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住宅収納スペシャリストの仕事|訪問の片付けや収納提案を受けるまで

@SOHO編集部
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住宅収納スペシャリストの仕事|訪問の片付けや収納提案を受けるまで

この記事のポイント

  • ✓住宅収納スペシャリストの仕事を
  • ✓訪問の片付けや新築・リフォームの収納提案を受けるまでの手順
  • ✓不用品処分の注意点まで整理しました

住宅収納スペシャリストの仕事に興味を持った人の多くは、「講座を受けたあと、実際にどんな依頼を受けられるのか」「整理収納アドバイザーと何が違うのか」「個人で始めて収入になるのか」の3つで迷っています。

結論から書くと、住宅収納スペシャリストは、新築やリフォームを考えている人に向けて、持ち物と暮らし方に合わせた収納を提案するための民間の認定資格です。資格そのものが仕事を連れてくるわけではありません。住宅会社での提案力を上げる使い方と、個人で訪問の片付けや収納計画の相談を受ける使い方の2つがあり、どちらを選ぶかで準備の順番が変わります。

この記事では、認定団体の公式ページで確かめた費用と受講条件をもとに、資格の位置づけ、仕事の形、依頼を受けるまでの手順、料金の考え方、個人で受けるときに見落としやすい法律の注意点までを順に整理します。

住宅収納スペシャリストとは:誰が認定している、どんな資格か

住宅収納スペシャリストは、特定非営利活動法人ハウスキーピング協会が認定している資格です。同じ協会が認定している「整理収納アドバイザー」の理論を土台に、住まいの間取りや収納の設計に踏み込んだ提案をするための講座として位置づけられています。

国家資格ではありません。国家資格とは、法律にもとづいて国や国が指定した機関が認定する資格のことで、建築士や宅地建物取引士がこれに当たります。住宅収納スペシャリストは民間団体の認定なので、持っていないと収納の相談を受けてはいけない、という決まりはありません。資格の役目は、お客様や取引先に「一定の講座を修了している」と示すことと、提案の根拠となる考え方を身につけることにあります。

協会の講座ページでは、この資格を次のように説明しています。

住宅収納スペシャリストとは、新築・リフォームをご希望のお客様に整理収納アドバイザー理論を用いて、それぞれの暮らしに合わせた収納提案のできる専門家です。この講座では片付かない原因を分析し、4つの演習を通して実践的なスキルを学びます。 出典: housekeeping.or.jp

講座のカリキュラムは5章で、片付かない理由を人と建物の関係から考える章、ヒアリングシートの使い方を学ぶ章、持ち物を分類して収納計画を立てる章、お客様の満足につながる提案を考える章、リフォームの事例から長く住める提案を学ぶ章で組まれています。

ポイントは「片付け方を教える資格」ではなく「住まいの側から収納を設計する資格」だという点です。片付けの作業そのものより、間取り図の段階でどこに何をしまうかを決めることに重心があります。この違いを理解しておくと、後で書く仕事の取り方の選択がぶれにくくなります。

なぜ収納提案の仕事に需要があるのか

家を建てる人やリフォームする人は、収納の量には強い関心を持っています。ところが、住んでから「収納が使いにくい」と気づく人も少なくありません。問題は、収納の広さではなく、場所と奥行きと、そこにしまう物の組み合わせが暮らしに合っていないことにあります。

講座を運営している心地よく住む研究会の公式サイトは、この点を次のように書いています。

これらの結果から、多くの方が収納に強い関心を持ちながらも、実際には満足いく提案がされていない現状が浮き彫りになっています。初めて家づくりを行うお施主様にとって、収納の量やサイズ、場所などの良し悪しは間取り図を見ただけでは分からず、不安なまま決めてしまうことが多いです。 出典: ju-spe.com

間取り図は、壁と扉の位置は教えてくれますが、そこに掃除機がしまえるか、ランドセルと教科書を子どもが自分で片付けられるか、までは教えてくれません。設計者や住宅営業は建物の専門家ですが、一つひとつの家庭の持ち物の量までは把握しきれないことが多いものです。この隙間を埋めるのが、住宅収納スペシャリストの役割です。

需要の出どころは大きく3つあります。1つ目は新築の打ち合わせ中の施主で、間取りが決まる前に収納を相談したい人です。2つ目はリフォームを考えている人で、今の家の「片付かない理由」を整理してから工事を決めたい人です。3つ目は住宅会社や工務店で、営業や設計の担当者が収納の提案力を高めたい、あるいは外部の専門家にセミナーや相談会を任せたいという需要です。

一方で、検索の需要は大きくありません。この資格名で調べる人は限られており、資格名だけで集客できる状態ではありません。お客様が検索するのは「新築 収納 失敗」「リフォーム 収納 相談」のような悩みの言葉です。資格は、悩みで検索してきた人に安心してもらうための裏付けとして使う、と考えておくのが現実的です。

取得までの流れと費用

住宅収納スペシャリストの講座は、誰でもいきなり受けられるわけではありません。協会の講座ページによると、受講資格は「整理収納アドバイザー2級」「整理収納教育士」「整理収納アドバイザーBAV」のいずれかを持っていることです。多くの人は、まず整理収納アドバイザー2級を取ってから進みます。

整理収納アドバイザー2級

2級は1日の講座を受けると取得できる資格で、協会のページでは受講料が24,700円(税込、テキスト代と認定料込み)と書かれています。会場開催、オンライン開催、好きな時間に学べるWEB講座の3つから選べます。有効期限はなく、更新も不要です。

住宅収納スペシャリスト認定講座

協会の講座ページでは、受講料が37,800円(税込、認定料・テキスト・資料代込み)、受講時間は10時から17時まで(休憩1時間を含む)の1日と案内されています。認定証は受講後およそ1か月で郵送され、こちらも有効期限はありません。

講師が主催する開催ページでは、金額が違う例もあります。たとえば、ある講師の開催ページでは整理収納資格取得者コースが38,500円(税込)と書かれています。また、2級を持っていなくても住宅関連の仕事をしている人が受けられる「住関連事業・資格者コース」があり、その開催ページでは42,900円(税込)で、講座時間が1時間長い形です。

通常の「住宅スペシャリスト認定講座」よりも、1時間長い講座時間ですが整理収納の基本の学びと、住宅収納スペシャリストとしての学びを、一日でまとめて受講することができます。 出典: omoiyari-shuno.com

金額は申し込む開催先で変わるので、申し込みの前に開催ページの金額とキャンセル規定を必ず確認してください。

受講で落としやすい点

協会のページには、講座の4分の1以上を遅刻または早退すると資格認定されないこと、録音や録画が禁止されていること、ライセンスカード用の写真撮影があること、最小催行人数に満たないと中止になる場合があることが書かれています。子どもの送り迎えなどで途中退出の可能性がある人は、時間の短い日を選ぶのではなく、確実に最後までいられる日を選ぶ必要があります。

2級と住宅収納スペシャリストを続けて取る場合、合計の受講料は協会の金額で62,500円です。交通費やオンライン受講の環境を整える費用は別にかかります。

申し込む前に確かめておきたいこと

受講料を払う前に、次の5つを自分の言葉で答えられるか確かめておくと、取得後に迷いにくくなります。

  1. 資格を使う相手は誰か。勤め先のお客様なのか、個人で受けるお客様なのか、住宅会社なのか
  2. 仕事の中心は何か。間取りの段階の収納計画なのか、今の家の片付けなのか
  3. 受講料の合計をどのくらいの期間で回収するつもりか
  4. 対面とオンラインのどちらで受講するか。オンラインなら、カメラとマイク、画面を共有できる環境があるか
  5. 2級から先、1級まで進む予定があるか

特に3つ目は大切です。2級と住宅収納スペシャリストを合わせると受講料だけで6万円を超えます。勤め先で使う場合は、会社が受講料を負担してくれる制度がないかも確認しておきましょう。個人で受ける場合は、何件の依頼で回収できるかを計算してから申し込むと、取得後の営業にも力が入ります。

講座の日程は開催先ごとに違い、オンラインの開催もあります。講師によっては日程のリクエストを受け付けているので、近くで開催がない場合でも、まず開催先に問い合わせてみる価値があります。

名乗れる範囲と、整理収納アドバイザーとの違い

ここで多くの人がつまずくのが、資格の段階と「名乗って仕事ができる範囲」です。

協会の2級のページには、2級では「整理収納アドバイザー」として活動できないことが明記されています。プロの整理収納アドバイザーとして活動するには、準1級の講座を経て1級の試験に合格する必要があります。一方、住宅収納スペシャリストについては、講師の開催ページに「住宅収納スペシャリストとして名乗って仕事ができます」と書かれています。

整理すると次のようになります。

段階 主な内容 名乗って仕事をする範囲
整理収納アドバイザー2級 整理収納の基本理論 2級の名称で活動はできない
住宅収納スペシャリスト 住まいの収納計画とヒアリング 住宅収納スペシャリストとして名乗れる
整理収納アドバイザー1級 準1級講座と1次試験・2次審査 整理収納アドバイザーとして活動できる

注意したいのは、名乗れる名称と、受けられる仕事は別の話だという点です。住宅収納スペシャリストは「住宅の収納提案」を看板にする資格です。お客様の家に行って一緒に物を分けたり、棚に収め直したりする「片付けの作業サポート」を主力にしたいなら、1級まで取って整理収納アドバイザーとして名乗れる状態にしておくほうが、お客様への説明がしやすくなります。

逆に、建築士やインテリアコーディネーターなど住まいの専門資格を既に持っている人にとっては、住宅収納スペシャリストは「収納にも強い設計者」と示すための追加の看板として働きます。どの名称で、誰に向けて、何を売るのかを先に決めてから、次の講座に進むかどうかを判断すると、受講料を無駄にしにくくなります。

住宅収納スペシャリストの仕事の形は4つ

資格を取ったあとの働き方は、大きく4つに分かれます。

1. 住宅会社・工務店の社員として提案力を上げる

協会のページで受講者として挙げられているのは、ハウスメーカー、ビルダー、設計事務所、工務店、不動産、住宅設備メーカー、家具販売店に勤める人です。営業や設計、ショールームのスタッフが、打ち合わせの中で収納のヒアリングを深めるために使います。この場合、資格が直接の収入になるわけではなく、成約率や顧客満足、紹介の増加につながるかどうかで評価されます。

2. 新築・リフォーム前の収納計画の相談

個人で受ける形で、最も資格の内容に近い仕事です。施主から間取り図と今の持ち物の情報をもらい、ヒアリングシートと分類の考え方を使って、どの部屋に何をどれだけしまうかを提案します。オンラインで相談を受けられるため、在宅で完結させやすいのが特徴です。

3. 訪問の片付け・整理収納サービス

お客様の家に伺い、物の分類から収納の配置までを一緒に進める仕事です。体を動かす作業が中心で、1回あたりの時間が長くなります。住宅収納スペシャリストの視点があると、「物を減らしても片付かないのは収納の位置が合っていないから」という説明ができ、リフォームの相談につながることもあります。

4. セミナー講師や住宅会社との連携

協会のページには、住宅収納スペシャリストだけが購入できるスライドがあり、自主セミナーに使えると書かれています。住宅会社の見学会や完成見学会で収納のミニセミナーを担当する、施主向け相談会の相談員を務めるといった、法人を相手にした仕事の形もあります。法人との仕事では、見積書や提案書を書く力が問われます。文書の書き方を体系的に学びたい人は、ビジネス文書の構成や敬語を問う検定もあります。ビジネス文書検定では、試験の内容と仕事での使い道を整理しています。

4つのうち、在宅で始めやすいのは2と4の一部、体力と時間を使うのが3です。家庭の事情で外出の時間が限られる人は、まず2のオンライン相談から始め、実績が積み上がってから訪問を受ける順番が無理のない進め方です。

訪問の片付けや収納提案を受けるまでの手順

個人で依頼を受けるまでの手順を、実際に動く順番で並べます。

手順1:自分の家と身近な家で事例を作る

最初のお客様を探す前に、提案の事例を用意します。自分の家の収納を、講座で学んだヒアリングと分類の手順で見直し、見直す前と後の写真、何をどこに移したか、その理由をまとめます。家族や知人の家で、無償または実費だけで協力してもらう方法もあります。写真を使うときは、表札や郵便物、家族の顔が写らないように撮り、公開してよいかを必ず書面やメッセージで確認してください。

手順2:誰に何を売るかを1行で決める

「新築の間取りが決まる前の収納相談」「子育て世帯の子ども部屋の収納計画」「親の家の片付けとリフォーム前の整理」のように、相手と悩みを1行で言えるようにします。対象を広げると、検索でも紹介でも選ばれにくくなります。

手順3:料金表とサービス内容を書く

何時間で、何をして、何を渡すのかを書き出します。オンライン相談なら「事前のヒアリングシート」「60分の相談」「提案書の送付」のように、成果物まで含めて書きます。訪問なら、作業時間、交通費の扱い、延長料金、キャンセル料を先に決めておきます。

手順4:見てもらう場所を用意する

事例と料金を見せる場所として、ホームページ、ブログ、SNS、地域の情報サイトなどがあります。事例の見せ方は、書き手やデザイナーのポートフォリオの考え方がそのまま使えます。Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】では、実績が少ない段階で何を見せ、どの順番で並べると相手に伝わるかを解説しています。収納の事例でも、「誰の、どんな悩みを、どう解決したか」を1件ずつ並べる構成は同じです。

手順5:住宅会社や設計事務所に声をかける

個人のお客様だけを待つより、施主と接点を持つ住宅会社や工務店、リフォーム会社に連絡するほうが、仕事の入口が安定します。見学会でのミニセミナー、施主向け相談会の担当など、相手が使いやすい形で提案書を作って持参します。

手順6:最初の依頼で記録を残す

最初の数件は、ヒアリングの内容、提案した内容、お客様の反応、かかった時間を記録します。後で料金を見直すときの根拠になり、次のお客様に見せる事例にもなります。

料金の決め方と見積もりの考え方

住宅収納の相談や訪問の整理収納サービスの料金は、事業者ごとに大きく違い、公的な統計もありません。相場の数字を探すより、自分の原価から組み立てるほうが、続けられる料金になります。

組み立て方は次のとおりです。

  1. 1件にかかる時間を全部書き出す(移動、事前のヒアリング、当日の作業、提案書の作成、連絡のやり取り)
  2. 自分が1時間あたりいくら残したいかを決める
  3. 交通費、資料の印刷代、講座の受講料の回収分、保険料などの経費を1件あたりに割り振る
  4. 1と2を掛けた額に3を加え、税金と社会保険料の負担を見込んで上乗せする

例として、オンライン相談1件に事前準備1時間、相談1時間、提案書の作成2時間がかかるなら、合計は4時間です。相談の60分だけを見て料金を決めると、実際の時間単価は4分の1になってしまいます。提案書を渡す形にする場合、その作成時間を必ず料金に含めてください。

訪問の場合は、作業時間に加えて移動時間が長くなりがちです。対応する地域を決め、地域の外は交通費と移動時間の分を別に請求するルールにしておくと、遠方の依頼で赤字になるのを防げます。

値付けの考え方は、他の個人で受ける仕事と共通です。デザインの仕事のように、時間ではなく成果物で値段を決める業界の相場の見方も参考になります。デザイナーの年収・単価相場では、経験や仕事の形によって単価がどう変わるかを整理しています。収納提案も、提案書や収納計画図という成果物を渡す仕事なので、成果物の単位で料金を示すと、お客様が比較しやすくなります。

オンラインの収納相談を進める流れ

在宅で始めやすいオンライン相談は、準備の段取りで満足度が大きく変わります。講座で学ぶヒアリングシートと分類の考え方を、オンラインの形に合わせて使う流れを紹介します。

相談の前:資料を先にもらう

申し込みを受けたら、相談日の数日前までに次の3つを送ってもらいます。

・間取り図(新築なら打ち合わせ中の最新版、リフォームなら現在の図面)
・ヒアリングシートへの回答(家族構成、起床から就寝までの動き、困っていること)
・今の収納の写真(玄関、キッチン、洗面所、クローゼットなど、困っている場所を中心に)

資料が当日にそろわないと、相談時間の半分が質問で終わってしまいます。申し込みの案内文に「資料の締め切り」をはっきり書いておくと、お客様も準備しやすくなります。

相談の当日:結論を先に伝える

当日は、事前資料から読み取った「片付かない原因」を最初に伝え、次に改善の方向を2つか3つ示し、最後にお客様の意見を聞いて1つに絞る順番で進めます。画面共有で間取り図に印を付けながら話すと、収納の位置と動線の関係が伝わりやすくなります。録画をする場合は、事前にお客様の同意を取ります。

相談の後:提案書で形に残す

相談後には、話した内容を提案書にまとめて送ります。提案書には、どの部屋の、どの収納に、何を、どれだけしまうかを一覧にし、設計者や住宅営業にそのまま見せられる形にしておきます。お客様が打ち合わせに持って行ける資料になると、相談の価値が伝わり、次の紹介にもつながります。

提案書の作成時間は相談そのものより長くなることが多いので、料金表には「提案書の送付まで含む」と明記し、修正の回数も決めておくと、やり取りが際限なく続くのを防げます。

個人で受けるときに見落としやすい注意点

不用品の回収を引き受けない

訪問の片付けで最も注意したいのが、お客様の家から出た不用品の扱いです。家庭から出るごみは「一般廃棄物」に当たり、これを仕事として集めて運ぶには、市町村長の許可が必要です。廃棄物処理法の第7条には次のように書かれています。

一般廃棄物の収集又は運搬を業として行おうとする者は、当該業を行おうとする区域(運搬のみを業として行う場合にあつては、一般廃棄物の積卸しを行う区域に限る。)を管轄する市町村長の許可を受けなければならない。 出典: e-Gov 法令検索(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)

善意で「ついでに持って帰ります」と引き受けると、この許可なしに運ぶことになりかねません。処分はお客様自身が自治体の収集に出すか、許可を持つ業者に依頼してもらう形にし、自分は分別の手伝いや出し方の案内にとどめるのが安全です。リサイクルショップへの持ち込みや買い取りの仲介も、扱う品や方法によって別の許可が関わることがあるので、始める前に自治体や警察署に確認してください。

契約内容と取り消しの条件を書面で渡す

個人のお客様と取引する場合は、作業の範囲、時間、料金、延長料金、キャンセル料、写真の扱いを書いた書面を事前に渡します。口頭の約束だけだと、「ここまでやってくれると思っていた」という行き違いが起きやすくなります。

個人情報と写真の扱い

お客様の家の中には、郵便物、書類、写真など個人情報があふれています。作業中に見た情報は外に出さない、事例として写真を使う場合は事前に同意を取り、住所が分かる情報は写さない、という決まりを自分の中で作り、お客様にも伝えておくと安心してもらえます。

けがと物損への備え

家具の移動や高い場所での作業には、けがと物損の危険があります。個人で訪問の仕事を受けるなら、賠償責任保険への加入を検討してください。保険の内容や保険料は商品によって違うので、加入前に補償の範囲を確認します。

向いている人と、資格の組み合わせ方

住宅収納スペシャリストの仕事に向いているのは、次のような人です。

・人の話を聞いて、相手が言葉にしていない困りごとを見つけるのが得意な人
・間取り図を読むことや、収納の寸法を測ることが苦にならない人
・片付けの作業より、計画を立てて提案することに楽しさを感じる人
・住宅会社や工務店の担当者と、ていねいにやり取りできる人

反対に、短期間で大きな収入を得たい人には向きません。個人で受ける場合、最初の数か月は事例づくりと営業に時間を使うことになります。また、お客様の家の中という生活の場に入る仕事なので、相手の持ち物や暮らし方を否定せずに受け止められるかどうかも大切です。「物が多すぎます」と言われて傷つくお客様は少なくありません。どの物も事情があって家にある、という前提で話を聞ける人ほど、次の相談や紹介につながりやすくなります。

資格の組み合わせとしては、既に住まいの資格を持っている人が上乗せする形が最も効果を出しやすいといえます。建築士、インテリアコーディネーター、キッチンスペシャリスト、宅地建物取引士などを持つ人が、収納の提案力を加えると、他の担当者との違いをはっきり示せます。

住まいの資格を持っていない人は、整理収納アドバイザー1級まで進んで「片付けのプロ」の看板を作り、そのうえで住宅収納スペシャリストを「住まいの収納計画もできる」証明として使う順番が分かりやすいでしょう。どちらの順番でも、受講料の合計と回収までの期間を事前に計算しておくことが大切です。

始めた人がつまずきやすい場面と対処

個人で収納提案を始めた人がつまずきやすい場面は、おおむね決まっています。前もって知っておくと、対処の準備ができます。

提案が「理想の収納」に寄りすぎる

講座で学んだ考え方をそのまま当てはめると、お客様の生活に対して手間のかかる提案になることがあります。毎日続けられない収納は、数か月で元に戻ります。提案の前に「この家族が毎日やれる動きはどこまでか」を確かめ、手間の少ない案を必ず1つ入れておきます。

設計者や住宅営業との役割がぶつかる

施主から相談を受けて提案した内容が、設計者の考えと合わないこともあります。収納提案はあくまで施主の判断材料であり、間取りを決めるのは施主と設計者です。提案書には「設計担当者と相談のうえで決めてください」と書き添え、相手の仕事を否定する言い方を避けると、住宅会社との関係を壊さずに済みます。

依頼が季節でかたよる

引っ越しや新生活の時期、年末の大掃除の時期には相談が集中し、それ以外の時期は少なくなりがちです。依頼の少ない時期には、事例の記事を書く、住宅会社に提案書を持って行く、セミナーの資料を作るなど、次の繁忙期に向けた準備に時間を使います。収入の波を前提に、半年単位で資金の計画を立てておくと慌てずに済みます。

値下げの依頼に応じ続けてしまう

最初の数件は実績づくりのために安く受けることもありますが、その価格を続けると、時間に見合わない仕事が積み上がります。最初から「モニター価格は先着何件まで」と期間や件数を区切って示しておくと、通常料金に戻すときの説明が楽になります。

開業と税金の手続き

個人で継続して依頼を受けるようになったら、税金の手続きも必要です。

事業を始めたことを税務署に知らせる「開業届」(個人事業の開業・廃業等届出書)は、国税庁の案内によると、事業を始めた日がある年分の確定申告期限までに提出します。以前は「開業から1か月以内」と案内されていましたが、現在の案内は確定申告期限までです。

税金を計算するときの帳簿の付け方には「白色申告」と「青色申告」があります。青色申告とは、決められた帳簿を付けることで所得から一定の額を差し引ける申告方法のことです。国税庁のタックスアンサー(No.2070)によると、青色申告特別控除は原則として最高55万円で、電子帳簿保存またはe-Taxで申告する場合は最高65万円です。青色申告を始めるには事前の承認申請が必要で、提出の期限があるため、開業届と同じ時期に確認しておきます。

会社に勤めながら副業として受ける場合は、勤め先の就業規則で副業が認められているかを先に確認してください。住宅会社に勤めている人が個人で収納提案を受ける場合、勤め先の顧客と重なると利益相反を問われることもあります。個別の扱いは勤め先や税務署によって変わるので、迷ったら窓口に相談するのが確実です。

在宅ワーク市場から見た、収納提案の仕事の広げ方

フリーランスと在宅ワークの市場を20年運営してきた立場から見ると、民間資格を生かして長く仕事を続けている人には共通点があります。資格名で仕事を待つのではなく、「この人に頼むと打ち合わせが早く進む」と相手に感じてもらう関係を、住宅会社やお客様と少しずつ作っていることです。収納提案の仕事も同じで、1回の相談で終わらせず、引っ越し後の見直しや、家族構成が変わったときの相談につなげている人ほど、紹介で依頼が続いています。

もう1つ見えてくるのは、個人で受ける仕事ほど、間に入る手数料の差が手取りに直結するという点です。仲介会社を通すと、依頼者が払う金額のうち受け手に届く割合が下がります。直接取引の形を選べると、同じ予算でも依頼者は頼める範囲が広がり、受け手の手取りは厚くなります。手数料0%で直接やり取りできる場を使う意味は、金額そのものより、双方に無理のない取引を続けやすくなるところにあります。

収納提案の仕事は、ヒアリング、文書作成、写真の整理、オンラインでの相談と、在宅でこなせる作業の割合が大きい仕事です。提案書づくりや事例の発信を続けるうちに、資料作成やWebでの情報発信そのものを仕事として受けられる力も育ちます。集客や発信の分野の仕事の全体像は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で確認できます。住宅収納スペシャリストの資格を入口に、自分の得意な形で在宅の仕事を組み立ててみてください。

よくある質問

Q. 住宅収納スペシャリストは国家資格ですか?

国家資格ではなく、特定非営利活動法人ハウスキーピング協会が認定する民間資格です。持っていなくても収納の相談を受けること自体は禁止されていません。資格の役目は、講座を修了して収納提案の考え方を学んだことを、お客様や住宅会社に示すことにあります。

Q. 整理収納アドバイザー2級を持っていなくても受講できますか?

協会の講座ページでは、受講資格は整理収納アドバイザー2級、整理収納教育士、整理収納アドバイザーBAVのいずれかを持っていることです。ただし講師の開催ページには、住宅関連の仕事をしている人向けに2級なしで受けられるコースもあります。条件と金額は開催先で確認してください。

Q. 資格を取ればすぐに個人で仕事を受けられますか?

資格を取っただけで依頼が来ることは多くありません。自分の家や知人の家で事例を作り、対象と料金を決め、見てもらう場所を用意してから声をかける順番が必要です。住宅会社や工務店との連携も、仕事の入口を安定させる手段になります。

Q. 訪問の片付けで出た不用品を持ち帰ってもよいですか?

家庭から出るごみを仕事として集めて運ぶには、市町村長の許可が必要です。許可のないまま持ち帰ると法律に触れるおそれがあります。処分はお客様に自治体の収集を使ってもらうか、許可を持つ業者に依頼してもらい、自分は分別や出し方の案内にとどめるのが安全です。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年3月1日最終更新:2026年10月10日
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