行政書士の資格の費用|受験料と登録の費用


この記事のポイント
- ✓行政書士の資格にかかる費用を
- ✓合格後の登録費用(東京都で約27万円
- ✓大阪府で約30万円台)
行政書士の資格の費用を調べると、受験料の1万円ほどの話と、登録に30万円近くかかる話が同じ画面に並んでいて、結局いくら用意すればよいのか分かりにくくなります。行政書士の資格費用は「試験に合格するまで」と「行政書士として仕事を始めるまで」と「続けるあいだ毎年」の3段階に分けて考えると、手元の資金でどこまで進めるかがはっきりします。この記事では、行政書士試験研究センターと各都道府県の行政書士会が公表している今日時点の案内をもとに、段階ごとの金額と、払う時期、抑え方を順に整理します。
行政書士の資格費用は3つの段階に分かれる
行政書士の資格費用を考えるときに最初に押さえたいのは、「試験に合格すること」と「行政書士を名乗って仕事をすること」が別の手続きだという点です。試験に合格すると「行政書士となる資格」が得られますが、それだけでは行政書士として依頼を受けられません。日本行政書士会連合会が管理する名簿に登録し、事務所を設ける都道府県の行政書士会に入会して、はじめて仕事ができるようになります。
このため、費用は次の3つに分かれます。
- 第1段階:合格まで(受験手数料、教材や講座の学習費)
- 第2段階:登録まで(登録手数料、入会金、登録免許税、前払いの会費、書類の取り寄せ費用)
- 第3段階:続けるあいだ(毎月の会費、事務所の家賃、職印や名刺などの開業準備、研修の費用)
第1段階は数千円から十数万円の幅で、学び方によって大きく変わります。第2段階は都道府県によって違いますが、東京都の場合で27万3,000円が手続きの時点で必要です。第3段階は会費だけで年間6万円台から7万円台になり、事務所を借りる場合はさらに家賃がかかります。
ここで多くの人がつまずくのが、合格したら自動的に行政書士になれると思い込んでしまうことです。実際には、合格したあと登録しないまま会社員を続ける人も少なくありません。登録しなければ第2段階と第3段階の費用はかからないので、「いつ登録するか」を自分で決められます。資格の費用を見積もるときは、合格までの費用と、開業を決めたときに初めて発生する費用を分けて、2つの予算として考えるのが現実的です。
行政書士は法律上の名称でもあります。行政書士法では、登録を受けずに行政書士を名乗ることや、報酬を得て官公署に出す書類を作る仕事を業として行うことが制限されています。つまり、第2段階の費用は「仕事として書類作成を受けるための入場料」のような性格を持っています。逆に言えば、合格した知識を社内の業務や法律系の記事執筆に使う範囲なら、登録の費用をかけずに資格を活かす道もあります。
第1段階:受験手数料と試験の基本情報
行政書士試験は、総務大臣の指定を受けた一般財団法人行政書士試験研究センターが、各都道府県知事の委任を受けて実施しています。令和8年度試験の案内は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験資格 | 年齢、学歴、国籍等に関係なく誰でも受験可 |
| 試験日 | 令和8年11月8日(日)午後1時から午後4時 |
| 受験手数料 | 10,400円 |
| 申込期間(インターネット) | 令和8年7月21日から8月24日午後5時 |
| 申込期間(郵送) | 令和8年7月21日から8月17日消印有効 |
| 合格発表 | 令和9年1月27日(水) |
試験研究センターの案内には、受験手数料についてこう書かれています。
受験手数料は、10,400円です。払込みに要する費用は、受験申込者の負担となります。 一旦払い込まれた受験手数料は、地震や台風等により、試験自体を実施しなかった場合等を除き、返還しません。 出典: 行政書士試験研究センター「令和8年度行政書士試験のご案内」
注意したいのは、申し込んだあとに受けられなくなっても受験手数料は戻らないことです。試験は年に1回、11月の第2日曜日だけなので、1回分の受験手数料を無駄にすると、次の機会は1年後になります。申し込む前に、11月の第2日曜日の予定を空けられるかを家族や職場と確かめておくと、余計な出費を防げます。
試験は筆記試験で、合計60問、300点満点です。令和7年度の合否判定基準では、「法令等」の科目が244点満点で122点以上、「基礎知識」の科目が56点満点で24点以上、試験全体で180点以上の3つをすべて満たした人が合格となっています。合格者の人数に枠を設けるのではなく、点数で合否を決める方式なので、周りの出来に左右されにくい試験です。
令和7年度の結果は、受験者50,163人に対して合格者7,292人で、合格率は14.54%でした。前年度の12.90%より上がっていますが、過去10年を見ると10%前後から15%台の間で動いています。受験手数料そのものは1万円ほどでも、1回で合格できるとは限らないため、2回分、3回分の受験手数料と学習期間を見込んでおくと、途中で予算が尽きる心配が減ります。
なお、受験の申込みに必要な写真の撮影代や、試験会場までの交通費も実費として発生します。試験会場は申込み時に選べますが、先着順で、定員を超えると同じ都道府県内の別の会場に変わることがあります。遠方の会場に回る可能性がある人は、交通費を少し多めに見ておくと安心です。
第1段階:学習費は学び方で数千円から十数万円まで変わる
合格までの費用で最も差が出るのが学習費です。大きく分けて、独学、通信講座、通学講座の3つの学び方があります。
独学
市販のテキスト、過去問題集、六法をそろえて学ぶ方法です。かかるのは書籍代が中心なので、費用は最も抑えられます。試験研究センターのサイトでは過去の試験問題と正解が公開されているので、過去問題の一部は無料で確かめられます。
独学の弱点は、学ぶ順番と時間配分を自分で決めなければならないことです。行政書士試験は行政法と民法の配点が大きく、ここで点を取れないと合格基準に届きません。独学で進めるなら、最初に試験の配点表を確認して、行政法と民法に学習時間の多くを割り当てる計画を立てると、教材を買いすぎる失敗を防げます。
通信講座
動画の講義とテキストがセットになった講座です。オンライン中心の講座では、たとえばスタディングの行政書士合格コース(2027年度合格目標)は、公式サイトの表示で一括34,980円から69,400円の範囲に3つのコースが並んでいます(2026年11月1日時点、割引前の表示を含む)。講座によってはテキストの冊子が別料金になっていたり、模試や答練(答案練習)が別売りになっていたりするので、比べるときは「合格までに必要なものが全部入っているか」を見るのが大切です。
通学講座
資格学校の教室で講義を受ける方法です。決まった曜日に通うことで学習のペースを保ちやすく、講師に直接質問できる点が強みです。その分、通信講座より費用は高くなる傾向があります。金額は学校とコースごとに大きく違い、時期による割引もあるので、各校の公式の料金ページで最新の価格を確かめてください。
教育訓練給付金で学習費の一部が戻る場合がある
雇用保険に一定期間加入している人は、厚生労働大臣の指定を受けた講座を修了すると、受講費用の一部が教育訓練給付金として戻ってくる場合があります。一般教育訓練の場合、教育訓練経費の20%(上限10万円)が修了後に支給されます。行政書士の講座でも指定を受けているものがあるので、申し込む前に厚生労働省の教育訓練給付金のページから講座検索システムを開き、選ぼうとしている講座が対象かを確認しておきましょう。対象になるかどうかは加入期間などの条件で変わるので、最終的な判断は住んでいる地域を管轄するハローワークで確かめるのが確実です。
第2段階:合格後の登録にかかる費用の内訳
合格して行政書士として仕事を始めると決めたら、事務所を設ける都道府県の行政書士会を通じて登録を申請します。日本行政書士会連合会は、登録の手続きを次のように案内しています。
行政書士名簿への登録を受けるためには、行政書士事務所を設けようとする都道府県の行政書士会を通じて必要な書類を提出いただくとともに、当該行政書士会に入会していただきます。 出典: 日本行政書士会連合会「行政書士になるには」
費用は大きく4つで構成されます。
- 登録手数料:日本行政書士会連合会の名簿に載せるための手数料
- 入会金:都道府県の行政書士会に入るためのお金
- 登録免許税:国に納める税金で、収入印紙で納める
- 前払いの会費:入会後の会費の数か月分
このうち、登録手数料(25,000円)と登録免許税(30,000円)は、東京都と大阪府のどちらの案内でも同じ金額でした。大きく違うのは入会金と会費で、都道府県の行政書士会ごとに決められています。
東京都行政書士会の「登録・入会のご案内」では、事前の振込額として225,000円(登録手数料25,000円、入会金200,000円)、収入印紙で30,000円、会費3か月分の18,000円を窓口で現金で納める流れになっています。合計すると27万3,000円です。行政書士の政治団体である東京行政書士政治連盟の会費3か月分3,000円もあわせて案内されていますが、加入するかしないかは届出で選べる扱いになっています。
大阪府行政書士会の案内では、登録審査手数料25,000円と入会金250,000円の合計275,000円を申請時に現金で持参し、別に登録免許税30,000円の収入印紙が必要です。さらに登録完了後に、会費(月額5,500円で、登録した月によって1か月分から3か月分)と、必要諸物品費17,000円を納めます。必要諸物品費は令和8年4月1日以降の申請から10,000円から17,000円に変わっています。
| 項目 | 東京都 | 大阪府 |
|---|---|---|
| 登録手数料 | 25,000円 | 25,000円 |
| 入会金 | 200,000円 | 250,000円 |
| 登録免許税 | 30,000円 | 30,000円 |
| 会費(登録時) | 3か月分18,000円 | 1〜3か月分(月額5,500円) |
| その他 | 政治連盟会費は任意 | 必要諸物品費17,000円 |
このほか、住民票や本籍地の市区町村で取る身分証明書(破産していないことを証明する書類)の手数料、証明写真の撮影代、振込手数料も実費でかかります。他の都道府県で登録する人は、その都道府県の行政書士会の案内を必ず確かめてください。金額は会則の改正で変わることがあるので、申請の直前にもう一度確認するのが安全です。
第2段階で見落としやすい事務所の要件
登録の費用で見落とされやすいのが、事務所の準備にかかるお金です。行政書士は事務所を設けることが登録の前提になっていて、東京都行政書士会の案内では、提出書類として事務所の使用権を証明する書類、事務所内部の配置図、フロア図、事務所の写真が求められています。
自宅を事務所にする場合でも、書類の保管や相談者の情報を守れる形になっているかが見られます。東京都の案内には、建物の入口から事務所スペースまでの経路が分かる写真や、机と椅子と事務機器の配置が分かる写真を出すよう書かれています。賃貸住宅を事務所にするなら、貸主から事務所として使う承諾を得た書類(使用承諾書)が必要になる場合もあります。
ここで費用の差が生まれます。
- 自宅の一室を使う場合:家賃は増えないが、鍵のかかる収納や事務机をそろえる費用がかかることがある
- 賃貸の事務所を借りる場合:敷金、礼金、仲介手数料、毎月の家賃がかかる
- レンタルオフィスを使う場合:登録できる形かどうかを行政書士会の基準で確かめる必要がある
レンタルオフィスやシェアオフィスは、共用部分と専用部分の区切りが曖昧だと登録が難しいことがあります。東京都の案内でも、レンタルオフィスで接客スペースやプリンターが事務所スペースの外にある場合は、フロア図に明示するよう求めています。契約してから登録できないと分かると、家賃と初期費用がまるごと無駄になるので、契約前に行政書士会の窓口へ相談しておくのが確実です。
また、事務所の写真を撮るには、机や椅子、書類を保管する棚が実際にそろっている必要があります。登録申請の前に事務所の形を整えておく必要があるため、開業資金の計画では、登録費用と事務所の準備費用を同じ時期に払う前提で考えておきましょう。
第3段階:登録したあと毎年かかる費用
登録が終わってからも、行政書士を続けるあいだは費用がかかります。代表的なのが行政書士会の会費です。
東京都行政書士会の会費は3か月分で18,000円の案内なので、1か月あたり6,000円、年間で72,000円になります。大阪府行政書士会は月額5,500円なので、年間66,000円です。政治連盟に加入すれば、その会費も加わります。
会費は、仕事の依頼があるかどうかに関係なく毎月かかります。開業してしばらくは依頼が少ない時期が続くことも多いので、会費は固定費として最初から計画に入れておく必要があります。会費を払わないまま放置すると、行政書士会の会則にもとづく手続きの対象になり得るため、仕事を休む時期があっても、払えるうちは払うのが基本です。仕事を続けないと決めたなら、登録を抹消する手続きをとることで会費の負担は止まります。
会費以外に、毎年かかりやすい費用を挙げておきます。
- 事務所の家賃と光熱費、通信費
- 業務で使う書籍、法令集の更新費用
- 研修の受講費(行政書士会が開く研修の中には有料のものもある)
- 損害賠償の保険料(加入するかどうか、金額は保険の内容で変わる)
- ホームページや名刺などの営業費
行政書士の仕事は、法令の改正に合わせて知識を更新し続けることが前提です。建設業の許可、在留資格、相続のように扱う分野ごとに専門書や研修が必要になるので、取り扱う分野を絞っておくと、学び直しの費用を抑えられます。
開業したあとに払った会費や事務所の費用は、一般に事業の経費として扱われることが多いですが、どこまでを経費にできるかは事業の状況によって変わります。確定申告の前に、税務署や税理士に確認しておくと安心です。
登録しないという選択肢のメリットとデメリット
行政書士試験に合格しても、すぐに登録しない人は珍しくありません。費用の面から見ると、登録しない選択には次のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
- 登録費用と毎年の会費がかからない
- 会社員を続けながら、開業のタイミングを自分で選べる
- 合格の事実は消えないので、何年後でも登録を申請できる
行政書士試験の合格は、一度合格すれば期限切れになりません。今は会社員として働き、子育てや家計の状況が落ち着いたときに開業する、という順番を選べます。
デメリット
- 行政書士を名乗れず、報酬を得て官公署に出す書類を作る仕事は受けられない
- 行政書士会の研修や、先輩の行政書士から仕事を紹介してもらう機会を得にくい
- 履歴書に書けるのは「行政書士試験合格」であって「行政書士」ではない
特に注意したいのは、登録していない状態で書類作成を報酬つきで受けることです。行政書士法では、行政書士でない人が他人の依頼を受け、いかなる名目でも報酬を得て、官公署に出す書類などを作る仕事を業として行うことが制限されています。「コンサルティング料」「サポート料」と名前を変えても、実質が書類作成の報酬なら制限の対象になり得ます。合格した知識を副業で活かすなら、法律の解説記事を書く、会社の総務の仕事に活かすなど、書類作成そのものを請け負わない形にとどめるのが安全です。
文章を書く力を仕事にしたい人は、文書作成の基礎を測るビジネス文書検定のように、文章の形式や敬語を体系的に学べる検定もあります。行政書士の勉強で身につけた法律の言葉の正確さと組み合わせると、契約書の読み方や規約の解説など、法律系の記事を書く仕事で強みになります。
合格発表から登録までの流れと、お金を払う時期
費用を準備するうえで、いつ、どこに、いくら払うのかを時系列で押さえておくと、資金が足りなくなる時期を避けられます。令和8年度試験を受ける場合を例に、合格から登録までの流れを整理します。
合格発表から書類集めまで
令和8年度試験の合格発表は令和9年1月27日です。合格すると合格証が届きます。合格証は再発行ができないので、登録の申請に使うまで大切に保管します。なくしてしまった場合は、合格証の代わりに合格証明書の交付を受ける手続きがあります。
登録を決めたら、事務所を設ける都道府県の行政書士会の案内を取り寄せ、必要な書類をそろえます。東京都行政書士会の案内では、次のような書類が求められています。
- 行政書士登録申請書、履歴書、誓約書、入会届
- 住民票(本籍が書かれていて、マイナンバーが書かれていないもの)
- 行政書士となる資格を証明する書面(合格証など)
- 身分証明書(本籍地の市区町村が出す、破産していないことを証明する書類)
- 申請者の顔写真(4枚)
- 事務所の使用権を証明する書類、配置図、フロア図、事務所の写真
住民票と身分証明書は市区町村の窓口で取る書類で、それぞれ市区町村ごとに決められた手数料がかかります。本籍地が遠方にある場合は郵送で取り寄せることになり、届くまでに日数がかかるので、合格発表の前から準備の段取りを確かめておくと手続きが早く進みます。
申請の予約と、お金を払う順番
東京都行政書士会では、登録の申請は事前予約制です。予約をしたうえで、登録手数料と入会金の225,000円を事前に振り込み、予約日に本人が窓口へ行って書類一式を出します。その場で、収入印紙30,000円と会費3か月分18,000円を納めます。大阪府行政書士会の案内では、登録審査手数料と入会金の275,000円を申請時に現金で持参し、会費と必要諸物品費は登録が終わってから納める流れです。
つまり、まとまったお金が必要になるのは「申請の直前」です。合格発表の時点で手元に資金がなくても、申請の予約を入れる前までに用意できれば手続きは進められます。逆に、事務所の賃貸契約を先に結ぶと、家賃と登録費用が同じ月に重なります。物件の契約と申請の予約の日付は、手元の資金を見ながら決めるのが現実的です。
申請してから仕事を始めるまで
申請のあと、日本行政書士会連合会の審査を経て名簿に登録されます。登録が終わるまでは行政書士として仕事を受けられないので、開業の日を決めて顧客に案内するのは登録が終わってからにします。審査にかかる期間は書類の不備の有無などで変わるので、余裕を持った日程を組んでおくと安心です。
受験を何回見込むか:合格率と受験者の顔ぶれから考える
合格までの費用を見積もるときは、受験の回数をどう見込むかで総額が大きく変わります。ここでは試験研究センターの公表データから、計画の立て方を考えます。
令和7年度の受験者50,163人のうち、年代別で最も多かったのは50歳代の12,330人、次いで40歳代の12,161人でした。30歳代は9,907人、20歳代は8,294人、60歳代以上は6,748人です。会社員として働きながら学ぶ人が多い年代が中心になっていて、仕事と家庭の合間に勉強時間を作っている人が大半だと考えられます。
合格者の数では、30歳代が1,923人、40歳代が1,867人、20歳代が1,517人、50歳代が1,445人でした。年代ごとの合格者の割合を計算すると、20歳代と30歳代が18%台から19%台、40歳代が15%台、50歳代が11%台です。若い世代のほうが学習時間を確保しやすい事情もあるため、年齢が上がるほど計画的な時間配分が大切になります。
この数字から言えるのは、多くの人にとって「1回で合格できる」とは限らない、ということです。資金計画では次のように考えておくと、途中で予算が尽きる事態を避けられます。
- 受験手数料は2回分(20,800円)を見込む
- 講座を使う場合は、翌年度の更新版の料金も確かめておく(講座によっては、受講済みの人向けに更新版が安く用意されている)
- 模試や答練を別に買う場合は、その費用も年ごとに見込む
たとえばスタディングでは、前年度のコースを購入した人向けに2027年度版への更新版が用意されていて、公式サイトでは16,500円から38,600円の範囲で表示されています(2026年11月1日時点)。2年目以降の費用を最初の講座選びの段階で比べておくと、もう1年挑戦するかどうかを決めるときに迷いが少なくなります。
費用の見積もり例:3つの進め方で比べる
ここまでの金額を使って、進め方ごとの見積もりを比べてみます。学習費は講座や書籍によって変わるので、確かめられた金額だけを使い、それ以外は「各自で確認」としています。
進め方1:独学で合格し、しばらく登録しない
- 学習費:テキスト、問題集、六法の書籍代
- 受験手数料:10,400円(2回受けるなら20,800円)
- 登録費用と会費:かからない
最も負担が小さい進め方です。合格の事実は消えないので、まずは合格だけを目標にし、開業するかどうかは合格後に考えられます。
進め方2:通信講座で合格し、東京都で自宅を事務所にして開業する
- 学習費:講座の代金(教育訓練給付金の対象なら一部が戻る場合あり)
- 受験手数料:10,400円
- 登録時:27万3,000円(政治連盟に加入する場合は3,000円を追加)
- 登録後の会費:年間72,000円
- 事務所の準備:机、鍵のかかる収納、プリンターなどの費用
自宅を事務所にすると家賃が増えないため、開業時の固定費を抑えられます。ただし、事務所として登録できる形になっているかを、行政書士会の基準で確かめる必要があります。
進め方3:通学講座で合格し、大阪府で事務所を借りて開業する
- 学習費:通学講座の代金(各校の公式で確認)
- 受験手数料:10,400円
- 登録時:申請時に275,000円と収入印紙30,000円、登録後に必要諸物品費17,000円と会費
- 登録後の会費:年間66,000円
- 事務所:敷金、礼金、仲介手数料、毎月の家賃
事務所を借りる場合、開業時の支出が最も大きくなります。家賃は毎月かかる固定費なので、依頼が安定するまでの数か月分を手元に残しておくことが前提です。
3つを比べると、合格までの費用より、登録と開業にかかる費用のほうが大きくなりやすいことが分かります。行政書士の資格費用を考えるときは、受験料や講座代だけでなく、登録の段階で必要になる30万円前後の資金と、その後の毎年の会費まで含めて計画を立てるのが現実的です。
費用を抑える順番と資金計画の立て方
ここまでの費用を、時期ごとに並べ直してみます。
- 学習開始から試験まで:教材や講座の費用、受験手数料10,400円
- 合格発表(翌年1月下旬)から登録申請まで:事務所の準備費用、登録費用(東京都で27万3,000円、大阪府で30万円台)
- 登録後:会費(東京都で年間72,000円、大阪府で年間66,000円)と事務所の固定費
費用を抑えるために、次の順番で考えるのがおすすめです。
1. 学び方を先に決める
独学で合格できるかどうかは、法律の勉強の経験によって大きく変わります。法学部の出身者や、宅地建物取引士などの法律系の資格を持つ人は独学でも進めやすい一方、法律を初めて学ぶ人は通信講座を使ったほうが、結果として受験回数が減り、費用も時間も少なくて済むことがあります。1回の受験で落ちた場合、次の受験は1年後になるので、講座費用を節約して受験が1回増えるより、最初から講座を使って1回で合格を目指すほうが総額は小さくなる場合もあります。
2. 教育訓練給付金の対象講座を優先して比べる
講座を使うなら、教育訓練給付金の対象かどうかを比べる項目に入れておくと、同じ内容でも実質の負担を2割減らせる場合があります。
3. 開業する都道府県を決めてから登録費用を見積もる
入会金は都道府県で5万円ほどの差が出ることがあります。住む場所を変える予定がある人は、登録後に別の都道府県へ移ると、移った先の行政書士会への入会手続きが必要になる点も考えておきましょう。
4. 事務所は登録の基準を確かめてから契約する
レンタルオフィスや賃貸物件は、契約前に行政書士会に相談してから決めるのが、無駄な出費を防ぐ一番の方法です。
5. 開業後の半年分の会費と家賃を手元に残す
登録した直後から仕事が入るとは限りません。会費と事務所の固定費を半年から1年分は手元に残した状態で登録すると、収入が安定するまで焦らずに済みます。
在宅で働く人から見た行政書士の資格費用の考え方
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた範囲では、資格を取ったあとに仕事を長く続けられる人には共通点があります。それは、資格を取る費用と、仕事を回し始めるための費用を、最初から別の財布として考えていることです。合格までの費用は「自分への投資」、登録と開業の費用は「事業の初期費用」として分けておくと、合格したあとに登録費用を見て開業をためらう、という失敗が起きにくくなります。
行政書士の仕事は、許認可の申請書類のように、依頼者が役所とのやり取りで困っている部分を引き受ける仕事です。在宅で働く人にとっては、オンラインで相談を受け、書類の作成を進められる場面も増えています。行政書士法でも、デジタル社会の進展を踏まえて情報通信技術を活用し、国民の利便の向上に努めることが行政書士の務めとして書かれています。事務所の要件は満たす必要がありますが、相談や書類のやり取りをオンラインで進める働き方は、法律の考え方とも合っています。
合格を待つあいだに副業で収入の柱を作っておく人もいます。法律や手続きの知識はそのまま文章の仕事に活かせるので、たとえば記事の執筆ならWebライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】で紹介しているように、専門分野を持つことで単価を上げやすくなります。法律系の記事を書いた実績を見せるには、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】のように、得意分野と書いた記事を整理した資料を用意しておくと、依頼する側に伝わりやすくなります。ただし「登録しないという選択肢」の節で触れたとおり、登録前に報酬を得て官公署に出す書類を作ることはできないので、あくまで解説や執筆の仕事にとどめます。
法律の知識と書く力は、調べ物を伴う仕事全般で評価されます。研究や調査の仕事の報酬の目安は研究者の年収・単価相場で整理しているので、資格の勉強で身につく「一次資料を読み解く力」をどの仕事に活かせるかを考える材料にしてください。中間の手数料が差し引かれない直接の取引で仕事を受けられれば、同じ予算でも依頼する側はより多く頼めて、受ける側の手取りは厚くなります。開業前の時期に、少額でも継続して受けられる仕事を持っておくことが、登録費用や会費を無理なく払っていく土台になります。
よくある質問
Q. 行政書士試験の受験料はいくらですか?
令和8年度試験の受験手数料は10,400円です。払込みにかかる手数料は受験する人の負担になります。一度払い込んだ受験手数料は、災害などで試験自体が行われなかった場合などを除いて返還されないので、11月の第2日曜日に受験できるかを確かめてから申し込むのが安全です。
Q. 合格後の登録にはいくら必要ですか?
都道府県の行政書士会によって違います。東京都の場合は登録手数料25,000円、入会金200,000円、登録免許税30,000円、会費3か月分18,000円の合計27万3,000円が手続きの時点で必要です。大阪府は入会金が250,000円で、別に会費と必要諸物品費がかかります。申請前に各会の最新の案内を確認してください。
Q. 合格しても登録しないことはできますか?
できます。行政書士試験の合格に期限はないので、登録しないまま会社員を続け、開業すると決めたときに申請することも可能です。ただし登録していない間は行政書士を名乗れず、報酬を得て官公署に出す書類を作る仕事を業として受けることはできません。
Q. 毎年の会費はどのくらいかかりますか?
東京都行政書士会は3か月分で18,000円なので年間72,000円、大阪府行政書士会は月額5,500円なので年間66,000円です。政治連盟に加入すればその会費も加わります。会費のほかに、事務所の家賃や研修費、書籍代なども毎年の費用として見込んでおくと安心です。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
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@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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