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FP1級の資格|受験の条件と取ったあとの仕事

@SOHO編集部
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FP1級の資格|受験の条件と取ったあとの仕事

この記事のポイント

  • ✓FP1級は国家資格である1級ファイナンシャル・プランニング技能検定の最上位です
  • ✓学科と実技の試験の中身
  • ✓取ったあとの仕事と名乗り方の決まりまでを

FP1級は、国家資格であるファイナンシャル・プランニング技能検定の最上位の等級です。FP2級に合格して次の目標を考えている人、金融機関や保険の仕事で評価を上げたい人、独立して相談や執筆の仕事をしたい人が、FP1級の国家資格を調べ始めます。ただ、FP1級は受験の条件があり、誰でもすぐに受けられる試験ではありません。

この記事では、FP1級の資格について、受験の条件、学科試験と実技試験の中身、かかる費用、CFPとの違い、取ったあとの仕事と名乗り方の決まりを、実施機関である金融財政事情研究会と日本FP協会の公式の案内に沿って整理します。自分が今の時点で受けられるのか、受けるなら何から始めればよいのかが分かるように書きました。

FP1級は国家資格の「技能検定」の最上位

FP1級の正式な名前は「1級ファイナンシャル・プランニング技能検定」で、合格すると「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」と名乗れます。技能検定とは、働く人の技能の程度を国が定めた基準で測る制度のことで、職業能力開発促進法という法律にもとづいて行われています。FPの技能検定は、厚生労働大臣から指定を受けた2つの団体が実施しています。

  • 一般社団法人 金融財政事情研究会(略して「きんざい」と呼ばれることが多い)
  • NPO法人 日本FP協会

日本FP協会は、自らの案内で次のように説明しています。

ファイナンシャル・プランニング技能検定(以下、FP技能検定)は、厚生労働大臣より職業能力開発促進法第47条1項の規定に基づき指定試験機関の指定を受けて、日本FP協会が実施する国家検定です。 出典: jafp.or.jp

FP技能検定には1級、2級、3級があり、どの級も学科試験と実技試験に分かれています。1級の学科試験はきんざいが実施し、実技試験はきんざいと日本FP協会がそれぞれ別の科目で実施しています。きんざいの実技試験は「資産相談業務」、日本FP協会の実技試験は「資産設計提案業務」という科目名です。

学科試験と実技試験の両方に合格すると、合格証書が交付され、1級ファイナンシャル・プランニング技能士となります。どちらか一方だけに合格した場合は「一部合格」となり、合格した試験の試験日が属する年度の翌々年度末まで、その試験が免除されます。たとえば2026年度に学科試験に合格した場合、2029年3月31日までに行われる実技試験であれば、学科試験を受け直さずに受検できます。

2級・3級との違い

2級と3級は、通年でCBT方式(試験会場のパソコンで解答する方式)により実施されています。一方、1級の学科試験は、年3回の紙方式(マークシートと記述式の筆記試験)です。1級の実技試験は、学科試験に合格したあとに受ける面接形式の口頭試問です。

この違いは、勉強の計画に直接影響します。2級までは自分の都合のよい日を選んで受けられましたが、1級の学科試験は決められた試験日に向けて準備する必要があります。申込みの受付期間も決まっているため、受けたい回の受付期間を先に確かめてから勉強を始めてください。

FP1級の受験の条件

FP1級の学科試験は、次のいずれかに当てはまる人しか受けられません。きんざいの受検資格のページに書かれている条件を整理すると、次のとおりです。

条件 内容
2級合格+実務経験 2級技能検定の合格者で、FP業務に関し1年以上の実務経験がある
実務経験のみ FP業務に関し5年以上の実務経験がある
金融渉外技能審査+実務経験 厚生労働省認定金融渉外技能審査2級の合格者で、1年以上の実務経験がある

2級合格の前後どちらの実務経験でも数えられる、とされています。つまり、2級に合格したばかりの人でも、それ以前に1年以上の実務経験があれば、すぐに1級の学科試験を受けられます。

実技試験(きんざいの資産相談業務)を受けられるのは、1級の学科試験の合格者、日本FP協会のCFP認定者、CFP資格審査試験の合格者などです。2026年度に実施する実技試験を受けられるのは、2024年度以降の学科試験の合格者と案内されています。

「FP業務の実務経験」に当てはまる仕事

受験の条件にある「FP業務に関する実務経験」とは、どのような仕事を指すのでしょうか。きんざいは、資産の設計・運用・管理と、それにかかわる相談業務やコンサルティング業務に携わった経験と説明しています。ここでいう資産には、預金や株式などの金融資産だけでなく、土地や建物などの不動産も含まれます。

きんざいの案内では、次のような人の多くは、おおむね実務経験があると言える、という具体例が挙げられています。

  • 銀行、保険会社、証券会社、クレジット会社などの金融機関に勤めている人
  • 保険会社の代理店の職員
  • 税理士、社会保険労務士、宅地建物取引士などの士業で、顧客の資産にかかわる業務をしている人
  • 会計事務所の職員
  • 不動産会社や建設会社で、土地建物の取引や相談の業務をしている人
  • 一般の会社や官公庁で、福利厚生や金融・財務・経理を担当している人

実務経験の申請は自己申告で、第三者の証明は求められていません。ただし、偽りや不正が見つかった場合は、試験の中止や合格の取消しになることがあると明記されています。自分の仕事が当てはまるかどうか迷う場合は、実施機関に問い合わせてから申し込むのが確実です。

実務経験がない人の進み方

実務経験がない人は、FP1級の学科試験をすぐには受けられません。まず2級に合格し、そのうえで実務経験を1年以上積むか、実務経験5年以上の条件を満たすまで待つことになります。

2級の受験の条件には、3級の合格のほかに、日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了することも含まれています。資格の学校は、この関係を次のように紹介しています。

ちなみに、2級FP技能検定の受検資格の中には、「AFP認定研修の受講」が含まれます。その研修を修了すれば、3級資格や実務経験がなくとも2級FP技能検定が受検できるため、最短ルートでの取得を目指す方にとって最適の方法といえます。 出典: studying.jp

実務経験がまだない人は、2級とAFPを取ってから、FPの知識を使う仕事に就いて経験を積む、という順番になります。金融機関や保険代理店に転職する、会計事務所で働く、会社の経理や福利厚生の担当になるなど、実務経験を得られる働き方を考えておくと、1級までの道筋が見えやすくなります。

学科試験の中身と日程

1級の学科試験は、基礎編と応用編の2つに分かれ、同じ日に行われます。きんざいの試験要綱に書かれている内容は、次のとおりです。

区分 試験時間 出題形式 問題数
基礎編 10:00〜12:30(150分) マークシート方式の四答択一 50問
応用編 13:30〜16:00(150分) 記述式の事例問題 5題

合格の基準は、200点満点で120点以上です。基礎編は幅広い分野の知識を4つの選択肢から選ぶ問題、応用編は顧客の事例を読んで税額や年金額、相続の計算などを記述する問題です。応用編は計算の過程を正確にたどれるかが問われるため、2級までの勉強のように選択肢を見て答えを選ぶ方法では対応しにくくなります。

受検手数料は8,900円(非課税)です。支払いはコンビニ・銀行ATM(Pay-easy)かクレジットカードで、決済手数料は別に負担します。受検地は全国58地域から選べますが、試験会場は選んだ受検地の中で自動的に割り振られ、会場を指定することはできません。

2026年度の試験日

きんざいが公表している2026年度の学科試験の日程は、次のとおりです。

  • 2026年5月24日(日)実施
  • 2026年9月13日(日)実施
  • 2027年1月24日(日)実施(受検申請の受付は2026年10月28日〜12月1日、合格発表の予定は2027年3月5日)

これから学科試験を目指す人にとって、最も近い回は2027年1月の試験です。受付期間を過ぎると申し込めないため、受付の開始日をカレンダーに登録しておいてください。日程は変更されることがあるため、申し込む前にきんざいの日程のページで最新の情報を確かめてください。

法令の基準日に注意する

FPの試験では、税金や社会保険の制度が毎年のように変わります。試験問題は、試験ごとに決められた「法令基準日」の時点の法令にもとづいて出題されます。古い年度の過去問題集や参考書をそのまま使うと、改正前の数字で覚えてしまうことがあります。参考書は受ける回の法令基準日に対応した版を選び、過去問題を解くときは、その後に制度が変わっていないかを確かめながら進めてください。

実技試験の中身:面接形式の口頭試問

きんざいの1級実技試験(資産相談業務)は、面接による口頭試問です。試験要綱には、審査の方法が次のように書かれています。

設例課題に基づく面接により、ファイナンシャル・プランナーに求められる技能を審査します。 面接は、異なる設例課題に基づき、2回行います。 出典: kinzai.or.jp

面接の流れは、設例課題(顧客の状況が書かれた資料)を面接開始の約15分前に受け取り、内容を読み込んでから、複数の審査委員と対面で話すというものです。1回の面接は1人あたり約12分です。配点は1回目と2回目がそれぞれ100点で、合計200点満点のうち120点以上で合格です。

審査では、関連する法律との関係や職業上の倫理をふまえているか、顧客のニーズと問題点をつかめているか、解決策を検討して分析できているか、顧客の立場に立った対応ができているか、といった観点が見られます。知識を正確に話せることに加えて、相談の場面でどう説明するかが問われる試験です。

受検手数料は28,000円(非課税)で、受検地は東京・名古屋・大阪・岡山・福岡の5地域です。各受検日と受検地には定員があり、申込みの状況によっては希望の日程が満席になることがあります。

実技試験の当日に気をつけること

きんざいの実技試験の要綱には、当日の注意も細かく書かれています。受検票は郵送されず、試験日の2週間前をめどにマイページから「受検票兼写真票」をダウンロードし、A4の白い紙に印刷して持参します。顔写真(縦4.5cm×横3.5cm)を貼る必要があり、スマートフォンの画面を見せる形では受検できません。

面接の待機中も含めて、電子機器の使用は禁止されています。待機中に見直しをしたい場合は、紙の参考書を使います。服装は、試験の性格上、華美またはラフにならないようにと案内されています。集合時間に遅れると受検できず、公共交通機関の遅れであっても救済はないとされているため、会場までの経路と時間は前日までに確かめておいてください。

学科試験でも、試験会場は選んだ受検地の中で自動的に割り振られ、会場の確保が難しいために都府県の境をまたいだ周辺の都市になることがあると案内されています。会場が想定より遠いことを理由にした変更やキャンセルはできないため、受検票が出たらすぐに会場の場所を確かめてください。

日本FP協会の1級実技試験(資産設計提案業務)は、受験の条件や試験の形式がきんざいの実技試験と異なります。日本FP協会の試験要綱で、受けられる条件と日程を確かめてください。

FP1級が向いている人と、先に別の道を考えたい人

FP1級は、受験の条件を満たすまでにも、合格するまでにも時間がかかる資格です。取り組む前に、自分の目的に合っているかを考えておくと、途中で迷いにくくなります。

向いている人

  • 金融機関、保険会社、保険代理店、不動産会社などで、すでに顧客の資産の相談を受けている人
  • 2級までの知識では答えきれない、相続、事業承継、不動産の有効活用などの相談が増えてきた人
  • 独立して相談や執筆の仕事をするときに、専門性を示す根拠がほしい人
  • 勤め先で資格手当や昇格の条件に1級が含まれている人

こうした人にとって、FP1級は今の仕事の質を上げる資格になります。学科試験の応用編で鍛えられる計算の力や、実技試験の面接で鍛えられる説明の力は、そのまま日々の相談に使えます。

先に別の道を考えたい人

  • お金の知識を自分の家計に生かしたいだけの人
  • 実務経験がなく、近いうちにFP業務に就く予定もない人
  • 試験の勉強に使える時間が、週に数時間しか取れない状態が続く人

自分の家計の見直しが目的なら、2級までの知識で十分に役立ちます。実務経験がない人は、1級の勉強を始める前に、実務経験を得られる仕事に就くことを先に考えたほうが、結果として1級への近道になります。勉強の時間が取れない時期は、2級やAFPの知識を仕事で使いながら、受けられる状態になるのを待つという選択もあります。

2027年1月の学科試験に向けた計画の例

これから勉強を始めて、2027年1月24日の学科試験を目指す場合の計画の例を示します。受検申請の受付は2026年10月28日から12月1日までなので、まずは申込みを済ませ、試験日から逆算して進めます。

  1. 申込みと教材の準備(受付期間の早いうち):試験の法令基準日に対応した版のテキストと過去問題集を用意する
  2. 基礎編の総ざらい(最初の1か月):6分野の過去問題を一通り解き、苦手な分野を洗い出す
  3. 応用編の計算の練習(次の1か月):年金、所得税、不動産、相続税の計算を、白紙から手を動かして解く
  4. 過去問題の通し演習(試験の前の数週間):本番と同じ150分ずつで、基礎編と応用編を続けて解く

この計画は、すでに2級に合格していて、基本の論点を覚えている人を前提にしています。2級の合格から時間がたっている人や、得意な分野に偏りがある人は、1か月目の前に2級の総復習の期間を入れてください。学科試験の勉強時間は人によって大きく違うため、資格の学校が示す時間の目安は参考にとどめ、自分の過去問題の正答率で進み具合を判断するのが確実です。

学科試験に合格したら、実技試験の申込みの時期を確かめます。一部合格は翌々年度末まで有効なので、学科試験の合格後すぐに実技試験を受けなくてもかまいませんが、知識が新しいうちに受けるほうが準備の負担は軽くなります。

FP1級を取るまでにかかる費用

FP1級に合格するまでに必要な費用は、受検手数料と教材費が中心です。

項目 金額
学科試験の受検手数料 8,900円(非課税)
実技試験(きんざい・資産相談業務)の受検手数料 28,000円(非課税)
決済手数料 支払い方法ごとに別途
教材費・講座費 選ぶ教材によって大きく変わる

学科と実技に1回ずつで合格した場合、受検手数料の合計は36,900円です。決済後にキャンセルすると、キャンセル手数料として330円(税込)がかかります。試験を欠席した場合、受検手数料は返金されず、次の回に回すこともできません。

教材は、市販のテキストと過去問題集で独学する人もいれば、資格の学校の講座を使う人もいます。応用編の記述問題と実技の面接は、独学では対策しにくい部分なので、ここだけ講座や模擬面接を使うという方法もあります。

教育訓練給付制度の対象になる講座

会社員などで雇用保険に加入している人や、以前加入していた人は、厚生労働大臣が指定した講座を受けると、受講料の一部が支給される教育訓練給付制度を使える場合があります。FPの講座の中にも指定を受けているものがあります。使えるかどうかは、加入期間などの条件で変わるため、講座を申し込む前にハローワークで確かめてください。

CFP・AFPとの違い

FPの資格には、国家資格であるFP技能士のほかに、日本FP協会が認定する民間資格のAFPとCFPがあります。AFPは2級と同じくらいの水準、CFPは1級と同じくらいの水準とされ、国際的に通用する資格として知られています。

国家資格と民間資格のどちらが上ということではなく、性格が違います。FP技能士は合格すれば資格が続き、更新の手続きはありません。一方、AFPとCFPは日本FP協会の会員として登録し、継続教育を受けて一定期間ごとに資格を更新する仕組みです。資格の学校は、この違いを次のように説明しています。

反対に、AFPは民間資格ですが、2級FP技能士検定合格に加え、認定研修の修了が必要な資格です。「合格したら学習終了」ではなく、継続教育と資格更新が義務付けられているため、AFP認定者は定期的に知識をブラッシュアップしているとして、保険会社や銀行、不動産会社、投資顧問会社などで有能な人材として認められる可能性も大です。 出典: studying.jp

CFPの資格を持っている人は、きんざいの1級実技試験の受験の条件を満たします。そのため、CFPを先に取り、そのあとで1級の実技試験を受けて1級技能士になるという道もあります。どちらの順番が自分に合うかは、勤め先がどちらの資格を評価しているか、継続教育の費用と時間をかけられるかで考えるとよいでしょう。

FP1級を取ったあとの仕事

勤め先での評価

FP1級が最も評価されやすいのは、銀行、証券会社、保険会社、保険代理店、不動産会社など、顧客の資産の相談を受ける仕事です。資格手当の対象にしている会社や、昇格の条件に含めている会社もあります。資格そのものが仕事を約束するものではありませんが、相続、事業承継、不動産、税金まで幅広く説明できることを示す材料になります。

社内での評価を確かめるときは、人事の制度の資料や資格手当の一覧を見て、対象が「FP1級技能士」なのか「CFP」なのか、両方なのかを確かめてください。会社によっては、どちらか一方だけを手当の対象にしていることがあります。勤め先が評価する資格から先に取るほうが、勉強の時間と費用に見合う効果を得やすくなります。転職を考えている場合も、応募先の求人票で求められている資格名を確かめておくと、取る順番を決めやすくなります。

独立したFPとしての相談・講師・執筆

独立して働くFPの仕事には、個人の家計や保険の見直しの相談、企業や自治体のセミナー講師、お金に関する記事の執筆や監修などがあります。特に記事の執筆と監修は、在宅で受けやすい仕事です。金融や保険の記事は、誤った情報が読者の損失につながるため、専門資格を持つ人の監修を求める依頼が多くあります。

記事の執筆を仕事にするなら、FPの知識だけでなく、Webライターとしての実績の見せ方も必要です。Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】では、実績の少ない段階からポートフォリオを作る手順が紹介されています。FP1級の資格を、専門分野の記事を書ける根拠としてどう見せるかを考えるときに役立ちます。また、Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】では、専門性を生かして単価を上げていく進め方がまとめられています。

在宅で受けやすい仕事の具体的な形

独立したFPや副業のFPが在宅で受けやすい仕事には、次のような形があります。

  • お金に関する記事の監修:書かれた記事の制度の説明や数字に誤りがないかを確かめ、監修者として名前を載せる
  • 記事の執筆:保険、年金、税金、住宅ローンなどの解説記事を、自分で調べて書く
  • オンラインの家計相談:ビデオ通話で家計の現状を聞き、保険や貯蓄の考え方を整理する
  • セミナーの資料作り:企業や自治体のセミナーで使うスライドや配布資料を作る

監修の仕事では、制度の数字が最新かどうかを一次資料で確かめる作業が中心になります。年金額、保険料、税率などは毎年のように変わるため、記事に書かれた数字の出典をたどり、公式のページと照らし合わせる力が求められます。1級の勉強で身につけた、法令基準日を意識して数字を確かめる習慣は、この仕事でそのまま役立ちます。

オンラインの家計相談では、このあと説明する税理士業務や投資助言との線引きを、相談の最初に伝えておくことが大切です。「個別の税額の計算は税理士に、具体的な商品の売買の判断はご自身で」と説明しておけば、相談者との行き違いを防げます。

ほかの資格との組み合わせ

FP1級は、ほかの資格と組み合わせることで、得意な分野をはっきり示しやすくなります。不動産の相談が多い人は宅地建物取引士、社会保険の相談が多い人は社会保険労務士、会社の経理にかかわる人は簿記というように、自分の仕事の中心に近い資格を選ぶと、相談を受けられる範囲が広がります。

ただし、資格を増やすこと自体が目的になると、勉強に時間を取られて実務の経験が積めなくなります。今の仕事で最も多く受ける相談は何かを書き出し、その相談に答えるために足りない知識を補う資格を一つずつ選ぶ順番が、無理のない進め方です。

できないこと:税理士や投資助言の業務との線引き

FP1級に合格しても、すべてのお金の相談を自由に受けられるわけではありません。たとえば、税理士法では、税理士または税理士法人でない人が税理士業務を行ってはならないと定めています。税理士業務には、他人の求めに応じて行う税務代理、税務書類の作成、税務相談が含まれます。FPが顧客の確定申告書を作ったり、個別の税額を計算して答えたりすることは、報酬の有無を問わず、この線に触れるおそれがあります。

同じように、特定の株式や投資信託の売買を勧めて報酬を受け取る場合は、金融商品取引法の登録が必要になることがあります。法律の個別の判断が必要な相談は、弁護士の業務です。FPとして相談を受けるときは、一般的な制度の説明や家計全体の考え方の整理にとどめ、個別の判断は税理士や弁護士につなぐという線引きを意識してください。どこまでが許されるかは事情によって変わるため、迷うときは各専門家の団体や窓口に確かめてください。

名刺や肩書きに書くときの決まり

FP1級に合格すると、名刺やプロフィールに資格を書きたくなります。ただし、技能士の名乗り方には法律の決まりがあります。きんざいの案内では、次のように説明されています。

厚生労働省による指導に基づき、名刺に技能士の資格を表示する場合は、「等級」「正式職種名」「技能士」の順で表示することとされています。 出典: kinzai.or.jp

標準的な書き方は「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」です。「1級FP技能士」や「ファイナンシャル・プランニング技能士(1級)」のように、正式な職種名を略したり、等級の位置を変えたりする書き方は、不可の例として挙げられています。職業能力開発促進法では、技能士でない人が技能士と名乗ることを禁じており、違反には罰金の定めもあります。名刺を作る前に、案内の例と照らし合わせて確かめてください。

勉強の進め方:学科と実技を分けて考える

FP1級の勉強は、学科試験と実技試験で求められる力が違うため、分けて計画を立てます。

学科試験の基礎編

基礎編は、ライフプランニング、リスク管理、金融資産運用、タックスプランニング、不動産、相続・事業承継の6分野から幅広く出題されます。2級と同じ分野ですが、細かい論点まで問われます。過去問題をくり返し解き、間違えた問題の論点をテキストで確かめるという流れが基本です。

学科試験の応用編

応用編は記述式で、計算の過程が正確でないと点数になりません。年金額、所得税と住民税、不動産の評価、相続税などの計算を、白紙から手を動かして解く練習が必要です。最初は時間がかかっても、計算の手順を自分の言葉で書き出せるようになるまでくり返すと、本番で焦らずに解けます。

実技試験の面接

面接では、知っていることを顧客に分かる言葉で説明する力が問われます。設例課題を15分で読み込み、論点を整理して話す練習を、家族や勉強仲間を相手に何度か行っておくと効果的です。専門用語を使うときは、その場で一言で言い換える習慣をつけておくと、面接でも実際の相談でも伝わりやすくなります。

文章で分かりやすく伝える力は、面接の準備にも、独立後の提案書や記事の執筆にも役立ちます。ビジネス文書検定のページでは、相手に正しく伝わる文書を書く力を測る検定の内容が紹介されています。FP1級の勉強と並行して、説明の組み立て方を身につける材料にしてください。

資格を仕事につなげている人に共通すること

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた編集部が見てきた限り、FPの資格を仕事につなげている人は、資格名よりも「何の相談に強いか」をはっきり示しています。相続と不動産に強い、子育て世帯の家計に強い、個人事業主の社会保険に強い、というように分野を絞ると、記事の監修やセミナーの依頼を受けやすくなります。FP1級は幅広い分野を学ぶ資格ですが、仕事として選ばれるときには、その中のどこを得意とするかが問われます。

もう一つの共通点は、制度が変わったときにすぐ情報を更新していることです。年金、税金、社会保険の数字は毎年のように変わります。資格を取ったあとも、試験の勉強と同じ姿勢で一次資料を読み続ける人ほど、継続して依頼を受けています。仲介の手数料がかからない直接の取引で、専門性を評価してくれる相手と長く仕事を続けている人も少なくありません。

FP1級の資格を取るまでには時間がかかりますが、受験の条件を確かめ、学科と実技の準備を分けて計画すれば、道筋ははっきりしています。まずは自分が受験の条件を満たしているか、次の試験の受付期間がいつかを確かめるところから始めてください。資格を生かした文章の仕事に関心がある人は、ビジネス文書検定のように、伝える力を示せる資格を組み合わせることも検討してみてください。

よくある質問

Q. FP1級は国家資格ですか?

国家資格です。FP1級の正式な名前は1級ファイナンシャル・プランニング技能検定で、職業能力開発促進法にもとづく技能検定として、金融財政事情研究会と日本FP協会が厚生労働大臣の指定を受けて実施しています。学科試験と実技試験の両方に合格すると、1級ファイナンシャル・プランニング技能士と名乗れます。日本FP協会のCFPは民間資格で、FP1級とは別の資格です。

Q. FP2級に合格したばかりでもFP1級を受けられますか?

2級に合格していても、FP業務に関する1年以上の実務経験がなければ1級の学科試験は受けられません。実務経験は2級合格の前後どちらでも数えられるため、合格前から金融機関や保険代理店などで働いていた人はすぐに受けられる場合があります。ほかに、5年以上の実務経験だけで受ける道もあります。当てはまるか迷うときは実施機関に確かめてください。

Q. FP1級の受検手数料はいくらですか?

きんざいの案内では、学科試験が8,900円、実技試験(資産相談業務)が28,000円で、どちらも非課税です。1回ずつで合格した場合の合計は36,900円で、別に決済手数料がかかります。決済後のキャンセルには330円のキャンセル手数料がかかり、欠席した場合は返金も次回への振替もありません。金額は変わることがあるため、申し込む前に公式の案内で確かめてください。

Q. FP1級を取ると税金の相談を受けられますか?

FP1級に合格しても、税理士の業務を行えるわけではありません。税理士法では、税理士でない人が他人の求めに応じて税務代理、税務書類の作成、税務相談を行うことを禁じています。FPとしては、制度の一般的な説明や家計全体の整理にとどめ、個別の税額の計算や申告書の作成は税理士につなぐのが基本です。どこまでが許されるかは事情で変わるため、迷うときは専門家に確かめてください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月27日最終更新:2026年10月22日
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SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方