タイムブロッキングのやり方|予定表に作業時間を確保して仕事を進める手順

@SOHO編集部
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タイムブロッキングのやり方|予定表に作業時間を確保して仕事を進める手順

この記事のポイント

  • ✓タイムブロッキングのやり方を
  • ✓予定表に作業時間を確保する手順として整理しました
  • ✓崩れたときの組み直し方

タイムブロッキングとは、やることを一覧に並べるだけで終わらせず、予定表の上に「この時間はこの作業をする」という枠を先に確保していく時間の使い方です。会議の予定と同じように作業の時間を予定表に入れるので、1日の中でどれだけの作業ができるのか、何が入りきらないのかが見えるようになります。

やることリストは毎日長くなるのに、夕方になると肝心の作業が手つかずのまま残っている。そうした悩みを抱える人が、タイムブロッキングを調べることが多いようです。この記事では、タイムブロッキングを今日から始めるための手順を、作業の洗い出しから予定表への入れ方、崩れたときの組み直し方まで順に説明します。チームで仕事を進めていて、自分の予定と担当の作業をそろえて見たい人向けに、無料から使えるボード型の道具Pinatecaも選択肢の1つとして紹介します。

タイムブロッキングとは何か

タイムブロッキングは、1日の時間をいくつかの「ブロック(区切られた時間の枠)」に分け、それぞれの枠に取り組む作業を1つ割り当てる方法です。たとえば、午前9時から10時30分は企画書の作成、10時30分から11時はメールの返信、11時から12時は打ち合わせ、という具合に予定表を埋めていきます。

この方法が広く知られるようになったきっかけの1つは、アメリカの計算機科学者カル・ニューポートの著書『Deep Work』です。この本では、気が散らない状態で取り組む深い作業の時間を確保する手段として、1日の時間を枠で区切って計画する方法が紹介されています。日本でも、在宅勤務が広がって自分で1日の流れを組み立てる人が増えたことで、改めて注目されるようになりました。

やることリストとの違いは、「何をするか」に加えて「いつするか」と「どれだけの時間をかけるか」を決める点にあります。やることリストは作業の数を数えるのに向いていますが、作業の大きさや、使える時間の総量は見えません。10項目のリストのうち、5分で終わるものと3時間かかるものが同じ1行で並んでいるため、手をつけやすい小さな作業から片づけて、大きな作業が後回しになりがちです。

タイムブロッキングでは、作業を予定表に入れる時点で所要時間を見積もる必要があります。8時間の勤務時間に10時間分の作業は入りません。予定表に入れようとした段階で、今日中に終わらない作業や、ほかの人に頼むべき作業、断るべき依頼が見えてきます。これがタイムブロッキングのいちばんの効用です。

似た言葉に「タイムボクシング」があります。タイムボクシングは、1つの作業にかける時間の上限を先に決め、その時間が来たら区切りをつける考え方です。タイムブロッキングが1日全体の配分を決める方法であるのに対し、タイムボクシングは1つの作業の時間の上限を決める方法と考えると、違いが分かりやすくなります。実際には両方を組み合わせて使う人が多く、「この枠の90分で、提案書の骨組みまで作る」と決めるのは、タイムブロッキングとタイムボクシングを同時に使っている状態です。

タイムブロッキングが合う人と合わない人

タイムブロッキングは万能ではありません。合う働き方と合わない働き方があるので、始める前に自分の仕事の形を確かめておくと、無理なく続けられます。

合いやすいのは、次のような人です。

  • 企画書、設計、執筆、デザイン、分析など、まとまった時間が要る作業を抱えている人
  • 在宅勤務やフリーランスで、1日の時間の使い方を自分で決められる人
  • 複数の案件や取引先を同時に受けていて、どれも少しずつ遅れがちな人
  • 会議や連絡の合間に作業が細切れになり、集中できる時間が取れていない人

一方で、合いにくい働き方もあります。

  • 電話や窓口の対応が中心で、仕事の大半が「来たものに応じる」形の人
  • 現場の状況で予定が1時間単位で変わる仕事の人
  • 上司や取引先が予定を直接入れてくるため、自分で予定表を管理できない人

合いにくい働き方の人でも、1日のうち1枠だけでも作業の時間を確保すると効果が出ることがあります。たとえば、問い合わせ対応が中心の人なら、午後の30分だけを「記録の整理」の枠として確保し、その時間は窓口の担当を交代してもらう、といった使い方です。1日の全部を枠で埋めようとせず、守りたい時間だけを先に確保する、という小さな始め方でも十分に意味があります。

セキュリティの診断や設計のような、ひとつの見落としが大きな事故につながる仕事では、気が散った状態で作業すると確認の漏れが起こりやすくなります。こうした仕事を受けている人ほど、通知を止めて取り組む枠を予定表に確保しておく価値は大きいと言えます。

始める前に用意するもの

タイムブロッキングに特別な道具は要りません。始めるときに用意するのは次の3つです。

1つ目は予定表です。Googleカレンダー、Outlookの予定表、手帳の週間ページなど、時間の軸がある予定表なら何でもかまいません。すでに会議の予定を入れている予定表があるなら、それをそのまま使うのがいちばん続けやすい方法です。予定表を2つに分けると、会議の予定と作業の枠が別々の場所に記録され、重なりに気づけなくなります。

2つ目は、抱えている作業の一覧です。頭の中だけで覚えている作業は、予定表に入れる段階で抜け落ちます。紙のメモでも表計算でも、作業管理の道具でもよいので、まず全部を書き出します。

3つ目は、自分の1日の流れの把握です。何時ごろが集中しやすいか、何時ごろに連絡が集中するか、会議が入りやすいのは何曜日か。これを知らないまま枠を組むと、集中の要る作業を眠くなる時間帯に入れてしまったり、連絡の多い時間帯に長い作業の枠を確保してしまったりします。

最初の1週間は、枠を組む前に、実際に何に何分使ったかを30分単位で記録してみるのがおすすめです。記録してみると、メールやチャットの返信に思っていた以上の時間を使っていることや、会議の前後に作業に入れない時間がまとまって生まれていることに気づく人が少なくありません。この記録が、次の段階で所要時間を見積もるときの土台になります。

タイムブロッキングのやり方:5つのステップ

ここからは、タイムブロッキングを始める具体的な手順を5つのステップで説明します。最初は1週間分を一度に組むのではなく、翌日1日分から始めると無理がありません。

ステップ1:作業を全部書き出す

まず、今抱えている作業をすべて書き出します。取引先から頼まれた作業、社内の報告、経費の精算、返事を待っているメールの確認、来週の会議の準備など、小さなものも含めます。

書き出すときは、作業を「1回の枠で終わる大きさ」に分けておくと、あとで予定表に入れやすくなります。「提案書を作る」だと大きすぎるので、「提案書の構成を決める」「事例の部分を書く」「数字の表を作る」「見直して送る」のように分けます。1つの作業が2時間を超えそうなら、さらに分けられないかを考えます。

ステップ2:作業ごとに所要時間を見積もる

書き出した作業の横に、かかりそうな時間を書きます。ここで大事なのは、最初の見積もりに余裕を加えることです。人は作業時間を短く見積もりがちで、特に初めて取り組む作業や、ほかの人の確認が要る作業は、思った時間の1.5倍程度かかることが珍しくありません。

前の章で紹介した1週間の記録があれば、それを見積もりに使います。「メールの返信は1日に合計60分ほどかかっている」と分かっていれば、その時間を最初から予定表に確保できます。

ステップ3:動かせない予定を先に入れる

予定表に、会議、打ち合わせ、通院、子どもの送り迎えなど、時間が決まっていて動かせない予定を先に入れます。そのうえで、残った空き時間がどれだけあるかを確かめます。

この段階で、空き時間の合計がステップ2で見積もった作業時間の合計より少ないと分かることがよくあります。その場合は、今日やらない作業を決める、締め切りを相談する、ほかの人に頼む、のいずれかを選びます。空き時間に収まらない作業を無理に詰め込むと、夕方に全部が中途半端なまま残ります。

ステップ4:作業を枠に割り当てる

空き時間に、作業の枠を入れていきます。入れる順番は次のとおりです。

  1. 締め切りが近く、まとまった集中が要る作業を、自分が最も集中しやすい時間帯に入れる
  2. 連絡の返信や事務作業は、いくつかまとめて1つの枠にし、集中しにくい時間帯に入れる
  3. 枠と枠のあいだに、10分から15分の空白を残す
  4. 1日の終わりに、翌日の枠を組み直すための時間を15分確保する

枠の名前は、具体的な作業名にします。「作業」「仕事」のような名前の枠は、その時間になっても何から手をつけるかを迷うため、結局メールを開いてしまいます。「A社の見積書を作る」「ブログ記事の見出しを決める」のように、枠を見た瞬間に始められる名前を付けます。

ステップ5:1日の終わりに振り返って翌日を組み直す

1日の終わりに、予定どおりに進んだ枠と、ずれた枠を確かめます。ずれた枠は、なぜずれたのかを1行だけメモします。「見積もりが短かった」「割り込みが入った」「前の会議が延びた」など、理由が分かれば翌日の組み方を変えられます。

そのうえで、終わらなかった作業を翌日の予定表に入れ直します。終わらなかった作業を翌日の空き時間に押し込むだけでは、翌日も同じことが起こります。翌日に入れる作業を1つ減らす、見積もりを伸ばす、といった調整をここで行います。

枠の大きさと並べ方の決め方

タイムブロッキングを続けられるかどうかは、枠の大きさと並べ方で大きく変わります。ここでは、多くの人がつまずく点に沿って決め方を説明します。

集中が要る作業の枠は60分から90分

企画、執筆、設計、分析のように頭を使う作業は、1つの枠を60分から90分にするのが目安です。30分の枠では、作業に入り込む前に時間が終わってしまいます。逆に、3時間を超える枠は途中で集中が切れやすく、休憩も取りにくくなります。

長い作業は、90分の枠を2つに分け、あいだに休憩をはさむほうが進みます。休憩の時間も予定表に入れておくと、休憩を取らずに次の作業へ流れ込むのを防げます。

連絡や事務は「まとめて片づける枠」にする

メールやチャットの返信を、届くたびに処理していると、集中の要る作業が細切れになります。返信は午前と午後に1回ずつなど、決めた枠でまとめて片づけるようにします。急ぎの連絡が来る仕事なら、集中の枠の終わりに5分だけ確認する時間を入れておきます。

在宅で働く人や、複数の取引先と連絡を取り合う人は、返信が遅いと思われることを心配しがちです。取引先には「午前と午後に1回ずつ確認しています」と最初に伝えておくと、返信の早さよりも約束どおりに返ってくることのほうが信頼につながります。

予備の枠を必ず残す

1日の予定表を全部埋めてしまうと、1つの作業が延びただけで残りの枠が全部ずれます。1日のうち1枠、たとえば午後の30分から1時間を、何も入れない予備の枠として残しておきます。予定どおりに進んだ日は、その時間を翌日の準備や、後回しになっていた小さな作業に使えます。

曜日ごとの型を作る

毎日ゼロから枠を組むと、組むこと自体が負担になります。月曜の午前は週の計画と連絡、火曜と木曜の午前は集中作業、金曜の午後は振り返りと請求の事務、のように曜日ごとの型を作っておくと、毎日の調整は小さな入れ替えだけで済みます。予定表の「繰り返し」の設定を使えば、型の枠を毎週自動で表示できます。

割り込みと予定のずれへの備え

タイムブロッキングを始めた人の多くが、数日で「予定どおりにいかない」と感じて続かなくなります。予定がずれるのは失敗ではなく、前提として備えておくべきことです。

割り込みは「その場で受ける」か「枠に回す」かを決める

上司や取引先からの急ぎの依頼、同僚からの質問は、毎日のように入ります。割り込みが入ったら、まず「今すぐ対応しないと困るか」を考えます。今すぐでなくてよいものは、その場で「15時の枠で確認して返します」と答え、予備の枠か連絡の枠に回します。今すぐ必要なものだけを受け、受けた時間の分だけ後ろの枠を動かします。

ずれたら「後ろにずらす」のではなく「入れ替える」

1つの枠が延びたとき、残りの枠を全部後ろにずらすと、1日の最後の作業がはみ出して残業になります。延びたら、その日の残りの枠を見直し、今日やらなくてよい作業を翌日に回します。優先順位の高い作業が残るように、入れ替えて組み直すのがコツです。

1枠でも守れたら十分と考える

最初の数週間は、1日の枠の半分も守れないことがあります。それでも、1日のうち最も大事な作業の枠を1つでも守れたなら、その日は成功です。全部の枠を守ることを目指すと、守れなかったときに方法そのものをやめてしまいます。守る枠を1つ決めて、そこから広げていくほうが長く続きます。

ライフハッカー編集部の記事でも、時間管理をきっちり詰めすぎてかえって負担になり、ゆるやかなタイムブロッキングに切り替えた経緯が紹介されています。

ガチガチのタスク・時間管理に疲れてはじめた「ゆるタイムブロッキング」実践テクニック 出典: lifehacker.jp

この記事の題名のとおり、時間の枠を守ること自体が目的になると、続けるのが苦しくなります。枠を細かく決めすぎて苦しくなったら、枠を大きくする、名前をゆるくする、予備の枠を広げる、といった調整で十分です。方法そのものをやめてしまう前に、まずは枠の組み方を変えてみてください。1週間ほど試してから、元の細かい枠に戻すか、ゆるい枠のまま続けるかを決めると、自分に合う形が見つかりやすくなります。

つまずきやすい4つの失敗と直し方

タイムブロッキングを始めた人がつまずく場面には、共通する形があります。自分の組み方に当てはまるものがないかを確かめてください。

失敗1:1日の全部を枠で埋めてしまう

始めたばかりの人ほど、朝から夕方まで隙間なく枠を並べがちです。予定表が埋まっていると安心しますが、1つの枠が延びたとたんに全部が崩れます。直し方は、1日の勤務時間のうち作業の枠として確保するのを7割程度にとどめ、残りを連絡と予備の時間にすることです。8時間の勤務なら、作業の枠は5時間半ほどが目安になります。

失敗2:作業の名前があいまいなまま枠を作る

「企画」「資料」「調査」のような名前の枠は、時間になっても何から始めるかが決まっていないため、着手が遅れます。直し方は、枠の名前を動詞で終わらせることです。「新サービスの企画の目次を決める」「先月の数字を表にまとめる」のように書くと、その枠で終わらせる範囲もはっきりします。

失敗3:振り返りをしないまま翌日を組む

ずれた理由を確かめないまま翌日の枠を組むと、同じ見積もりの誤りを毎日繰り返します。直し方は、1日の終わりの15分を振り返りの枠として予定表に入れてしまうことです。振り返りそのものを作業の1つとして扱うと、忙しい日でも省かずに済みます。

失敗4:自分の予定表だけで完結させようとする

チームで仕事をしているのに、自分の予定表だけで枠を組むと、ほかの人の作業が遅れたときに自分の枠が空回りします。確認待ちの作業の枠を作ったのに、相手の資料が届いていない、という状態です。直し方は、ほかの人の作業を待つ必要がある作業は、相手の締め切りの翌日以降に枠を入れ、前日に相手の進み具合を確かめることです。チームで作業の状況を共有する方法は、後の「タイムブロッキングを助けるツールの選び方」の章で説明します。

Googleカレンダーでタイムブロッキングを行う方法

タイムブロッキングを始める人が最も多く使っているのは、Googleカレンダーのような予定表のアプリです。予定と作業の枠を同じ画面で見られ、スマートフォンからも確かめられます。ここでは、Googleカレンダーを使う場合の基本的な使い方を整理します。

作業の枠を予定として作る

作業の枠は、通常の予定と同じように作ります。日表示か週表示で、枠を確保したい時間をクリックし、作業名を入れて保存します。作業の枠と会議の予定を見分けやすくするために、作業の枠だけ色を変えておくと、1週間のうちどれだけ作業の時間が取れているかがひと目で分かります。

曜日ごとの型を作るときは、予定の繰り返しの設定を使います。毎週火曜の午前に集中作業の枠を作り、繰り返しを「毎週」にすれば、毎回入れ直す必要がありません。

仕事用アカウントならサイレントモードの予定が使える

Google Workspace の一部のプランでは、作業に集中する時間を「サイレントモード」の予定として作れます。Google カレンダーのヘルプには、サイレントモードの予定を作ると、チャットの通知をミュートし、会議への招待を自動的に辞退できると書かれています。使えるのは、Business Standard、Business Plus、Enterprise Standard、Enterprise Plus、教育機関向け、非営利団体向けの仕事用または学校用アカウントで、作れるのは日表示と週表示の画面だけです。設定の手順はGoogle カレンダーのヘルプに載っています。

個人のGoogleアカウントでは、サイレントモードの予定は使えません。その場合は通常の予定として作業の枠を作り、パソコンやスマートフォンの通知を自分で止めて使います。

業務時間を設定して、枠の外に会議を入れられにくくする

社内で予定表を共有している場合は、業務時間を設定しておくと、勤務時間外に会議の招待が来たときに相手に知らせることができます。設定の手順は業務時間と勤務場所を設定するのページで説明されています。作業の枠を「予定あり」として公開しておけば、同僚から見ても空き時間ではないことが分かり、作業の時間に会議を入れられることが減ります。

紙の手帳でも同じことができる

アプリを使わなくても、時間の軸がある週間の手帳で同じことができます。紙の手帳の良い点は、書き込む手間がかかる分作業の数を自然に絞り込めることです。予定が頻繁に変わる人や、チームと予定を共有したい人はアプリ、1人で仕事を進める人や画面から離れて計画を立てたい人は紙、と使い分けると無理がありません。

タイムブロッキングを助けるツールの選び方

タイムブロッキングに使う道具は、予定表だけで足りる場合と、作業の管理を別の道具で行ったほうがよい場合があります。自分の状況に合わせて選びます。

1人で仕事をするなら予定表とメモで十分

1人で仕事を進めていて、作業の数が1日に10件程度までなら、予定表と簡単なメモで十分に回ります。作業の一覧はスマートフォンのメモやリマインダーで管理し、毎朝その一覧から予定表に枠を入れていく形です。道具を増やすほど、道具の間で情報を移す手間が増えるので、最初は少ない道具で始めるのが続けるコツです。

時間の記録を取りたいなら記録用のアプリを組み合わせる

見積もりの精度を上げたい人は、作業の開始と終了を記録するアプリを組み合わせると、実際にかかった時間が自動で残ります。記録を1か月続けると、作業の種類ごとの平均時間が分かり、ステップ2の見積もりが正確になります。

チームで仕事をするなら、作業の担当と期限を共有できる道具を

チームで案件を進めている場合、自分の予定表に枠を確保するだけでは足りません。誰がどの作業を担当していて、いつまでに終わる予定なのかを全員が見られないと、ほかの人の作業の遅れに気づかないまま自分の枠を組むことになり、確認待ちで手が止まります。

こうした場面の選択肢の1つが、Pinatecaです。公式サイトによると、Pinatecaにはカンバン、ガント、カレンダー、リスト、ディスカッション、グリッド、時間割、リソースの8種類のボードがあり、5人までのチームならすべてのボードとチャットを無料で使えます。カードごとに担当と締切を付けられ、ガントのボードでは作業の期間が横棒で並ぶので、自分の作業がほかの人の作業のあとに来るのか、重なっているのかが分かります。時間割のボードは曜日と時限で週の枠を埋める形のボードで、曜日ごとの型を作るタイムブロッキングと考え方が近く、チームの定例の作業時間を共有するのに使えます。リソースのボードでは人ごとの作業の偏りを見られるため、1人に作業が集中して枠に収まらなくなっている状態にも気づけます。自分宛ての担当の割り当てや締切は受信箱に集まります。無料のプランはボード10個までで、6人目または11個目のボードからはスタンダードプラン(1人あたり月額500円・税抜、年払いなら1人あたり月額400円)になります。

Pinatecaは、@SOHOを運営する株式会社ライフスケープが開発・提供しています。

チームの作業を共有の道具で管理し、そこから自分の担当分を毎朝予定表に枠として入れる、という組み合わせにすると、チーム全体の進み具合と自分の1日の時間配分を両方そろえられます。

在宅勤務とフリーランスで気をつけたいこと

タイムブロッキングは在宅で働く人と相性の良い方法ですが、在宅ならではの注意点もあります。

仕事と生活の境目を枠で決める

在宅で働くと、始業と終業の区切りがあいまいになり、夜まで少しずつ作業を続けてしまうことがあります。予定表に「始業」「終業」の枠を入れ、終業の枠のあとには仕事の予定を入れないと決めておくと、働きすぎを防げます。昼休みや家事の時間も枠として入れておくと、家族と予定を共有しやすくなります。

複数の取引先の作業を同じ予定表に並べる

フリーランスで複数の取引先から仕事を受けている人は、取引先ごとに別の管理表を使っていると、全体の作業量が見えなくなります。すべての取引先の作業を同じ予定表に枠として並べると、今週どれだけの余裕があるか、新しい依頼を受けられるかが判断しやすくなります。

新しい依頼を受けるかどうかは、予定表に枠を入れられるかで決めます。予定表に入らない依頼を受けると、既存の取引先の作業が遅れ、信頼を損ないます。枠が埋まっているときは、納期を後ろにずらせるかを相談するほうが、結果として長い付き合いにつながります。

打ち合わせの前後に余白を残す

オンラインの打ち合わせは移動がない分、前後に詰めて入れがちです。打ち合わせの直後は、決まったことの整理や、頼まれた作業の書き出しに10分から15分かかります。打ち合わせの後ろに整理の枠を入れておくと、決まったことを忘れずに次の作業へつなげられます。

在宅で働く人の仕事の種類は広がっています。AIを業務に取り入れる支援の仕事もその1つで、AIコンサル・業務活用支援のお仕事では、生成AIの導入支援や社内の使い方の整備といった仕事の内容と進め方がまとめられています。こうした仕事は、調査、提案、資料作成、打ち合わせが細かく入り混じるため、タイムブロッキングで作業の時間を守る効果が大きい分野です。

職種別のタイムブロッキングの例

仕事の内容によって、枠の組み方は変わります。ここでは、在宅や業務委託で働く人に多い3つの職種で、1日の組み方の例を紹介します。

デザイナーの例

デザインの仕事は、制作に集中する時間と、修正の依頼に対応する時間がはっきり分かれます。午前の9時から11時を新しい案件の制作、11時から11時30分を連絡の確認、午後の13時から15時を修正の対応、15時から15時30分を予備、15時30分から17時を資料集めや次の案件の構想、のように組みます。修正の依頼は届いた順に対応すると制作の枠が崩れるので、修正は午後にまとめて対応すると決めて、取引先にも伝えておきます。デザイナーの報酬の目安や働き方の違いは、デザイナーの年収・単価相場で職種ごとに確かめられます。

開発エンジニアの例

開発の仕事は、実装に深く集中する時間が成果を大きく左右します。朝いちばんに90分の実装の枠を2つ確保し、昼以降にコードの確認、打ち合わせ、問い合わせの対応を入れる組み方がよく使われます。障害の対応のように予測できない割り込みが入る仕事なので、予備の枠を1日に1時間ほど残しておくと、割り込みがあっても実装の枠を守りやすくなります。アプリ開発の仕事の進め方は、アプリケーション開発のお仕事で紹介されています。

事務やサポートの例

事務やサポートの仕事は、来たものに応じる時間が長いため、1日の全部を枠で組むのは難しい職種です。そのうえで、午前と午後に30分ずつ「記録の整理」「マニュアルの更新」のような、後回しにしがちな作業の枠を確保します。窓口の担当を交代してもらえるなら、その時間だけは問い合わせを受けない、と決めておきます。

時間の使い方を見える形にすると、仕事の受け方が変わる

在宅ワークや業務委託の仕事を長く見てきた運営者の立場から言えば、長く仕事が続く人ほど、受けた仕事を「いつやるか」まで決めてから引き受けています。依頼が来た時点で予定表を開き、作業の枠が確保できる日を確かめてから納期を答えるため、納期を守る回数が増え、次の依頼にもつながります。反対に、予定表を見ずに「大丈夫です」と答えてしまう人は、作業が重なった週に複数の納期を同時に崩してしまうことが少なくありません。

時間の使い方を見える形にすることは、報酬の考え方にもつながります。1つの案件に実際に何時間使ったかが分かると、その案件の時間あたりの報酬が分かり、次に見積もりを出すときの根拠になります。仲介の手数料が引かれない直接の取引では、同じ予算でも受け手の手取りが厚くなりやすく、作業時間を正しく見積もれる人ほど、その厚みを無理のない働き方に回せます。取引先に作業の内訳と時間を説明できることは、価格の交渉でも信頼の材料になります。

タイムブロッキングは、明日の予定表に1つの枠を入れるところから始められます。まずは翌日の最も大事な作業を1つ選び、自分が最も集中しやすい時間帯に60分の枠を確保してみてください。その枠を守れたら、次の日は2つに広げる。この積み重ねで、予定表は「入ってきた予定を記録する場所」から「自分の時間の使い方を決める場所」に変わっていきます。

よくある質問

Q. タイムブロッキングとやることリストはどう違いますか?

やることリストは「何をするか」を並べるもので、作業の大きさや使える時間の総量は見えません。タイムブロッキングは、作業ごとに所要時間を見積もって予定表に枠を確保するため、今日中に終わらない作業が組む段階で分かります。リストで作業を洗い出し、予定表に枠として入れる、と両方を組み合わせて使うのが一般的です。

Q. 1つの枠は何分にすればよいですか?

企画や執筆、設計のような集中が要る作業は60分から90分が目安です。30分では作業に入り込む前に終わり、3時間を超えると集中が切れやすくなります。メールの返信や事務作業はいくつかまとめて30分程度の枠にし、枠と枠のあいだに10分から15分の空白を残すと、ずれが起きても組み直しやすくなります。

Q. 予定どおりに進まない日が続いたらどうすればよいですか?

予定がずれるのは前提と考えて、1日の終わりにずれた理由を1行だけ記録します。見積もりが短かったなら時間を伸ばし、割り込みが多いなら予備の枠を広げます。全部の枠を守ろうとせず、最も大事な作業の枠を1つ守れたら成功と考えると、方法をやめずに続けられます。

Q. タイムブロッキングに無料で使える道具はありますか?

Googleカレンダーのような予定表のアプリや、時間の軸がある紙の手帳があれば始められます。作業の枠の色を会議と分け、曜日ごとの型は繰り返しの設定で作ると手間が減ります。チームで担当や期限を共有したい場合は、無料のプランがある作業管理の道具を組み合わせる方法もあります。

この記事について

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監修:@SOHO編集部

2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを運営。生成AIで作成した下書きを、一次情報と照らし合わせて確認したうえで公開しています。

公開:2026年5月24日最終更新:2026年10月20日
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