続けます。配置基準は子ども3人に保育者1人。抱っこと床への座り込みの繰り返しで、体への負担が大きい持ち場です。
5歳児クラスでは、就学に向けた活動、当番活動、行事の中心的な役割、要録の作成が待っています。話し合いで物事を決める場面が増え、子ども同士のトラブルも複雑になります。
同じ資格で、同じ園に勤めていて、この両方の可能性がある。異動もあります。
ここを面白いと感じられる人は、長く続きます。「今年は3歳児だけど、来年は0歳児かもしれない」を楽しめる人です。
逆に、この年齢で専門性を深めたいという気持ちが強い人には、やや窮屈に感じられるかもしれません。乳児保育を極めたいなら小規模保育事業所、幼児教育を極めたいなら幼稚園という選択もあります。
ただ、私は幅の広さを経験できるのは強みだとお伝えしています。0歳のときの育ちを知っている人が5歳児を見ると、その子の今が違って見えるからです。5歳児の姿を知っている人が0歳児に関わると、この先どこへ向かうのかが見えます。この往復ができるのは、0歳から5歳までを一貫して持つ園ならではです。
出自の違う同僚と組める人
3つ目。これは職員室の話です。
幼保連携型認定こども園では、原則として保育士資格と幼稚園教諭免許の両方を持つ保育教諭が求められます。ただし片方しか持っていない人のために経過措置が置かれており、この措置は複数回にわたって延長されてきました。
つまり職員室には、両方の資格を持つ人、保育士資格だけの人、幼稚園教諭免許だけの人、そして無資格の保育補助が混在しています。
そして、それぞれ得意が違います。
保育所出身の人は、0歳から2歳児の扱いに慣れています。生活のリズムをつくること、個別の状態を読むこと、保護者の就労状況を踏まえて対応することに長けています。
幼稚園出身の人は、集団活動の組み立てに慣れています。行事の運営、指導計画の書き方、子どもの前での話し方に強い。
この2つが同じ職員室にいる。ここが認定こども園の面白さでもあり、難しさでもあります。
うまくいっている園では、お互いから学び合っています。「幼稚園の先生の製作の準備の仕方は本当に丁寧」「保育園の先生は子どもの体調の変化に気づくのが早い」。こういう言葉が出る園です。
うまくいっていない園では、派閥のようになります。「あちらは生活を分かっていない」「こちらは教育を分かっていない」。これが始まると、子どもにも伝わります。
向いているのは、自分と違うやり方を先に否定しない人です。これは性格ではなく、技術として身につけられます。「なぜそうするのか」を先に聞く癖があるかどうか、それだけです。
保護者の事情が二通りあることを、受け止められる人
4つ目。保護者対応の話です。ここは認定こども園にかなり固有の難しさがあります。
認定こども園には、認定区分の違う子どもが通っています。1号認定は保護者の就労を問わず教育を受けに来る子ども、2号認定は保育が必要な3歳以上児、3号認定は保育が必要な3歳未満児です。
何が起きるか。同じクラスの保護者会に、就労していない保護者と、フルタイムで働いている保護者が並びます。
生活のリズムが違うので、求めるものが違います。行事を平日にしてほしい人と、土曜にしてほしい人。保護者参加の活動を歓迎する人と、負担に感じる人。連絡帳に細かく書いてほしい人と、簡潔でいい人。
この違いは、どちらが正しいという話ではありません。ただ、現場ではここで板挟みになります。
向いているのは、「どちらの言い分にも理由がある」と思える人です。就労していない保護者が行事に熱心なのは、子どもと過ごす時間を大切にしているから。働いている保護者が負担だと言うのは、時間の余裕が本当にないから。両方が本当です。
ここで「働いている人は子どもに関心が薄い」というような評価をしてしまう人は、苦しくなります。そして、その評価は必ず保護者に伝わります。
私が相談を受けていて伝えているのは、判断を保留する練習をしてください、ということです。理由が分からない要望が来たとき、すぐに評価しないで、まず事情を聞く。これだけで、保護者対応の疲れ方がずいぶん変わります。
シフトの生活リズムに、体が合う人
5つ目。これは身体の話です。
認定こども園は開園時間が長く、おおむね7時から19時まで、園によっては20時まで開いています。そこに8時間勤務を並べるので、早番、中番、遅番のシフト制になります。
早番は7時から16時、中番は8時30分から17時30分、遅番は10時から19時。これが典型です。
体への影響は、人によってかなり違います。
朝が強い人にとって、早番は理想的です。夕方の時間が丸ごと空くので、家のことも自分の時間も確保できます。
夜型の人にとっては、早番の日の起床がつらい。6時前に家を出る生活が週に何日もあると、睡眠負債が積み重なります。
そして見落とされがちなのが、シフトが日替わりで変わる負担です。今日は早番、明日は遅番。この振れ幅が大きいと、体内時計が安定しません。遅番の翌日が早番になる組み方をしている園は、実はかなり負担が重い。
向き不向きを判断するなら、自分が過去にどうだったかを思い出してください。学生時代のアルバイトや前職で、シフトが変わる勤務を経験したことがあるか。そのとき、どれくらいで慣れましたか。
もしシフト制の経験がなく、不安があるなら、パートや時短で週3日から始めるという選択もあります。体が合うかどうかは、頭で考えても分かりません。
面接では「シフトはどう組まれますか」「遅番の翌日が早番になることはありますか」と聞いてください。これは労働条件の確認であり、聞いて印象が悪くなる質問ではありません。
行事の多さを、負担にしすぎない人
6つ目。認定こども園は、行事が多い傾向があります。
理由は単純で、幼稚園由来の行事と保育所由来の行事の両方を持っているからです。運動会、発表会、入園式、卒園式、遠足、保育参観、夏祭り、もちつき。園によっては、これに地域交流の行事が加わります。
行事そのものには、確かな意味があります。
四季は子どもたちの五感を刺激してくれます。 日向(ひむき)の地域で、子どもたちの成長を見守ってくださる祖父母や地域の方々とふれあいを持ちます。 大きな行事は、子ども自身や保護者の方々が立ち止まって、「いま」の子どもたちを見てくれます。 すべての行事は、子どもたちが自信をもって、ひとつ前に進んでいく経験になります。 出典: himuki-hoikuen.jp
問題は、準備が1日のどこに入るかです。
行事の1か月前になると、午前中の設定保育が練習に置き換わります。午睡中に書いていた記録の時間が、小道具づくりに変わります。この時期だけ持ち帰りが増える園は、正直に言って少なくありません。
向いているのは、行事を自分の作品にしようとしない人です。
ここは少し踏み込んだ話になります。行事の準備でいちばん疲れるのは、完成度を上げようとしたときです。もっと衣装を凝りたい、もっと演出を工夫したい。その気持ちは尊いのですが、際限がありません。
長く続いている方は、たいてい去年のものを使います。使い回しを恥ずかしがらない。そして、子どもが楽しめていれば細部は問わない。この割り切りができる人が残ります。
これは手を抜くという意味ではありません。行事の目的は子どもの経験であって、大人の達成感ではない。この順番を守れる人が向いています。
体力の話|実際に消耗するのはどこか
「体力に自信がないので向いていないかもしれない」。この相談も多いです。ただ、体力という言葉が曖昧なので、どこが消耗するのかを分けて考えましょう。
まず、腰です。0歳から2歳児を担当すると、抱っこ、床への座り込み、立ち上がりが1日中続きます。保育の現場を離れる理由として腰痛は実際に上位に入ります。ここは持久力の問題ではなく、姿勢と動作の問題です。長く続けている方ほど、抱き上げ方を意識的に変えています。膝を曲げて腰を落とす、片側ばかりで抱かない。この工夫があるかどうかで、数年後がまったく変わります。
次に、声です。3歳以上児のクラスで集団に向かって話す時間が長いと、喉が消耗します。特に行事の練習期間は、屋外で声を張る場面が増える。声帯を痛めて休職する方もいます。これも工夫で減らせて、笛や手拍子で合図を出す、マイクを使う、声を張らずに近づいて話すという方法があります。
3つ目に、感染症です。0歳から5歳までが同じ建物にいるので、感染症は必ず回ります。入って最初の1年は、よく体調を崩す人が多い。これは体力がないのではなく、まだ免疫がついていないだけです。2年目以降に落ち着くケースがほとんどです。
4つ目に、立ちっぱなしの時間です。午睡中以外、ほぼ座りません。足のむくみと膝への負担は、ここから来ます。
そして5つ目が、実は最も大きいのですが、気を張り続けることです。子どもから目を離せない時間が8時間続きます。この緊張は、筋肉の疲労とは別のところに溜まります。
体力を判断するなら、「長時間動き続けられるか」ではなく、「緊張を持続させて、その後に回復できるか」で考えてください。勤務後に何もできないほど消耗するなら、それは持久力ではなく回復の仕組みの問題です。休憩がきちんと取れているか、遅番の翌日が早番になっていないか。ここを整えるだけで変わります。
ピアノや製作が苦手でも大丈夫か
もう1つ、よく聞かれることに答えておきます。ピアノが弾けない、絵が下手、製作が苦手。これで諦める方がいますが、結論から言うと、致命的ではありません。
ピアノについて。採用時に実技試験を課す園と、課さない園があります。課す園でも、求められるのは童謡の弾き歌いで、演奏の技術ではありません。そして実際の現場では、CDや配信の音源を使う園がかなり増えています。
大事なのは、伴奏の上手さではなく、子どもが歌いたくなる場をつくれるかどうかです。弾きながら子どもの顔を見られる人のほうが、技術的に上手くても下を向いている人より、場は成立します。
不安なら、面接で「ピアノはどの程度使いますか」と聞いてください。園によって本当に差があります。
製作について。認定こども園は行事が多いので、確かに製作の機会は多い。ただ、ここで求められるのは芸術性ではなく、子どもができる形に落とす力です。
きれいな見本をつくる人より、「この工程なら3歳児でも一人でできる」と設計できる人のほうが、現場では重宝されます。実際、上手すぎる見本は子どもを萎縮させることがあります。
苦手意識がある方に伝えているのは、既存の型を使っていいということです。園には毎年の製作のストックがあり、先輩の作ったものが残っています。ゼロから考える必要はありません。
逆に、ピアノも製作も得意なのに苦しくなる人がいます。上手いがゆえに全部任され、準備の負担が一人に寄るからです。得意なことがある人ほど、断る練習をしておいたほうがいい。
つまり、技能の有無は適性の中心ではありません。中心にあるのは、子どもの側から逆算して考えられるかどうかです。
向いていないと感じるとき、それが適性の問題とは限らない
ここで、少し違う角度の話をします。
「自分は向いていないのかもしれない」と感じている方のお話を聞くと、実は適性ではなく環境の問題であることがかなりあります。
たとえば、毎日疲れ切って何もできない。これは体力がないからではなく、記録を書く時間がシフトに組み込まれていなくて、毎晩持ち帰っているからかもしれません。
たとえば、子どもに優しくできない日がある。これは愛情が足りないからではなく、配置が基準ぎりぎりで、一人で見ている人数が多すぎるからかもしれません。
たとえば、職員室に居場所がない。これは人付き合いが苦手だからではなく、申し送りの仕組みがなくて情報が入ってこないからかもしれません。
配置基準は2024年度に見直され、3歳児が子ども15人に保育者1人、4歳児と5歳児が25人に1人になりました。ただし当分のあいだの経過措置があり、従前の基準のままの園もあります。同じ4歳児クラスでも、大人が1人なのか2人なのかで、1日の余裕はまったく違います。
だから、向いていないと感じたときは、まず環境の要因を切り分けてください。書類の時間はあるか。配置に余裕はあるか。聞ける相手はいるか。この3つが揃っていないなら、それは適性の問題ではありません。
環境を変えれば続けられる人を、適性がないと思い込んで現場から出してしまうのは、本当にもったいないことです。
長く続いている人が、実際にやっていること
では、実際に長く続けている方は何をしているのか。相談の中で繰り返し聞く共通点があります。
1つ目は、園を選ぶ段階で条件を見ていることです。書類の時間がシフトに入っているか、行事の準備がどれくらいか、遅番の翌日が早番にならないか。この3つを入る前に確認している人は、入ってからのずれが小さい。
2つ目は、自分の守備範囲を言葉にできることです。ここまではやる、ここから先は相談する。この線がある人は、際限なく仕事が乗ってくることがありません。
3つ目は、園の外に人がいることです。同じ園の中だけで人間関係が完結していると、園でうまくいかないときに逃げ場がなくなります。研修で知り合った他園の人、前職の同僚、家族。誰でもいいので、園の外の視点を持っている人は折れにくい。
4つ目は、子どもの見方を一つ持っていることです。
たとえば「子どもの目を見てから動く」「言葉にならない気持ちを保護者と一緒に考える」といった、自分なりの軸です。借り物の言葉でなくてかまいません。先輩の口癖でも、研修で聞いた一言でもいいのです。
自分が何を大事にしているのかが言葉になっていると、判断に迷わなくなります。忙しい日に何を優先するか、迷ったときの基準になるからです。
そして5つ目。これがいちばん大きいのですが、完璧を目指していないことです。今日できなかったことを翌日に回せる人が、長く残っています。
求人票と見学で、自分との相性を測る
最後に、実際の測り方です。
求人票では、まず勤務時間の欄。シフトの区分と時刻が具体的に書かれているか。次に定員と職員数。定員を職員数で割って、配置に余裕があるかを見ます。そして残業と持ち帰りの記述。明記している園は、それを言い切れる仕組みを持っています。
給与欄は、基本給と手当の内訳が分かれているかを見てください。総額だけ大きく書かれていて内訳がない場合、固定残業代が含まれていることがあります。地域の水準と比べたいときは、雇用形態ごとの差を整理した保育士の年収・単価相場が目安になります。
見学では、4歳児クラスに大人が何人立っているかを数えてください。そして職員室の机の上を見てください。書類が山積みなら、記録の運用が追いついていない可能性があります。
できれば14時台に行ってください。1号認定の子が降園し、職員も交代する時間帯です。ここで申し送りがきちんと回っているかどうかが、いちばんよく見えます。
現場を長く見てきて思うこと
在宅ワークと業務委託の市場を20年見てきた立場から言えば、続く人と続かない人を分けているのは、能力の差ではありませんでした。
続く人は、自分に合う環境を選ぶことに時間を使っています。入ってから頑張って合わせるのではなく、入る前に合うかどうかを確かめる。この順番の違いだけで、数年後の姿がまったく変わります。
もう1つ気づくのは、長く続く人ほど「この人に任せると楽だ」という関係を大事にしていることです。単発で高い報酬を取ることより、次も声がかかる状態をつくることに時間を使っている。中間に人が入らない直接のやり取りだと、依頼する側は同じ予算でより多く頼めて、受ける側は手数料0%の分だけ手取りが厚くなります。ただ、人を続けさせているのは金額ではなく、この関係のほうでした。保育の現場も同じです。
もしいま、向き不向きで迷っているなら、一人で考え込まないでください。自分の条件を言葉にする作業は、聞き手がいたほうが早く進みます。働き方の相談は資格を持った人が仕事として受けており、どんな相談ができるのかは職場・転職・キャリア相談のお仕事にまとまっています。
そして、もし保育の現場で培った「人の話を聞いて整理する力」を別の形でも使ってみたいと思われたなら、キャリアコンサルタントという国家資格があります。保育の経験を持つ方がこの資格を取り、働く人の相談に回るケースは実際に増えています。現場を離れるという意味ではなく、持っている力の使い道を1つ増やしておくという話です。
向いているかどうかは、生まれ持ったものではありません。その職場で何が起きるかを知り、自分がそこでどう感じるかを確かめること。それだけです。あなたは一人で判断しなくて大丈夫ですから、まずは見学に行って、自分の体の反応を見てみてください。
よくある質問
Q. 子どもが好きなら認定こども園に向いていますか?
好きかどうかだけでは判断できません。決まるのは職場の構造と自分の癖が噛み合うかどうかです。認定こども園では午前に集団を動かし、14時前後の降園を経て午後は個別に関わるという切り替えが毎日あります。この振れ幅が自然にできるか、0歳から5歳までの幅を面白がれるか、シフトの生活に体が合うか。この3点で考えてください。
Q. 保育園や幼稚園と比べて、何が特に違いますか?
同じクラスに教育時間だけで帰る子と夕方まで残る子が混在していること、0歳から5歳までが同じ園舎にいること、保育士出身と幼稚園教諭出身の職員が同じ職員室にいること、就労している保護者と就労していない保護者が同じ保護者会に並ぶことです。求められるものが二通りある状態が常態で、そこを受け止められるかが適性になります。
Q. 向いていないと感じたら、辞めるべきでしょうか?
結論を出す前に環境の要因を切り分けてください。疲れ切っているのは体力の問題ではなく記録の時間がシフトに組み込まれていないから、子どもに優しくできないのは愛情の問題ではなく配置が基準ぎりぎりだから、という場合が多くあります。書類の時間、配置の余裕、聞ける相手。この3つが揃っていないなら、適性の問題ではありません。
Q. 見学ではどこを見れば相性が分かりますか?
可能なら14時台に行ってください。1号認定の子が降園し職員も交代する時間帯で、申し送りが回っているかがいちばんよく見えます。あわせて4歳児クラスに大人が何人立っているかを数え、職員室の机に書類が山積みになっていないかを確認してください。配置の余裕と記録の運用状況が、その2か所に出ます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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