習慣トラッカーの使い方|続けたいことを記録して身につける

この記事のポイント
- ✓習慣トラッカーの使い方を
- ✓Excelやスプレッドシートでの作り方(列と関数)
- ✓途切れたときの立て直しまで具体的に紹介します
習慣トラッカーは、続けたいことを毎日チェックして、できた日に印を付けていく記録の表です。英語のまま「ハビットトラッカー」と呼ばれることもあります。仕組みは単純ですが、何を記録するか、どこに記録するか、途切れたときにどうするかを決めておかないと、2週間ほどで書かなくなってしまいがちです。
この記事では、習慣トラッカーの考え方から、記録する習慣の選び方、紙の手帳での書き方、Excelやスプレッドシートでの作り方、アプリで記録する方法、途切れたときの立て直し方までを順に説明します。家族や勉強仲間、仕事のチームで、誰が何をどこまで続けているかを共有したい場合は、Pinatecaのようなボードの道具で記録を共有する方法にも触れます。
習慣トラッカーとは:毎日の「できた」を見える形にする表
習慣トラッカーは、横に日付、縦に習慣を並べた表に、できた日だけ印を付けていく記録の方法です。1か月分を1枚に収めるのが一般的で、印が横に並んでいくと、どれだけ続いているかがひと目で分かります。
| 習慣 | 1日 | 2日 | 3日 | 4日 | 5日 | 6日 | 7日 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 23時までに寝る | 済 | 済 | 済 | 済 | 済 | ||
| 英単語を20個覚える | 済 | 済 | 済 | 済 | 済 | ||
| 10分歩く | 済 | 済 | 済 | 済 | 済 | 済 |
日記や手帳との違いは、文章を書かないことです。印を付けるだけなので、1日にかかる時間は数十秒で済みます。「続けたいことを、続けたかどうかだけ記録する」と割り切っているのが、習慣トラッカーの強みです。
もう1つの特徴は、結果ではなく行動を記録することです。たとえば「体重を3キロ落とす」は結果で、毎日記録しても自分の思いどおりには動きません。「夕食のあとにお菓子を食べない」「10分歩く」は行動なので、その日のうちに自分で決められます。習慣トラッカーに書くのは、この行動のほうです。
記録の対象は人によってさまざまです。よく見かけるのは次のようなものです。
- 生活のリズム:起きる時刻、寝る時刻、朝食をとる
- 体のこと:歩く、ストレッチ、水を飲む
- 学ぶこと:英単語、資格の勉強、読書のページ数
- 仕事や家事:日報を書く、受信箱を空にする、洗い物をその日に済ませる
- お金のこと:家計簿を付ける、買ったものを記録する
習慣が続かない理由と、記録が助けになる場面
新しい習慣が続かない理由は、人によって違いますが、よく挙がるものは似ています。
1つ目は、目標が大きすぎることです。「毎日1時間勉強する」と決めても、忙しい日が1日あると崩れます。2つ目は、何をすればできたことになるのかが曖昧なことです。「早く寝る」は、23時なのか0時なのかが決まっていないため、毎晩自分に甘い判定をしてしまいます。3つ目は、途切れたあとにやめてしまうことです。1日できなかっただけで「もうだめだ」と思い、そのまま記録そのものをやめてしまいます。
習慣トラッカーは、この3つのうち2つ目と3つ目に効きます。表に書く時点で「何をしたら印を付けるか」を決める必要があるので、行動が具体的になります。また、1日空いても、その前後に印が並んでいるのが見えるので、「ほとんどの日はできている」と事実で確かめられます。
手帳や文具を扱う会社の解説では、実際に記録している人の工夫として、次のような声が紹介されています。
習慣にしたいことを1つだけにしてしまうと、達成できなかったときに「できなかった」という気持ちが残ってしまうので、3つほど決めてその中で1つでも毎日できたことがあると自信に繋げることができます! 内容は、「早く寝る」よりも「23時までに寝る」と具体的に書くと行動にしやすいのでおすすめです。 出典: midori-store.net
つまり、習慣は1つに絞りすぎず、少しだけ複数持つほうが気持ちが折れにくい、ということです。そして、書き方は時刻や回数を入れて具体的にする。この2点は、紙でもアプリでも同じです。
一方で、習慣トラッカーが向かない場面もあります。記録すること自体が負担になっている人、印が付かない日が続いて自分を責める気持ちが強くなる人は、無理に続ける必要はありません。記録は手段であって、目的ではありません。
記録する習慣の選び方:数は3〜5個、行動で書く
習慣トラッカーを始めるとき、最初に悩むのが「何を書くか」です。次の4つの基準で選ぶと、続けやすい表になります。
基準1:1日の中で、やったかどうかが自分で判定できる
「健康になる」「英語が話せるようになる」は、その日に判定できません。「10分歩く」「英単語を20個覚える」なら、夜にふり返ってすぐ判定できます。判定に迷う習慣は、表に書く前に言い換えます。
| 曖昧な書き方 | 判定できる書き方 |
|---|---|
| 早く寝る | 23時までに布団に入る |
| 運動する | 夕食の前に10分歩く |
| 勉強する | 通学の電車で過去問を5問解く |
| 部屋を片付ける | 寝る前に机の上を空にする |
| 節約する | 買ったものをその日のうちに家計簿に付ける |
基準2:いちばん忙しい日でもできる大きさにする
習慣の大きさは、余裕がある日ではなく、いちばん忙しい日を基準に決めます。テストの前日や締め切りの日でもできる大きさにしておけば、途切れにくくなります。物足りなければ、2週間続いてから少し大きくします。
基準3:数は3〜5個から
最初から10個並べると、毎日の記録に時間がかかり、印が付かない欄も目立ちます。3〜5個から始め、続いているものが増えてきたら追加します。
基準4:やる時間と場所を決めておく
「いつ、どこで」をあらかじめ決めておくと、迷う時間が減ります。「朝、歯を磨いたあとにストレッチ」のように、すでに毎日していることのあとに続けて書くと、思い出しやすくなります。
体のことを記録するときは、目安の数字があると決めやすくなります。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人について、歩行かそれと同等以上の強さの身体活動を1日60分以上(1日約8,000歩以上)が目安として示されています。また「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人の睡眠について6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保することが挙げられています。どちらも健康づくりの目安として示されたもので、持病がある人や体調に不安がある人は、かかりつけの医師に相談したうえで決めてください。資料は厚生労働省の身体活動・運動の推進のページと睡眠対策のページで公開されています。
いきなり目安どおりを目指す必要はありません。いまの歩数が4,000歩なら、まず「昼休みに10分歩く」を習慣にするほうが続きます。
紙の手帳で習慣トラッカーを書く方法
紙の習慣トラッカーは、手帳やノートに自分で枠を書くだけで始められます。方眼のノートなら、線を引く手間もほとんどかかりません。
基本の書き方:横に日付、縦に習慣
- ページの上に、月の名前と、その月に続けたい習慣を書きます。
- 左の列に習慣を縦に並べます。
- 上の行に1日から31日までの日付を書きます。方眼の1マスを1日にすると、1か月が1行に収まります。
- できた日はマスを塗りつぶします。できなかった日は空けておきます。
- 月末に、習慣ごとに塗ったマスの数を数え、右の端に書きます。
塗りつぶすのは、ペンでも色鉛筆でも構いません。習慣ごとに色を変えると、どの習慣が続いているかが離れて見ても分かります。
円形やカレンダー形の書き方
1か月を円にして、ケーキを切るように31に分ける書き方もあります。外側から順に習慣を割り当て、できた日のところを塗っていくと、月末にはドーナツのような図になります。見た目は楽しいのですが、書くのに手間がかかるので、まずは横一列の表から始めるのが無難です。
月間のカレンダーのページがある手帳なら、その日の欄に小さな印を付ける方法もあります。習慣ごとに印の形(丸、三角、四角)を決めておけば、表を別に作らなくても済みます。
紙の良いところと、困るところ
紙の良いところは、書く行為そのものが記録のきっかけになることです。机の上に手帳を開いておけば、目に入るたびに思い出します。電源も通知も要りません。
困るのは、外出先で記録しにくいことと、集計に手間がかかることです。また、紙の手帳は自分だけのもので、家族や仲間と見せ合うには写真に撮って送る必要があります。
Excelやスプレッドシートで習慣トラッカーを作る方法
集計まで自動でしたい人は、Excelや、GoogleスプレッドシートやNumbersのような表計算の道具で作る方法が向いています。ここでは、どの道具でも動く作り方を説明します。
表の作り方
- A列に習慣を縦に並べます(A2から下へ)。
- 1行目のB1から右へ、日付を並べます。B1に月の初日を入れ、C1に「=B1+1」と入れて右へ広げると、月末まで日付が並びます。
- できた日は、その日のマスに「1」を入れます。できなかった日は空けておきます。
- 日付の右の空いた列に「できた日数」「達成率」の列を作ります。
| A | B〜AF | AG | AH |
|---|---|---|---|
| 習慣 | 1日〜31日 | できた日数 | 達成率 |
| 23時までに寝る | 1を入れる | =SUM(B2:AF2) | =AG2/COUNT($B$1:$AF$1) |
よく使う関数
- できた日数:=SUM(B2:AF2)。「1」を入れた日の数を数えます。
- 達成率:=AG2/COUNT($B$1:$AF$1)。日付の数で割ります。セルの表示形式を「パーセント」にすると見やすくなります。
- 今日までの達成率:=AG2/(TODAY()-$B$1+1)。月の途中でも、今日までの日数で割った割合が出ます。
- 1日あたりの達成数:日付の列の一番下に =SUM(B2:B6) を入れると、その日にいくつの習慣ができたかが分かります。
条件付き書式で色を付ける
数字だけだと続いている感じがつかみにくいので、「1」が入ったマスに色を付けます。範囲(B2:AF6)を選び、条件付き書式で「セルの値が1に等しい」ときに塗りつぶしの色を付ける設定にします。印を入れるたびにマスが色で埋まっていくので、紙で塗るのに近い見た目になります。
週末の列に薄い色を付けておくと、平日と休日のどちらで途切れやすいかも見えてきます。日付の行に「=TEXT(B1,"aaa")」と入れて曜日を出し、それをもとに色を変える方法もあります。
表計算の良いところと、困るところ
表計算の良いところは、集計と見た目を自動にできることです。月が変わったら、シートをコピーして日付と記録を消すだけで、新しい月の表が作れます。スマートフォンのアプリからも入力できるので、外出先でも記録できます。
困るのは、スマートフォンの小さな画面では、横に長い表が見にくいことです。1か月を1枚に収めると列が31本並ぶので、画面を横にしたり、拡大したりする必要があります。スマートフォンで入力することが多いなら、日付を縦に並べ、習慣を横に並べる形のほうが入力しやすくなります。
アプリで習慣を記録する方法
習慣の記録に特化したアプリも多くあります。アプリの良いところは、決めた時刻に通知で思い出させてくれること、連続日数や達成率を自動で出してくれることです。
選ぶときは、次の点を確かめます。
- 無料でいくつの習慣まで登録できるか
- 記録を書き出せるか(アプリを替えたときに記録を持ち出せるか)
- 通知の時刻を習慣ごとに変えられるか
- 有料のプランがある場合、料金と、月払いか年払いか
料金やできることは改定されることがあるので、App StoreやGoogle Playの説明と、アプリの公式ページを開いて、その日の記載で確かめます。
スマートフォンに最初から入っているアプリでも、記録はできます。たとえばiPhoneには、歩数や睡眠を記録する「ヘルスケア」と、日々のことを書き留める「ジャーナル」があり、使い方はAppleのサポートの iPhone ユーザガイドで案内されています。歩数のように自動で記録されるものはそちらに任せ、自分の行動の習慣だけを習慣トラッカーに書く、という分け方もできます。
アプリの困るところは、通知が増えすぎることです。習慣ごとに通知を出すと、1日に何度も鳴り、やがて通知そのものを無視するようになります。通知は、1日1回、決まった時刻にまとめて出すくらいがちょうどよい量です。
途切れたときの立て直し方
習慣トラッカーを続けていると、必ず途切れる日があります。大事なのは、途切れないことではなく、途切れたあとに戻ることです。
2日続けて空けない
1日空いたことは気にしません。その代わり、「2日続けて空けない」と決めておきます。1日空いた翌日は、習慣の大きさを半分にしてでも印を付けます。10分歩くはずが5分でも、印は印です。
理由を一言書く
空いた日の下や横に、理由を一言書いておきます。「飲み会」「発熱」「締め切り」のように、ほんの数文字で構いません。月末に見返すと、自分がどんな日に途切れやすいかが分かります。飲み会の日に途切れるなら、その習慣を朝に動かす、という手が打てます。
月の途中でも表を作り直してよい
習慣が大きすぎたと分かったら、月の途中でも表を作り直します。「毎日30分」を「毎日10分」に変えても、記録を続けることのほうが大切です。
3つの段階で記録する
「できた」「できなかった」の2つだけでなく、「少しできた」を加えて3段階で記録する方法もあります。表計算なら「1」の代わりに「0.5」を入れ、紙ならマスを半分だけ塗ります。完全にできなかった日を減らすだけで、表の見た目はずっと明るくなります。
体調を崩した日や旅行の日は「休み」の印を付ける
熱がある日や、旅行や出張で生活の流れが変わる日は、習慣ができなくて当然です。そうした日には、空欄にせず「休」のような別の印を付けておきます。空欄と区別しておくと、月末に見返したとき、本当に途切れた日だけを数えられます。表計算なら、休みの日は記録の対象から外すように、達成率の分母から休みの日数を引いておきます。
体調が悪いのに習慣を続けようと無理をすると、かえって回復が遅れます。休む日を決めておけるのも、記録の大事な使い方です。
記録を見返す:週と月のふり返りのやり方
習慣トラッカーは、付けるだけでなく、見返したときに役立ちます。印が並んだ表は、自分の生活の記録そのものです。週に1回と月に1回、決まった時間にふり返る時間を取ると、習慣の中身を少しずつ調整できます。
週に1回のふり返り(5分)
日曜の夜など、週の終わりに5分だけ時間を取り、次の3つを確かめます。
- 今週、いちばん続いた習慣はどれか
- いちばん途切れた習慣はどれか、途切れた日に何があったか
- 来週、1つだけ変えるなら何を変えるか
変えるのは1つだけにします。いくつも同時に変えると、どの変更が効いたのかが分からなくなるからです。たとえば「英単語20個」が週に2日しかできなかったなら、来週は「10個」に減らすか、やる時間を夜から朝の通学時間に移すか、どちらか1つを選びます。
月に1回のふり返り(15分)
月末には、習慣ごとのできた日数と達成率を見ます。表計算で作っていれば、前の節で紹介した関数で自動で出ています。紙なら、塗ったマスを数えて右端に書きます。
達成率で、次の月の扱いを決めると迷いません。
| その月の達成率 | 次の月の扱い |
|---|---|
| 9割以上 | 習慣として身についてきた。表から外すか、少し大きくする |
| 6割〜9割 | このまま続ける |
| 3割〜6割 | 大きさを半分にするか、やる時間を変える |
| 3割未満 | 一度表から外し、本当に必要かを考え直す |
9割以上続いた習慣は、記録しなくても自然にできるようになっていることが多いです。表から外すと、新しい習慣を入れる余地ができます。反対に、3割未満の習慣を無理に残すと、毎日空いた欄を見ることになり、記録全体が嫌になります。外すことは失敗ではなく、表の手入れです。
ふり返りの記録も残す
ふり返りで決めたことは、表の下や次の月のページの最初に一言書いておきます。「英単語は朝に移した」「ストレッチは外した」のような短いメモで十分です。数か月たつと、どんな工夫が自分に合っていたかが分かる記録になります。
目的別の習慣トラッカーの例
何を書けばよいか迷う人のために、目的ごとに習慣の組み合わせの例を並べます。そのまま使うのではなく、自分の生活に合わせて大きさや時刻を変えてください。
資格や受験の勉強を続けたいとき
| 習慣 | 判定の基準 |
|---|---|
| 朝、テキストを開く | 1ページでも読めば印 |
| 通学や通勤の電車で問題を解く | 5問解けば印 |
| 寝る前にその日の間違いを見直す | 間違えた問題を1回読み直せば印 |
勉強の習慣は、「何時間勉強したか」で記録すると、忙しい日に0になって途切れやすくなります。「テキストを開く」のように、始めるところだけを記録しておくと、開いたついでに続けて進めることが多く、結果として勉強の時間も伸びていきます。
朝の時間を整えたいとき
| 習慣 | 判定の基準 |
|---|---|
| 6時半までに起きる | 目覚ましを止めて布団から出た時刻 |
| カーテンを開ける | 起きてすぐに開ければ印 |
| 朝食をとる | 少しでも口にすれば印 |
朝の習慣は、前の晩に寝る時刻と組み合わせて記録すると、うまくいかない原因が見えます。起きる時刻が崩れる日は、前の晩に寝る時刻も遅れていることがほとんどです。
家事をため込まないようにしたいとき
| 習慣 | 判定の基準 |
|---|---|
| 洗い物をその日のうちに済ませる | 寝る前にシンクが空なら印 |
| 洗濯物をたたむ | 取り込んだその日にたためば印 |
| 玄関の靴をそろえる | 寝る前にそろっていれば印 |
家事の習慣は、家族の誰がやっても印を付けてよいことにすると、記録が家族の会話のきっかけになります。
お金の管理を続けたいとき
| 習慣 | 判定の基準 |
|---|---|
| 買ったものを家計簿に付ける | その日のうちに付ければ印 |
| 財布のレシートを出す | 帰宅したら出せば印 |
| 週に1回、口座の残高を見る | 曜日を決めて確かめれば印 |
お金の習慣は、金額の目標(いくら貯めるか)ではなく、記録の行動を習慣にするのが続けるこつです。記録が続けば、使いすぎている費目は自然に見えてきます。
習慣トラッカーでよくある失敗
最後に、習慣トラッカーを始めた人がよくつまずく点を5つ挙げます。
- 表を作ることに時間をかけすぎる。きれいな表を作ることが目的になり、記録は数日で止まる。最初は線を引いただけの表で十分です。
- 習慣を一度に10個以上書く。毎日の記録が負担になり、空いた欄ばかりが目立つ。
- 判定の基準を決めていない。「運動した」かどうかを毎晩迷い、甘い判定と厳しい判定が日によってばらつく。
- 記録する時刻を決めていない。寝る前に書こうとして忘れ、翌朝まとめて付けようとして思い出せない。歯みがきのあとなど、毎日することに続けて記録します。
- 印が付かない日に自分を責める。記録は自分を責めるためのものではなく、生活を整えるためのものです。
どれも、表の作り方ではなく、決め事の不足から起きる失敗です。何を、どの基準で、いつ記録するかを最初に決めておけば、多くは防げます。
紙、表計算、アプリの比べ方
ここまでに紹介した3つの方法を、選ぶときの観点で並べ直します。
| 観点 | 紙の手帳 | 表計算(Excel・スプレッドシート) | 習慣のアプリ |
|---|---|---|---|
| 始めやすさ | ノートとペンだけで始められる | 表を作る手間が少しかかる | 入れてすぐ使える |
| 思い出すきっかけ | 目に入る場所に開いておく | 自分で開く必要がある | 通知が来る |
| 集計 | 手で数える | 関数で自動 | 自動 |
| 外出先での記録 | 持ち歩けば可能 | スマートフォンのアプリで可能 | 可能 |
| 人との共有 | 写真を撮って送る | シートを共有できる | アプリによる |
| 費用 | 手帳の代金 | 多くは無料で使える | 無料と有料がある |
どれが正解ということはなく、自分が毎日必ず開くものを選ぶのがいちばんです。机に向かう時間が長い人は紙、パソコンで仕事をしている人は表計算、スマートフォンを手放さない人はアプリ、という選び方で大きく外れることはありません。
組み合わせる方法もあります。毎日の印付けは手軽なアプリで行い、月末に達成率だけを表計算に書き写して、何か月分も並べて見る、というやり方です。月ごとの達成率が並ぶと、季節や忙しさの波と習慣の続き方の関係が見えてきます。
子どもの習慣づくりに使うとき
習慣トラッカーは、子どもの歯みがき、宿題、明日の準備のような習慣づくりにも使えます。大人の使い方と違うのは、子どもが自分で印を付けられる形にすることです。
小さな子どもなら、文字の代わりに絵で習慣を描き、できた日にシールを貼る形が向いています。冷蔵庫や玄関のように、毎日必ず通る場所に貼っておくと、声をかけなくても目に入ります。小学生なら、自分で表に色を塗る形にすると、塗ること自体を楽しみにする子もいます。
気をつけたいのは、できなかった日を責める材料にしないことです。空いた欄を指さして叱ると、子どもは記録そのものを嫌がるようになります。印が並んだところを一緒に見て、「今週はここまで続いたね」と事実を伝えるほうが、記録が続きます。
ごほうびを付けるかどうかは家庭の考え方によりますが、付けるなら、印の数に応じた大きなごほうびより、月末に一緒に表を見返す時間そのものを楽しみにする形のほうが、ごほうびが無くなったあとも続きやすくなります。
家族や仲間、チームで記録を共有する方法
習慣トラッカーは、1人で付けるだけでなく、家族や仲間と共有することもできます。子どもの宿題や歯みがき、受験の勉強、職場の朝の点検のように、誰がどの習慣をどこまで続けているかを、ほかの人も見られると便利な場面があります。
2人くらいで共有するなら、表計算の道具のシートを共有して、それぞれの行に記録する方法で十分です。冷蔵庫にカレンダーを貼り、家族ごとに色を決めてシールを貼る、という紙の方法もよく使われます。
人数が増えたり、習慣ごとに担当と期限を決めて進み具合を見たくなったりすると、表だけでは管理が追いつかなくなります。誰がどの習慣を受け持っているのか、いつまでに何日続けるのか、どこで止まっているのかを、全員が同じ画面で見られる道具があると便利です。たとえばPinatecaは、カンバン、ガント、カレンダー、リストなど8種類のボードとチャットを使えるプロジェクト管理の道具で、公式の料金ページでは5人まで、ボード10個までのチームなら無料で、8種類のボードはすべて無料のプランから使えると案内されています。たとえば勉強会の仲間で、1人1枚のカードに「今月続ける習慣」と担当者、期限を書き、カレンダーのボードで日付ごとに並べれば、誰がいつ何に取り組んでいるかが共有できます。カードにはコメントを付けられるので、「今週は3日できた」といった報告をカードのそばに残せます。6人目、または11個目のボードからは1人あたり月額500円(税抜、年払いなら1人あたり月額400円)のスタンダードのプランになります。Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。
なお、Pinatecaは習慣の記録のために作られた専用の道具ではありません。連続日数や達成率を自動で計算する機能はないので、日々の印付けは紙や表計算、習慣のアプリで行い、共有したい目標と担当と期限をボードで見せる、という組み合わせが合います。
共有するときは、見せ合う範囲を最初に決めておきます。体重や体調のように、人に見せたくない記録まで共有する必要はありません。
在宅で働く人の習慣トラッカーの使い方
在宅で働く人や、学業と仕事を両立している学生にとって、習慣トラッカーは生活のリズムを保つための道具にもなります。通勤や出社がないと、起きる時刻と仕事を始める時刻が日によってずれやすく、気がつくと夜型になっていた、ということが起こりがちです。
在宅で働く人がよく記録している習慣を挙げます。
- 決まった時刻に仕事を始める
- 1時間ごとに立ち上がって体を動かす
- その日の作業の記録を残す(何に何時間使ったか)
- 終業の時刻を決めて、パソコンを閉じる
- 週に1回、請求と入金を確かめる
最後の2つは、生活のためだけでなく、仕事の信頼のためにも効きます。作業の記録が日々残っていれば、取引先に進み具合を聞かれたときにすぐ答えられますし、請求の根拠にもなります。
在宅で働く人向けに、習慣トラッカーと作業の記録を1枚にまとめる形の例を挙げます。
| 日付 | 9時に開始 | 1時間ごとに休憩 | 作業の記録を残す | 18時に終了 | 主な作業と時間 |
|---|---|---|---|---|---|
| 11月4日 | 済 | 済 | 済 | 済 | 記事の作成 3時間、修正の対応 1時間 |
| 11月5日 | 済 | 済 | 資料の作成 5時間 |
右端の列だけは文章で書きます。習慣の列は印だけで済ませ、作業の中身は短い言葉で残す、という分け方です。月末に右端の列を見返せば、どの仕事にどれだけ時間を使ったかがつかめます。時間を使ったわりに報酬が少ない仕事が見えてきたら、次の見積もりの参考にできます。
終業の時刻を記録する習慣は、在宅で働く人にとって特に大切です。家が職場を兼ねていると、夕食のあとにもう少しだけ、と仕事を続けてしまい、気づけば毎日長く働いていた、ということが起こります。終わった時刻に印を付けるだけでも、働きすぎている週に気づけます。
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、長く仕事が続く受け手ほど、仕事の腕前とは別に、日々の連絡と作業の記録を習慣にしています。返事が決まった時間に来る、進み具合を聞かなくても報告が届く、という人には、発注する側が安心して次の仕事を頼みます。中間の手数料が乗らない直接の取引では、こうした信頼の積み重ねが、そのまま次の依頼と手取りにつながります。
習慣の記録そのものを仕事にする道もあります。習慣化のアプリを作る仕事に興味があれば、アプリケーション開発のお仕事で、どんな案件があり、どんな技術が求められるかが分かります。手帳やアプリの見た目を考える側に回りたいなら、デザイナーの年収・単価相場で、デザインの仕事の報酬の幅を確かめておくと、目標を立てやすくなります。
習慣トラッカーは、続けたいことを3〜5個に絞り、行動の言葉で書き、途切れても2日続けて空けない、という3つの決まりだけで十分に役立ちます。紙でも表計算でもアプリでも、自分が毎日開く場所に作るのが、いちばん続くやり方です。
よくある質問
Q. 習慣トラッカーには何個くらい習慣を書けばよいですか?
最初は3〜5個から始めるのが続けやすい数です。10個以上並べると毎日の記録に時間がかかり、印が付かない欄も目立って気持ちが折れやすくなります。1つだけに絞ると、できなかった日に何も残らないので、少しだけ複数持つほうが安定します。続いている習慣が増えてきたら、新しいものを追加します。
Q. 紙とアプリ、どちらで記録するのがよいですか?
毎日必ず開く場所に作るのがいちばんです。机に向かう時間が長い人は紙の手帳、外出が多い人はスマートフォンのアプリや表計算の道具が向いています。紙は書く行為が思い出すきっかけになり、アプリは通知と自動の集計が便利です。迷ったら両方を1週間ずつ試し、続いたほうを選びます。
Q. 途切れてしまったらどうすればよいですか?
1日空いたことは気にせず、2日続けて空けないことだけを決めておきます。空いた翌日は、習慣の大きさを半分にしてでも印を付けます。空いた日には理由を一言書いておくと、月末に見返したとき、どんな日に途切れやすいかが分かり、習慣を行う時間を変えるなどの手が打てます。
Q. Excelで達成率を出すにはどうすればよいですか?
できた日に「1」を入れる形にしておくと、できた日数は「=SUM(B2:AF2)」、達成率は「=できた日数のセル/COUNT(日付の範囲)」で出せます。月の途中なら、TODAY関数を使って今日までの日数で割ると、その時点の達成率が分かります。表示形式をパーセントにすると見やすくなります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方