フランス語の動画の字幕と翻訳


この記事のポイント
- ✓フランス語 字幕 翻訳 副業を考えている方へ
- ✓尺と話速から作業時間を見積もる方法
- ✓納品形式までを在宅ワークの現場目線で整理しました
「フランス語はできる。でも、それが仕事になるイメージが湧かない」。こういうご相談、本当に多いんです。とくに字幕まわりは、募集を見ても作業量が読めないので、応募のボタンを押す手前で止まってしまう方が目立ちます。
大丈夫ですよ。フランス語の字幕と翻訳は、感覚ではなく計算で受けられる仕事です。動画の尺と話速が分かれば、字幕の枚数はおおよそ出ます。枚数が出れば、自分の作業速度から所要時間が出ます。時間が出れば、その案件を受けていいかどうかが数字で判断できます。
この記事では、フランス語 字幕 翻訳 副業を検討している方に向けて、字幕という作業が発注側でどう切り分けられているのか、尺と話速からどう見積もるのか、単価はどこで決まるのかを順番に整理していきます。フランス語の学習法や検定の話はしません。すでにフランス語が読める方が、その力をどう在宅の仕事に換えるかだけを扱います。
字幕の仕事は「フランス語を訳す仕事」ではなく「尺に収める仕事」
最初に、いちばん誤解が多いところからお話しします。
字幕は、翻訳の一種ではあるのですが、翻訳とは制約の種類がまるで違います。翻訳は「原文の情報を落とさずに移す」ことが求められます。字幕は逆で、「落としていい情報を選び、限られた文字数に収める」ことが求められます。
日本語字幕の慣習では、1秒あたりに表示できる文字数はおおむね4文字前後、1枚の字幕は2行までで最大26文字前後に収める形が長く使われてきました。配信プラットフォームごとに独自のガイドラインを持っている場合もあり、発注時に指定されることが多いです。ここが翻訳との決定的な違いで、フランス語で3秒間しゃべった内容が日本語で60文字必要だったとしても、字幕には12文字前後しか置けません。
つまり字幕の実作業は、次の三つに分解できます。
第一に、フランス語を聞いて(あるいは読んで)意味を正確につかむこと。第二に、その意味のうち映像と音で伝わっている部分を削ること。第三に、残った芯を制限文字数の日本語に落とすこと。フランス語力が問われるのは第一段階だけで、第二・第三は日本語の編集能力の勝負になります。
ここを分かっていないと、応募の段階で自分を安く見せてしまいます。「フランス語ができます」だけを書いた応募文より、「1秒4文字の制約で、話速の速い素材を扱った経験があります」と書けた応募文のほうが、発注側は判断しやすいのです。映像まわりの仕事の全体像は映像翻訳・字幕・通訳のお仕事に案件の種類ごとにまとめてありますので、自分がどの作業までを引き受けられるかを先に決めておくと迷いが減ります。
「削る」ことに罪悪感を持たなくていい
まじめな方ほど、ここでつまずきます。「原文にある言葉を落としてしまっていいのだろうか」と。
落としていいんです。というより、落とすのが仕事です。視聴者は映像も音も同時に受け取っています。話者が首を振っていれば「いいえ」は要りません。画面に日付が出ていれば、その日付を字幕で繰り返す必要もありません。フランス語の丁寧な前置き(Je me permets de vous dire que...のような言い回し)は、日本語字幕ではほぼ消えます。
削る判断ができるかどうかが、字幕翻訳者の実力です。そして削る判断は、フランス語の上級文法よりも、日本語で短く言い切る訓練で伸びます。
発注側は「字幕」を三つの作業に分けている
募集要項に「フランス語 字幕」と書いてあっても、中身は同じではありません。作業範囲が違えば単価も所要時間も変わるので、受注前に必ず確認するところです。
1. スポッティングから含む字幕制作
スポッティングとは、映像のどこからどこまでに字幕を出すかというタイムコードを自分で切る作業です。字幕編集ソフトで波形を見ながら、話し始めと話し終わりに合わせて区切りを打っていきます。
これが入ると作業時間は一気に増えます。目安として、スポッティングだけで映像尺の2倍から3倍の時間がかかると考えておくと安全です。10分の動画なら20分から30分。慣れれば縮みますが、ゼロにはなりません。
2. タイムコード支給の翻訳のみ
すでに区切りが打たれたファイル(SRTやVTT)が支給され、そこに日本語を入れていく形です。副業で受ける案件はこの形が多いです。区切りが決まっている分、文字数の制約はより厳しくなりますが、時間は読みやすくなります。
3. テロップ・画面内文字の処理
映像に焼き込まれた看板、資料、字幕以外の画面内テキストを訳す作業です。これは字幕本体とは別カウントで見積もるべきものなのですが、「ついでにお願いします」と口頭で足されることがあります。枚数が多いと無視できない時間になるので、受注時に「画面内テキストは何箇所ありますか」と一言聞いておく。これだけで後のトラブルがだいぶ減ります。
こういう確認って、遠慮してしまう方が多いんです。でも発注側からすると、聞いてくれる人のほうが安心なんですよ。作業範囲を詰めてくる相手は、納品後に揉めないと分かっているからです。
尺と話速から作業時間を見積もる
ここが本題です。数字で押さえていきましょう。
フランス語の話速の目安
フランス語は、音節あたりの情報量が日本語や英語より少なめで、その分だけ発話が速い言語として知られています。研究や現場の体感を総合すると、フランス語のニュース読みでおおむね毎分180語前後、日常会話やインタビューで毎分200語を超えることもあります。討論番組やお笑い系のコンテンツでは、さらに上がります。
これを字幕の見積もりに使うときは、語数ではなく「1分あたり何枚の字幕が発生するか」に変換したほうが実務的です。
素材のタイプ別に、1分あたりの字幕枚数の目安を置いておきます。
企業のプロモーション映像やナレーション主体の素材で、1分あたりおよそ8枚から12枚。インタビューや対談で14枚から20枚。複数人が被って話すバラエティやリアリティ番組で20枚から30枚。無音や映像だけの区間が多い素材はもっと少なくなります。
この幅の広さが、そのまま案件のリスクです。同じ10分の動画でも、ナレーション主体なら100枚前後、掛け合いの多い素材なら250枚を超えます。2.5倍の差が出るのに、「10分の動画で一律いくら」という提示をされることがある。だから見積もりの前に、必ずサンプルを見せてもらうのです。
枚数から作業時間を出す
自分の作業速度は、最初の1本で測ってしまうのが早いです。ストップウォッチを置いて、1枚あたり何分かかったかを記録する。
慣れていない段階だと1枚あたり2分から3分、慣れてくると1分から1分半あたりに落ち着く方が多いようです。ここに、素材の視聴時間、用語調査、見直し、書き出しの時間が加わります。
仮に、インタビュー素材10分、字幕170枚、1枚あたり1分半で作業できるとします。
字幕本体の作業が170枚 × 1.5分でおよそ255分。素材の通し視聴と内容把握に30分。固有名詞や専門用語の調査に40分。全体を通しての見直しと文字数チェックに60分。合計でおよそ6時間半です。
10分の動画に6時間半。この数字を持っていない状態で「10分で8,000円」という案件を見ると、割がいいように見えてしまいます。実際には時給1,200円ほどです。数字を出してから判断すれば、受けるか断るかを感情で決めずに済みます。
見積もりを崩す三つの要因
作業時間の見積もりが崩れるとき、原因はだいたい決まっています。
一つめは音質です。屋外収録、複数マイク、風の音。聞き取りに時間を取られ、1枚あたりの時間が倍になることがあります。受注前に冒頭1分だけでも音を聞かせてもらえないか、聞いてみる価値はあります。
二つめは方言と地域差です。フランス本国のパリ周辺の発音に慣れていても、ケベック、ベルギー、スイス、北アフリカ、西アフリカのフランス語は語彙も抑揚も違います。ケベックのくだけた会話は、パリの標準的な発話に慣れた耳には別言語のように感じられることがあります。素材の産地は、必ず確認する項目です。
三つめは指定ガイドラインの厳しさです。禁則処理、改行位置、句読点の扱い、数字の表記。配信先ごとのルールが細かいと、書き終えた後のチェックに時間が積み上がります。
単価はどう決まっているのか
フランス語の字幕案件の単価は、大きく三つの形で提示されます。
分単価は、映像1分あたりいくらという形です。日本語字幕の制作では、この形が最も多く見られます。言語や作業範囲によって幅がありますが、翻訳のみか、スポッティングまで含むかで倍近く変わります。
枚単価は、字幕1枚あたりいくらという形です。作業量に正直な形なので、掛け合いの多い素材では受注者に有利になります。逆に、ナレーション主体の素材だと総額が下がります。
一本いくらの固定額は、いちばん危ない形です。尺も枚数も無視して総額だけが決まるので、素材が想定より重かったときに逃げ場がありません。この形で提示されたときは、必ず「想定の字幕枚数」を確認してください。
英語案件との単価差をどう見るか
フランス語は英語より対応できる人が少ないので、その分だけ単価は上がりやすい傾向にあります。ただし案件数は英語よりずっと少ない。これは需要と供給の両方が小さい市場だということで、受注の頻度は落ちます。
英語の翻訳副業と比べた市場の性質は英語翻訳の副業ガイド|TOEIC何点から仕事ができる?に、英語以外の言語で市場が動く仕組みは中国語翻訳の副業ガイド|需要が高いジャンルと単価の目安にまとめてあります。フランス語だけを見ていると相場観がつかみにくいので、隣の言語の状況と並べて見ておくと自分の位置が分かります。
在宅の言語系の仕事全般でどのくらいの報酬水準になっているかは、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で職種としての年収帯を確認できます。字幕は映像制作の工程の一部でもあるので、映像や制作まわりの発注単価と比べておくと、提示額が妥当かどうかの判断材料になります。
案件はどこにあるのか
フランス語の字幕案件の入口は、大きく四つです。
一つめは、映像翻訳を専門に扱う制作会社への登録です。トライアルがあり、合格すると継続的に依頼が来ます。字幕のルールが厳格に決まっているので、最初にきちんと型を覚えられるという利点があります。
二つめは、クラウドソーシングの案件です。募集の総量は多く、フランス語の案件も一定数あります。
フランス語翻訳の仕事・案件一覧ページです。クラウドソーシング・アウトソーシングに強いランサーズでは、フランス語翻訳の仕事情報の検索から納品、報酬の受け取りまで、すべて完結します。時間や場所にとらわれず、在宅や副業などさまざまな働き方を実現可能です。24時間365日のサポート体制をご用意しています。仕事、業務委託/副業案件、求人をお探しのフリーランスの方はまず会員登録がおすすめです。 出典: lancers.jp
こうした大手のプラットフォームは案件を見つけやすい一方で、仲介手数料が発生します。年間で受注額が積み上がってくると、この手数料は無視できない金額になります。手数料0%で直接やり取りできる場を並行して持っておくと、同じ作業量でも手取りが変わります。
三つめは、動画を出している事業者への直接提案です。フランス語圏向けに商品を売っている企業、フランス語の素材を日本語で紹介したいメディア、日本のコンテンツをフランス語圏に出したい制作者。こうした発注元は、字幕の必要性を感じていても翻訳者の探し方を知らないことがあります。
四つめは、翻訳者どうしの紹介です。ここは時間がかかりますが、いちばん単価が安定します。
道具と納品形式
字幕の仕事は、道具の準備が受注の前提になります。
字幕編集ソフトは、無料で使えるものから業務用のものまで幅があります。無料のものでもSRT、VTT、SSAといった主要な形式の書き出しには対応しているので、最初の1本はそれで足ります。発注側から特定のソフトを指定されることもあるため、受注前に「納品形式は何ですか」「指定のソフトはありますか」を確認します。
納品形式でよく指定されるのは、SRT(テキストベースで最も汎用的)、VTT(Web配信向け)、Excelやスプレッドシートの対訳表(タイムコードと原文と訳文を並べた形)、そして映像への焼き込み(この場合は動画編集の作業が加わるため、翻訳とは別料金で見積もります)です。
焼き込みまで頼まれたときは、動画編集の工数が別に発生することを伝えて構いません。翻訳の単価に編集作業をまとめて含めると、時給が一気に下がります。ここも遠慮しないでいいところです。
フランス語の字幕でつまずきやすいところ
数字、単位、日付の表記
フランス語圏では小数点にカンマ、桁区切りにピリオドまたは空白を使います。3,5 は「3.5」であって「3500」ではありません。この読み違いは字幕でそのまま誤訳になります。
単位も変換が要ります。摂氏、メートル法はそのまま使えますが、金額のユーロを円に併記するかどうかは案件ごとの指定に従います。勝手に換算して書くと、レートの変動で後から数字が合わなくなるので、指定がない限り原貨のまま置くのが安全です。
日付は、フランス語圏では日・月・年の順です。02/03/2026 は2月3日ではなく3月2日です。字幕では日付をそのまま数字で出す場面は少ないのですが、画面内テキストを訳すときに引っかかります。
話し言葉の省略とリエゾン
書かれたフランス語しか扱ったことがない方が、いちばん苦労するところです。
会話では ne が落ちます。Je ne sais pas は「シェパ」に近い音になります。tu es が t'es に、il y a が y'a になる。こうした縮約は辞書には載っていない形で耳に入ってくるので、聞き取りの段階で止まります。
対策としては、フランス語圏の会話中心のコンテンツを、字幕なしで一定量聞いておくことです。ニュースだけを聞いていても、この耳は育ちません。ここは学習というより、仕事の準備です。
敬語と距離感の落とし込み
フランス語の vous と tu の使い分けは、日本語では敬語の段階として表れます。ただ、字幕は文字数が限られているので、丁寧語を全部盛り込むと入りません。
現場でよく使われる考え方は、「関係性は最初の数枚で示し、その後は素の文で流す」というものです。冒頭で「〜でございます」と一度置けば、そのあとは常体でも視聴者は関係を保って読んでくれます。これも、削る判断の一つです。
自動文字起こしと機械翻訳との付き合い方
正直に書きますが、フランス語の自動文字起こしの精度は、素材がクリアであればかなり高くなっています。機械翻訳も、フランス語と日本語の組み合わせで実用に近いところまで来ています。
ではもう仕事がないのかというと、そうではありません。字幕は「訳す」工程より「削って収める」工程のほうが重いからです。機械が出した訳文は、文字数の制約を無視しています。1秒4文字に収める作業は、結局のところ人が判断しています。
現実的な使い方は、こうです。自動文字起こしで下地のタイムコードと原文テキストを作り、聞き取りづらい箇所だけを耳で確認する。訳出は自分で行う。この形なら、聞き取りに取られる時間を圧縮できます。
ただし、案件によっては機械翻訳の使用そのものが契約で禁じられています。素材が未公開の映像である場合、外部のサービスにアップロードすること自体が守秘義務違反になります。使う前に必ず契約書を読んでください。ここは、知らなかったでは済まない部分です。
契約や秘密保持の考え方に不安がある方は、書類の扱いを専門にする資格の範囲を知っておくと相談先の判断がつきます。行政書士の資格ガイドに業務の範囲が整理されていますが、契約書の作成や法的な判断が絡む場面では、その資格で何ができるかは行政書士法などの定めによります。自分で線引きを決めず、専門家に確認するのが安全です。
実績をどう見せるか
字幕の仕事は守秘義務が厳しく、「これを訳しました」と作品名を出せないことがほとんどです。実績が出せないから応募できない、という相談もよく届きます。
出せる形は、あります。
作品名を出さずに、扱った素材のジャンル(企業紹介、ドキュメンタリー、教育コンテンツ)と、総尺、納品形式、使用ソフトだけを書く方法です。「フランス語から日本語、インタビュー素材、累計120分、SRT納品、スポッティングあり」。これだけで、発注側は作業範囲と経験量を判断できます。
もう一つは、権利の問題がない素材で自主的に字幕を作ってサンプルにする方法です。公的機関が公開している映像や、クリエイティブ・コモンズで公開されている素材を使えば、サンプルとして見せられます。3分程度で構いません。
翻訳の品質を第三者が保証する仕組みとしては、JTF翻訳品質認証のような認証もあります。ただし字幕の分野では、認証よりも実際のサンプルのほうが強く効きます。応募先が何を見て判断しているかを考えると、優先順位は決めやすいはずです。
収入の見通しと、続けるための組み立て
副業として字幕をやる場合、月にどのくらい入るのか。
先ほどの計算をもとに置いてみます。1本10分の素材に6時間半かかるとして、平日の夜に2時間、週末に4時間ずつ取れるなら、週におよそ18時間。月におよそ72時間。単純計算で月に11本前後。分単価が仮に1分あたり600円なら、月におよそ6万6千円です。
これは案件が途切れず入ってくる前提の数字なので、実際にはもっと少なくなります。フランス語の字幕案件は数が限られているので、字幕だけで埋めようとすると空白が生まれます。
だから多くの方が、周辺の仕事と組み合わせています。文書翻訳、ネイティブ話者向けの文章チェック、オンラインのフランス語レッスン、フランス語圏向けの問い合わせ対応。翻訳・ライティングレッスンのお仕事には、翻訳とレッスンを行き来する形の案件がまとまっています。フランス語を教える側に回ると、時間の融通が効きやすくなるので、字幕の閑散期を埋める役割を果たしてくれます。
なお、副業として年間の所得が一定額を超えると確定申告が必要になります。給与所得者で副業の所得が20万円を超える場合が基準の一つですが、条件は個々の状況で変わります。詳しくは国税庁の案内で確認してください。経費として計上できるものには、字幕編集ソフトの利用料、辞書や用語集、通信費の一部などがあります。
働き方そのものに迷いが出たときは、キャリア・副業・人生相談のお仕事のように、相談を受ける側の仕事も在宅で成立しています。語学から少し離れた選択肢を知っておくと、視野が狭くならずに済みます。
運営側から見えているものと、最初の一歩
在宅ワークの案件を扱っていて感じるのは、フランス語のような話者の少ない言語では、「案件を探す」よりも「探されるようになる」ほうが早いということです。
英語の案件は数が多いので、探しに行けば見つかります。フランス語はそうではありません。発注側が「フランス語ができる人を探している」状態が先にあって、そこに見つけてもらう形になります。だからプロフィールの書き方が、応募の数より効きます。
見つけてもらいやすいプロフィールには、共通点があります。言語の組み合わせを最初に明記していること(フランス語から日本語なのか、日本語からフランス語なのか、両方向なのか)。扱える素材のジャンルを具体的に書いていること。納品形式と使用ソフトを書いていること。そして、対応できない範囲を正直に書いていること。
最後の一つが意外に効きます。「同時通訳は対応していません」「日本語からフランス語への訳出は、ネイティブ話者のチェックを別途手配していただく前提でお受けします」。こう書いてある人のほうが、発注側は安心して声をかけられます。できないことを書くのは、自分を小さく見せる行為ではなく、信頼を作る行為です。
数字の面でも、同じことが言えます。技術系や制作系の職種でどのくらいの報酬水準になっているかはソフトウェア作成者の年収・単価相場で確認できますが、こうしたデータを見て「自分の作業がどの水準に相当するか」を言語化できる人は、単価交渉のときに強いです。相場を知らずに提示額をそのまま受けると、その額が自分の基準になってしまいます。
集客の考え方を知っておくと、プロフィールの見え方も変わります。検索から人を呼ぶ仕組みはSEO対策・MEO対策の副業で稼ぐ方法|必要なスキルと案件相場に整理されていますが、同じ考え方は自分の紹介文にもそのまま使えます。誰が、どんな言葉で、あなたを探すのか。そこから逆算して書けばいいのです。
最初の一歩は、大きくなくて構いません。3分の素材を一本、最後まで字幕にしてみる。かかった時間を記録する。その1回で、自分の1枚あたりの速度という、いちばん大事な数字が手に入ります。その数字さえあれば、次に来た案件を受けるかどうかは、迷わず決められるようになります。
よくある質問
Q. フランス語の字幕の仕事に、翻訳の資格は必要ですか?
必須ではありません。発注側が見るのは、字幕のルール(1秒4文字前後、2行26文字前後)に収められるかと、実際のサンプルです。資格より、権利の問題がない素材で作った3分程度のサンプルと、扱える素材のジャンル・納品形式・使用ソフトを明記したプロフィールのほうが効きます。
Q. 10分の動画の字幕に、どのくらい時間がかかりますか?
素材によって大きく変わります。インタビュー素材で1分あたり14枚から20枚の字幕が発生するため、10分なら150枚から200枚前後。1枚あたり1分半で作業できる場合、視聴・調査・見直しを含めておよそ6時間半が目安です。ナレーション主体ならこの半分程度に収まります。
Q. 字幕と翻訳では、単価の考え方が違いますか?
違います。翻訳は原文の文字数や語数で計算しますが、字幕は映像1分あたりの分単価、または字幕1枚あたりの枚単価が一般的です。スポッティング(タイムコードを切る作業)を含むかどうかで作業量が倍近く変わるため、受注前に作業範囲の確認が必要です。
Q. 自動文字起こしや機械翻訳を使ってもいいですか?
案件の契約次第です。未公開の映像を外部サービスにアップロードすると守秘義務違反になる場合があるため、契約書の確認が先です。使用が許される案件では、文字起こしで下地を作り訳出は自分で行う形が現実的です。1秒4文字に収める判断は機械では代替できません。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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