通関士の講師・講座の仕事


この記事のポイント
- ✓通関士が教える側に回る副業について
- ✓個人指導という4つの形を整理しました
- ✓始める前に確認すべき法的な点
通関の実務を何年か続けていると、後輩に教える場面が自然に増えます。その延長で「教える仕事そのものを副業にできないか」と考える方は少なくありません。
結論から言うと、できます。しかも、資格の性質を考えると、かなり相性のよい選択肢です。オンラインで完結する形が普通になったので、住んでいる場所の制約もほとんどなくなりました。
これ、知らない人が本当に多いんです。講師の仕事は、教育の経験がないと務まらないと思われがちですが、実際に募集を見ると、教育経験を必須としていない事業者が多い。求められているのは、実務を知っていることです。
なぜ教える側に回る道が現実的なのか
まず、この選択肢が向いている理由を整理します。
資格の構造から見て自然な進み方
通関業を営むには財務大臣の許可が必要で、通関士として通関業務に従事するには、雇用する通関業者側が届け出て確認を受ける仕組みになっています。つまり、資格を持っているだけで独立して手続を請け負う形にはなりません。
一方、教えることには、こうした制度上の枠がかかりません。実務の知識を人に伝える行為は、通関業務そのものとは別のものだからです。制度とぶつからずに知識を換金できる道として、教える仕事は理にかなっています。
※ただし、教える内容が個別の案件に対する助言に踏み込むと、話が変わってきます。この線については後で詳しく説明します。
教わりたい人は確実にいる
需要の側も見ておきます。
まず、資格試験の受験者がいます。通関士試験は範囲が広く、独学でつまずく人が多い試験です。特に実務に関する科目は、経験がない人にとって非常に取りにくい。ここに講座の需要が生まれています。
次に、企業の担当者がいます。輸出入を自社で始めた会社では、担当者が手探りで進めています。社内に教えられる人がいないので、外部の研修を探します。
そして、キャリアを変えたい人がいます。貿易事務から通関の仕事へ、あるいは別の業界から貿易へ。こうした人たちは、体系的に学べる場所を探しています。
3つとも、供給が足りていません。教えられる人が少ないからです。
教育の経験は必須ではない
講師の募集を見ると、この点がはっきり分かります。
株式会社アガルートは「アガルートアカデミー」のブランド名で、各種資格試験、検定試験等のオンライン講座(通信講座)を展開しております。 あなたには通関士試験対策講座の講師として、商品企画、テキスト作成、講義の収録、受講相談等の業務をご担当いただきます。 担当スタッフがフォローしながら作業を進めるため、未経験者でも安心して働くことができます。 出典: agaroot.jp
講師の仕事が、講義をすることだけではない点にも注目してください。商品企画、テキスト作成、収録、受講相談。教材を作る工程が含まれています。人前で話すのが苦手な方でも、関われる部分があるということです。
どんな形の仕事があるか
教える仕事にはいくつかの型があります。それぞれ、必要な準備も報酬の形も違います。
資格スクールの講師
通信講座や資格スクールが、試験対策の講師を募集する形です。業務委託契約で、収録型が中心になります。
この形の利点は、集客を事業者側がやってくれることです。自分は内容を作ることに集中できます。副業として始めるなら、いちばん入りやすい入口です。
作業としては、テキストの執筆、講義の収録、受講者からの質問への回答が中心になります。収録は事業者のスタジオで行う場合と、自宅で撮影する場合があります。
企業向けの研修
輸出入を扱う企業の担当者に向けて、実務研修を行う形です。オンラインで実施することが増えました。
内容は、基礎的な貿易実務から、特定の商品分野に絞ったものまで幅があります。受講者が実務で困っている点に直接答えるので、満足度が高くなりやすい仕事です。
企業研修は、企業側の予算で動くため単価が高い一方、実施日時が相手の都合で決まります。副業として受ける場合、平日の日中に対応できるかどうかが問題になります。
オンライン講座を自分で作る
動画講座を作って、学習プラットフォームや自分のサイトで販売する形です。
作るまでの手間は大きいですが、一度作れば繰り返し売れます。時間を売る形から抜けられる、という点で他とは性質が違います。
ただし、集客は自分でやることになります。ここが最大の壁です。作れば売れるというものではありません。
個人指導
受験生や、実務でつまずいている人に、個別に教える形です。オンライン会議のツールがあれば始められます。
準備の負担が最も軽く、単価も比較的高く設定できます。一方、同時に見られる人数に限りがあるため、収入の天井は早く来ます。
教材やテキストの作成だけを担当する
講義には出ず、テキストや問題の作成だけを引き受ける形もあります。話すことに抵抗がある方には、この入口が向いています。
書く仕事としての性質が強いので、報酬の考え方も執筆に近くなります。文章を書く仕事全体の相場感は著述家,記者,編集者の年収・単価相場で職種別に確認できます。
報酬をどう考えるか
具体的な数字の話をします。
業務委託の講師料
資格講座の講師の報酬体系には、時給に売上連動を組み合わせる形があります。実際の募集では、次のような基準が示されています。
以下のA~Dのいずれかの報酬基準のうち、講師の方が選択したものにより算出する。ただし、能力・経歴・売上等を考慮する。詳細は社内規程による。 A 講義時給7,000円+担当した講義の売上額の7% B 講義時給8,000円+担当した講義の売上額の5% C 講義時給9,000円+担当した講義の売上額の3% D 講義時給10,000円~30,000円 出典: agaroot.jp
ここから読み取れることが2つあります。
ひとつは、講義の時間そのものに対する単価が高いことです。7,000円から30,000円という帯は、他の在宅の仕事と比べても上のほうにあります。
もうひとつは、固定と変動を選べる仕組みになっていることです。売上連動を大きくすれば、講座が売れたときの取り分が増えます。安定を取るなら固定寄りを選ぶ。この選択があるということは、講師側にも事業としての判断が求められるということです。
ただし、これは講義時間に対する単価です。テキストの作成や収録の準備にかかる時間は、この時給には含まれていないことがあります。契約内容を確認するときは、どの作業が報酬の対象になるのかを必ず確かめてください。
企業研修の場合
企業研修は、半日や1日単位で見積もることが多い仕事です。研修そのものの時間に加えて、資料の作成と事前の打ち合わせが発生します。
見積もりを作るときは、当日の時間だけで計算しないでください。準備に当日の2倍から3倍の時間がかかることは珍しくありません。
自作講座の場合
自分で作って売る場合、単価は自分で決めます。試験対策の講座なら1万円から5万円程度、実務向けの短い講座なら3,000円から1万円程度が目安になります。
問題は、何人に売れるかです。ここは事業の話になるので、最初から自作講座だけで組み立てるのは危険です。業務委託の講師や個人指導で収入の土台を作りながら、並行して準備するのが現実的な順番です。
個人指導の値付け
60分で5,000円から15,000円程度の設定が多い形です。準備時間を含めて考えると、実質の時給はもう少し下がります。
同じ受講者と継続する形にすると、毎回の準備が軽くなります。単発を積み重ねるより、月額の枠にしたほうが双方にとって扱いやすくなります。
手取りで比べる習慣
提示額が同じでも、手元に残る額は取引の形で変わります。仲介が入れば手数料が引かれ、直接契約なら手数料0%のまま受け取れます。
副業として使える時間が限られている場合、件数を増やすより1件あたりの手取りを厚くするほうが現実的です。継続する契約ほど、この差は積み上がります。
始める前に確認しておくこと
法律や契約に関わる点を、先に整理しておきます。
教えることと通関業務の線引き
教える行為そのものは、通関業務にはあたりません。ですが、受講者から個別の案件について相談を受け、実質的に手続を進める形になると、話が変わります。
「この商品はこの区分で申告してください」と個別に指示する、書類を作って渡す。こうした関与は、一般的な教育の枠を超える可能性があります。
※どこからが通関業務にあたるかは、関与の深さや依頼の受け方によって判断が変わります。講座に個別相談を含める予定がある場合は、自己判断せず、所轄の税関や通関業に詳しい専門家に事前に確認してください。設計の段階で確認しておけば、後から作り直す必要がなくなります。
名乗り方
講師のプロフィールに載せる肩書きには、注意が必要です。
通関業法は、通関士という名称を用いて通関業務に従事させるには通関業者側の届出と確認が必要と定めており、その通関業務に従事しないこととなったときは通関士でなくなる、という趣旨の規定を置いています。
つまり、試験に合格していることと、通関士として扱われる状態にあることは、法律上は別に整理されています。現在の立場によって適切な表記は変わるため、※自己判断で決めず確認してください。講座は多くの人の目に触れるので、後から指摘を受けると影響が大きくなります。
実務経験の年数と扱ってきた分野を書くほうが、受講者にとって情報量が多いのも事実です。「輸入通関の実務に十数年、食品と機械の分野が中心」という書き方は、資格名だけよりも伝わります。
教材に使えない情報
勤務先で知り得た荷主名、取扱品目、単価、取引条件。これらは教材に使えません。
業界が狭いため、抽象化しても特定される可能性があります。事例が必要なときは、公開されている制度や統計に基づいて作った架空の設例を使ってください。実際の案件をぼかして使う、という方法は取らないほうが安全です。
勤務先の就業規則
副業が許可制か届出制かを、先に確認してください。講師の仕事は名前が表に出るので、隠して進めることは実質的に不可能です。
競業避止の条項にも目を通してください。勤務先が研修事業を行っている場合、外部で同種の講座を持つことが問題になる可能性があります。
契約書で決めておくこと
業務委託で講師を引き受ける場合、次の点を書面で確認してください。報酬の対象になる作業の範囲、教材の権利が誰に帰属するか、収録した映像がいつまで使われるか、契約が終わった後に自分で同種の講座を出せるか。
特に最後の点は見落とされがちです。競業を制限する条項が入っていると、契約終了後に自分の講座を作れなくなることがあります。専門家として業務委託で関わる場面では、こうした条項の確認は基本の作業です。書類の作成や許認可を扱う行政書士のような資格でも、業務範囲と契約条件の確認は同じように行われます。
講座をどう作るか
自分で内容を組み立てる場合の進め方です。
誰に教えるかを先に決める
いちばん多い失敗が、対象を決めずに作り始めることです。
受験生と実務の担当者では、必要な内容がまったく違います。受験生には試験に出る形での整理が要りますが、実務の担当者に条文番号を覚えさせても意味がありません。
さらに絞るなら、受験生の中でも「実務経験がなく通関実務の科目でつまずいている人」まで具体化してください。対象が狭いほど、内容は鋭くなります。
内容を設計する
対象が決まったら、その人がどこでつまずくかを書き出します。教える内容を並べるのではなく、つまずく場所から逆算するのがコツです。
実務経験のある方は、この作業が得意なはずです。後輩がどこで止まるかを、実際に何度も見てきているからです。
1つの講義は15分から30分で区切ってください。長い動画は最後まで見てもらえません。区切っておくと、後から一部だけ差し替えることもできます。
収録の道具
高価な機材は要りません。必要なのは、聞き取りやすい音声です。
内蔵マイクではなく、外付けのマイクかヘッドセットを使ってください。5,000円程度のもので十分に変わります。映像の画質より、音声の質のほうが受講者の評価に直結します。
スライドを使う場合、文字は大きく、1枚に載せる情報は少なくしてください。図版の作成に不安があるなら、Adobe認定プロフェッショナル Adobe Expressで扱われている範囲の操作ができれば、講座用の資料には十分です。凝ったデザインは必要ありません。
更新の負担を見込んでおく
制度は変わります。作った講座は古くなります。
年に一度は内容を見直す前提で設計してください。差し替えやすい構造にしておかないと、更新のたびに全部作り直すことになります。章を細かく区切っておくのは、この意味でも有効です。
教えるときに効くこと
内容が正しいだけでは、伝わりません。
つまずく場所を先回りする
受講者が止まるのは、たいてい決まった場所です。分類の考え方、原産地規則の適用条件、他法令が絡む場面。
そこに来たら、いったん止まって「ここは多くの人が混乱する箇所です」と伝えてください。混乱しているのが自分だけではないと分かるだけで、受講者は前に進めます。
条文はそのまま渡さない
条文を読み上げるだけの講義は、理解につながりません。
条文を示したら、必ず「つまりどういうことか」を平易な言葉で言い換えてください。そのうえで、実務でどう現れるかを具体例で示す。この3段構えにすると、条文が生きた知識になります。
質問への対応を設計しておく
受講者からの質問は、放っておくと際限なく増えます。
「質問は講義ごとにまとめて受け付ける」「回答は週に一度」といった形で、あらかじめ枠を決めてください。枠が決まっていると、受講者も安心して質問できます。
また、個別の案件についての具体的な相談が来た場合の扱いも、事前に決めておいてください。前述のとおり、ここは線引きが必要な領域です。
教える経験は他の仕事にも効く
教える力は、相談やコンサルティングの仕事にそのまま転用できます。相手の理解度を測りながら説明を組み立てる、という技術は共通しています。
企業の技術活用を支援する領域では、研修と助言を組み合わせて関わる形が一般的です。ITコンサルティング・講師のお仕事を見ると、教える立場と助言する立場がどう地続きになっているかが分かります。同じ構造は、貿易分野でも成立します。
副業として無理なく回すための時間の組み立て
本業を持ちながら教える仕事をする場合、時間の設計が結果を左右します。
収録型の講座は、こちらの都合で時間を決められます。土曜の午前に撮って、平日の夜に手直しする。この形なら本業と衝突しません。副業として始めるなら、まず収録型から入るのが安全です。
ライブ形式の講義や企業研修は、相手の都合に合わせる必要があります。企業研修は平日の日中に行われることが多いので、会社員のまま受けるのは難しい場合があります。受ける前に、実施可能な曜日と時間帯を先に伝えてください。「土曜であれば対応できます」と最初に言っておけば、条件の合う依頼だけが来るようになります。
個人指導は、平日の夜に置きやすい仕事です。60分の枠を週に2コマ、といった形なら、本業への影響を抑えられます。
準備の時間を見誤らないことも大事です。講義1時間あたり、初めて作る内容なら3時間から5時間の準備がかかります。2回目以降は大幅に短くなりますが、最初の見積もりを甘くすると、そこで疲弊します。
そして、引き受ける量を先に決めてください。よい依頼が続くと断りにくくなりますが、講師の仕事は穴を空けられません。受講者が待っているからです。「今期は枠が埋まっているので、次の期であれば」と伝えるのは、正当な断り方です。
教える仕事でつまずきやすい場面
始めた方が実際に困る場面を挙げておきます。
受講者の理解度がばらばら
同じ講座に、実務経験のある人とまったくの初学者が混ざることがあります。どちらに合わせても、片方が置いていかれます。
対策は、募集の段階で対象を明示することです。「実務経験のない方向け」「輸入担当を1年以上経験している方向け」と書いておく。曖昧にしておくと、開講後に苦労します。
質問に答えられない
自分の経験外の商品分野や、制度の細部について聞かれることがあります。
分からないことを分からないと言うのは、講師として減点になりません。むしろ、曖昧に答えて後から誤りが判明するほうが、はるかに深刻です。「確認して次回お答えします」と伝えて、実際に調べて返す。この対応のほうが信頼されます。
教材が古くなったまま売られている
自作講座を出したあと、制度が変わったのに更新していない。これは受講者に直接の不利益が出ます。
年に一度の見直しを、あらかじめ予定として組んでください。あわせて、講座の説明に「内容は何年何月時点の制度に基づく」と明記しておくと、受講者も判断できます。
契約終了後に自分の講座を出せない
業務委託で講師をしていた事業者との契約に、競業を制限する条項が入っていることがあります。
契約前に確認してください。教材の権利が誰に帰属するかも同様です。自分が作ったテキストを、契約終了後に使えるかどうかで、その後の選択肢が変わります。
受講者をどう集めるか
自分で講座を持つ場合、ここが最大の課題です。
まずは事業者の集客に乗る
最初から自分で集めようとしないでください。資格スクールや研修事業者の講師として関わり、集客は事業者に任せる。この形から始めるのが現実的です。
その過程で、受講者がどこでつまずくか、どんな質問が来るかが分かります。自作講座を作るのは、その材料がそろってからで遅くありません。
発信を積み上げる
自分で集めるなら、内容を先に出す必要があります。無料で読める記事や短い動画を出し続けて、その延長で講座を知ってもらう形です。
時間はかかります。ですが、続けている人には確実に効いています。発信のときも守秘義務は同じで、公開情報だけで書く。この制約の中でも、書けるテーマは十分にあります。
既存の関係から
前職の同僚、業界の勉強会で会った人、以前に相談に乗った相手。個人指導や企業研修の依頼は、こうした経路から来ることが多いです。
ただし、勤務先の顧客に直接営業をかけるのは避けてください。競業避止の問題になります。
相談の仕事と組み合わせる
講座と個別相談を組み合わせると、収入が安定します。講座で基礎を伝え、個別の状況については相談の枠で扱う。この形は、受講者にとっても分かりやすい構成です。
相談を受ける仕事の性質についてはキャリア・副業・人生相談のお仕事で扱われている領域が参考になります。教えることと相談に乗ることは、近いようで求められる姿勢が違います。
確定申告と記録
副業としての所得が年間20万円を超える場合、給与所得者でも確定申告が必要になります。要件は所得の種類や状況によって変わるため、国税庁の案内で確認してください。
講師の報酬は源泉徴収されている場合とされていない場合が混ざります。支払明細や支払調書は、届いたらまとめて保管しておいてください。
自作講座を販売する場合は、売上の記録の残し方が変わります。プラットフォームを経由する場合、手数料が引かれた後の入金額と、売上そのものの金額は違います。どちらを記録するかを最初に決めておかないと、後で照合できなくなります。
他の資格と組み合わせる場合
教える範囲を広げたいと考えて、他の資格の取得を検討する方がいます。
ただし、資格を増やせば教えられる範囲が自動的に広がるわけではありません。業務独占が定められている領域では、資格の有無によって「できること」が法律で区切られています。教えることと業として行うことは別ですが、教える内容が実質的な代行に踏み込む場合は、その区切りが関わってきます。
※どこまでが教育でどこからが業務にあたるかは、個別の事情で判断が変わります。範囲を広げる前に、その分野の専門家に確認してください。
運営者から見た、教える仕事が続いている人の共通点
在宅とフリーランスの市場を20年見てきた立場から、この領域についてお伝えします。
教える仕事で長く続いている方には、共通点があります。自分が知っていることを全部話そうとしないことです。
専門家ほど、伝えたいことが多くなります。ですが受講者が受け取れる量には限りがあります。1回の講義で確実に持ち帰ってもらえるのは、多くて2つか3つです。それ以上を詰め込むと、何も残りません。
長く指名される講師は、削ることに時間を使っています。何を教えるかではなく、何を教えないかを決める。この作業ができる人の講座は、受講者の評価が明確に高くなります。
運営者として見てきた限りでは、専門知識を持つ人の仕事が続くかどうかは、知識の深さではなく、相手が使える形にして渡せるかどうかで決まっています。教える仕事は、その力が最も直接的に問われる仕事です。
そして、中間の手数料が乗らない直接の取引では、依頼側は同じ予算でより多くを頼めますし、受け手の手取りは厚くなります。研修や個人指導のように継続する関係では、この差が積み上がっていきます。
通関の知識は、身につけるのに年数がかかります。だからこそ、教えられる人が足りていません。制度の枠を先に確かめて、そこから始めてください。法律はあなたを縛るためではなく、活動を守るためにあります。
よくある質問
Q. 教えた経験がなくても講師の仕事は受けられますか?
受けられます。資格講座の事業者には、教育経験を必須としない募集があり、担当スタッフのフォローを前提に未経験者を受け入れている例もあります。求められているのは実務を知っていることです。講義だけでなく、テキスト作成や問題の作成だけを担当する形もあります。
Q. 講師の報酬はどのくらいですか?
資格講座の講師では、講義時給7,000円から30,000円という帯で、固定と売上連動を組み合わせた基準が示されている例があります。ただしこれは講義時間に対する単価で、テキスト作成や収録準備の時間が含まれない場合があります。契約時にどの作業が報酬の対象かを必ず確認してください。
Q. 講座で個別の相談に答えてもよいですか?
教える行為そのものは通関業務にあたりませんが、受講者の個別案件について具体的な指示を出したり書類を作成したりすると、扱いが変わる可能性があります。通関業を営むには財務大臣の許可が必要とされているため、個別相談を含める設計にする場合は、所轄の税関や専門家に事前確認してください。
Q. 自分で講座を作って売るのと、事業者の講師になるのはどちらがよいですか?
最初は事業者の講師から始めるのが現実的です。集客を事業者が担うため、内容を作ることに集中できます。その過程で受講者がどこでつまずくかが分かるので、自作講座はその材料がそろってからのほうが成功しやすくなります。自作は集客を自分で担う必要があり、そこが最大の壁です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
関連記事
カテゴリから探す

クラウドソーシング入門
クラウドソーシングの基礎知識・始め方・サイト比較

職種別ガイド
職種・スキル別の案件獲得方法と単価相場

副業・在宅ワーク
副業・在宅ワークの始め方と対象者別ガイド

フリーランス
フリーランスの独立・営業・実務ノウハウ

お金・税金
確定申告・節税・経費・ローンなどお金の知識

比較・ランキング
サービス比較・おすすめランキング

AI活用
職種別にChatGPT・生成AIを活用して業務効率化・収益化するノウハウ

最新トレンド
市場動向・法改正・AIなど最新情報

発注者向けガイド
クラウドソーシングで外注・人材探しをする企業・個人向け

転職・キャリア
転職エージェント・転職サイト比較・キャリアチェンジ

看護師の転職・求人
看護師の転職・派遣・単発バイト・副業など働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

薬剤師の転職・求人
薬剤師・登録販売者の転職・派遣・パートなど働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

介護職の転職・求人
介護職・介護福祉士・ケアマネジャー・訪問介護員の転職・派遣・夜勤など働き方のガイド

保育士の転職・求人
保育士・保育補助・幼稚園教諭の転職・派遣・パートなど働き方のガイド

医療職の転職・求人
医師・産業医・リハビリ職・歯科衛生士・管理栄養士・医療事務の転職や働き方のガイド。診療や医学の情報は扱いません

保険
生命保険・医療保険・フリーランスの保険設計

採用・求人
無料求人掲載・採用コスト削減・人材募集の方法

オフィス・ワークスペース
バーチャルオフィス・コワーキング・レンタルオフィス

法律・士業
契約トラブル・士業独立開業・フリーランス新法

シニア・50代
シニア世代のキャリアチェンジ・副業・年金

セキュリティ
サイバーセキュリティ・脆弱性対策・情報保護

金融・フィンテック
暗号資産・決済・ブロックチェーン・金融テクノロジー

経営・ビジネス
経営戦略・ガバナンス・事業承継・知財

ガジェット・機材
フリーランスに役立つPC・デバイス・周辺機器

子育て×働き方
子育てと在宅ワークの両立・保育園・時間管理

補助金・助成金
個人事業主・フリーランスが使える公的補助金・助成金・給付金の申請ガイド

アウトソーシング・外注ガイド
SNS運用・経理・広告など、業務のアウトソーシング(外注)を検討する企業・個人向け。費用相場・依頼の流れ・失敗しない選び方







