フリーランスのe-Tax確定申告|スマホで完結する手順を画像付きで解説


この記事のポイント
- ✓フリーランスがe-Taxで確定申告をスマホで完結させる方法を解説
- ✓マイナンバーカードの準備
- ✓確定申告書等作成コーナーの使い方
「税務署に行くのが面倒で、毎年ギリギリになってしまう」
確定申告の時期になると、私のもとにもこんな相談が寄せられます。でも、e-Taxを使えば自宅から、しかもスマホだけで確定申告が完結します。しかも、e-Taxで提出すると青色申告特別控除が55万円から65万円にアップ。税務署に並ぶ時間がゼロになるうえに、節税額まで増える。使わない理由がありません。
私自身、独立1年目は税務署の窓口に朝8時から並んで3時間待ちを経験しました。しかも書類の不備を指摘されて出直しになり、合計2日かかったんです。翌年からe-Taxに切り替えたところ、自宅のソファで30分で完了。もっと早く使えばよかったと本気で後悔しました。
この記事では、フリーランスがe-Taxで確定申告を行う手順を、準備から提出完了まで順番に解説します。
e-Tax確定申告に必要なもの
必須アイテム
- マイナンバーカード: ICチップ付きの実物カード。通知カードでは利用できません。
- スマートフォンまたはパソコン: NFCに対応したスマホ、またはICカードリーダー付きのPC。
- 利用者識別番号: e-Taxの初回利用時に取得が必要。マイナンバーカード方式なら、認証時に自動的に紐付けられるため、実質的に意識する必要はありません。
事前に準備する書類
- 青色申告決算書の数字: 売上高、売上原価、経費の合計額(地代家賃、通信費、消耗品費など)。
- 各種控除証明書: 国民健康保険料、国民年金保険料、生命保険料控除証明書、小規模企業共済掛金控除証明書など。これらは電子データ(XML形式)でダウンロードし、そのまま申告ソフトへ読み込ませることで入力の手間を劇的に削減できます。
- 源泉徴収票: 取引先から報酬を受け取る際に源泉徴収されている場合、その合計額を確認します。
- ふるさと納税の寄附金受領証明書: 最近は「寄附金控除に関する証明書」として電子データ化が可能になっています。
- マイナンバーカードの暗証番号: 署名用電子証明書(英数字6〜16文字)と、利用者証明用(数字4桁)の2種類が必要です。
暗証番号を忘れた場合は、市区町村の窓口で再設定できます。確定申告の直前、特に2月以降は窓口が大混雑し、1時間以上待たされることも珍しくありません。1月中に必ず確認し、必要であれば再設定を済ませておきましょう。
スマホでe-Tax確定申告する手順
ステップ1:マイナポータルアプリをインストール
App StoreまたはGoogle Playから「マイナポータル」アプリをインストールします。このアプリが、確定申告書等作成コーナーとの連携において、マイナンバーカードのICチップを読み取る唯一の架け橋となります。
ステップ2:確定申告書等作成コーナーにアクセス
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」(https://www.keisan.nta.go.jp)にスマホのブラウザからアクセスします。
トップページで以下を選択します。
- 「作成開始」をタップ。
- 提出方法:「e-Tax(マイナンバーカード方式)」を選択。
- 申告書の種類:「所得税」を選択。
ステップ3:マイナンバーカードで認証
スマホの画面に表示される指示に従い、マイナンバーカードをスマホにかざして読み取ります。
読み取りのコツ: iPhoneの場合はカードの上半分にスマホの上部を重ねるように。Androidは機種によって読み取り位置が異なるので、カードの表面の上側をスマホの背面中央あたりにゆっくりスライドさせるとうまくいきます。読み取り中は絶対にカードを動かさないでください。
こういうトラブルは本当に多いです。e-Taxは推奨環境が毎年微妙に変わるため、申告前にOSとブラウザのバージョンを必ず確認してください。Windows 10は2025年10月でサポートが完全に終了しているため、セキュリティリスクの観点からもWindows 11へのアップデートを強くおすすめします。
ステップ4:収入・所得を入力
フリーランスの場合、「事業所得(営業等)」の欄に、あらかじめ作成しておいた青色申告決算書の内容を入力します。
入力する主な項目は以下の通りです。
| 入力項目 | 記入内容 |
|---|---|
| 売上(収入)金額 | 1年間で受け取った報酬総額(税込または税抜) |
| 売上原価 | 仕入れがある場合のみ入力 |
| 経費 | 通信費、消耗品費、地代家賃、旅費交通費など |
| 青色申告特別控除額 | e-Taxなら最大65万円を入力 |
もし入力中に迷ったら、画面上の「入力ガイド」や「ヘルプ」を参照しましょう。特に通信費と家賃を按分(生活費と事業費に分ける)する際は、事業割合が50%を超えると税務署から詳しく聞かれるケースもあるため、根拠となる記録を必ず保存しておいてください。
e-Taxが推奨される決定的な理由
1. 青色申告特別控除の増額
最大のメリットは節税効果です。書面提出では最大55万円の控除ですが、e-Tax(電子申告)または電子帳簿保存を利用することで65万円の控除が受けられます。この10万円の差は、所得税と住民税を合わせると、課税所得が高い人であれば2〜3万円の実質節税になります。
2. 添付書類の省略が可能
以前は領収書や医療費の明細書など、大量の書類を郵送したり持参したりする必要がありました。現在は、e-Taxで提出すれば、ほとんどの添付書類の提出が不要になります。ただし、提示・提出を求められた場合に備えて、5年間は書類を保管しておく義務がある点には注意が必要です。
3. 還付金が早く振り込まれる
確定申告によって税金が戻ってくる「還付申告」の場合、書面提出だと1ヶ月〜1ヶ月半かかることもあります。一方、e-Taxなら早ければ2週間〜3週間で処理が完了し、還付金が指定口座へ振り込まれます。
e-Tax導入に向けたフリーランスの戦略
フリーランスがスムーズに確定申告を終えるためには、普段の業務から「e-Tax前提の環境」を構築しておくことが不可欠です。
クラウド会計ソフトをフル活用する
Excelや手書きの帳簿で管理するのは、今やリスクしかありません。freeeやマネーフォワードクラウドなどの会計ソフトを使えば、銀行口座やクレジットカードと連携し、取引明細を自動で取得できます。
「100%」の効率化を目指すなら、これらのソフトから確定申告データを直接e-Taxへ連携する機能を使いましょう。そうすれば、申告書を作成コーナーでイチから入力する作業すら不要になります。
e-Tax確定申告で起こりやすいトラブルと回避策
スマホでの申告は便利な反面、毎年同じような場所でつまずくフリーランスが続出します。私が相談を受けてきた中で特に多い4つのトラブルと、その回避策を具体的にお伝えします。
トラブル1:マイナンバーカードの読み取りが何度も失敗する
最も相談が多いのが「カードが読み取れない」というケースです。読み取りエラーが連続して発生すると、暗証番号のロックがかかってしまう恐れもあります。署名用電子証明書の暗証番号は5回連続で間違えるとロックされ、市区町村窓口での再設定が必要になります。
回避策は3つあります。まず、スマホケースを必ず外してから読み取ること。手帳型ケースに磁気カードを入れている場合、ICチップの読み取りを阻害します。次に、机の上など水平で安定した場所に置いて、カードとスマホを密着させたまま3〜5秒動かさないこと。最後に、ワイヤレス充電器の上では絶対に行わないこと。電磁波の干渉でほぼ確実に失敗します。
トラブル2:申告期限直前のサーバーダウン
国税庁のe-Taxシステムは、毎年確定申告期限(3月15日)の直前1週間に極端にアクセスが集中します。実際、2024年3月期にはシステム障害が発生し、申告期限が延長される事態となりました。
e-Taxの利用が集中する確定申告期間中(特に2月から3月)は、システム障害等により、e-Taxをご利用いただけなくなる場合がございます。余裕をもったe-Taxのご利用をお願いいたします。 出典: www.e-tax.nta.go.jp
フリーランスは年明けから帳簿締めに入り、遅くとも2月中旬までに送信を完了させる計画を立てましょう。期限ギリギリの送信は、災害時にも対応できない致命的なリスクを抱えることになります。
トラブル3:データの一時保存を忘れて入力が消える
確定申告書等作成コーナーは、一定時間操作がないとセッションが切れます。スマホで入力中に電話がかかってきたり、別のアプリに切り替えたりした隙に、入力データが全て消えるケースが頻発しています。
各画面の下部にある「入力データを一時保存する」ボタンを、面倒でも区切りごとに必ず押すこと。保存したデータ(拡張子.data)はスマホのファイルアプリ内に保管され、後日「保存データを利用して作成」から再開できます。
フリーランスがe-Tax申告前に整えるべき帳簿管理術
スマホでスムーズに申告するためには、申告画面に入る前の「下準備」が9割です。1月から3月にかけて慌てないために、年間を通じて整えるべきポイントをまとめます。
経費の証憑は電子保存に統一する
2024年1月から電子帳簿保存法の宥恕措置が完全終了し、電子取引データは電子のまま保存することが義務化されました。Amazonの領収書、メール添付の請求書、クラウドサービスの利用明細などをプリントアウトして紙で保管する運用は、法的にNGになっています。
電子取引を行った場合には、当該電子取引の取引情報を電磁的記録により保存しなければならないこととされており、令和6年1月1日以後行う電子取引の取引情報については、その電磁的記録を一定の要件の下保存することが必要となります。 出典: www.nta.go.jp
具体的には、ファイル名に「日付_取引先_金額」を含めて検索できるようにし、改ざん防止のためタイムスタンプ付きのクラウドストレージに保管します。月末に30分だけでも振り返って整理する習慣をつければ、年度末に泣くことはありません。
口座とカードは事業用と私用を完全分離する
私が独立支援で必ず最初に指導するのが、事業専用の銀行口座とクレジットカードを作ることです。生活費と事業費が同じ口座で混在していると、後から仕訳をするときに「これは事業?私用?」を1件ずつ判断する作業で、軽く10時間以上を浪費します。
事業用口座を持つメリットは、会計ソフトとAPI連携した瞬間に、ほぼ全ての取引が自動仕訳されることです。仕訳作業時間を月2時間以内に抑えられれば、本業の時間を圧迫せず青色申告のメリットを享受できます。
売上計上は「発生主義」で月次ロックする
フリーランスがやりがちな失敗が、入金された月で売上を計上してしまう「現金主義」での記帳です。青色申告(65万円控除)の前提は発生主義での記帳であり、納品月や請求書発行月で売上を立てる必要があります。
毎月末に当月分の請求書を全て発行し、会計ソフトに売掛金として計上、入金時に消し込む。このサイクルを徹底すれば、決算月の12月31日時点での売掛金残高が正確になり、税務調査が入っても堂々と説明できます。
e-Tax提出後にやるべき重要なアフターフォロー
「送信完了」の画面が出たら確定申告は終わり、と思っていませんか。実は、ここからのアフターフォローを怠ると、後から追徴課税や還付金トラブルに発展することがあります。
受信通知と申告データを必ず保存する
送信が完了すると、メッセージボックスに「受信通知」が届きます。これは申告書が国税庁に正しく到達したことを証明する唯一の書類です。受信通知のPDFと、送信した申告書データ(XMLファイル)の両方を、クラウドストレージにバックアップしておきましょう。
特に住宅ローンを組む際や、保育園の入園手続きで所得証明が必要なとき、この受信通知が「確定申告済みの証明」として活用できます。7年間は確実に保管する運用にしてください。
振替納税の口座残高を3月末までに確認
所得税の納付期限は3月15日ですが、振替納税を選択した場合の口座引落日は例年4月20日前後です。残高不足で引き落としができないと、延滞税(年利最大8.7%)が発生します。
国税を法定納期限までに完納しないときは、原則として法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が自動的に課されます。 出典: www.nta.go.jp
引落日の前週には必ず通帳記入またはネットバンキングで残高を確認し、納税額分を確保しておきましょう。
よくある質問
Q. スマホで決算書まで作れる?
はい、可能です。国税庁のサイトには「青色申告決算書作成コーナー」も併設されています。スマホの小さな画面で入力するのが大変な場合は、パソコンで決算書を作成し、最後にスマホのマイナンバーカードで署名(認証)して送信するという合わせ技も有効です。
Q. 利益が 20万円 以下なら確定申告は不要ですよね?
所得税の確定申告については、会社員で副業の雑所得が20万円以下であれば不要というルールがあります。しかし、 「住民税」にはその20万円ルールの特例はありません。 利益が 1円 でもあれば、お住まいの市区町村役場へ住民税の申告を行う法的義務があります。これを怠ると、後に発覚して無申告加算税の対象となります。
Q. フリーランスの副業で確定申告が必要になる基準は?
副業による所得(売上から経費を差し引いた金額)が年間20万円を超えた場合に、所得税の確定申告が必要となります。ただし、20万円以下であっても市区町村への住民税の申告は必要です。
Q. 税務調査が来やすいフリーランスの特徴はありますか?
売上が急激に伸びている、経費の割合が同業他社と比べて極端に高い、毎年赤字申告を繰り返している、といった事業者は、AIによるスクリーニングで異常値として抽出されやすく、調査対象になりやすい傾向があります。
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この記事を書いた人
織田 莉子
FP2級・フリーランス経理サポーター
会計事務所で10年間の実務経験を経て独立。フリーランスの確定申告・節税・資金管理を専門に、お金にまつわる記事を執筆しています。
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