インテリアの資格を生かす仕事|在宅や訪問で受けられる依頼と始め方

原田 みなみ
原田 みなみ
インテリアの資格を生かす仕事|在宅や訪問で受けられる依頼と始め方

この記事のポイント

  • ✓インテリアの資格を生かす仕事を
  • ✓在宅で受けられる依頼と訪問で受ける依頼に分けて整理しました
  • ✓インテリアコーディネーター試験の受験料と合格率

インテリアの資格を取ったものの、どんな仕事に生かせるのか、在宅や副業でも依頼を受けられるのかが分からず、次の一歩で止まっている人は少なくありません。結論から書くと、インテリアの資格を生かす仕事は、住宅会社や家具店に勤める働き方だけではありません。間取り図や完成イメージの作成、オンラインでの相談、商品の選定とスタイリングの提案のように在宅で完結する依頼と、お客様の家を訪ねて模様替えや家具選びを手伝う訪問型の依頼の両方があります。

この記事では、インテリアの資格を生かす仕事を、在宅で受けられる依頼と訪問で受ける依頼に分けて整理します。そのうえで、代表的な資格であるインテリアコーディネーターの試験と費用、資格がなくてもできる仕事と法令で線が引かれている仕事の境目、最初の依頼を取るまでの始め方、契約で気をつけることを順に書きます。試験と費用の数字は、資格を実施している公益社団法人インテリア産業協会のページで確かめたものです。

インテリアの資格を生かす仕事の全体像

インテリアの仕事は、大きく分けると「空間を提案する仕事」「提案を形にするための資料を作る仕事」「商品を選んで届ける仕事」の3つに分かれます。資格は、このどれにも生かせます。

働き方は3つ

インテリアの資格を生かす働き方には、次の3つがあります。

働き方 主な仕事先 特徴
会社に勤める 住宅メーカー、リフォーム会社、家具店、インテリアショップ、設計事務所 案件が会社から来る。収入が安定しやすい
業務委託で受ける 住宅会社やリフォーム会社、工務店、不動産会社からの外注 図面やパース、提案書の作成を単発や継続で受ける
個人で直接受ける 一般の家庭、店舗の経営者、民泊や賃貸の運営者 集客も見積もりも自分で行う。自由度が高い

在宅や副業で始める人は、2つ目の業務委託から入ることが多いです。会社が持っている案件の一部を受けるので、集客の負担が小さく、資料作成のように在宅で完結する作業が中心になるからです。

資格は「信頼の入り口」

インテリアの仕事の多くは、法令上、資格がなくても行えます。それでも資格が生きるのは、初めて依頼する相手に対して、必要な知識を体系的に学んだことを示せるからです。特に実績が少ない時期は、資格の有無が依頼先を選ぶときの判断材料になります。

代表的な資格:インテリアコーディネーター

インテリアの資格の中で、最もよく知られているのがインテリアコーディネーターです。インテリア産業協会が実施する試験に合格し、協会に登録すると称号が与えられます。協会は、インテリアコーディネーターの仕事を次のように説明しています。

インテリアコーディネーターは「どんな風に暮らしたいか」をヒアリングし、「こんな雰囲気の空間に住みたい」というアバウトな要望を具体的に住まい手のライフスタイルに合った住空間に導きます。 インテリアや住宅や商品に関する幅広い知識・専門的な技術などを駆使し、家具やカーテン、照明等の商品をトータルにプロデュースすることがインテリアコーディネーターの仕事です。 出典: interior.or.jp

協会のページには、仕事の流れとして、ヒアリング、プランニング、商品の選定、プレゼンテーション、見積もり、契約、発注、納品、アフターフォローの9つの段階が並んでいます。在宅で受けやすいのは、このうちプランニングからプレゼンテーションまでの段階です。

試験の仕組み

試験は一次試験と二次試験に分かれています。受験資格はなく、年齢、性別、国籍、学歴、職業、経験を問わず受けられます。

項目 一次試験 二次試験
内容 学科(インテリアの知識全般) プレゼンテーションと論文
形式 CBT方式の選択式、全36問、120分 筆記式、2課題、180分
2026年度の日程 9月15日から10月15日の間で1回を選ぶ 12月6日
会場 全国47都道府県のテストセンター 全国12地域

CBT方式とは、テストセンターに設置されたパソコンで解答する方式のことです。一次試験に合格した人は、次の年度から3年間、一次試験が免除され、二次試験だけを受けられます。2026年度からは、二次試験のプレゼンテーション課題のテーマが、11月中旬に受験者のマイページで公表される予定になっています。論文のテーマは、これまでどおり事前に公表されません。

受験料

受験料は、受け方によって3つに分かれています。いずれも税込です。

受け方 受験料
一次試験と二次試験を同じ年度に受ける(基本タイプ) 14,850円
一次試験だけを受ける(先取りタイプ) 11,550円
一次試験の免除を使って二次試験だけを受ける 11,550円

基本タイプで申し込んで一次試験に落ちた場合、二次試験は受けられず、受験料の一部の返金もありません。

合格率

協会が公表している2025年度(第43回)の結果は、一次試験の受験者数6,023名、一次合格者数2,049名で、一次合格率は34.0%でした。二次試験の合格率は56.6%です。一次試験で3人に2人が落ちる計算なので、学科の知識をしっかり固めることが合格への近道になります。

登録と更新の費用

二次試験に合格したら、決められた期日までに初回登録の手続きをして、ようやくインテリアコーディネーターの称号が与えられます。初回登録料は14,300円(税込)です。資格の有効期限は登録日から5年間で、続けるには更新が必要です。

協会の案内では、資格取得後5年目と10年目の更新は、更新登録料と研修費を合わせて20,900円(税込)で、eラーニングの受講などの更新研修があります。15年目以降は更新登録料14,300円(税込)のみです。更新を忘れると、原則として資格は失効します。資格を仕事に生かすなら、更新の費用も含めて計画しておきましょう。

インテリアコーディネーター試験の勉強の進め方

資格を仕事に生かすには、まず合格しなければなりません。一次試験と二次試験では問われる力がまったく違うので、勉強の進め方も分けて考えます。

一次試験は範囲の広さとの勝負

一次試験の審査の範囲は、協会のページに9つの分野として並んでいます。インテリアコーディネーターの誕生と背景、仕事の内容、インテリアの歴史、計画、インテリアエレメント(家具やカーテン、照明などの部材)、構造と構法と仕上げ、環境と設備、表現の方法、関連の法規や規格と制度です。

範囲が広いので、最初から細部を覚えようとすると途中で息切れします。最初の数週間でテキストを一通り読み、全体の地図を頭に入れてから、問題集で間違えた分野を重点的に読み直す進め方が効率的です。特に、構造や設備、法規の分野は、住宅の仕事の経験がない人にとって馴染みのない言葉が多く、時間がかかりがちです。言葉の意味を自分の言葉で言い換えられるまで、繰り返し確かめてください。

CBT方式なので、試験はパソコンの画面で解きます。画面で問題を読み、選択肢を選ぶ操作に慣れておくと、本番で落ち着いて取り組めます。協会は、受付から試験の終了までの流れを説明する資料を公開しているので、事前に目を通しておくと安心です。

二次試験は手を動かす練習が中心

二次試験は、出題された課題について、平面図や立面図などの図面と文章で提案を表現する試験です。プレゼンテーションの課題と論文の課題があり、試験時間は180分です。持ち込める筆記用具や製図用具は細かく決められていて、色鉛筆は18本以内、定規は30cm以内などの決まりがあります。

二次試験の対策は、知識を覚えることより、時間内に図面と文章を仕上げる練習が中心になります。協会は、前年度の二次試験の問題と、実際の解答例、問題の解説(論文を除く)を4月下旬ごろに公開しています。これを使って、本番と同じ時間で何度も描いてみることが、合格への最も確かな準備です。

2026年度からは、プレゼンテーション課題のテーマが11月中旬に公表されます。テーマが分かってから試験日までの約3週間で、そのテーマに沿った練習を重ねられるようになりました。

一次の先取りという選択肢

仕事や家庭の都合で準備の時間が限られる人は、一次試験だけを先に受ける先取りタイプを使う方法があります。一次試験に合格すれば、次の年度から3年間は二次試験だけを受けられるので、1年目に学科、2年目に図面と論文、と分けて準備できます。

組み合わせやすいほかの資格

インテリアコーディネーターだけでなく、得意分野に合わせてほかの資格を組み合わせると、受けられる依頼の幅が広がります。

キッチンスペシャリスト

キッチンスペシャリストは、同じインテリア産業協会が実施する資格で、キッチンの計画と設備に特化しています。学科試験と実技試験があり、両方を同じ年度に受ける総合タイプの受験料は14,300円(税込)、学科試験だけを先に受ける場合は11,000円(税込)です。リフォームの相談でキッチンの比重が大きいことを考えると、インテリアコーディネーターと組み合わせる価値は高いです。

色や照明の資格

色彩の知識を示す検定や、照明の計画に関する資格も、インテリアの提案と相性のよい資格です。壁紙やカーテン、照明の色温度の組み合わせを、理由を添えて説明できると、提案の説得力が増します。資格の名前や試験の内容は実施団体ごとに違うので、受ける前に公式のページで確かめてください。

図面とパースの技能

資格ではありませんが、CADソフトや3Dソフトを使って図面や完成イメージ(パース)を作る技能は、在宅の仕事を受けるうえで資格と同じくらい重要です。パースとは、完成したときの部屋の様子を立体的に描いた絵のことです。インテリアコーディネーターの二次試験でも、平面図や立面図で提案を表現する力が問われます。

資格がなくてもできる仕事と、法令で線が引かれている仕事

インテリアの仕事を始めるときに知っておきたいのが、法令による線引きです。インテリアコーディネーターは協会の認定資格で、国家資格ではありません。資格がなくてもインテリアの提案はできますが、内容によっては別の資格や許可が必要になります。

内装の工事を請け負う場合

内装の工事をまとめて請け負う場合は、建設業法が関わります。建設業法施行令では、工事1件の請負代金が500万円(建築一式工事は1,500万円)に満たない工事などを「軽微な建設工事」とし、これだけを請け負う場合は建設業の許可が要りません。逆に言えば、500万円以上の内装工事を自分で請け負うには、建設業の許可が必要になります。

在宅や副業で始める段階では、工事そのものは工務店やリフォーム会社に任せ、自分は提案と商品の選定に専念する形が現実的です。

建物の構造に関わる設計

壁を取り払う、間取りを大きく変えるといった、建物の構造や安全に関わる設計は、建築士の業務になることがあります。インテリアの提案がこの領域に踏み込みそうなときは、建築士や施工会社と組んで進めます。自分の資格で何ができ、何ができないかを依頼者に正直に伝えることが、信頼を守ることにつながります。

資格がなくてもできること

家具やカーテン、照明、小物の選定、配置の提案、色の組み合わせの提案、模様替えの手伝いなどは、資格がなくても行えます。資格は、こうした仕事の質を裏付けるものとして生かします。

在宅で受けられる依頼

ここからは、インテリアの資格を生かして在宅で受けられる依頼を、具体的に挙げます。

1:間取り図やパースの作成

住宅会社やリフォーム会社、不動産会社から、提案用の間取り図やパースの作成を受ける仕事です。手描きの図面をCADで清書する作業、家具の配置図を作る作業、3Dソフトで完成イメージを作る作業などがあります。インテリアの知識があると、指示が大まかでも適切な家具の寸法や配置を判断できるので、修正の回数が減ります。

2:オンラインでのインテリア相談

ビデオ通話で、お客様の部屋の写真や動画を見ながら、家具の配置や色の組み合わせを提案する仕事です。提案を、配置図と購入できる商品のリストにまとめて渡す形が一般的です。移動がないので、地方に住んでいても全国のお客様を相手にできます。

3:商品の選定とスタイリングの提案

家具やインテリア用品を扱うネットショップ向けに、商品の組み合わせを提案したり、商品の説明文を書いたりする仕事です。商品写真の撮影のためのスタイリングの指示を出す仕事もあります。素材や寸法、手入れの方法を正しく説明できる知識が生きます。

4:インテリアの記事の執筆

住まいや暮らしの情報を扱うWebメディアでは、インテリアの知識を持つ書き手が求められています。部屋の広さに合う家具の選び方、照明の色の選び方といった記事は、知識の正確さが読者の信頼につながります。

書く仕事を始めるなら、実績の見せ方が鍵になります。Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】では、実績の見せ方と構成の例を紹介しています。インテリアのように専門分野を持つことで単価がどう変わるかは、Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】が参考になります。

5:提案書や資料の作成

インテリアコーディネーターや設計事務所の下請けとして、お客様に渡す提案書やプレゼンテーションの資料を作る仕事もあります。写真と図面と文章を組み合わせて、分かりやすい資料にまとめる力が求められます。

訪問で受ける依頼

在宅だけでなく、近くの地域で訪問の依頼を受けると、仕事の幅が大きく広がります。

ホームコーディネート

お客様の家を訪ねて、家具の配置や色の組み合わせ、収納の改善を提案する仕事です。新築やリフォーム、引っ越しのタイミングで依頼が増えます。現地で部屋の寸法を測り、光の入り方を見て提案できるので、オンラインより提案の精度が上がります。

買い物の同行

家具店やショールームに同行して、商品の選び方を助ける仕事です。協会の仕事の流れの説明にも、ショールームなどへ同行して実際に確認してから購入することがあると書かれています。お客様が自分で選びきれない大きな家具やカーテンの選定で頼られます。

民泊や賃貸の部屋づくり

民泊や賃貸物件の運営者から、写真映えがして過ごしやすい部屋づくりを頼まれる仕事です。家具の選定から配置、小物のスタイリングまでを一括で受けることが多く、継続の依頼につながりやすい分野です。物件の写真の見え方が予約や入居の決まり方を左右するため、運営者にとっては投資に見合う依頼になります。

店舗や事務所の空間づくり

小さな飲食店や美容室、事務所の内装の提案を受ける仕事です。住宅とは違い、お客様の動線や、業種ごとの決まりへの配慮が必要になります。工事を伴う場合は、施工会社と組んで進めます。

報酬の決め方と見積もりの考え方

インテリアの仕事の報酬は、仕事の形によって決め方が変わります。代表的な決め方を3つ挙げます。

1:作業ごとの定額

間取り図の清書を1枚いくら、パースを1カットいくら、というように、作業の単位で決める方法です。業務委託の仕事では、この形が一般的です。修正の回数を何回まで含めるかを、最初に決めておくことが大切です。

2:時間単価

オンライン相談や訪問のコーディネートでは、1時間あたりの料金で決める方法がよく使われます。訪問の場合は、移動時間や交通費をどう扱うかも決めておきます。

3:1室や1案件ごとの定額

リビング1室のコーディネート一式、というように、成果物の範囲で決める方法です。お客様にとって総額が分かりやすい反面、範囲があいまいだと作業が膨らみます。提案の回数、商品リストの点数、訪問の回数を見積書に明記します。

商品代金の扱い

家具やカーテンなどの商品の代金を、自分が立て替えて購入する形にするか、お客様が直接購入する形にするかも決めておきます。立て替えると、資金の負担と、商品の不具合があったときの責任が自分にかかります。副業で始める段階では、お客様が直接購入する形にするほうが安全です。

最初の依頼を取るまでの始め方

インテリアの資格を取ったあと、最初の依頼を取るまでの流れを4つのステップで整理します。

ステップ1:得意分野を決める

住宅全体、キッチン、子ども部屋、ワンルーム、民泊、店舗など、得意分野を1つか2つに絞ります。「インテリア全般」よりも「1人暮らしのワンルームの家具配置」のほうが、依頼する側は頼みやすくなります。

ステップ2:作品を用意する

実績がない段階では、自分の部屋や家族、知人の部屋を題材に、提案の過程を作品としてまとめます。依頼前の写真、ヒアリングの内容、提案の図面やパース、完成後の写真を並べると、仕事の進め方が伝わります。写真を使うときは、写っている人や家の持ち主の了解を必ず取ります。

ステップ3:道具をそろえる

在宅で図面やパースの仕事を受けるなら、CADソフトや3Dソフトの扱いに慣れておきます。作成したデータの形式は依頼先によって指定されることが多いので、よく使われる形式で保存できるソフトを選びます。オンライン相談をするなら、画面共有と録画ができるビデオ通話の環境も必要です。

ステップ4:小さな依頼から実績を積む

最初は、図面の清書や商品リストの作成のように、範囲がはっきりした小さな依頼から受けると失敗が少なくなります。納品の速さと修正への対応の丁寧さで評価を積み重ねると、より大きな依頼につながります。

契約で気をつけること

個人でインテリアの仕事を受けるときは、作業を始める前に、次の点を書面かメッセージで確かめておきます。

範囲と修正の回数

何を、いつまでに、何回の修正まで含めて納めるかを明記します。インテリアの提案は好みの問題が大きく、範囲を決めないと修正が終わらなくなります。

写真や図面の扱い

作った図面やパース、完成写真を、自分の作品として公開してよいかを確かめます。依頼者の住まいの写真は、個人の情報にあたります。公開の可否と、公開する場合に住所や家族が特定されない配慮をすることを、事前に合意しておきます。

取引の相手が事業者の場合

住宅会社やリフォーム会社などの事業者から業務委託で仕事を受ける場合は、フリーランスとして働く人を守るための法律(いわゆるフリーランス法)が関わります。発注する側には、取引の条件を書面などで明らかにすることや、支払いの期日を守ることなどが求められています。一方、一般の家庭のように消費者を相手にする取引は、この法律の対象外です。誰と取引するかで守られる範囲が変わることを、知っておきましょう。

仕事の探し方

資格を取り、作品を用意したら、次は仕事を探します。インテリアの仕事の探し方は、主に次の4つです。

1:在宅ワークの仲介サイトや求人サイト

図面の清書やパースの作成、商品説明文の作成などは、在宅ワークの仲介サイトに依頼が出ることがあります。最初は小さな依頼から受けて、評価を積み重ねます。応募するときは、依頼の内容に近い作品を1つか2つ選んで見せると、相手に伝わりやすくなります。

2:住宅会社やリフォーム会社への直接の営業

地域の工務店やリフォーム会社の中には、提案資料やパースの作成を外部に頼みたいと考えている会社があります。作品集を添えて、どんな作業をどの程度の期間で納められるかを具体的に伝えると、話が進みやすくなります。一度取引が始まると、継続の依頼につながりやすいのがこの方法の強みです。

3:SNSや自分のサイトでの発信

コーディネートの事例や、家具の選び方のコツを発信して、一般の家庭からの相談を受ける方法です。発信を続けると、地域や得意分野で名前を覚えてもらえるようになります。写真を載せるときは、依頼者の了解と、住所や家族が特定されない配慮を忘れないでください。

4:知人や以前の勤め先からの紹介

住宅やインテリアの会社に勤めていた人は、以前の勤め先や取引先から外注の依頼を受けることがあります。退職のときに、独立後も手伝えることを伝えておくと、思わぬ形で声がかかることがあります。ただし、以前の勤め先の顧客を無断で引き抜くような行為は、トラブルのもとになるので避けてください。

オンライン相談の依頼を1件進める流れ

在宅で受けやすいオンライン相談を例に、1件の依頼をどう進めるかを具体的に示します。

1:事前の聞き取り

依頼を受けたら、まず部屋の寸法、窓やドア、コンセントの位置、今ある家具、予算、好みの雰囲気、困っていることを、質問票で聞き取ります。部屋の写真を四隅から撮ってもらうと、全体の様子がつかみやすくなります。

2:ビデオ通話での相談

質問票と写真をもとに、ビデオ通話で詳しく話を聞きます。好みの雰囲気は言葉では伝わりにくいので、参考の写真をいくつか見せて選んでもらうと、方向性が早く決まります。通話は、相手の了解を得て録画しておくと、あとで聞き漏れを確かめられます。

3:提案の作成

家具の配置図、色の組み合わせ、購入できる商品のリストをまとめます。商品のリストには、商品名、寸法、価格、購入先を載せ、予算の合計が分かるようにします。配置図には、通路の幅や扉の開く範囲も書き込むと、実際に置いたときの失敗を防げます。

4:提案の説明と修正

提案を送ったあと、短い通話で内容を説明し、意見を聞きます。決めておいた回数の範囲で修正し、最終版を納めます。

5:完成後の確認

家具がそろったころに、完成した部屋の写真を送ってもらい、気になる点があれば助言します。この一手間が、口コミや次の依頼につながります。

向いている人と、つまずきやすい点

最後に、インテリアの資格を生かす仕事に向いている人と、始めたばかりの人がつまずきやすい点を整理します。

向いている人

人の話を聞いて、言葉にならない好みを形にするのが好きな人は、この仕事に向いています。インテリアの提案は、自分の好みを押し付けるのではなく、住む人の暮らし方に合わせることが基本だからです。また、寸法や予算の細かい確認を苦にしない人も向いています。素敵な提案でも、家具が部屋に入らなければ意味がありません。

つまずきやすい点

始めたばかりの人がつまずきやすいのは、範囲を決めずに引き受けてしまうことです。「少しだけ見てほしい」という依頼が、気づけば何度も提案を出し直す大きな仕事になっていた、という例は珍しくありません。小さな依頼でも、範囲と修正の回数、料金を最初に書面で確かめる習慣をつけてください。

もう1つは、商品の在庫や価格の変動です。提案した商品が、お客様が購入するときには売り切れていたり、値段が変わっていたりすることがあります。提案書には、価格と在庫は提案時点のものであることを書き添え、代わりの候補もいくつか示しておくと安心です。

会社員が副業で始めるときの段取り

会社に勤めながらインテリアの仕事を始める場合は、使える時間に合わせて依頼の形を選ぶことが大切です。

平日の夜と週末に分ける

平日の夜は、図面の清書や商品リストの作成のように、ひとりで進められる作業に充てます。ビデオ通話の相談や訪問の依頼は、相手の都合も絡むので、週末にまとめて入れると無理がありません。最初のうちは、1か月に受ける依頼の数を決めておき、本業に支障が出ない範囲で少しずつ増やしていきます。

勤め先の規則を確かめる

副業を始める前に、勤め先の就業規則で副業がどう扱われているかを確かめます。届出が必要な会社もあります。特に、住宅や家具の会社に勤めている人が同じ分野で副業をする場合は、勤め先と取引が競合しないかを慎重に確かめてください。

申告を忘れない

副業で収入が出たら、所得の申告も必要になります。給与を受けている会社員の場合、給与以外の所得の合計が年間20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。ソフトの利用料や資料の購入費など、仕事に使った経費の扱いは、国税庁の案内を読み、迷うものは税務署に確認してください。

運営者の視点:インテリアの仕事は「頼みやすさ」で決まる

在宅ワークの仲介を20年にわたって運営してきた立場から見ると、インテリアの分野で長く仕事を続けている人には共通点があります。資格の名前よりも、「この人に頼むと、図面も商品リストも見積もりの前提も、全部そろって返ってくるので楽だ」という頼みやすさで選ばれている点です。単発の作業を数多くこなすより、同じ住宅会社や物件の運営者と長く付き合える関係を作ることに時間を使っています。

依頼する側と受ける側が直接やり取りし、間に余分な仲介料が入らない取引では、同じ予算で依頼者はより多くの作業を頼め、受ける側の手取りも厚くなります。図面やパースのように作業の量が見えやすい仕事ほど、この構造の差がはっきり出ます。

インテリアの資格と相性のよい職種

インテリアの資格は、デザインの仕事と組み合わせると強みになります。パースや提案資料、商品写真のスタイリングまでを手がけるなら、デザイナーの年収・単価相場で、デザインの仕事の相場を確かめておくと、見積もりの目安になります。提案書や見積書、お客様への説明の文章を整える力を伸ばしたいなら、ビジネス文書検定で、社外向けの文書の書き方を体系的に学べます。

集客にSNSや自分のサイトを使う場合は、発信の仕組みづくりも仕事の一部になります。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事では、マーケティングの仕事の中身と求められる力を紹介しています。インテリアの作品を発信し、問い合わせにつなげる流れを作るときの参考になります。

インテリアの資格を生かす仕事は、在宅でも訪問でも始められます。資格の勉強で身につけた知識は、図面を描くとき、商品を選ぶとき、お客様に理由を説明するときのすべてで生きてきます。まずは得意分野を1つ決め、自分の部屋を題材にした作品を1つ作るところから始めてください。作品が1つできれば、それを見せて最初の小さな依頼を取りに行けます。

よくある質問

Q. インテリアコーディネーターの資格がなくても、インテリアの仕事はできますか?

家具やカーテン、照明の選定や配置の提案、模様替えの手伝いなどは、資格がなくても行えます。インテリアコーディネーターは協会の認定資格で、国家資格ではありません。ただし、500万円以上の内装工事を自分で請け負うには建設業の許可が必要で、建物の構造に関わる設計は建築士の業務になることがあります。

Q. インテリアコーディネーター試験の受験料と合格率を教えてください?

2026年度の受験料は、一次試験と二次試験を同じ年度に受ける基本タイプが14,850円(税込)、一次試験だけを受ける場合と一次免除で二次試験だけを受ける場合が11,550円(税込)です。2025年度は一次試験の合格率が34.0%、二次試験の合格率が56.6%でした。合格後は初回登録料14,300円(税込)が必要です。

Q. インテリアの資格を生かして、在宅でできる仕事はありますか?

間取り図やパースの作成、オンラインでのインテリア相談、ネットショップ向けの商品の選定やスタイリングの提案、インテリアの記事の執筆、提案書や資料の作成などがあります。CADソフトや3Dソフトの扱いに慣れておくと、住宅会社やリフォーム会社からの業務委託を受けやすくなります。

Q. インテリアコーディネーターの資格に更新はありますか?

あります。資格の有効期限は登録日から5年間で、続けるには更新の手続きが必要です。5年目と10年目の更新は、更新登録料と研修費を合わせて20,900円(税込)で、eラーニングなどの更新研修があります。15年目以降は更新登録料14,300円(税込)のみです。更新しないと原則として資格は失効します。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年8月15日最終更新:2026年10月10日
原田 みなみ

この記事を書いた人

原田 みなみ@SOHO編集部

EC・ハンドメイド副業ライター

副業でハンドメイドアクセサリーのネットショップをしっかり軌道に乗せた経験を持つ。EC・物販・ハンドメイド系の記事を実践者目線で執筆しています。

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