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着付け師の資格の取り方と、出張着付けの仕事を始めるまで

@SOHO編集部
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着付け師の資格の取り方と、出張着付けの仕事を始めるまで

この記事のポイント

  • ✓着付け師資格には国家検定の着付け技能士と着付け教室の認定資格があります
  • ✓受検料11,400円と23,000円
  • ✓そして出張着付けの仕事を始めるまでの手続きと道具の準備までを公式情報で順に整理します

着付け師資格を調べ始めると、国家検定の名前と着付け教室が出している認定資格の名前が混ざって出てきて、どれを目指せばいいのか分からなくなります。講座の案内ばかりが目に入って、受検の条件や費用が見えないという声もよく聞きます。この記事では、国家検定である着付け技能検定の受検資格と日程を公式の数字で整理したうえで、教室の認定資格との違い、そして出張着付けの仕事を始めるまでに踏む手順を順番に説明します。

着付けの資格は国家検定と教室の認定に分かれている

最初に整理しておきたいのが、着付けの資格には性格の違う2種類があるということです。

ひとつは国家検定です。厚生労働省が所管する技能検定という制度の中に「着付け」という職種があり、合格すると着付け技能士と名乗れます。技能検定について、厚生労働省はこう説明しています。

技能検定とは、働くうえで身につける、または必要とされる技能の習得レベルを評価する国家検定制度で、機械加工、建築大工やファイナンシャル・プランニングなど全部で133職種(※)の試験があります。試験に合格すると合格証書が交付され、「技能士」と名乗ることができます。 出典: mhlw.go.jp

令和8年3月3日時点で、都道府県が実施する職種が111、指定試験機関が実施する職種が22あり、着付けは後者にあたります。着付けの試験を実施しているのは一般社団法人 全日本着付け技能センターで、指定を受けたのは平成22年2月1日です。着付けが技能検定の対象職種になったのは平成21年10月15日付の政令改正によるものだと、センターの公式サイトに書かれています。

もうひとつは着付け教室や流派が出している認定資格です。講師の資格、師範の資格、上級の認定といった名前で、教室ごとに基準と名称が違います。こちらは国の制度ではないので、名乗れる範囲や通用する場面は教室の知名度に左右されます。

どちらが良いという話ではありません。国家検定は受検資格に実務経験の年数が必要なので、いきなり受けることはできません。技術を身につける入口としては教室に通う道が現実的で、そこで経験を積んでから国家検定へ進むという順番になるのが普通です。求人や依頼を受けるときに客観的な証明として強いのは国家検定のほうなので、目標として据えるならこちらを見ておくとよいでしょう。

着付け技能検定は1級と2級の2つ

着付け技能検定には1級と2級があり、3級はありません。どちらも学科試験と実技試験の2つに分かれていて、学科に合格してから実技を受ける順番になります。

合否の基準は級で違います。学科も実技も100点満点で、1級は70点以上、2級は60点以上が合格です。10点の差が級の重さの違いをそのまま表しています。

試験の形式も確認しておきましょう。学科試験は記述、選択、択一の方式が混ざり、試験時間は1級も2級も60分です。実技試験は時間内に指定された着物を着付ける形で、試験時間は2時間30分から3時間程度です。実技試験の問題は事前に公表される仕組みになっていて、令和8年度は7月1日にセンターの公式サイトで公開されました。当日いきなり課題を知らされる試験ではないので、何を練習すればよいかは申込みの段階で分かります。

過去問題も公式サイトで無料で公開されています。学科試験の問題と解答が令和5年度から令和8年度まで、実技試験の問題が同じ年度分並んでいます。教材を買う前に、まずここで出題の水準を確かめておくと、必要な準備の量が具体的に見積もれます。

学科試験の受検資格は実務経験の年数で決まる

いちばん誤解が多いのがここです。着付け技能検定は誰でもすぐ受けられる試験ではなく、実務経験の年数が条件になっています。

まず、実務経験の定義を公式のまま確認します。

実務経験とは、他装又は着付け指導の業務に携わった経験をいう。また、実務経験年数は、受検対象者欄に掲げる卒業、修了又は免許取得の後の実務経験の年数をいう。 出典: kitsuke.or.jp

他装とは、自分ではなく他の人に着付けることです。自分で着られるようになった年数は数えません。人に着付ける仕事、または着付けを教える仕事に携わった期間が実務経験になります。ここを取り違えると、受検できると思っていた年に申請が通らないことになります。

必要な年数は、学歴や免許の有無で変わります。実務経験だけで受ける場合、2級は1年、1級は5年です。2級に合格している人が1級を受ける場合は2年に短縮されます。着付けに関する学科や訓練科(美容科、着付け科、和裁科、被服科など)を卒業している場合はさらに短くなり、専門高校の卒業なら1級が4年で2級は0年、大学・短大・高校専攻科の卒業なら1級が3年で2級は0年です。専修学校や各種学校の卒業は訓練時間で分かれ、800時間以上なら1級4年、1600時間以上なら1級3年、3200時間以上なら1級2年で、いずれも2級は0年です。職業訓練を修了した場合も同様に時間数で分かれます。

美容師免許を持っている人は、1級が2年、2級は0年です。美容室で働きながら着付けを担当している人は、この枠に当たる可能性が高いので確認してみてください。

実務経験の年数は、卒業や修了、免許取得の後の期間を数えます。学校に通いながら着付けの手伝いをしていた期間は算入されないので、逆算するときは注意してください。自分がどの枠に当たるか判断が付かない場合は、申請する前にセンターの窓口へ確認するのが確実です。

実技試験は学科に合格してから、2年の期限がある

実技試験は、同じ級または上位級の学科試験に合格した人、あるいは学科試験の免除を受けた人だけが受けられます。ここに期限があるのが重要な点です。

公式の条件は「学科試験に合格した日の翌日から起算して、2年を経過する日の属する年度の末日までに行われる実技試験を受検する場合に限る」と定められています。つまり、学科に合格したあと放置していると、実技を受ける資格が切れてしまいます。学科と実技を別の年に分けて受けるのは可能ですが、2年という枠の中で終わらせる計画を立てる必要があります。

なお、令和3年度の学科試験に合格した人については、期間が3年に延長される特例が示されています。過去に学科だけ受かっている人は、自分の年度の扱いを確認してみてください。

年間の流れを見ると、同じ年度で学科と実技を済ませる設計になっています。令和8年度は、学科試験の申請受付が3月2日から4月30日まで、学科試験が6月9日、結果通知が6月30日以降です。実技試験の申請受付は7月1日から7月22日まで、実技試験が9月15日から12月16日の期間で実施され、結果通知が令和9年1月29日以降です。学科に合格した人には、合格通知と一緒に実技試験の問題と受検申請書が送られる予定だとセンターが案内しています。

この日程で気をつけたいのは、学科の結果が出てから実技の申請締切までが3週間ほどしかないことです。学科に受かったら即座に実技の申請を出す前提で、書類の準備をしておく必要があります。

受検料と、かかる費用の全体像

受検料は級と試験の種類ごとに決まっています。学科試験は1級も2級も11,400円、実技試験は1級も2級も23,000円です。学科と実技の両方を受けると合計34,400円になります。振込みで支払い、明細書のコピーを申請書に貼って提出する方式です。

受検料以外にかかるものも見ておく必要があります。実技試験では着付ける着物と帯、小物を自分で用意することになるので、手持ちがない場合はここが最大の出費になります。試験会場は令和8年度の学科が札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡の6都市で、実技はこれに加えて申請の状況に応じて実施場所を増やすとされています。遠方から受ける人は交通費と宿泊費も見込んでおいてください。

申請書類はセンターの公式サイトから無料でダウンロードできます。郵送での取り寄せを希望する場合は、切手を同封して請求する方式です。申請書は締切日までに確実に届く方法で送ることが求められていて、令和8年度の学科は4月30日必着と明記されていました。窓口へ直接持っていく場合は、事前に訪問日時を確認してから行くよう案内されています。

本人確認書類として、運転免許証、個人番号カード(個人番号の記載箇所は黒塗り)、その他日本の官公庁が発行した身分証明書、資格確認書などのコピーを添付します。ただし、同じ年度の学科試験に合格した人が実技を申請する場合は、本人確認書類の添付は不要とされています。

学科試験で問われる範囲

学科試験の範囲は、センターの公式サイトに級ごとに並べられています。2級と1級で共通するのは次の項目です。

着物の知識と名称として、着物の歴史(服飾史)、着物の各部の名称と寸法、文様。男女の着物の違い。着物のたたみ方。着物の織物と染物の知識。着物の着用時季。着物の格として、用途別の種類と柄づけによる格の違い、家紋。帯の種類として織帯と染帯。着付小物と装身小物の種類と用途。着物、帯、小物の合わせ方。着付けの心得、作法、技法。そして関係法規として、美容師法の関係法令のうち着付けに関する部分です。

1級ではこれに「繊維の知識」が加わります。素材の性質を理解しているかどうかが1級で問われるということです。絹と化繊で扱いが変わる、湿気にどう影響されるといった話は、実務でも直に効いてくる知識です。

範囲を眺めると、手の技術より知識の幅が問われていることが分かります。着物の格と着用時季の判断は、依頼を受けたときに「この場にこの着物で良いのか」を答える場面に直結します。家紋や文様の知識は、礼装の依頼で必要になります。関係法規が範囲に入っているのも実務的な理由があり、次に説明する美容師免許との線引きに関わってきます。

学習の進め方としては、公開されている過去問題を先に1年分解いてみるのが効率的です。どの項目から何を問われるかが分かれば、手持ちの資料で足りる部分と、新しく学ぶ必要がある部分が分かれます。教室で習ってきた人は、技法の部分は答えられても、歴史や文様、法規の部分が空白になりがちです。そこを先に埋めると、準備が短く済みます。

学科と実技の準備を、どの順番で進めるか

受検を決めたら、準備の順番を先に決めておくと迷いません。年間の日程が固定されているので、逆算しやすい試験です。

学科の準備は、公開されている過去問題から始めます。令和5年度から令和8年度までの問題と解答が無料で見られるので、まず1年分を時間を計らずに解いてみます。ここで空白になった項目が、そのまま学習すべき範囲です。教室で習ってきた人は技法の部分に強く、歴史や文様、家紋、関係法規の部分が弱くなりがちです。逆に知識から入った人は、着付けの心得と技法の部分でつまずきます。自分の偏りを先に把握すると、時間の使い方が変わります。

次に、弱い項目を資料で埋めます。着物の格と着用時季は、表にして覚えるのが早い部分です。どの場にどの着物を着るのか、季節で何が変わるのかを一覧にすると、記述式の問題にも答えられるようになります。文様と家紋は図で覚える部分なので、手元の着物や資料の写真と結び付けて覚えると定着します。関係法規は美容師法の着付けに関する部分が対象なので、条文そのものを一度読んでおくと安心です。

実技の準備は、問題が公表される7月1日を起点に組みます。ただし課題になる着物の種類は級ごとに決まっているので、公表を待たずに練習は始められます。2級なら浴衣から付下げ訪問着まで、1級ならこれに礼装と紋服が加わります。練習では必ず時間を計り、1種類あたり何分で仕上げられるかを記録してください。試験時間は2時間30分から3時間程度なので、1種類にかけられる時間は限られています。

練習相手の確保が、実務経験のない人ほど難しい部分です。家族や友人に頼む、教室の練習会に参加する、着付けの手伝いを引き受けるといった形で、他装の回数を積む必要があります。自分に着る練習では実技試験の準備になりません。ここは早めに手を打っておくところです。

実技試験で着付ける着物の種類

実技試験は、定められた時間内に指定された着物を着付ける形式です。課題になる着物の種類が級で違います。

2級は、浴衣、街着、付下げ、訪問着、付下げ訪問着の5種類です。1級はこれに色留袖、黒留袖、中振袖、紋服(羽織・袴)が加わります。1級では礼装と男性の装いまで範囲に入るということです。

この差は準備の重さに直結します。2級の範囲なら、普段の仕事で扱っている着物が中心なので、練習の材料を揃えやすいところです。1級になると、黒留袖や中振袖、紋服といった、日常では扱う機会の少ない装いが入ります。紋服の羽織と袴は、女性の着付けが中心だった人にとっては新しい技術になります。1級を目指すなら、この4種類をどこで練習するかを先に決めておく必要があります。

試験時間が2時間30分から3時間程度あるのは、複数の着物を続けて着付けるためです。時間配分の練習が必須で、1種類ごとに何分で仕上げるかを決めて反復することになります。実技試験の問題が7月1日に公表されるので、そこから試験日までの期間が実質的な仕上げの時間です。試験の実施期間が9月15日から12月16日と幅があるので、自分の受検日がいつになるかで使える時間が変わります。

学科試験が免除になる場合

見落としやすい制度として、学科試験の免除があります。職業能力開発促進法施行規則と、センターの試験業務規程に基づいて基準が定められています。

技能検定の関係では、1級の学科試験に合格した人は1級と2級の学科試験の全部が免除になり、2級の学科試験に合格した人は2級の学科試験の全部が免除になります。ただしこちらも、学科合格の翌日から2年を経過する日の属する年度末までに受ける実技試験に限るという条件が付きます。

職業能力開発行政の関係では、職業訓練指導員免許を取得した人が1級と2級の学科試験の全部を免除されます。普通課程の普通職業訓練で技能照査に合格した後、2年の実務経験がある人は2級の学科試験が免除になり、訓練時間が2800時間以上なら1年で足ります。

さらに、着付け職種の技能検定に関わる指定試験機関技能検定委員のうち、問題作成を2年以上務めた人は1級と2級の学科試験と実技試験の全部、実技採点を2年以上務めた人は1級と2級の実技試験の全部が免除されます。

なお、技能センターが認めた検定合格者や教育講座の修了者向けに、特例講習を修了すれば学科試験が免除される仕組みがありましたが、この特例講習は平成27年度で終了しています。古い情報を見て「講習を受ければ免除される」と考えていた人は、現行の扱いを確認しておいてください。

教室の認定資格と、勧誘への注意

着付けを学ぶ場所としては、着付け教室が現実的な入口です。ただし、資格と受検の関係について誤解を招く案内もあるので、公式が出している注意を押さえておく必要があります。

センターの公式サイトには、事前講習会の案内が送られてくることがあるが当センターとは一切関係ないという注意が掲載されています。そして受検との関係について、こう明記されています。

着付け職種技能検定は、事前講習会を受けなくても受検資格をお持ちの方でしたらどなたでも受検できます。 出典: kitsuke.or.jp

つまり、特定の講習を受けることが受検の条件になっているわけではありません。「この講座を受けないと受からない」という趣旨の案内を受けたら、その場で契約せず、センターに確認してください。不明な点や不審な点があれば問い合わせるよう公式に案内されています。

教室を選ぶときの見方としては、3つの軸で比べると判断しやすくなります。1つ目は、他装を練習できるかどうかです。受検資格になる実務経験は他装または着付け指導の経験なので、自分で着る練習だけの講座では実務経験につながりません。2つ目は、料金の総額が示されているかどうかです。受講料以外に認定料、教材費、着物や小物の購入が必要になる場合があるので、最初に総額で確認します。3つ目は、修了後に人に着付ける機会があるかどうかです。式場や写真館、美容室とつながりのある教室なら、経験を積む場が見つかりやすくなります。

無料の体験レッスンを用意している教室は多くあります。複数を回って、教える内容と雰囲気を比べてから決めるのが安全です。その場で契約を急がせる教室は避けたほうがよいでしょう。

美容師免許との関係を先に確認する

出張着付けを仕事にするときに、必ず確認しておきたいのが美容師法との関係です。学科試験の範囲に関係法規として美容師法が入っているのも、この論点があるためです。

美容師法は「美容」を次のように定義しています。第2条で、パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により容姿を美しくすることを美容と定め、第6条で、美容師でなければ美容を業としてはならないと定めています。さらに第12条と第13条では、美容所を使う場合に構造設備について都道府県知事の検査を受けることや、清潔の保持、消毒設備の設置といった措置を講じることが求められています。

着付けだけを請け負う場合と、髪を結ったり化粧をしたりする施術まで請け負う場合では、この規定との関係が変わってきます。どこまでが自分の営業の範囲に含まれるのかは、施術の内容と場所によって判断が分かれる部分です。断定できる話ではないので、仕事として始める前に、営業予定の地域の保健所へ内容を伝えて確認するのが確実です。美容室に所属して着付けを担当する形なら、この論点は雇用主の側で整理されていることが多いところです。

ヘアセットを希望される依頼は実際に多くあります。自分が対応できない範囲については、近くの美容室と連携して紹介する形を取っている人もいます。断るのではなく引き継げる相手を持っているだけで、依頼の取りこぼしが減ります。

出張着付けの仕事を始めるまでの手順

技術と資格が揃ったら、仕事として始める手続きに移ります。順番に見ていきます。

第1に、開業の届出です。個人で事業を始めた場合、税務署へ個人事業の開業・廃業等届出書を提出します。提出時期は「事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までに提出してください」と国税庁が案内しています。手続きの根拠は所得税法第229条です。1か月以内という説明を見かけることがありますが、現行の案内は確定申告期限までです。青色申告を選ぶ場合は、別に所得税の青色申告承認申請書が必要になります。

第2に、道具の準備です。着付けに使う小物一式のほかに、出張なら持ち運びの手段が必要になります。着物を持参する依頼か、依頼者の着物を使う依頼かで荷物が変わります。折り皺を作らない運び方、早朝の現場で使う照明、正座が難しい場所で作業するための敷物といった、現場ごとの細かい備えが効いてきます。

第3に、料金の決め方です。着付けの料金は地域や時間帯、着物の種類で大きく変わります。全国共通の相場という形では示せないので、近隣の美容室や着付け専門店の料金表を確認して、自分の位置づけを決めるのが確実です。決めるときに項目を分けておくと、後のやりとりが楽になります。基本の着付け料、早朝や深夜の割増、出張の交通費、着物の持ち運びを請け負う場合の料金、ヘアセットを別の人に依頼する場合の扱い。この5つを先に決めておけば、問い合わせに即答できます。

第4に、予約と当日の段取りです。式や撮影に間に合わせる仕事なので、時間の管理が信用に直結します。予約時に確認しておきたいのは、着付けの開始時刻と完成の時刻、場所と駐車の可否、着物と小物が揃っているか、当日の段取りで誰と連絡を取るか、です。事前に小物の写真を送ってもらう運用にしている人もいます。当日になって帯揚げが足りないと分かるのがいちばん困る事態なので、ここを先に潰しておくと安心です。

第5に、記録を残すことです。仕上がりの写真を依頼者の許可を得て保存しておくと、次の依頼を受けるときに見せられます。作品の見せ方については、書き手向けの整理ですがWebライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で、実績をどう並べるとよいかの考え方がまとめられています。撮影と掲載の許可の取り方は業種を問わず同じなので、参考になります。

見積書や請求書といった書類の形式に不安がある人は、ビジネス文書検定の範囲を見ておくと、社外に出す書類の型が身につきます。個人で仕事を受けると、技術とは別にこの部分が信用を左右します。

依頼を受ける経路をどう作るか

技術があっても、依頼が来なければ仕事になりません。出張着付けの依頼が入ってくる経路は、大きく4つに分かれます。

1つ目は式場、写真館、レンタル着物店との取引です。成人式や七五三の時期に人手が必要になるので、着付けができる人を外部に頼む事業者は少なくありません。取引の形は業務委託が中心で、1日あたりや1件あたりの単価で受けます。単価は自分で設定するより先方の基準に合わせることが多いぶん、件数がまとまって入るのが利点です。繁忙期の土台としてはこの経路が安定します。

2つ目は美容室との連携です。ヘアセットは美容室、着付けは自分という分担にすると、双方の強みを出せます。美容師免許との関係で自分が請け負えない範囲がある場合、この形が現実的な解になります。

3つ目は個人からの直接の依頼です。紹介や地域のつながりから入ってきます。単価は自分で決められるので手取りが厚くなりますが、件数の波が大きく、これだけで年間の収入を組むのは難しいところです。仕上がりの写真と、料金の内訳を分かりやすく示しておくことが、問い合わせから依頼につながる確率を上げます。

4つ目は着付けを教える仕事です。教室の講師や、地域の講座を請け負う形です。実務経験として着付け指導の経験も算入されるので、1級を目指す過程とも噛み合います。人に教えられるようになると、技術の言語化が進んで自分の着付けも安定します。

どの経路も、最初の1件は自分から動かないと入ってきません。近隣の写真館や式場に、対応できる着物の種類と対応可能な時間帯を書いた案内を持っていく。これが一番早い動き方です。案内には資格の名称を正確に書いてください。着付け技能士の何級か、取得年を添えるだけで、相手は判断ができます。

繁忙期の組み立てと、体への負担

着付けの仕事は季節の偏りが大きい仕事です。成人式、卒業式、入学式、七五三、結婚式の時期に依頼が集中します。年間の収入をこの偏りの中で組み立てることになります。

繁忙期に気をつけたいのが3つあります。1つ目は予約の受け方です。同じ日の朝に複数件を入れる場合、移動時間を実測して組む必要があります。想定より1件が長引いたときに次へ影響するので、間に余裕を入れておくのが安全です。2つ目は体への負担です。早朝から立ち続け、腕を上げた姿勢が続く仕事なので、繁忙期に無理を重ねると腰や肩を痛めます。3つ目は断り方です。受けられない依頼を無理に受けるより、引き継げる同業者を持っておくほうが長い目で信用になります。

閑散期の使い方も収入に効いてきます。技術の練習や1級の準備に充てる人もいますし、着付け以外の仕事を組み合わせて収入を平らにする人もいます。在宅でできる仕事を組み合わせる場合、どんな業務が発注されているかはAI・マーケティング・セキュリティのお仕事のような業務内容の一覧を見ておくと掴めます。季節に左右されない収入の柱をひとつ持っておくと、繁忙期に無理をしなくて済みます。

料金の見直しをどう進めるかについては、業種が違っても考え方は共通します。Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】で扱われている、相手の予算構造から逆算して値段を決める手順は、着付けの料金を決めるときにも使える考え方です。

相場と市場の側から見た位置づけ

資格を取るかどうかを判断するときは、その技能を使う仕事の相場を見ておくのが確実です。職種ごとの数字は著述家,記者,編集者の年収・単価相場のような形で公開されているものが参考になります。着付けのような技能の仕事は、1件あたりの単価と年間の件数の掛け算で収入が決まるので、単価だけを見ても判断できません。繁忙期に何件受けられるか、閑散期に何で埋めるかを合わせて考える必要があります。

20年この市場を見てきた立場から言うと、技能の仕事で長く続いている人は、技術の高さだけで選ばれているわけではありません。時間どおりに来る、事前に必要なものを知らせてくれる、当日の変更に落ち着いて対応してくれる。この3つが揃っている相手は、依頼側から見ると「任せると楽な人」になります。式場や写真館からの継続的な依頼は、技術の評価より、この安心感で決まっている部分が大きいものです。単発の仕事をこなすことより、次も声がかかる関係を作ることに時間を使っている人が残っています。

もうひとつ、額面ではなく手取りの話をしておきます。仲介の手数料が引かれない直接取引なら、依頼者は同じ予算でより多くを頼めますし、受け手の手取りは厚くなります。手数料0%の強みは、表に出る金額の大きさではなく、同じ仕事で残る額が違うという質の差として現れます。着付けのように1件ごとに完結する仕事は、この差がそのまま年間の収入に積み上がります。紹介で回る仕事を増やしていくほど、この構造が効いてきます。

最後に、これから動き出す人が最初に確かめるべきことを整理します。自分の実務経験が何年になるのか、他装または着付け指導の経験として数えられるのかを確認する。次の年度の申請受付がいつ始まるかをセンターの公式サイトで確認する。公開されている過去問題を1年分解いて、いまの距離を測る。この3つを済ませてから教室や教材を選べば、判断を誤りません。着付け以外の収入の柱を作りたい人は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で扱われている業務の内容も見ておくと、繁忙期と閑散期の差を埋める手が見えてきます。

よくある質問

Q. 着付け師の資格は誰でもすぐ受けられますか?

国家検定の着付け技能検定には実務経験の条件があります。実務経験だけで受ける場合、2級は1年、1級は5年です。美容師免許を持っている人や、着付けに関する学科を卒業している人は年数が短くなり、2級は0年で受けられる枠もあります。実務経験は他装または着付け指導の経験で、自分で着られるようになった年数は数えません。

Q. 受検料はいくらかかりますか?

学科試験は1級も2級も11,400円、実技試験は1級も2級も23,000円です。学科と実技の両方を受けると合計34,400円になります。このほかに実技で使う着物や小物、遠方から受ける場合の交通費と宿泊費が必要です。申請書類は公式サイトから無料でダウンロードできます。

Q. 学科に合格したら、実技はいつまでに受けなければなりませんか?

学科試験に合格した日の翌日から起算して2年を経過する日の属する年度の末日までに行われる実技試験が対象です。放置すると受検資格が切れます。年間の日程は同じ年度で学科と実技を済ませる設計になっていて、学科の結果通知から実技の申請締切までが3週間ほどしかないので、書類を先に準備しておくのが安全です。

Q. 着付けの仕事をするのに美容師免許は必要ですか?

美容師法は美容をパーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により容姿を美しくすることと定義し、美容師でなければ美容を業としてはならないと定めています。着付けだけを請け負う場合と、髪を結ったり化粧をしたりする施術まで請け負う場合で扱いが変わるため、断定はできません。仕事として始める前に、営業予定の地域の保健所へ内容を伝えて確認してください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月12日最終更新:2026年9月27日
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