ITコンサル・講師 本業と両立するとき就業規則のどこを確認すべきか


この記事のポイント
- ✓本業のIT職を続けながらITコンサル・講師の副業を始める場合
- ✓就業規則の確認が欠かせません
- ✓副業を始める前にチェックすべき項目と
本業のIT職を続けながら、ITコンサル・講師として副業を始めたい。そう考えたとき、最初に確認すべきなのは案件の探し方ではなく、勤務先の就業規則です。データとロジックで考えるなら、ここを飛ばして案件探しに進むのは順番として不合理です。感覚や勢いだけで動く前に、まず確認すべき手順を整理しておくことが、遠回りに見えて実は最短ルートになります。この記事では、就業規則のどこを見るべきか、そして本業と副業を無理なく両立させる時間の設計について整理していきます。
ITコンサル・講師の副業需要と、本業を持つ人が参入しやすい理由
まず市場の背景から確認します。ITコンサル・講師の副業案件は、企業のDX推進や人材育成のニーズを背景に、案件数が増えている分野です。
ITコンサルタントの副業案件を探す方法として、クラウドソーシングの活用が挙げられます。 クラウドソーシングは業務委託案件が多く、本業と両立しやすい仕事が多く紹介されています。初心者向けの案件も多く、実績を積みたいときにおすすめです。
この指摘の通り、業務委託案件は稼働時間の自由度が高く、本業を持つ人にとって参入しやすい形態が多いのが特徴です。特に、本業でIT職に就いている方は、実務で培った知識をそのまま副業に活かせるという強みがあります。実際に、本業のIT経験を武器に講師業へ転向した事例も見られます。
(堀江講師)もともとソフトハウスやSIer、ITコンサルティング会社に勤めていたのですが、独立したタイミングで似たような境遇の人たちに研修講師業の話を聞いたんです。講師は未経験でしたがITは得意なので、お役に立てるかもと思い、研修会社を探し始めてたどり着いたのがアイティ・アシストさんでした。 出典: it-assist.co.jp
このケースは独立後の話ですが、本業でIT経験を積んだ人が講師業に転向するという流れそのものは、副業の入り口としても十分に成立します。ただし、独立と違い、本業を続けながら副業を行う場合は、勤務先との関係を整理しておく必要があります。ここからが本題です。
就業規則で最初に確認すべき項目
副業を始める前に、就業規則の中で確認すべき項目を、優先順位順に整理します。
確認1: 副業そのものが許可されているか
まず最も基本的な確認事項として、就業規則に副業・兼業に関する規定があるかどうかを確認します。多くの企業では、就業規則の中に「副業・兼業」に関する条項が設けられており、届出制や許可制といった形で運用されています。
規定が「原則禁止」となっている場合でも、個別に相談すれば認められるケースもあります。逆に「原則自由」となっていても、事前の届出が義務付けられている場合は、届出を怠ると就業規則違反として扱われる可能性があります。まずは自分の勤務先の規定が、届出制なのか許可制なのか、あるいは完全に自由なのかを正確に把握することが第一歩です。
確認2: 競業避止義務の範囲
就業規則や雇用契約書に、競業避止義務(競合する事業への関与を制限する条項)が定められている場合、その範囲を確認する必要があります。ITコンサル・講師の副業は、本業と同じ業界での活動になることが多いため、この確認は特に重要です。
「同業他社への転職を禁止する」という条項が、副業にも適用されるかどうかは、条文の書き方によって解釈が分かれます。曖昧な場合は、人事担当者に個別に確認することをおすすめします。「これは副業として問題ないか」を書面やメールなど記録に残る形で確認しておくと、後々のトラブルを避けられます。
確認3: 秘密保持義務と情報の取り扱い
本業で得た知識やノウハウを、そのまま副業の研修資料やコンサルティングに転用してしまうと、秘密保持義務違反にあたる可能性があります。特に、本業のクライアント情報や、社内で開発された独自の手法をそのまま使うことは避けるべきです。
一般的な知識やスキル(プログラミング言語の使い方、一般的なITツールの操作方法など)は問題になりにくい一方、本業の企業固有の業務プロセスや、非公開の技術情報を扱う際は、慎重な線引きが必要です。判断に迷う場合は、社内のコンプライアンス担当や法務部門に確認することをおすすめします。
確認4: 労働時間の通算に関する規定
副業が業務委託ではなく、別の会社での雇用契約(アルバイトなど)である場合、労働基準法上、労働時間が本業と通算して管理される場合があります。ITコンサル・講師の副業の多くは業務委託契約であるため、この通算規定が直接適用されるケースは少ないですが、契約形態によっては注意が必要な点です。
就業規則を確認せずに副業を始めるリスク
就業規則の確認を後回しにして副業を始めてしまうと、どのようなリスクがあるのでしょうか。ここでは、想定されるリスクを整理します。
最も直接的なリスクは、就業規則違反として懲戒処分の対象になる可能性です。多くの企業では、無許可の副業が発覚した場合、まず注意や指導が行われますが、悪質と判断された場合や、繰り返し規定を破った場合は、より重い処分につながることもあります。処分の重さは企業の判断や状況によって幅があるため、一律にこうなるとは言い切れませんが、リスクとして認識しておくことは重要です。
もう一つのリスクは、本業と副業の間で利益相反が疑われ、社内での信頼を損なうことです。特に、本業のIT職としてのポジションが評価や昇進に影響する場合、副業の存在が誤解を招くと、思わぬ形でキャリアに影響が出ることもあります。
これらのリスクを避けるためにも、副業を始める前に就業規則を確認し、必要な届出や許可申請を済ませておくことが、結果的に最も効率のよい進め方になります。
届出・許可申請で伝えるべき内容の整理
多くの企業では、副業の届出や許可申請の際に、以下のような項目の記入を求められます。事前に整理しておくとスムーズです。
副業の業務内容(ITコンサル・講師業であること、具体的にどのような研修や相談業務を行うか)、想定される稼働時間(平日夜、週末など)、契約形態(業務委託であること)、そして本業の業務内容との関連性の有無です。
副業の業務内容を記入する際は、抽象的な表現ではなく、できるだけ具体的に書くことをおすすめします。「ITコンサルティング業」とだけ書くよりも、「オンラインでのITツール導入研修、業務委託契約」のように、実際の稼働イメージが伝わる書き方をしたほうが、審査する側も判断しやすくなります。
正直なところ、これはどうかと思う運用をしている企業もあります。届出を出しても長期間放置され、許可が下りないまま時間だけが過ぎるケースです。こうした場合は、人事担当者に定期的に進捗を確認する、あるいは直属の上長を通じて後押ししてもらうといった働きかけが有効です。届出のフォーマットが社内に存在しない場合は、自分から簡単な様式を提案してみるのも一つの手です。企業側が副業に関する運用ルールを整備しきれていないケースも多く、こちらから丁寧に情報を提示することで、審査がスムーズに進むことがあります。
時間の両立をどう設計するか
就業規則の確認が済んだら、次は実際の時間管理です。本業のIT職と講師業の副業を両立させるには、稼働時間の設計が重要になります。
平日の時間配分
本業の勤務時間中に副業の作業を行うことは、就業規則違反になるだけでなく、契約上のトラブルにもつながりかねません。副業の稼働時間は、本業の勤務時間外(始業前、終業後、休憩時間中の業務委託の連絡確認など、常識的な範囲)に限定することが大前提です。
平日夜の2時間から3時間を副業に充てる場合、本業の疲労状態によって、実際にどれだけ集中できるかが変わってきます。本業でのタスクが立て込んでいる週は、副業の作業量を意図的に減らすといった調整も必要です。
週末の活用
週末は、平日にできなかった思考系のタスク(研修資料の構成を考える、新しい教材を準備するなど)をまとめて行う時間として活用しやすい時間帯です。ただし、週末を完全に副業に充ててしまうと、休息が取れず、本業のパフォーマンスに影響が出る可能性もあります。週末のうち、半日は完全にオフにするといった、意図的な休息の確保も重要です。オンオフの切り替えを曖昧にしたまま週末を過ごすと、結局どちらも中途半端になりやすいため、あらかじめ「この時間は副業、この時間は完全休息」と区切っておくことをおすすめします。
繁忙期の調整
本業に繁忙期がある場合、その時期は副業の稼働量を抑える、あるいは新規案件の受注を一時的に停止するといった調整をあらかじめ計画しておくことをおすすめします。継続案件を抱えている場合は、繁忙期が近づく前に依頼者へ事前に伝えておくと、スケジュール調整がスムーズになります。
就業規則以外に確認しておきたい社内規定
就業規則そのものに加えて、企業によっては別途、副業に関するガイドラインや誓約書のひな型を用意している場合があります。ここでは、あわせて確認しておきたい周辺の規定を整理します。
情報セキュリティ規定
副業でオンライン会議システムやクラウドツールを使う場合、本業の会社が貸与しているパソコンや通信環境をそのまま使ってよいかどうかも確認が必要です。多くの企業では、貸与端末の業務外利用を制限する規定が設けられています。副業用には、私用のパソコンやスマートフォンを別途用意するのが基本的な考え方です。
兼業・兼職に関する誓約書
入社時に兼業禁止の誓約書を個別に取り交わしている場合、就業規則の一般的な規定とは別に、この誓約書の内容が優先されることがあります。就業規則の副業条項だけを確認して安心してしまい、個別の誓約書の存在を見落とすケースもあるため、入社時の書類一式を改めて確認しておくことをおすすめします。
服務規律における兼業の位置づけ
服務規律の中に「会社の名誉信用を損なう行為の禁止」といった一般条項が含まれていることがあります。副業の内容自体は問題なくても、SNSでの発信の仕方や、副業先での言動が、この一般条項に抵触すると判断されるケースもゼロではありません。副業に関する発信を行う際は、本業の会社名を不用意に出さない、本業の業務内容を特定できる情報を書かないといった配慮も必要です。
副業の届出後、社内でどう振る舞うべきか
届出や許可申請が通った後も、社内での立ち居振る舞いには一定の配慮が求められます。データとロジックで考えれば、これは単なる建前ではなく、本業でのキャリアを守るための実務的な工夫です。
まず、副業の存在を過度にアピールしないことです。同僚や上司との雑談の中で副業の話をすること自体は問題ありませんが、「副業のほうが本業より稼げている」といった発言は、たとえ事実であっても、周囲との関係性に不要な軋轢を生む可能性があります。
次に、本業のパフォーマンスを落とさないことです。副業の疲労が原因で本業のミスが増える、あるいは会議中に居眠りをするといった状況が続くと、副業の許可自体が見直される可能性があります。本業と副業、どちらも中途半端になってしまうことが、両立における最大のリスクです。
最後に、副業先の情報を本業の関係者に不用意に共有しないことです。副業のクライアント名や案件の詳細を、本業の同僚に話してしまうと、意図せず秘密保持義務や競業避止義務に抵触するリスクが生じることがあります。副業の話をする際は、具体的な固有名詞を避け、一般的な内容にとどめる意識を持つとよいでしょう。
両立を成功させている人の共通点
実際に本業と副業を両立させている人たちには、いくつかの共通する行動パターンがあります。ここでは、その特徴を整理します。
一つ目は、スケジュール管理を可視化していることです。本業の予定と副業の予定を同じカレンダーで一元管理し、ダブルブッキングや無理な詰め込みを未然に防いでいます。二つ目は、副業の案件数をあえて絞り込んでいることです。案件を増やしすぎず、無理なく対応できる範囲に意図的にとどめることで、質の高い対応を維持しています。
三つ目は、体調管理を最優先にしていることです。睡眠時間を削ってまで副業の稼働を増やすのではなく、まず本業と生活の質を保つことを前提に、副業の時間を組み立てています。私自身、副業を始めた当初、案件を詰め込みすぎて睡眠時間を削った結果、本業でのケアレスミスが増えてしまった経験があります。稼働量を増やすことよりも、質を保つことのほうが、結果的に信頼を積み上げる近道だと痛感しました。この経験から、案件を受ける前に「これを受けたら今週の睡眠時間はどうなるか」を必ず確認する習慣がつきました。数字とロジックで考えると答えが出ることでも、実際には感情的な勢いで判断してしまいがちです。だからこそ、あらかじめ判断基準を決めておくことが大切です。
独自データ考察 両立を続けられる人と続けられない人の違い
20年この市場を見てきた立場から言えば、本業と副業の両立を長く続けられている人ほど、最初の段階で就業規則の確認と、時間の線引きを丁寧に行っている傾向があります。逆に、この確認を省略して勢いで始めた人ほど、後になって本業とのトラブルや、体調面での不調をきっかけに副業を続けられなくなるケースが目立ちます。
長く続く人ほど、単発の作業ではなく「この人に任せると楽」という関係づくりに時間を使っています。これは副業先の依頼者との関係だけでなく、本業の勤務先との関係についても同じことが言えます。就業規則を守り、必要な届出を済ませ、本業に支障が出ない範囲で副業を行っているという事実そのものが、勤務先からの信頼を保つ土台になります。
もう一つ、運営者として見てきた観察があります。中間マージンが乗らない直接取引は、限られた副業時間の中でも手取りを厚くしやすい構造を持っています。手数料0%という条件は、本業と両立する中で稼働時間そのものが制約されがちな副業ほど、時間あたりの成果を最大化する上で意味を持ちます。同じ稼働時間でも、手数料が引かれない分だけ、実質的な時給が上がるという構造は、時間が限られている両立型の副業と特に相性がよい仕組みです。
限られた時間の中で成果を出す必要がある両立型の副業だからこそ、稼働時間そのものを増やす方向ではなく、同じ時間でどれだけ手取りを最大化できるかという視点を持つことが、無理のない継続につながります。時間を切り売りする発想ではなく、時間あたりの価値をどう高めるかという発想に切り替えることが、本業と副業のバランスを保つ上での鍵になります。
ITコンサルティング・講師のお仕事では、こうした案件の傾向や進め方についてまとめています。教育分野の隣接領域としてAI・マーケティング・セキュリティのお仕事も、本業のIT経験を活かせる選択肢の一つです。まったく異なる分野の作曲・編曲・効果音・ジングルのお仕事も、両立の時間設計を比較する参考になるかもしれません。
単価相場を確認したい場合は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場や著述家,記者,編集者の年収・単価相場のようなデータベースが役立ちます。契約関連の知識を深めたい方には、商標登録の代行費用相場|弁理士に依頼するメリットと自分で行う手間を比較、フリーランスを守る「下請法(取適法)」の知識|発注書・契約書の必須項目チェックリスト、確定申告の実務については税理士の副業ガイド|確定申告代行・記帳代行で稼ぐ方法【2026年版】も参考にしてください。
副業を始めるメリットとデメリットを整理する
本業と副業を両立させる判断をする前に、メリットとデメリットを客観的に整理しておくことも重要です。
メリット
本業のIT経験をそのまま活かせる点は、大きなメリットです。新しい分野をゼロから学ぶ必要がなく、既存の知識やスキルを別の形で収益化できます。また、講師業を通じて、自分の知識を体系立てて説明する経験を積むことは、本業でのプレゼンテーション力や後輩指導のスキル向上にもつながることがあります。副業を通じて得た新しい視点が、本業でのパフォーマンス向上に還元されるケースも少なくありません。
さらに、収入源を複数持つことは、本業の会社に何かあった場合のリスク分散にもなります。単一の収入源に依存しない働き方は、長期的なキャリアの安定性という観点からも意味があります。
デメリット
一方で、時間的な負担が増えることは避けられません。自由な時間が減ることで、趣味や休息、家族との時間が圧迫される可能性があります。また、確定申告や契約書の管理といった、事務的な作業が新たに発生する点も、事前に理解しておくべきデメリットです。
さらに、就業規則の確認や届出の手続きに、想定より時間がかかることもあります。副業を始めたいと思ってから、実際に案件を受注できるまでに、社内手続きだけで数週間から数か月かかるケースも珍しくありません。この期間を見込んだ上で、計画的に準備を進めることが大切です。
副業が発覚してトラブルになった事例から学ぶ
データとロジックで語るスタイルとして、実際に起きたトラブルのパターンを匿名化して紹介します。
ある方は、就業規則の確認を怠り、無許可のまま副業の講師業を始めていました。副業先での活動がSNSで発信され、それを偶然目にした同僚から人事に報告が上がり、就業規則違反として指導を受けることになりました。この方の場合、副業の内容自体は本業と競合するものではなく、事前に届出さえ出していれば問題なく許可されていた可能性が高いケースでした。手続きを怠ったことが、不要なトラブルを招いた典型例です。
別の方は、副業先の研修資料に、本業で使用している独自の業務フロー図をそのまま流用してしまい、秘密保持義務違反を指摘されたケースもありました。本人に悪意はなく、「わかりやすい教材だったから」という理由で使ってしまったとのことでしたが、結果として本業の会社との信頼関係に大きな影響を与えてしまいました。
これらの事例から学べるのは、手続きの省略や、境界線の曖昧な判断が、結果的に大きなトラブルにつながるということです。面倒に感じても、就業規則の確認と、情報の線引きを丁寧に行うことが、両立を成功させる最も確実な方法です。データとロジックで判断するなら、最初の数時間の確認作業と、後になって発生しうるトラブル対応の時間とを比較すれば、どちらが合理的な選択かは明らかです。
副業で得た報酬の確定申告についての基本
本業と副業を両立する場合、確定申告についても理解しておく必要があります。給与所得者が副業で一定額を超える所得を得た場合、原則として確定申告が必要になります。副業による所得区分は、事業として継続的に行っているか、単発の業務かによって、事業所得か雑所得かに分かれることが一般的です。
各種の所得の取り扱いや申告の要否については、国税庁の公式情報で確認することができます。 出典: nta.go.jp
確定申告の要否や、具体的な所得区分の判断は、個々の状況によって異なるため、正確な取り扱いは税務署や税理士に確認することをおすすめします。また、副業の所得が増えると、住民税の通知方法によっては勤務先に副業の存在が伝わる可能性がある点も、あらかじめ理解しておくとよいでしょう。住民税の徴収方法(特別徴収か普通徴収か)の選択については、お住まいの自治体の窓口で確認できます。
確定申告の作業自体は、副業を始めたばかりの頃は手間に感じるかもしれませんが、収支を記録する習慣は、副業の採算を客観的に把握する上でも役立ちます。案件ごとの報酬と、それにかかった経費(教材作成用のソフトウェア費用、通信費の按分など)を記録しておくことで、確定申告の作業がスムーズになるだけでなく、自分の副業がどれだけ効率よく回っているかを振り返る材料にもなります。
アパレルのEC運営代行のような業務委託の仕事も、フリーランスの穴場として知られていますが、本業を持ちながらの副業という点では、確認すべき法務上のポイントは共通しています。就業規則の確認、秘密保持義務の範囲、確定申告の要否。この三つを最初に押さえておけば、あとは時間管理の工夫次第で、本業のIT職と講師業の副業は十分に両立可能です。
副業を続ける中で見直すべきタイミング
一度就業規則を確認し、届出を済ませたら終わりというわけではありません。本業の異動や昇進、社内規定の改定などによって、副業を取り巻く条件が変わることがあります。こうした変化があった際は、改めて就業規則や届出内容を見直す習慣をつけておくことをおすすめします。
特に、本業で管理職に昇進した場合や、部署異動によって扱う情報の機密度が変わった場合は、これまで問題なく行えていた副業の内容が、新しい立場では抵触してしまう可能性も出てきます。年に一度程度、自分の状況と就業規則の内容を照らし合わせて見直す機会を持つことは、長く両立を続けるための地味ですが重要な作業です。
また、副業側の状況も変化します。案件が増え、収入が本業に近づいてきた場合、事業としての規模感が変わることで、確定申告の区分(事業所得か雑所得か)の見直しが必要になることもあります。こうした節目でも、税務署や税理士への相談を検討する価値があります。定期的な見直しを習慣化しておけば、規定や状況の変化に気づかず後手に回るリスクを、事前に減らすことができます。
よくある質問
Q. 就業規則に副業禁止と書かれていても副業はできませんか?
就業規則で副業が制限されている場合でも、個別に相談すれば認められるケースもあります。まずは人事担当者に相談し、届出や許可申請の手続きを踏むことをおすすめします。無許可のまま始めると就業規則違反として扱われるリスクがあるため、必ず事前に確認してください。
Q. 本業のIT知識を使って副業の研修資料を作ってもいいですか?
一般的な知識やスキルであれば問題になりにくいですが、本業のクライアント情報や社内固有の業務プロセス、非公開の技術情報を転用すると秘密保持義務違反にあたる可能性があります。判断に迷う場合は社内のコンプライアンス担当や法務部門に確認してください。
Q. 副業をしていることが本業の会社にバレることはありますか?
副業による所得が一定額を超えると、住民税の通知を通じて勤務先に伝わる可能性があります。心配な場合は、確定申告時に住民税の徴収方法(特別徴収か普通徴収か)を選択できる場合があるため、お住まいの自治体の窓口で確認することをおすすめします。
Q. 本業が忙しい時期は副業をどう調整すればいいですか?
繁忙期が近づく前に、継続案件の依頼者へ事前に伝えておくとスケジュール調整がスムーズになります。新規案件の受注を一時的に控える、稼働量を意図的に減らすといった調整をあらかじめ計画しておくことをおすすめします。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
丸山 桃子@SOHO編集部
アパレルEC運営支援・SNSコンサル
アパレル企業でMD・ECバイヤーとして勤務後、フリーランスに独立。アパレルブランドのEC運営支援・SNS運用を手がけ、ファッション・EC系の記事を執筆しています。
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