フリーランス 小規模企業共済|上限月7万円の節税効果と出口の取り方

前田 壮一
前田 壮一
フリーランス 小規模企業共済|上限月7万円の節税効果と出口の取り方

この記事のポイント

  • フリーランスの小規模企業共済について
  • 上限月7万円の節税効果から受け取り時の出口戦略
  • iDeCoとの違いまで実体験を交えて解説

まず、安心してください。フリーランスとして独立してから「老後の備え」と「今年の節税」を同時に解決できる制度を探している皆さんに、私が一番最初におすすめしているのが小規模企業共済です。私自身も43歳でメーカーを辞めてフリーランスになったとき、退職金がゼロになる不安がありました。会社員時代は毎月の給料明細に「企業年金」「退職金引当」の文字があった。それが独立した瞬間、全部自分で積み上げないといけない。そんなときに出会ったのが、独立行政法人 中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営する小規模企業共済でした。掛金は月1,000円から70,000円まで500円刻みで選べて、全額が所得控除になる。しかも事業をやめたときには共済金として受け取れる。「フリーランスの退職金」と呼ばれる所以です。

本記事では、フリーランスが小規模企業共済を活用する際に必ず知っておきたい節税効果の具体的な計算、加入・解約のタイミング、iDeCoや国民年金基金との使い分け、そして見落とされがちな「20年未満で任意解約すると元本割れする」というリスクまで、皆さんと同じ目線で整理していきます。

フリーランスにとって小規模企業共済が「最初の一手」になる理由

フリーランスとして独立した皆さんの多くは、「税金が高い」「老後が不安」「貯金しても増えない」という3つの悩みを同時に抱えているはずです。私もそうでした。会社員のときは源泉徴収で気づかなかった所得税・住民税の重みが、確定申告の時期になって初めて実感として襲ってくる。課税所得400万円のフリーランスなら、所得税・住民税を合わせて年間およそ80万円前後の納税義務が発生します。ここから国民健康保険料や国民年金保険料を払うと、手取りは想像以上に減ります。

小規模企業共済が「最初の一手」と言われるのは、こうした重い税負担を合法的に軽減しながら、同時に将来の備えにできるほぼ唯一の制度だからです。掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除として所得から差し引かれる。つまり、貯金しているのに節税にもなる。普通預金にお金を置いておくだけでは、税金は1円も減りません。

フリーランス向けの節税方法のなかには、将来への備えをしつつ、控除の対象とできる制度もあります。有名なのが「小規模企業共済」と呼ばれる制度で、実際に多くのフリーランスが活用しています。将来の金銭問題に備えながら今現在の節税が行える小規模企業共済は、有効に活用すべき制度だといえます。

中小機構の最新の公表データによれば、小規模企業共済の在籍者数は160万人を超えています。これは個人事業主・小規模企業役員にとって、もはや「知る人ぞ知る制度」ではなく、定番の選択肢になっているという証拠です。フリーランス人口の増加とともに、加入者は今後さらに増えると見られています。

小規模企業共済とは何か:制度の全体像

小規模企業共済は、1965年に国の政策として設立された制度で、運営しているのは国の関連機関である中小機構です。民間の保険会社ではなく、独立行政法人が運営しているという点は、皆さんが安心して長期間お金を預ける上で見逃せないポイントです。

制度の目的は、「個人事業主や小規模企業の経営者が、廃業・引退したときに退職金代わりに受け取れる積立金を、税制優遇付きで用意できるようにする」というものです。会社員が当たり前のように受け取る退職金を、フリーランスや経営者にも用意してあげようという発想でつくられています。

加入できる人の条件

フリーランスが加入できる条件は、業種によって従業員数の上限が異なります。

  • 建設業・製造業・運輸業・サービス業(宿泊・娯楽除く)など:常時使用する従業員が20人以下の個人事業主または会社役員
  • 商業(卸売業・小売業)・サービス業(宿泊・娯楽除く):従業員5人以下
  • 宿泊業・娯楽業を除くサービス業:従業員20人以下
  • 弁護士法人・税理士法人など士業法人:従業員5人以下

ほとんどのフリーランスは「個人事業主・従業員ゼロ」で活動しているはずなので、業種を問わずほぼ全員が加入できる、と考えて差し支えありません。会社員との兼業で副業をしている方は加入できません。会社員を辞めて独立した時点で、開業届を税務署に出していれば加入資格を満たします。

掛金は月1,000円〜70,000円で自由に設定

掛金は月額1,000円から月額70,000円まで、500円刻みで自由に選べます。これは制度のとても優れた設計だと私は思っています。

小規模企業共済制度の掛金は、いつでも変更が可能です。「1,000円でコツコツ積み立てる」「上限の70,000円をかけて将来に備える」「収入に合わせてこまめに掛金を変更する」といった、さまざまな方法から自分に合ったものを選択できます。自分のタイミングで金額を変更できるため、フリーランスとしての収入が不安定な時期でも使いやすい点は小規模企業共済制度のメリットです。

フリーランスの収入は会社員のように安定しません。良い年もあれば、案件が少ない年もある。私自身も独立1年目は月によって売上が大きくぶれました。そんなとき、月1,000円まで掛金を下げられる柔軟さは大きな救いになります。逆に売上が好調な年は、年末に増額して年間の課税所得を圧縮することもできる。

節税効果はどれくらい?課税所得別シミュレーション

ここがフリーランスにとって最も気になるところです。掛金が全額所得控除になるとはいえ、実際にいくら税金が安くなるのか。具体的な数字で確認していきます。

掛金月額70,000円(年間84万円)を上限で積み立てた場合の節税額は、課税所得によって変わります。

  • 課税所得200万円のフリーランス:年間節税額 約12万6,500円(所得税5%+住民税10%)
  • 課税所得400万円のフリーランス:年間節税額 約25万5,600円(所得税20%+住民税10%)
  • 課税所得600万円のフリーランス:年間節税額 約25万5,600円(所得税20%+住民税10%)
  • 課税所得900万円のフリーランス:年間節税額 約36万7,000円(所得税33%+住民税10%)

つまり、課税所得400万円のフリーランスが上限まで掛けると、年間84万円の積立に対して約25万円が税金として戻ってくる感覚です。実質的な負担は約59万円。これを20年間続ければ、1,680万円の積立に対して、節税効果だけで500万円以上の効果が出る計算になります。

私が独立した最初の年は、課税所得が350万円ほどでした。掛金を月3万円から始めて、2年目に月5万円、3年目には月7万円の上限まで引き上げました。月7万円を本気で積み立てるのは正直キツい時期もありました。住宅ローンと教育費の二重負担がある世代にとって、月7万円は決して小さな額ではありません。でも、確定申告の還付金を見るたびに「これは未来の自分への投資なんだ」と納得できました。

年末調整の代わりに「掛金前納」が使える

会社員のような年末調整がないフリーランスにとって、年末の節税対策は重要です。小規模企業共済には前納制度があり、12月中に翌年分を一括で前納すれば、前納した金額もその年の所得控除に含められます。たとえば11月時点で「今年は予想以上に売上が大きかった」と気づいたフリーランスが、12月に月7万円×12か月分(84万円)を前納すれば、その年の所得控除を一気に増やせる仕組みです。

ただし注意点として、前納は12月20日前後が締切の年もあるので、年末ぎりぎりではなく、できれば11月中には資金計画を立てておくことをおすすめします。詳しくは中小機構の公式サイトで各年の締切を確認してください。

小規模企業共済のメリット

フリーランスの皆さんが小規模企業共済に加入することで得られるメリットを、客観的に整理します。

1. 掛金が全額所得控除になる

最大のメリットは、すでに説明した全額所得控除です。生命保険料控除は上限がありますが、小規模企業共済等掛金控除には上限がありません。月7万円・年84万円まで、丸ごと所得から差し引けます。

2. 受取時の税制優遇

受け取るときも税制優遇があります。共済金を一括で受け取れば退職所得として扱われ、退職所得控除が使えます。分割で受け取れば公的年金等の雑所得として扱われ、こちらも公的年金等控除が使えます。「掛けるときも節税、受け取るときも節税」という、フリーランスにとってはありがたい二段構えの優遇制度です。

3. 共済契約者貸付制度がある

加入者は、積み立てた掛金合計額の範囲内で、低利の貸付けを受けられます。これがフリーランスにとっては心強い保険になります。急な大型案件で運転資金が必要になったとき、設備投資が必要になったとき、銀行に頭を下げる前に共済から借りられる。一般貸付の上限は2,000万円、利率は年1.5%程度(変動制)と、銀行ローンより圧倒的に有利な条件です。

4. 国の関連機関が運営している安心感

民間金融機関の積立商品は会社が破綻するリスクがありますが、小規模企業共済は中小機構という独立行政法人が運営しています。経営破綻のリスクが極めて低く、20年・30年といった長期間お金を預けるには適した運営主体です。

5. 掛金は途中で増減できる

すでに触れましたが、掛金は500円刻みでいつでも変更できます。フリーランスの収入の波に対応できる柔軟性は、加入を続ける上での重要な要素です。

小規模企業共済のデメリットと注意点

メリットだけを並べるのは私の信条に反するので、デメリットも正直にお伝えします。これを知らないまま加入すると、後で「こんなはずじゃなかった」となる可能性があります。

1. 任意解約は20年未満で元本割れする

これが最大の注意点です。小規模企業共済を任意解約(自己都合解約)した場合、加入期間が240か月(20年)未満だと、受け取れる解約手当金が支払った掛金の総額を下回ります。たとえば加入5年未満で任意解約すると、解約手当金は掛金合計の80%程度まで下がってしまいます。

ただし、ここは正確に理解してください。「任意解約」が元本割れするのであって、廃業・死亡・老齢(65歳以上で180か月以上掛金を払った場合)といった共済金A・共済金B・準共済金の事由で受け取る場合は、加入期間が短くても元本割れしません。あくまで「自己都合でやめる場合」が割れるのです。

ですので、加入を判断するときは「自分は最低でも20年は続けられるか?廃業まで掛金を払い続ける覚悟があるか?」を自問してください。フリーランスとして長期的にやっていく覚悟があるなら問題ありませんが、「とりあえず数年やってみて、合わなければ会社員に戻る」可能性が高い人にとっては慎重な判断が必要です。

2. 掛金支払い期間が短すぎると受け取れない

加入期間が6か月未満で廃業・死亡した場合、共済金AもBも支給されません。また、12か月未満で任意解約しても、解約手当金は0円です。とにかく加入したら最低1年、できれば長期で続ける前提で始めてください。

3. 運用利回りはそれほど高くない

掛金の運用は中小機構が行いますが、リスクを抑えた運用のため、予定利率は年1.0%程度です。インフレを考えると、純粋な資産運用としてはやや物足りない水準と言えます。ただし、節税効果を含めた実質利回りは大きくプラスになるので、「節税付きの定期預金」と考えれば十分魅力的です。

4. インフレリスクへの耐性が弱い

掛金は名目額で積み立てるため、長期間にわたって物価が大きく上昇した場合、受取時の実質的な価値は目減りします。これは小規模企業共済に限らず、確定給付型の制度全般の弱点です。インフレヘッジは別途、株式投資信託やNISAなどで補う発想が必要です。

小規模企業共済とiDeCoの違い:使い分けの考え方

フリーランスが将来に備えるなら、小規模企業共済とiDeCoは両方検討すべき制度です。ただし、それぞれ性格が異なるので、使い分けが重要です。

iDeCo(確定拠出年金)とは掛金を拠出して、国民年金の給付額に上乗せする制度です。フリーランスは5,000〜68,000円まで掛金を拠出し、将来受け取れる年金の額を増やせます。小規模企業共済制度と同様に、iDeCoの掛金も全額控除の対象になります。

性格の違いを表で整理

項目 小規模企業共済 iDeCo
運営主体 中小機構(国の関連機関) 国民年金基金連合会
掛金上限 月7万円 月6.8万円(フリーランスの場合)
所得控除 全額控除 全額控除
運用 中小機構が運用(予定利率約1%) 自分で選んだ投資信託で運用
受取時期 廃業時など 原則60歳以降
途中解約 可能(元本割れリスクあり) 原則不可
貸付制度 あり(上限2,000万円) なし

私の使い分けの考え方

私は両方加入しています。小規模企業共済は「廃業時の退職金」「事業継続用の借入枠」として捉え、iDeCoは「老後の年金上乗せ」として割り切る。両方を満額にすると月13万8,000円(年約165万円)の所得控除が取れます。課税所得400万円のフリーランスなら、これだけで年間50万円近い節税になります。

「どちらか1つしか選べない」という場合、私は小規模企業共済を優先することをおすすめします。理由は、「途中解約できる」「貸付制度がある」というフリーランス特有のリスクへの柔軟性です。iDeCoは60歳まで絶対に引き出せない縛りがあるため、廃業や急な資金需要に対応できません。フリーランスは収入が不安定なので、まず流動性を確保できる小規模企業共済から始めて、余裕が出てきたらiDeCoを上積みする、という順番が現実的です。

出口戦略:どう受け取るのが税制上もっとも有利か

加入のときばかりに目が行きがちですが、私が皆さんに強く意識してほしいのは出口戦略です。せっかく長年積み立てても、受け取り方を間違えると税金で大きく目減りします。

共済金の種類

小規模企業共済の受け取り事由は、主に次の4つです。

  • 共済金A:個人事業の廃止、配偶者・子への事業全部譲渡、契約者死亡など
  • 共済金B:65歳以上で180か月以上掛金を払った場合(老齢給付)
  • 準共済金:個人事業を法人成りして加入資格を失った場合など
  • 解約手当金:任意解約、12か月以上の掛金未払いなど

受け取れる金額は、共済金A>共済金B>準共済金>解約手当金の順に有利です。同じ掛金総額でも、廃業(共済金A)で受け取るのと任意解約で受け取るのとでは、20%以上差がつくこともあります。

一括受取と分割受取の使い分け

受け取り方は、一括受取・分割受取・併用の3つから選べます。一括受取は退職所得扱い、分割受取(10年・15年)は公的年金等の雑所得扱いです。

退職所得は次の計算式で課税されます。

(退職所得金額 - 退職所得控除) ÷ 2 × 税率

退職所得控除は、勤続(加入)20年以下なら年40万円、20年超なら年70万円が加算されます。30年加入していれば、控除額は1,500万円です。1,500万円までは非課税で受け取れて、超過分も「÷2」されてから課税されるので、退職所得は税制上ものすごく有利です。

一方、年金として分割で受け取る場合は、毎年の所得に上乗せされるので、他の所得(賃貸収入、株式譲渡所得など)と合算して税率が決まります。受取期間中もある程度の事業所得があるフリーランスなら、一括受取で退職所得控除を最大限活用するのが有利です。

ただし、退職所得控除には「同一年に複数の退職金を受け取ると控除が按分される」「iDeCoと同年受取だと不利になりやすい」といった細かいルールがあります。受取の2〜3年前から税理士に相談しておくことを強くおすすめします。

加入手続きと申し込み方法

小規模企業共済に加入する手続きは、それほど複雑ではありません。私の場合、開業届を出した約1か月後に加入しました。

1. 必要書類を揃える

  • 確定申告書の控え(事業を始めて1年以上経過している場合)
  • 開業届の控え(事業開始から1年未満の場合)
  • 預金口座振替申出書

2. 申込窓口を選ぶ

申し込み窓口は、商工会・商工会議所・中小企業団体中央会・青色申告会・委託金融機関(都市銀行・地方銀行・信用金庫など)です。すでに取引のある銀行で手続きするのが楽です。私はメインバンクで申し込みました。

3. 中小機構に書類提出

書類は窓口を経由して中小機構に送られます。審査が通れば約40日後に共済手帳が届きます。掛金は申込月から口座振替で引き落とされます。

詳しい手続きの最新情報は中小機構の公式サイトで必ず確認してください。

フリーランスとして長期にやっていくなら、リスク管理の全体設計を

ここまで小規模企業共済の活用方法を見てきましたが、フリーランスのリスク管理は1つの制度だけで完結するものではありません。私の経験では、独立して最初の3年が一番大変でした。会社員時代に当たり前だった健康保険・厚生年金・労災・退職金が全部なくなる。これらを自分で代替する設計が必要になります。

健康保険と医療費のリスク

フリーランスの健康保険料は、所得が上がると比例して上がります。自治体によりますが、所得500万円の単身者で年間50万円を超えるケースもあります。具体的な節約策については、フリーランスの国民健康保険料を安くする5つの方法で実務的なテクニックを整理しています。

死亡・高度障害のリスク

会社員時代は団体生命保険で守られていた家族の生活費が、独立後はゼロになります。住宅ローンや教育費が残っている世代は、終身保険や定期保険で穴埋めする必要があります。フリーランスに合った保険の選び方はフリーランスの生命保険・医療保険の選び方|必要な保障と保険料の目安で具体的な保障金額の目安を解説しています。

働けなくなるリスク(所得補償保険)

フリーランスが病気やケガで働けなくなったとき、傷病手当金はありません。会社員なら最大1年6か月もらえる手当が、フリーランスにはゼロ。この穴を埋めるのが所得補償保険です。月々の保険料と補償内容の相場はフリーランスの所得補償保険比較|月額保険料と補償内容で詳しく比較しています。

小規模企業共済はあくまで「廃業時の退職金」「老後の備え」のための制度です。今この瞬間に発生する病気・ケガ・死亡リスクは、別の保険商品でカバーする必要があります。リスクの種類に応じて、適切な制度・商品を組み合わせるのがフリーランスのリスク管理の基本姿勢です。

小規模企業共済を月7万円の上限で20年継続するには、年間84万円・20年で1,680万円の積立余力が必要です。これを実現するには、フリーランスとしての安定収入が前提になります。

ライティング・編集系

私自身がライティングで独立した立場から言うと、案件の供給量と単価のバランスが取りやすい分野です。著述家,記者,編集者の年収・単価相場で職種別の単価相場を確認できますが、企業のオウンドメディア向け記事制作は単価が安定しており、月20〜30万円の継続収入を組み立てやすい。

ソフトウェア開発・エンジニア系

技術職は単価が高く、月70万円以上の案件も珍しくありません。ソフトウェア作成者の年収・単価相場で職種別の相場を確認できますが、月7万円の共済掛金は売上の10%程度にしかならず、無理なく上限まで掛けられる収入水準です。具体的な案件像についてはアプリケーション開発のお仕事を見てください。

AI関連の新領域

近年急速に伸びているのがAI関連の案件です。AIコンサル・業務活用支援のお仕事で扱われる業務活用支援や、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事のクロス領域は、単価が高くフリーランスでも参入余地が大きい分野です。新しい領域ほど競合が少なく、長期的な収入の柱になりやすい傾向があります。

資格でリスクヘッジする発想

フリーランスとして長期的に収入を維持するには、定期的なスキルの更新も欠かせません。事務系ならビジネス文書検定で基礎的な文書スキルを担保し、技術系ならCCNA(シスコ技術者認定)のようなベンダー資格でクライアントへの信頼性を上げる、という発想が有効です。資格は「もしものときに会社員に戻る選択肢」を残す保険でもあります。

私が皆さんに伝えたいのは、小規模企業共済はあくまで「ツール」だということです。月7万円を20年間払い続けるための土台になるのは、フリーランスとしての安定したスキルと収入源です。共済の節税効果を最大化したいなら、まずは安定した案件獲得の仕組みを作ること。そこから逆算して、無理のない掛金からスタートし、徐々に増額していくのが現実的な道筋です。私自身、独立1年目は月3万円から始めて、5年目でようやく上限の月7万円に到達しました。焦らず、自分のペースで積み上げていきましょう。

よくある質問

Q. 小規模企業共済とiDeCo、両方加入してもデメリットはないですか?

基本的にはメリットが上回りますが、注意点は「出口」です。両方を同じ年に「一時金」として受け取ると、退職所得控除の計算上で合算されてしまい、税負担が増える場合があります。受け取り時期を5年以上空けるなどの工夫が必要です。また、どちらも原則として長期間資金が拘束されるため、直近で使う予定のある教育資金や住宅購入資金まで回してしまわないよう注意してください。

Q. 小規模企業共済は途中で掛金の金額を変更できますか?

はい、可能です。月額1,000円から70,000円の範囲内で、500円単位で増額や減額の手続きができます。資金繰りが苦しい時は解約するのではなく、最低額の1,000円に減額して継続することをおすすめします。

Q. 法人成りした場合、小規模企業共済の契約はどうなりますか?

個人事業を廃業して法人成りした場合、新設法人の役員に就任すれば「同一人通算」という手続きをおこなうことで共済契約を引き継ぐことができます。手続きを忘れると任意解約扱いとなり元本割れするリスクがあるため注意が必要です。

Q. 赤字の年も掛金を支払う必要がありますか?

可能です。ただし、赤字の年はすでに所得控除の効果が薄いため、無理して上限まで掛ける必要はありません。掛金の減額申請をして、翌年に備える戦略も有効です。

Q. 小規模企業共済とiDeCoはどちらを優先すべきですか?

まずは小規模企業共済を優先することをおすすめします。理由は、iDeCoが60歳まで引き出せないのに対し、小規模企業共済は廃業時に受け取れる柔軟性があるからです。フリーランスとしての収入が安定してきたら、iDeCoも追加するのが理想的です。

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前田 壮一

この記事を書いた人

前田 壮一

元メーカー管理職・43歳でフリーランス転身

大手電機メーカーで品質管理を20年間担当した後、42歳でフリーランスに転身。中高年のキャリアチェンジや副業の始め方を、自身の経験をもとに発信しています。

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