【重要】PHPの脆弱性、うちのサイトは大丈夫?今すぐチェック

英語翻訳を在宅の副業で受けるには|得意分野の選び方とトライアルの準備

@SOHO編集部
@SOHO編集部
英語翻訳を在宅の副業で受けるには|得意分野の選び方とトライアルの準備

この記事のポイント

  • ✓英語翻訳を在宅の副業で受けたい人に向けて
  • ✓副業で受けやすい翻訳の分野
  • ✓本業の知識を生かした得意分野の選び方

英語翻訳を在宅の副業にしたいと考えて調べ始めると、「英語ができれば稼げる」という話と、「未経験では仕事が取れない」という話の両方が出てきて、どちらを信じればよいか迷う人が多いはずです。実際のところ、英語翻訳の在宅副業は、英語の点数だけで決まる仕事ではありません。何の分野を訳せるのか、翻訳会社のトライアルに通る訳文を作れるのか、納期を守れる時間を確保できるのか、という3つがそろったときに、継続して仕事を受けられるようになります。この記事では、英語翻訳を在宅の副業で受けるまでの道筋を、得意分野の選び方とトライアルの準備を中心に、順を追って説明します。

英語翻訳の在宅副業はどんな仕事か

英語翻訳の仕事は、大きく3つの領域に分かれます。1つ目は、企業の文書を訳す「産業翻訳(実務翻訳)」です。契約書、取扱説明書、仕様書、論文の要旨、社内の規程、プレスリリース、Webサイトの文章、ソフトウェアの画面の文言などが含まれます。2つ目は、書籍を訳す「出版翻訳」です。3つ目は、映画やドラマ、動画の字幕や吹き替えの台本を作る「映像翻訳」です。

このうち、在宅の副業として仕事の数が最も多いのは産業翻訳です。企業が海外と取引をしたり、海外の情報を社内で共有したりするたびに、翻訳の需要が生まれます。産業翻訳の多くは翻訳会社が企業から受注し、登録しているフリーランスの翻訳者に振り分ける形で回っています。翻訳者は自宅で原文のファイルを受け取り、訳文を納品するので、通勤の必要がなく、在宅で完結します。

出版翻訳は、出版社とのつながりや実績が問われ、1冊を訳すのに数か月かかることもあるため、本業を持ちながら最初の仕事として選ぶのは難しい領域です。映像翻訳は、字幕の文字数の制限や専用のソフトの扱いなど独特の技術が必要で、専門の学校や講座を経て入る人が多い領域です。副業として始めるなら、まず産業翻訳の中で自分が訳せる分野を探すのが現実的です。

翻訳の向きにも違いがあります。英語を日本語に訳す「英日翻訳」と、日本語を英語に訳す「日英翻訳」です。日本語を母語とする人にとっては、英日翻訳のほうが訳文の質を保ちやすく、仕事の数も多い傾向があります。日英翻訳は、英語を母語とする人の確認を前提とする案件もあり、求められる英語の書く力が高くなります。最初は英日翻訳から始め、得意な分野で日英翻訳にも広げていく流れが一般的です。

副業で受けやすい翻訳と、受けにくい翻訳

副業で翻訳を受けるときに最も大きな制約になるのは、時間です。本業がある人は、平日の夜と週末にしか作業ができません。そのため、案件の性格によって、副業で受けやすいものと受けにくいものがはっきり分かれます。

受けやすいのは、次のような案件です。

  • 納期が数日から1週間ほどあり、作業の時間を自分で割り振れる案件
  • 1件の分量が数百語から数千語ほどで、週末の作業で区切りがつく案件
  • 同じ企業の文書を継続して訳す案件(用語集や過去の訳文が整っていて、2回目以降の作業が速くなる)
  • 本業の業界と同じ分野の文書で、背景知識が生きる案件

受けにくいのは、次のような案件です。

  • 当日や翌朝が締め切りの急ぎの案件(平日の日中に連絡が取れないと受けられない)
  • 日中の電話やオンライン会議での打ち合わせが前提の案件
  • 数万語を短い期間で訳す大型の案件
  • 通訳を含む案件(その時間に体が空いていることが前提になる)

翻訳会社に登録すると、担当者から「この案件を受けられますか」と打診が来ます。副業の翻訳者が最初に信頼を失いやすいのは、受けられない案件を無理に受けて、納期に遅れたり、訳文の質が落ちたりする場面です。登録の時点で、作業できる曜日と時間帯、1週間に訳せるおおよその分量を正直に伝えておくと、無理のない打診が来るようになります。

得意分野の選び方

英語翻訳の副業で最も大事なのが、得意分野の選び方です。翻訳会社は、分野ごとに翻訳者を登録しています。「何でも訳せます」という翻訳者よりも、「医療機器の取扱説明書なら訳せます」「金融の開示資料なら訳せます」という翻訳者のほうが、仕事を回しやすいからです。

得意分野を選ぶときは、次の順に考えると決めやすくなります。

  1. 本業や学んできた分野を書き出す(業界、職種、大学での専攻、資格)
  2. その分野で、英語の文書がどのくらい出回っているかを考える(海外との取引、規制の文書、技術の資料)
  3. その分野の文書を日本語で読んだときに、専門用語の意味がすぐ分かるかを確かめる
  4. 実際にその分野の英語の文書を1ページ訳してみて、調べ物にかかる時間を測る

日本翻訳連盟が実施しているJTF<ほんやく検定>の実用レベルでは、「政経・社会」「科学技術」「金融・証券」「医学・薬学」「情報処理」の5分野から1つを選んで受験します。この5つの区分は、産業翻訳の仕事の分け方の目安としても参考になります。

分野 主な文書の例 生きやすい本業の経験
政経・社会 報道資料、調査報告、自治体や団体の資料 行政、報道、調査、教育
科学技術 仕様書、取扱説明書、特許に関わる資料 製造業、研究開発、品質保証
金融・証券 開示資料、投資家向けの資料、市場の解説 銀行、証券、保険、経理
医学・薬学 論文の要旨、治験の文書、添付文書 医療職、製薬、医療機器
情報処理 ソフトウェアの画面の文言、技術文書、ヘルプ エンジニア、IT企業の企画やサポート

本業の分野で翻訳を受けることには、もう1つの利点があります。原文の内容を理解するための調べ物が少なくて済むため、同じ時間で訳せる分量が多くなります。副業の限られた時間の中では、この差が大きく効きます。

一方で、本業と同じ業界の翻訳を受けるときは、勤め先の就業規則に注意が必要です。競合する会社の文書を訳すことになる場合や、本業で知った情報を使うおそれがある場合は、副業として認められないことがあります。厚生労働省のモデル就業規則でも、副業を制限できる場面として、競業により会社の利益を害する場合や、企業の秘密が漏れる場合が挙げられています。副業を始める前に、勤め先の就業規則と、副業の届け出の手続きを確かめておきます。

英語力より問われる力

英語翻訳の副業を考える人の多くは、TOEICや英検の点数を気にします。点数は英語を読む力の目安にはなりますが、翻訳会社がトライアルで見ているのは、点数では測れない力です。

1つ目は、日本語で書く力です。英日翻訳の訳文を読むのは日本語の読者です。原文の意味を正しく取れていても、日本語として不自然な文、読み手が二度読みしなければ意味が取れない文では、納品できる訳文になりません。訳文の質の多くは、日本語の文章力で決まります。

2つ目は、調べる力です。翻訳の作業時間の多くは、訳すことではなく調べることに使われます。専門用語の定訳、企業の製品名の正式な表記、業界で使われている言い回しを、信頼できる情報源で確かめる作業です。辞書だけでなく、その分野の日本語の公式な文書を読み、実際に使われている言葉を拾う力が求められます。

3つ目は、指示を守る力です。翻訳会社の案件には、用語集、表記の決まり(スタイルガイド)、参考の訳文が付いてくることが多く、それに沿って訳すことが求められます。数字や単位の書き方、敬体と常体、カタカナ語の長音の扱いなど、細かな決まりを守れるかどうかが評価を分けます。

4つ目は、道具を使う力です。産業翻訳では、翻訳支援ツール(CATツール)と呼ばれるソフトが広く使われています。原文を文ごとに区切って表示し、過去の訳文の蓄積(翻訳メモリ)や用語集を参照しながら訳せる道具です。翻訳会社によっては、特定のツールを使えることを登録の条件にしています。

日本語で書く力を伸ばしたい人は、ビジネスの文書の書き方を学ぶのも1つの方法です。ビジネス文書検定は、ビジネスの場で使う文書の形式や敬語、分かりやすい文章の書き方を問う検定です。英日翻訳の訳文を整える力の土台になります。

機械翻訳とAIの扱いを確かめる

いまの翻訳の現場では、機械翻訳の扱いを避けて通れません。機械翻訳とは、原文を機械的に訳して訳文を出力する仕組みのことで、DeepLやGoogle翻訳などが代表です。

翻訳の仕事では、機械翻訳を使ってよいかどうかが案件ごとに決まっています。使ってよい案件、使ってはいけない案件、機械翻訳が出した訳文を人が直す「ポストエディット」と呼ばれる案件があります。ポストエディットとは、機械翻訳の訳文を人が読み、誤訳や不自然な表現を直して仕上げる作業のことです。

注意しなければならないのは、秘密保持の契約です。翻訳会社や企業から預かる原文には、公開前の製品の情報や、取引の条件など、外に出してはいけない情報が含まれています。こうした原文を、許可なく外部の機械翻訳のサービスに入力すると、秘密保持の契約に反するおそれがあります。案件の指示で機械翻訳の扱いが明記されていないときは、使う前に担当者に確かめます。

日本翻訳連盟のJTF<ほんやく検定>でも、2022年7月の検定から機械翻訳の使用を禁止しています。

試験中には辞書(ウェブの辞書を含む)や用語集をご利用いただけます。ウェブ検索も自由です。ただし、機械翻訳については2022年7月の検定より使用を禁止しております。 出典: 日本翻訳連盟 JTF<ほんやく検定>

同じ案内では、禁止の対象となる機械翻訳に、翻訳支援ツールに組み込まれた機械翻訳の機能も含まれる一方で、翻訳支援ツールそのものの使用は問題ないと説明されています。トライアルでも、機械翻訳の使用を禁じていることがあります。機械翻訳に頼った訳文は、訳語の揺れや、文脈に合わない訳し方で見抜かれやすく、評価が大きく下がります。

AIを仕事に取り入れる流れそのものは広がっていて、翻訳の周辺には、AIを使った業務の改善を支援する仕事も生まれています。AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、企業がAIを業務に取り入れるときの支援の仕事の内容を紹介しています。翻訳の力と、AIの扱いの知識を組み合わせると、仕事の幅が広がります。

仕事の探し方

英語翻訳の副業の仕事を探す方法は、主に3つあります。

1つ目は、翻訳会社への登録です。産業翻訳の仕事の多くは翻訳会社を通じて流れているため、最も仕事の数が多い経路です。翻訳会社のWebサイトには、翻訳者の募集のページがあり、履歴書と職務経歴書を送ったうえで、トライアルを受けて登録する流れが一般的です。複数の翻訳会社に登録しておくと、1社からの打診が少ない時期でも、仕事が途切れにくくなります。

2つ目は、クラウドソーシングのサービスです。翻訳の依頼が掲載されていて、応募して受注する形です。実績がなくても応募できる案件があり、最初の経験を積む場として使う人がいます。ただし、案件によって報酬の水準や依頼の内容に幅があるため、条件をよく読んでから応募します。

英語翻訳・英文翻訳の仕事・案件一覧ページです。クラウドソーシング・アウトソーシングに強いランサーズでは、英語翻訳・英文翻訳の仕事情報の検索から納品、報酬の受け取りまで、すべて完結します。 出典: lancers.jp

3つ目は、企業や個人からの直接の依頼です。本業でのつながりや、業務委託のマッチングサービスを通じて、企業と直接契約する形です。翻訳会社を通さない分、企業の担当者と直接やり取りし、請求や納品の管理も自分で行います。

最初の仕事の探し方として勧められるのは、翻訳会社への登録を本筋にしながら、クラウドソーシングで実際の案件の経験を積むという組み合わせです。翻訳会社の職務経歴書に、どの分野の文書をどのくらい訳したかを書けるようになると、トライアルの機会が広がります。

トライアルの流れ

トライアルとは、翻訳会社が翻訳者を登録する前に行う、訳文の試験のことです。翻訳会社に登録して仕事を受けるには、ほとんどの場合、このトライアルに合格する必要があります。

一般的な流れは次のとおりです。

  1. 翻訳会社の募集のページから応募し、履歴書、職務経歴書、得意分野と翻訳の向きを伝える
  2. 翻訳会社から、分野ごとのトライアルの課題が届く(原文で数百語ほどのことが多い)
  3. 指定された期限までに訳文を作り、指定された形式で提出する
  4. 翻訳会社の評価者が訳文を確認し、合否と評価の段階が知らされる
  5. 合格すると登録の手続きに進み、契約書や秘密保持の誓約書を取り交わす
  6. 登録された分野で、案件の打診が届くようになる

トライアルの期限は、数日から1週間ほどのことが多く、副業の人でも週末を使って取り組めます。ただし、トライアルの結果は、登録後にどの水準の案件を任されるかにも影響します。期限ぎりぎりに急いで仕上げるより、期限の中で見直しの時間を十分に取れるよう、課題を受け取る時期を自分で選べる場合は、時間の取れる週に合わせて申し込みます。

不合格になった場合、同じ翻訳会社の同じ分野のトライアルは、一定の期間を空けないと再び受けられないことがあります。準備が整っていない状態で受けると、その期間は機会を失います。トライアルは、腕試しではなく本番と考えて臨みます。

トライアルの準備

トライアルで評価を分けるのは、訳し方の巧みさよりも、基本の取りこぼしがないかどうかです。トライアルの前に、次の準備をしておきます。

練習の題材を集める

自分の得意分野の英語の文書で、日本語の公式な訳が公開されているものを探します。企業の年次報告書、公的機関の報告書、ソフトウェアのヘルプなど、英語版と日本語版の両方が公開されている文書は、練習の題材に向いています。自分で訳したあとに公式の日本語版と見比べると、専門用語の訳し方や、文の組み立て方の違いが分かります。

表記の決まりを1つ選んで守る

数字は半角か全角か、カタカナ語の長音を付けるか、「行う」と「行なう」のどちらを使うかなど、表記の決まりを1つに決め、訳文全体で揃えます。トライアルの課題に表記の指示がある場合は、その指示に従います。指示がないときに表記が揺れていると、注意深さに欠けると判断されます。

提出前の見直しの手順を決める

提出の前に、次の点を確かめる手順を決めておきます。

  • 訳し漏れがないか(原文の文と訳文の文を1つずつ突き合わせる)
  • 数字、単位、固有名詞、日付が原文と合っているか
  • 否定の文を肯定に取り違えていないか
  • 同じ用語を、同じ訳語で通しているか
  • 訳文だけを声に出して読み、日本語として自然に読めるか
  • 指定されたファイルの形式と、ファイル名の付け方を守っているか

訳注の付け方を確かめる

原文に誤りや、意味が2通りに取れる箇所があるときは、勝手に直したり、どちらかに決めつけたりせず、訳注やコメントで知らせるのが一般的です。トライアルでは、訳注の付け方も評価の対象になることがあります。何を、どう判断したかを短く書きます。

JTF<ほんやく検定>の案内では、検定の受験がトライアルの貴重な経験になると説明されていて、実用レベルの1級や2級に合格すると、日本翻訳連盟の法人会員である一部の翻訳会社でトライアルが免除されたり、受験の要件が緩和されたりするとされています。トライアルの前に、自分の訳文が客観的にどう評価されるかを知る方法として、こうした検定を使う人もいます。

トライアルに合格しなかったときの見直し方

トライアルは、最初から合格するとは限りません。不合格の通知を受けたときに、次の応募までに何を見直すかで、その後の結果が変わります。

まず、評価のコメントが付いているかを確かめます。翻訳会社によっては、不合格の理由や、訳文の気になった点を短く伝えてくれることがあります。コメントがある場合は、誤訳だったのか、日本語の不自然さだったのか、表記の揺れだったのかを分けて書き出します。原因の種類によって、次に取り組むことが違うからです。

コメントがない場合は、自分の訳文を数日空けてから読み直します。提出したときには気づかなかった、訳し漏れや、主語と述語のねじれ、同じ語の訳し分けが見つかることが多くあります。可能であれば、同じ分野の公開されている日本語の文書と見比べ、専門用語の訳語が業界の使い方と合っていたかも確かめます。

次に、分野の選び方を見直します。訳文の調べ物に多くの時間がかかった分野は、まだ自分の得意分野とは言えない可能性があります。本業により近い分野に絞り直してから、別の翻訳会社のトライアルに応募するほうが、合格に近づくことがあります。

最後に、練習の量を確かめます。トライアルの課題と同じくらいの分量の文書を、週に1本訳して公式の日本語版と見比べる練習を続けると、数か月で訳文の安定感が変わってきます。不合格は、自分の訳文の弱いところを知る機会として使います。

報酬の決まり方と見方

翻訳の報酬は、原文の分量に応じて決まるのが一般的です。英日翻訳では原文の英語の語数(ワード)で、日英翻訳では原文の日本語の文字数で計算されることが多く、「1ワードあたり何円」「1文字あたり何円」という形で示されます。

同じ翻訳でも、報酬の水準は次の要素で大きく変わります。

  • 分野の専門性(医学・薬学、金融、法務などは専門性が高い)
  • 翻訳の向き(日英翻訳は英日翻訳より高く設定されることが多い)
  • 機械翻訳を使うポストエディットか、人がゼロから訳すか
  • 翻訳会社を通すか、企業と直接契約するか
  • 翻訳メモリと一致する文の扱い(一致する文の報酬を下げる決まりがある会社もある)

副業で翻訳を受けるときは、報酬の単価だけでなく、時間あたりに換算した報酬で考えます。単価が高くても、調べ物に時間がかかる分野では、時間あたりの報酬は下がります。最初の数件は、作業にかかった時間を記録しておき、どの分野なら時間あたりの報酬が釣り合うかを確かめます。

報酬を受け取るときの税金の扱いも知っておきます。国税庁のタックスアンサーでは、原稿料や講演料などの報酬を個人に支払うときに、支払う側が所得税と復興特別所得税を源泉徴収すると説明されていて、支払金額が100万円以下の部分の税率は10.21%です。翻訳料も、支払う側がこの扱いで源泉徴収することがあります。請求書の金額と振り込まれた金額が違うときは、源泉徴収が差し引かれていないかを確かめます。詳しくは国税庁のタックスアンサー No.2795で確かめられます。

副業として続けるための時間の組み方

翻訳の副業は、時間の管理がそのまま仕事の質につながります。本業と両立しながら続けるには、次のような工夫が役立ちます。

1つ目は、1週間に訳せる分量を把握しておくことです。自分の得意分野で、1時間に訳せる語数をおおよそ測り、1週間に使える時間と掛け合わせると、受けられる分量の上限が分かります。打診が来たときに、その上限を超えていないかで判断すれば、無理な受注を避けられます。

2つ目は、訳す時間と見直す時間を分けることです。訳し終えた直後は、自分の訳文の誤りに気づきにくいものです。訳した日と見直す日を分け、一晩置いてから読み直すと、不自然な文や訳し漏れに気づきやすくなります。納期から逆算し、見直しの日を必ず確保します。

3つ目は、連絡の取れる時間を決めておくことです。翻訳会社の担当者からの質問や打診に、返信が遅れると、次の打診が来にくくなります。本業の休憩時間や、帰宅後の決まった時間にメールを確認する習慣をつけ、返信の時間の目安を担当者に伝えておくと、行き違いが減ります。

4つ目は、作業の環境を整えることです。翻訳の作業には、原文と訳文と調べ物の画面を同時に開けるよう、大きめの画面か2台目の画面があると作業が速くなります。翻訳支援ツールを使う場合は、パソコンの性能や、対応する基本ソフトも確かめておきます。

契約と税金で確かめておくこと

翻訳の副業は、多くの場合、雇用ではなく業務委託の契約で受けます。業務委託とは、会社に雇われるのではなく、仕事の完成を約束して報酬を受け取る契約のことです。労働時間の決まりや最低賃金の対象にはならない代わりに、仕事の進め方を自分で決められます。

2024年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法では、個人で働くフリーランスに業務を委託する発注事業者に、取引の条件を明示することや、原則として受け取った日から60日以内に報酬を支払うことなどを義務付けています。

個人で働くフリーランスに業務委託を行う発注事業者に対し、業務委託をした際の取引条件の明示、給付を受領した日から原則60日以内での報酬支払、ハラスメント対策のための体制整備等が義務付けられます。 出典: 厚生労働省 フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ

翻訳会社に登録するときや、案件を受けるときは、報酬の額、納期、支払いの期日、検収の方法、訳文の修正にどこまで応じるかを、書面やメールで確かめておきます。契約上のトラブルが起きたときは、厚生労働省のページで案内されている「フリーランス・トラブル110番」で、弁護士に無料で相談できます。

税金については、会社員が副業で翻訳の収入を得る場合、確定申告が必要になるかどうかを確かめます。国税庁の案内では、給与を1か所から受けていて、その給与の全部が源泉徴収の対象となる人の場合、給与所得と退職所得以外の所得の合計額が20万円を超えると、確定申告をしなければならないとされています。所得とは、収入から必要経費を差し引いた額のことです。翻訳の副業では、辞書やツールの利用料、パソコンの購入費の一部などが必要経費になることがあります。詳しくは国税庁のタックスアンサー No.1900で確かめられます。

この20万円の線は所得税の確定申告の話で、住民税は別に申告が必要になることがあります。源泉徴収された税金が多すぎる場合は、確定申告で戻ってくることもあります。どの所得の区分になるか、どこまでが必要経費になるかは、収入の額や事情で変わるので、税務署や税理士に確かめます。

英語翻訳の副業のメリットとデメリット

ここまでの内容を踏まえ、英語翻訳を在宅の副業にするメリットとデメリットを整理します。

メリットは、次のとおりです。

  • 自宅で完結し、作業の時間を自分で割り振れる
  • 本業の知識が、そのまま訳文の質と作業の速さにつながる
  • 継続して取引できる翻訳会社や企業ができると、安定して仕事を受けやすい
  • 訳すたびに専門分野の知識と英語の力が深まり、本業にも生きる
  • 実績を積むと、本業を辞めたあとの独立の選択肢にもなる

デメリットは、次のとおりです。

  • トライアルに合格するまで、仕事を受けられないことが多い
  • 急ぎの案件や日中の連絡が前提の案件は、本業との両立が難しい
  • 調べ物に時間がかかる分野では、時間あたりの報酬が下がりやすい
  • 機械翻訳の広がりで、人が訳す仕事の性格が変わってきている
  • 納期の前は、夜や週末の時間が翻訳に取られる

英語翻訳の副業に向いているのは、得意な分野の文書を、時間をかけて丁寧に訳すことが苦にならない人です。英語が得意でも、調べ物や見直しに時間をかけることが苦手な人には、続けるのが難しい仕事です。

翻訳の周辺にある仕事と、本業の知識の生かし方

英語翻訳の副業を考えるときは、翻訳だけに絞らず、周辺の仕事にも目を向けると、選択肢が広がります。

1つ目は、ソフトウェアやアプリの「ローカライズ」です。ローカライズとは、海外向けのソフトウェアやアプリを、画面の文言だけでなく日付の書き方や単位、文化の違いまで含めて日本の利用者に合わせる作業のことです。画面に収まる文字数の制限があったり、開発の担当者と相談しながら進めたりする点で、通常の翻訳とは違う力が求められます。アプリケーション開発のお仕事では、アプリの開発の仕事の内容を紹介しています。開発の流れを知っておくと、ローカライズの仕事で開発の担当者と話が通じやすくなります。

2つ目は、英語の資料を読み、日本語で要点を整理する「リサーチ」の仕事です。海外の市場の動向や、論文、規制の情報を調べて、日本語の報告書にまとめる仕事で、全文を訳すのではなく、必要な情報を選んで伝える力が問われます。研究職や調査の仕事の経験がある人に向いています。研究者の年収・単価相場では、研究に関わる仕事の収入の目安を紹介しています。

3つ目は、英語の文章を書く仕事や、日本語の記事を書く仕事です。翻訳で鍛えた調べる力と書く力は、記事の執筆にもそのまま生きます。Webライターが文字単価を上げる方法【2026年版】|1円→5円のステップでは、文章の仕事で単価を上げていくための段階を紹介しています。

運営者として見てきた、続く翻訳者の共通点

在宅ワークとフリーランスの仲介を20年以上続けてきた運営者として見てきた限りでは、翻訳の副業を長く続けている人には、いくつかの共通点があります。

1つ目は、分野を絞っていることです。続く人ほど、最初から「何でも訳します」とは言わず、本業の分野に絞って登録しています。分野を絞ると、同じ用語や言い回しに何度も出会うため、作業が速くなり、訳文の質も安定します。その結果、同じ翻訳会社や企業から継続して打診が来るようになります。

2つ目は、依頼する側が楽になる動き方をしていることです。訳文を納品するときに、原文の誤りに気づいた箇所や、訳語を決めた理由を短く添えるだけで、依頼する側の確認の手間は大きく減ります。長く続く人ほど、訳文そのものに加えて、「この人に任せると確認が楽になる」という関係づくりに時間を使っています。

企業と直接取引する場合は、仲介の手数料が乗らない分、同じ予算で依頼する側はより多くの文書を頼め、受ける側は手取りが厚くなります。翻訳会社を通す仕事で経験と実績を積み、得意分野がはっきりしてきた段階で、直接の取引にも広げていく。この順番が、副業の翻訳を無理なく育てていく道筋になります。

英語翻訳の副業を始めるときは、まず本業の分野を1つ選び、その分野の英語の文書を訳す練習から始めます。翻訳以外にも、英語の力を生かせる在宅の仕事を探したいときは、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事のように、分野ごとの仕事の内容を紹介しているガイドを読み、自分の経験と重なる分野を探すと、次に何を学べばよいかが見えてきます。

よくある質問

Q. 英語翻訳の副業はTOEICの点数が何点あれば始められますか?

TOEICの点数だけで受けられるかどうかは決まりません。翻訳会社が登録の前に行うトライアルでは、原文を正しく読む力に加えて、日本語として自然な訳文を書けるか、専門用語を調べて正しく訳せるか、指示された表記の決まりを守れるかが見られます。点数は英語を読む力の目安として、職務経歴書に書いておくとよいでしょう。

Q. 未経験でも翻訳会社のトライアルを受けられますか?

翻訳会社によって応募の条件は違い、翻訳の実務経験を条件にしている会社もあれば、トライアルの結果で判断する会社もあります。未経験の場合は、本業の分野の知識を職務経歴書で具体的に伝え、その分野のトライアルを受けるのが現実的です。クラウドソーシングで小さな案件の経験を積んでから応募する人もいます。

Q. 翻訳の副業で機械翻訳を使ってもよいですか?

案件ごとに決まりが違います。使ってよい案件、使ってはいけない案件、機械翻訳の訳文を人が直すポストエディットの案件があります。預かった原文を許可なく外部の機械翻訳のサービスに入力すると、秘密保持の契約に反するおそれがあります。指示に明記がないときは、使う前に担当者に確かめます。

Q. 会社員が翻訳の副業をすると確定申告が必要ですか?

給与を1か所から受けていて、その全部が源泉徴収の対象になる人は、給与所得と退職所得以外の所得の合計額が20万円を超えると、所得税の確定申告が必要です。所得は収入から必要経費を差し引いた額です。住民税は別に申告が必要になることがあるので、金額や事情に応じて税務署やお住まいの市区町村で確かめます。

この記事について

@SOHO
編集部

監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月7日最終更新:2026年10月18日
@SOHO編集部

この記事を書いた人

@SOHO編集部

フリーランス・在宅ワークの専門メディア

@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。

@SOHOで仕事を探してみませんか?

手数料0%・登録無料のクラウドソーシング。フリーランスの方も企業の方も、今すぐ始められます。

関連記事

カテゴリから探す

クラウドソーシング入門

クラウドソーシング入門

クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワーク

副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス

フリーランス

フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金

お金・税金

確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

スキルアップ

スキルアップ

プロフィール・提案文・単価交渉などのテクニック

比較・ランキング

比較・ランキング

サービス比較・おすすめランキング

AI活用

AI活用

職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド

最新トレンド

市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド

発注者向けガイド

クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア

転職・キャリア

転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人

看護師の転職・求人

看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人

薬剤師の転職・求人

薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人

介護職の転職・求人

介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人

保育士の転職・求人

保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人

医療職の転職・求人

医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険

保険

生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人

採用・求人

無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース

オフィス・ワークスペース

バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業

法律・士業

契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代

シニア・50代

シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ

セキュリティ

サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック

金融・フィンテック

暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス

経営・ビジネス

経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材

ガジェット・機材

フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方

子育て×働き方

子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金

補助金・助成金

個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

M&A・事業売却

M&A・事業売却

会社売却・事業承継・事業譲渡を考える経営者向け。売却の流れ、税金、従業員への伝え方、仲介会社の選び方

アウトソーシング・外注ガイド

アウトソーシング・外注ガイド

SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方