福島市のマイナンバーカード交付予約 メールアドレス漏えいの可能性|TKC・アララ経由 確かめること 2026


この記事のポイント
- ✓福島市の情報漏洩の可能性について
- ✓2026年11月4日更新の市のお知らせをもとに整理
- ✓マイナンバーカード交付予約・管理システムを運営するTKCが委託するアララのメール配信サービスへの不正アクセスで
福島市の情報漏洩の可能性について、福島市は2026年11月4日に更新したお知らせで、市のマイナンバーカード交付予約・管理システムを運営する株式会社TKCがメール配信業務を委託しているアララ株式会社の「アララメッセージ」が第三者による不正アクセスを受け、予約者のメールアドレスが漏えいした可能性があることを令和8年11月2日に確認したと明らかにしました。 漏えいした可能性がある情報は予約者のメールアドレスで、漏えいの有無と影響の範囲は調査中です。件数はお知らせに書かれていません。 カードの申請や受取を予約した人がまずすることは、予約の日時と場所を自分で控えておくことと、カードや市を名乗る心当たりのないメールのURLを開かず、パスワードやクレジットカード情報を入力しないことです。
この記事は、2026年11月5日時点で福島市のお知らせ「【重要】マイナンバーカード交付予約・管理システムにおけるメールアドレスの漏えいの可能性と一部サービスの停止について」(更新日 2026年11月04日)を開き直し、その記載だけをもとに書いています。報道の数字や推測は入れていません。
福島市の発表で何が起きたのか
市のお知らせの骨子を、最初に整理します。
- 福島市のマイナンバーカード交付予約・管理システムは、株式会社TKCが運営している
- TKCは、メール配信業務をアララ株式会社に委託していた
- そのメール配信サービス「アララメッセージ」が第三者による不正アクセスを受けた
- 予約者のメールアドレスが漏えいした可能性があることを、市は令和8年11月2日に確認した
- TKCとアララが連携し、市のシステムに登録された予約者のメールアドレスの漏えいの有無と影響の範囲を調査中
- 交付予約・管理システム自体は行政専用の閉域ネットワーク上で運用されていて、現時点で不正アクセスは確認されていない
- そのため、予約の受付は続けている
- ただし、予約完了メールは、システム停止のため自動で送られない状態になっている
ここで押さえておきたいのは、市が「漏えいした可能性がある」と書いている点です。漏えいしたと言い切ってはいません。漏えいの有無そのものも、まだ調査の対象です。
日付の流れを表にします。
| 日付 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 2026年10月28日から30日 | アララのサービスから、クレジットカード会社を装った不審なメールが送られた | アララ第2報、福島市 |
| 2026年10月31日 | アララがメール配信サービスの提供をすべて停止 | アララ第2報 |
| 2026年11月2日 | 福島市が、予約者のメールアドレスが漏えいした可能性を確認 | 福島市 |
| 2026年11月4日 | 福島市がお知らせを更新、TKCが第3報を公表 | 福島市、TKC |
福島市の件の件数は、2026年11月5日時点でこの表のどの発表にも示されていません。
マイナンバーカードの交付予約とは、カードを申請したり受け取ったりするときに、市の窓口へ行く日時をインターネットなどで予約する手続きのことです。予約のときにメールアドレスを登録すると、ふだんは予約が完了したことを知らせるメールが自動で届きます。今回漏えいした可能性があるのは、このときに登録したメールアドレスです。
委託の関係を整理する
今回の件には、福島市、TKC、アララの3者が関わっています。誰が何を受け持っていたかを表にすると、次のとおりです。
| 立場 | 名前 | 受け持っていたこと |
|---|---|---|
| システムを使う自治体 | 福島市 | マイナンバーカードの交付予約の受付 |
| システムの運営 | 株式会社TKC | マイナンバーカード交付予約・管理システムを運営。メール配信業務をアララに委託 |
| メール配信の委託先 | アララ株式会社 | 「アララメッセージ」で予約完了メールなどを配信 |
不正アクセスを受けたのは、表のいちばん下のアララメッセージです。福島市のシステムそのものではありません。
自治体の仕事では、システムの運営を事業者に任せ、その事業者がさらにメールの送信など一部の作業を別の事業者に任せる形がよくあります。今回のように、いちばん外側の事業者で何かが起きると、その影響が自治体の利用者にまで及ぶことがあります。市が「TKC及びアララが連携し」て調べていると書いているのは、市の予約者の情報がどこまで影響を受けたかを、委託の先をたどって確かめる必要があるためです。
閉域ネットワークとは、インターネットから切り離された、限られた機関だけがつながる専用の通信網のことです。市は、交付予約・管理システム自体はこの閉域ネットワーク上で運用されていて、現時点で不正アクセスは確認されていないと書いています。一方で、予約完了メールを送る部分は外部のメール配信サービスを使っていたため、そちらで起きた不正アクセスの影響を受けた、という構図です。
TKCの第3報で分かっていること
TKCは2026年11月4日に、メール配信の委託先への不正アクセスについてのニュースリリース(第3報)を出しています。そこには、次のことが書かれています。
- アララから、TKCのシステムを利用する客のメールアドレスが最大223万812件外部に漏えいしたとの報告を受けている
- その後のアララの調査で、漏えいしたのはメールアドレスのみで、メール本文、マイナンバー、市町村への申請情報等のその他の情報は漏えいしていないことが確認された
- どの客のメールアドレスが漏えいしたのかは、調査を続けている
- アララのメール配信サービスが止まっているため、TKCの各サービスもメールを送れない状態で、別のメール基盤から送れるように対処中
ここで大事なのは、最大223万812件はTKCのシステム全体の数字だということです。TKCのシステムは全国の多くの自治体で使われていて、この数字のうち福島市の予約者がどれだけかは書かれていません。この記事では、福島市の件数として扱いません。
また、マイナンバーや申請情報が漏えいしていないという記載も、TKCの発表としての内容です。福島市のお知らせは、漏えいした可能性のある情報として「予約者のメールアドレス」だけを挙げていて、マイナンバーについての記載はありません。市の続報でも、この点が示されるかを確かめてください。
TKCが別のメール基盤から送れるように対処中としている点も、予約者にとっては関わりのある話です。メールの送り方が変われば、予約完了メールが届くようになる一方で、送信元の表示や文面が以前と変わる可能性があります。どう変わるかはTKCの発表にも市のお知らせにも書かれていないので、この記事でも推測はしません。再開されたときに届いたメールが本物かどうか迷ったら、メールのリンクは押さずに、市のお知らせや市の窓口で再開の事実を確かめてから開くようにしてください。
漏えいした可能性のある情報と、記載がないもの
市のお知らせに書かれていることを整理します。
| 区分 | 市のお知らせの記載 |
|---|---|
| 漏えいした可能性のある情報 | 予約者のメールアドレス |
| 件数 | 記載なし |
| 漏えいの有無と影響の範囲 | TKCとアララが連携して調査中 |
| 交付予約・管理システム自体への不正アクセス | 現時点で確認されていない |
| 参考(TKC第3報、TKC全体) | 漏えいしたのはメールアドレスのみ。メール本文、マイナンバー、市町村への申請情報等は漏えいしていない |
市のお知らせが挙げている項目は、メールアドレスだけです。氏名や住所、電話番号、予約の日時が含まれるとは書いていません。書かれていないことを、含まれるとも含まれないとも決めつけないでください。
メールアドレスだけと聞くと、たいしたことはないと感じるかもしれません。しかし、メールアドレスは偽のメールを送る相手を決める情報です。しかも今回は「マイナンバーカードの申請や受取を予約した人のアドレス」という性格を持っています。カードの手続きや市の通知をまねた偽のメールは、受け取った人にとって身に覚えがあるように見えやすくなります。市のお知らせも、漏えいした可能性のある情報が、なりすましメールやフィッシングメールなどに悪用されるおそれがあると注意を呼びかけています。
交付予約は今どうなっているか
市のお知らせによると、マイナンバーカードの交付予約の受付は続いています。予約そのものが止まっているわけではありません。
変わったのは、予約完了メールです。申請や受取の予約のときにメールアドレスを登録した人には、ふだんは予約完了メールが自動で送られます。今はシステム停止により、自動で送られない状態です。
| 項目 | 2026年11月5日時点の市のお知らせの記載 |
|---|---|
| 交付予約の受付 | 続けている |
| 予約完了メール | システム停止により自動送信されない |
| 予約者にお願いしていること | 予約日時や手続き場所などを、自分でメモやスクリーンショットで控える |
これから予約をする人は、ふだんどおり予約して構いません。ただし、予約完了メールは届かないので、予約を終えた画面で、予約の日時と手続きの場所を必ず控えてください。スクリーンショットとは、スマートフォンやパソコンの画面をそのまま画像として保存する機能のことです。予約を終えた画面をスクリーンショットで保存しておけば、あとから日時や場所を見返せます。
すでに予約をしている人も、予約完了メールを手元に残しているなら、それを見返して日時と場所を書き出しておくと安心です。予約完了メールを削除してしまっていて日時が分からないときは、後の節で整理する市の窓口に問い合わせてください。
今は、本物の予約完了メールは届かない状態です。それなのに「予約が完了しました」「予約の確認が必要です」というメールが届いたら、偽のメールである可能性が高いと考えてよい状況です。予約をした直後に届いたメールであっても、本文にパスワードやカード情報、暗証番号の入力を求めるリンクがあれば、開かないでください。
予約完了メールが自動で送られるようになったかどうかは、市のお知らせで確かめてください。TKCは、別のメール基盤から送れるように対処中としています。再開すれば本物のメールも届くようになるので、再開の知らせは自分で開いた市のサイトで確かめるのが確実です。
予約完了メールが届かない間の控え方
予約完了メールが届かない間は、予約の内容を自分で控えるしかありません。市が求めている「メモやスクリーンショット」を、具体的な形にすると次のとおりです。
- 予約を終えた画面で、予約の日時、手続きの場所、受付番号などの表示をすべて確かめる
- その画面をスクリーンショットで保存する
- 念のため、日時と場所を紙の手帳やスマートフォンのカレンダーにも書き写す
- 家族の分を予約した場合は、誰の分の予約かも書き添える
- 当日持っていくものを、市の案内で確かめて書き出す
スクリーンショットは、写真のアプリなどにほかの画像と一緒に保存されるので、あとから見つけにくくなることがあります。予約の日が近くなったら、すぐ取り出せるように、お気に入りに登録するなど目印を付けておくと安心です。
家族の分をまとめて予約した人は、それぞれの予約の日時と場所を取り違えないよう、1件ずつ控えてください。マイナンバーカードの受け取りでは、本人の確認のために持っていくものがあります。何を持っていくかは、今回の件とは関係なく市の案内で決まっているので、案内を見直しておくと当日に慌てずに済みます。
予約の日時を変えたいときや、取り消したいときの手順は、市のお知らせには書かれていません。手続きの途中で分からないことがあれば、市の窓口で確かめてください。
原因はアララメッセージへの不正アクセス
福島市のお知らせに書かれている原因は、TKCがメール配信業務を委託しているアララのメール配信サービス「アララメッセージ」が、第三者による不正アクセスを受けたことまでです。侵入の手口は書かれていません。
アララ株式会社は2026年11月2日に、アララメッセージへの不正アクセスについての第2報(PDF)を出しています。背景として、その要点を整理します。ここに出てくる数字はアララのサービス全体のもので、福島市の予約者の件数ではありません。混ぜて読まないでください。
- 2026年10月28日から31日にかけて、第三者がサービスのサーバーを経由して多数のサーバーに侵入し、契約企業の環境のサーバー97台(最大約380社、精査中)から、メールアドレスと会員情報が外部に持ち出された(持ち出された恐れのあるものを含む)
- 持ち出されたメールアドレスは、現時点の調査で約77百万件(精査中)。個人が複数のアドレスを持っている可能性があり、最終的な利用者の数を示すものではない
- 2026年10月28日から30日にかけて、サービスの一部が不正に使われ、最大約713万通の不審なメールが送られた
- 2026年10月31日にサービスの提供をすべて停止。再開の時期は未定
福島市の予約者の情報が、このうちどの区分に当たるのかは、福島市の発表でもアララの発表でもまだ示されていません。
同じメール配信サービスが元になった件は、ほかの自治体や企業からも数多く公表されています。全体の流れはアララメッセージへの不正アクセスの記事で整理しています。同じくマイナンバーカードの交付予約で起きた例として、大津市の件を大津市の記事で扱っています。ただし、自治体ごとに発表の内容は違います。福島市の件は福島市の発表で確かめてください。
自分が対象かを確かめる方法
市のお知らせによると、対象は、マイナンバーカード交付予約・管理システムに登録された予約者のメールアドレスです。2026年11月5日時点で、市から対象者に個別に知らせるかどうか、知らせるならどの方法かは、お知らせに書かれていません。
次のどれかに当てはまる人は、関係がある前提で備えておくのが安全です。
- 福島市でマイナンバーカードの申請や受取を予約し、そのときメールアドレスを登録した
- 予約完了メールなど、交付予約のシステムからのメールを受け取ったことがある
- 家族の分の予約を、自分のメールアドレスで行った
いつ予約した人が対象になるのか(以前の予約がすべて含まれるのか)も、市のお知らせからは分かりません。TKCは、どの客のメールアドレスが漏えいしたのかを調査中としています。範囲が分かれば続報で示されるはずなので、市のお知らせのページを開き直して確かめてください。
対象かどうかの確認を装った偽のメールにも注意が必要です。「対象者かどうかはこちらで確認」「メールアドレスの再登録をお願いします」といった連絡が届いても、本文のリンクからは進まないでください。確かめたいときは、自分で検索して開いた福島市のサイトか、市の窓口に問い合わせるのが確実です。
メールアドレスが過去にどこかの漏えいに含まれていないかを調べる方法は、Have I Been Pwnedの使い方の記事で解説しています。ただし、今回の件の対象かどうかを判定する手段ではないので、参考の1つとして使ってください。
メールアドレスが漏れた場合に起こりやすいこと
市が挙げている項目はメールアドレスだけです。メールアドレスだけなら、直接お金を引き出されたり、マイナンバーカードを使われたりすることにはつながりません。それでも、メールアドレスが外に出ることで起こりやすいことがあります。
1つ目は、偽のメールが届くことです。漏れたメールアドレスの一覧は、偽のメールを送る相手の名簿として使われることがあります。今回は「マイナンバーカードの予約をした人」という性格があるため、カードや市の手続きをまねた文面が使われるおそれがあります。
2つ目は、迷惑メールが増えることです。宣伝や架空の請求のメールが増えることがあります。心当たりのない請求には応じず、返信もしないでください。返信すると、そのアドレスが実際に使われていると相手に知らせることになります。
3つ目は、ほかのサービスへのログインを試されることです。メールアドレスをIDとしてログインするサービスは多く、漏れたアドレスと、よく使われるパスワードを組み合わせてログインを試す手口があります。同じパスワードを複数のサービスで使い回しているなら、この機会にお金を扱うサービスから順に別のパスワードに変え、二段階認証が使えるサービスでは設定しておくと安心です。二段階認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンに届く確認の番号などでもう一度本人を確かめる仕組みのことです。
メールアドレスそのものを変える必要があるかどうかは、人によって違います。迷惑メールが目に見えて増え、受信箱の管理に困るようになったら、行政の手続き用に別のアドレスを用意することも1つの方法です。
不審なメールへの備え
市のお知らせは、不審なメールについて次のように注意を呼びかけています。
身に覚えのないメールに記載されたURLへのアクセスや添付ファイルの開封、パスワード、クレジットカード情報等の入力は行わないようお願いします。 出典: 福島市「【重要】マイナンバーカード交付予約・管理システムにおけるメールアドレスの漏えいの可能性と一部サービスの停止について」
フィッシングとは、本物の会社や役所を装ったメールやSMSで偽の画面に誘い、パスワードやカード番号を入力させて盗む手口のことです。市のお知らせは、アララによると令和8年10月28日から30日にかけて、クレジットカード会社を装った不審なメールが送信されていることが確認されていると書いています。送信元が「[email protected]」と表示されるメールを受信した場合は、本文中のURLにアクセスせず、速やかに削除するよう求めています。アララの第2報によると、その件名は「利用内容確認のご依頼」「ご利用明細確認のご依頼」などです。
見分けるときに意識したい点は次のとおりです。
- 送信元の表示名は簡単に偽れる。「福島市」と表示されていても、それだけで本物と判断しない
- 今は本物の予約完了メールは自動で届かない。予約完了の体裁のメールは、まず疑ってよい
- マイナンバーカードの暗証番号、クレジットカード番号、パスワードの入力を求める連絡には応じない
- 「至急」「本日中に」「予約が取り消されます」など、急がせる言葉があるときほど一度手を止める
- お知らせが本物かどうかは、自分で検索して開いた福島市のサイトで確かめる
- SMSの短いURLは行き先が分かりにくい。押さずに削除してよい
偽のメールの典型的な文面と見分け方はフィッシング詐欺メールの見分け方の記事に、偽のSMSの手口はスミッシングの記事に整理しています。今回の件では、偽の連絡がマイナンバーカードの予約や受け取りの体裁をとる可能性があるので、その種類の連絡には特に気をつけてください。
偽の連絡はメールだけとは限りません。市の職員やカードの手続きの担当を名乗る電話で、暗証番号や口座の情報を聞かれても、その場で答えずに一度切り、市のサイトに載っている番号にかけ直して確かめてください。マイナンバーカードの暗証番号は、カードの電子証明書などを使うときに必要になる大事な番号で、電話やメールで伝える場面はありません。
カードの手続きをまねた偽の連絡の例
偽の連絡は、受け取る人が身構えにくい内容をまねてきます。マイナンバーカードの予約をした人に届きうる文面の型を、見分け方と一緒に整理します。ここで挙げるのは起こりうる手口の例で、実際にそうした連絡が届いていると市が発表しているわけではありません。
| 偽の連絡の型 | 見分けるときの手がかり |
|---|---|
| 「予約が完了しました。内容の確認はこちら」 | 今は本物の予約完了メールが自動で届かない。リンクを押させる時点で疑う |
| 「予約の確認が取れないため、取り消されます」 | 急がせる言葉で判断を急がせる。市の窓口に電話して確かめれば済む |
| 「マイナンバーの漏えいの確認のため、番号を入力してください」 | 市のお知らせは、番号の入力を求めていない。番号や暗証番号を入力させる連絡には応じない |
| 「マイナポイントや給付金の受け取りの手続きが必要です」 | 今回の件と関係のない話題で、口座やカードの情報を入力させようとする |
| 「メールアドレスの再登録をお願いします」 | 市のお知らせに、再登録を求める記載はない |
どの型にも共通するのは、メールやSMSの中のリンクから先に進ませようとすることです。市のお知らせは、身に覚えのないメールのURLへのアクセスや添付ファイルの開封、パスワードやクレジットカード情報などの入力をしないよう求めています。どんな文面であっても、リンクを押さずに、自分で開いた市のサイトや市の窓口で確かめれば、だまされることはありません。
受取までの流れのどこに今回の件が関わるか
マイナンバーカードを受け取るまでには、いくつかの段階があります。今回の件がどの段階に関わるのかを知っておくと、必要以上に心配せずに済みます。
一般的な流れは、カードを申請する、窓口へ行く日時を予約する、予約した日時に市の窓口でカードを受け取る、という順番です。福島市のお知らせが対象として挙げているのは、日時を予約する段階で使うマイナンバーカード交付予約・管理システムに関わるメール配信サービスです。
| 段階 | 今回の件との関わり(市のお知らせの範囲) |
|---|---|
| 申請や受取の日時の予約 | 予約者のメールアドレスが漏えいした可能性がある。予約の受付は続いている |
| 予約完了メールの受け取り | システム停止により自動送信されない。日時と場所は自分で控える |
| 交付予約・管理システム自体 | 閉域ネットワーク上で運用。現時点で不正アクセスは確認されていない |
窓口でカードを受け取る段階について、市のお知らせは影響があるとは書いていません。予約を取り直す必要があるとも書かれていないので、すでに予約している人は、その予約のまま窓口に行けます。
偽のメールに入力してしまったとき
偽のメールのリンクを開いて、情報を入力してしまった場合は、入力した情報の種類によってすることが変わります。慌てて次の操作をする前に、何を入力したかを書き出してください。
| 入力してしまった情報 | すること |
|---|---|
| クレジットカード番号 | カードの裏面に書かれた発行会社にすぐ連絡する |
| パスワード | そのパスワードを使っているサービスのパスワードをすぐ変える。同じものを使い回しているサービスも変える |
| マイナンバーカードの暗証番号 | 市のマイナンバーカードの窓口に早めに相談する |
| 住所や電話番号など | 不審な電話や郵便物に注意する。心当たりのない請求には応じない |
市のお知らせも、万一リンク先でクレジットカード情報などを入力した場合は、直ちにカード発行会社へ連絡するよう求めています。カードの不正利用は、明細を見て初めて気づくことが多いので、しばらくはカードの利用明細をこまめに確かめておくと安心です。
入力したあとにすることの全体の流れはフィッシングで情報を入力してしまったときの記事にまとめています。金銭の被害が出た場合や、不正利用の疑いがある場合は、警察の相談窓口や消費生活センターに相談することもできます。
入力していない、リンクを開いただけ、という場合でも、開いた画面で何かをダウンロードしてしまったなら、端末のウイルス対策ソフトで検査しておくと安心です。何も入力せずに閉じたのであれば、大きく心配する必要はありませんが、同じ送信元からのメールは開かずに削除してください。
問い合わせ窓口
市のお知らせに載っている問い合わせ先は次のとおりです。
| 窓口 | 連絡先 |
|---|---|
| 市民・文化スポーツ部 スマート窓口推進課 スマート窓口推進係 | 電話 024-535-7311 |
| 所在地 | 福島市五老内町3番1号 |
| そのほか | ファックス 024-528-2454、お問い合わせフォーム |
このお知らせのページには、窓口の受付時間は書かれていません。ページの下には、福島市役所の開庁時間として午前8時30分から午後5時15分まで(土曜日、日曜日、祝日、休日、年末年始を除く)と書かれています。電話で問い合わせるときは、その時間帯にかけるのが確実です。
アララの第2報にも電話番号が載っていますが、そこには「ご契約企業の皆様:サポート窓口」と書かれています。個人の利用者向けの窓口ではありません。TKCの第3報に載っている問い合わせ先も、ニュースリリースについての広報の窓口です。交付予約を利用した市民が問い合わせる先は、福島市の窓口です。
問い合わせる前に、予約をした時期、予約に使ったメールアドレス、困っていること(予約の日時が分からなくなった、不審なメールが届いた、など)を書き出しておくと、話が早く進みます。不審なメールが届いている場合は、本文のURLを押さずに、画面の写しを保存しておくと説明しやすくなります。
在宅で仕事をする人が気をつけること
在宅で仕事をする人は、仕事の連絡と日常生活の連絡を同じメールアドレスで受けていることが少なくありません。マイナンバーカードの予約に使ったメールアドレスが仕事でも使っているアドレスなら、偽のメールが仕事の受信箱にも届くことになります。取引先からの連絡と同じ受信箱に偽のメールが混ざると、忙しいときほど見分けにくくなります。
取引先から顧客の情報を預かって作業している人は、自分のアカウントの管理が、そのまま取引先の情報を守ることにつながります。偽のメールでパスワードを盗まれれば、預かっている情報まで見られてしまうおそれがあるからです。
個人情報保護委員会の漏えい等の対応とお役立ち資料では、漏えい等の報告が義務づけられる場合として、不正の目的で行われたおそれがある漏えい等や、本人の数が民間事業者等で1,000人を超える漏えい等(行政機関等では100人を超える漏えい等)などが挙げられています。報告は発覚したらまず速やかに行い、不正の目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内とされています。同じページには、委託先での事例の記入例も載っています。今回の福島市の件のように、委託の先で起きたことでも、仕事を任せた側が対応を求められることが分かります。
日々の作業で気をつけたいのは次の点です。
- 仕事のメールアドレスと、行政の手続きや個人の買い物に使うメールアドレスを分けておく
- 取引先から預かったアカウントの情報は、パスワード管理の仕組みで管理し、使い回さない
- 使っているメール配信や業務のサービスに障害の知らせが出たら、すぐに取引先に伝える
- 取引先の名前で届いたメールでも、URLやパスワードの入力を求めるものは、電話などで確かめる
どこまでが自分の責任になるかは、契約の内容や事情で変わるので、ここでは断定できません。迷ったときは、個人情報保護委員会の個人情報保護法相談ダイヤル(03-6457-9849、受付時間は9:30から17:30、土日祝日及び年末年始を除く)に相談できます。
偽のメールの見分け方は、職場で訓練として取り入れているところもあります。訓練の考え方はフィッシングメール模擬訓練の記事が参考になります。在宅で働く人がアカウントを守る力を仕事に生かしたい場合は、@SOHOのAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、在宅で受けられるセキュリティ関連の仕事の種類と探し方を紹介しています。
続報を待つ間に整理しておきたいこと
市のお知らせは、2026年11月5日時点で11月4日の更新が最新です。漏えいの有無、影響の範囲、件数、予約完了メールの自動送信の再開は、今後の続報で示されることになります。続報を待つ間に、次のことを整理しておくと、知らせが出たときにすぐ動けます。
- マイナンバーカードの予約に使ったメールアドレスがどれかを確かめる(家族の分を予約した人は、誰の分をどのアドレスで予約したかも)
- 予約の日時と手続きの場所を、メモやスクリーンショットで控えておく
- そのメールアドレスで、ほかにどんなサービスに登録しているかを書き出す
- 2026年10月28日以降に届いた不審なメールやSMSがあれば、削除する前に画面を控えておく
家族の分を予約した人は、偽のメールが届いたときに家族が1人で判断しないで済むよう、「市やカードの手続きを名乗るメールのURLは押さずに見せてほしい」と伝えておくと安心です。高齢の家族ほど、カードの予約のような身に覚えのある手続きの体裁をとった連絡を、本物と思い込みやすいものです。
対象かどうか、何が含まれるかは、市やTKCが続報で示すはずです。その続報は、市の公式ページを自分で開いて確かめてください。
よくある質問
Q. 福島市の件で何件のメールアドレスが漏えいしたのですか?
2026年11月5日時点で、福島市のお知らせに件数は書かれていません。TKCの第3報にある最大223万812件は、TKCのシステムを利用する客全体の数字で、福島市の予約者の件数ではありません。市はTKCとアララが連携して、漏えいの有無と影響の範囲を調べているとしています。
Q. マイナンバーカードの予約は今もできますか?
市のお知らせによると、予約の受付は続けています。交付予約・管理システム自体は行政専用の閉域ネットワーク上で運用されていて、不正アクセスは確認されていないためです。ただし、予約完了メールは自動で送られない状態なので、予約の日時と場所は自分でメモやスクリーンショットで控えてください。
Q. マイナンバーは漏えいしたのですか?
福島市のお知らせが漏えいした可能性のある情報として挙げているのは、予約者のメールアドレスだけです。TKCの第3報は、アララの調査で、漏えいしたのはメールアドレスのみで、マイナンバーや市町村への申請情報等は漏えいしていないことが確認されたとしています。これはTKC全体についての発表です。
Q. 予約完了メールのようなメールが届いたらどうすればよいですか?
2026年11月5日時点で、本物の予約完了メールはシステム停止により自動で送られない状態です。その間に予約完了の体裁のメールが届いたら疑ってかかり、URLや添付ファイルを開かずに削除してください。予約の内容を確かめたいときは、スマート窓口推進課(024-535-7311)に問い合わせるのが確実です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド
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