リモート家庭教師のバイトの始め方|必要な機材と生徒の集め方

中西 直美
中西 直美
リモート家庭教師のバイトの始め方|必要な機材と生徒の集め方

この記事のポイント

  • ✓リモート家庭教師バイトを始めるために必要な機材
  • ✓契約と税金の扱いまでを順番に解説します
  • ✓初めての人が最初の1コマを持つまでに迷いやすい点を

「リモート家庭教師バイトを始めたいけれど、何をそろえればいいのか分からない」。この相談は年々増えています。教える力には自信があっても、カメラやペンタブレットの話になると急に足が止まってしまう。そして「生徒はどこから来るのか」が見えないまま、応募ボタンを押せずに終わる。この記事では、機材と費用の目安、生徒を集める経路、契約と税金の扱いまでを、確かめられる情報だけで順に整理します。読み終わるころには、次に何をすればよいかが決まっているはずです。

リモート家庭教師の求人が増えている理由

オンラインで教える仕事は、ここ数年で「特別な働き方」ではなくなりました。背景には3つの変化があります。

1つ目は、家庭側の事情です。通学の送り迎えが要らないこと、夜遅い時間でも自宅で受けられること、地方に住んでいても都市部の指導者を選べること。この3点が、対面の塾にはない価値として受け入れられました。とくに部活動や習い事と並行している中高生にとって、移動時間がゼロになる意味は大きいものがあります。

2つ目は、指導者側の事情です。教室に出勤する必要がないため、子育て中の人、介護と両立している人、会社員として平日に働きながら夜だけ教えたい人が参入できるようになりました。1コマ60分から90分という単位は、在宅の仕事の中でも時間の区切りがはっきりしているほうです。予定が読める仕事は、生活と噛み合わせやすくなります。

3つ目は、道具が安くなったことです。数年前なら専用機材が必要だった手書きの共有も、今はタブレット1台と無料のアプリで足ります。参入の費用が下がったぶん、求人の数も増えました。

求人サイトの検索画面には、働き方や条件で絞り込む導線が用意されています。

検索のヒント:「営業」「アパレル」「カフェ バイト」といった職種・業種・働き方のほか「営業 未経験」のような条件でも検索できます。 出典: 求人ボックス

「オンライン」「在宅」「リモート」という語は、同じ働き方を指していても求人ごとに表記が揺れます。探すときは3つとも試すのが確実です。片方の語だけで検索して「求人が少ない」と判断してしまう人は珍しくありません。

報酬の相場と、時間あたりの考え方

リモート家庭教師の報酬は、大きく分けて3通りの決まり方をします。

会社に登録して生徒を紹介してもらう形では、1コマ60分あたり1,500円から2,500円という水準が多く見られます。中学生の一般的な科目がこの帯で、高校生の数学や理科、大学受験の指導になると上がり、難関大学の対策や医学部志望の指導では1コマ4,000円を超える募集も出ます。学歴や指導経験で単価が決まる仕組みを取っている会社が多いため、募集要項の「昇給条件」を先に読むと、半年後の姿が想像しやすくなります。

自分で生徒を集める形では、価格を自分で決められます。そのかわり、集客も日程調整も入金の管理も自分の仕事になります。時給に換算するときは、授業の時間だけでなく、準備と連絡の時間を足して計算してください。初めて担当する単元の予習に30分、保護者への報告に10分かかるなら、60分の授業でも実働は100分です。ここを見落とすと、想定より収入が薄く感じられます。

三つ目は、成果や継続でふえる形です。担当した生徒が継続するたびに手当が出る、指名が入ると単価が上がる、といった仕組みを置いている会社があります。募集要項では「継続手当」「指名料」という言葉で書かれていることが多いので、探してみてください。

在宅の仕事全体の中で見ると、家庭教師は「時間あたりの単価が比較的はっきりしている」部類に入ります。成果物の分量で報酬が動く仕事と比べたとき、1コマいくらという形は見通しが立てやすい利点があります。たとえば文章を書く仕事の相場感は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で確かめられますが、こちらは文字数や難易度で振れ幅が大きく、月ごとの収入が読みにくい性質があります。どちらが向いているかは、生活のリズムをどれだけ固定したいかで変わります。

そろえる機材と、費用の目安

必要なものは、思っているより少なく済みます。ただし「あれば良い」ではなく「無いと授業が成立しない」ものから順にそろえるのが失敗しないやり方です。

まず必須の3点です。

パソコンは、画面共有とビデオ通話が同時に動けば足ります。発売から5年以内の機種なら多くの場合そのまま使えます。メモリは8GB以上あると、資料とビデオ通話を並べて表示しても動きが重くなりません。スマートフォンだけで授業をするのは、画面が小さく板書が見えないため、現実には難しくなります。

通信回線は、ここが一番の要です。光回線で上りの速度が10Mbps以上出ていれば、映像が途切れる心配はほぼありません。速度は測定サイトで確かめられますが、見るべきなのは「下り」ではなく「上り」です。自分の映像を送り出す側だからです。モバイル回線しかない場合は、授業の時間帯に一度テスト通話をして確かめてください。授業中に映像が止まると、生徒の集中が切れます。

マイクは、パソコン内蔵のものではなく、有線のイヤホンマイクを使うだけで大きく変わります。価格は2,000円前後から手に入ります。内蔵マイクは部屋の反響を拾いやすく、長時間聞いていると疲れます。聞き取りやすさは、指導の質そのものと同じくらい評価に響きます。

次に、あると指導が変わるものです。

手書きを共有する道具は、数学や理科を教えるなら実質的に必須です。板書アプリに対応したタブレットとペンの組み合わせで、中古なら合計2万円台から用意できます。書画カメラ(手元を映すカメラ)を使って紙のノートをそのまま映す方法もあり、こちらは3,000円台の製品から選べます。どちらが良いかは科目によります。図形や筆算を「書きながら」見せたいならタブレット、生徒の解いた紙を確認したいなら書画カメラが向いています。

照明は、顔が暗く映るときだけで構いません。デスクライトを画面の後ろから当てるだけでも改善します。専用のリングライトは3,000円前後です。

初期費用を合計すると、すでにパソコンがある人なら5,000円から3万円の範囲に収まります。パソコンから買う場合でも、事務作業ができる水準の機種で足ります。高性能な機種は必要ありません。

無料で始められる部分と、費用がかかる部分

「無料で始められる」という言葉は、どこまでを指しているのかで意味が変わります。線を引いておきます。

無料で用意できるものは、ビデオ通話のソフト、板書に使うホワイトボードアプリ、資料を共有するクラウドの保存領域、日程を調整するカレンダーです。個人で使う範囲なら、いずれも費用をかけずに始められます。録画や長時間の通話に制限が付く場合はありますが、1対1で60分から90分の授業をする分には無料の範囲で回ります。

会社に登録して働く場合、登録料や研修費を請求されることは通常ありません。ここは見分けの基準になります。「教材費として先に支払いが必要」「認定料を払えば単価が上がる」といった説明が出てきたら、その場で契約せず、条件を書面でもらってから判断してください。働く側が先にお金を払う構造の募集は、家庭教師に限らず注意が要ります。

費用がかかるのは、機材と通信費、そして自分で生徒を集める場合の広告費です。マッチングサイトを使うなら、成約した授業料の一部が手数料として引かれます。手数料の割合はサイトによって差があり、20%を超えるところもあります。「無料で登録できる」と「無料で働ける」は別の話なので、登録前に手数料の表記を確かめてください。

教材費の扱いも先に決めておきます。問題集を指定する場合、誰が買うのか、費用を誰が持つのかは、最初の面談で言葉にしておくと後の行き違いが減ります。

授業に使うアプリの選び方にも触れておきます。ビデオ通話のソフトは、生徒側の環境で確実に動くものを選ぶのが基本です。家庭にすでに入っているソフトがあれば、それに合わせるほうが早く始まります。新しいものを入れてもらう手続きが挟まると、初回から遅れが出ます。板書のアプリは、書いた内容をあとから画像として残せるものが便利です。授業の終わりに生徒へ渡しておけば、復習のときに見返せます。

無料の範囲で始めて、必要が出たときに有料の機能へ移す。この順序が無駄がありません。最初から有料の道具をそろえても、使わない機能に費用を払い続けることになります。担当する生徒が3人を超えたあたりで、日程の管理に手間を感じ始めます。その時点で予約の管理ができる仕組みを検討すれば十分です。

生徒を集める3つの経路

ここが、始める前に一番見えにくいところです。経路は大きく3つあります。それぞれ手間と手取りが逆の関係になっています。

会社に登録して紹介を受ける

オンライン指導を運営する会社に登録し、生徒を割り当ててもらう形です。集客と料金回収を会社が担うため、指導に集中できます。未経験からの募集も多く、教える形式が整えられているのが特徴です。

空いた時間にサクッと1日1時間からOK。『先生用の解答付テキスト』など、お助けアイテムを複数ご用意しているので、未経験の方も大歓迎。 出典: katekyoinfo.com

指導用の教材があらかじめ用意されている会社は、最初の負担が軽くなります。そのかわり、授業料のうち指導者に渡る割合は下がります。おすすめできるのは、まだ教えた経験がない人、あるいは生徒との関わり方の型を身につけたい人です。

マッチングサイトに登録する

指導者と家庭が直接やり取りする形式のサイトを使う方法です。自己紹介文と対応科目を登録し、家庭からの申し込みを待ちます。会社に登録するより単価は高くなりやすい一方で、申し込みが来るまでの時間が読めません。

プロフィールの書き方で結果が変わります。「丁寧に教えます」という言葉は、全員が書いているため差になりません。代わりに、どの学年のどの単元でつまずいた生徒を、どういう順番で組み立て直したかを具体的に書きます。読んだ家庭が「うちの子と同じだ」と思える記述が、申し込みにつながります。

自分で募集する

地域の掲示板、知人からの紹介、自分のSNSを使って直接募集する方法です。手数料が引かれないため手取りは最も厚くなりますが、集客も契約も入金の管理も自分で行います。最初の1人を得るまでに時間がかかるため、他の経路と並行するのが現実的です。

紹介で広がるのが最も強い経路である点は、20年この市場を見てきた立場から見ても変わっていません。1人の生徒の成績が動くと、その保護者のつながりから次の相談が来る。広告を出すより確実で、途切れにくい。最初の3か月は手数料を払ってでも経験を積み、実績ができてから直接の依頼に軸足を移す。この順番で進めた人が、結果として長く続いています。

応募から初回授業までの流れ

実際の進み方を、順を追って確かめます。

応募すると、まず書類の確認があります。学歴を証明するもの(学生証や卒業証書の写し)、本人確認書類、口座情報を求められるのが一般的です。指導実績がある場合は、担当した学年と科目を書き出しておくと選考が早く進みます。

次に面談です。多くはビデオ通話で行われ、通信環境の確認を兼ねています。ここで映像や音声が不安定だと、それ自体が評価に響きます。面談の前に一度、家族や友人と通話して映り方と聞こえ方を確かめておいてください。背景に生活感のあるものが映り込む場合は、背景をぼかす機能を使えば足ります。

面談では、模擬授業を求められることがあります。5分から10分で、指定された単元を説明する形式です。ここで見られているのは知識の量ではなく、相手が理解しているかを確かめながら進められるかです。一方的に説明し切ってしまう人より、「今の説明で分かりましたか」と間を取れる人のほうが通ります。

合格すると、研修と生徒の紹介に進みます。研修は動画の視聴と確認テストで済む会社が多く、数時間で終わります。生徒の紹介は、登録からすぐ来る場合と、数週間待つ場合があります。待っている間に、担当したい学年の教科書と問題集に目を通しておくと、初回の授業が楽になります。

初回の授業では、教える前に確かめることがあります。今使っている教材、学校の進度、定期テストの日程、そして「何が分からないか分からない」状態になっている単元。この4点を聞き出せると、2回目以降の組み立てが変わります。

オンラインで教えるときの進め方

対面と同じやり方をそのまま画面に移しても、うまくいきません。違いが出るのは次の3点です。

1点目は、沈黙の意味が読みにくいことです。対面なら、手が止まっているのか考えているのかが見えます。画面越しでは分かりません。そのため、「今どこまで書けましたか」「手元を映してもらえますか」と、こちらから確かめる回数を増やす必要があります。生徒が黙っている時間を、理解している時間だと決めつけないでください。

2点目は、集中が切れやすいことです。自宅で受けているため、通知や家族の声など、注意をそらすものが周りにあります。対策は単純で、区切りを短くすることです。60分の授業なら、15分ごとに「ここまでで何をやったか」を生徒の言葉で言ってもらう。それだけで戻ってきます。

3点目は、手元が見えないことです。計算のどこで間違えたのかが分からないと、指導が「答えが違う」で止まってしまいます。生徒側にも手元を映す手段を用意してもらうか、解いた紙を写真で送ってもらう運用にすると解決します。初回に「解いた紙は写真で送ってください」と伝えておくだけで、2回目から授業の中身が変わります。

授業の記録も残してください。何を扱い、どこでつまずき、次に何をするか。3行で足ります。保護者への報告にそのまま使えますし、数か月後に見返すと生徒の変化が分かります。記録を残している指導者は、継続の依頼を受けやすい傾向があります。

教える科目と学年をどう決めるか

応募のときに迷うのが「どこまで対応できると書くか」です。広く書けば紹介は増えますが、担当した後で苦しくなります。判断の基準を3つ示します。

1つ目は、自分が受験で使った科目かどうかです。学校で習っただけの科目と、入試のために解き込んだ科目では、説明の解像度がまったく違います。解き方を知っているだけでなく、「なぜその解き方を選ぶのか」を言葉にできるのは後者です。生徒がつまずくのは答えの出し方ではなく、方針の選び方であることが多いため、この差は指導の質に直結します。

2つ目は、教科書の構成を思い出せるかどうかです。中学数学なら、1年の文字式が2年の連立方程式につながり、それが3年の二次方程式の土台になる。この縦のつながりが頭に入っていると、「今つまずいているのは、本当は2年前の単元だ」と見抜けます。逆に、単元ごとの知識しかないと、目の前の問題を解いて終わってしまいます。

3つ目は、自分が苦手だった科目を含めるかどうかです。意外なことですが、苦手だった科目のほうが上手に教えられる場合があります。どこで分からなくなるかを体で覚えているからです。ただし、一度も得点できなかった科目を担当するのは避けてください。生徒の質問に答えられない時間が続くと、双方にとって負担になります。

学年については、まず中学生から始めるのが無理のない順序です。高校の理数科目は準備の負担が大きく、大学受験の指導は最新の入試傾向を追う必要があります。中学生を数か月担当して進め方の型ができてから、高校生に広げる。この順で単価も自然に上がっていきます。

対応科目を登録するときは、「対応できる」と「得意」を分けて書いてください。家庭側は得意分野を見て選びます。全科目に丸を付けた登録より、2科目に絞って理由まで書いた登録のほうが、申し込みは多く入ります。

保護者とのやり取りで気をつけること

リモート家庭教師の仕事は、生徒を教えるだけでは終わりません。相談として持ち込まれる悩みの多くは、指導の内容そのものではなく保護者との距離の取り方です。

まず、連絡の手段と時間帯を最初に決めます。会社経由であれば連絡窓口が用意されているので、個人の連絡先を渡す必要はありません。直接契約の場合は、連絡に使う手段を1つに絞り、「返信は翌日の日中に行う」と伝えておきます。これを決めずに始めると、夜中の連絡に応じ続ける形になり、長く続きません。

次に、報告の形を決めます。授業のあとに3行の記録を送るだけで十分です。扱った内容、つまずいた箇所、次回の予定。この3つがあれば、保護者は状況を把握できます。長い文章は必要ありません。むしろ、毎回同じ形式で短く届くほうが安心されます。

成績の話は、扱い方に注意が要ります。「次のテストで何点取れますか」と聞かれることがありますが、点数を約束してはいけません。代わりに、「今はこの単元の計算で時間を使っているので、まずそこを安定させます」と、取り組んでいる内容を具体的に伝えます。見通しを示すことと、結果を保証することは別です。

保護者が不安を口にしたとき、すぐに解決策を返さないほうがうまくいく場面があります。「学校の進度に追いつけていないのが心配だ」という言葉の背景には、成績以外の事情が隠れていることがあります。まず聞き取り、状況を確かめてから提案する。この順序を守ると、行き違いが減ります。

やめるときの伝え方も、始める前に考えておいてください。事情が変わって続けられなくなることは誰にでもあります。会社経由なら会社に申し出れば足りますが、直接契約の場合は後任を紹介できるかどうかで印象が変わります。最後の対応が良ければ、別の家庭を紹介されることもあります。

起きやすいつまずきと、その直し方

始めて間もない時期に起きることは、ある程度決まっています。先に知っておけば、慌てずに対処できます。

授業の途中で映像や音声が止まるのは、最も多い場面です。復旧を待つ間に授業が崩れないよう、代わりの手段を決めておきます。音声だけ電話に切り替える、資料を先に共有して生徒に解き進めてもらう、といった形です。「通信が切れたときはこうします」と初回に伝えておけば、実際に起きたときに生徒が不安になりません。

準備した内容が想定より早く終わってしまうのも、よくある場面です。予備の問題を毎回2問だけ用意しておくと解決します。逆に、まったく進まないこともあります。そのときは進度を守るより、つまずいた箇所に時間を使ってください。先に進めても、土台が抜けている状態では次の単元でまた止まります。

生徒が宿題をやってこないことも起きます。ここで叱っても関係が悪くなるだけで、次の週も同じことが繰り返されます。分量を半分にする、授業の最初の10分で一緒に手をつける、提出の形を写真1枚に簡略化する。できる形まで下げるほうが、結果として続きます。

生徒の反応が薄く、理解しているのか分からない状態も起きます。このときに効くのは、説明を増やすことではなく、生徒に説明してもらうことです。「今やった手順を、順番に言ってみてください」と頼む。言葉にできない箇所が、そのまま分かっていない箇所です。理解の確認としてこれ以上に確実な方法はありません。

自分の指導に自信が持てなくなる時期も来ます。担当した生徒の成績が動かないと、力不足だと感じてしまう。ただ、学習の成果は数か月単位で現れるもので、1か月で判断できるものではありません。記録を残していれば、解ける問題が増えていることは確かめられます。数字が動く前の変化を見つけられるのは、毎週向き合っている指導者だけです。

契約の形と、税金の扱い

ここは後回しにされやすい部分ですが、最初に確かめておくと安心して働けます。

契約の形は2通りあります。雇用契約(アルバイト)として働く場合と、業務委託契約として働く場合です。同じ「バイト」という言葉で募集されていても、中身が違います。

雇用契約であれば、報酬から所得税が源泉徴収され、条件を満たせば雇用保険にも入ります。業務委託であれば、報酬は事業所得または雑所得として自分で申告します。どちらなのかは、契約書または募集要項の「契約形態」欄に書かれています。書かれていなければ、応募の段階で聞いてください。答えられない相手とは契約しないほうが無難です。

申告が必要になる目安については、国税庁が条件を示しています。

給与を1か所から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える人 出典: 国税庁

会社員として給与を受けている人が、業務委託でリモート家庭教師をする場合、この20万円の線が目安になります。ただし、この20万円は所得税の確定申告についての話で、住民税の申告は別に必要です。金額や働き方によって扱いが変わるため、自分の場合にどうなるかは、お住まいの市区町村の窓口か税務署で確認してください。

経費として認められる範囲も、一律には決まりません。授業に使うタブレット、通信費、教材の購入費は経費として扱われることが一般的ですが、家庭でも使っているものは使用割合で按分するのが原則です。領収書は残しておいてください。捨ててしまうと、後から認めてもらうのが難しくなります。

副業として始める場合、勤め先の規則も確かめます。厚生労働省は副業・兼業について考え方と様式を公開しており、モデル就業規則では届け出のうえで働ける形が示されています。禁止されているのか、届け出が要るのか、届け出も不要なのかは会社ごとに違います。就業規則の該当箇所を自分の目で読んでから始めるのが確実です。

続けるための時間の組み立て方

始めた人が辞めてしまう理由は、指導が難しいからではありません。時間の入り方が読めなくなるからです。

授業の時間帯は、平日の夕方から夜、そして土日の午前に集中します。学校が終わってから就寝までの間しか枠がないため、複数の生徒を持つと予定が細かく埋まります。ここで起きやすいのが、「空き時間が30分ずつ散らばって、何もできない時間になる」状態です。

対策は、曜日をまとめることです。火曜と木曜の夜だけ、土曜の午前だけ、というように担当を寄せる。会社に登録している場合でも、対応可能な時間帯を最初に絞って登録しておけば、その枠の中でしか紹介が来ません。「なるべく多く入れたい」と広く登録して、後から断るほうが、信頼を損ないます。

準備の時間も先に確保してください。担当する単元が決まったら、授業の前日までに問題を自分で解いておく。この30分をとるかどうかで、授業中の余裕がまったく変わります。慣れるまでは、授業1コマにつき準備30分を予定に入れておくくらいでちょうど良いはずです。

収入を安定させたいなら、2つ以上の経路を持つことをおすすめします。会社からの紹介だけに頼っていると、生徒が卒業した時期に収入がゼロに近づきます。マッチングサイトの登録を残しておく、あるいは他の在宅の仕事を1つ並行して持つ。この形にしておくと、季節による波を吸収できます。

在宅で働く選択肢の中での位置づけ

最後に、在宅の仕事全体の中でリモート家庭教師がどこにあるのかを整理します。

在宅で働く仕事は、報酬の決まり方でいくつかに分かれます。時間で決まるもの、成果物で決まるもの、成果で決まるもの。リモート家庭教師は1つ目に属し、働いた時間がそのまま収入になります。予定が読めることが最大のメリットで、生活のリズムを崩したくない人に向いています。

一方で、時間で決まる仕事には上限があります。1日に入れられる授業は物理的に限られるため、収入を伸ばそうとすると単価を上げるか、別の仕事を組み合わせるしかありません。ここで多くの人が、教える以外のスキルに目を向けます。

実際、在宅の仕事の中で単価の幅が大きいのは、技術系と制作系です。開発の仕事がどういう内容で構成されているかはアプリケーション開発のお仕事にまとまっており、ネットワークやセキュリティの分野はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で扱われています。相場の水準はソフトウェア作成者の年収・単価相場で確かめられます。教える仕事で生活の土台を作りながら、別の分野を少しずつ学ぶという進み方は、実際によく見られる形です。

資格を足がかりにする場合、書類作成の基礎を示すビジネス文書検定や、ネットワークの基礎を示すCCNA(シスコ技術者認定)のように、学習の順序がはっきりしているものから入ると続きます。家庭教師として学習計画を立てている人は、この「順序を設計する力」をすでに持っています。自分に対して同じことをすればよいだけです。

運営者として長く市場を見てきた立場から言えることがあります。在宅の仕事で長く続いている人は、単発の作業を数多くこなしている人ではありません。「この人に頼むと楽だ」と思われる関係を作った人です。家庭教師はその点で有利な仕事です。毎週同じ生徒と向き合い、変化を共有し、保護者と連絡を取る。この積み重ねが、そのまま信頼になります。

仲介の手数料が乗らない直接のやり取りには、もう一つ意味があります。同じ予算でも、依頼する側はより多くの時間を頼め、受ける側の手取りは厚くなる。金額の大小の話ではなく、同じ仕事に対して残る割合が変わるという構造の話です。経験を積んだ後にこの形へ移していく人が多いのは、そのためです。

仕事の探し方をもう少し広く見たいときは、AIコンサル・業務活用支援のお仕事のように分野ごとに整理された案内から入ると、自分の経験がどこで評価されるのかが見えやすくなります。文章を書く仕事の単価の上げ方を扱ったWebライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップも、教える仕事から領域を広げるときの参考になります。

よくある質問

Q. リモート家庭教師のバイトは未経験でも始められますか?

会社に登録する形であれば、未経験を対象にした募集が多くあります。指導用の教材や進め方の手引きが用意されている会社を選ぶと、最初の負担が軽くなります。選考では知識の量より、相手が理解しているかを確かめながら進められるかが見られます。模擬授業を求められることがあるので、間を取って質問する練習をしておくと通りやすくなります。

Q. 機材は最低限どれだけ必要で、費用はいくらかかりますか?

必須なのはパソコン、安定した通信回線、有線のイヤホンマイクの3点です。パソコンがすでにあれば5,000円ほどから始められます。数学や理科を教えるなら手書きを共有する道具が要り、中古のタブレットとペンで2万円台、手元を映す書画カメラなら3,000円台から用意できます。合計で3万円以内に収まることがほとんどです。

Q. 報酬の相場はどのくらいですか?

会社に登録する形では、1コマ60分あたり1,500円から2,500円という水準が多く見られます。高校生の数学や理科、大学受験の対策になると上がり、4,000円を超える募集もあります。自分で生徒を集める場合は価格を自分で決められますが、集客と日程調整の時間も自分の仕事になるため、準備と連絡の時間を含めて計算してください。

Q. 副業として働く場合、確定申告は必要ですか?

会社から給与を受けていて、家庭教師の報酬が業務委託である場合、給与以外の所得の合計が20万円を超えると所得税の確定申告が必要になります。これは所得税についての目安で、住民税の申告は別に必要です。金額や契約の形で扱いが変わるため、自分の場合にどうなるかは市区町村の窓口か税務署で確認してください。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年9月17日最終更新:2026年9月26日
中西 直美

この記事を書いた人

中西 直美@SOHO編集部

産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス

フリーランス

フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ

スキルアップ

プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

AI活用

AI活用

職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人

看護師の転職・求人

看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人

薬剤師の転職・求人

薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人

介護職の転職・求人

介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人

保育士の転職・求人

保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人

医療職の転職・求人

医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス

経営・ビジネス

経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金

補助金・助成金

個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方