ファイナンシャルプランナーの副業は未経験から入れるか|最初の仕事の取り方


この記事のポイント
- ✓ファイナンシャルプランナーの副業に未経験から入れるかを
- ✓FP技能検定の受検資格
- ✓未経験から受けやすい仕事
ファイナンシャルプランナー(FP)の勉強を始めた、あるいは3級や2級に受かったものの、金融機関で働いた経験がない。そんな人が副業でFPの知識を生かせるかというと、答えは「入れる仕事はある。ただし最初は相談よりも、書く・伝える・手伝う仕事から入るのが現実的」です。家計の相談を個人から受ける仕事は、実務の経験と信頼がないと依頼が来にくく、しかもFPの資格だけでは扱えない業務の線引きを知らないと、思わぬ法律違反につながります。
この記事では、ファイナンシャルプランナーの副業に未経験から入る道を、資格の取り方、未経験から受けやすい仕事、FPだけではできない業務、最初の仕事の取り方の順に整理します。読み終えたときに、来月から何に手をつければよいかが分かる内容にしています。
FPの副業に「未経験」から入れる理由と、入りにくい理由
FPの副業が未経験から始めやすいと言われるのは、資格を取るために金融機関での実務経験が要らないからです。一方で、仕事を受ける段階では、経験の有無がはっきり差になります。
3級は、実務経験がなくても受けられる
FPの国家資格は、ファイナンシャル・プランニング技能検定(FP技能検定)です。合格すると「FP技能士」を名乗れます。実施団体の日本FP協会の試験要綱では、3級の受検資格は次のように書かれています。
FP業務に従事している者または従事しようとしている者(FP業務とは、資産の設計・運用・管理およびこれらに係わる相談業務、コンサルティング業務をいいます) 出典: 日本FP協会 2級・3級FP技能検定試験要綱
「従事しようとしている者」が含まれているので、金融機関で働いた経験がなくても3級を受けられます。2級は、3級の合格者、FP業務の実務経験が2年以上ある人、日本FP協会のAFP認定研修を修了した人などが受けられます。2級・3級は学科も実技も、原則としてCBT方式(全国のテストセンターでパソコンを使って受ける方式)で実施されていて、空いている日時を選んで受けられます。
仕事を受ける段階では、経験が問われる
資格は未経験でも取れますが、個人から家計の相談を受ける仕事は、相談者が「この人に家計の中身を見せて大丈夫か」と判断して依頼するものです。資格の名前だけでは、その判断の材料になりにくいのが実情です。
そのため、未経験の人が最初に狙うべきなのは、相談者と1対1で向き合う仕事より、次のような仕事です。
・お金に関する記事を書く仕事
・SNSやブログで、制度やお金の基礎を発信する仕事
・FPの事務所やセミナーの手伝い
・保険代理店や住宅会社でのパートや非常勤
これらの仕事で実績と発信の履歴を作り、そのあとで相談の仕事に広げる。この順番が、未経験から入るときの現実的な道筋です。
FPの資格の段階と、副業で生きる場面
FPの資格には、国家資格のFP技能検定(1級・2級・3級)と、日本FP協会が認定するAFPとCFPがあります。副業で求められる資格の水準は、仕事の種類によって違います。
3級:知識の入口として生きる
3級は、家計、保険、税金、年金、不動産、相続の基礎を一通り学ぶ段階です。副業の場面では、SNSやブログでの発信や、FPの事務所の手伝いで、基礎の知識を持っていることを示す材料になります。3級だけで執筆や監修の依頼を受けるのは難しいことが多いので、3級に合格したら、続けて2級を目指す人が多くいます。
2級:執筆や監修の条件になりやすい
お金に関する記事の執筆や監修の依頼では、「FP2級以上」を条件にしたものがよく見られます。2級は、3級よりも具体的な計算や事例の問題が出るため、記事の中で制度を正しく説明する力の証明として扱われやすいのが理由です。未経験から副業を始めるなら、2級までを最初の目標にすると、受けられる仕事の幅がはっきり広がります。
AFP・CFP:相談の仕事で信頼の材料になる
AFPとCFPは、日本FP協会が認定する資格です。2級に合格し、AFP認定研修を修了するなどの条件を満たすとAFPになれます。どちらも、継続して学ぶことと、一定の期間ごとに資格を更新することが求められます。個人から家計の相談を受ける仕事では、継続して学び、資格を更新していることが、相談者の安心材料になります。
| 資格 | 副業で生きる場面 | 未経験からの目安 |
|---|---|---|
| FP3級 | 発信、事務所の手伝い | 最初に取る資格 |
| FP2級 | 執筆、監修、パートの応募 | 副業の幅が広がる目安 |
| AFP | 相談の仕事、執筆 | 2級と認定研修のあと |
| CFP・FP1級 | 専門性の高い監修、講師 | 実務の経験を積んでから |
副業を始める前に知っておく、FPだけではできない業務
FPの副業で最も気をつけたいのが、FPの資格だけでは行えない業務です。お金の相談は、税金、保険、投資、相続など、それぞれ別の法律で資格や登録が定められている分野にまたがります。知らずに踏み込むと、善意でも法律違反になります。日本FP協会も、FPの法令順守について次のように説明しています。
法令順守に当たっては、FPが多分野にまたがる包括的観点とサービスを提供するという性格から、投資助言・代理業、投資運用業、金融商品仲介業、保険業、税理士業、弁護士業など隣接する専門領域とそれらに関わる各種法令との業際問題に、注意を払うことが必要となっています。 出典: 日本FP協会 FP業務に関連する法令などについて
「業際問題」とは、隣り合う資格の仕事の境目をめぐる問題のことです。ここからは、副業で特に踏み込みやすい4つの境目を整理します。
個別の税金の計算や申告書の作成は、税理士の業務
税理士法は、他人の求めに応じて、税務代理、税務書類の作成、税務相談を行うことを業とするのは税理士の業務と定めています。そのうえで、第52条には次のように書かれています。
税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、税理士業務を行つてはならない。 出典: e-Gov法令検索 税理士法
FPの副業で言えば、「あなたの今年の確定申告書を作ります」「あなたの場合、この経費を入れて税額はいくらになります」といった個別の税務相談は行えません。行えるのは、制度の一般的な仕組みの説明や、仮の数字を使った試算までです。税理士法の第2条は、他人の求めに応じてこれらを行うことを「業とする」と定めていて、報酬を受け取るかどうかを条件にしていません。「お金をもらわないから大丈夫」とは考えないでください。
保険の契約をすすめて結ぶには、募集人の登録が要る
生命保険や損害保険の契約をすすめ、加入の手続きをする仕事は、保険業法で登録を受けた募集人でなければ行えません。保険代理店にパートとして勤め、会社を通じて登録を受ければ、保険の募集に関わることができます。個人の副業として、特定の保険商品の加入をすすめて手数料を受け取ることは、登録なしにはできません。
個別の銘柄の売り買いを助言するには、登録が要る
報酬を受け取って、株式や投資信託などの価値や売り買いの判断について助言する仕事は、金融商品取引法で投資助言・代理業の登録が必要とされています。FPが行えるのは、資産の配分の一般的な考え方や、制度(NISAやiDeCoなど)の仕組みの説明までです。「この銘柄を今買うべき」という助言は、登録のない副業では行えません。
法律の個別の判断は弁護士の業務
相続の争いや、契約のトラブルについての具体的な判断や交渉は、弁護士の業務です。FPが扱えるのは、相続の制度の一般的な仕組みや、遺言の種類の説明までです。
| 分野 | FPが行えること | 行えないこと(資格や登録が要る) |
|---|---|---|
| 税金 | 制度の一般的な説明、仮の数字での試算 | 個別の税額の計算、申告書の作成、税務相談 |
| 保険 | 保障の考え方の説明、必要な保障額の試算 | 特定の商品の募集(募集人の登録が要る) |
| 投資 | 資産配分の考え方、制度の説明 | 報酬を受けて個別の銘柄を助言(登録が要る) |
| 相続 | 制度の一般的な仕組みの説明 | 個別の紛争の判断や交渉 |
この線引きは、FPの仕事の信頼そのものに関わります。相談の中で線を越えそうになったら、税理士や弁護士などの専門家につなぐのがFPの役割です。
未経験から受けやすいFPの副業5つ
ここからは、未経験の人が最初に受けやすいFPの副業を5つ紹介します。
1. お金に関する記事の執筆
金融機関や保険会社、家計管理のサービスを運営する会社は、お金の制度や家計の考え方を解説する記事を必要としています。FPの資格を持つ人が書くことで、記事の正確さと信頼が上がるため、資格を条件にした執筆の依頼もあります。
記事の執筆が副業に向いているのは、時間を選ばずに自宅で作業できるからです。FPの講座を提供する会社も、次のように説明しています。
未経験でも始めやすく、スキマ時間を活用して取り組めることから、YouTube・SNS・ブログなどでの情報発信は副業に向いています。 出典: studying.jp
記事を書くときは、制度の数字を必ず公式の資料で確かめます。税制や社会保険の数字は毎年のように変わり、古い数字のまま書くと、読者に誤った判断をさせてしまいます。文字単価の考え方と、単価を上げていく手順は、Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップで整理されています。
2. 記事の監修
すでに書かれた記事の内容を、FPの立場で確かめる仕事です。制度の数字が正しいか、誤解を招く表現がないか、資格がなければ書けない内容に踏み込んでいないかを点検します。監修では名前が記事に載ることが多いので、実績として示しやすいのが利点です。その分、自分の名前で責任を持つことになるので、確かめきれない内容は監修を引き受けない判断も必要です。
3. SNSやブログでの発信
自分でブログやSNSを運営し、お金の基礎や制度の仕組みを発信する方法です。すぐに収入になるわけではありませんが、発信の履歴そのものが、執筆や相談の依頼を受けるときの実績になります。発信では、個別の銘柄や保険商品をすすめる内容は避け、制度の仕組みや家計の考え方に絞ります。
4. FPの事務所やセミナーの手伝い
独立して活動しているFPの事務所では、相談の予約の受付、資料の作成、セミナーの運営の手伝いを外部の人に頼むことがあります。相談の現場を間近で見られるので、未経験の人が実務の流れを学ぶには良い機会です。手伝いの範囲を超えて、相談者に直接助言しないよう、役割をはっきりさせておきます。
5. 保険代理店や住宅会社でのパート・非常勤
保険代理店、銀行、住宅会社では、FPの資格を持つパートや非常勤を募集することがあります。会社を通じて保険募集人の登録を受ければ、保険の相談に関わることもできます。本業の勤務時間と重ならない土日の勤務を募集している会社もあります。雇われて働く形なので、本業の勤め先の就業規則で副業が認められているかを先に確かめます。
保険代理店や住宅会社のパートに応募するとき
雇われて働く形のFPの副業は、未経験の人が実務の流れを学ぶ近道です。応募の前後に確かめておくことを整理します。
求人票で見ること
・仕事の中身(受付や事務の補助なのか、相談の担当なのか)
・保険の募集に関わる場合、募集人の登録を会社の負担で行うか
・研修の有無と期間
・勤務の曜日と時間、土日の勤務の有無
・成果に応じた報酬の割合(固定の時給か、契約の件数で変わるか)
最後の項目は特に大切です。保険の契約の件数で報酬が大きく変わる仕事は、相談者の利益より契約を優先したくなる場面が出てきます。未経験のうちは、固定の時給の仕事から始め、相談の流れを学ぶことを優先したほうが、結果として長く続きます。
面接で伝えること
面接では、FPの資格の級、得意な分野、本業との兼ね合いで勤務できる曜日と時間を伝えます。本業の勤め先に副業の届出を出していることも伝えると、採用する側の安心につながります。本業が金融機関や保険会社の人は、競合する会社での副業になる可能性があるので、本業の規則で認められているかを、応募の前に確かめておきます。
雇われて働くときの税金と社会保険
パートとして給与を受け取る場合、本業と副業の2か所から給与を受けることになります。年末調整されなかった給与とほかの所得の合計が20万円を超えると、確定申告が必要になる場合があります。週の所定労働時間が20時間以上などの要件を満たすと、副業先でも社会保険に入ることになるので、勤務日数を決めるときに確かめておきます。
未経験から最初の仕事を取るまでの5ステップ
ここでは、未経験の人が最初の仕事を取るまでの流れを5つの手順で整理します。
ステップ1:得意な分野を1つ決める
FPの知識は、家計、保険、住宅ローン、教育資金、年金、相続、税金と幅広くあります。最初から全部を扱おうとすると、どの分野でも浅い発信しかできません。自分の生活や本業に近い分野を1つ選びます。たとえば、子育て中の人なら教育資金、住宅を買ったばかりの人なら住宅ローン、本業が人事の人なら社会保険と年金、という具合です。
ステップ2:その分野で記事を3本書いてみる
選んだ分野で、記事を3本書きます。公開するブログでも、応募のときに見せる見本でもかまいません。3本書くと、自分が説明しやすいところと、調べが足りないところが見えてきます。数字は必ず公式の資料で確かめ、出典を記録しておきます。
ステップ3:執筆の依頼に応募する
見本の記事を添えて、お金に関する記事の執筆の依頼に応募します。最初は、資格の有無を問わない依頼や、文字数の少ない依頼から始めても構いません。納品のあとに修正の依頼が来たら、何を求められたのかを記録し、次の記事に生かします。
ステップ4:発信と実績を一か所にまとめる
書いた記事、監修した記事、発信の履歴を、プロフィールのページなど一か所にまとめます。依頼主が「この人に頼んで大丈夫か」を判断するとき、資格の名前より、実際に書いたものを見ます。
ステップ5:相談の仕事に広げる
執筆や発信で半年ほど実績を積んだら、相談の仕事に広げることを考えます。最初は、FPの事務所の手伝いや、相談のマッチングサービスへの登録から始め、自分で相談者を集めるのはそのあとにします。
依頼主に選ばれるプロフィールと見本記事の作り方
未経験の人が最初の依頼を取るとき、決め手になるのはプロフィールと見本の記事です。資格の名前を並べるより、依頼主が「この人に頼めば何が届くか」を想像できる内容にします。
プロフィールに書くこと
・持っている資格と、取得した年
・得意な分野(家計、教育資金、住宅ローン、年金など)を1つから2つ
・本業の経験の中で、その分野に関わること
・記事を書くときに必ず行っていること(公式の資料で数字を確かめる、出典を添えるなど)
・1か月に受けられる本数と、連絡のつきやすい時間帯
特に4つ目は、未経験の人ほど書いておく価値があります。お金の記事の依頼主が最も困るのは、古い数字や誤った制度の説明が混ざることです。「数字は国税庁や日本年金機構などの公式の資料で確かめ、出典を添えて納品します」と書いてあるだけで、依頼主の安心感は大きく変わります。
見本の記事の作り方
見本の記事は、2,000字から3,000字程度で、得意な分野の基本的な疑問に答えるものを1本から3本用意します。たとえば「会社員が副業を始めたら確定申告は必要か」「教育資金はいつから、いくらずつ準備するか」のように、読者の疑問がはっきりした題材を選びます。
見本の記事を書くときは、次の3つを意識します。
- 結論を最初に書き、そのあとに理由と手順を書く
- 数字には出典を添え、いつ時点の数字かを書く
- 個別の判断が必要な部分は、窓口や専門家に確かめるよう案内する
3つ目は、FPの記事ならではの点です。読者の状況によって答えが変わる内容を断定して書くと、読者が誤った判断をするおそれがあります。断定してよいのは公式の資料で確かめた事実だけにし、個別の判断は窓口を案内する。この書き方ができていることが、見本の記事でいちばん伝えたいところです。
実績が増えたら、見本を差し替える
依頼を受けて書いた記事が公開されたら、依頼主の了解を得たうえで、見本として紹介できるか確かめます。了解が得られない記事は、書いた分野と本数だけをプロフィールに書きます。実績が増えるほど、見本の記事より実際の仕事の履歴のほうが、次の依頼の決め手になります。
収入の目安と、時間の使い方
FPの副業の収入は、仕事の形によって大きく変わります。ここでは、金額の大小より、時間と収入の関係の考え方を整理します。
記事の執筆は、調べる時間が収入を左右する
お金の記事は、制度の数字を確かめる時間がかかります。慣れないうちは、書く時間より調べる時間のほうが長くなります。同じ分野で記事を書き続けると、調べる時間が短くなり、1時間あたりの収入が上がります。最初の数か月は、分野を絞って書き続けることが、収入を安定させる近道です。
相談の仕事は、準備と事後の作業を含めて考える
家計の相談は、相談の時間そのものより、事前に家計の資料を読み込む時間と、相談後に提案書をまとめる時間がかかります。相談料を決めるときや、依頼の報酬を比べるときは、前後の作業を含めた1件あたりの時間で考えます。
税金の申告も忘れずに
副業で収入を得たら、確定申告が必要かを確かめます。国税庁のタックスアンサーNo.1900では、給与を1か所から受けている人は、給与以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要になると説明しています。記事の執筆の報酬は、収入から経費を引いた所得で考えます。所得税の申告が要らない金額でも、住民税の申告は別に必要です。詳しくは国税庁の給与所得者で確定申告が必要な人のページで確かめられます。
1か月の時間の組み方:続かない予定と、続く予定
FPの副業は、調べる時間と書く時間がかかります。本業が平日の日勤の会社員を例に、時間の組み方を比べます。
続かない組み方(Before)
・平日の夜に、毎日2時間ずつ記事を書く
・週末は、2級の勉強とブログの更新を両方進める
・執筆の依頼は、締め切りの近いものから手当たりしだいに受ける
この組み方では、本業の残業が入った週に、執筆の締め切りと勉強の予定が同時に崩れます。疲れた状態で調べものをすると、制度の数字の確認が甘くなり、修正の依頼が増えます。2か月ほどで、勉強も副業も止まってしまいがちです。
続く組み方(After)
・執筆は1か月に3本までにし、締め切りを月の上旬・中旬・下旬に分ける
・平日の夜は、火曜日と木曜日の1時間だけ調べものに使う
・土曜日の午前に、まとめて書く時間を取る
・日曜日は、勉強だけに使う日にする
書く本数は減りますが、1本ごとの調べが丁寧になり、依頼主の評価が安定します。評価が上がれば、同じ本数でも単価の高い依頼を受けられるようになります。最初の3か月は、本数より「修正の依頼が来ない記事」を目標にします。
未経験の人がつまずきやすい場面
FPの副業で、未経験の人がつまずきやすい場面を整理します。
資格を取ったら依頼が来ると思っていた
3級や2級に合格しても、それだけで依頼が来ることはほとんどありません。依頼主が見るのは、書いたもの、発信してきたもの、実際の仕事の履歴です。資格は入口であって、仕事を取る理由にはなりにくいと考えておきます。
古い数字のまま記事を書いてしまう
税金や社会保険の数字は毎年のように変わります。たとえば、所得税の基礎控除や、配偶者控除・扶養控除の収入の基準は、令和7年分と令和8年分で数字が変わっています。教科書や過去に読んだ記事の数字をそのまま使うと、古い情報を書いてしまいます。記事を書くたびに、国税庁や日本年金機構などの公式の資料を開いて、今日時点の数字を確かめます。
相談の中で、個別の判断に踏み込んでしまう
知人から「うちの場合、確定申告でいくら戻る?」「この保険に入るべき?」と聞かれると、つい答えたくなります。前の節で書いたとおり、個別の税額の計算や、特定の保険商品の加入のすすめは、FPの資格だけでは行えない業務にあたります。制度の仕組みを説明し、個別の判断は税理士や保険の担当者に確かめるよう伝えるのが、FPとして正しい対応です。
本業の勤め先に届け出ていない
会社員がFPの副業を始めるときは、勤め先の就業規則で副業が認められているかを確かめ、必要なら届け出ます。特に、本業が金融機関や保険会社の人は、本業の業務と副業がぶつからないかを、人事や法務の担当に確かめてください。
本業別の始め方
FPの副業は、本業によって強みの出し方が変わります。
本業が事務職や営業職の人
金融と関係のない仕事をしている人は、自分と同じ立場の人に向けた発信から始めやすくなります。「共働きの家計の分け方」「会社員の年末調整で見るところ」のように、本業の生活の中で感じた疑問を題材にすると、読者に近い目線の記事が書けます。
本業が金融機関や保険会社の人
金融の実務経験がある人は、相談の仕事にも入りやすい立場です。ただし、本業の顧客と副業の相談者が重ならないか、本業で扱う商品と利害がぶつからないかに注意します。勤め先が副業を認めていても、同じ業界の副業には別の決まりを設けていることがあります。
本業がIT職やデザイン職の人
IT職やデザイン職の人は、お金の知識と本業の技術を組み合わせられます。たとえば、家計管理のアプリや、お金の制度を分かりやすく図で示す資料を作る仕事です。デザインの仕事の単価の幅は、デザイナーの年収・単価相場で職種ごとに確かめられます。お金の知識を持つデザイナーや開発者は、金融のサービスを作る会社で重宝されます。
相談の仕事を受けるときに準備すること
執筆や発信で実績を積み、個人から家計の相談を受けるようになったら、相談の前に次の準備を整えます。
相談の範囲と料金を、文書で示す
相談の範囲(家計の見直し、保障の考え方、教育資金の試算など)、料金、時間、キャンセルの扱いを、申し込みの前に文書で示します。前の節で整理した「FPだけではできない業務」に踏み込まないことも、範囲として書いておきます。相談者にとっても、どこまで相談できるかが分かると安心です。
個人情報の扱いを決める
家計の相談では、収入、貯蓄、借り入れ、家族の状況など、とても個人的な情報を預かります。資料をどこに保存し、相談が終わったらいつ削除するかを決め、相談者に伝えます。紙の資料を受け取る場合は、持ち歩かず、鍵のかかる場所で保管します。
特定の商品をすすめる立場かどうかを明らかにする
保険代理店や金融機関に勤めている人が副業で相談を受ける場合、相談者は「結局、商品を売りたいのでは」と感じることがあります。特定の商品の販売で手数料を受け取る立場にあるかどうかを、最初に伝えておきます。日本FP協会が紹介している「顧客本位の業務運営」の考え方でも、利益相反(相談者の利益と自分の利益がぶつかること)の管理が求められています。
専門家につなぐ先を決めておく
相談の中で、個別の税金の計算、相続の争い、保険の契約の手続きなど、FPの資格だけでは扱えない話が出てきます。そのときに案内できる税理士、弁護士、保険の担当者などのつなぎ先を、事前に考えておきます。つなぎ先が決まっていると、相談の場で迷わずに済みます。
データで見る、FPの副業の考え方
最後に、FPの副業を市場の見方から整理します。
お金に関する情報の需要は、制度の変化が大きい年ほど高まります。NISAの制度の変更、年金の改正、所得税の控除の見直しなど、生活に関わる制度が変わるたびに、正確な解説を求める人が増えます。このとき、資格を持ち、公式の資料を確かめて書ける人が選ばれます。未経験の人にとっても、制度の変化は入りやすい機会です。
また、お金の情報の発信は、AIやデジタルの道具を使った仕事と結びつきが強くなっています。生成AIで下書きを作る会社も増えていますが、AIが出す制度の数字は古いことがあり、資格を持つ人が確かめる役割の価値はむしろ高まっています。お金の知識とAIの使い方の両方が分かる人は、金融機関や家計管理のサービスを運営する会社で、AIを業務に取り入れる支援の仕事にも関われます。そうした仕事の流れと求められる力は、AIコンサル・業務活用支援のお仕事で確かめられます。制度の正確さを確かめられる人が、AIの出力を点検する役割を担うことで、AIを使った情報発信の質が保たれます。マーケティングやAIの分野で、どんな在宅の仕事が広がっているかは、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で一覧できます。
20年にわたってフリーランスと在宅ワークの市場を見てきた運営者の立場から言えば、長く続く人ほど、1本の記事の単価より「この人に頼むと数字が正確で直しが少ない」という信頼づくりに時間を使っています。出典を必ず添える、締め切りの前日に一度見直す、分からないことは分からないと伝える。こうした積み重ねが、継続の依頼や監修の仕事につながっています。
業務委託で記事の執筆や監修を受けるときは、仲介する会社の取り分が報酬から引かれるかどうかで、同じ仕事でも手元に残る金額が変わります。依頼主と直接やりとりできる仕組みなら、中間のマージンが乗らないので、依頼主は同じ予算で多くの記事を頼め、受け手は手取りが厚くなります。手数料0%で直接やりとりできる場を選ぶと、未経験から始めた副業でも続けやすくなります。
記事や提案書を書く機会が多い人は、文書の基礎を固めておくと仕事の質が上がります。ビジネス文書検定で、読みやすい文書の作り方や敬語の決まりをどう学べるかを確かめられます。まずは得意な分野を1つ決め、記事を3本書くところから始めてください。
よくある質問
Q. FPの資格は、金融機関で働いた経験がなくても取れますか?
取れます。日本FP協会の試験要綱では、3級の受検資格は「FP業務に従事している者または従事しようとしている者」とされていて、実務経験は求められていません。2級は3級の合格者や、AFP認定研修を修了した人などが受けられます。2級・3級は原則としてCBT方式で、全国のテストセンターで日時を選んで受けられます。
Q. 未経験のFPが最初に受けやすい副業は何ですか?
お金に関する記事の執筆、記事の監修、SNSやブログでの発信、FPの事務所やセミナーの手伝いなどが受けやすい仕事です。個人から家計の相談を受ける仕事は、実績と信頼がないと依頼が来にくいため、まず書く・伝える・手伝う仕事で実績を作り、そのあとで相談の仕事に広げるのが現実的です。
Q. FPが副業で知人の確定申告を手伝ってもよいですか?
個別の税額の計算や申告書の作成、税務相談は、税理士法で税理士の業務とされていて、FPの資格だけでは行えません。条文は報酬の有無を条件にしていないので、無料なら手伝ってよいとは考えないでください。FPが行えるのは制度の一般的な仕組みの説明までです。個別の申告は、税理士や税務署の窓口で確かめるよう伝えます。
Q. FPの副業の収入はいくらから確定申告が必要ですか?
給与を1か所から受けている会社員なら、給与以外の所得の合計が年間20万円を超えると確定申告が必要になります。記事の執筆などの報酬は、収入から経費を引いた所得で考えます。所得税の申告が要らない場合でも、住民税の申告は別に必要なので、住んでいる市区町村に確かめます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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