60代からネットショップ運営サポートを在宅で始める|何から手をつけるかと稼げるまでの流れ 2026


この記事のポイント
- ✓60代 ネットショップ運営サポート 在宅の仕事を探している方へ
- ✓在宅でできる業務とできない業務の線引き
- ✓未経験からの5ステップ
「60代でも、在宅でネットショップの運営サポートってできるものでしょうか」
このご相談、最近とても増えています。定年後の再就職がうまくいかない。通勤が体力的にきつい。でも、まだ働きたいし、社会とつながっていたい。そんな気持ちで検索されている方が多いと思います。
大丈夫ですよ。結論からお伝えすると、ネットショップの運営サポートは、60代が在宅で始めやすい仕事のひとつです。商品登録や受注処理、問い合わせ対応といった業務は、パソコンとネット環境があればどこでもできます。そして、この分野は今、人手が足りていません。
ただし、注意していただきたいこともあります。「EC運営」という言葉でくくられた求人の中には、倉庫での梱包作業のように在宅ではできないものが混ざっています。ここを見分けられないと、応募しては断られるという消耗を繰り返してしまう。
この記事では、仕事の中身を工程ごとに分けて、在宅でできるもの・できないものをはっきりさせます。そのうえで、報酬の相場、無料で学べるスキル、未経験から始めるステップまで、順を追ってお話しします。焦らなくて大丈夫です。ひとつずつ見ていきましょう。
60代 ネットショップ運営サポート 在宅の需要はなぜ生まれているのか
まず、なぜこの仕事に需要があるのかを知っておいてください。理由が分かると、応募のときに何をアピールすればいいかが見えてきます。
ネットショップは増えたのに、運営する人が足りていない
ここ数年で、ネットショップを持つ事業者は本当に増えました。実店舗だけでやっていた地方のお店が楽天市場に出店する。個人の作家さんがminneやBASEで販売を始める。BtoBの卸をしていた会社が、自社ECを立ち上げる。
商品を登録する。写真を差し替える。注文が入ったら確認して発送指示を出す。お客様から「サイズ違いに交換したい」とメールが来たら返信する。レビューに返事を書く。在庫が切れたら表示を止める。セールの時期には価格を一括で変更する。
こうした作業が、毎日、途切れなく発生します。売上が月に数十万円規模のお店だと、専任のスタッフを雇うほどではない。でも社長ひとりでは回らない。この「雇うほどではないけれど、自分ひとりでは無理」という隙間に、在宅の運営サポートという仕事が生まれています。
つまり、あなたが求められているのは、華やかなマーケティング戦略ではありません。毎日の細かい作業を、正確に、抜けなくやってくれる人です。
60代が歓迎される理由は「丁寧さ」と「定着」
こういう相談をよく受けます。「若い人のほうが求められるのでは」と。
そんなことはありません。運営サポートの現場では、60代が評価される場面がはっきりあります。
ひとつは、お客様対応の丁寧さです。ECのカスタマーサポートは、クレーム対応も含みます。感情的なメールに対して、冷静に事実を確認して、相手の気持ちを受け止めた返信を書く。これは社会人経験の長さがそのまま出る仕事です。20代のスタッフより、60代の方のほうが安心して任せられると言う事業者は少なくありません。
もうひとつは、定着です。若い方は数か月でステップアップのために辞めていくことがあります。事業者にとって、覚えてもらった業務を引き継ぎ直すのは大きな負担です。「長く続けてくれる人がいい」という本音は、募集要項には書かれませんが、確実にあります。
実際の求人を見ても、シニア層を明確に想定した書き方が増えています。
倉庫内での品出し・梱包・軽作業のお仕事です。注文書のバーコードを読み取り、指定場所から商品を取り台車に入れ、個数を確認するピッキング作業や、商品を緩衝材で包む梱包作業を行います。アウトドア用品や工具などを扱いますが、一つ一つは重たくなく、男女・シニアの方も活躍できます。試用期間3ヶ月(同時給)、昇給あり、ミニボーナス年2回支給、交通費規定支給(月15,000円まで)、車・バイク通勤OK、駐車場あり、社内にプチコンビニあり、社会保険完備、扶養控除内勤務OK、服装自由、見学・体験応募もOK 出典: 求人ボックス
ここで大事なことをお伝えします。この求人は「シニアの方も活躍できます」と書いてありますが、倉庫内作業です。つまり、在宅ではできません。
「EC運営」「ネットショップ」というキーワードで検索すると、こうした物流側の求人がたくさん出てきます。落ち込む必要はまったくありませんが、探し方を変えないと時間を無駄にしてしまいます。次の章で、その線引きをはっきりさせますね。
シニア層が在宅の仕事を見つけるまでの全体の流れは、シニアのクラウドソーシング入門|60代から始めるオンライン副業に、案件の探し方からプロフィールの書き方まで整理されています。EC以外の選択肢も含めて見ておくと、気持ちに余裕が生まれます。
在宅でできる業務とできない業務をはっきり分ける
ここが一番大切なところです。ネットショップの運営業務を工程ごとに並べて、在宅で完結するものとそうでないものを分けます。
在宅で完結する業務
商品登録・商品ページの作成と更新
新しい商品の情報を、楽天市場やYahoo!ショッピング、Amazon、自社サイトの管理画面に登録する作業です。商品名、価格、説明文、サイズや素材といったスペック、カテゴリの設定、画像のアップロード。
これはネット環境さえあれば、どこにいてもできます。運営サポートの中で、もっとも在宅向きの業務です。
受注処理
注文が入ったら、内容を確認して、倉庫や発送担当に指示を出します。決済のエラーがないか、住所に不備がないか、同一のお客様から複数注文が来ていてまとめられないか。こうしたチェックをして、発送データを整えます。
作業自体は管理画面上で完結するので、在宅可能です。ただし、注文は土日も入ります。「毎朝9時までに前日分を処理」といった時間の縛りがつくことが多い点は、知っておいてください。
カスタマーサポート(メール・チャット)
お客様からの問い合わせに、メールやチャットで返信します。配送状況の確認、返品交換の受付、商品の使い方の説明、クレーム対応。
これも在宅でできます。電話対応が含まれる場合は、静かな作業環境が必要になるので、応募前に「電話の有無」を確認してください。
レビュー対応・SNS更新
購入者が書いたレビューに返信したり、店舗のSNSアカウントで新商品を告知したりする業務です。文章を書くことが苦にならない方に向いています。
画像の簡単な加工・バナー作成
商品写真の明るさ調整、背景の切り抜き、セール告知バナーの作成など。専門的なデザインではなく、テンプレートに文字を入れ替える程度の作業を任されることが多いです。
受注データの集計・レポート作成
売れ筋商品の集計、在庫の発注点の管理、月次の売上レポート作成。表計算ソフトが使えると、この領域まで担当できます。単価も上がります。
在宅ではできない業務
ピッキング・梱包・発送
倉庫で商品を棚から取り、箱に詰めて、伝票を貼る作業です。当然ですが、在宅ではできません。「EC運営スタッフ」という求人名でも、実態がこれである場合がかなりあります。
検品・入荷処理
届いた商品の数を数えて、傷がないか確認する作業。これも現場作業です。
商品撮影
自宅に商品を送ってもらって撮影する形なら在宅でも可能ですが、多くは倉庫やスタジオでの作業になります。
求人票の見分け方
見分け方はシンプルです。仕事内容の欄に「ピッキング」「梱包」「検品」「倉庫」「立ち仕事」という言葉が入っていたら、それは現場作業です。
逆に「商品登録」「受注処理」「問い合わせ対応」「データ入力」「モール運用」という言葉が中心なら、在宅の可能性があります。そのうえで「在宅」「リモート」「テレワーク」「フルリモート」という条件が明記されているかを確認してください。
こういう相談もよくあります。「在宅相談可と書いてあったので応募したら、週3日は出社と言われた」と。在宅相談可という表現は、慣れるまでは通勤という意味であることが多いんです。がっかりしないために、面接の段階で「在宅の比率は入社直後からどのくらいですか」と聞いてしまいましょう。聞いても失礼にはなりません。
報酬の相場と、稼ぐための現実的な設計
お金の話は、はっきりお伝えしたほうがいいと思っています。期待と現実がずれると、続かなくなってしまうからです。
時給・時間単価の目安
雇用契約のパートやアルバイトで在宅対応可の場合、時給は1,100円から1,400円あたりが中心です。
派遣で経験者向けのEC運用ポジションになると、時給1,750円から2,300円の求人も出ています。ただしこの層は、モール運用の実務経験やHTMLの基礎知識が求められることが多いです。
業務委託で時間単価が示される場合は、1,200円から1,800円程度。ここから社会保険料が引かれないかわりに、有給休暇もありません。
件数単価・月額固定の目安
在宅の運営サポートで多いのが、作業量ベースの契約です。
商品登録なら1商品あたり100円から300円。項目が多い商品や、説明文をゼロから書く場合はもっと高くなります。
受注処理は1件あたり30円から80円程度。問い合わせ対応は1件100円から200円程度が目安です。
店舗まるごとの運営代行を月額で請ける形なら、小規模店で月額3万円から8万円。ただしこれは、ある程度の経験を積んでから狙う水準です。
収入設計の考え方
1日3時間、週5日で月に60時間。時間単価1,300円なら、月の収入は約7万8千円です。
「思ったより少ない」と感じるかもしれません。でも、ここで大事なのは金額そのものではなく、通勤時間がゼロで、体調に合わせて時間をずらせるという点です。往復2時間の通勤がなくなるということは、月に40時間、自分の時間が戻ってくるということでもあります。
そして、慣れれば作業速度は上がります。件数単価の契約なら、それはそのまま時間あたりの収入になります。最初の3か月は「覚える期間」と割り切って、そのあとの伸びを見てください。
他の在宅職種とどのくらい違うのかを知りたい方は、ソフトウェア作成者の年収・単価相場や著述家,記者,編集者の年収・単価相場に職種別のデータがまとまっています。EC運営サポートは、専門職ほど高くはありませんが、参入のハードルが低い分、始めやすい位置にあります。
必要なスキルと、無料で学べるもの
「資格がないと無理でしょうか」というご質問をよくいただきます。
必須の資格はありません。これは本当です。ただ、あったほうが選考で有利になるものと、資格より大事なスキルがあります。
資格より先に身につけたい3つのスキル
表計算ソフトの基本操作
Excelまたは Googleスプレッドシートで、商品データの一覧を編集できること。具体的には、並べ替え、フィルタ、文字列の置換、VLOOKUP関数あたりが使えると、業務の幅がぐっと広がります。
商品を200点まとめて登録するとき、1件ずつ管理画面に打ち込む人と、CSVファイルを作って一括アップロードする人では、かかる時間が10倍違います。ここは投資する価値があります。
メールの文章力
カスタマーサポートは、文章がすべてです。クレームのメールに対して、事実を確認し、謝るべき点は謝り、できないことははっきり伝える。それを角が立たない言葉で書く。
これは60代の方が得意な領域です。長い社会人経験の中で、自然と身についているものだからです。自信を持ってください。
もし体系的に整えたいなら、ビジネス文書検定で問われる範囲が、そのままEC運営の実務に直結します。敬語の使い分け、依頼と謝罪の書き分け、簡潔な報告の書き方。応募書類に書ける資格でもあります。
画像編集の初歩
Canvaという無料のツールがあります。テンプレートを選んで文字と写真を差し替えるだけで、セールバナーや商品ページのヘッダー画像が作れます。専門知識は要りません。
無料で使える範囲でも十分に実務で通用します。まずは1週間触ってみて、自分でバナーを3枚作ってみてください。それが応募のときの実績になります。
モールごとの管理画面に慣れる
楽天市場のRMS、Amazonのセラーセントラル、Yahoo!ショッピングのストアクリエイターPro、Shopifyの管理画面。それぞれ操作の考え方が違います。
すべてを覚える必要はありません。まずは1つに絞ってください。求人数で言えば楽天市場の運用経験が最も求められますが、個人でも無料で試せるという点ではShopifyやBASEのほうが練習しやすいです。
自分でネットショップを開設して、架空でもいいので商品を10点登録してみる。この経験があるだけで、面接での説得力がまったく変わります。「管理画面を触ったことがあります」と言えるかどうかの差は、想像以上に大きいんです。
AIツールの活用は覚えておくと強い
最近は、商品説明文の下書きやメール返信の草案をAIに作らせて、人が仕上げるという運用が増えています。
これは60代にとって、むしろ追い風です。文章の質を判断する力は経験がものを言いますし、AIが出した案の「ここは事実と違う」「この言い回しはお客様を不安にさせる」という判断ができるのは、経験を積んだ人だからです。
AIをどう業務に組み込むかという領域そのものが仕事になっていることは、AIコンサル・業務活用支援のお仕事を見ると分かります。すぐにこの領域を狙う必要はありませんが、EC運営の中でAIツールを使いこなせるようになると、単なる作業者ではなく「効率を上げてくれる人」として見てもらえます。
未経験から始める5つのステップ
順番が大切です。いきなり応募しても、書けることがないと通りません。焦らず、この順で進めてください。
ステップ1:自分でネットショップを開設してみる
BASEやSTORESなら、初期費用なしで開設できます。実際に販売しなくて構いません。
商品を10点登録し、説明文を書き、写真を差し替え、カテゴリを作り、送料の設定をする。この一連を自分でやると、運営サポートの仕事が何をする仕事なのか、体で分かります。
期間の目安は2週間です。ここを飛ばして応募すると、面接で具体的な話ができず、落ちます。
ステップ2:表計算ソフトで商品データを扱う練習をする
自分のショップの商品10点を、CSVファイルで一括登録してみてください。
エクスポートしたCSVを開き、列の意味を理解し、行を追加し、再度アップロードする。この作業ができるだけで、応募できる求人の層が上がります。
ステップ3:Canvaでバナーを3枚作る
セール告知、新商品のお知らせ、送料無料キャンペーン。この3種類を作ってみてください。
作ったものは保存しておきます。応募のときに「こういうものが作れます」と見せられる材料になります。
ステップ4:応募書類に「できること」を具体的に書く
ここでつまずく方がとても多いです。「パソコンは一通り使えます」では伝わりません。
こう書いてください。「BASEでネットショップを開設し、商品20点の登録とページ作成を行いました。CSVによる一括登録、Canvaを使ったバナー作成、送料・配送設定まで一通り経験しています」と。
嘘は書かないでください。でも、やったことは全部書いてください。ご自身が思っているより、それは価値のある経験です。
ステップ5:小さい案件から実績を作る
最初から月額の運営代行を狙わなくて大丈夫です。「商品登録50点」といった単発の仕事を受けて、期日どおりに、正確に納品する。
これを3件も積めば、「継続でお願いできませんか」という話が来ます。EC運営の発注側は、新しい人を探すコストを嫌います。一度信頼できると分かった人には、次々と依頼が来る構造になっています。
50代・60代から新しいITスキルを身につけるときの現実的な順番については、50代の転職に役立つWebスキル|未経験でも身につくIT技術5選に学習ルートが整理されています。EC運営の周辺スキルを広げたいときの参考になります。
メリットとデメリットを正直にお伝えします
いいことばかりお伝えするのは、誠実ではないと思っています。両面を見てから決めてください。
メリット
通勤がない
これは体力面で大きな意味を持ちます。60代で片道1時間の通勤を続けるのは、想像以上に消耗します。その分を作業に使えます。
時間の調整がききやすい
受注処理のように締め切りがある業務を除けば、朝でも夜でも構わない仕事が多い。通院や家族の予定に合わせられます。
経験が武器になる
お客様対応、文章、段取り。これまで積んできたものがそのまま使えます。ゼロからの学び直しではありません。
続けるほど効率が上がる
同じ店舗を担当すると、商品の傾向も、お客様の問い合わせパターンも頭に入ります。半年後には、最初の半分の時間で同じ量をこなせるようになります。
デメリット
孤独になりやすい
これは私が一番お伝えしたいことです。在宅ワークは、人と話さない日が続きます。会社員のときは良くも悪くも毎日誰かと会話がありました。それがなくなると、気づいたら3日誰とも話していない、ということが起きます。
これは特別なことではなく、在宅で働く多くの方が経験することです。対策は後の章でお話ししますね。
単価が上がりにくい層がある
商品登録や受注処理だけを続けていると、報酬は作業量に比例したままです。単価を上げるには、レポート作成や広告運用といった判断を伴う業務に広げる必要があります。
繁忙期の負荷が読めない
セール時期(年末、ブラックフライデー、モールの大型セール)は、注文も問い合わせも数倍に跳ね上がります。その間だけ稼働が倍になることを覚悟しておいてください。
目と肩への負担
細かい文字を見続ける仕事です。モニター距離に合った眼鏡を作ること、1時間ごとに立ち上がることを、最初から習慣にしてください。あとから直すのは大変です。
60代が在宅で長く続けるための、心の整え方
ここからは、キャリアの相談を受けてきた立場から、続けるためのお話をさせてください。
孤独は「対策できる」ものです
在宅で働き始めて3か月目くらいに、気持ちが落ちる方が多いです。仕事はあるのに、なんとなくしんどい。
原因は、たいてい人との接触の少なさです。心理学では社会的孤立と呼びますが、難しく考えなくて大丈夫。要は「誰にも見られていない」「反応が返ってこない」状態が続くと、人は気力を保ちにくくなる、ということです。
対策は3つあります。
ひとつめ、週に1回は外で人と話す予定を入れること。買い物でも、地域の集まりでも構いません。仕事と関係なくていいんです。
ふたつめ、依頼元とのやりとりを事務的にしすぎないこと。報告メールの最後に一行、「今週は問い合わせが少し多かったです」と添えるだけで、関係は変わります。
みっつめ、作業の始まりと終わりに区切りをつけること。始業前に散歩する、終業したらパソコンを閉じて別の部屋に行く。この区切りがないと、一日中仕事のことを考えてしまいます。
完璧を目指さないでください
私自身、独立してオンラインで相談を受け始めた最初の年、すべての依頼に完璧に応えようとして、夜中まで資料を作り込んでいた時期があります。
結果どうなったかというと、3か月で体調を崩しました。そして気づいたんです。相談者の方が求めていたのは、完璧な資料ではなく、期日どおりに届くことと、話をちゃんと聞いてもらえることだったと。
EC運営のサポートも同じです。発注側が求めているのは、抜けがないことと、報告があることです。100点の仕事を遅れて出すより、85点の仕事を期日に出して「ここは判断に迷ったので確認させてください」と一言添えるほうが、はるかに信頼されます。
「聞くこと」は弱さではありません
60代の方に多いのが、分からないことを聞けないという悩みです。「この歳で、若い担当者にこんなことを聞くのは恥ずかしい」と。
その気持ち、よく分かります。でも、聞かずに間違えるほうが、相手にとっては困るんです。
聞き方にコツがあります。「分かりません」ではなく、「Aだと解釈しましたが、Bの可能性もありますか」と、自分の仮説を添えて聞く。これだけで、相手は答えやすくなりますし、あなたが考えていることも伝わります。
あなたは一人じゃありません。分からないことがあるのは、新しい環境に入った証拠です。
市場のデータから見た、EC運営サポートという選択
最後に、在宅ワーク全体の中でこの仕事がどこに位置するのかを整理しておきます。
在宅の職種を、始めるまでのハードルと単価の伸びしろという2つの軸で見ると、EC運営サポートは「始めるハードルが低く、単価の伸びは中程度」の位置にあります。
伸びしろが大きいのは、開発や高度な技術領域です。アプリケーション開発のお仕事やCCNA(シスコ技術者認定)が求められるインフラ分野は、単価は高いのですが、習得に年単位の時間がかかります。60代から新規参入するには、時間の使い方として現実的とは言いにくい。
一方、EC運営サポートは、2週間から1か月の準備で応募できる水準に届きます。そして、続けるうちに広告運用やデータ分析といった領域に足を伸ばせば、単価は上がっていきます。AI・マーケティング・セキュリティのお仕事を見ると、EC運営の延長線上にあるマーケティング業務が、どのくらいの専門性で発注されているかが分かります。いきなりそこを目指す必要はありませんが、行き止まりのない道だということは知っておいてください。
20年この市場を見てきた立場からの観察
フリーランスと在宅ワークのマッチングを20年運営してきた立場から見ていて、はっきりした傾向があります。
長く仕事が続く方は、作業の速さで選ばれていません。選ばれているのは、「この人に任せると、こちらが考えなくて済む」という安心感です。
EC運営で言えば、こういうことです。商品登録を頼まれたときに、指定された項目を埋めるだけでなく、「この商品、サイズ表記がSMLだけですが、実寸も入れておきますか」と一言添えられる方。問い合わせ対応で、「今週、同じ内容の質問が5件ありました。商品ページに追記したほうがよさそうです」と気づける方。
こういう方には、単価交渉をしなくても仕事が増えていきます。逆に、言われたことだけを正確にこなす方は、いくら速くても代わりが見つかってしまう。運営者として見てきた限り、この差に年齢はまったく関係ありません。
もうひとつ、報酬の受け取り方についてもお話しさせてください。同じ仕事でも、仲介手数料が引かれる経路と、依頼元と直接つながる経路では、手元に残る金額が変わります。手数料0%で直接つながる形が意味を持つのは、単に金額の問題ではありません。
依頼する側は、同じ予算でより多くのことを頼めるようになります。受ける側は、同じ作業量で手取りが厚くなります。この余白があると、「今月は繁忙期で量が増えてしまうけれど、お願いできますか」「大丈夫ですよ」という会話が成り立つ。中間のコストが重い取引ほど、双方が余裕をなくして関係が短くなっていく。これは20年見てきて、本当にそう感じています。
60代で在宅の仕事を始めるというのは、これまでのキャリアを終わらせることではありません。会社という枠を外して、あなたが積んできた丁寧さや段取りの力を、必要としている人に直接届ける作業です。
最初の一歩は、自分のネットショップを開設してみることです。無料でできます。2週間あれば形になります。そこから始めれば大丈夫ですよ。
公的機関・関連参考情報
本記事の内容に関連する公的機関や信頼できる情報源は以下の通りです。最新情報は公式サイトで確認してください。
よくある質問
Q. 60代未経験でもネットショップ運営サポートの在宅の仕事に応募できますか?
応募できます。必須資格はありません。ただし何も準備せずに応募すると書けることがなく通りにくいので、BASEやSTORESで自分のショップを無料開設し、商品10点の登録とページ作成を経験してから応募してください。準備期間は2週間程度で、この実績を応募書類に具体的に書けるかどうかで結果が大きく変わります。
Q. ネットショップ運営サポートの報酬相場はどのくらいですか?
在宅対応可の雇用契約なら時給1,100円から1,400円、経験者向けの派遣では時給1,750円から2,300円の求人もあります。業務委託の件数単価では商品登録1件100円から300円、受注処理1件30円から80円、問い合わせ対応1件100円から200円程度が目安です。慣れると作業速度が上がり、件数単価なら収入に直結します。
Q. 求人票のどこを見れば在宅可能か判断できますか?
仕事内容に「ピッキング」「梱包」「検品」「倉庫」とあれば現場作業で在宅はできません。「商品登録」「受注処理」「問い合わせ対応」「モール運用」が中心なら在宅の可能性があります。ただし「在宅相談可」は慣れるまで出社を意味することが多いので、面接時に「入社直後の在宅比率」を必ず確認してください。
Q. 在宅で働くと孤独を感じると聞きますが、対策はありますか?
在宅で働く多くの方が3か月目あたりで経験する自然な反応です。週に1回は仕事と関係なく人と話す予定を入れる、報告メールに一行だけ近況を添えて事務的になりすぎないようにする、始業前の散歩や終業後にパソコンを閉じるなど作業の区切りをつくる。この3つで大きく改善します。一人で抱え込まないでください。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
中西 直美@SOHO編集部
産業カウンセラー・キャリアコンサルタント
大手人材会社でキャリアカウンセラーとして15年間従事した後、フリーランスの産業カウンセラーとして独立。在宅ワーカーのメンタルヘルスケアを専門に活動しています。
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