未経験から学童保育で働く|受け入れている募集と、慣れるまで

長谷川 奈津
長谷川 奈津
未経験から学童保育で働く|受け入れている募集と、慣れるまで

この記事のポイント

  • 学童保育は資格なし・未経験でも正社員で働けるのか
  • 受け入れている募集の種類
  • 放課後児童支援員の資格を取るまでの道筋

学童保育の求人を見ていると「資格なしOK」「未経験歓迎」「正社員登用あり」という言葉がずらりと並びます。子どもと関わる仕事に就きたいけれど保育士資格も教員免許もない。そんな人にとって、学童保育は数少ない入口に見えるはずです。

結論から言うと、学童保育は資格なしでも正社員として採用される職場です。ただし、資格がないまま入ると「任される範囲」と「給与の上がり方」に最初から差がつく仕組みになっています。この記事では、未経験者を受け入れている募集がどういう種類に分かれるのか、入ってから慣れるまでに何が起きるのか、そして求人票のどこを見れば入る前に実態が分かるのかを、順番に書いていきます。

学童保育が資格なしでも人を採る理由

学童保育の正式な名前は「放課後児童健全育成事業」で、施設は「放課後児童クラブ」と呼ばれます。共働きやひとり親の家庭で、放課後に保護者が家にいない小学生を預かる場所です。

この事業には国の基準があり、1つの「支援の単位」(子どもの集団のまとまり)ごとに、職員を2人以上置き、そのうち1人以上は「放課後児童支援員」でなければならない、と決められています。支援の単位の子どもの数はおおむね40人以下が目安です。

これ、知らない人が本当に多いんです。つまり、国の基準で「資格を持っていなければならない」のは各単位に1人だけで、残りの職員は「補助員」として資格がなくても配置できる、という作りになっています。未経験の人が入れるのは、この補助員の枠があるからです。

さらに、利用する子どもの数は増え続けています。こども家庭庁の調査では、放課後児童クラブの登録児童数は140万人を超え、利用を申し込んでも入れない待機児童も1万人を超える規模で残っています。クラブの数を増やしても、そこに立つ大人が足りない。資格を持つ人だけでは現場が回らないので、資格のない人を採って、働きながら資格を取ってもらうという流れが一般的になりました。

もう1つ押さえておきたいのは、2020年4月から、この「2人以上・うち1人は支援員」という基準が、全国一律で必ず守るべき基準から、市町村が地域の事情に合わせて参考にする基準へと変わったことです。つまり、自治体によって職員配置の考え方が少しずつ違います。求人を比べるときに「同じ学童なのに体制がずいぶん違う」と感じたら、この制度の変更が背景にあります。

厚生労働省の資料でも、この基準の考え方は公開されています(厚生労働省)。現在、学童保育の所管は2023年4月にこども家庭庁へ移っていますが、基準の骨格は変わっていません。

資格なしで入る人が知っておくべき最初のポイントは、「自分は補助員として配置される可能性が高い」ということです。補助員であっても正社員の雇用契約は結べますし、仕事の中身も支援員とほとんど変わらない現場が多くあります。ただ、制度上の位置づけは違うので、手当や任される責任に差が出ます。そこを理解したうえで入るかどうかで、入職後の納得感がまるで違ってきます。

未経験者を受け入れている募集は3つの型に分かれる

「学童保育 資格なし 正社員」で検索して出てくる求人は、運営しているのが誰かによって大きく3つに分かれます。同じ「学童の先生」でも、型が違えば1日の流れも給与の決まり方も変わります。

型1:自治体が設置し、民間に運営を任せている学童

いちばん数が多いのがこの型です。市区町村が小学校の敷地内や児童館に学童を設置し、その運営を社会福祉法人、NPO法人、株式会社などに委託しています。求人を出しているのは運営を受託した法人で、1つの法人が同じ区内の学童を10か所以上まとめて運営していることもあります。

未経験者にとっての特徴は、法人の中に研修の仕組みがあり、配属先の異動もあることです。最初は人数の多いクラブに補助として入り、慣れてきたら少人数のクラブで責任者に近い役割を任される、という流れがよく見られます。一方で、自治体との委託契約の更新によって運営法人が変わることがあり、その場合は職員ごと別の法人に移るか、法人の別のクラブへ異動するかを選ぶことになります。

型2:保護者会や地域の運営委員会が運営する学童

昔ながらの学童に多い型です。保護者が運営委員会をつくり、職員を直接雇っています。職員数は数人規模で、正社員の枠はそれほど多くありません。

未経験者にとっては、保護者との距離が近く、子ども1人ひとりの家庭の事情まで分かったうえで関われるのが魅力です。ただし、運営に関わる保護者が毎年入れ替わるため、就業規則や給与表の整備が追いついていないことがあります。雇用契約の中身は、入る前に書面で必ず確かめてください。

型3:民間企業が独自に運営する学童

英語学童、学習塾併設の学童、送迎付きの学童など、利用料を高めに設定して付加価値をつけている型です。自治体の補助を受けていないことも多く、開所時間が長く、夜まで預かるところもあります。

こうした学童の求人では、資格よりも英語力や指導経験が重視されます。実際の求人を見ると、次のような条件が並んでいます。

学童スタッフ・放課後児童支援員/学童指導員を募集します。学童クラブでの子どもの生活・学習習慣づけ支援および運営業務を担当していただきます。無資格・未経験・ブランクのある方も歓迎しており、放課後児童支援員の要件を満たす方や保育士、社会福祉士、教諭資格をお持ちの方は優遇いたします。勤務時間は13:00~19:00で、週1日から3時間勤務から相談可能です。休日は日曜・祝日・年末年始となります。社会保険完備、正社員登用制度あり、交通費支給、副業OKです。 出典: 求人ボックス

この求人で注目してほしいのは「無資格・未経験歓迎」と「正社員登用制度あり」が並んでいる点です。つまり、入口は時間給のスタッフで、正社員は一定期間働いてから登用される、という構造です。「資格なしで正社員」と書いてあるように見えても、実際には「資格なしで入れるのはパート、正社員は登用後」という求人はとても多いので、雇用形態の欄は必ず見てください。

資格なし正社員の給与相場と、上がり方の仕組み

求人サイトに出ている学童保育の正社員求人を見ていくと、資格なし・未経験の場合の月給はおおむね20万円から24万円程度に集中しています。都市部の株式会社運営や英語学童では25万円を超える募集もありますが、地方の保護者会運営では18万円前後の募集も珍しくありません。

年収にすると、賞与の有無で大きく変わります。賞与が年2か月分ほど出る法人なら年収280万円から330万円程度、賞与なしなら250万円前後になります。

ここで知っておいてほしいのが、国の「処遇改善」の仕組みです。放課後児童支援員の給与を上げるために、国と自治体が運営者に補助金を出す事業があり、その中には経験年数や研修の修了に応じて給与を上乗せする仕組みが含まれています。つまり、「放課後児童支援員の資格を持っているか」「経験が何年あるか」「一定の研修を修了しているか」によって、上乗せの段階が決まるのです。

これが、資格なしで入った人の給与が伸びにくい理由です。補助員のままでは上乗せの対象外になったり、段階が低く抑えられたりします。反対に言えば、働きながら資格の要件を満たし、研修を修了していくと、給与の上がり方が変わります。

ただし、この補助金を自治体が使っているか、運営法人が申請しているかは、地域と法人によって違います。「処遇改善手当あり」と求人票に書いてあるかどうかは、給与の伸びしろを判断する大事な材料です。書いていなければ、面接で「放課後児童支援員の処遇改善の補助金は申請していますか」と聞いて構いません。聞かれて困る質問ではありませんし、きちんと答えられる法人ほど、職員の待遇に向き合っています。

もう1つ、見落としやすいのが勤務時間と給与の関係です。学童は午後から夜にかけてが本番で、夏休みなどの長期休暇は朝から開所します。そのため、1年間を通して労働時間を調整する「1年単位の変形労働時間制」を使っている法人が多くあります。つまり、学期中は1日の勤務が短めで、夏休みは長くなる代わりに、年間の合計で調整するやり方です。これ自体は法律で認められた制度ですが、労使協定を結んで労働基準監督署に届け出ていることが条件です。月ごとの労働時間がどう組まれているか、入る前に説明を求めてください。

放課後児童支援員の資格を取るまでの道筋

資格なしで入った人がいちばん気にするのは「いつ、どうやって資格が取れるのか」だと思います。

放課後児童支援員は、国家試験のある資格ではありません。都道府県などが実施する「放課後児童支援員認定資格研修」を修了すると認定されます。研修は16科目、合計24時間で、試験で落とされる性質のものではありません。

問題は、この研修を受けるための要件です。保育士、社会福祉士、教員免許を持っている人などは、それだけで受講できます。資格を何も持っていない人の場合、主な道は「高校を卒業していて、2年以上、放課後児童健全育成事業に類似する事業に従事し、市町村長が適当と認めた人」という要件です。

これ、知らない人が本当に多いんです。つまり、学童で働き始めた日から数えて2年たたないと、研修を申し込むことすらできません。しかも、自治体の運用では「2年以上」に加えて、勤務時間の合計が2,000時間以上であることを目安にしているところが多くあります。週3日、1日4時間のパートだと年に600時間ほどなので、2年では足りません。正社員で入る意味の1つは、この時間を早く満たせることにあります。

研修には定員があり、都道府県によっては申し込んでも翌年度に回されることがあります。要件を満たす時期が近づいたら、運営法人から推薦してもらう形で申し込むのが一般的です。求人票に「資格取得支援あり」と書いてある法人は、この申し込みの段取りや、研修日の勤務扱い(研修中を勤務時間として扱うか、休みを使うのか)まで面倒を見てくれることが多いです。

2年を待たずにできることもあります。1つは「子育て支援員研修」の放課後児童コースです。これを受けたからといって放課後児童支援員になれるわけではありませんが、補助員として基礎を学んだ証になり、法人によっては手当の対象になります。

もう1つは、保育士試験を受ける道です。保育士資格があれば、2年を待たずにすぐ認定資格研修を受けられます。学童の午前中は比較的時間に余裕があるので、勤務の合間に勉強して保育士試験を目指す人も少なくありません。試験は筆記9科目と実技で、科目ごとの合格は3年間持ち越せます。2年待つのと保育士試験に挑むのと、どちらが自分に合うかは、学童で長く働くつもりか、将来は保育園など別の場所も考えているかで決めるとよいでしょう。

※研修の受講要件の細かい運用は自治体ごとに違います。自分の勤務先の自治体の担当窓口に確かめてから計画を立ててください。

入職から慣れるまで、時期ごとに起きること

未経験で学童に入った人が口をそろえて言うのは、「最初の1か月は何をしていいか分からなかった」ということです。私自身、大学生のころに地域の学童で補助のアルバイトをしていましたが、初日は子どもの名前が1人も分からず、「先生、だれ?」と20回くらい聞かれて、それに答えるだけで終わりました。慣れるまでの時期を、ざっくり4つに分けて書きます。

入職から1か月:名前と「帰り方」を覚える時期

最初に覚えるべきは、子どもの名前と、1人ひとりの帰り方です。学童では、保護者が迎えに来る子、決まった時刻に1人で帰る子、習い事に向かう子が混ざっています。「今日は17時にお母さんが迎えに来る」「火曜日だけ16時にスイミングへ行く」といった情報を取り違えると、子どもの安全に直結します。

このため、多くの学童では出欠と帰宅時刻を記録する表があり、職員同士で読み合わせをしてから子どもを迎えます。未経験者は最初、この表を見ながら子どもの帰りを見送る係を任されることが多いです。地味に見えますが、いちばん責任の重い仕事の1つです。

1か月から3か月:子ども同士のけんかに入る時期

名前が分かってくると、次は子ども同士のトラブルに関わるようになります。1年生から6年生までが同じ部屋にいるので、遊びのルールをめぐるけんか、上級生が下級生をからかう場面、仲間外れなどが毎日のように起きます。

ここで未経験者がつまずきやすいのは、「すぐに止めて、すぐに謝らせる」ことです。学童の職員に求められるのは、双方の話を聞いて、子ども自身が次にどうするかを考えられるようにする関わり方です。先輩職員がどう声をかけているかを、この時期によく見ておいてください。

3か月から半年:夏休みを越える時期

4月に入った人にとって、最初の大きな山は夏休みです。学期中は午後から来る子どもたちが、夏休みは朝8時前後から夕方まで学童で過ごします。昼食、午前中の宿題、プールや外遊び、長い1日を過ごすための行事づくり。職員の勤務も早番と遅番に分かれ、1日の流れがまるで変わります。

夏休みを1回越えると、「この仕事を続けられるかどうか」が自分で分かるようになります。暑さの中で子どもの体調を見続けること、長時間の集団生活でのトラブルに対応することは体力的にもきついので、ここで辞める人もいます。

半年から1年:保護者対応と記録を任される時期

1年がたつころには、保護者との連絡や、子どもの様子を記録する仕事を任されるようになります。けがをしたときの報告、学校との連絡、家庭の事情への配慮など、子どもと遊ぶ以外の仕事が一気に増えます。正社員として採用された人は、ここから行事の計画やシフトづくりにも関わっていきます。

求人票のどこを見れば、入る前に実態が分かるか

学童保育の求人票は、どれも似たような言葉で書かれています。その中から実態を読み取るには、見るべき箇所を決めておくことです。

支援の単位の子どもの数と、職員の数

「定員40名」「児童数約70名」といった記載があれば、職員が何人いるかと合わせて見てください。70人を常時3人で見ている学童と、2つの単位に分けて5人で見ている学童では、1人にかかる負担がまるで違います。書いていなければ面接で聞いてください。

午前中の勤務内容

正社員の勤務が10時や11時から始まる場合、子どもが来る前の時間に何をしているかが、その学童の仕事の質を表しています。おやつの準備、記録、翌日の計画、職員会議、研修。こうした時間がきちんと確保されている学童は、子どもが来てからの動きにも余裕があります。反対に、午前中の業務内容が一切書かれていない求人は、何も準備時間がないか、別の業務(事務所の雑務など)を兼ねている可能性があります。

長期休暇の勤務時間

夏休みや冬休みの勤務時間が書かれているかを見てください。「長期休暇は8:00〜19:00の間でシフト制」と書かれていれば、早番の日と遅番の日があることが分かります。書かれていない場合、入職後に初めて朝7時半出勤を知ることになります。

雇用形態の「登用」という言葉

「正社員」と「正社員登用あり」は別物です。登用ありの求人は、入口が契約社員やパートであることがほとんどです。登用の条件(勤続年数、資格取得、面談など)と、過去に何人が登用されたかを聞いておくと、見通しが立ちます。

労働条件通知書を必ず書面でもらう

ここは私の専門分野なので、少し丁寧に書きます。労働基準法第15条により、使用者は労働契約を結ぶときに、賃金、労働時間、就業場所、業務の内容などを書面で明示する義務があります。さらに2024年4月からは、就業場所と業務の「変更の範囲」も明示しなければならなくなりました。

つまり、学童の運営法人が複数のクラブを運営している場合、「将来どのクラブに異動する可能性があるか」「学童以外の業務(児童館や本部の事務など)に移る可能性があるか」まで、最初に書面で示す必要があるということです。

実際の相談として、ある学童の職員の方が書いた悩みを紹介します。

この4月から学童の指導員になりました。 せっかく採用されたのですが辞めようかどうか迷っています。 面接ではこれまでの経験、1日6時間か4時間の働き方を選ばされただけで、詳しい業務の内容は説明されませんでした。 250人の1年生~6年生までを6時間4人、4時間6人で指導します。 出典: detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

この方は、6時間勤務のつもりで入ったのに、4時間の補助の扱いになったことを入職後に知ったと書いています。こういうケース、実は本当に多い。口頭の説明だけで入職し、書面をもらっていないために、「言った、言わない」になってしまうのです。労働条件通知書を受け取り、勤務時間と雇用形態を自分の目で確認してから働き始めてください。

※書面の内容と実際の働き方が大きく違う場合は、労働基準監督署の総合労働相談コーナーや、弁護士への相談を検討してください。

同じ学童でも、職場によって任される範囲が違う

未経験で入った人が、2つ目の職場に移ってから驚くことがあります。「前の学童では補助だったのに、ここでは初日から1人で外遊びを見ている」「前はおやつの準備だけだったのに、ここでは保護者会の資料まで作る」。学童保育は、運営主体と規模によって、同じ肩書きでも任される範囲が大きく変わる職場です。

大規模な委託運営の学童

児童数が100人を超えるような学童では、職員の役割分担がはっきりしています。室内担当、外遊び担当、帰宅見送り担当、おやつ担当と、その日の配置が決まっていて、未経験者は決められた配置の中で動けばよい形になっています。仕事の範囲は狭いぶん、覚えることは少なく、入りやすい職場です。その代わり、子ども1人ひとりと深く関わる時間はとりにくくなります。

小規模な保護者会運営の学童

職員が3人から4人ほどの学童では、全員が何でもやります。子どもの対応に加え、保護者会への報告、会計の補助、行事の企画、自治体への書類の準備まで、未経験者でも1年目から関わることになります。覚えることは多いものの、学童保育の仕事の全体像がつかめるので、将来は責任者を目指したい人には向いています。

民間の付加価値型の学童

英語学童や学習塾併設の学童では、「学童の先生」というより「講師」に近い役割を任されます。英語でのレッスン、学習指導、送迎などが仕事に含まれ、子どもの放課後の生活を支えるというより、サービスとして提供するプログラムを運営する側面が強くなります。求人の条件も独特で、次のような募集が見られます。

【仕事内容】<資格なしOK>土日祝休 残業ほぼナシ 英語学童保育での英語講師の求人@東京英語学童保育での英語講師を募集します。 【経験・資格】高卒以上の方・日常英会話が可能な方 【給与】月給200,000円〜 出典: 求人ボックス

このように、資格の代わりに英会話力が条件になっています。英語が得意な人にとっては、保育の資格がなくても正社員で入りやすい入口です。ただ、自治体の補助事業ではないことが多いため、放課後児童支援員の処遇改善の対象にはならず、資格を取っても給与に反映されにくい点は理解しておいてください。

どの型が良い悪いではなく、自分が学童で何を身につけたいかで選ぶことです。資格を取って長く学童で働きたいなら自治体の補助を受けている型、子どもに教える仕事がしたいなら付加価値型、学童の運営全体を知りたいなら小規模の型が、それぞれ合っています。

資格なしで学童に入る人が準備しておくとよいこと

学童保育の採用面接では、資格の有無よりも「子どもとどう関わってきたか」「集団の中で安全をどう考えるか」が聞かれます。資格がない分、ここで話せる材料を準備しておくと採用の見込みが上がります。

子どもと関わった経験を言葉にする

子育ての経験、地域の子ども会やスポーツ少年団の手伝い、学生時代のボランティア、塾講師のアルバイト。どんなに小さな経験でも、「そのとき何に困り、どう工夫したか」を1つ話せるようにしておくと、面接官は現場での姿を想像しやすくなります。

救命講習を受けておく

学童では、子どものけがや急な体調不良、食物アレルギーによる症状への対応が求められます。消防署などが実施している普通救命講習は、半日ほどで受けられ、費用もかからないか低額です。入職前に受けておけば、面接で安全への意識を示す材料になりますし、入ってからも実際に役立ちます。

文章で伝える力を磨く

意外に思われるかもしれませんが、学童の仕事では文章を書く機会がとても多くあります。子どもの様子の記録、保護者へのおたより、けがの報告書、行事の案内。正社員になると、自治体へ提出する計画書や報告書も担当します。読み手に誤解なく伝わる文章を書ける人は、現場で重宝されます。

書いた文章を客観的に見てもらいたいなら、応募書類を第三者に読んでもらうのも1つの方法です。職業選択や転職の相談を受ける専門職としてキャリアコンサルタントという国家資格があり、異業種から移る人が自分の経験をどう言葉にするかを整理する手助けをしています。

体力と生活リズムを整える

学童の勤務は午後から夜が中心です。朝型の生活をしていた人は、昼過ぎから夜まで集中力を保つリズムに体を慣らしておく必要があります。外遊びで一緒に走る場面も多いので、無理のない範囲で体を動かす習慣をつけておくと、最初の夏休みを乗り越えやすくなります。

見学を申し込んで、子どもが来ている時間を見る

可能であれば、応募の前か面接の後に、子どもが来ている時間帯の見学を申し込んでください。午前中の静かな部屋を見ても、学童の実態は分かりません。15時から17時ごろの、いちばん人数が多い時間に、職員がどこに立ち、どんな声をかけ、子どもがどう過ごしているかを見ると、自分がそこで働く姿を具体的に想像できます。見学を快く受け入れてくれる学童は、職員の受け入れにも前向きなことが多いです。

運営者の視点から見た、長く続く人の共通点

子どもと関わる仕事、在宅でできる仕事、その両方を行き来する人たちを長く見てきた立場から言えば、学童保育で長く続く人には共通点があります。それは「子どもが好き」という気持ちの強さよりも、「職員同士で情報を共有することを面倒がらない」という点です。

学童の事故やトラブルの多くは、「あの子が今日は早く帰ることを、別の職員が知らなかった」「アレルギーの情報が新しい職員に伝わっていなかった」といった、情報の行き違いから起きます。記録を丁寧に書き、分からないことはすぐに聞き、自分が知ったことはすぐに伝える。この地味な積み重ねができる人ほど、未経験から入っても半年ほどで現場の中心になっていきます。

反対に、続かない人に多いのは、1人で抱え込んでしまうパターンです。保護者から強い口調で苦情を言われた、子どもにけがをさせてしまった、先輩職員と子どもへの関わり方の考えが合わない。こうした出来事を誰にも相談できないまま、ある日突然辞めてしまいます。学童は職員の人数が少ない職場なので、1人が抜けると残った職員の負担が一気に増え、それがまた次の退職を呼ぶという悪循環も起きがちです。入る前の見学や面接で、職員同士がどのくらい話し合う時間を持っているか、困ったときに誰に相談する決まりになっているかを聞いておくと、自分が1人で抱え込まずに済む職場かどうかが見えてきます。

もう1つ、運営者として見てきた限りでは、学童の仕事を経験した人が、その後に子ども向け教材の文章づくりや、子育て世帯向けの記事の執筆など、在宅でできる仕事に幅を広げていく例も少なくありません。学童で毎日書いてきた記録やおたよりの経験が、そのまま「読み手に伝わる文章を書ける」という強みになるからです。学童保育の仕事は、それ自体が目的になるだけでなく、子どもと家庭をよく知る人としての土台にもなります。

これ、知らない人が本当に多いんです。資格がないことは、学童保育の入口では決定的な壁ではありません。大事なのは、どの型の学童に、どの雇用形態で入り、何年で資格の要件を満たすかという道筋を、入る前に自分で描いておくことです。労働条件を書面で確かめ、分からないことは遠慮なく聞いてください。法律は、働く人の味方です。

よくある質問

Q. 学童保育は資格なし・未経験でも正社員として採用されますか?

採用されます。国の基準では、支援の単位ごとに放課後児童支援員を1人以上置けばよく、残りの職員は資格のない補助員として配置できるためです。ただし「正社員登用あり」と書かれた求人は入口がパートや契約社員のことが多いので、雇用形態の欄と登用の条件を必ず確かめてください。

Q. 資格なしで入った場合、放課後児童支援員の資格はいつ取れますか?

高校卒業者の場合、学童などで2年以上働き、市町村長が認めると認定資格研修を受けられます。自治体によっては勤務時間の合計が2,000時間以上であることも目安にしています。研修は16科目24時間で、修了すると放課後児童支援員として認定されます。

Q. 資格なし正社員の給与はどのくらいですか?

求人の相場では月給20万円から24万円程度が中心で、地域や運営主体によって18万円前後から25万円超まで幅があります。放課後児童支援員の処遇改善の補助金を使っている法人では、資格取得や経験年数に応じて給与が上がる仕組みがあるため、求人票の手当欄を確認するとよいでしょう。

Q. 未経験で学童に入ると、慣れるまでどのくらいかかりますか?

子どもの名前と帰り方を覚えるのに1か月、子ども同士のトラブルに落ち着いて入れるようになるのに3か月ほどが目安です。4月に入職した場合は夏休みを1回越えると1日の流れがひととおり分かり、1年ほどで保護者対応や記録も任されるようになります。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年4月17日最終更新:2026年9月15日
長谷川 奈津

この記事を書いた人

長谷川 奈津@SOHO編集部

行政書士・元企業法務

企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。

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