ウォーキングインストラクターの資格|取り方と教室の始め方


この記事のポイント
- ✓ウォーキングインストラクターになりたい人向けに
- ✓日本ウオーキング協会や日本ノルディックウォーキング協会などの資格の取り方と費用
- ✓国の運動指導の称号との違い
ウォーキングインストラクターになって、地域で歩き方の教室を開きたい。そう考えて調べ始めると、似た名前の資格がいくつも出てきて、どれを取ればよいのか迷うはずです。最初に押さえておきたいのは、ウォーキングインストラクターという名前の国家資格はなく、どの資格も協会や団体が独自に認定している民間資格だということです。
だからこそ、資格選びは「どんな教室を開きたいか」から逆算するのが近道です。この記事では、主な団体の資格の取り方と費用を公式情報で確かめ、国の健康づくりの施策とつながる運動指導の称号との違い、教室を始めるまでの手順、参加者の安全を守るための準備、そして教室を続けるための集客の考え方までを順に解説します。
ウォーキングインストラクターの資格をめぐる現状
ウォーキングは、特別な道具がいらず、年齢を問わず始められる運動として広く親しまれています。国の健康づくりの方針でも、歩くことは身体活動の基本に位置づけられています。厚生労働省が2023年に策定した「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人と高齢者に向けて次のような目安を示しています。
今回の推奨事項には、「歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日 60 分以上行うことを推奨する」などの定量的な推奨事項だけでなく、「個人差等を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組む」といった定性的な推奨事項を含むものである 出典: 厚生労働省(健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023)
ガイドの推奨事項の一覧では、成人は1日約8,000歩以上、高齢者は1日約6,000歩以上が目安として示されています。同時に「個人差を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組む」ことが全体の方向性とされています。正しい歩き方を教え、一人ひとりに合った強度で続けられるよう支える人の役割は、ここにあります。
一方で、ウォーキングの指導者の資格には、国が定めた統一の制度がありません。日本ウオーキング協会、日本ノルディックウォーキング協会、デューク更家のウォーキングメソッドの公認インストラクター、通信講座の団体の資格など、いくつもの団体がそれぞれの考え方で資格を出しています。名前が似ていても、学ぶ内容、取得の方法、費用、取ったあとにできる活動がまったく違うので、比べる軸を持って選ぶ必要があります。
主な資格と取り方
ここでは、ウォーキングの指導者の資格として代表的なものを、各団体の公式ページに書かれている内容で整理します。費用や条件は改定されることがあるので、申し込む前に必ず公式ページで最新の情報を確かめてください。
日本ウオーキング協会の公認ウオーキング指導員
一般社団法人日本ウオーキング協会(JWA)は、全国のウオーキング大会の開催などを行っている団体で、指導者の資格も認定しています。入口になるのが「公認ウオーキング指導員」です。協会の資格サイトでは、地域でのウォーキングサークルの活動、ウォーキング教室、普及活動などで、一般のウォーカーに安全で最適な指導ができるための資格と説明されています。
受講料金は39,700円(税込)で、内訳は登録手数料込みの29,700円と年会費10,000円です。受講資格は20歳以上で、資格の取得には日本ウオーキング協会の正会員であることが条件です。資格は通信講座で取得でき、実技研修のスクーリングもオンラインで受講できると案内されています。
協会によると、資格を取った人は、自分でウォーキングサークルを作る、協会や都道府県協会が主催する大会の運営を手伝う、ウォーキング教室を開く、といった形で活動します。教室の自主催行や大会への助成を受けられる仕組みがあることも、この資格の特徴です。
申し込みの流れは、協会のウェブサービス「J-Walking」にメンバー登録し、ログインしたあと、お問い合わせのフォームから正会員への入会と資格取得の希望を伝える形です。後日、協会から案内が届きます。
日本ウオーキング協会の上位資格
公認ウオーキング指導員の上には、主任ウオーキング指導員と主席ウオーキング指導員があります。主任は、公認ウオーキング指導員として1年以上の活動実績があり、各県協会の会長の推薦状をもらい、指定の研修会に参加した人が対象です。大会の企画や運営、指導員の育成を担う現場のリーダーとして位置づけられています。
健康づくりに軸足を置くなら、健康ウオーキング指導士という資格もあります。ヘルスウオーキング指導士とアクティブウオーキング指導士の2つを合わせたマスター資格で、受講料金は健康ウオーキング指導士が147,500円、ヘルスウオーキング指導士とアクティブウオーキング指導士はそれぞれ87,000円です(いずれも年会費10,000円を含む税込の金額)。履修期間は原則6か月で、DVDによる通信講座の形式です。自治体や企業から依頼を受けて、健康づくりの講演や講習会を行うことが活動の場として挙げられています。
資格の前に試せる検定
日本ウオーキング協会は、指導者の資格とは別に「足のトリセツ検定」という検定も運営しています。基本レベルのBasicと上級レベルのAdvancedがあり、協会のサイトでは、J-Walkingにメンバー登録してマイページから申し込み、eラーニングの動画を見たあとにテストを受ける流れが案内されています。支払いが済んだ日から30日間利用でき、テストは合格するまで何度でも挑戦できます。いきなり指導者の資格に申し込む前に、足や靴の知識を確かめる入口として使えます。協会は子どもの歩く力を育てる「歩育コーチ」という資格も認定していて、子ども向けの教室を考えている人の選択肢になります。
日本ノルディックウォーキング協会の公認インストラクター
2本のポールを使って歩くノルディックウォーキングの指導者になるなら、特定非営利活動法人日本ノルディックウォーキング協会(JNWA)の資格があります。協会の公式ページによると、インストラクターの資格は各地で行われる指導者講習会を受講して取得します。受講の基準は「ノルディックウォーキングを経験済みで、普及活動と指導に意欲のある方」です。
費用は、受講料7,500円、テキスト代1,500円、公認料3,000円に加えて、初年度の年会費がかかります。年会費は受講する月によって1,000円から3,000円で、次の年度からは毎年払います。資格は登録した日から3年間有効で、更新講習会(受講料3,000円、公認料2,000円)を受けて更新します。インターネット上には、受講料6,500円、公認料2,000円といった以前の金額を載せた記事が残っているので、申し込む前に公式ページで確かめてください。
協会の会員には、講習会や体験会を開くときに専用のポールを1セット200円(送料は別)で借りられる仕組みがあります。参加者全員分のポールを最初からそろえなくても教室を始められるのは、開業の負担を考えると大きな利点です。
デューク更家のウォーキングメソッドの公認インストラクター
デューク更家が考案したウォーキングエクササイズのメソッドを教える公認インストラクターもあります。公式サイトでは、教室や講習会で一度に複数の人に教える「ウォーキングスタイリスト」と、心と体の調和を重視する「ウォーキングセラピスト」の2種類の認定があると説明されています。ただし、公式サイトには「現在、新規インストラクターの募集は中断しております」と書かれています。目指す場合は、募集の再開を公式サイトで確認する必要があります。
通信講座の団体の資格
通信講座で取れるウォーキングの資格もあります。たとえば日本インストラクター技術協会(JIA)は「歩き方インストラクター」という資格を認定していて、協会のページでは受験料は税込1万円、合格基準は70%以上の評価と説明されています。自宅で知識を学べる手軽さがある一方、実技の指導を学ぶ機会は団体ごとに違うので、教室で人を指導したい場合は、実技の研修があるかどうかも確かめておきましょう。
国の健康づくりとつながる運動指導の称号との違い
ウォーキングの資格と比べられることが多いのが、公益財団法人健康・体力づくり事業財団が認定する「健康運動実践指導者」と「健康運動指導士」です。どちらも国家資格ではありませんが、国の健康づくりの施策と結びついて生まれた称号で、運動指導の現場では広く知られています。
健康運動実践指導者について、財団は次のように説明しています。
積極的な健康づくりを目的とした運動を安全かつ効果的に実践指導できる能力を有すると認められる者 出典: 公益財団法人健康・体力づくり事業財団(健康運動実践指導者とは)
財団によると、健康運動実践指導者は、自ら見本を示せる実技の力と、特に集団に対する運動指導の技術に長けた人として養成されています。称号を得るには、財団の養成講習会を受講するか、養成校の講座を修了し、認定試験に合格したうえで台帳に登録される必要があります。登録者は令和8年3月1日時点で17,248人です。
ウォーキングの団体の資格と比べると、健康運動実践指導者は、ウォーキングに限らず、エアロビクスや水中運動なども含めた運動指導全般の基礎を学ぶ称号です。スポーツクラブや自治体の健康教室、介護予防の現場で働きたい人には、こちらが評価される場面があります。一方、地域でウォーキングのサークルや教室を開きたい人には、大会や仲間づくりの仕組みを持つ日本ウオーキング協会の資格が使いやすい、というように役割が分かれます。
ノルディックウォーキングとふつうのウォーキングの違い
資格を選ぶときに迷いやすいのが、ノルディックウォーキングを教えるか、ふつうのウォーキングを教えるかです。ノルディックウォーキングは、専用の2本のポールを持ち、腕でポールを後ろに押しながら歩く方法です。ポールを使うことで上半身も動かすため、ふつうに歩くより全身を使う運動になります。また、ポールが体を支える役目も果たすので、歩くことに不安がある人が安心して参加しやすいという面もあります。
指導者の立場から見ると、ノルディックウォーキングの教室は、ポールの長さの合わせ方や、ポールの突き方と腕の振り方を教える必要があるため、指導の内容がはっきりしています。参加者にとっても「ポールを使った歩き方を習う」という目的が明確なので、初めての人を誘いやすい特徴があります。一方で、参加者全員分のポールを用意する必要があり、日本ノルディックウォーキング協会の会員向けの貸し出しを使うか、参加者に購入を勧めるかを決めておく必要があります。
ふつうのウォーキングの教室は、道具がいらず、誰でもすぐに参加できるのが強みです。その代わり、「歩き方なら知っている」と思う人も多いので、姿勢の改善や、歩く習慣づくり、仲間との交流など、教室に来る理由を分かりやすく打ち出すことが大切になります。両方の資格を持って、季節や参加者に合わせて使い分ける指導者もいます。
自分に合う資格の選び方
資格が多くて迷ったときは、次の4つの軸で比べると選びやすくなります。
- どんな歩き方を教えたいか。健康づくりの普通のウォーキングか、ポールを使うノルディックウォーキングか、姿勢や美しさを重視するメソッドか
- 誰に教えたいか。高齢者の健康づくり、働く世代の運動不足の解消、子どもの歩き方など、対象によって必要な知識が違う
- どこで教えたいか。地域のサークル、自治体や企業からの依頼、スポーツクラブ、自分の教室
- 取ったあとの支援があるか。教室を開くときの助成、道具の貸し出し、更新の研修、仲間とのつながり
この4つを考えると、たとえば「地域の高齢者向けに健康づくりのウォーキング教室を開きたい」なら日本ウオーキング協会の公認ウオーキング指導員、「ポールを使って膝への負担を抑えながら歩く方法を教えたい」なら日本ノルディックウォーキング協会のインストラクター、「スポーツクラブや介護予防の現場で働きたい」なら健康運動実践指導者、という具合に候補が絞れます。複数の資格を組み合わせて、教室の特色を作る人もいます。
費用と時間の面では、更新の有無も比べておきましょう。日本ノルディックウォーキング協会の資格は3年ごとの更新、日本ウオーキング協会の資格は年会費の支払いが続きます。取得時の費用だけでなく、続けるための費用まで含めて比べると、あとで負担に驚くことがありません。
資格を取ったあとに、教える力を磨く方法
資格の講座を終えた直後は、知識はあっても、人に教える経験はまだ少ない状態です。教室を開く前に、教える力を磨いておくと、初回から落ち着いて進められます。
自分の歩き方を動画で確かめる
指導者の歩き方は、参加者にとっての見本です。スマートフォンで自分が歩く姿を正面と横から撮り、姿勢、歩幅、腕の振り方、着地の位置を確かめましょう。講座で学んだ正しい歩き方と、自分の癖の違いが見えてきます。見本を示す力は、健康運動実践指導者の養成でも重視されている点です。
家族や知人を相手に練習する
いきなり知らない人の前に立つより、家族や知人に参加者役をお願いして、説明の練習をするのがおすすめです。説明が長すぎないか、専門用語を使いすぎていないか、聞き取りやすい声の大きさかを、終わったあとに感想として聞いておきます。高齢の家族がいれば、ゆっくりした速さで歩く人に合わせた声かけの練習にもなります。
先輩の教室を見学する
団体の資格を取った人は、同じ団体の指導者が開いている教室やイベントを見学できることがあります。集合から解散までの流れ、参加者への声かけ、天候が悪いときの判断など、講座では学びにくい運営の工夫を知る機会になります。日本ウオーキング協会では資格保有者向けのオンラインのスキルアップ講座も案内されているので、こうした場を活用して学び続けましょう。
教室を始めるまでの手順
資格を取ったら、いよいよ教室の準備です。ここでは、個人で小さく始める場合の一般的な流れを整理します。
1. 教室の形を決める
最初に、誰に、どこで、どれくらいの頻度で、いくらで教えるかを決めます。たとえば「平日の午前に、近所の公園で、60歳以上の人を対象に、月2回の教室」のように具体的に決めておくと、会場探しや集客の文面がぶれません。
教室の形には、大きく分けて3つの型があります。毎回同じ参加者が通う定期教室、その日だけ参加できる単発の体験会、自治体や企業から依頼を受けて開く出張講座です。始めたばかりの時期は、単発の体験会で参加者の反応を見ながら内容を固め、手応えがつかめたら定期教室に移る、という順番にすると、準備の負担と集客の不安の両方を抑えられます。
2. 会場を確保する
屋外の公園を集合場所にする教室もあれば、雨の日に備えて屋内の会場を押さえる教室もあります。公民館や地域の施設を使う場合、営利目的の利用を認めているかどうか、料金を取る教室に貸し出せるかどうかは自治体や施設によって違います。予約の前に施設の利用規則を読み、分からない点は窓口で確認してください。公園で団体で活動する場合も、自治体によっては届け出や許可が必要なことがあります。
3. 料金と支払い方法を決める
1回ごとの参加費にするか、月謝にするかを決めます。参加費の相場は地域や教室の内容で大きく変わるため、近くで開かれている健康教室や運動教室の料金を調べて参考にするとよいでしょう。キャンセルの扱いや雨天の中止の連絡方法も、最初に決めて参加者に伝えておくとトラブルを防げます。
4. 開業届と記帳
個人で継続して教室を開き、収入を得るなら、税務署に開業届を出します。開業届の提出期限は、開業した年分の確定申告の期限までとされています。会場費、交通費、道具代、チラシの印刷代などは経費になる可能性があるので、教室を始めた日から記録をつけておくと、確定申告の負担が軽くなります。会社員が副業で教室を開く場合は、勤め先の就業規則で副業が認められているかも確かめておきましょう。
5. 保険に入る
参加者がけがをしたときや、通行人とぶつかって相手にけがをさせたときに備えて、保険を検討します。公益財団法人スポーツ安全協会の「スポーツ安全保険」は、団体の活動中とその往復中のけがや賠償責任を補償する保険です。加入できる団体の条件や、営利目的の教室が対象になるかどうかには決まりがあるので、公式サイトで確認してください。インストラクターとして個人で教えるなら、指導者向けの賠償責任保険を扱う保険会社に相談する方法もあります。
教室1回の進め方の例
教室の流れを決めておくと、毎回の準備が楽になり、参加者も安心して参加できます。60分から90分の教室なら、たとえば次のような進め方が考えられます。
- 受付と体調の確認(10分)。参加者の顔色や体調を確かめ、その日の体調に不安がある人には無理をしないよう伝える
- 準備運動(10分)。足首、ふくらはぎ、太もも、肩まわりをゆっくり動かし、体を温める
- 姿勢と歩き方の説明(10分)。その日のテーマを1つに絞り、見本を見せながら説明する。たとえば「かかとから着地する」「腕を後ろに引く」など
- 実際に歩く(30分から40分)。最初はゆっくりの速さで歩き、慣れてきたら少し速くする。途中で水分をとる時間を設ける
- 整理運動と振り返り(10分)。歩いた筋肉をほぐし、その日に意識したことを参加者と一緒に振り返る
1回の教室で伝えることを1つか2つに絞るのがこつです。毎回たくさんのことを説明すると、参加者は覚えきれず、歩くこと自体を楽しめなくなります。テーマを少しずつ積み重ねていくと、数か月後には歩き方の全体が身につくように組み立てられます。
参加者の体力には差があるので、速く歩ける人と、ゆっくり歩きたい人が同じ教室にいることを前提に計画します。コースの途中で折り返し地点を2つ用意する、補助の指導者を1人付けるなど、全員が自分の速さで参加できる工夫をしておくと、教室の満足度が上がります。
参加者の安全を守るための準備
ウォーキングは手軽な運動ですが、教室として人を集める以上、指導者には参加者の安全を守る責任があります。特に高齢者を対象にする教室では、次の準備を欠かさないようにしましょう。
参加前に体調を確かめる
初めて参加する人には、持病や服薬の有無、医師から運動を止められていないかを、申込書や問診票で確かめます。持病がある人には、主治医に運動してよいかを相談してから参加してもらうよう伝えます。指導者が病気について判断したり、医学的な助言をしたりすることはできません。
当日の体調の確認と、天候への対応
教室の当日は、始める前に参加者の顔色や体調を確かめ、無理をしないよう声をかけます。夏は熱中症、冬は路面の凍結や寒さによる体への負担に注意が必要です。気温が高い日は時間を短くする、日陰の多いコースを選ぶ、こまめに水分をとる時間を設けるなど、天候に応じて内容を変えます。
緊急時の連絡と応急手当
参加者の緊急連絡先を預かり、コースの近くにあるAEDの場所や、近くの医療機関を事前に調べておきます。応急手当の講習は、消防署や日本赤十字社などが開いています。資格の講座とは別に、心肺蘇生やAEDの使い方を学んでおくと、いざというときに落ち着いて動けます。
参加者の記録を預かるときの注意
問診票や緊急連絡先には、健康状態や家族の連絡先といった大切な個人情報が含まれます。紙で預かるなら鍵のかかる場所で保管し、データで管理するならパスワードを設定して、教室の運営以外には使わないことを参加者に伝えておきましょう。教室をやめた人の情報は、期間を決めて削除する習慣をつけておくと安心です。
効果をうたいすぎない
教室の案内で「歩くだけで病気が治る」「必ずやせる」といった言い方をすると、参加者に誤解を与えます。ウォーキングの効果には個人差があり、国のガイドも個人差を踏まえて可能なものから取り組むことを勧めています。教室で伝えるのは、正しい姿勢や歩き方、続けるための工夫に絞り、健康上の効果を約束しないことが、参加者との信頼を守ります。
参加者を集めて教室を続ける工夫
教室を開いても、参加者が集まらなければ続きません。小さな教室ほど、地域とのつながりとインターネットでの発信を組み合わせることが大切です。
地域の掲示板と口コミ
地域の掲示板、公民館のチラシの配布棚、地域の情報誌など、近所の人の目に触れる場所に案内を出すのが基本です。最初の数回は、知り合いや家族に声をかけて少人数で始め、参加した人の口コミで広がるのを待つほうが、無理なく続きます。
インターネットでの発信
教室の日程や様子をSNSやブログで発信しておくと、近くに住む人が検索したときに見つけてもらいやすくなります。参加者の写真を載せるときは、必ず本人の許可を取りましょう。SNSや広告の運用を本格的に学びたい人は、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で、マーケティング分野の仕事の種類と求められる力を確かめておくと、集客の考え方の幅が広がります。
チラシや案内文の作り方
チラシや案内文は、教室の第一印象を決めます。日時、場所、対象、料金、持ち物、申し込み方法を分かりやすく並べ、読む人が迷わない構成にすることが大切です。デザインを外部に頼む場合の費用感をつかむには、デザイナーの年収・単価相場で、業務委託の単価の目安を確かめておくと予算を立てやすくなります。企業や自治体に教室の企画を提案する文書を作る機会があるなら、社外向け文書の基礎を問うビジネス文書検定の知識も役立ちます。
続けてもらうための工夫
教室を長く続けている指導者に共通するのは、参加者が仲間と会うのを楽しみに来る場を作っていることです。季節ごとにコースを変える、歩いた距離や歩数を記録する、地域の大会に一緒に参加するなど、目標と楽しみを用意すると、参加が習慣になります。日本ウオーキング協会の指導員なら、協会や都道府県協会の大会と組み合わせる方法もあります。
教室以外でウォーキング指導を仕事にする道
ウォーキングインストラクターの活動は、自分の教室だけではありません。資格と経験を活かせる場は、ほかにもいくつかあります。
自治体や企業からの依頼
日本ウオーキング協会の健康ウオーキング指導士の説明にあるように、自治体や企業から、健康づくりの講演や講習会の依頼を受ける働き方があります。自治体の健康づくりの事業や、企業の社員向けの健康施策のイベントでは、正しい歩き方の講習が企画されることがあります。実績を積むほど依頼を受けやすくなるので、自分の教室で経験を重ね、その様子を発信しておくことが次の仕事につながります。
スポーツクラブや介護予防の現場
スポーツクラブや介護予防の教室で働く場合は、ウォーキングの資格に加えて、健康運動実践指導者などの運動指導の称号が評価されることがあります。雇用されて働くか、業務委託で教室を担当するかによって、収入の形も変わります。
発信と執筆
歩き方のコツや、季節ごとの注意点を記事や動画で発信する仕事もあります。健康分野の記事は、正確さが強く求められる分野です。指導の現場で得た知識を文章にできる人は、記事の執筆や監修を頼まれることがあります。書く仕事を受けるなら、作例を見せる場所を用意しておくことが先決で、その作り方はWebライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】で、作例の選び方から自己紹介文の書き方まで具体的に解説しています。
副業として始めるときに確かめたいこと
会社に勤めながら、週末だけウォーキング教室を開く人もいます。副業として始めるときは、次の点を先に確かめておきましょう。
まず、勤め先の就業規則です。副業を認めている会社でも、事前の届け出が必要な場合があります。届け出が必要かどうか、どんな副業なら認められるかは会社によって違うので、人事の担当者に確認してください。
次に、税金の手続きです。給与を受けている人は、一般に給与以外の所得が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要になります。ここでいう所得は、教室の参加費などの収入から、会場費や交通費などの経費を引いた額です。20万円以下でも住民税の申告は必要とされているので、住んでいる市区町村の案内を確かめてください。個別の事情で扱いが変わることがあるため、迷ったときは税務署や市区町村の窓口に相談するのが確実です。
最後に、時間と体力の配分です。教室の準備、集客の発信、参加者との連絡は、教室の時間そのものより多くの時間を取ることがあります。最初は月1回か2回の開催から始め、本業に支障が出ないことを確かめながら回数を調整していくと、無理なく続けられます。
市場の動きと、運営者の視点から見えること
国の健康づくりの方針で歩くことが身体活動の基本に位置づけられ、高齢者の介護予防や働く世代の運動不足への関心も続いています。ウォーキングの指導者には、正しい歩き方を教えるだけでなく、一人ひとりの体力に合わせて無理なく続けられるよう支える役割が求められています。
在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、教える仕事を長く続けている人ほど、指導そのものに加えて、案内文やチラシ、発信の文章といった周りの仕事を自分で整えられる傾向があります。教室の参加者を集めるのも、自治体や企業の依頼を受けるのも、最初の接点は文章や画像であることが多いからです。
仲介の手数料がかからない直接のやり取りでは、依頼する側は同じ予算でより多くを頼め、受ける側は報酬がそのまま手元に残ります。教室の運営と、講演や執筆のような単発の仕事を組み合わせていくと、ウォーキングの指導を一つの柱にした働き方が組み立てやすくなります。資格はその入口で、続けられるかどうかは、参加者に安全で楽しい時間を届け続けられるかにかかっています。
よくある質問
Q. ウォーキングインストラクターは国家資格ですか?
国家資格ではありません。ウォーキングの指導者の資格は、日本ウオーキング協会、日本ノルディックウォーキング協会、デューク更家のメソッドの公認インストラクター、通信講座の団体など、それぞれの団体が独自に認定する民間資格です。運動指導全般の称号として知られる健康運動実践指導者も、公益財団法人が認定するもので国家資格ではありません。
Q. 資格を取るのにいくらかかりますか?
団体によって大きく違います。日本ウオーキング協会の公認ウオーキング指導員は39,700円(登録手数料込29,700円と年会費10,000円)、日本ノルディックウォーキング協会のインストラクターは受講料7,500円、テキスト代1,500円、公認料3,000円に初年度の年会費1,000円から3,000円がかかります。更新や年会費など、続けるための費用も確認しておきましょう。
Q. 資格がなくてもウォーキング教室は開けますか?
ウォーキング教室を開くために法律で必要な資格はありません。ただし、参加者の安全を守る知識や指導の技術を身につけ、参加者に安心してもらうために、団体の資格を取ってから始める人が多くいます。会場の利用規則、開業届、保険の加入など、資格とは別に必要な準備もあります。
Q. 教室を開くときに入っておくべき保険はありますか?
参加者のけがや、第三者への賠償に備える保険を検討するのが一般的です。スポーツ安全協会のスポーツ安全保険は団体の活動中とその往復中のけがや賠償責任を補償しますが、加入できる団体の条件や営利目的の教室の扱いには決まりがあるため、公式サイトで確認してください。個人で教える場合は、指導者向けの賠償責任保険を保険会社に相談する方法もあります。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

この記事を書いた人
@SOHO編集部
フリーランス・在宅ワークの専門メディア
@SOHOは2004年から続く、日本のフリーランス・在宅ワーク向け案件サイトです。記事は生成AIで下書きを作り、数値・固有名・出典を一次情報と照らし合わせる確認の手順を経て公開しています。
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