BtoB企業サイトの制作費用相場|問い合わせ獲得に効く構成と料金の内訳を解説

朝比奈 蒼
朝比奈 蒼
BtoB企業サイトの制作費用相場|問い合わせ獲得に効く構成と料金の内訳を解説

この記事のポイント

  • BtoB企業サイトの制作費用相場を発注者目線で徹底解説
  • 50万〜500万円という価格帯の内訳
  • 制作会社とフリーランスの費用差

「BtoB企業サイトを新しく作りたい、あるいはリニューアルしたい。でも、いったいいくらかかるのか見当がつかない」。そう思って検索したなら、この記事はあなたのためのものです。結論から言うと、BtoB企業サイトの制作費用は50万円〜500万円以上と非常に幅広く、この幅の広さこそが発注者を混乱させる最大の原因です。同じ「企業サイト制作」という言葉でも、テンプレートを使った十数ページのサイトと、リード獲得を設計した戦略的なサイトでは、10倍近い価格差が生まれます。

この記事では、発注する側が「自社はいくら払うべきか」を判断できるように、費用の内訳・価格を左右する要因・依頼先ごとのコスト差・失敗しない見積もり比較の方法を、実務レベルの粒度で解説します。単なる相場表の羅列ではなく、「なぜその金額になるのか」という理由まで踏み込んで書いています。読み終わる頃には、制作会社やフリーランスから見積もりを取ったときに、その金額が妥当かどうかを自分で判断できるようになっているはずです。

BtoB企業サイトの制作費用が「50万〜500万円」と幅広い理由

まず押さえておきたいのは、BtoB企業サイトの制作費用に「定価」は存在しないということです。冒頭で触れた通り、相場は50万円〜500万円以上という広いレンジになります。これは業界が価格を隠しているわけではなく、サイトに求める役割によって作業量が根本的に変わるためです。

BtoBサイトの費用が幅広くなる背景には、大きく3つの要因があります。1つ目は「制作するページ数と機能」です。会社概要と事業紹介だけの10ページ程度のサイトなら数十万円で作れますが、製品カタログ・導入事例・資料ダウンロード・問い合わせフォーム・ブログ機能などを備えると、ページ数も機能も数倍になります。2つ目は「戦略設計の有無」です。単に情報を並べるだけのサイトと、ターゲット企業の購買プロセスを分析して問い合わせ導線を設計するサイトでは、上流工程のコストがまったく違います。3つ目は「デザインとブランディングの水準」です。テンプレートを流用するか、完全オリジナルで作り込むかで、デザイン費用は数倍変わります。

BtoB特有の事情として、購買プロセスの複雑さがあります。BtoCの買い物は個人が数分で決めますが、BtoBの購買は複数の担当者が関与し、検討期間も数週間から数ヶ月に及びます。サイトはその長い検討期間を通じて、情報提供・信頼構築・問い合わせ誘導という役割を果たさなければなりません。この「営業ツールとしての設計」が入るかどうかが、費用の分かれ目になります。

参考として、業界の一次情報を引用します。

BtoBサイトの制作費用は50万〜500万円以上と幅広く、制作会社によって得意分野も大きく異なります。制作会社選びで最も重要なのは、BtoB特有の購買プロセスを理解し、リード獲得から商談化までを見据えた提案ができるかどうかです。実際に、営業現場の一次情報をサイト設計に組み込んだ企業は、公開後の有効商談化率が平均2倍以上に達しています。本記事では、制作会社のタイプ分類、選定の5つのポイント、費用相場、制作の流れ、よくある失敗パターンまで、BtoBサイト制作に必要な判断軸を網羅的に解説します。

つまり、費用の大小そのものより、「何を目的にいくら投じるか」の視点が重要になります。安く作って問い合わせがゼロなら、その投資は0円のリターンです。逆に、多少高くても継続的にリードを生み続けるサイトなら、投資回収は十分に可能です。発注者としては、この「目的と費用の対応関係」を最初に整理することが、無駄な出費を防ぐ第一歩になります。

正直なところ、相場表だけを見て「思ったより高い」「意外と安い」と一喜一憂するのは、あまり意味がありません。大切なのは、自社のサイトにどの機能とどの水準が必要かを見極め、それに見合った予算を組むことです。次章から、その判断に必要な材料を具体的に示していきます。

BtoB企業サイトの制作費用相場を規模別に整理する

ここからは、実際の価格帯を規模別に分けて見ていきます。あくまで市場で観測される目安ですが、自社がどのゾーンに該当するかを把握する材料になります。BtoB企業サイトは、おおむね4つの価格帯に分類できます。

小規模サイト(30万〜80万円)の内容と向いている企業

もっとも安価なゾーンは30万円〜80万円の価格帯です。この価格帯では、テンプレートやWordPressの既製テーマをベースに、会社概要・事業紹介・お問い合わせといった基本的な10ページ前後のサイトを制作します。デザインは既存テーマのカスタマイズが中心で、完全オリジナルのデザインは含まれないことが多いです。

このゾーンが向いているのは、創業したばかりで「まずは名刺代わりのサイトが欲しい」という企業や、Web経由の問い合わせをそこまで重視していない企業です。実店舗や既存の営業ルートが主力で、サイトはあくまで信頼確認のために見られる程度、という位置づけなら、この価格帯で十分機能します。

ただし注意点があります。この価格帯では、戦略的なリード獲得設計はほぼ含まれません。問い合わせフォームは付いていても、「どうやってその問い合わせを増やすか」という導線設計や、検索エンジンからの流入を意識したSEO設計は最小限です。「作ったけれど問い合わせが来ない」という結果になりやすいのも、この価格帯の特徴です。安さには理由があると理解した上で選ぶべきゾーンです。

フリーランスに直接依頼すれば、この価格帯でも制作会社より品質の高いオリジナルデザインを実現できるケースがあります。中間マージンがない分、同じ50万円でも作業に回せる予算が増えるためです。この点は後ほど詳しく触れます。

中規模サイト(80万〜250万円)の内容と向いている企業

次のゾーンは80万円〜250万円の価格帯です。BtoB企業サイトの制作依頼で、もっともボリュームゾーンとなるのがこの帯です。オリジナルデザインで20〜40ページ規模のサイトを制作し、製品・サービス紹介ページ、導入事例、資料ダウンロード機能、ブログ・お知らせ機能などを備えます。

このゾーンでは、ターゲット企業の設定やサイトの目的整理といった上流の戦略設計が、ある程度含まれるようになります。問い合わせや資料請求といったコンバージョン導線も意識して設計され、公開後に更新しやすいCMS(コンテンツ管理システム)が組み込まれるのも一般的です。スマートフォン対応(レスポンシブデザイン)も標準で含まれます。

向いているのは、Web経由でのリード獲得を本格的に始めたい中小企業や、既存サイトが古くなって信頼性やデザイン面で見劣りするためリニューアルしたい企業です。営業資料をサイトに集約し、商談前の情報提供をサイトに任せたい、といったニーズにも応えられます。BtoBサイトに求められる基本機能を一通り満たせるのが、この価格帯だと考えてよいでしょう。

大規模サイト(250万〜500万円以上)の内容と向いている企業

250万円〜500万円以上の価格帯になると、サイトは単なる情報発信ツールではなく、マーケティングと営業の中核システムとして設計されます。50ページを超える大規模構成、マーケティングオートメーション(MA)ツールとの連携、多言語対応、会員限定コンテンツ、詳細なアクセス解析設計などが含まれます。

このゾーンでは、市場調査・競合分析・ペルソナ設計・カスタマージャーニー設計といった上流工程に、専門のコンサルタントやディレクターが深く関与します。BtoBの購買プロセス全体を可視化し、各段階でどんなコンテンツを見せて商談化につなげるかを緻密に設計するため、制作費用のうち戦略設計が占める割合が大きくなります。

向いているのは、Webマーケティングを事業成長の主力に据えている企業や、複数の製品ラインを持ち情報量が多い企業、海外展開を視野に入れている企業です。予算は大きいものの、投資対効果を長期で見れば十分回収可能な設計になっているのがこのゾーンの特徴です。逆に言えば、リード獲得の目標が明確でないままこの価格帯に手を出すと、機能を使いこなせず宝の持ち腐れになるリスクもあります。

フリーランス直接依頼(20万〜150万円)というもう一つの選択肢

規模別の相場とは別の軸として、「誰に頼むか」による価格差も大きいポイントです。制作会社ではなくフリーランスに直接依頼する場合、費用は20万円〜150万円程度が目安になります。同じ品質のサイトでも、制作会社経由より2〜4割安くなるケースが少なくありません。

その理由はシンプルで、制作会社に依頼すると、実際に手を動かすデザイナーやエンジニアの人件費に加えて、営業担当・ディレクター・会社の利益・オフィス維持費といった間接コストが上乗せされるためです。仲介会社を挟めばさらに手数料が加算されます。フリーランスへ直接依頼すれば、これらの中間コストが発生しないため、同じ予算でも制作そのものに使える割合が増えます。

Web制作の外注全般における発注者向けの判断材料は、Webサイト制作の外注費用相場|失敗しない発注のコツ【2026年版】でも詳しく整理しています。相場感を掴んだうえで、依頼先の選択肢を広げたい方は併せて確認するとよいでしょう。

BtoB企業サイトの制作費用の内訳を理解する

見積書を受け取ったとき、総額だけを見て判断してはいけません。内訳を理解していれば、どこにお金がかかっているのか、削れる項目はどこか、逆に削ってはいけない項目はどこかを判断できます。ここではBtoBサイト制作費用を構成する主要な項目を分解します。

戦略設計・ディレクション費用

BtoBサイトで最も重要かつ、削ってはいけないのがこの項目です。目的の整理、ターゲット企業の設定、サイト全体の構成(サイトマップ)設計、コンバージョン導線の設計などが含まれます。プロジェクト全体を管理するディレクション費用もここに含まれることが多いです。

費用の目安は、サイト全体の15%〜30%程度を占めます。中規模サイトなら20万円〜60万円ほどが相場です。「設計にそんなにお金を払うのか」と感じるかもしれませんが、BtoBサイトの成否はここでほぼ決まります。営業現場の知見をサイト設計に組み込めるかどうかが、公開後の商談化率を大きく左右するというデータもあります。ここを安易に削ると、見た目はきれいでも問い合わせが来ないサイトになりがちです。

デザイン費用

トップページや各ページのビジュアルデザインを作る費用です。テンプレート流用なら安く、完全オリジナルなら高くなります。トップページのデザインで5万円〜20万円、下層ページで1ページあたり1万円〜5万円程度が目安です。

BtoBサイトのデザインは、BtoCのような華やかさよりも「信頼感」「情報の見つけやすさ」が重視されます。凝ったアニメーションよりも、必要な情報に迷わずたどり着ける導線設計のほうが評価されます。デザインにお金をかけるなら、装飾ではなく「わかりやすさ」に投資するのが賢明です。

コーディング・実装費用

デザインを実際に動くWebページに落とし込む作業の費用です。HTMLやCSSでの実装、レスポンシブ対応、CMSへの組み込みなどが含まれます。1ページあたり1.5万円〜5万円程度が目安で、動的な機能(検索・絞り込みなど)が増えると費用も上がります。

この工程の品質は、公開後の表示速度やスマートフォンでの見やすさに直結します。BtoBサイトは業務時間中にパソコンで閲覧されることが多い一方、移動中のスマートフォン閲覧も無視できません。実装の詳しい費用感はLP制作・HTML/CSSコーディングのお仕事でも触れています。コーディングは職人技の部分もあり、実装者のスキルによって仕上がりに差が出やすい工程です。

コンテンツ制作・原稿費用

意外と見落とされがちなのが、原稿や写真といったコンテンツの制作費用です。製品説明の文章、導入事例のインタビュー記事、写真撮影などが含まれます。文章制作は1ページあたり1万円〜5万円、写真撮影は1回5万円〜15万円程度が目安です。

「原稿は自社で用意します」と言って費用を抑える企業も多いですが、これは要注意です。社内で原稿を書くつもりが結局書けず、プロジェクトが数ヶ月止まる、というのはよくある失敗パターンです。ライティングの外注相場については記事制作・ライティングの外注費用相場|文字単価の適正価格【2026年版】が参考になります。BtoBでは専門性の高い文章が求められるため、書き手の質も費用に影響します。

運用・保守費用(見落とし厳禁)

サイトは公開して終わりではありません。むしろ公開後の運用こそがBtoBサイトの成果を左右します。サーバー・ドメイン維持費、CMSやセキュリティのアップデート、コンテンツ更新、アクセス解析にもとづく改善などが継続的に発生します。

月額の相場は、最低限の保守だけなら1万円〜3万円、コンテンツ更新や改善提案まで含めると5万円〜20万円程度です。年間で見れば12万円〜240万円という無視できない金額になります。制作費用の見積もりを取るときは、必ずこの運用・保守費用も含めて総コストを試算してください。初期費用だけで判断すると、後から想定外の出費に苦しむことになります。

BtoB企業サイトの制作費用を左右する5つの要因

同じ「BtoBサイト」でも金額に差が出るのはなぜか。発注者が見積もりの妥当性を判断するために、費用を決定づける5つの要因を理解しておきましょう。

ページ数と情報量

もっとも分かりやすい要因がページ数です。当然ながら、ページが増えればデザイン・コーディング・原稿の作業量が増え、費用も上がります。ただし単純な比例ではなく、テンプレート化できる下層ページは1ページあたりの単価が下がる傾向があります。

BtoBサイトでは、製品数や事業領域の多さがページ数に直結します。1つの製品に対して「概要・仕様・活用事例・価格・FAQ」と細分化すれば、それだけでページ数は膨らみます。逆に言えば、本当に必要なページを絞り込むことで費用は抑えられます。見積もり前に、自社が伝えるべき情報を洗い出し、優先順位をつけておくと無駄な費用を避けられます。

デザインのオリジナリティ

テンプレートを使うか、完全オリジナルで作るかは、費用を大きく左右します。テンプレート流用なら数万円で済むデザインが、オリジナルなら数十万円になることもあります。オリジナルデザインは自社ブランドを表現しやすい反面、コストは高くなります。

BtoBの場合、過度に凝ったデザインよりも、情報が整理されて信頼感のあるデザインが求められます。競合他社と差別化したい、ブランドイメージを重視したい企業はオリジナルデザインを、コストを優先したい企業は質の高いテンプレートを選ぶ、という判断が現実的です。

戦略設計・マーケティング要素の深さ

BtoBサイトの費用が大きく変わる分水嶺が、この戦略設計の深さです。単に情報を掲載するだけなのか、それともリード獲得から商談化までを見据えた導線を設計するのか。後者は市場調査・競合分析・ペルソナ設計といった上流工程が必要になり、その分費用が上がります。

ここは投資対効果の視点で判断すべき項目です。以下の一次情報が参考になります。

費用だけで制作会社を選ぶのは危険です。BtoBサイトの平均コンバージョン率は2.23%とされており、適切な設計を行えば、制作後6ヶ月以内にリード獲得コストを40%削減できた事例もあります。初期費用だけでなく、投資対効果(ROI)の視点で判断しましょう。

平均コンバージョン率が2.23%ということは、月に1,000人が訪れれば約22件の問い合わせが期待できる計算です。戦略設計への投資が、この数字を押し上げるかどうかを見極める必要があります。

機能・システムの複雑さ

問い合わせフォームだけなら安価ですが、資料ダウンロード(フォーム入力後にPDF提供)、会員登録、MAツール連携、多言語対応、検索・絞り込み機能などが加わると、開発費用は跳ね上がります。1機能あたり5万円〜50万円と幅がありますが、複雑なシステム連携は数十万円単位で費用が増えます。

機能は「あれば便利」で追加すると際限なく費用が膨らみます。本当にリード獲得や商談化に効く機能はどれか、公開後すぐに使いこなせる機能はどれかを見極めて、必要最小限から始めるのが賢明です。機能は後から追加することもできます。

依頼先の種類(ここでコスト差が生まれる)

最後の、そして発注者にとって最も費用インパクトが大きい要因が「誰に頼むか」です。大手制作会社・中小制作会社・フリーランスのどこに頼むかで、同じ仕様でも総額が大きく変わります。

一般に、大手制作会社は品質と体制が安定している反面、間接コストが上乗せされて費用は高めです。中小制作会社はその中間、フリーランスは中間マージンがない分もっとも安く、同じ仕様なら制作会社の2〜4割安になることもあります。仲介会社を通すとさらに手数料が加算されるため、コストを重視するなら制作者へ直接依頼する形が最も無駄がありません。依頼先の選び方は次章で詳しく扱います。

BtoB企業サイトの外注先3タイプと費用感の違い

外注先は大きく3つのタイプに分かれます。それぞれ費用・品質・対応力に特徴があり、自社の予算と目的に合ったタイプを選ぶことが、失敗しないための鍵になります。

総合制作会社・広告代理店(費用は高め・体制は手厚い)

デザインから開発、マーケティング、運用までを一貫して請け負うタイプです。大手広告代理店やその系列会社もここに含まれます。費用は最も高く、中規模サイトでも200万円〜500万円以上になることが珍しくありません。

メリットは、体制が整っていて大規模プロジェクトでも安心して任せられること、担当者が複数いるため属人化リスクが低いことです。デメリットは、費用が高いこと、そして下請けやフリーランスに再委託されるケースがあり、その場合は中間マージンの分だけ割高になることです。実際に手を動かす人と、あなたが払う金額の間に何段階も入っている、という構造は理解しておくべきです。

大企業や、失敗が許されない基幹サイトのリニューアルには向いていますが、コストを重視する中小企業には割高に感じられることが多いタイプです。

中小・専門特化型の制作会社(バランス型)

特定の業界や、BtoBマーケティングに特化した中小規模の制作会社です。費用は80万円〜300万円程度で、大手と個人の中間に位置します。BtoB特化を掲げる会社なら、購買プロセスの理解が深く、リード獲得の設計に強みを持つことが多いです。

メリットは、専門性と適正価格のバランスが取れていること。デメリットは、会社によって品質のばらつきが大きいことです。「BtoB特化」を掲げていても実態が伴わない会社もあるため、過去の制作実績を必ず確認する必要があります。この点は、フリーランスと制作会社の比較を整理したフリーランスと制作会社どっちに外注すべき?費用・品質・対応力を徹底比較【2026年版】も判断材料になります。

フリーランス・個人事業主(費用は最安・直接取引のメリット)

Web制作を専門とするフリーランスに直接依頼するタイプです。費用は20万円〜150万円と最も安く、これは中間マージンが一切発生しないためです。制作会社経由なら営業費・管理費・会社利益が上乗せされますが、直接依頼ならその分がまるごと不要になります。

メリットは、コストパフォーマンスの高さと、実際に作業する本人と直接やり取りできるスピード感です。デメリットは、個人であるがゆえに対応できる規模に限界があること、体調不良などで進行が止まるリスクがあることです。ただし、複数人のフリーランスがチームを組んで対応するケースも増えており、規模の問題は解消されつつあります。

フリーランスの実力は経歴やポートフォリオで見極める必要があります。制作者のスキル水準を測る一つの目安として、ソフトウェア作成者の年収・単価相場著述家,記者,編集者の年収・単価相場といった職種別の相場データも、依頼相手の提示金額が妥当かを判断する材料になります。信頼できるフリーランスを見つけられれば、費用を抑えつつ高品質なサイトを実現できる、コスト重視の発注者にとって最も合理的な選択肢です。

在宅ワーカーやフリーランスへ直接依頼できるホームページ・ブログ制作のお仕事のようなマッチングの仕組みを使えば、仲介会社を通さずに制作者を探せます。案件の種類によっては漫画・同人誌・イラスト制作のお仕事のように、サイトに使う素材制作を別のフリーランスに依頼して組み合わせることも可能です。

BtoB企業サイトの制作会社・外注先を選ぶ5つのポイント

費用相場を理解したら、次は「どこに頼むか」の判断です。安さだけで選ぶと後悔する、というのは制作外注の鉄則です。ここでは失敗しない選定のための5つのポイントを示します。

BtoBの購買プロセスを理解しているか

BtoCとBtoBでは、サイトに求められる役割がまったく異なります。BtoBの購買は複数の関係者が長期間かけて検討します。担当者が情報収集し、上司が予算を判断し、決裁者が最終決定する、という多段階のプロセスです。この各段階に必要な情報をサイトが提供できているか。ここを理解している制作者を選ぶことが、成果に直結します。

見極め方は簡単です。打ち合わせで「御社のターゲット企業はどんな課題を抱えていますか」「問い合わせに至るまでの検討期間はどのくらいですか」といった質問が制作者側から出てくるかどうかを見てください。デザインの話ばかりで、こうした事業の本質に踏み込まない相手は、BtoBサイトの設計には向いていない可能性があります。

制作実績とその「中身」を確認する

実績数の多さより、実績の「中身」が重要です。自社と同じ業界、同じ規模の制作実績があるか。そのサイトが公開後に成果を出しているか。可能であれば、制作したサイトの問い合わせがどう変化したかまで聞いてみてください。

注意したいのは、見た目がきれいなポートフォリオに惑わされないことです。デザインが美しくても、それが問い合わせにつながっているとは限りません。BtoBサイトで確認すべきは「見た目」より「成果」です。実績を見せてもらうときは、「このサイトは公開後どんな効果がありましたか」と必ず聞きましょう。

見積もりの内訳が明確か

優良な制作者は、見積もりの内訳を項目ごとに明示します。「一式◯◯万円」としか書かれていない見積もりは要注意です。戦略設計、デザイン、コーディング、コンテンツ制作、運用保守がそれぞれいくらなのかが分からなければ、金額の妥当性を判断できません。

内訳が明確なら、予算に合わせて「この機能は今回見送る」「原稿は自社で用意して費用を抑える」といった調整もしやすくなります。逆に、内訳を出し渋る相手は、後から追加費用を請求してくるリスクもあります。見積もりの透明性は、その制作者の誠実さを測るバロメーターです。

公開後の運用体制があるか

前述の通り、BtoBサイトは公開後の運用こそが成果を左右します。作って納品したら終わり、という制作者では、公開後にコンテンツが更新されず、サイトが徐々に陳腐化していきます。更新方法のレクチャーがあるか、月額の保守プランがあるか、改善提案をしてくれるかを確認しましょう。

ただし、運用を丸ごと依頼すると月額費用がかさみます。簡単な更新は自社でできるようにCMSを組んでもらい、専門的な改善だけを外注する、という組み合わせがコスト効率の良い運用です。自社でどこまでできるか、どこを外注するかを事前に整理しておくとよいでしょう。

コミュニケーションの相性と反応速度

見落とされがちですが、非常に重要なのがコミュニケーションの相性です。制作は数ヶ月にわたる共同作業です。返信が遅い、質問への回答が曖昧、専門用語を並べて説明を省く、といった相手とは、プロジェクトが円滑に進みません。

初回の問い合わせから見積もり提示までのレスポンスの速さ、こちらの疑問への答え方を見れば、相性はある程度判断できます。特にフリーランスに直接依頼する場合は、この相性が成否を大きく左右します。技術力が高くてもコミュニケーションが取れない相手より、多少技術が劣ってもこまめに連絡が取れる相手のほうが、結果的に満足度の高いサイトになることが多いです。

BtoB企業サイト制作でよくある失敗パターンと回避策

発注者が陥りやすい失敗には、共通のパターンがあります。ここでは代表的な失敗と、その回避策を示します。他社の失敗から学ぶことは、無駄な出費を防ぐ最短ルートです。

安さだけで選んで品質で苦労する

最も多い失敗が、相見積もりで最も安い1社を選んでしまうケースです。安いには理由があります。戦略設計が含まれていない、テンプレートの使い回し、原稿は自社任せ、公開後のサポートなし、といった具合に、安さの裏で何かが削られています。

私自身、以前あるプロジェクトで外注先を選定したとき、3社の見積もりを比較して最も安い1社に決めたことがあります。しかし蓋を開けてみると、その見積もりには修正回数の制限があり、2回目以降の修正はすべて追加料金でした。結局、当初の見積もりより費用が膨らみ、対応も遅く、公開が2ヶ月遅れました。安さに飛びついた自分の見積もり比較の甘さが招いた結果でした。金額だけを横並びにして比べるのではなく、何が含まれ何が含まれないかを揃えて比較すべきだったと反省しています。

回避策は、見積もりを「同じ条件」に揃えて比較することです。ページ数、修正回数、原稿の有無、運用サポートの範囲を各社で統一し、その上で金額を比べる。この一手間を惜しまなければ、安物買いの銭失いは防げます。

目的が曖昧なまま制作を始める

「そろそろサイトをリニューアルしたい」という漠然とした動機だけで発注すると、ほぼ確実に失敗します。何のためのサイトか、誰に何を届けたいか、成功をどう測るかが決まっていないと、制作者も設計のしようがありません。結果、なんとなくきれいなだけで成果の出ないサイトが出来上がります。

回避策は、発注前に目的を1つに絞ることです。「問い合わせを月10件獲得する」「営業資料をサイトに集約して商談前の説明工数を減らす」など、具体的で測定可能な目的を設定します。この目的が明確なら、制作者はそこから逆算してサイトを設計できます。目的が定まっていない状態で見積もりを取っても、比較の基準すら作れません。

運用を考えずに作り込みすぎる

公開後の運用体制を考えずに、機能を盛り込みすぎる失敗もよくあります。ブログ機能を付けたのに記事を書く人がいない、更新の仕方が複雑で誰も触れない、といった状態です。せっかくの機能が放置され、費用だけがかさみます。

回避策は、「誰が・どのくらいの頻度で・何を更新するか」を発注前に決めておくことです。社内に更新できる人がいないなら、更新も外注する前提で予算を組むか、更新の少ないシンプルな構成にする。運用の現実に合わせて機能を選ぶことが、無駄な作り込みを防ぎます。

相場を知らずに言い値で契約する

費用相場を知らないまま、制作会社の提示額をそのまま受け入れてしまうケースです。特にWeb制作に不慣れな企業ほど、提示された金額が高いのか安いのか判断できず、言い値で契約してしまいます。

回避策は、この記事のような相場情報を事前に頭に入れ、複数社から見積もりを取ることです。相場を知っていれば、「この見積もりは戦略設計の割に高い」「このデザイン費用は相場より安いが品質は大丈夫か」といった判断ができます。相見積もりは手間ですが、数十万円単位の差を生む価値のある手間です。

BtoB企業サイト制作の依頼から公開までの流れ【7ステップ】

初めて外注する発注者のために、依頼から公開までの一般的な流れを示します。全体像を把握しておけば、各段階で何を準備し、何を確認すべきかが分かります。制作期間はおおむね2ヶ月〜6ヶ月が目安です。

1つ目のステップは「目的と要件の整理」です。前述の通り、何のためのサイトかを明確にし、必要なページや機能をリストアップします。予算の上限もこの段階で決めておきます。ここが曖昧だと後工程がすべてぶれるため、最も時間をかけるべき段階です。

2つ目は「制作会社・フリーランスの選定と相見積もり」です。3社程度から見積もりを取り、条件を揃えて比較します。金額だけでなく、提案内容やコミュニケーションの相性も評価軸に入れます。

3つ目は「契約と要件定義」です。依頼先が決まったら契約を結び、サイトの詳細な仕様を詰めます。この段階で、修正回数・納期・支払い条件・著作権の扱いなどを書面で明確にしておきます。口約束はトラブルの元です。

4つ目は「設計・構成づくり」です。サイトマップやワイヤーフレーム(画面の設計図)を作成し、全体の構成を固めます。発注者はこの段階で、情報の抜け漏れや導線の違和感を必ずチェックします。

5つ目は「デザイン制作」です。ワイヤーフレームをもとに、実際の見た目を作り込みます。デザイン案が上がったら、自社のブランドイメージや使いやすさの観点で確認します。

6つ目は「コーディング・実装とコンテンツ投入」です。デザインを動くWebページにし、原稿や画像を流し込みます。この段階で、スマートフォンでの表示や各機能の動作を入念にテストします。

7つ目は「公開と運用開始」です。最終確認を経てサイトを公開し、アクセス解析を設定して運用フェーズに入ります。公開はゴールではなくスタートです。ここから改善を重ねて成果を高めていきます。

各段階で発注者が主体的に関わることが、良いサイトを作るコツです。「プロに任せておけば大丈夫」という姿勢では、自社の魅力が伝わらないサイトになりがちです。制作者と二人三脚で作り上げる意識を持ちましょう。

BtoB企業サイトの制作費用に関する独自データ考察

ここまで費用相場と選び方を見てきました。最後に、在宅ワーカーやフリーランスへの外注に関するデータをもとに、発注者が費用を最適化するための考え方を整理します。

Web制作を含むクリエイティブ職種の外注において、注目すべきは「直接取引による中間コストの削減効果」です。制作会社や仲介会社を経由する場合、発注者が支払う金額のうち、実際の制作作業に回るのは一部で、残りは営業費・管理費・会社利益・仲介手数料に充てられます。この間接コストの割合は、依頼先の形態によって大きく変わります。フリーランスへ直接依頼すれば、これらの中間コストが発生しないため、同じ予算でも制作そのものに使える割合が高まります。

職種別の単価相場データを見ると、Web制作に関わるソフトウェア作成者の年収・単価相場は専門性に応じて幅があり、原稿を担う著述家,記者,編集者の年収・単価相場もスキルによって単価が異なります。制作会社に一括で依頼すると、これらの人件費に間接コストが乗った金額を支払うことになります。一方、制作者へ直接依頼すれば、その人件費に近い金額で発注できる可能性があります。仲介経由と直接依頼では、同じ仕様でも総額に2〜4割の差が生まれることも珍しくありません。

もう一つ考慮したいのが、制作者のスキルを客観的に見極める視点です。BtoBサイトの制作では、Webの技術力だけでなく、ネットワークやセキュリティの基礎知識、ビジネス文書を正確に扱う力も品質に影響します。制作者がCCNA(シスコ技術者認定)のようなインフラ系の資格を持っていれば、サーバーやセキュリティ周りの信頼性が期待できますし、ビジネス文書検定のような文書スキルの裏付けがあれば、原稿や問い合わせ対応の質にも安心感があります。資格がすべてではありませんが、直接依頼で相手の実力を測る一つの材料になります。

発注者が費用を最適化する現実的な戦略は、次の通りです。まず、この記事で示した相場を基準に自社の適正予算を見積もる。次に、目的と要件を明確にして、必要な機能だけに絞る。そして、制作会社とフリーランスの両方から見積もりを取り、条件を揃えて比較する。信頼できるフリーランスに直接依頼できれば、中間コストを削減しつつ、担当者と密にやり取りできる利点も得られます。在宅ワーカーへ直接依頼できるホームページ・ブログ制作のお仕事のようなマッチングの仕組みは、この直接取引を実現する有力な選択肢です。

正直なところ、「高いサイトほど良い」「安いサイトは失敗する」という単純な図式は成り立ちません。重要なのは、自社の目的に対して費用が適正かどうか、そして支払った金額のうちどれだけが実際の制作品質に反映されているか、という視点です。この記事で示した内訳と相場を武器に、あなたの会社にとって最適な発注判断ができることを願っています。費用の透明性を確保し、目的から逆算した予算を組み、信頼できる相手を見極める。この3点を押さえれば、BtoB企業サイトの外注は決して怖いものではありません。

よくある質問

Q. BtoB企業サイトの制作費用の相場はいくらですか?

BtoB企業サイトの制作費用は50万円〜500万円以上と幅広く、規模によって変わります。会社概要中心の小規模サイトなら30万〜80万円、リード獲得を設計した中規模サイトで80万〜250万円、大規模なマーケティングサイトで250万〜500万円以上が目安です。フリーランスへ直接依頼すれば中間マージンがない分、制作会社より2〜4割安くなることもあります。

Q. 制作費用のほかに、公開後もお金はかかりますか?

はい、運用・保守費用が継続的に発生します。サーバー・ドメイン維持、セキュリティ更新、コンテンツ更新などで、最低限の保守なら月1万〜3万円、改善提案まで含めると月5万〜20万円が目安です。年間では12万〜240万円になるため、初期費用だけでなく運用費も含めた総コストで判断することが重要です。

Q. 制作会社とフリーランス、どちらに依頼すべきですか?

予算と目的次第です。大規模で失敗が許されない基幹サイトなら体制の整った制作会社、コストを抑えつつ高品質を求めるならフリーランスへの直接依頼が向いています。フリーランスは中間マージンがない分、同じ仕様でも費用を抑えられます。ただし対応できる規模に限界があるため、実績とコミュニケーションの相性を確認して選びましょう。

Q. 見積もりを取るとき、何に気をつければよいですか?

最も重要なのは、複数社の見積もりを同じ条件に揃えて比較することです。ページ数・修正回数・原稿の有無・運用サポートの範囲を統一した上で金額を比べます。「一式◯◯万円」と内訳が不明な見積もりは要注意で、戦略設計・デザイン・コーディング・運用が項目ごとに明示されているかを確認しましょう。安さだけで選ぶと修正費や追加費用で結局高くつくことがあります。

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

公開:2026年3月18日最終更新:2026年7月8日
朝比奈 蒼

この記事を書いた人

朝比奈 蒼@SOHO編集部

ITメディア編集者

IT系メディアで編集・ライティングを担当。クラウドソーシング業界の動向やサービス比較など、客観的な視点での記事を執筆しています。

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