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広告デザインに役立つ資格|種類と取り方

@SOHO編集部
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広告デザインに役立つ資格|種類と取り方

この記事のポイント

  • ✓広告デザインの仕事に必須の資格はありませんが
  • ✓Illustrator・Photoshopの認定試験
  • ✓ウェブデザイン技能検定は実力の証明に使えます

広告デザインの資格を調べている人の多くは、「デザイナーになるには何か資格が要るのか」「取っておけば仕事を任せてもらいやすくなるのか」を知りたいと考えています。結論から言うと、広告デザインの仕事を始めるのに必須の資格はありません。それでも、色の扱い、デザインソフトの操作、印刷の知識、Webの仕組みといった実務の土台を、第三者の試験で証明できる資格はいくつかあります。この記事では、広告デザインに役立つ資格の種類を、主催団体の公式ページで確かめた検定料と日程とあわせて紹介し、目的別の選び方、資格と実績の組み合わせ方まで順に整理します。

広告デザインに必須の資格はない。それでも資格が役立つ場面

広告デザイナーは、医師や行政書士のように資格がなければ名乗れない仕事ではありません。企業の広告部門、広告制作会社、デザイン事務所、フリーランスなど、働き方はさまざまですが、どの入口でも重視されるのは「何を作れるか」を示す作品集(ポートフォリオ)です。

それでも資格が役立つ場面は、大きく3つあります。

未経験から仕事を探すとき

実務の経験がない段階では、作品集に並べられる作品も限られます。その時期に、色彩の知識やデザインソフトの操作を試験で証明しておくと、「基礎は身についている」と伝える材料になります。特に、Illustrator や Photoshop の操作を問う試験は、実際にソフトを使って課題を仕上げる形式なので、操作の力をそのまま示せます。

仕事の幅を広げたいとき

チラシやポスターなど紙の広告を作る人が Web のバナー広告に広げたい、Web の広告を作る人が印刷物も受けたい、という場面では、新しい分野の資格が学ぶ順番の道しるべになります。印刷の工程や Web の仕組みは、独学だと抜けが出やすい分野です。

依頼する側に安心してもらいたいとき

フリーランスとして仕事を受ける場合、依頼する側は相手の実力を短時間で判断しなければなりません。作品集に加えて、色彩や印刷の知識を体系的に学んだことが分かる資格があると、説明の手間が減ることがあります。

ただし、資格はあくまで補助の材料です。採用や受注の決め手になるのは、依頼する側の目的に合った作品を作れるかどうかです。資格の勉強と作品作りを並行して進めることが、広告デザインの仕事に近づく一番の近道です。

広告デザインの仕事の種類と、資格が効く場面

ひと口に広告デザインといっても、扱う媒体と担う役割によって、求められる力は変わります。自分が目指す仕事を先に決めておくと、どの資格から取るべきかがはっきりします。

媒体による違い

  • 紙の広告(チラシ、ポスター、パンフレット、新聞や雑誌の広告):印刷の工程と色の再現、文字の組み方の知識が求められる
  • Web の広告(バナー、ランディングページ、メールの広告):画面での見え方、画像の容量と表示の速さ、端末ごとの見え方の違いへの配慮が求められる
  • SNS の広告(画像の投稿、短い動画の広告):短い時間で目を止める構成と、各サービスの画像サイズの決まりへの対応が求められる
  • 屋外や店頭の広告(看板、のぼり、店内の掲示物):遠くから見たときの読みやすさと、大きな面積での色の見え方が求められる

紙の広告に強い人は DTPエキスパートが、Web や SNS の広告に強くなりたい人はウェブデザイン技能検定や Photoshop の認定試験が、学ぶ道しるべになります。色の知識はどの媒体でも共通して必要なので、色彩検定はどの方向に進む人にも役立ちます。

役割による違い

  • デザイナー:依頼の内容に沿って、レイアウトや配色、画像の加工を行い、広告を形にする
  • DTPオペレーター:デザインをもとに、印刷に出せる形のデータを正確に仕上げる
  • アートディレクター:広告全体の方向性を決め、デザイナーや写真家、コピーライターの仕事を束ねて進める

未経験から始める人は、まずデザイナーやDTPオペレーターとして制作の経験を積むのが一般的です。資格は、この最初の段階で「操作と知識の基礎がある」と示すのに最も効果を発揮します。アートディレクターのように全体を率いる役割では、資格よりも、これまでに手がけた広告の成果と、関係者を率いる経験が評価の中心になります。

生成AIの時代に、資格で操作の力を示す意味

画像を自動で作れる生成AIの機能は、Illustrator や Photoshop にも組み込まれるようになりました。広告の制作でも、背景を広げる、不要なものを消す、といった作業が短時間でできるようになっています。

その一方で、サーティファイの Illustrator と Photoshop の認定試験では、各ソフトに搭載された生成AIの機能(Adobe Firefly など)の利用を一律に禁止しています。公式の案内では、この試験が「ソフトウェアの諸機能を自ら駆使し、提示された仕様に基づいたデザインや画像を制作する能力」を証明するためのものだと説明されています。

これは、生成AIを使える時代になっても、ソフトの基本の機能を自分で使いこなす力が土台として求められている、ということでもあります。生成AIで作った画像も、広告として使うには、文字の配置、色の調整、サイズの書き出しといった仕上げの作業が必要です。仕上げの段階で思いどおりに直せる人と、生成された結果をそのまま使うしかない人とでは、依頼者に出せる品質に差が出ます。

生成AIで作った画像を広告に使うときは、権利の扱いにも注意が必要です。使うサービスの利用規約で商用利用の条件を確かめること、実在の人物や他社の商標に似た画像を使わないことなど、依頼者と事前に確認しておくべき点があります。資格で基本の操作を身につけたうえで、生成AIを作業を早める道具として使い分けると、効率と品質の両方を保てます。

広告デザインに役立つ主な資格の一覧

広告デザインの仕事と関わりの深い資格を、主催団体と検定料で整理します。金額は2026年11月1日時点で各団体の公式ページに掲載されているものです。

資格 主催 主に証明できること 検定料(税込)
色彩検定 公益社団法人色彩検定協会 色の理論と配色 3級7,000円、2級10,000円、1級15,000円
Illustrator クリエイター能力認定試験 サーティファイ Illustrator の操作と制作 スタンダード8,100円、エキスパート9,100円
Photoshop クリエイター能力認定試験 サーティファイ Photoshop の操作と画像加工 スタンダード8,100円、エキスパート9,100円
DTPエキスパート 公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT) DTP、色、印刷技術の知識 16,000円
ウェブデザイン技能検定 特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会 Web の作成と運営 3級は学科6,000円、実技9,000円

このうち、国家検定にあたるのはウェブデザイン技能検定です。厚生労働省の指定を受けた団体が実施する技能検定の1つで、合格すると「ウェブデザイン技能士」を名乗れます。そのほかは民間の団体が実施する資格や検定で、国家資格ではありません。民間の資格でも、業界で長く使われているものは評価の材料になりますが、「国家資格」と書いてしまうと誤りなので、履歴書や自己紹介では正式な名称で書くようにしましょう。

広告デザインの仕事に必要な力を分けると、「色を扱う力」「ソフトを操作する力」「印刷やWebの仕組みを理解する力」「広告のルールを守る力」の4つになります。次の節から、それぞれの力に対応する資格を詳しく見ていきます。

色を扱う力を証明する:色彩検定

広告は、見た人の目を止め、伝えたいことを一瞬で伝える必要があります。そのときに大きな役割を果たすのが色です。色彩検定は、色の見え方の仕組み、色の分類、配色の考え方、色が人の心に与える効果などを体系的に学べる検定です。

色彩検定協会の公式ページによると、2026年度の内容は次のとおりです。

級 実施時期 試験方式 検定料
3級 夏期(6月)、冬期(11月) マークシート方式 7,000円
2級 夏期(6月)、冬期(11月) マークシート方式(一部記述式) 10,000円
1級 冬期のみ(1次11月、2次12月) 1次マークシート、2次記述 15,000円
UC級 夏期(6月)、冬期(11月) マークシート方式(一部記述式) 6,000円

受検資格に制限はなく、誰でも何級からでも受けられます。合格ラインは、3級から1級までが200点満点の140点前後、UC級が200点満点の160点前後で、問題の難しさによって多少変わります。2026年度の冬期検定は11月8日に行われ、申込みは10月1日で締め切られているので、これから受ける人は2027年度の夏期検定が次の機会になります。

広告デザインでの活かし方

3級では色の三属性(色相、明度、彩度)や配色の基本、2級ではビジュアルデザインや配色技法、色のユニバーサルデザインを学びます。広告の仕事で特に役立つのが、色のユニバーサルデザインの考え方です。色の見え方には個人差があり、赤と緑の区別がつきにくい人もいます。UC級は、色の見え方の違いに配慮した配色の進め方を学ぶ級で、多くの人に情報を届ける広告では、知っておくと説得力のある提案につながります。

広告デザインを目指す人には、まず3級で基礎を学び、仕事の内容に合わせて2級やUC級に進む順番が無理がありません。冬期は3級、2級、1級、UC級を併願でき、試験時間が重ならないように組まれています。

ソフトを操作する力を証明する:Illustrator・Photoshop の認定試験

広告デザインの現場では、ロゴや図形、文字の組み合わせを Illustrator で、写真の加工や合成を Photoshop で行うことが一般的です。株式会社サーティファイが実施する「Illustrator クリエイター能力認定試験」と「Photoshop クリエイター能力認定試験」は、こうした操作の力を実際の課題で測る試験です。

試験の形式

どちらの試験も、スタンダードとエキスパートの2つのレベルがあります。公式ページの案内では、スタンダードは130分(実技問題40分、実践問題90分)、エキスパートは140分(知識・実技問題50分、実践問題90分)です。受験料はスタンダードが8,100円、エキスパートが9,100円です。

公開試験は「リモートWebテスト」による在宅受験の形式で行われます。指定された時間帯の好きな時点から受験を始められるので、遠方に住んでいる人や、平日に休みを取りにくい人でも受けやすい形です。スタンダードとエキスパートを同じ日に併願することもできます。

次の公開試験の日程

公式ページに掲載されている次の公開試験は、次のとおりです。

  • Illustrator:2027年1月24日(日)、申込期間は2026年11月10日から2027年1月10日
  • Photoshop:2027年2月7日(日)、申込期間は2026年11月24日から2027年1月24日

公開試験のほかに、認定を受けた会場で随時受験できる形式もあります。会場ごとに受験できる日程が違うので、近くの会場を公式サイトで検索して確かめてください。

広告デザインでの活かし方

この試験の特徴は、問題文の指示に沿って実際に作品を仕上げる「実践問題」があることです。依頼者の指示を読み取り、決められた時間で形にする流れは、広告制作の仕事そのものに近い経験になります。未経験の人は、スタンダードで操作の基本を固めてから、エキスパートで応用的な制作に挑む順番がおすすめです。

ソフトの利用料は、Adobe の料金プランによって変わります。試験の勉強のためにソフトを契約する場合は、Adobe の公式の料金ページで最新の金額とプランを確かめてから選びましょう。

印刷とWebの仕組みを理解する:DTPエキスパートとウェブデザイン技能検定

広告の仕上がりは、デザインの見た目だけでなく、印刷や表示の仕組みを理解しているかどうかで大きく変わります。紙の広告なら印刷の工程と色の再現、Web の広告なら画面での表示と読み込みの速さが関わります。

DTPエキスパート

日本印刷技術協会(JAGAT)が実施する資格で、DTP(パソコンで印刷物を作る作業)、色、印刷技術、情報システム、コミュニケーションと印刷ビジネスの5つの分野の知識を問います。公式ページによると、試験は年2回(3月と8月)、全国のCBT会場(パソコンで受ける試験の会場)で行われ、学科試験は120分の択一式です。経験は問われず、DTPに関心のある人なら誰でも受けられます。

合格の基準は厳しめで、5つの分野のすべてで正解率80%以上が求められます。受験料は、学科試験だけの「DTPエキスパート」が16,000円、実技試験(課題制作)もあわせて受ける「DTPエキスパート・マイスター」が23,000円です。認証期間は2年間で、続けるには更新試験を受ける必要があります。

チラシやパンフレット、ポスターなど紙の広告を多く手がける人にとっては、入稿データの作り方や色の再現の仕組みを体系的に学べる点が大きな利点です。印刷会社とのやり取りで使われる言葉を理解できるようになり、仕上がりの失敗を減らせます。

ウェブデザイン技能検定

Web の広告やランディングページを作る人には、ウェブデザイン技能検定があります。厚生労働省の指定を受けて特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会が実施する国家検定で、学科試験と実技試験で構成されます。

令和8年度の受検手数料は、3級が学科6,000円、実技9,000円、2級が学科7,000円、実技17,500円です。3級は Web の作成や運営の仕事をしている人だけでなく、これから従事しようとしている人も受けられます。令和8年度の試験は、第3回が11月29日、第4回が令和9年2月21日に予定されています。

広告のルールを知る:資格では学べない法律の知識

広告デザインの仕事では、見た目の良さと同じくらい、広告のルールを守ることが求められます。資格の試験では深く扱われない分野ですが、依頼者から信頼されるために欠かせない知識です。

景品表示法

商品やサービスの品質や価格について、実際よりも著しく良いと見せる表示は、景品表示法で禁じられています。広告の文言を考えるのは依頼者やコピーライターであることが多いですが、デザイナーが文字の大きさや配置を決める段階で、注意書きを極端に小さくするなど、誤解を招く見せ方に関わってしまうことがあります。

2023年10月1日からは、広告であることを隠した宣伝、いわゆるステルスマーケティングも景品表示法の規制の対象になりました。消費者庁は、規制の考え方をこう説明しています。

景品表示法で規制されるのは、広告であって、一般消費者が広告であることを分からないものです。 広告には、企業がインフルエンサー等の第三者に依頼・指示するものも含まれます。 出典: 消費者庁「ステルスマーケティングは景品表示法違反となります」

規制の対象になるのは商品やサービスを提供する事業者(広告主)ですが、SNS 用の広告画像を作るときに「広告」「PR」の表示をどこに、どの大きさで入れるかは、デザイナーが提案できる部分です。消費者庁の景品表示法のページでは、事例を整理した資料も公開されているので、一度目を通しておくと依頼者への説明に役立ちます。

著作権と素材の扱い

写真やイラスト、フォントには、それぞれ利用の条件があります。素材サイトの写真でも、商用利用の範囲や加工の可否が決められていることがあり、広告に使うときは条件を確かめる必要があります。フォントも、印刷物での利用、Web での利用、ロゴへの利用などで条件が分かれる場合があります。資格の勉強とあわせて、使う素材の利用規約を読む習慣をつけておくと、納品後のトラブルを防げます。

資格を取るまでの費用と期間の目安

資格ごとの検定料を、取る順番に沿って並べると、次のようになります。

進め方 受ける資格 検定料の合計(税込)
基礎を固める 色彩検定3級、Illustrator スタンダード 15,100円
操作の幅を広げる 上記に Photoshop スタンダードを追加 23,200円
紙の広告に強くなる 色彩検定3級、DTPエキスパート 23,000円
Web の広告に強くなる Photoshop スタンダード、ウェブデザイン技能検定3級(学科と実技) 23,100円

これに加えて、テキストや問題集の代金、デザインソフトの利用料がかかります。色彩検定協会は公式テキストを販売していて、サーティファイも公式のテキストや問題集、サンプル問題を案内しています。まずは公式のサンプル問題で出題の形式を確かめてから、教材を選ぶと無駄な出費を抑えられます。

期間の組み立て方

年に受けられる回数と時期が資格ごとに違うので、日程から逆算して計画を立てます。

  • 色彩検定:夏期(6月)と冬期(11月)の年2回。1級は冬期のみ
  • Illustrator と Photoshop の認定試験:公開試験が年2回程度のほか、認定会場での随時試験もある
  • DTPエキスパート:年2回(3月と8月)
  • ウェブデザイン技能検定:令和8年度は年4回(3級と2級)

たとえば、11月から学び始める人なら、1月から2月の Illustrator や Photoshop の公開試験で操作の力を固め、6月の色彩検定3級で配色の基礎を押さえる、という順番が組めます。仕事を探し始める時期までに、資格と作品集の両方がそろうように逆算するのがポイントです。

履歴書と作品集への資格の書き方

資格は、正式な名称で書くことが基本です。略称や通称で書くと、どの資格か伝わらないことがあります。

書き方の例

  • 色彩検定:「色彩検定 3級 合格」のように、級と合格を書く
  • Illustrator の認定試験:「Illustrator クリエイター能力認定試験 スタンダード 合格」
  • Photoshop の認定試験:「Photoshop クリエイター能力認定試験 エキスパート 合格」
  • DTPエキスパート:「DTPエキスパート 認証取得」と書き、認証期間が2年間であることに注意する
  • ウェブデザイン技能検定:「3級ウェブデザイン技能検定 合格」のように、等級と合格を書く

DTPエキスパートは認証期間が2年間で、続けるには更新試験が必要です。更新していない場合は、取得した年月を添えて事実どおりに書くようにしましょう。

作品集では、資格と作品を結びつける

作品集のプロフィールの欄に資格を並べるだけでなく、作品の説明の中で資格の知識をどう使ったかを書くと、資格の価値が伝わりやすくなります。「色彩検定で学んだ配色の考え方をもとに、商品のイメージに合う落ち着いた色で仕上げた」のように、資格と作品をつなげて説明すると、依頼する側にとって判断の材料になります。

目的別の資格の選び方

ここまで紹介した資格から、自分の目的に合ったものを選ぶための目安を整理します。

未経験から広告デザインの仕事を目指す人

  1. 色彩検定3級で配色の基本を学ぶ
  2. Illustrator クリエイター能力認定試験のスタンダードで操作の基本を固める
  3. 学んだ内容を使って、架空の商品の広告を3点から5点作り、作品集にする

色彩検定3級の検定料7,000円と、Illustrator のスタンダード8,100円を合わせると15,100円です。試験の費用を抑えながら、色と操作の両方の基礎を証明できます。

紙の広告を中心に仕事をしたい人

チラシやポスター、パンフレットを多く手がけたい人は、DTPエキスパートで印刷の知識を固めるのがおすすめです。入稿データの不備は、印刷のやり直しや納期の遅れにつながるため、知識の有無が仕事の評価に直結します。

Web の広告を中心に仕事をしたい人

バナー広告やランディングページを作りたい人は、Photoshop の認定試験で画像の加工を、ウェブデザイン技能検定で Web の仕組みを学ぶ組み合わせが合っています。Web の広告は、表示される端末や画面の大きさによって見え方が変わるため、仕組みの理解が仕上がりの差になります。

すでに仕事をしていて、評価を上げたい人

実務の経験がある人は、色彩検定2級やUC級、DTPエキスパート・マイスター、ウェブデザイン技能検定の2級など、より上のレベルに挑むことで、提案の説得力を高められます。資格そのものより、学んだ内容を依頼者への説明に使えるかどうかが評価につながります。

資格の勉強でつまずきやすい点と対策

広告デザインの資格は、どれも独学で合格を目指せるものですが、つまずきやすい点にはいくつかの共通点があります。先に知っておくと、勉強の時間を無駄にせずに済みます。

用語を覚えるだけで終わってしまう

色彩検定や DTPエキスパートでは、色の表し方や印刷の工程など、多くの用語が出てきます。用語を暗記するだけでは、試験の点数は取れても仕事には活かせません。用語を1つ覚えたら、身の回りの広告を見て「この配色は色相の対比を使っている」「このチラシは何色で印刷されているか」と当てはめてみると、知識が実務の言葉として身につきます。

ソフトの操作を、手順の暗記で済ませてしまう

Illustrator や Photoshop の認定試験では、決められた時間の中で指示どおりに仕上げる力が問われます。操作の手順を本で読むだけでは、本番で手が止まってしまいます。公式のサンプル問題を実際に時間を計って解き、どこで時間がかかるかを確かめておくと、練習すべき操作がはっきりします。

合格基準の高さを甘く見てしまう

DTPエキスパートの学科試験は、5つの分野のすべてで正解率80%以上が必要です。得意な分野で高い点を取っても、1つの分野が80%に届かなければ合格できません。苦手な分野を後回しにせず、早い段階で模擬問題を解いて、分野ごとの正解率を確かめておくことが大切です。

試験の申込みの時期を逃してしまう

色彩検定の2026年度冬期は、11月8日の試験に対して申込みが8月10日から10月1日まででした。ほかの資格も、申込期間は試験日よりかなり前に締め切られます。勉強を始めたら、まず受ける試験の申込期間を手帳やカレンダーに登録しておくと、気づいたら締め切りが過ぎていたという失敗を防げます。

資格の勉強と作品作りを並行させる方法

資格の勉強だけを続けていても、広告デザインの仕事にはつながりにくいものです。勉強した内容をすぐに作品に反映させる流れを作ると、資格と作品集の両方が同時に育ちます。

学んだ単元ごとに1点作る

色彩検定で配色の単元を学んだら、同じ広告を3種類の配色で作り比べてみる。Illustrator の文字の扱いを学んだら、同じ内容のチラシを見出しの組み方だけ変えて作ってみる。このように、単元ごとに1点の作品を作ると、学んだ内容が手に定着します。

作品には「目的」と「工夫」を添える

作品集に並べるときは、完成した画像だけでなく、「誰に向けた広告か」「何を伝えるための広告か」「どこを工夫したか」を短い文で添えます。依頼する側が知りたいのは、見た目の好みよりも、目的に合わせて考えられるかどうかです。

架空の依頼で練習する

実際の依頼がない段階では、身近な商品やお店を題材に、架空の依頼書を自分で作って広告を制作します。「20代の女性に向けた新商品のSNS広告」「地域の商店街のセールのチラシ」のように条件を決めると、実務に近い練習になります。実在する企業のロゴや商品名を使う場合は、作品集の中で「練習作品」であることが分かるように示し、公開の範囲にも注意しましょう。

文章の力も一緒に磨く

広告では、デザインと短い言葉の組み合わせで伝えます。見出しや説明文を自分で考えられるデザイナーは、提案の幅が広がります。文章の書き方を学ぶ方法として、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で紹介している作品集の考え方は、デザインの作品集にもそのまま応用できます。

依頼者に提案の意図を伝えるときや、制作の進め方を文書で共有するときには、ビジネス文書の基本も役立ちます。文書の形式や敬語、分かりやすい構成を学べるビジネス文書検定のような検定もあるので、デザインの資格とあわせて、伝える力を磨く道として検討してみてください。広告の仕事は、見た目を作るだけでなく、なぜその見た目にしたのかを言葉で説明する場面が多い仕事です。説明の文章が整っているだけで、修正の往復が減り、依頼者の社内での確認もスムーズに進みます。

在宅で広告デザインの仕事を受ける人から見た資格の位置づけ

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた範囲では、広告デザインの仕事を長く続けている人ほど、資格を「入口の名刺」として使い、そこから先は作品と対応の丁寧さで信頼を積み上げています。資格を取ったあとに仕事が増える人は、資格で学んだ色や印刷の知識を、依頼者への説明に使っています。「この配色にしたのは、商品の主な客層に落ち着いた印象を伝えるためです」と根拠を添えて提案できると、修正のやり取りが減り、次の依頼につながりやすくなります。

広告デザインの仕事の報酬は、扱う媒体、作業の範囲、経験によって大きく変わります。デザイナーの報酬の目安はデザイナーの年収・単価相場で整理しているので、資格を取ったあとにどの程度の単価を目指せるかを考える材料にしてください。

デザインの仕事は、マーケティングやWeb の運用と組み合わさることも増えています。広告の効果を数字で確かめ、改善の提案まで行う仕事の全体像はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事でも紹介しています。依頼する側と受ける側が直接やり取りし、中間の手数料が差し引かれない形で仕事を受けられれば、同じ予算でも依頼者はより多くの制作を頼め、受ける側の手取りは厚くなります。資格で基礎を固め、作品と提案の力で信頼を重ねていくことが、広告デザインの仕事を続けていくための土台になります。

よくある質問

Q. 広告デザイナーになるのに必須の資格はありますか?

必須の資格はありません。採用や受注で重視されるのは、どんな広告を作れるかを示す作品集です。ただし、色彩検定やIllustrator・Photoshopの認定試験、DTPエキスパートなどは、基礎の知識や操作の力を第三者の試験で証明できるため、未経験から仕事を探すときの補助の材料になります。

Q. 未経験の人はどの資格から始めるのがよいですか?

色彩検定3級で配色の基本を学び、Illustrator クリエイター能力認定試験のスタンダードで操作の基本を固める順番が無理がありません。検定料は色彩検定3級が7,000円、Illustratorのスタンダードが8,100円です。学んだ内容で架空の広告を作り、作品集にすると仕事探しに使えます。

Q. 広告デザインに役立つ国家資格はありますか?

ウェブデザイン技能検定は、厚生労働省の指定を受けた団体が実施する国家検定で、合格するとウェブデザイン技能士を名乗れます。Webの広告やランディングページを作る人に向いています。色彩検定、DTPエキスパート、Illustrator・Photoshopの認定試験は民間の資格です。

Q. 資格の勉強にAdobeのソフトは必要ですか?

Illustrator や Photoshop の認定試験を受けるなら、実際にソフトを操作する練習が欠かせません。ソフトの利用料はAdobeの料金プランによって変わるため、契約する前に公式の料金ページで最新の金額とプランを確かめてください。色彩検定やDTPエキスパートの学科の勉強は、テキスト中心でも進められます。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年1月8日最終更新:2026年11月2日
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