ボールペンの袋詰めの内職|作業の流れと自宅にそろえる道具

@SOHO編集部
@SOHO編集部
ボールペンの袋詰めの内職|作業の流れと自宅にそろえる道具

この記事のポイント

  • ✓内職のボールペン袋詰めについて
  • ✓作業の流れと自宅にそろえる道具を具体的に整理します
  • ✓家内労働法で決まっている家内労働手帳の交付

ボールペンの袋詰めの内職を探している人が最初に知りたいのは、どんな作業をどれだけの広さでこなすのか、何をそろえればよいのか、そして条件をどう確かめるかという3点だと考えられます。結論から書くと、必要な道具はそれほど多くありません。作業台と保管場所、それに手を清潔に保つ用意があれば始められます。

一方で、条件の確かめ方は先に押さえておく必要があります。ボールペンの袋詰めは家内労働法という法律の対象になる働き方で、委託する側には家内労働手帳を交付する義務があり、工賃の支払期限も法律で決まっています。ここを知らずに始めると、単価も支払日も曖昧なまま作業を抱えることになります。この記事では、作業の流れと道具を具体的に整理したうえで、条件の確かめ方と税金の扱いまで順に見ていきます。

ボールペンの袋詰めは家内労働法の対象になる

家内労働法は、自宅などを作業場にして、メーカーや問屋から部品や原材料の提供を受けて物を作ったり加工したりする働き方を対象にした法律です。厚生労働省の説明では、1人または同居の親族とともに作業して、その労働に対して工賃を受け取る人が家内労働者に当たります。

対象になる作業の範囲は法律に列挙されています。家内労働法2条1項1号は、他人に物品を提供して、その物品を部品や附属品や原材料とする物品の製造、またはその物品の加工、改造、修理、浄洗、選別、包装、解体を委託することを「委託」としています。袋詰めは包装に当たるため、ボールペンの袋詰めはこの法律の対象です。シール貼りや箱詰めも同じ枠に入ります。

家内労働者の定義には条件が1つ付いています。同法2条2項は、その業務について同居の親族以外の者を使用しないことを常態とする者としています。つまり、家族以外の人を雇って作業していると家内労働者ではなくなります。自分1人か、同居の家族と一緒に作業する形が前提です。同居の親族が作業を手伝う場合、その人は「補助者」として扱われます。

規模の実態も公表されています。厚生労働省の集計では、令和7年10月1日現在の家内労働者数は85,177人で、男性が9,472人、女性が75,705人です。委託する側の数は6,249者となっています。全体としては大きな市場ではありませんが、制度としてはきちんと整備されていて、条文と手続きが文書で公開されているという特徴があります。制度の全体像は厚生労働省の家内労働についてのページで確認できます。

なお、家内労働法の対象になるということは、労働基準法上の労働者とは扱いが違うということでもあります。最低賃金法は適用されず、代わりに最低工賃という別の仕組みが用意されています。労働時間の規制もありません。この違いが後の節で見る条件確認の重みにつながります。

作業の流れを最初から最後まで追う

実際の流れを順に追います。工程は大きく5つに分かれます。

1つ目は材料の受け取りです。委託する側から、ボールペン本体、袋、台紙やシールといった資材が箱単位で届きます。受け取り方は宅配便で自宅に届く形と、営業所や作業所まで取りに行く形の両方があります。取りに行く形の場合、車がないと成り立たない量になることもあるため、募集の段階で受け渡しの方法を確認する必要があります。

2つ目は検品です。袋詰めの前に、ボールペンに傷や汚れがないか、インクが出るか、キャップがきちんと閉まるかを見ます。この工程を省くと、不良品を詰めたまま納品して全部やり直しになります。検品の基準は委託する側が示すので、最初に受け取る書面や口頭の説明をメモに残しておくと後で迷いません。

3つ目が袋詰めそのものです。指定された本数を袋に入れ、台紙を差し込み、袋の口をシールや熱で閉じます。本数や向きの指定がある場合もあります。ペンの軸の色を組み合わせるセット品だと、色の順番まで決まっていることがあります。ここで手が止まりやすいのは、袋の口が開きにくいときです。指先が乾いていると袋が開かないので、指サックや湿らせた布を手元に用意すると速度が変わります。

4つ目は数をそろえる作業です。決まった個数ごとに束ね、箱に詰め、個数を書いた伝票を添えます。数の間違いは受け入れの段階で必ず見つかるので、詰めながら数える方法を自分で決めておきます。10個ずつ小分けにしてから箱に入れる、といった手順にすると誤差が出にくくなります。

5つ目は納品です。完成品を委託する側に渡し、受領の記録を残します。この受領した日が、後で見る工賃の支払期限の起点になるため、いつ渡したかを自分の側にも記録しておきます。家内労働手帳に記入してもらう欄があるので、その場で書いてもらうのが確実です。

1日のうちどの時間に作業するかは自由です。納期までに指定の数を仕上げればよいので、家事や育児の合間に分けて進める形が成り立ちます。ただし納期は決まっているので、1日にこなせる数を最初の数日で測っておかないと、後半で無理をすることになります。最初の委託は少ない数量で受けて、自分の速度を測ってから量を増やすのが安全な進め方です。

自宅にそろえる道具

必要な道具は多くありません。ただし、なくて困るものと、あると速度が変わるものが分かれます。

まず必須のものです。平らな作業台が要ります。こたつやローテーブルでも作業はできますが、長時間だと腰に来ます。椅子に座って肘が自然に乗る高さの台があると疲れ方が違います。次に、材料と完成品を分けて保管する場所です。届いた箱をそのまま使うと作業の途中で混ざるため、未加工と完成品を別の場所に分けます。段ボール箱を2つ用意するだけでも足ります。

そして清潔さを保つ用意です。ボールペンは店頭に並ぶ商品なので、手の汚れや髪の毛が袋に入ると不良品になります。手を洗う場所が近くにあること、食べ物を作業台に持ち込まないこと、ペットの毛が飛ばない場所であることが条件になります。作業前に手を拭く布と、台を拭くクロスを常備します。

あると速度が変わるものも挙げます。指サックは袋の口を開けるときに効きます。ピンセットは小さな台紙を差し込むときに使えます。トレーは本数を数えながら並べるのに便利です。卓上の照明があると、検品で傷を見つけやすくなります。カウンターがあれば個数の数え間違いが減ります。これらは数百円から数千円の範囲でそろうので、作業量が増えてきた段階で追加すればよいものです。

袋の口を熱で閉じるシーラーが必要な作業もあります。この機器は委託する側から貸与されるか提供されることが多くありますが、自分で買うよう言われる場合もあります。ここは費用の負担がどちらにあるかを先に確認する必要があります。家内労働法17条1項は、委託者が機械や器具、原材料などを家内労働者に譲渡、貸与、提供するときは、危害を防止するために必要な措置を講じなければならないと定めています。機器を受け取る場合は、安全に関する書面も併せて受け取る形になります。

作業スペースの広さは、扱う数量で決まります。ボールペン数百本なら一般的な食卓の半分で足りますが、数千本の単位になると箱の保管場所のほうが問題になります。募集の条件に「自宅に作業スペースがある方」と書かれている場合、この保管場所を指していることが多くあります。受ける前に、箱を何個並べられるかを実際に測っておくと判断を誤りません。

家内労働手帳を必ず受け取る

条件の確認で最も重要なのがこれです。家内労働法3条1項は、委託者は委託をするにあたって家内労働者に家内労働手帳を交付しなければならないと定めています。これは義務であって、依頼する側の好意ではありません。

記入する内容も決まっています。同条2項により、委託するつどに委託した業務の内容、工賃の単価、工賃の支払期日などを記入し、物品を受領するつどに受領した数量などを記入し、工賃を支払うつどに支払った額などを記入することとされています。つまり、単価と支払日と数量が、そのつど書面に残る仕組みです。厚生労働省は伝票式の様式を示していて、仕事内容と報酬などの委託の条件を明記した手帳を、委託、物品の受領、工賃支払のつど交付しなければならないと説明しています。

この手帳がある状態とない状態では、揉めたときの立場が大きく変わります。単価を口約束で聞いただけだと、後から「そんな単価では言っていない」と言われたときに証拠がありません。手帳に単価が書かれていれば、その記載が出発点になります。逆に、手帳を出さない委託者は法律上の義務を果たしていないことになるので、その1点だけでも取引を続けるかどうかの判断材料になります。

併せて、委託する側には帳簿の備付けの義務もあります。家内労働者の氏名や工賃の支払額などを記載した帳簿を備え、最後に記入した日から5年間保存することとされています。保存期間は令和2年4月1日施行の省令改正で3年間から5年間に延びました。この改正は、令和2年4月1日以後に締結される委託に関する契約に係る帳簿について適用されます。

届出の義務も課されています。委託者は、委託する仕事の内容や家内労働者数などについて、家内労働法上の委託者になった場合には遅滞なく、それ以後は毎年4月1日現在の状況を4月30日までに、営業所を管轄する労働基準監督署に届け出なければなりません。手続きの詳細は厚生労働省の家内労働法の概要のページに様式まで掲載されています。委託する側がこの届出をしているかどうかは、労働基準監督署に問い合わせて確かめられます。

工賃の決まり方と支払いの期限

工賃の支払いについても法律に決まりがあります。家内労働法6条1項は、工賃は家内労働者に通貨でその全額を支払わなければならないとしています。厚生労働省の説明では、家内労働者の同意がある場合には郵便為替の交付や金融機関の口座への払込みによって支払うこともできるとされています。物品での支払いや、次回の材料代との相殺は原則として認められません。

期限は同条2項です。委託者が物品の検査をするかどうかを問わず、委託者が家内労働者から物品を受領した日から起算して1か月以内に支払わなければならないと定められています。毎月一定の期日を工賃締切日として定める場合は、その締切日までに受領した物品に係る工賃を、締切日から1か月以内に支払うことになります。

ここで押さえておきたいのは「検査をするかどうかを問わず」という文言です。検品に時間がかかっているから支払いを遅らせる、という説明は法律の建て方と合いません。受領した日が起点になります。だから、いつ納品したかの記録が自分の側にも必要になります。

工賃の単価そのものは、法律で一律に決まっているわけではありません。作業の内容と地域によって違います。だから、単価の相場を調べるより、目の前の委託の単価を家内労働手帳で確認して、自分の作業速度と掛け合わせて判断するほうが確実です。判断の手順は次のようになります。少量の委託を受けて1時間に何個できるかを測る。その個数に単価を掛けて1時間あたりの金額を出す。そこから材料の受け取りにかかる移動時間や、資材の片づけにかかる手間を引く。この検算をしてから量を増やすかどうかを決めます。

正直なところ、この検算を最初にやらないまま量を受けてしまう例が多いところです。単価が低くても速度が出る作業なら成り立ちますし、単価が高くても手間がかかる作業なら成り立ちません。個数あたりの単価だけを見て判断すると、どちらの方向にも外します。

最低工賃の仕組みと確かめ方

最低賃金とは別に、家内労働には最低工賃という制度があります。家内労働法8条1項は、厚生労働大臣または都道府県労働局長が、一定の地域内で一定の業務に従事する工賃の低い家内労働者の労働条件の改善を図るために必要があると認めるときは、審議会の調査審議を求め、その意見を聴いて最低工賃を決定できると定めています。

この制度の特徴は、全国一律ではなく地域別かつ業務別に定められることです。決定されると、委託者はその額以上の工賃を支払わなければなりません。逆に言えば、自分の作業について最低工賃が決まっていない場合もあります。だから、まず自分の地域と業務について決定があるかどうかを調べることから始まります。

調べ先は都道府県労働局か、最寄りの労働基準監督署です。厚生労働省は都道府県別の最低工賃決定状況の一覧を公開していて、各労働局の最低工賃のページに繋がる形になっています。新設と改正の計画も公表されていて、第15次最低工賃新設・改正計画は令和7年4月から令和10年3月までの期間を対象にしています。

決定の手続きには関係者が関わる余地もあります。家内労働者や委託者の全部または一部を代表する者は、厚生労働大臣または都道府県労働局長に対して最低工賃の決定を申し出ることができます。審議会の意見が提出されて公示された日の翌日から15日の間は、関係する家内労働者と委託者が異議の申出を行えます。制度として意見を言う道が用意されている点は、押さえておく価値があります。

条文そのものを確認したい場合は、e-Gov法令検索の家内労働法で全文が読めます。条文は短く、専門用語も限られているので、自分の状況に当てはめる作業は難しくありません。

安全と衛生で自分が守ること

袋詰めの作業は危険の少ない仕事ですが、法律には家内労働者の側の義務も書かれています。家内労働法17条2項は、機械や器具その他の設備、原材料その他の物品、ガス、蒸気、粉じんなどによる危害を防止するため、家内労働者は必要な措置を講じなければならないとしています。同居の親族が手伝う補助者も、定められた事項を守ることとされています。

厚生労働省は、家内労働者が守るべき具体的な内容も示しています。接着剤の中には体に害のある有機溶剤を含むものがあるため、使用する場合は換気をよくして中毒にかからないようにすること。ストーブなどの火に近づけて火事にならないよう注意すること。けがをするおそれのある機械を使う場合は安全装置を取り付けるなど安全な方法で作業すること。強烈な騒音が出る仕事では耳せんを使うなど、危険有害な仕事では必要な保護具を使うこと。委託者から危険防止のための作業心得などの書面をもらったら、見やすい場所に貼って注意事項を守ること。

袋詰めの作業で現実に効くのは、換気と姿勢です。袋の素材や台紙のインクのにおいがこもる部屋で長時間作業すると、頭が重くなることがあります。窓を開けられる部屋を作業場にするのが基本です。姿勢のほうは、同じ動きを何時間も繰り返すことで手首と肩に負担が集中します。1時間ごとに立って動く、作業台の高さを合わせるといった対策で軽くなります。

労災保険の扱いも確認しておく必要があります。業務上の負傷や疾病が発生するおそれの多い特定の作業に従事する家内労働者と補助者は、希望により労災保険に特別加入できる仕組みがあります。ただし対象は6種類の作業に限定されていて、プレス機械などを使う金属や樹脂の加工、研削盤やバフ盤を使う作業、有機溶剤を用いる履物や鞄などの製造、粉じん作業や陶磁器の施釉と絵付け、動力で駆動される織機などを使う作業、木工機械を使う仏壇や木製食器の製造が挙げられています。袋詰めはここに含まれないため、特別加入の対象にはなりません。手続きは個人では行えず、家内労働者で組織する団体が都道府県労働局長に加入申請して承認を受ける形です。制度の内容は厚生労働省の労災保険特別加入制度のページで確認できます。

つまり、袋詰めの内職でけがをした場合、労災保険の給付は使えません。自分の医療保険で対応することになります。危険の少ない作業だからこそ見落とされやすいところですが、この前提は知っておく必要があります。

税金の扱いと、使える特例

工賃の収入には税金の扱いが付いてきます。ここで知っておくと得をする特例が1つあります。

事業所得または雑所得の金額は、総収入金額から実際にかかった必要経費を差し引いて計算します。ただし家内労働者等の場合は、必要経費として69万円まで認められる特例があります。国税庁のタックスアンサーNo.1810は、令和8年4月1日現在の法令等にもとづいて、令和8年分は69万円、令和7年分は65万円、令和2年分から令和6年分までは55万円と記載しています。実際にかかった経費が69万円未満のときでも、所得の計算上は69万円まで必要経費として認められる仕組みです。

この特例に該当する所得しかない人で、その年の総収入金額が173万円以下の場合は、総所得金額が基礎控除額の104万円以下になるため、本人に所得税は課されません。また、その年の総収入金額が131万円以下の場合は、扶養する人の所得税額の計算上、配偶者控除または扶養控除の対象になります。古い解説には160万円や103万円という数字が残っていますが、それぞれ令和7年分と令和6年分までの数字です。

注意点もあります。給与の収入金額が69万円以上あるときは、この特例は受けられません。パートと内職を掛け持ちしている場合は、給与の額を先に確認する必要があります。給与の収入金額が69万円未満のときは、69万円からその給与に係る給与所得控除額を差し引いた残額と、実際にかかった経費とを比べて高いほうが必要経費になります。また、特例の必要経費額は、事業所得や公的年金等以外の雑所得の収入金額が限度です。

家内労働者等の範囲は、家内労働法に規定する家内労働者のほか、外交員、集金人、電力量計の検針人、そして特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人とされています。袋詰めの内職は家内労働者に当たるので、対象になります。適用を受けるための計算書も国税庁が用意しています。詳しい要件は国税庁のタックスアンサーNo.1810で確認できます。個別の判断は金額や事情で変わるので、税務署か税理士に確認してください。

求人の探し方と、条件の見方

募集は求人サイトで探すのが一般的です。検索の仕方には癖があるので、そこを押さえておくと見つけやすくなります。まず「内職 袋詰め 自宅」のように、作業と働く場所を組み合わせた語で探します。次に、地域名を足して絞ります。材料の受け渡しがあるため、実際に応募できるのは通える範囲か、配送に対応している委託者に限られます。

求人サイトの表示にも注意点があります。同じような求人がまとめられて表示されることがあるため、件数の表示と実際に並ぶ件数が一致しないことがあります。

求人ボックスでは、類似する求人が複数ヒットした際に求人を探しやすくなるよう自動で非表示にしています。 そのため、記載されたヒット件数と実際に検索結果に表示されている求人の数が異なる場合がございます。 出典: 求人ボックス

件数が少なく見えても、条件を変えて検索すると別の求人が出てくることがあります。地域名を市区町村まで絞る、作業名を「梱包」「封入」「シール貼り」に変えるといった調整で結果が変わります。

募集の内容を見るときの確認項目は5つです。1つ目は雇用の形です。パートやアルバイトとして雇われる形か、家内労働として委託を受ける形かで、適用される法律が変わります。構内での作業と在宅の作業を両方募集している求人もあるので、どちらなのかを確かめます。2つ目は工賃の単価と支払日です。3つ目は材料の受け渡し方法です。4つ目は納期と、1回に受ける数量の目安です。5つ目は作業スペースの条件です。

厚生労働省は在宅ワーカー向けの情報提供サイトも運営しています。自営型テレワークの募集情報や、契約の際の注意点がまとめられているので、内職以外の在宅の仕事も含めて探すならホームワーカーズウェブが参考になります。

「うまい話」を見分ける

内職を探す過程で必ず出てくるのが、費用を先に払わせる形の勧誘です。厚生労働省はこの被害を防ぐための注意喚起を出していて、具体的な事例も挙げています。

内職講習会と称して多額の受講料を取り、委託した仕事にはいろいろな条件を付けて買いたたいたり、仕上がりを問題にして買い上げを拒否する。相当の工賃収入が得られると宣伝して、高額の機械を市価の倍ほどの価格で売りつけ、工賃の取り決めは曖昧にする。あて名書きの内職で、報酬が商品の申込数に応じた歩合制で支払われることや、返還する旨の担保金を取って業務をやめてもなかなか返さない。パソコンを使って自宅で簡単にできる内職という広告で講習料を取る、機械を売りつける。こうした形が挙げられています。

判断の基準は明確に示されています。

誰にでもできる簡単な仕事で高収入が得られるというような「うまい話」はありえません。家内労働を始めるときは、工賃等委託条件をきちんと確認し、いわゆる「インチキ内職」の被害にあわないよう十分注意しましょう。 出典: mhlw.go.jp

法律の面から見ると、仕事を提供することを条件に商品や役務を買わせる形の取引は、特定商取引法で業務提供誘引販売取引として規制されています。書面の交付や、契約を解除できる制度が定められています。制度の概要は消費者庁の特定商取引法のページで確認できます。契約してしまった後でも取り消せる場合があるので、支払ってしまった場合は消費生活センターに相談してください。

見分け方を1つの問いに絞るとこうなります。仕事を始める前にお金を払う必要があるか。必要があるなら立ち止まる。家内労働では材料は委託する側が提供するのが原則で、機器も貸与か提供される形が基本です。受講料や登録料や保証金を求められた時点で、通常の委託とは違うと判断できます。

メリットとデメリット、続けるためのコツ

働き方としての特徴を両面から並べます。

メリットは4つあります。1つ目は、特別な技能や資格が要らないことです。検品の基準と手順を覚えれば始められます。2つ目は、作業する時間を自分で決められることです。納期までに数を仕上げればよいので、家事や介護の合間に分けて進められます。3つ目は、通勤が要らないことです。材料の受け渡しのときだけ移動する形にできます。4つ目は、設備投資がほとんど要らないことです。作業台と保管場所があれば始められます。

デメリットも4つあります。1つ目は、工賃が個数で決まるため、作業が速くならないと1時間あたりの金額が上がらないことです。2つ目は、保管場所を取られることです。数千個の単位になると、部屋の一角が箱で埋まります。3つ目は、労災保険の特別加入の対象外なので、作業中のけがを労災でカバーできないことです。4つ目は、技能が積み上がりにくいことです。作業に慣れても、その速さが他の仕事に転用しにくいという特徴があります。

続けるためのコツは3つに絞れます。1つ目は、最初に速度を測ることです。1時間あたりの個数を測り、単価を掛けて金額を出す。この数字がないまま量を増やすと、途中で回らなくなります。2つ目は、手順を固定することです。検品、袋詰め、数をそろえる、という流れを毎回同じ順番で行い、材料の位置も固定します。動きが減るほど速くなります。3つ目は、納期に余裕を持たせることです。体調を崩す日を前提に、予定の8割の日数で仕上がる計画を立てます。

もう1つ、記録の習慣を付けることをおすすめします。受け取った日、数量、納品した日、支払われた日を書き留めておくと、支払いが遅れたときに指摘できます。家内労働手帳がその役目を果たすので、渡された手帳をそのまま記録として使うのが手間が少なく済みます。

工賃の天井と、次に選べる道

20年この市場を見てきた立場から言えば、袋詰めのような個数で決まる仕事には、必ず速度の天井が来ます。半年ほどで手が慣れて速くなり、そこから先は伸びなくなります。伸びなくなった時点で選択肢は2つです。単価の高い委託に移るか、時間の売り方そのものを変えるか。

運営者として見てきた限りでは、長く続けている人は前者から後者へ静かに移っていました。袋詰めで在宅の作業のリズムを作り、その間に画面の前でできる仕事を1つ覚える。データの入力、文章の作成、画像の加工といった仕事は、道具がパソコン1台で済むため、保管場所の制約から解放されます。個数ではなく成果物の単位で報酬が決まるので、速度の天井が別の場所に移ります。

手取りの厚さも判断に関わります。仲介の手数料が乗る経路では、同じ予算でも受け手に届く額が薄くなるため、件数を増やすしかなくなります。中間のマージンが乗らない直接取引だと、依頼する側は同じ予算でより多く頼めて、受ける側は手数料0%の厚い手取りを確保できます。手元に残る額が厚いほど、1件ごとの条件を選ぶ余裕が生まれます。この余裕があるかどうかが、数年単位で続けられるかを分けていました。

文章を書く方向に進むなら、単価の上げ方に道筋があります。Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップは、作業量ではなく担当範囲を広げることで単価を動かす手順を扱っています。報酬の水準を知りたいなら著述家,記者,編集者の年収・単価相場のように職種ごとの単価をまとめたデータが手がかりになります。制作の方向に興味があるならWebデザイナー 年収のリアル:30代フリーランスが語る稼ぎ方とキャリアパスが、在宅で収入を組み立てる実例として参考になります。

書類のやり取りに慣れておくと、どの方向に進む場合でも役に立ちます。ビジネス文書検定は報告文や依頼文の構成を体系的に扱うので、委託する側とのやり取りを整えるのに使えます。需要が伸びている領域を押さえておきたいなら、業務の整理と自動化を扱うAIコンサル・業務活用支援のお仕事で案件の種類を確認できます。

最後に、始めるまでの順番を整理します。作業スペースと保管場所を測る。募集の条件で工賃の単価と支払日と受け渡し方法を確かめる。少量で受けて1時間あたりの個数を測る。家内労働手帳を受け取り、記載を確認する。この4つを踏めば、条件の分からないまま量を抱える展開を避けられます。最低工賃の有無や個別の判断は、都道府県労働局か労働基準監督署の窓口で確認してください。

よくある質問

Q. ボールペンの袋詰めの内職は何をそろえれば始められますか?

平らな作業台、材料と完成品を分けて保管する場所、手を清潔に保つ用意があれば始められます。速度を上げたいなら、指サック、ピンセット、並べるためのトレー、卓上の照明があると効きます。袋の口を熱で閉じるシーラーが必要な作業では、費用の負担がどちらにあるかを先に確認してください。

Q. 家内労働手帳とは何ですか?もらえない場合はどうなりますか?

委託する側が交付する義務のある書面で、仕事の内容、工賃の単価、工賃の支払期日などが記載されます。家内労働法3条にもとづく義務で、委託のつど、物品を受領するつど、工賃を支払うつど記入されます。交付されない場合は法律上の義務を果たしていないことになるため、都道府県労働局か労働基準監督署に相談してください。

Q. 工賃はいつまでに支払われますか?

委託する側が物品を受領した日から起算して1か月以内です。検査をするかどうかは関係ありません。毎月一定の期日を工賃締切日として定めている場合は、その締切日までに受領した物品の工賃を締切日から1か月以内に支払うことになります。支払いは通貨で全額が原則で、同意があれば口座への払込みなども認められます。

Q. 税金で使える特例はありますか?

家内労働者等の必要経費の特例があります。実際にかかった経費が少なくても、必要経費として69万円まで認められます。令和8年分の金額で、令和7年分は65万円でした。この特例に該当する所得しかない場合、その年の総収入金額が173万円以下なら本人に所得税は課されず、131万円以下なら扶養する人の配偶者控除や扶養控除の対象になります。給与の収入が69万円以上あると特例は受けられません。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月26日最終更新:2026年9月25日
@SOHO編集部

この記事を書いた人

@SOHO編集部

フリーランス・在宅ワークの専門メディア

@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス

フリーランス

フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ

スキルアップ

プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

AI活用

AI活用

職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人

看護師の転職・求人

看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人

薬剤師の転職・求人

薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人

介護職の転職・求人

介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人

保育士の転職・求人

保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人

医療職の転職・求人

医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス

経営・ビジネス

経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金

補助金・助成金

個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方