マンション管理士の講師・講座の仕事


この記事のポイント
- ✓マンション管理士 講師 副業の実像を整理しました
- ✓自作のオンライン講座という4つの入口と
- ✓話してよい範囲の線引きまでまとめています
結論を先に書きます。マンション管理士の資格を持つ人が「教える側」に回る副業は、コンサルティングよりも在宅で成立させやすく、しかも単価の下限が高い領域です。理由は、教える相手が受験生だけではないからです。管理組合の役員、管理会社の新入社員、不動産会社の営業担当、自治体の窓口担当。それぞれに別の需要があり、必要とされる話し方も金額もまったく違います。この記事では、講師案件の4つの入口と、時間あたりいくらで動いているのか、教材をどう作れば使い回せるのかを、発注側の事情を含めて整理します。
なぜ「教える仕事」が資格保有者に向いているのか
マンション管理士は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律(マンション管理適正化法)にもとづく国家資格です。試験の合格率は例年7%から10%台にとどまり、区分所有法、標準管理規約、建築設備、会計と、出題範囲が横に広いのが特徴です。この「範囲が広くて全体像がつかみにくい」という性質が、そのまま講師需要を生んでいます。独学だと何から手をつけるべきか分からない受験生が毎年一定数出るからです。
一方で、資格を取ったあとに実務へ出ている人は多くありません。
その中で副業でマンション管理士の業務を行っている人の割合をみると、資格取得者全体のうちの8%ほどです。 出典: studying.jp
正直なところ、この数字は資格の価値というより、実務の入口が現地訪問前提で設計されていることの結果です。管理組合の理事会は平日夜か土日の午前に集中し、総会は年に一度、しかも土日。会社員が兼業するには時間の形が合いません。講師の仕事は、この制約をかなりの部分まで外せます。録画型の講座であれば収録は好きな時間にできますし、ライブ型でもオンライン開催なら移動がゼロになります。
教える相手が4種類いるという事実
講師案件を探すとき、多くの人は「資格スクールの講師」だけを思い浮かべます。実際にはもっと広い。受講者は次の4つに分かれ、それぞれ求められるものが違います。
受験生に対しては、合格するための取捨選択を教えます。管理組合の役員に対しては、法令の講義ではなく「今年の総会をどう乗り切るか」を教えます。管理会社の社員に対しては、クレーム対応と実務手順を教えます。不動産会社や自治体の担当者に対しては、制度の概要と最近の改正点を教えます。この4つを混ぜて話すと、どの層にも刺さらない講義になります。最初に「誰に向けた90分か」を決めることが、講師業のすべての出発点です。
講師・講座の仕事は4つの入口に分かれる
資格スクール・通信講座の講師と添削
もっとも分かりやすい入口です。マンション管理士試験と管理業務主任者試験の講座を持つスクールが、講義の収録、テキスト執筆、答案添削、質問対応の担当者を外部に求めています。近年はオンライン講座が主流になったため、収録スタジオに通う形式ではなく、自宅で画面録画する形での発注も増えました。
報酬は形態によって分かれます。ライブ講義は1コマ90分で1万円から3万円、収録は買い取りで1本2万円から5万円、添削は1通500円から1500円あたりが目安です。ただし準備時間が読みにくいのが講師業の難所で、初回の1コマに準備を10時間かけると実質時給は一気に下がります。2年目以降は同じ資料が使えるので、続けるほど効率が上がる構造だと理解して入るのが正解です。
管理組合・自治体向けのセミナー
マンション管理適正化法にもとづく管理計画認定制度が動き出して以降、自治体がマンション管理のセミナーや相談会を開く機会が増えました。地域のマンション管理組合連合会、住宅供給公社、区市の住宅課などが主催者になります。単発の講演で1回2万円から5万円、相談会の相談員として半日で1万5000円前後という水準が多い。
金額だけ見ると大きくありませんが、この経路には別の価値があります。参加した理事長や役員が、後日そのまま顧問の相談に来る。実務案件の入口として機能するのがこの層です。管理組合向けのコンサルティングの実際はマンション管理士の副業|管理組合のコンサルティング【2026年版】に詳しくまとまっているので、講師業から実務へ広げたい人は先に読んでおくと道筋が見えます。
管理会社・不動産会社の社内研修
企業研修は、講師業の中でもっとも単価が高い領域です。管理会社の新人研修、フロント担当者向けの法令アップデート研修、不動産仲介会社向けの管理知識研修など。半日で5万円から15万円、年間の研修設計から請け負うと数十万円規模になります。
ただし参入は簡単ではありません。企業は実績のない講師を呼びません。順序としては、スクール講師か自治体セミナーで登壇実績を作り、資料と受講者アンケートを手元に残しておく。この2つが揃うと提案が通り始めます。研修の設計そのものは業務改善のコンサルティングに近く、ITコンサルティング・講師のお仕事で扱われている講師案件の進め方や見積もりの考え方は、分野が違っても構造がほぼ同じです。
自分で作るオンライン講座と少人数の勉強会
4つ目は、誰かに雇われるのではなく自分で講座を作る形です。動画講座のプラットフォームに教材を置く、あるいはオンライン会議ツールで少人数の勉強会を月額制で運営する。前者は買い切りで1講座3000円から2万円の価格帯、後者は月3000円から1万円の会費が一般的です。
正直なところ、この形は最初の1年はほとんど売れません。プラットフォームの手数料が30%から50%取られることも珍しくなく、実入りは思ったより薄い。それでも作る価値があるのは、講座そのものが名刺になるからです。企業研修の提案時に「同じ内容の講座をこちらで公開しています」と示せると、話が一気に進みます。
値付けをどう決めるか
時間単価に換算して考える癖をつける
講師業の報酬は「1回いくら」で提示されます。この形式は準備時間を隠すので、必ず時間単価に直してください。90分の講義に準備6時間、移動なし。報酬2万円なら、実働7.5時間で時給2,666円です。同じ2万円でも準備が20時間なら時給は1,000円を切ります。
判断の基準はシンプルで、その資料を次も使えるかどうかです。使い回せる資料に投じた時間は投資であり、単発で捨てる資料に投じた時間は費用です。この区別をつけずに「単価が安い」と嘆く人が多いのですが、実際に見ているとほとんどの人は2年目に急に楽になります。
副業全体の収入分布を知ったうえで期待値を置く
過度な期待を持たないために、実態の数字も見ておきます。
マンション管理士として副業している人の年収については、副業している人の59%が年収100万円未満で、年収100万円以上400万円未満が13%です。 出典: studying.jp
年間100万円未満が6割という分布です。ただしこれは稼働量の分布でもあります。年に2回セミナーに登壇するだけの人と、月2本の講義を持っている人が同じ母集団に入っています。講師業は稼働を自分で決められるので、この分布の中の位置は本人の投入時間でかなり動きます。
なお、教える仕事の値付けの物差しとして、周辺職種の賃金水準を一度見ておくと交渉が楽になります。教材づくりや原稿執筆を伴う案件が多いので、著述家,記者,編集者の年収・単価相場の水準は参考になります。オンライン講座の制作にツール開発まで絡む場合はソフトウェア作成者の年収・単価相場も見ておくと、外注するか自分でやるかの判断がつきます。
値引きより「回数」で交渉する
主催者側の予算は硬直的で、1回あたりの金額はあまり動きません。動かせるのは回数です。「1回5万円は難しいが、年4回で20万円なら」という交渉のほうが通りやすい。継続にすると資料の使い回しが効くため、こちらの実質時給も上がります。値引きを飲むより回数を取りにいく。これが講師業の交渉の基本形です。
教材と講義の作り方
受験講座は「捨てる基準」を教える
合格した人ほど、全範囲を丁寧に教えようとします。これは受講者にとって最悪の講義になります。マンション管理士試験は範囲が広く、受験生の多くは社会人で、学習時間は限られています。求められているのは網羅ではなく優先順位です。頻出論点はどこか、深追いすると沈む分野はどこか、直前期に何を捨てるか。この判断を言語化できる人が、講師として評価されます。
管理組合向けは、法令の講義をしない
役員向けのセミナーで条文の解説を始めると、その場の空気が落ちます。彼らが知りたいのは「うちの総会で議案を通すにはどうするか」「修繕積立金の値上げをどう説明するか」です。法令は結論の根拠として一言添える程度でよく、中心に置くのは手順と説明の言い回しです。運営の現場では、こうした合意形成の支援を担う仕事はキャリア相談や組織の相談に近く、キャリア・副業・人生相談のお仕事で扱われている「聞いてから話す」型の進め方が、そのまま役員向けセミナーの設計に使えます。
資料は分解して作る
スライドは1本の長い資料として作らず、10分から15分で完結するブロックに分けて作ります。ブロック単位にしておくと、90分の講義、半日研修、30分の動画のどれにも組み替えられます。使い回しの効率がまったく違ってきます。資料の見た目を整える作業は外注もできますが、簡単な図版とレイアウトなら自分で扱えたほうが早い。実務レベルの操作はAdobe認定プロフェッショナル Adobe Expressで問われる範囲でおおむね足ります。
受講者アンケートを必ず取る
次の案件を取るための材料は、自分の感想ではなく受講者の言葉です。5段階評価と自由記述を2問だけ用意し、主催者に依頼して回収してもらいます。「難しかった」という声も含めて手元に残すと、次の提案時に改善点をセットで話せます。この蓄積が、企業研修に入るときの決定打になります。
オンラインで完結させるための実務
在宅で成立させるには、環境と運営の型が要ります。機材は高価なものは不要で、外付けのマイクと、顔に光を回す照明があれば音と映像の質は十分に上がります。逆に、内蔵マイクのままだと音がこもり、それだけで受講満足度が落ちます。講義は音がすべてだと考えてください。
配信形式は録画型とライブ型を使い分けます。基礎の解説は録画で配り、質疑と演習をライブでやる。この組み合わせが、講師の拘束時間を減らしつつ満足度を保つ最短の形です。集客は主催者に任せるのが基本ですが、自分で講座を持つ場合は検索経由の導線づくりが必要になります。案件の見つけ方や自分の露出のつくり方は資格を活かした在宅副業に共通する部分が多く、社労士(社会保険労務士)資格を活かした在宅副業案件【2026年版】で紹介されている進め方は、士業以外の資格保有者にも応用できます。
教える仕事そのものを体系立てて始めたい人は、資格を使った独立の全体像を扱ったキャリアコンサルタント資格の活かし方|副業・独立ガイド【2026年版】も参考になります。受講者を集める仕組みや、単発を継続に変える設計は分野を超えて共通しています。
話してよい範囲を、講義の中で線引きする
講師業でもっとも注意が要るのが、質疑応答です。セミナー後には必ず個別の相談が来ます。「うちの規約ではこうなっているが、この決議は有効か」「管理会社とこじれているが、どうすればよいか」。ここで踏み込みすぎると問題になります。
マンション管理士はマンション管理適正化法にもとづく名称独占の資格で、この資格があることによって他の法律が定める独占業務まで行えるようになるわけではありません。個別の紛争についての法律判断や代理は弁護士法、登記手続は司法書士法、官公署に提出する書類の作成は行政書士法がそれぞれ範囲を定めています。講義や相談の場では、一般的な制度の説明と手順の整理にとどめ、個別具体の判断が必要な部分は該当する専門家への相談を促す。この線引きを最初に口頭で伝えておくと、その後のやり取りが安全になります。隣接資格の守備範囲は行政書士に整理されているので、境界を説明する前に確認しておくと言葉を選びやすくなります。
また、名称の使用については法律に定めがあり、登録を受けているかどうかで名乗り方が変わります。講座の告知文に肩書きを載せるときは、自分の登録状況と表記が一致しているかを主催者と一緒に確認してください。細かい点に見えますが、講師のプロフィールは公開情報として長く残ります。
受験講座を担当するときの具体的な組み立て
受験指導は講師業の入口になりやすい一方で、設計を誤ると受講者が離脱します。実際に評価が高い講座には共通した組み立てがあります。
全体像を最初の90分で渡す
初回で条文に入るのは失敗の典型です。マンション管理士試験は区分所有法、マンション管理適正化法、標準管理規約、建築設備、会計と分野がまたがるため、受講者はまず地図を欲しがります。初回は各分野の出題数、難易度、学習にかかる時間の目安を数字で示し、どこから手をつけるかを決めさせる回にします。ここで「この分野は4問しか出ないので後回し」と言い切れる講師は、それだけで信頼されます。
過去問を軸に、条文は後から回収する
社会人受験生の学習時間は平日1時間、休日3時間程度が現実です。この時間で全範囲を条文から積み上げるのは不可能なので、過去問を軸に据え、出た論点の周辺だけ条文へ戻る形にします。講義でも同じ順序で話すと、受講者は自宅学習の型をそのまま真似できます。教える内容以上に、学習の進め方そのものを移植するのが受験講座の仕事です。
質問対応の時間を最初に区切る
質問無制限をうたうと、講師の稼働が読めなくなります。週に一度まとめて回答する、質問は文章で受け付ける、といった運用を最初に明示してください。主催者との契約でも、質問対応が報酬に含まれるのかを文章で確認しておきます。ここを曖昧にしたまま始めた講師が、実質時給を大きく削られるケースを何度も見てきました。
単発の登壇を、継続の枠に変える
講師業の収入が安定するかどうかは、単発の依頼を年間の枠に変えられるかで決まります。方法は難しくありません。
一つ目は、登壇後に「次に扱うとよいテーマ」を3つ提案しておくことです。主催者は次回の企画に毎回困っています。テーマ案を置いておくと、次の相談がこちらに来ます。二つ目は、資料を主催者が再利用できる形で渡すことです。配布資料に出典と改正日を入れておけば、主催者は内部で使い回せます。使い回された資料の末尾に自分の名前が残るので、別部署からの依頼につながります。三つ目は、受講者アンケートの結果を主催者より先に整理して返すことです。集計と考察を1枚にまとめて送ると、次年度の予算どりの資料としてそのまま使われます。
この3つはいずれも追加の報酬が出る作業ではありません。ただ、営業活動に費やす時間と比べれば圧倒的に安上がりです。講師業で継続的に依頼を受けている人は、例外なくこの種の後処理を丁寧にやっています。
始めるときにつまずきやすい3点
一つ目は、資料を作り込みすぎることです。初回の講義に50枚のスライドを用意する人がいますが、90分で扱えるのは多くても25枚前後。情報量を増やすほど受講者の理解は落ちます。1枚に1メッセージ、これを守るだけで満足度が変わります。
二つ目は、自分が苦労した論点を長く話してしまうことです。講師にとって印象深い論点と、受講者にとって重要な論点は一致しません。判断の基準は出題頻度と配点であり、自分の記憶ではありません。過去問の出題実績を表にして、その順に時間配分を決めてください。
三つ目は、報酬の条件を口頭で済ませることです。準備時間の扱い、資料の著作権、録画の二次利用、キャンセル時の扱い。この4点は必ず文章で確認します。とくに録画の二次利用は、あとから「あの講義を教材として販売したい」と言われたときに揉める原因になります。最初に決めておけば、むしろ追加の収入源として交渉できます。
需要が伸びている分野を、講座のテーマに選ぶ
同じ講師業でも、テーマの選び方で依頼の入り方が変わります。ここ数年で明確に需要が増えているのは次の3つです。
一つ目は、管理計画認定制度と長期修繕計画です。自治体の認定を受けるための要件、計画の見直し周期、積立金の水準。この一連を役員向けにかみ砕いて説明できる講師は、自治体と管理組合連合会の両方から声がかかります。二つ目は、総会と理事会のオンライン化です。書面決議、電磁的方法による議決権行使、Web会議での開催手順。規約の定めとの関係を整理して話せる人はまだ少数です。三つ目は、管理組合の情報管理です。区分所有者名簿や議事録の取り扱い、クラウドでの共有ルール。個人情報の保護に関する法律との関係を含めて説明できると、管理会社の研修需要につながります。
3つ目のテーマは技術寄りに見えますが、必要なのは実装の知識ではなく、運用ルールを言葉にする力です。情報の扱い方をどう決めるかという論点はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で扱われている領域と重なっており、そこで語られている考え方を管理組合の文脈に翻訳できれば、講義の中身としては十分に成立します。
逆に、需要が細っているのは一般論だけの入門講座です。制度の概要を並べただけの内容は無料の記事や動画で代替され、有料で呼ばれる理由がなくなりました。テーマは必ず「今年、その組織が決めなければならないこと」に寄せてください。
登壇実績がゼロの状態から、最初の依頼を取る
実績がないうちは、待っていても声はかかりません。順序を決めて動きます。
最初にやるのは、90分の講義を1本だけ完成させることです。テーマは自分がもっとも語れるものに絞り、スライドを25枚前後で作ります。これがないと、どこにも提案ができません。次に、その講義を無償か低額で1回やらせてもらえる場を探します。地域のマンション管理組合連合会、自分が住むマンションの理事会、知人が役員をしている組合。この段階の目的は報酬ではなく、受講者アンケートと当日の写真を手に入れることです。
その2つが揃ったら、資格スクールと自治体の両方に提案します。スクールには「担当できる分野と、既にある教材の目次」を送り、自治体には「住民向けに実施できるテーマ案を3つ」送ります。どちらも年度単位で企画が動くため、募集を待つのではなく、企画が固まる前の時期に届けるのが効きます。おおむね、自治体は年度替わりの2月から3月、スクールは講座改訂前の夏場が動きやすい時期です。
提案文で押し出すのは資格名ではありません。資格は前提条件であって決め手にはならないからです。効くのは「受講者が持ち帰る一文」を明示することです。「この90分で、来年度の総会の議案書を自分で書けるようになります」と書かれた提案は、テーマだけ並べた提案とは通り方がまるで違います。
運営者として見てきた、講師業が続く人の共通点
在宅ワークの市場を20年ほど見てきた立場から、いくつか書き残します。
講師業で長く続いている人は、話がうまい人ではありません。準備の再利用が上手い人です。1回の登壇を「その場限りのイベント」として消費する人は、毎回ゼロから資料を作り、疲れて2年で辞めます。続く人は、講義資料をブロックに分けて保存し、記事に転用し、動画に切り出し、次の提案書に貼ります。同じ知識を何度も換金している、という言い方が実態に近い。
もうひとつ、手取りの構造にも触れておきます。講座販売のプラットフォームは手数料が大きく、月に5万円売れても手元に残るのは半分ということが起こります。一方で、主催者と直接契約する研修や、仲介手数料の乗らない手数料0%のマッチング経由の案件では、同じ金額でも手取りが厚くなります。運営者として見てきた限りでは、この差は受け手だけの話ではありません。中間コストが乗らない分、発注側は同じ予算で回数を増やせます。結果として、講師と主催者の関係が単発で終わらず、年間の枠として定着していく。長く続く関係は、金額の交渉ではなく中間コストの削減から生まれているというのが、現場を見てきた実感です。
最後に、市場の人口構成も押さえておきます。
また、試験合格・登録後、実際にマンション管理士として本業または副業を行っている人を年齢別に見ると、7割が60~79歳というアンケート結果も発表されています。 出典: studying.jp
活動層の中心が60代から70代という構成は、オンラインでの講義や録画配信に慣れた現役世代にとっては明確な空白です。管理組合の側も、資料の共有や総会の運営をオンラインに移す流れが進んでいます。デジタルの運用まで含めて教えられる講師は、まだ足りていません。既に資格を持っている人が埋めるべき差分は、知識ではなく「伝え方と配信の型」だけです。ここは数か月あれば十分に埋まります。
よくある質問
Q. 実務経験がなくても講師の仕事は取れますか?
受験講座の講師は合格実績が主な要件になるため、実務経験がなくても入口はあります。ただし管理組合向けのセミナーや企業研修では、現場の質問に答えられるかどうかが問われます。まず受験指導や添削から入り、並行して相談会の相談員などで実務の話に触れる順序が現実的です。
Q. 1回の講義でどのくらいの報酬になりますか?
資格スクールのライブ講義は90分で1万円から3万円、収録は買い取りで2万円から5万円、自治体や管理組合向けの講演は1回2万円から5万円が目安です。企業研修は半日で5万円から15万円と幅が広く、年間の研修設計まで請け負うと数十万円規模になります。
Q. オンラインだけで完結できますか?
できます。録画型の講座は収録時間を自分で選べますし、ライブ型もオンライン会議ツールで開催すれば移動がゼロになります。必要なのは外付けマイクと照明、そして安定した回線です。基礎解説を録画で配り、質疑をライブで行う組み合わせが拘束時間をもっとも減らせます。
Q. セミナーの質疑で個別の相談を受けてよいですか?
一般的な制度の説明と手順の整理にとどめてください。個別の紛争についての法律判断や代理は弁護士法、登記は司法書士法、官公署への提出書類の作成は行政書士法が範囲を定めています。踏み込む必要がある相談は、該当する専門家への相談を促す形にするのが安全です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
朝比奈 蒼@SOHO編集部
ITメディア編集者
IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。
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