CCNA取得でフリーランスネットワークエンジニアに|案件単価と需要


この記事のポイント
- ✓CCNA取得後にフリーランスネットワークエンジニアとして活動するための案件情報を解説
- ✓キャリアパスを現役エンジニアが紹介します
「CCNAを取ったけど、フリーランスとしてやっていけるのか?」。ネットワークエンジニアとして5年間会社勤めをした後、フリーランスに転身した私が最初に抱いた不安でした。結果として、CCNAはフリーランスの世界でも十分に通用する資格でした。むしろ、会社員時代よりも収入が上がったのが正直なところです。
ネットワークインフラはあらゆる企業のIT基盤を支えています。現代社会において、インターネットに繋がらない環境はもはや考えられません。クラウドの普及でネットワークの形は物理的なハードウェアから仮想的なソフトウェアへと変わりつつあるものの、パケットが流れ、ルーティングが行われ、セキュリティが確保されるという根本的な仕組みの重要性は変わりません。CCNA(Cisco Certified Network Associate)の知識を持ったフリーランスエンジニアへの需要は、今も非常に安定して存在しています。
フリーランスネットワークエンジニアの市場動向
ネットワークエンジニアのフリーランス市場は、ここ数年で劇的な変化を遂げました。かつてはデータセンターやオフィスにこもってLANケーブルを引き回し、物理的なスイッチやルーターを設定するのが主な仕事でしたが、現在は「物理」と「仮想」の融合が進んでいます。
従来のオンプレミスネットワークの構築・運用に加えて、クラウドネットワーク(AWS VPC、Azure Virtual Network、Google Cloud VPC等)の設計や、拠点間をソフトウェアで制御するSD-WAN(Software-Defined WAN)の案件が急増しています。特に、コロナ禍を経て定着したハイブリッドワーク環境の整備や、境界型防御に頼らない「ゼロトラストセキュリティ」の導入に伴い、ネットワーク設計の見直し案件は引く手あまたの状態です。
CCNAで学ぶルーティング、スイッチング、セキュリティ、自動化の基礎知識は、これらの最新テクノロジーを理解するための「共通言語」です。むしろ、物理ネットワークの基礎をしっかり理解しているエンジニアは、トラブルシューティングの際の原因切り分け能力が非常に高く、クラウド専業の若手エンジニアとの大きな差別化ポイントになっています。
フリーランスエージェント各社の案件を見ると、ネットワークエンジニアの案件数は前年比で120%以上の伸びを見せているカテゴリーもあります。特にDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する中堅以上の企業において、足腰となるインフラを再構築できる人材の不足が深刻化しています。
CCNA保持者の案件単価相場
フリーランスとして独立する際、最も気になるのは「一体いくら稼げるのか」という点でしょう。CCNA保持者の単価相場は、実務経験とスキルの掛け合わせで大きく変動します。
ネットワーク設計・構築(月額50〜80万円)
CCNAに加えて、Cisco機器やJuniper機器などの実務経験が3年以上あれば、ネットワークの設計・構築案件に参画できます。主な内容は、中規模企業のオフィス移転に伴うネットワーク設計、拠点間VPNの構築、無線LAN環境(Wi-Fi 6/6E等)の最適化などです。
月額単価は50〜80万円が相場となります。年収に換算すると600〜960万円程度。さらにCCNP(Cisco Certified Network Professional)まで取得しており、設計から設定までを一貫してリードできる「上流工程」の経験があれば、月額80万円以上を狙うことも十分に可能です。
ネットワーク運用・監視(月額40〜60万円)
既存ネットワークの運用、パッチ適用、監視、障害対応を担う案件です。金融機関や公共機関などの大規模インフラでは、24時間365日の監視体制に組み込まれるケースもありますが、最近では日勤帯のみのリモート運用案件も増えています。
CCNAレベルの知識があれば十分に対応可能で、フリーランスの入門として「まずは確実に稼ぎたい」という方におすすめです。月額単価は40〜60万円程度が目安となります。
@SOHOの年収データベースでは、ネットワークエンジニアの経験年数や職能に応じた、より詳細な年収推移データを公開しています。自分が目指すべき年収レンジを客観的に把握するための強力なツールとなります。 ネットワークエンジニアの年収相場を見る
ネットワークセキュリティ関連(月額60〜100万円)
ファイアウォール(Palo Alto、FortiGateなど)の設定変更や、WAFの導入、侵入検知システム(IDS/IPS)の運用など、セキュリティに特化した案件は高単価になりやすい傾向があります。
CCNAのセキュリティ分野の知識に加え、実務でのセキュリティポリシー策定経験などがあれば、月額60〜100万円の高単価案件も見えてきます。サイバー攻撃が巧妙化する中、ネットワークとセキュリティの両面からインフラをガードできるエンジニアの市場価値は非常に高いです。
クラウドネットワーク設計(月額60〜90万円)
AWSやAzure、Google Cloudといったパブリッククラウド上でのVPC構築、Direct Connect(専用線)接続設定などを行う案件です。いわゆる「クラウドネイティブ」なインフラエンジニアの領域です。
CCNAで培ったIPアドレッシングやサブネッティング、ルーティングの知識に加えて、AWS認定ソリューションアーキテクト(SAA)などのクラウド資格を併せ持つことで、月額60〜90万円の案件をターゲットにできます。
技術支援・コンサルティング(月額70〜120万円)
大規模なネットワーク刷新プロジェクトにおいて、ベンダー選定の基準作りや、全体のアーキテクチャ設計、移行計画の策定を行うポジションです。
単なる「設定作業」ではなく、クライアントの経営課題を技術で解決する視点が求められます。CCNA・CCNPレベルの深い知識に加え、10年以上の実務経験やプロジェクトマネジメント経験が必要ですが、月額単価は70〜120万円とトップクラスになります。
CCNA取得からフリーランスになるまでの道のり
多くのエンジニアが「いつ独立すべきか」に悩みます。私の実体験をベースにした、失敗の少ないステップを紹介します。
正社員時代(1〜3年目):基礎固めと「現場」の理解
まずはネットワークの運用・監視業務からキャリアをスタートするのが一般的です。私はこの時期、深夜のデータセンターでの機器入れ替え作業や、アラートが鳴り響く中での障害切り分けなど、泥臭い経験をたくさん積みました。
入社2年目でCCNAを取得。資格の勉強を通じて「なぜこの設定が必要なのか」という理論が業務と結びつき、エンジニアとしての視界がパッと開けたのを覚えています。この時期の目標は、トラブル発生時に「どのレイヤーで問題が起きているか」を即座に判断できるようになることです。
正社員時代(3〜5年目):設計・構築経験の蓄積
CCNAを取得したら、積極的に構築プロジェクトに手を挙げるべきです。単に言われた通りにコマンドを打つのではなく、パラメータシート(設計書)の作成や、テスト項目の作成を経験しましょう。
私は複数の拠点を結ぶ大規模ネットワークの設計・構築プロジェクトに参画し、数百台の機器の設定変更をミスなく行うための自動化手法なども学びました。この頃、副業として小規模な設定作業などを個人的に請け負い始め、フリーランスへの手応えを掴みました。
フリーランス転身(5年目〜):エージェント活用と直接契約
満を持して退職し、フリーランスに転身。最初はフリーランスエージェントに登録し、自分のスキルに見合った月額55万円の運用案件からスタートしました。
独立して最初の3ヶ月は、会社員時代の給与との違いや、確定申告などの事務作業に戸惑いましたが、慣れてしまえばこれほど自由な働き方はありません。現在は複数のクライアントから直接相談をいただくようになり、設計・構築案件を中心に月額70〜80万円の収入を維持しています。
フリーランスで成功するためのポイント
独立して長く生き残るためには、技術力以外にも重要な要素があります。
実務経験は最低3年がデッドライン
「CCNAさえあれば未経験でもフリーランスになれる」という甘い言葉には注意してください。現場で求められるのは、資格の知識ではなく「トラブルを解決する力」です。
未経験から独立を目指す場合でも、最低3年、できれば設計経験を含む5年の実務経験を積むことを強くおすすめします。
お仕事ガイドでは、ネットワークエンジニアが現場で具体的にどのようなタスクをこなし、どのようなソフトスキル(交渉力やドキュメント作成能力)を求められるかを網羅的に解説しています。独立前の棚卸しに活用してください。 ネットワークエンジニアのお仕事ガイドを見る
「マルチベンダー」対応能力を持つ
Cisco機器だけでなく、Juniper、Fortinet、A10、F5、そして各クラウドベンダーのサービスなど、複数の製品を組み合わせた環境が一般的です。「私はCiscoしか触れません」という姿勢ではなく、ネットワークの理論をベースに、どんな製品でもドキュメントを読みながら設定できる柔軟性が案件獲得の幅を広げます。
常にスキルアップを続ける(学習の自動化)
ネットワーク技術のトレンドは数年で一巡します。最近では「Infrastructure as Code(IaC)」として、AnsibleやTerraformを使ってネットワーク設定をコード化するスキルが非常に重宝されています。
週に5〜10時間は最新技術のキャッチアップに充てる習慣をつけましょう。CCNPやCCIEへのステップアップも、単価アップへの近道となります。
リモートワークと常駐のバランス
ネットワークエンジニアの仕事には、どうしても「現地作業」が必要な場面があります。しかし、設計や設定投入、運用監視はリモートで行えることが増えています。
「週3日リモート、週2日常駐」といったハイブリッドな案件を選ぶことで、ワークライフバランスを保ちながら高単価を維持することが可能です。
具体的な使用ツールとベンダー製品
フリーランスの現場で実際に触れる機会が多いツールを挙げておきます。これらの名前にピンとくる状態にしておくと、面談での評価が上がります。
- ハードウェア/ベンダー: Cisco (Catalyst, Nexus, ISR), Juniper (SRX, EX), Fortinet (FortiGate), Palo Alto Networks (PAシリーズ), F5 (BIG-IP)
- シミュレーター/学習ツール: Cisco Packet Tracer, GNS3, EVE-NG
- 監視/解析: Wireshark, Zabbix, Nagios, SolarWinds, PRTG
- 自動化/コード化: Ansible, Python, Terraform, Netmiko, NAPALM
- ターミナルエミュレータ: Tera Term, PuTTY, iTerm2, SecureCRT
特にPythonを使った「ネットワーク自動化」は、定型作業を10分の1の時間で終わらせることも可能にする魔法のスキルです。フリーランスとして「時給」ではなく「成果」で評価されるようになると、こうした自動化スキルが自分の可処分時間を増やしてくれます。
CCNAと組み合わせたい資格
資格を「掛け合わせる」ことで、市場価値は指数関数的に上がります。
LPIC-1 はネットワークエンジニアにとって必須に近い資格です。Linuxサーバーの操作は、ネットワーク機器のログ保存先(Syslogサーバー)や、監視サーバーの設定で頻繁に使います。ネットワークとLinuxの両方ができるエンジニアは、インフラ全般を任せられるため、非常に重宝されます。
Docker認定資格(DCA) は、近年注目されているコンテナ技術の証明です。コンテナ間の仮想ネットワーク(Docker NetworkやKubernetesのCNI)の設計案件が増えており、コンテナ技術への深い理解はモダンな開発現場で強力な武器になります。
基本情報技術者試験 は、ITの「共通教養」の証明として、特に大手企業やSIer案件で参画条件(入場資格)になることがあります。国家資格を一つ持っておくことは、フリーランスとしての信頼性に繋がります。
クラウド分野へ進出するなら、AWS認定ソリューションアーキテクト(SAA)との組み合わせが最強です。「オンプレミスのCiscoルーターからAWSのVPCまでをVPNで繋ぐ」といったハイブリッド構成の案件は、まさにCCNAとAWSの知識が融合する領域です。
これらの資格取得やスキルアップのための講座受講を検討している方は、国の「教育訓練給付金制度」をぜひチェックしてください。対象講座であれば、受講費用の最大70%(上限56万円)がキャッシュバックされます。 教育訓練給付金の対象講座を探す
ネットワークエンジニアは、ITインフラという巨大なシステムの「血流」を守る専門職です。CCNAはその専門性を証明する最初の、そして最も重要なパスポートです。この一歩を踏み出すことで、フリーランスとしての自由で高収入なキャリアが現実のものとなります。
よくある質問
Q. 30代・40代からのキャリアチェンジは可能ですか?
はい、可能です。インフラエンジニアの世界では、これまでの社会人経験(論理的思考、調整能力)が非常に高く評価されます。技術面はしっかりと学習して補えば、年齢は決して障害にはなりません。
まとめ
AWSインフラエンジニアフリーランスの単価と資格の効果について、様々なお話をしてきました。
2026年の市場において、AWSスキルはあなたの生活を守り、自由な働き方を叶えてくれる強力な「パスポート」になります。平均月単価60万〜80万円という安定した報酬に加え、資格を武器にステップアップしていく道は、努力が正当に評価される、とてもやりがいのある世界です。
完璧を目指す必要はありません。まずは資格のテキストをめくってみる、あるいは@SOHOでどんな案件があるか眺めてみる。そんな小さな一歩から始めてみてください。お子さんがお昼寝しているその静かな時間が、あなたの新しい未来を創る 貴重な一歩になりますように。応援していますよ。
Q. 常駐からリモートへの切り替えは可能ですか?
契約更新のタイミングがチャンスです。それまでの期間で「この人がいなきゃ困る」と思わせる成果を出していれば、「週に2日だけリモートにしたい」といった交渉が通りやすくなります。
Q. 単価交渉をしたら「じゃあ他の人に頼む」と言われませんか?
もしそう言われたなら、あなたの提供している価値が「誰でも代わりが効くレベル」だと思われているか、クライアントが単なる「安さ」しか求めていないかのどちらかです。そのような現場に長くいても未来はありません。早めに[おすすめ] の新規案件を探し始めましょう。
Q. 準委任契約で有給休暇はありますか?
ありません。フリーランスは労働基準法の対象外であるため、「有給」という概念は存在しません。ただし、契約書に「月1日までは欠勤による減額をしない」という特別条項を盛り込む交渉は可能です。
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この記事を書いた人
田中 大輝
クラウドインフラエンジニア
AWS認定ソリューションアーキテクト、CCNA、LPIC-1を保有。SIerからフリーランスに転身し、クラウドインフラの設計・構築を手がけています。IT資格の取得戦略と実務での活かし方を発信中。
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