デザイン系の資格|種類と仕事への生かし方


この記事のポイント
- ✓デザイン系の資格の種類を
- ✓色彩・Web・グラフィックとCG・ソフトの操作・空間とインテリアの分野別に解説
- ✓国家検定と民間資格の違い
デザインの仕事に興味を持ったとき、多くの人が最初に考えるのが「資格を取れば仕事に就けるのか」という点です。デザイン系の資格は色彩、Web、グラフィック、CG、インテリアなど分野が広く、名前もよく似ているため、どれを選べばよいのか迷いやすい分野です。
この記事では、デザイン系の資格を分野ごとに整理し、それぞれが仕事のどの場面で役立つのかを解説します。結論を先に書くと、デザインの仕事の多くは資格がなくても就けますが、資格は「知識の土台を体系的に身につけた証明」として、未経験の人や仕事の幅を広げたい人に役立ちます。仕事につなげるためには、資格と作品の見本(ポートフォリオ)を組み合わせて示すことが欠かせません。
デザインの仕事に資格は必要か
デザインの仕事では、資格がないと就けない仕事はほとんどありません。建築士のように法律で資格が必要とされる分野を除けば、グラフィックデザイナーやWebデザイナー、イラストレーターなどは、資格を持っていなくても仕事ができます。採用や仕事の依頼で最も重視されるのは、これまでに作った作品です。
それでも資格が役に立つのは、次のような場面です。
- 未経験から仕事を探すとき、知識を体系的に学んだことを示す材料になる
- 色や配色、レイアウトの理論など、感覚だけでは身につきにくい知識を整理できる
- デザインのソフトの操作の力を、客観的に示せる
- 社内の別の部署からデザインの仕事に移りたいときに、学ぶ意欲を示せる
つまり、資格を持っていることは、学んだ内容に一定の水準があることを第三者が確かめた、という意味を持ちます。資格は作品の代わりではなく、作品の説得力を高める裏付けだと考えると、選び方を誤りません。
国家検定と民間資格の違い
デザイン系の資格には、国が関わる国家検定と、民間の団体が実施する民間資格があります。
国家検定の代表が、職業能力開発促進法に基づく技能検定です。厚生労働省は次のように説明しています。
技能検定は、働くうえで必要な技能の水準を評価する国家検定の制度で、機械加工や建築大工、ファイナンシャル・プランニングなど、133の職種の試験があると案内されています(令和8年3月3日時点)。合格したときの扱いは次のとおりです。
試験に合格すると合格証書が交付され、「技能士」と名乗ることができます。 出典: 厚生労働省「技能検定制度について」
デザインの分野では、ウェブデザイン技能検定が技能検定の職種の1つです。合格すると「ウェブデザイン技能士」と名乗れます。
民間資格は、業界の団体や企業が実施する資格です。色彩検定やCG-ARTSの検定、ソフトの会社が認定する資格などがこれにあたります。民間資格でも、業界で長く実施され、広く知られているものは、仕事の場面で十分に評価されます。国家検定か民間資格かよりも、その資格が自分の目指す仕事で何を証明できるかで選ぶのが大切です。
分野別に見るデザイン系の資格
デザイン系の資格を、分野ごとに整理します。
| 分野 | 主な資格 | 実施している団体 | 役立つ仕事 |
|---|---|---|---|
| 色彩 | 色彩検定 | 公益社団法人色彩検定協会 | すべてのデザイン、商品企画、販売 |
| Web | ウェブデザイン技能検定 | 特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会 | Webデザイン、Web制作 |
| Web | Webデザイナー検定 | 公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS) | Webデザイン |
| グラフィックとCG | CGクリエイター検定 | 公益財団法人画像情報教育振興協会(CG-ARTS) | CG制作、映像、ゲーム |
| ソフトの操作 | アドビ認定プロフェッショナル | 株式会社オデッセイ コミュニケーションズ | グラフィック、写真、動画 |
色彩の資格
色はあらゆるデザインの基本です。色の性質や配色の考え方、色が人に与える印象などを体系的に学べるのが色彩の資格です。
色彩検定は、公益社団法人色彩検定協会が実施する検定で、1級、2級、3級と、色の見え方の違いに配慮したデザインを学ぶUC級があります。色彩検定協会の公式サイトでは、2026年度の夏期検定は6月28日に3級・2級・UC級を、冬期検定は11月8日に全級を実施し、1級の2次試験は12月13日と案内されています。冬期検定の申し込みは10月1日で締め切られているため、次に受けるなら2027年度の夏期検定の案内を待つことになります。
色彩の知識は、デザイナーだけでなく、ファッションやインテリア、商品の企画や販売の仕事でも役立ちます。デザインの資格を1つ目に選ぶなら、どの分野にも共通する色彩から始めるのは理にかなった選び方です。
Webデザインの資格
Webデザインの資格は、Webサイトのデザインと制作の知識や技術を問う資格です。
ウェブデザイン技能検定は、技能検定の職種の1つで、学科試験と実技試験があります。実施しているのは特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会です。国家検定なので、Web制作の会社や、企業のWeb担当の求人で評価されることがあります。
CG-ARTSのWebデザイナー検定は、Webサイトのデザインの考え方や、制作の進め方、関連する技術や法律の知識を問う検定です。CG-ARTSの検定の案内では、2026年の検定は7月12日と11月29日に実施し、11月の回の申し込みは9月1日から10月23日までと案内されています。
グラフィックとCGの資格
CG-ARTSのCGクリエイター検定は、コンピュータグラフィックスを使った映像や画像の制作の知識を問う検定です。映像やゲーム、アニメーションの制作に関わりたい人に向いています。CG-ARTSは、ほかにもマルチメディア検定、CGエンジニア検定、画像処理エンジニア検定を実施していて、目指す仕事に合わせて選べます。
ソフトの操作の資格
デザインの仕事では、画像の編集や、図やイラストの作成、レイアウトのソフトなどを使います。アドビ認定プロフェッショナルは、アドビの製品の利用の力を証明する資格で、日本では株式会社オデッセイ コミュニケーションズが運営しています。Photoshop、Illustrator、Premiere Proなど、ソフトごとに試験があります。
ソフトの操作の資格は、未経験の人が「このソフトで基本の作業ができる」ことを示すのに役立ちます。ただし、ソフトを操作できることと、良いデザインができることは別です。操作の資格は、デザインの理論や作品と組み合わせて生かすものだと考えておきましょう。
空間とインテリアの資格
住まいや店舗の空間のデザインに関わる資格もあります。インテリアコーディネーターなどの民間資格のほか、建物の設計そのものには建築士という国家資格が必要です。建築士は法律で決められた資格で、一定の規模の建物の設計は建築士でなければできません。空間のデザインを目指す人は、民間資格で学べる範囲と、国家資格が必要な範囲を区別して考える必要があります。
デザインの仕事の種類と資格の対応
デザインの仕事にはさまざまな種類があり、それぞれで役立つ資格が違います。主な仕事ごとに、仕事の中身と、役立つ資格の考え方を整理します。
グラフィックデザイン
グラフィックデザインは、チラシやポスター、パンフレット、名刺、ロゴなど、主に印刷物や平面のデザインを作る仕事です。色、文字、写真、図を組み合わせて、伝えたいことを分かりやすく形にします。色彩の資格で配色の理論を、ソフトの操作の資格で画像の編集やレイアウトの作業を身につけると、仕事の基本がそろいます。印刷物を作る場合は、印刷の仕組みや入稿のデータの作り方の知識も必要です。
Webデザイン
Webデザインは、Webサイトの見た目と使いやすさを設計する仕事です。画面の配置や色、文字の大きさに加えて、利用者が迷わずに目的のページにたどり着けるかを考えます。Webの資格で制作の進め方と関連する技術の知識を、色彩の資格で配色の力を身につけると役に立ちます。サイトを実際に作る仕事まで担当する場合は、ページを組み立てる言語の知識も求められます。
アプリや画面のデザイン
スマートフォンのアプリや、業務のシステムの画面をデザインする仕事もあります。利用者が操作しやすい画面を考える仕事で、見た目だけでなく、操作の流れを設計する力が求められます。アプリを作る仕事の全体像はアプリケーション開発のお仕事で紹介していて、デザイナーが開発の担当者とどう協力するかを知る手がかりになります。
映像とCG
映像やCGの仕事は、動画の編集、アニメーション、3次元のCGの制作などを担当します。CG-ARTSのCGクリエイター検定のように、映像やCGの制作の知識を問う検定が役立ちます。動画の編集のソフトの操作の資格もあります。
イラスト
イラストの仕事は、本や広告、Webサイト、商品のパッケージなどに使う絵を描く仕事です。イラストの分野は、資格よりも作品の個性と技術で評価されることが特に多い分野です。それでも、色彩の資格で学ぶ配色の理論は、絵の印象を整えるうえで役立ちます。
空間とインテリア
住まいや店舗の空間をデザインする仕事は、家具や照明、内装の色や素材を選び、心地よい空間を作ります。インテリアの民間資格のほか、色彩の知識も空間の印象を決めるうえで欠かせません。
独学と講座の選び方
デザイン系の資格は、独学で取ることも、講座で学ぶこともできます。どちらを選ぶかは、学ぶ目的と、使える時間と費用によって決まります。
独学の利点は、費用を抑えられ、自分のペースで進められることです。色彩検定のように公式のテキストが出ている資格は、テキストと問題集を使って独学で合格を目指す人も多くいます。一方で、作品の作り方やソフトの操作は、独学だと自分のやり方の誤りに気づきにくいことがあります。
講座の利点は、講師から作品への助言を受けられることと、学ぶ順番が整っていることです。作品を作りながら学びたい人、短い期間で集中して学びたい人には講座が向いています。講座を選ぶときは、費用の総額、学べる内容、作品への助言の有無、修了までの期間を確かめます。国の教育訓練給付金の対象になっている講座なら、雇用保険の加入期間などの条件を満たせば、費用の一部が支給されることがあります。
どちらを選ぶ場合も、学んだことを使って作品を作る時間を必ず確保しましょう。学習の計画を立てるときは、試験の日から逆算して、作品づくりの時間も予定に組み込んでおくと安心です。デザインの力は、作ることでしか伸びません。
ポートフォリオに入れる作品の選び方
資格と並んで、デザインの仕事に欠かせないのがポートフォリオです。何をどう入れるかで、仕事のつながり方が大きく変わります。
まず、入れる作品は数よりも質で選びます。出来の良い作品を少なく見せる方が、出来にばらつきのある作品をたくさん見せるより、評価は高くなります。目指す仕事に近い作品を中心に選ぶことも大切です。Webデザインの仕事を探しているなら、Webサイトの作品を最初に見せます。
次に、作品ごとに説明を付けます。誰に何を伝えるためのデザインか、どんな工夫をしたか、どのくらいの期間で作ったかを短く書きます。依頼されて作った作品なら、依頼する側の要望と、それにどう応えたかを書くと、仕事の進め方まで伝わります。
架空の題材で作った作品も、ポートフォリオに入れてかまいません。その場合は、架空の題材であることを明記します。実在の会社や商品の名前を使って勝手に作ったデザインは、誤解を招くおそれがあるため避けましょう。
依頼する側が見ている点
デザインの仕事を依頼する側は、作品と資格のほかに、どんな点を見ているのでしょうか。代表的な点を挙げます。
- 依頼の目的を理解して、それに合ったデザインを提案できるか
- 納期を守れるか
- 修正の依頼に柔軟に対応できるか
- やり取りが丁寧で、返信が早いか
- 著作権や素材の使い方の決まりを守れるか
5つ目は見落とされがちな点です。デザインで使う写真やイラスト、文字の書体には、使い方の決まり(利用の許可の範囲)があります。決まりを守らずに使うと、依頼した側に迷惑がかかります。素材を使うときは、商用で使ってよいか、加工してよいかを必ず確かめましょう。
在宅でデザインの仕事を始める手順
在宅でデザインの仕事を始めたい人のために、手順を整理します。
- 目指す分野を決め、必要なソフトをそろえる
- 色彩の資格やソフトの操作の資格で、基礎を身につける
- 架空の題材や身近な依頼で作品を作り、ポートフォリオにまとめる
- 仕事の仲介サイトや知人の紹介で、小さな仕事から受ける
- 受けた仕事を作品として残し、ポートフォリオを更新する
- 実績が増えたら、単価や仕事の範囲を見直す
在宅の仕事では、顔を合わせずに依頼を受けることが多いため、最初のやり取りの文章で信頼を得ることが大切です。依頼の内容を確かめる質問、納期と報酬の確認、修正の回数の取り決めを、最初のやり取りで済ませておくと、後のトラブルを防げます。
仕事を受け始めたばかりの時期は、1件ごとに、依頼の内容、かかった時間、受け取った報酬、依頼した側からの評価を記録しておくと役に立ちます。記録が積み重なると、自分が得意な仕事と、時間のわりに報酬が少ない仕事が見えてきて、どんな仕事に力を入れるべきかを判断できるようになります。
目的別の選び方
デザイン系の資格は、目的によって選ぶべきものが変わります。
未経験からデザインの仕事を目指す人
未経験の人は、デザインの基礎になる知識と、ソフトの操作の両方を身につけることから始めます。
- 色彩検定で色と配色の基礎を学ぶ
- アドビ認定プロフェッショナルで、目指す分野のソフトの操作を証明する
- 学んだことを使って作品を作り、ポートフォリオにまとめる
資格の勉強で作った課題も、作品の見本になります。課題に取り組むときは、完成した作品だけでなく、途中の下書きや配色の検討の跡も残しておくと、考え方を伝える材料になります。資格を取ることと作品を作ることを並行して進めるのが、仕事への近道です。
Webデザイナーを目指す人
Webデザイナーを目指す人は、Webの資格を中心に選びます。
- Webデザイナー検定やウェブデザイン技能検定で、Webのデザインと制作の知識を体系的に学ぶ
- 色彩検定で配色の力を補う
- 実際にWebサイトを作り、作品として公開する
Webの仕事では、デザインだけでなく、サイトの作り方や、使いやすさの考え方、検索で見つけてもらうための工夫など、幅広い知識が求められます。資格の範囲を学ぶことで、仕事で必要な知識の全体像をつかめます。
今の仕事にデザインの力を加えたい人
事務や営業、販売など、今の仕事にデザインの力を加えたい人は、使う場面に合わせて選びます。資料やチラシを作ることが多いなら、色彩の資格とソフトの操作の資格が役立ちます。社内のWebサイトの更新を任されているなら、Webの資格が役立ちます。
資格を仕事につなげる方法
資格を取っただけでは、デザインの仕事にはつながりにくいのが現実です。資格を仕事につなげるための方法を整理します。
ポートフォリオを作る
デザインの仕事で最も重視されるのは、作品の見本をまとめたポートフォリオです。採用する側や仕事を依頼する側は、ポートフォリオを見て、その人にどんな仕事を任せられるかを判断します。
ポートフォリオには、作品の画像だけでなく、その作品の目的、工夫した点、使ったソフト、制作にかかった期間などを添えると、考える力まで伝わります。資格の勉強で学んだ配色の理論やレイアウトの考え方を、作品の説明の中で使うと、資格と作品がつながります。ポートフォリオの作り方は、文章の仕事を例にしたWebライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】も、見せ方の考え方として参考になります。
小さな仕事から実績を積む
未経験から仕事を始めるときは、小さな仕事から実績を積むのが現実的です。知人のお店のチラシ、地域の団体の案内、個人のWebサイトなど、身近なところから依頼を受け、作品として残していきます。在宅でデザインの仕事を請け負う形も広がっていて、バナーやアイコン、資料のデザインなど、短い期間でできる仕事から始められます。
報酬の水準を知っておく
仕事を受けるときは、報酬の水準を知っておくことが大切です。安すぎる金額で受けると続けられず、高すぎると依頼につながりにくくなります。デザインの仕事の報酬の水準はデザイナーの年収・単価相場で確かめられます。経験を積むにつれて単価を上げていけるように、実績を記録しておきましょう。
デザインの理論で押さえておきたい基本
資格の勉強で学ぶ内容のうち、どの分野のデザインでも使う基本の理論があります。資格を取る前に全体像を知っておくと、学習が進めやすくなります。
1つ目は、色の基本です。色には、色み(赤や青といった色の種類)、明るさ、鮮やかさの3つの性質があります。この3つの組み合わせで色の印象が決まり、配色の考え方もこの性質をもとに組み立てられます。
2つ目は、文字の扱いです。書体の選び方、文字の大きさ、行の間隔によって、読みやすさと印象は大きく変わります。見出しと本文で文字の大きさに差をつけると、読む人は情報の重要度を自然に読み取れます。
3つ目は、配置の基本です。関係のある情報を近くにまとめる、端をそろえる、同じ種類の要素は同じ形で繰り返す、強調したいものに差をつける、といった考え方は、チラシでもWebサイトでも共通して使えます。
4つ目は、余白です。情報を詰め込みすぎると、伝えたいことが埋もれてしまいます。余白を意識して取ることで、見る人の視線が自然に大切な情報に向かいます。
これらの基本は、色彩の資格、Webの資格、ソフトの操作の資格のどれを学んでも、形を変えて繰り返し出てきます。最初に全体を知っておくと、資格ごとの学習が別々の知識ではなく、1つの考え方の上に積み重なっていきます。作品を作るときも、この4つの点で見直すだけで、仕上がりの印象が大きく変わります。
資格の勉強の進め方
デザイン系の資格の勉強は、知識を覚えるだけでなく、手を動かすことが大切です。
色彩の資格なら、テキストで学んだ配色の考え方を、実際の作品で試してみます。身の回りのポスターや商品のパッケージを見て、どんな配色が使われているかを考える習慣をつけると、理論が身につきやすくなります。
Webの資格なら、実際にWebサイトを作りながら学ぶのが効果的です。学んだ知識を自分のサイトで試し、うまくいかなかった点を調べて直すことを繰り返すと、試験の範囲の理解が深まります。
ソフトの操作の資格なら、課題を時間内に正確にこなす練習を繰り返します。仕事では、決められた時間で作業を終えることが求められるため、試験の練習がそのまま仕事の練習になります。
資格選びで気をつけたいこと
デザイン系の資格を選ぶときに、気をつけたい点を挙げます。
1つ目は、試験の日程を必ず公式の案内で確かめることです。デザイン系の検定は、年に1回か2回しか実施されないものが多く、申し込みの締め切りを過ぎると半年から1年待つことになります。
2つ目は、資格の名前だけで選ばないことです。似た名前の資格でも、実施している団体や、問われる内容が違います。どんな力が問われる試験かを、公式の案内で確かめてから選びましょう。
3つ目は、高額な講座の勧誘に注意することです。「資格を取れば必ず仕事が紹介される」「すぐに高い収入が得られる」といった勧誘で、高額な講座や教材の契約を求められることがあります。資格を取っても仕事が保証されるわけではありません。契約の前に内容をよく確かめ、不安があれば消費生活センターに相談しましょう。
4つ目は、ソフトの版が変わることです。デザインのソフトは定期的に新しい版が出て、機能や画面が変わります。ソフトの操作の資格は、取った時期が古いと、今の版で同じ操作ができるとは限りません。仕事で使う版に合わせて学び直すことも考えておきましょう。
会社員がデザインの力を仕事に生かす例
デザインの資格は、デザイナーを目指す人だけのものではありません。会社員が今の仕事の中でデザインの力を生かす場面も多くあります。
営業の仕事では、提案資料の見やすさが商談の結果を左右することがあります。色の使い方や文字の大きさ、図の配置を整えるだけで、伝えたいことが相手に届きやすくなります。色彩の資格で学ぶ配色の考え方は、資料の色を3色ほどに絞り、強調したい部分だけに目立つ色を使う、といった工夫にそのまま使えます。
販売や店舗の仕事では、売り場の案内や商品の説明のカードを作る場面があります。お客様が遠くからでも読める文字の大きさや、商品の魅力が伝わる色の組み合わせを考えるときに、デザインの知識が役立ちます。
総務や広報の仕事では、社内報や会社の案内、Webサイトの更新を担当することがあります。Webの資格で学ぶ使いやすさの考え方は、社員や取引先が必要な情報にすぐたどり着けるページを作るときに役立ちます。
こうした場面で成果を出すと、社内でデザインの仕事を任されるきっかけになり、将来デザインの仕事に移るときの実績にもなります。
資格の費用と時間の考え方
デザイン系の資格を取るには、受験料のほかに、テキストや問題集、講座の費用、ソフトの利用料がかかります。
受験料は資格や級によって違い、改定されることもあるため、申し込みの時点で公式の案内を確かめてください。テキストは公式のものが出ている資格が多く、まずはそれを使うのが基本です。デザインのソフトは、月ごとや年ごとに利用料を払う形が多いため、学習の期間の分だけ費用がかかります。学生や教育機関向けの割引がある場合もあります。
時間の面では、知識を問う試験と、作品や実技を問う試験で、必要な準備が違います。知識を問う試験は、テキストを読み、問題集を解くことで準備できます。実技の試験や、ソフトの操作の試験は、実際に手を動かす練習の時間が欠かせません。働きながら学ぶ場合は、平日はテキストで知識を、休日はソフトで実技を、と分けると続けやすくなります。
勤め先に資格取得支援制度があれば、受験料や講座の費用を会社が負担してくれることがあります。今の仕事に関係するデザインの資格なら、会社に相談してみる価値があります。
資格を取った後も学び続ける
デザインの分野は、流行や道具の変化が速い分野です。資格を取った後も、学び続けることが仕事を続けるための前提になります。
学び続ける方法の1つは、良いデザインを見る習慣をつけることです。街の広告、店舗の看板、商品のパッケージ、Webサイトなど、身の回りのデザインを見て、なぜこの配色なのか、なぜこの配置なのかを考えると、資格で学んだ理論が生きた知識になります。
もう1つは、新しい道具を試すことです。デザインのソフトの新しい機能や、画像を作るAIの道具など、仕事の進め方を変える道具が次々に出ています。新しい道具を早めに試し、自分の仕事にどう使えるかを考えておくと、仕事の幅が広がります。
上位の級や、別の分野の資格に挑戦することも、学び続けるきっかけになります。色彩の資格を取った人がWebの資格に進む、ソフトの操作の資格を取った人が映像の資格に進む、といった広げ方は、仕事の幅を広げることに直結します。
これからのデザインの仕事に求められる力
デザインの仕事は、道具の進化とともに変わり続けています。画像を作るAIの道具が広がり、簡単な画像なら誰でも作れるようになりつつあります。その中で、デザイナーに求められる力も変わってきています。
求められているのは、目的に合わせてデザインを考える力です。誰に何を伝えるためのデザインなのか、どんな行動をしてほしいのかを整理し、それに合った形を選ぶ力は、道具が進んでも人が担う部分です。色彩やレイアウトの理論は、その判断の根拠になります。資格の勉強で学ぶ理論は、AIの道具を使う時代にも、デザインを判断する基準として役立ち続けます。
AIの道具を使いこなす力も、新しく求められる力の1つです。マーケティングの分野でAIをどう使うかなど、デザインに近い仕事の中身はAI・マーケティング・セキュリティのお仕事で紹介しています。
運営者の立場から見てきたこと
在宅ワークと業務委託の仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、デザインの仕事で依頼が続く人は、資格の数よりも、依頼する側の目的を聞き取る力で信頼を得ています。デザインの見た目の良さに加えて、「このデザインでお客様に何を伝えたいのか」を最初に確かめ、提案の理由を言葉で説明できる人は、次の依頼にもつながります。
仲介の手数料が乗らない直接のやり取りの場では、バナー1枚や資料の表紙のような小さなデザインの依頼も成り立ちやすくなります。手数料0%で直接やり取りできれば、同じ予算で依頼する側はより多く頼め、受ける側の手取りも厚くなります。小さな依頼で信頼を積むことが、大きな仕事への入口になります。
在宅ワーク市場から見た考察
デザイン系の資格は、色彩、Web、グラフィックとCG、ソフトの操作、空間とインテリアの分野に分かれ、それぞれが仕事の違う場面で役立ちます。どの分野にも共通する色彩から始め、目指す仕事に合わせてWebやソフトの資格を加え、学んだことを作品にまとめていく流れが、資格を仕事につなげる近道です。
在宅でデザインの仕事を受けるときは、デザインの力に加えて、依頼する側とのやり取りの力が仕事の質を左右します。提案の理由を文章で分かりやすく伝える力は、どの仕事でも役立つため、ビジネス文書検定の内容も参考に、伝える力もあわせて磨いておきましょう。
よくある質問
Q. デザインの仕事に資格は必要ですか?
建築士のように法律で資格が必要な分野を除けば、グラフィックやWebのデザインの仕事の多くは資格がなくても就けます。採用や仕事の依頼で最も重視されるのは作品の見本です。資格は、色や配色、ソフトの操作などの知識を体系的に身につけた証明として、未経験の人や仕事の幅を広げたい人に役立ちます。
Q. デザイン系の資格で最初に取るならどれがおすすめですか?
どの分野のデザインにも共通する色彩の資格から始めるのがおすすめです。色彩検定は、色の性質や配色の考え方を体系的に学べ、デザイン以外の商品企画や販売の仕事でも役立ちます。目指す仕事が決まっている場合は、Webならウェブデザイン技能検定やWebデザイナー検定、ソフトの操作ならアドビ認定プロフェッショナルを加えます。
Q. ウェブデザイン技能検定は国家資格ですか?
ウェブデザイン技能検定は、職業能力開発促進法に基づく技能検定の職種の1つで、国家検定です。学科試験と実技試験があり、合格するとウェブデザイン技能士と名乗れます。実施しているのは特定非営利活動法人インターネットスキル認定普及協会です。試験の日程や受検の条件は、協会の最新の案内で確かめてください。
Q. 資格を取ればデザインの仕事は見つかりますか?
資格を取っただけで仕事が見つかるとは限りません。デザインの仕事では、作品の見本をまとめたポートフォリオが最も重視されます。資格の勉強で作った課題や、知人のお店のチラシのような小さな仕事を作品として残し、資格と組み合わせて示すと、仕事につながりやすくなります。資格で仕事を保証すると勧誘する高額な講座には注意してください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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