学校の保健室の志望動機をどう書くか|ここを選んだ理由の組み立て方


この記事のポイント
- ✓学校の保健室の志望動機を
- ✓なぜ学校か・なぜこの立場か・なぜこの学校かの3つの問いで組み立てる方法を解説します
- ✓医療的ケアを担う看護職員など立場ごとの違い
学校の保健室の求人に応募しようとして、志望動機の欄で手が止まっていませんか。「子どもが好きだから」「夜勤のない働き方をしたいから」。書いてはみたものの、これで通るとは思えない。そんな声を本当によく聞きます。
結論から言うと、保健室の志望動機は「なぜ学校なのか」「なぜこの立場なのか」「なぜこの学校なのか」の3つの問いに順番に答えるだけで、ぐっと説得力が増します。そして、その3つの答えを支えるのが、「保健室という職場で、自分は何ができるのか」という具体的な経験です。
これ、知らない人が本当に多いんですが、保健室の採用で見られているのは、子どもへの思いの強さより、「1人で判断し、周りとつなげる力があるか」です。この記事では、保健室の採用側が何を見ているのかを整理したうえで、志望動機の組み立て方、経験別の書き方、例文、避けたい書き方、応募先の調べ方までを順に解説します。
保健室の志望動機が、ほかの職場より難しい理由
病院やクリニックの志望動機なら、診療科や看護の方針、教育体制など、比べる材料がたくさんあります。ところが学校の保健室は、外から中の様子が見えにくい職場です。材料が少ない分、どうしても抽象的な言葉に頼りがちになります。
採用側が思い浮かべている「保健室の1日」
採用する側、つまり校長や教頭、学校法人の担当者が頭の中で思い浮かべているのは、次のような場面です。
・休み時間に、けがをした子が同時に何人も運ばれてくる ・授業中に体調を崩した子を、保健室で休ませるか、保護者に迎えを頼むか判断する ・心の悩みを抱えた子の話を聞き、担任やスクールカウンセラーにつなぐ ・年度初めの健康診断を、学校医や検査機関と日程を合わせて進める ・食物アレルギーや持病のある子の対応を、保護者や担任と決めておく
多くの学校で、こうした場面に対応するのは保健室の職員1人です。そばに医師はいません。つまり採用側は、「この人に保健室を任せて、1人で判断し、学校の中の人とつないでいけるか」を知りたいんです。
「子どもが好き」だけでは足りない理由
「子どもが好き」は大切な動機です。でも、それは保健室で働く人全員が持っている前提のようなもので、ほかの応募者との違いになりません。しかも、保健室の仕事には、保護者への連絡、管理職への報告、書類の作成など、子どもと直接関わらない仕事もたくさんあります。
「子どもが好き」を書くなら、それが「どんな場面で、どんな行動につながったのか」まで書く必要があります。気持ちではなく、行動で伝える。これが保健室の志望動機の基本です。
「夜勤がない」は本音でも、そのままは書かない
病院から学校への転職を考える人にとって、夜勤がないことや、土日が休みであることは大きな魅力です。それ自体は何も悪いことではありません。ただ、志望動機の中心に置くと、「条件が良ければどこでもいいのでは」と受け取られます。この本音の扱い方は、後の節で詳しく書きます。
まず、応募先での自分の立場を確かめる
志望動機を書く前に、必ず確かめてほしいことがあります。それは、応募先の保健室で自分がどの立場で働くのか、ということです。同じ保健室でも、立場によって任される仕事が違い、書くべき志望動機も変わります。
養護教諭(公立の採用選考・私立学校)
養護教諭の免許状を持つ教員として働く立場です。保健室の運営全体、保健指導の授業、校務分掌、職員会議への参加まで、教員としての役割を担います。志望動機では、健康教育や学校全体の健康づくりへの考えが問われます。
学校の看護師職員・学校保健師
私立学校や大学などで、看護師や保健師の資格で保健室に勤める立場です。仕事の中身については、次のように紹介されています。
学校保健師の仕事は、「学校に通う生徒や教職員の健康管理や健康維持」を行うことです。学校の保健室に勤務し、体調を崩した方やケガをした方の応急処置を行います。このような業務は、保健室の先生と似たものでしょう。 また、学校内の病気予防に関する取組みや、保健師としての活動の研究を行う場合もあります。 出典: kan54.jp
つまり、仕事の多くは養護教諭と重なりますが、教員としての役割は小さく、医療職としての専門性が期待される立場です。志望動機では、応急処置の判断や、感染症の予防、健康管理の経験が問われます。
医療的ケアを担う看護職員
特別支援学校などで、たんの吸引や経管栄養など、日常的に医療的なケアが必要な子のケアを担う立場です。志望動機では、医療的ケアの経験に加えて、医療の場ではない学校で、教員と協力しながらケアを行う姿勢が問われます。
臨時的任用・会計年度任用職員
産休や育休の代替などで、任期を決めて保健室に入る立場です。志望動機は短く求められることが多いですが、「限られた期間でも、前任の方のやり方を引き継ぎ、子どもの生活を途切れさせない」という姿勢を示すと伝わりやすくなります。
求人票の「業務内容」と「必要な資格」の欄を読めば、どの立場かはほぼ分かります。分かりにくいときは、応募前に問い合わせても構いません。立場を取り違えたまま書いた志望動機は、どれほど丁寧でも的外れになってしまいます。
志望動機を組み立てる3つの問い
ここからが本題です。保健室の志望動機は、次の3つの問いに順番に答えていくと、自然に筋の通った文章になります。
問い1:なぜ、病院や企業ではなく学校なのか
看護職として働ける場所は、病院、クリニック、訪問看護、企業、保育園など、たくさんあります。その中で、なぜ学校を選ぶのか。ここに答えられないと、志望動機の土台が崩れます。
答えの材料になるのは、次のような経験です。
・病院で子どもの患者と関わる中で、病気になる前の予防や健康教育に関わりたいと考えるようになった ・小児科や外来で、学校生活の中での体調管理に悩む家族の相談を受けてきた ・自分の子どもの学校生活を通して、保健室の役割の大きさを知った
大切なのは、「治療の場から、予防と成長を支える場へ」というように、自分の関心がどう動いたのかを具体的な出来事で示すことです。
問い2:なぜ、この立場なのか
養護教諭として教員の役割を担いたいのか、看護師として医療の専門性を活かしたいのか。前の節で確かめた立場に合わせて、その立場を選ぶ理由を書きます。
たとえば看護師職員として応募するなら、「医療職として、応急処置の判断と受診の見極めに責任を持ちたい」。養護教諭として応募するなら、「一人ひとりの手当てにとどまらず、保健指導を通して、子どもが自分の体を守る力を育てたい」。立場の役割と、自分のやりたいことが重なっていることを示します。
問い3:なぜ、この学校なのか
最後に、数ある学校の中からその学校を選んだ理由です。ここは、応募先を調べていないと書けない部分なので、採用側が最も注目するところでもあります。
・学校の教育方針や、健康教育への取り組み ・学校種(小学校、中学校、高校、特別支援学校)と、自分の経験との重なり ・寮がある、部活動が盛んなど、その学校ならではの特徴
学校の調べ方は、後の節でまとめます。
3つの問いの後に、「自分にできること」を置く
3つの問いに答えたら、最後に「その学校の保健室で、自分は何ができるのか」を1〜2文で書きます。「急変時の初期対応の経験を活かし、保護者や担任と連携しながら判断できる保健室を目指します」というように、経験と、その学校での行動をつなげて締めくくります。
経験別に、書くべき材料は変わる
同じ3つの問いでも、これまでの経験によって、使える材料は違います。ここでは代表的な経歴ごとに、何を材料にすればよいかを整理します。
病院で看護師として働いてきた人
最も強い材料は、急変時の対応と、判断の経験です。保健室にはそばに医師がいないので、「このまま様子を見てよいか、受診が必要か」を見極める力は大きな強みになります。救急外来や小児科の経験があれば、具体的な場面を1つ書いてください。
一方で、病院と学校の違いを理解していることも示す必要があります。学校では治療ではなく、応急の手当てと受診の判断が中心になり、相手は患者ではなく子どもと教職員と保護者です。この違いを分かったうえで応募していることが伝わると、採用側の不安は小さくなります。
保健師として地域や企業で働いてきた人
健康教育や、集団の健康管理の経験が材料になります。乳幼児健診、健康相談、企業の健康診断の事後措置などの経験は、学校の健康診断や保健指導とよく重なります。「個人の手当てより、集団の健康づくりに関わってきた」ことを軸にすると、保健室の運営を任せられる人という印象になります。
臨時的任用などで保健室の経験がある人
実際に保健室で働いた経験は、何よりの材料です。ただし、「経験があります」だけでは足りません。その経験の中で、何に気づき、次の職場で何をしたいのかまで書いてください。「前の学校では、心の相談が保健室に集中していた。スクールカウンセラーとの連携の流れを作ったことで、子どもを1人で抱え込まずに済むようになった」というように、自分が工夫したことを具体的に書くと説得力が増します。
新卒・臨床経験の浅い人
実務の経験が少ない分、実習での気づきや、学んだことを材料にします。養護実習や看護実習で印象に残った場面、その場面から考えたこと、それを学校でどう活かしたいか。経験の量ではなく、考えの深さで勝負するつもりで書いてください。
子育てや家族の経験を材料にしたい人
自分の子どもの学校生活を通して保健室の役割を知った、という経験は、学校を選ぶ理由として自然です。ただし、個人の家庭の話が長くなりすぎないように注意してください。「その経験から、学校の保健室が家庭と学校をつなぐ役割を持っていると知った」というように、仕事への考えにつなげて1〜2文にまとめるのがちょうどよい分量です。
私自身、初めて職場を移るときに書いた志望動機は、自分の経験を並べただけの文章でした。読み返してみると、「だから、なぜここなのか」がどこにも書かれていなかったんです。経験は材料であって、答えではない。材料を3つの問いの答えにつなげて初めて志望動機になるのだと、そのとき気づきました。
「夜勤がない」「給与」などの本音をどう扱うか
保健室への転職を考える理由として、働く条件を重く見ることは、ごく自然なことです。ここでは、その本音を志望動機の中でどう扱えばよいかを考えます。
条件を理由にすること自体は悪くない
家族の事情で夜勤が難しくなった、体力的に夜勤を続けるのが厳しくなった。こうした事情は、転職の理由として十分に正当なものです。面接で聞かれたときに、隠す必要はありません。
ただし、志望動機の中心に条件を置くと、「条件がもっと良い職場があれば、すぐに移ってしまうのでは」と受け取られます。条件は、応募を考えるきっかけとして一言触れる程度にとどめ、中心には3つの問いの答えを置いてください。
「生活の事情で日勤の働き方を考えるようになり、その中で改めて、子どもの成長を長く支えられる学校の保健室で働きたいと考えました」。こう書けば、条件ときっかけと仕事への思いが、無理なくつながります。
給与は、応募前に自分で確かめておく
学校の保健室で働く場合、夜勤手当がないため、病院勤務と比べて給与が下がることがよくあります。この点について、学校保健師の給与は次のように紹介されています。
学校保健師は、一般的に産業保健師などと比べると高額な給料は得にくいといわれています。給料だけを基準に就職するのではなく、それ以外の魅力を感じている方が目指すべき職種だといえるでしょう。また、残業の有無や休日制度などについても確認するようにしましょう。 出典: kan54.jp
つまり、給与の条件は志望動機に書くものではなく、応募する前に自分で確かめて納得しておくものです。今の給与と比べてどのくらい変わるのかを知るには、看護職全体の相場を見ておくと判断しやすくなります。看護師の年収・単価相場では、看護師の年収の相場が年代や働き方ごとにまとめられているので、学校への転職で収入がどう変わりそうかを見積もる材料になります。
労働条件は、書面で確かめる
これ、知らない人が本当に多いんです。採用が決まったら、給与、勤務時間、長期休みの間の勤務と給与の扱い、契約期間を、必ず書面で確かめてください。労働基準法では、雇う側に労働条件を明示する義務が定められていて、賃金や労働時間などの大事な条件は書面などで示すことになっています。私立学校で雇われる場合はとくに、夏休みなどの期間の扱いが契約によって大きく違います。※公立学校の任用の場合は、任用通知書や自治体の条例で条件が決まるので、分からない点は人事の担当に確認してください。
実際にあったのは、こんなケースです。病院から私立学校の保健室に移った方が、面接で「夏休みはゆっくりできますよ」と言われ、長期休みも給与が出るものと思い込んで入職しました。ところが契約書を読み直すと、学校が休業する期間は勤務がなく、その間の給与も出ない契約でした。年収に直すと、想定より大きく下がってしまったんです。面接での口頭の説明と、書面の条件が食い違うことは珍しくありません。志望動機を磨くのと同じくらい、条件の書面を読む時間を取ってください。
立場別の例文
ここまでの考え方を使って、立場別に例文を作りました。そのまま使うのではなく、自分の経験に置き換える前提で読んでください。文中の〇〇は、自分の経験や応募先の情報に置き換える部分です。
例文1:私立中高一貫校の看護師職員に応募する場合
「病院の小児科で〇年間勤務する中で、慢性の病気を抱えながら学校に通う子どもたちと関わってきました。退院の支援をするたびに、学校生活の中で体調を守る仕組みの大切さを感じ、病気を治す場から、子どもの毎日の健康を支える場で働きたいと考えるようになりました。医療職として、応急処置の判断と受診の見極めに責任を持ちながら、保健室を担う先生方と協力して生徒の健康を支えたいと考えています。貴校が〇〇という方針のもとで、生徒が自分の健康を自分で管理する力を育てていることを知り、中学生から高校生までの6年間を通して成長を見守れる環境で、小児科での経験を活かしたいと考え志望しました。」
例文2:特別支援学校で医療的ケアを担う看護職員に応募する場合
「訪問看護で、たんの吸引や経管栄養が必要なお子さんのケアを〇年間担当してきました。ご家族から、学校に通うことが子どもにとっても家族にとっても大きな支えになっていると聞き、医療的ケアが必要な子どもの学びの時間を支える仕事に関心を持ちました。学校は医療の場ではなく、学びと生活の場です。教員の方々と役割を分担しながら、子どもが安全に授業に参加できるよう、日々の体調の変化を丁寧に記録し、共有することを大切にしたいと考えています。」
例文3:公立学校の養護教諭の採用選考で使う場合
「臨時的任用として〇年間、小学校の保健室に勤務しました。けがや体調不良の対応に加え、心の悩みを抱えて来室する子どもが多いことに気づき、担任やスクールカウンセラーと情報を共有する仕組みづくりに取り組みました。この経験から、保健室は一人ひとりを手当てする場であると同時に、学校全体で子どもを支えるための拠点であると考えるようになりました。養護教諭として、保健指導を通して子どもが自分の心と体を守る力を育て、教職員や家庭と連携した健康づくりに取り組みたいと考え、志望しました。」
3つの例文に共通しているのは、経験、気づき、立場を選んだ理由、応募先で何をしたいかが、1本の線でつながっていることです。
文字数の指定に合わせて、組み替える
志望動機は、応募先によって求められる長さが違います。履歴書の小さな欄に書く場合、エントリーシートで400字や800字を指定される場合、公立学校の採用選考で面接票に書く場合。長さが変わっても、骨組みは同じ3つの問いです。変えるのは、それぞれの答えにどれだけの言葉を使うかだけです。
200字程度に収めるとき
履歴書の欄に書く場合は、3つの問いの答えを1文ずつにして、経験は1つだけに絞ります。
「病院の小児科で〇年間勤務し、学校生活の中での体調管理に悩むご家族と多く関わってきました。その経験から、治療の場ではなく子どもの毎日の健康を支える場で働きたいと考えました。応急処置の判断と受診の見極めの経験を活かし、生徒の成長を長く見守れる貴校の保健室で力を尽くしたいと考え、志望しました。」
短い分、「なぜこの学校か」が薄くなりがちです。面接で必ず聞かれるので、書ききれなかった部分は面接で話す準備をしておいてください。
400字程度のとき
3つの問いに加えて、経験の中の具体的な場面を1つ書き足します。「どんな場面で、何を考え、どう行動したか」を2〜3文で入れると、ぐっと読み手の印象に残ります。
800字程度のとき
長い志望動機では、経験の場面、そこでの気づき、立場を選ぶ理由、学校を選ぶ理由、入ってからやりたいこと、の5つをそれぞれ段落にします。長く書けるからといって経験をたくさん並べると、焦点がぼやけます。場面は1つか2つに絞り、その分、学校で何をしたいのかを具体的に書いてください。
使い回しには注意する
複数の学校に応募するとき、同じ志望動機を使い回したくなる気持ちはよく分かります。3つの問いのうち、1つ目と2つ目の答えは使い回して構いません。でも3つ目の「なぜこの学校か」だけは、必ず学校ごとに書き直してください。ここが、採用側がいちばん注意して読む部分だからです。
避けたい書き方と、その直し方
最後に、保健室の志望動機でよく見かける、避けたい書き方をまとめます。
「子どもが好きなので」で終わる
直し方:好きだと感じた具体的な場面と、その経験から学校を選んだ理由を書く。
「保健室の先生に憧れていたので」で終わる
憧れは入口としては素敵ですが、それだけでは仕事への理解が伝わりません。直し方:憧れた先生のどんな行動に心を動かされ、自分はそれをどう実践したいのかまで書く。
条件面の理由が中心になっている
直し方:条件はきっかけとして一言にとどめ、3つの問いの答えを中心に置く。
どの学校にも出せる内容になっている
学校名を入れ替えても通用する志望動機は、採用側にすぐ見抜かれます。直し方:その学校の方針、学校種、特徴のうち、少なくとも1つに具体的に触れる。
病院と同じ働き方を想定している
「高度な医療の知識を活かして治療に関わりたい」といった書き方は、学校の保健室の役割とずれてしまいます。直し方:応急の手当てと受診の判断、予防と健康教育という、学校の保健室の役割に合わせて経験を言い換える。
面接で、志望動機を深く聞かれたときの答え方
書類が通ると、面接では志望動機をさらに掘り下げて聞かれます。ここでは、保健室の面接で聞かれやすい質問と、答え方の考え方をまとめます。
「なぜ今の職場を辞めるのですか」
前の職場への不満を中心に答えるのは避けてください。不満があったとしても、「その経験から何を考え、次に何をしたいのか」に話を向けます。「病院では、退院した後の子どもの生活まで関わることができませんでした。学校の保健室なら、子どもの毎日の健康に長く関われると考えました」。事実は変えずに、前向きな方向に言葉を選ぶのがコツです。
「1人で判断することに不安はありませんか」
保健室の面接で、とてもよく聞かれる質問です。「不安はありません」と言い切るより、判断の経験と、判断に迷ったときにどう動くかをセットで答えるほうが信頼されます。「救急外来で、限られた情報から優先度を判断してきました。迷ったときは、学校医への相談や、保護者、管理職への早めの連絡を大切にしたいと考えています」。1人で抱え込まない姿勢を示すことが、かえって安心材料になります。
「長く働き続けられますか」
とくに私立学校では、長く勤めてくれる人かどうかが重視されます。家族の事情などで先の見通しが立たない場合も、うそをつく必要はありません。「現時点では長く勤めたいと考えています」と、今の気持ちを率直に伝えてください。
「学校と病院の違いをどう考えていますか」
この質問は、学校の保健室の役割を理解しているかを確かめるものです。治療ではなく応急の手当てと受診の判断が中心であること、相手が子どもと教職員と保護者であること、健康教育や予防が大きな役割であること。この3つを、自分の言葉で話せるようにしておくと安心です。
面接での答えは、書類の志望動機と食い違わないことが大前提です。提出した志望動機の写しを手元に残し、面接の前に必ず読み返してください。
応募先の学校を調べる方法
「なぜこの学校なのか」を書くために、応募先を調べる方法をまとめます。
学校のサイトで確かめること
・教育目標や学校経営の方針 ・年間行事予定(宿泊行事、部活動の大会、海外研修など) ・保健だよりや、健康教育の取り組みの紹介 ・学級数や在籍数(保健室の仕事量の目安になる)
保健だよりをサイトに載せている学校なら、その学校の保健室が、どんなことを大切にしているかが見えてきます。
公立学校の場合
公立学校の採用選考では、個別の学校ではなく、自治体に採用されます。そのため、「なぜこの学校か」の代わりに「なぜこの自治体か」を問われます。教育委員会が公表している教育の基本計画や、健康教育に関する取り組みを読んで、自分の考えと重なる部分を見つけてください。
見学や説明会に参加する
私立学校では、学校見学や説明会の機会があれば、ぜひ参加してください。保健室の場所、職員室との距離、掲示物の様子など、実際に見て感じたことは、そのまま志望動機の材料になります。
書き終えたら、もう一度確かめること
志望動機を書き終えたら、次の点を確かめてから提出してください。
・3つの問い(なぜ学校か、なぜこの立場か、なぜこの学校か)に、それぞれ答えているか ・経験が、具体的な場面として書かれているか ・応募先の立場の役割と、自分がやりたいことが重なっているか ・学校名を入れ替えても通用する内容になっていないか ・指定された文字数に収まっているか
どうしても自分の経験を言葉にしきれないときは、第三者に読んでもらうのが近道です。職場・転職・キャリア相談のお仕事では、転職やキャリアの相談の場でどのような支援が行われているのかが紹介されていて、経験の棚卸しを誰かと一緒に進めるイメージがつかめます。キャリアの相談を担う国家資格については、キャリアコンサルタントで資格の中身を確認できます。
在宅ワークや業務委託の市場を長く見てきた立場から言えば、仕事を任される人と任されない人の差は、経歴の華やかさより「相手が何に困っているかを理解したうえで、自分にできることを言えるか」にあると感じます。保健室の志望動機も同じです。学校が保健室に何を求めているのかを知り、そこに自分の経験を重ねて書く。その順番を守れば、あなたの志望動機は、きっと採用側に届きます。
よくある質問
Q. 看護師から学校の保健室に応募するとき、志望動機で一番大切なことは何ですか?
病院ではなく学校を選ぶ理由を、具体的な経験で示すことです。たとえば小児科で学校生活の体調管理に悩む家族と関わった経験から、予防と成長を支える場に関心が移ったというように、関心の変化を出来事で説明します。あわせて、そばに医師がいない保健室での判断の重さを理解していることが伝わると説得力が増します。
Q. 「夜勤がないから」という理由は志望動機に書いてもよいですか?
転職を考えたきっかけとして一言触れる程度なら問題ありません。ただし中心に置くと、条件が良ければどこでもよいと受け取られやすくなります。生活の事情で日勤の働き方を考えるようになり、その中で学校の保健室で働きたいと考えた、というように、条件と仕事への思いをつなげて書くのがおすすめです。
Q. 養護教諭と学校の看護師職員では、志望動機の書き方は変わりますか?
変わります。養護教諭は教員として保健指導や学校全体の健康づくりを担うため、健康教育への考えが問われます。看護師職員は医療職として応急処置の判断や健康管理を担う立場なので、急変時の対応や受診の見極めの経験が中心になります。応募前に求人票で自分の立場を確かめてから書いてください。
Q. 応募先の学校について、志望動機に書く材料はどう集めればよいですか?
学校のサイトで教育方針、年間行事予定、保健だより、学級数などを確かめるのが基本です。私立学校なら見学や説明会に参加し、保健室の場所や掲示物の様子を見ると具体的な材料になります。公立学校の採用選考では、教育委員会が公表している教育の計画を読み、自治体を選ぶ理由として使います。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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