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旅行業務取扱管理者の在宅の仕事|資格の活かし方

@SOHO編集部
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旅行業務取扱管理者の在宅の仕事|資格の活かし方

この記事のポイント

  • ✓旅行業務取扱管理者の資格を在宅で活かす方法を
  • ✓旅行業法と観光庁のテレワーク通達で確かめて解説
  • ✓管理者がテレワークできる条件

旅行業務取扱管理者の資格を持っている人、またはこれから取ろうとしている人の中には、「在宅で働けるのか」「資格を活かしたまま自宅で仕事ができるのか」を知りたい人が多いはずです。 結論から言うと、旅行業務取扱管理者は営業所ごとに選ばれる責任者なので、完全に営業所に出ない働き方はできませんが、観光庁の通達により、条件を守ればテレワークで管理の仕事をすることが認められています。 また、資格を持つ人が従業者として自宅で手配やカスタマーサポートを行う求人も見られます。 この記事では、旅行業法の条文と観光庁の通達をもとに、在宅でできることとできないこと、在宅の仕事の種類、資格の取り方までを整理します。

旅行業務取扱管理者とはどんな資格か

旅行業務取扱管理者は、旅行業法にもとづく国家資格です。 旅行会社や旅行業者代理業者は、営業所ごとに、この試験に合格した人を管理者として選ぶことが法律で義務づけられています。 旅行業法第11条の2は、選任の義務を次のように定めています。

旅行業者又は旅行業者代理業者(以下「旅行業者等」という。)は、営業所ごとに、一人以上の第六項の規定に適合する旅行業務取扱管理者を選任して、当該営業所における旅行業務に関し、その取引に係る取引条件の明確性、旅行に関するサービス(運送等サービス及び運送等関連サービスをいう。以下同じ。)の提供の確実性その他取引の公正、旅行の安全及び旅行者の利便を確保するため必要な国土交通省令で定める事項についての管理及び監督に関する事務を行わせなければならない。 出典: e-Gov法令検索 旅行業法

ひと言でいえば、旅行業務取扱管理者は「その営業所の取引が公正に、安全に行われているかを管理・監督する責任者」です。 旅行の契約の条件が分かりやすく示されているか、手配した交通機関や宿泊が確実に提供されるか、といった点を見守る役割を担います。

同じ条文では、次のことも定められています。

  • 旅行業務を取り扱う人が1人だけの営業所にも、管理者の選任が必要
  • 管理者は、原則として他の営業所の管理者を兼ねることはできない(近接する複数の営業所など、省令で定める場合を除く)
  • 選任した管理者が全員いなくなったときは、新たに選任するまで、その営業所で旅行業務の契約を結んではならない
  • 旅行業者等は、管理者に3年以上5年以内の期間ごとに、旅行業協会が行う研修を受けさせなければならない

また、旅行業法第12条の5の2では、管理者は旅行者から求められたときに、所定の様式の証明書を示さなければならないとされています。 管理者がいなければ営業所は契約を結べないので、会社にとって欠かせない人材だということが条文から分かります。

総合・国内・地域限定の3種類

管理者になれる人は、扱う旅行の範囲によって分かれています。

試験 管理者になれる営業所
総合旅行業務取扱管理者試験 海外旅行と国内旅行の両方を扱う営業所を含め、すべての営業所
国内旅行業務取扱管理者試験 国内旅行だけを扱う営業所
地域限定旅行業務取扱管理者試験 営業所のある市町村などの地域内の旅行だけを扱う営業所(その地域に係るものに限る)

海外旅行を扱う営業所では、総合の合格者が必要です。 在宅を含めて仕事の幅を広げたいなら、総合の資格を持っていると選べる職場が多くなります。

地域限定の資格と地域の仕事

地域限定旅行業務取扱管理者は、営業所のある市町村などの地域内の旅行だけを扱う営業所の管理者になれる資格です。 地域の観光協会や、地元の体験ツアーを扱う事業者など、その地域に根ざした旅行の仕事で活きます。 扱える範囲は限られますが、地方に住みながら旅行の仕事に関わりたい人にとっては、現実的な入口の一つです。 在宅との組み合わせを考える場合も、管理者として選任されるなら、通達の条件(連絡の体制、状況を確認できる環境、すぐに出勤できること)は同じように当てはまります。 地元の営業所の近くに住んでいる人ほど、この条件を満たしやすいといえます。

管理者は在宅で働けるのか:観光庁のテレワーク通達

旅行業務取扱管理者は営業所ごとに選ばれるため、以前は営業所にいることが前提とされていました。 これを見直したのが、2021年(令和3年)5月12日付で観光庁が各旅行業者に出した通達「旅行業務及び旅行サービス手配業務におけるテレワークの実施について」(観参第60号)です。 通達では、テレワークを、ICTを活用して営業所と異なる場所で、その営業所の業務を行うこと(例として在宅勤務、モバイルワーク、サテライトオフィスでの勤務)と定義しています。

管理者がテレワークで管理と監督の事務を行う場合に講じるべき措置として、通達は次の3つを挙げています。

(1) 少なくとも営業所の営業時間内において、旅行業務取扱管理者と旅行業務取扱管理者以外の当該営業所において旅行業又は旅行業者代理業(以下「旅行業等」という。)に従事する者(以下「従業者」という。)が常時連絡をとることができる体制を構築すること。 (2) 営業所に不在の場合であっても、旅行業務取扱管理者が営業所における旅行業務に関する管理及び監督を適切に実施することができるよう、営業所における旅行業務の実施状況を確認するために必要な環境を整えるとともに、必要があれば直ちに営業所に出勤できるようにすること。 (3) 旅行者からの依頼があれば、速やかに旅行業務取扱管理者から説明を行うこと。 出典: 観光庁

つまり、管理者は次の条件を満たせば、自宅などから管理の仕事ができます。

  1. 営業時間中は、営業所のスタッフといつでも連絡が取れる
  2. 営業所の業務の状況を確認できる環境(業務の記録を見られる仕組みなど)がある
  3. 必要があればすぐに営業所に出勤できる
  4. 旅行者から依頼があれば、すぐに説明できる

「不在の常態化」は認められない

通達は同時に、これらの措置を常に講じていることを理由に、管理者が営業所にいない状態を常態化させてはならないと明記しています。 不在によって管理者の職務の義務に反すると認められた場合は、旅行業法第19条第1項による不利益処分の対象になると注意しています。 「必要があれば直ちに営業所に出勤できる」ことが条件に入っているため、営業所から遠く離れた場所に住んで、ずっと出勤しない働き方は認められません。 管理者として在宅の時間を持つのは、営業所の近くに住み、出勤と在宅を組み合わせる形が現実的です。

従業者として在宅で働く場合のルール

旅行業務取扱管理者の資格を持っていても、その営業所の管理者に選ばれていない人は、従業者として働くことになります。 通達は、従業者がテレワークで働く場合の注意点も定めています。

  • 旅行業者等が交付する外務員の証明書(外務員証)を携帯していなければ、自宅など営業所の外で旅行者と旅行業務の取引を行うことはできない
  • 外務員証があっても、自宅での旅行者との取引が常態化している場合は、営業所としての登録が必要かどうかを、実質的に営業所としての体裁を整えているかで個別に判断する
  • 旅行者との取引や、企画旅行の計画の作成、広告の作成などを専ら行う場所は営業所としての登録が必要だが、自宅など営業所以外の場所でも、それぞれの業務の一部に限って取り扱うことは差し支えない

まとめると、会社の営業所に所属したうえで、業務の一部を自宅で行うことは認められています。 一方で、自宅を事実上の営業所にして、旅行者との取引をすべてそこで行う形は、営業所の登録が必要になる可能性があります。 在宅勤務の求人に応募するときは、どの業務を自宅で行い、どの業務を営業所で行うのかを、雇う側がどう整理しているかを確かめておくと安心です。

旅行サービス手配業の場合

旅行会社から依頼を受けて、ホテルやバス、ガイドなどを手配する旅行サービス手配業(いわゆるランドオペレーター)にも、旅行サービス手配業務取扱管理者を選ぶ義務があります。 通達では、管理者のテレワークの措置(連絡の体制と、業務の状況を確認できる環境と出勤の準備)は、旅行サービス手配業務取扱管理者にも同様に適用されるとしています。 実質的に手配業務を行う場所は営業所の登録が必要ですが、取引に関する書面の交付、契約内容の記録や保管などの業務の一部に限っては、自宅などでも扱えるとされています。

在宅でできる旅行の仕事の種類

旅行業界で在宅勤務やリモートの求人が見られるのは、どのような仕事でしょうか。 旅行業界の求人を扱うサイトでは、在宅の仕事の傾向を次のように紹介しています。

旅行会社の在宅ワークやリモート勤務OKの求人では、Web手配やカスタマーサポートなど、自宅で柔軟に働ける案件が充実しています。 出典: leisure-ist.com

在宅の仕事として見られる主なものを、資格がどう活きるかと合わせて整理します。

手配業務

交通機関や宿泊施設の予約、旅程の調整、手配内容の確認といった業務です。 オンラインの予約システムを使う仕事が多く、自宅のパソコンからでも進めやすい業務です。 運賃や料金、約款の知識が欠かせないため、試験で学ぶ国内旅行実務や海外旅行実務の知識がそのまま活きます。

カスタマーサポート

旅行の予約サイトや旅行会社のお客様窓口で、電話やメール、チャットで問い合わせに答える仕事です。 予約の変更や取消しの手続き、取消料の説明など、約款の理解が求められる場面が多くあります。 試験で学ぶ旅行業約款、運送約款、宿泊約款の知識は、お客様への正確な説明に直結します。

企画・商品づくりの補助

ツアーの行程案の作成、商品ページの文章、パンフレットの原稿作りといった業務です。 通達では、企画旅行の計画の作成や広告の作成を専ら行う場所は営業所の登録が必要としつつ、業務の一部に限っては自宅でも扱えるとしています。 在宅で担当できる範囲は会社ごとに整理が違うので、求人の条件をよく確かめてください。

カスタマーサポートの仕事では、旅行の出発前の問い合わせだけでなく、旅行中のトラブルの相談や、帰国後の払い戻しの手続きの案内など、時間帯を問わない対応が求められることもあります。 在宅で働く場合は、担当する時間帯と、急ぎの案件を営業所や上司に引き継ぐ手順を、最初に確かめておくと安心です。

法人旅行・団体旅行の事務

社員旅行や視察、研修旅行など、法人向けの旅行の見積もりや手配、請求の事務です。 営業担当の補助として、自宅で見積書や行程表の作成を担う形があります。

営業所の管理者(出勤との組み合わせ)

管理者として選任される場合は、前の章で見たとおり、出勤と在宅を組み合わせる形になります。 管理者の資格を持つ人は、営業所を開く会社や、管理者が欠けた会社にとって欠かせない人材なので、勤務の条件を交渉しやすい立場にあるといえます。

在宅で管理や手配を行うための環境づくり

通達の条件を満たし、在宅でも安心して仕事を任せてもらうには、自宅の環境を整えることが欠かせません。 管理者として、また従業者として在宅で働くときに整えておきたい点を整理します。

連絡の体制

通達は、管理者が少なくとも営業所の営業時間内に、従業者と常に連絡を取れる体制を作ることを求めています。 電話、チャット、ビデオ会議など、営業所のスタッフがすぐに相談できる手段を決め、営業時間中は応答できる状態を保ちます。 連絡がつかない時間ができると、管理の責任を果たせていないと見られるおそれがあるため、休憩や外出の予定も共有しておくと安心です。

業務の状況を確認できる仕組み

管理者が営業所にいなくても、業務の状況を確認できる環境が必要です。 予約や手配の記録、契約書面の作成状況、苦情や問い合わせの記録などを、自宅から閲覧できる仕組みを会社と一緒に整えます。 在宅の日でも、その日の手配や契約の状況を決まった時間に確かめる習慣を作ると、確認の漏れを防げます。

すぐに出勤できる距離

通達には、必要があればすぐに営業所に出勤できるようにすることも含まれています。 旅行の手配では、天候の急変による運休や、旅行者からの苦情など、すぐに対応が必要な事態が起こりえます。 在宅で働く管理者は、営業所に短時間で出勤できる場所に住んでいることが前提になります。

情報の守り方

旅行の手配では、氏名、連絡先、旅券の情報など、扱う個人情報の量が多くなります。 在宅で働く場合は、業務用のパソコンを家族と共用しない、離席するときは画面をロックする、会社が認めた通信手段だけを使う、紙の書類を自宅に残さない、といった基本を徹底します。 会社に在宅勤務の決まりがあれば、それに従って作業する体制を整えましょう。

在宅の求人を探すときに確かめること

在宅の求人に応募するときは、次の点を事前に確かめておくと、入社後のずれを防げます。

  • 自宅で行う業務と営業所で行う業務の分け方
  • 管理者として選任されるのか、従業者として働くのか
  • 外務員証の交付や、旅行者との取引を自宅で行う場面があるか
  • 出勤の頻度と、必要なときにすぐ出勤できる距離かどうか
  • 業務に使うパソコンや通信の環境を会社が用意するか、自分で用意するか
  • 予約システムや顧客の個人情報を自宅で扱うときの決まり

最後の点は、在宅で働くうえで特に大切です。 旅行の手配では、氏名、連絡先、旅券の情報など、多くの個人情報を扱います。 自宅で扱う場合は、家族と共用しないパソコンを使う、画面をのぞかれない場所で作業する、紙の書類を残さないといった基本を守ることが求められます。 会社の決まりがある場合は、それに従って作業する体制を整えておきましょう。

管理者になったあとの研修

旅行業務取扱管理者は、試験に合格して終わりではありません。 旅行業法第11条の2第7項は、旅行業者等が、管理者に3年以上5年以内の国土交通省令で定める期間ごとに、旅行業務に関する法令や旅程管理など、職務に必要な知識と能力を高めるための研修を受けさせなければならないと定めています。 研修を行うのは、法律に定められた旅行業協会です。

同じ条の第10項では、旅行業者等は、苦情の解決に関する講習を受けさせることなど、管理者の知識と能力を高めるための措置を講じるよう努めなければならないとされています。 法令や約款は改正されることがあり、在宅で働く場合でも、お客様への説明は常に最新の内容にもとづいて行う必要があります。 研修の機会を、自分の知識を新しくするきっかけとして活かしましょう。

資格の取り方:総合と国内の試験

これから資格を取る人のために、試験の仕組みを整理します。 総合旅行業務取扱管理者試験は一般社団法人日本旅行業協会(JATA)、国内旅行業務取扱管理者試験は一般社団法人全国旅行業協会(ANTA)が、観光庁長官の試験事務を代行して実施しています。

総合旅行業務取扱管理者試験(令和8年度)

日本旅行業協会の令和8年度の受験案内によると、試験の概要は次のとおりです。

項目 内容
受験資格 年齢、国籍等に関係なく、どなたでも受験できる
試験日 令和8年10月25日(日)
試験科目 旅行業法令、約款、国内旅行実務、海外旅行実務
受験手数料 13,000円(非課税)、別にシステム利用料660円(税込)
申請方法 インターネットのみ
結果発表 令和8年12月10日(木)予定

試験時間は、全科目を受ける人の場合、第1時限が業法と約款で80分、第2時限が国内旅行実務と海外旅行実務で120分です。 国内旅行業務取扱管理者試験の合格者などは、国内旅行実務や業法の科目の免除を受けられる仕組みがあります。 また、国内旅行実務と海外旅行実務は、合格基準に達した科目について翌年度の試験に限り受験が免除される科目合格の制度があります。 旅行業法令と約款には、科目合格の制度はありません。

なお、総合の試験と国内の試験の間で科目の相互免除はなく、国内の試験で国内旅行実務に科目合格しても、翌年度の総合の試験で国内旅行実務が免除されるわけではないと案内されています。 受験案内は年度ごとに変わるので、翌年度に受ける人は、日本旅行業協会の受験案内で最新の内容を確かめてください。

国内旅行業務取扱管理者試験

国内旅行業務取扱管理者試験は、全国旅行業協会が実施しています。 2026年11月3日時点で同協会のサイトはメンテナンス中ですが、案内のページには、令和8年度試験の合格証書を10月30日付で簡易書留郵便により発送したことが掲載されています。 令和8年度の試験はすでに終わっているので、これから受ける人は翌年度の受験案内を同協会のサイトで確かめてください。

どちらから受けるか

国内旅行だけを扱う仕事を考えているなら国内、海外旅行も扱う仕事や、選べる求人を広げたいなら総合が向いています。 国内の合格者は、総合の試験で業法と国内旅行実務の免除を受けられる区分があるため、国内から段階的に総合を目指す人もいます。 試験の科目のうち約款と実務は、在宅のカスタマーサポートや手配の仕事でそのまま使う知識です。 試験の勉強が仕事の準備にもなる点は、この資格の大きな利点です。

働きながら試験に合格する勉強の進め方

在宅の仕事を目指して、これから資格を取る人のために、働きながら勉強する進め方を整理します。

科目ごとの特徴をつかむ

旅行業法令は、営業所の登録、管理者の選任、取引の条件の説明や書面の交付など、旅行業のルールを問う科目です。 約款は、旅行業約款、運送約款、宿泊約款から、契約の成立、変更、取消し、取消料などを問う科目で、カスタマーサポートの仕事に最も直結します。 国内旅行実務は、国内の運賃や料金の計算、観光地の知識などを問います。 海外旅行実務は、総合の試験だけにある科目で、航空運賃の計算、旅券や出入国の手続き、主要国の観光、旅行業務に必要な語学が含まれます。

先に法令と約款を固める

法令と約款は、どちらの試験でも出題され、総合の試験では科目合格の制度がありません。 覚える量が比較的はっきりしている科目なので、最初に固めておくと、残りの期間を実務の科目に回せます。 条文の言い回しをそのまま覚えるより、「なぜこのルールがあるのか」を旅行者の立場で考えると、記憶に残りやすくなります。

実務の科目は計算に慣れる

国内と海外の実務の科目は、運賃や料金の計算問題で差がつきやすい科目です。 過去の試験問題を解き、計算の手順を体で覚えるまで繰り返すのが近道です。 日本旅行業協会のサイトでは、過去5年間の総合の試験問題と正解が公開されているので、問題の形式に慣れる材料として使えます。

科目合格の制度を使う

総合の試験では、国内旅行実務と海外旅行実務のうち、合格基準に達した科目は翌年度に限り受験が免除されます。 1年ですべてを合格するのが難しい場合は、1年目に法令、約款、どちらかの実務を確実に取り、2年目に残りの実務に集中する、という計画も立てられます。 ただし、法令と約款には科目合格の制度がないため、最終的に合格を目指す年には、この2科目もあらためて合格基準に達している必要がある点に注意してください。

受験の申し込みの時期に注意する

総合の試験も国内の試験も、年に1回の実施です。 申し込みの期間を逃すと1年待つことになるので、受けたい年度の受験案内が公開されたら、早めに日程と締め切りを確かめておきましょう。

資格を持つ人に向いている働き方の組み立て方

旅行業務取扱管理者の資格を在宅の働き方に結びつけるには、資格の性質に合わせて働き方を組み立てるのが近道です。

段階1:営業所に勤めて実務を覚える

在宅の求人の多くは、手配や予約システムの操作、約款にもとづく説明ができることを前提にしています。 資格を取ったばかりで実務の経験がない人は、まず営業所で働き、業務の流れを覚えるのが確実です。 実務を覚えたあとに在宅の比率を高めていく人も少なくありません。

段階2:在宅勤務の制度がある会社で働く

手配やカスタマーサポートの経験を積んだら、在宅勤務の制度がある会社に移る、または今の会社で在宅勤務を相談する段階です。 通達のルールを理解しておくと、会社と在宅の範囲を話し合うときに、具体的な提案ができます。

段階3:管理者として出勤と在宅を組み合わせる

管理者として選任される立場になれば、通達の措置を整えたうえで、出勤と在宅を組み合わせた働き方ができます。 営業所の近くに住み、連絡と確認の体制を整えることが前提です。

資格と組み合わせたい力

在宅で働く人には、文章でのやりとりの力が特に求められます。 お客様へのメール、社内への報告、見積書や行程表の作成など、顔を合わせずに正確に伝える場面が多くなるからです。 ビジネス文書の基本を体系的に確かめたい人は、文書の構成や敬語を問うビジネス文書検定の内容を見ておくと、身につけるべきことの目安になります。

また、旅行の記事や観光地の紹介文を書く仕事に資格の知識を活かす人もいます。 旅行の仕組みや約款を理解している書き手は、旅行会社や観光関連のサイトで重宝されます。 文章の仕事の実績の見せ方は、Webライターのポートフォリオの作り方|案件獲得率が上がるテンプレート付き【2026年版】が参考になります。

雇用形態ごとの在宅の働き方

旅行業界で在宅の時間を持つ働き方は、雇用の形によっても変わります。 求人を見るときは、仕事の内容と合わせて雇用形態も確かめましょう。

雇用形態 在宅の働き方の特徴 確かめたいこと
正社員 在宅勤務の制度の中で、出勤日と在宅日を組み合わせることが多い 在宅の日数の上限、管理者として選任されるか
契約社員・パート 手配やカスタマーサポートの担当として在宅の時間を持つ形 担当する業務の範囲、シフトの決め方
派遣 派遣先の旅行会社の在宅勤務の決まりに従う 派遣元と派遣先の在宅のルール、機器の貸与
業務委託 行程表の作成補助、商品ページの原稿、旅行記事の執筆など、取引の外側の仕事が中心 旅行者との取引に関わらない業務かどうか

業務委託で受ける仕事は、旅行者と直接契約の手続きをするものではなく、旅行会社の業務を外から支える仕事が中心になります。 旅行者との取引や手配の業務そのものを会社の外の人に任せる形は、営業所の登録や外務員証の扱いと関わるため、依頼する会社の側で整理されているかを確かめてから引き受けましょう。

資格の知識を活かした在宅の副業

旅行会社に勤めず、資格の知識を在宅の副業に活かす道もあります。 代表的なのは、旅行や観光の記事の執筆です。 旅行の予約の仕組み、取消料の考え方、交通機関の運賃のルールなどを正確に説明できる書き手は、旅行関連のサイトで重宝されます。 約款や運賃の知識は、一般の書き手との違いを示す強みになります。

記事の仕事で収入を伸ばすには、専門分野を持ち、下調べや構成の提案までできることが効きます。 単価の上げ方は、Webライターが文字単価を上げる方法|1円→5円にステップアップする戦略【2026年版】に段階ごとの考え方がまとめられています。

ただし、副業として旅行者から料金を受け取って旅行を手配したり、ツアーを企画して参加者を募ったりすると、旅行業の登録が必要になる場合があります。 記事の執筆や旅行会社からの業務委託のように、旅行者との取引に関わらない仕事に絞っておくと、法律の問題が起きにくくなります。 迷う場合は、旅行業の登録の窓口に確かめてから始めてください。

資格だけでは在宅の仕事にならない理由

最後に、在宅の働き方を考えるうえで誤解されやすい点を整理します。

自宅で旅行会社を開くには登録が必要

旅行業務取扱管理者の資格を持っていても、それだけで自宅で旅行の販売を始められるわけではありません。 旅行業を営むには、旅行業法にもとづく登録が必要で、営業所ごとに管理者を選ぶことも求められます。 登録の種別によって、財産的な基礎(基準資産額)や営業保証金などの要件が定められています。 自分で旅行業を始めることを考えるなら、登録の窓口(業務の範囲によって観光庁または都道府県)で要件を確かめてから準備を進めてください。

管理者の資格は「名義貸し」に使えない

管理者は営業所の業務を実際に管理・監督する責任者です。 通達が不在の常態化を認めていないのは、名前だけを置いて実際には管理しない状態を防ぐためでもあります。 「資格の名前を貸すだけで報酬がもらえる」といった話を持ちかけられても、引き受けないでください。 管理者の職務の義務に反すれば、旅行業者が処分を受けるだけでなく、自分の信用も損ないます。

長く市場を見てきた立場から見えること

在宅ワークとフリーランスの仲介を2004年から続けてきた運営者として見てきた限りでは、国家資格を在宅の働き方に結びつけられる人は、資格の「できること」と「できないこと」を正確に理解し、それを雇う側に説明できる人です。 旅行業務取扱管理者であれば、「通達の条件を満たせば管理の仕事を在宅で行える」「旅行者との取引を自宅で常態的に行うには営業所の登録の問題がある」といった線引きを自分の言葉で説明できる人が、会社からの信頼を得やすくなっています。

また、在宅で長く働き続けている人ほど、「この人に任せると手間が減る」と思ってもらえる仕事の進め方を大切にしています。 手配の漏れを防ぐ確認の手順、お客様への説明の分かりやすさ、社内への報告の速さといった基本の積み重ねが、在宅でも任される仕事の幅を広げていきます。 仲介の手数料が間に入らない直接の取引では、依頼する側は同じ予算でより多く頼め、受ける側の手取りも厚くなるため、文章や手配の補助といった小さな業務委託から関係が育つ例もあります。

旅行業務取扱管理者は、在宅だけで完結する資格ではありませんが、観光庁の通達のルールを守れば、在宅の時間を組み込んだ働き方ができる資格です。 まずは自分が管理者として働きたいのか、従業者として在宅の業務を担いたいのかを決め、その立場で自宅でできる範囲を確かめてから仕事を探してください。 在宅の仕事に欠かせない文章でのやりとりの力を確かめたい人は、ビジネス文書検定の位置づけも見ておくと、次の一手を考えやすくなります。

よくある質問

Q. 旅行業務取扱管理者は完全在宅で働けますか?

管理者として選任される場合、完全に営業所に出ない働き方はできません。観光庁の通達(令和3年5月12日、観参第60号)は、営業時間中の連絡体制、業務の状況を確認できる環境、必要時にすぐ出勤できることなどを条件にテレワークを認めていますが、営業所への不在を常態化させてはならないとしています。従業者として業務の一部を自宅で行う形はあります。

Q. 自宅で旅行者と契約の手続きをしてもよいですか?

通達では、従業者は会社が交付する外務員証を携帯していなければ、自宅など営業所の外で旅行者と取引できないとされています。外務員証があっても、自宅での取引が常態化している場合は、営業所としての登録が必要かを個別に判断するとされています。自宅で行う業務の範囲は、勤め先の会社の整理に従って確かめてください。

Q. 総合旅行業務取扱管理者試験の受験資格と受験料は?

日本旅行業協会の令和8年度の受験案内では、年齢や国籍等に関係なく、どなたでも受験できます。受験手数料は13,000円(非課税)で、別にシステム利用料660円(税込)がかかります。令和8年度の試験日は10月25日、結果発表は12月10日の予定です。申請はインターネットのみで、翌年度の内容は受験案内で確かめてください。

Q. 資格があれば自宅で旅行会社を開業できますか?

資格だけでは開業できません。旅行業を営むには旅行業法にもとづく登録が必要で、営業所ごとに旅行業務取扱管理者を選ぶことも求められます。登録の種別によって財産的な基礎や営業保証金などの要件が定められています。業務の範囲によって観光庁または都道府県が窓口になるので、要件を確かめてから準備を進めてください。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年3月5日最終更新:2026年11月4日
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