サプリ紹介記事をライターに外注する時の指示書|違反を防ぐレギュレーションの作り方 2026


この記事のポイント
- ✓サプリの記事作成をライターに外注する際に必要なレギュレーション(指示書)の作り方を解説
- ✓薬機法・景品表示法のNG表現から依頼の流れ
- ✓費用相場まで発注者向けに具体的に紹介します
サプリメントや健康食品の紹介記事をライターに外注しようとして、「どこまで表現していいのか分からない」と手が止まっていませんか。「効果がある」と書きたいけれど薬機法(医薬品医療機器等法)に触れそうで怖い、外部のライターに任せた結果、知らないうちに景品表示法違反の表現が混ざっていた、そんな不安を抱える発注者は少なくありません。結論から言うと、サプリ記事の外注で事故を防ぐ鍵は、ライターの腕前よりも先に「レギュレーション(指示書)」を発注者側できちんと作れているかどうかにあります。この記事では、行政書士としてフリーランスの契約トラブルを日常的に見てきた立場から、サプリ記事外注で押さえるべき法律の基礎と、実務で使えるレギュレーションの作り方を具体的に解説します。
サプリ記事外注をめぐる市場の現状
健康食品・サプリメント市場は、コロナ禍以降の健康志向の高まりを背景に拡大を続けています。同時にEC事業者やD2Cブランドの増加によって、商品説明ページやオウンドメディアの記事を外部ライターに外注するケースも急増しました。自社で全ての記事を内製するのは人件費的に現実的でなく、記事1本あたり3,000円から3万円程度の相場でクラウドソーシングや制作会社に依頼する事業者が主流になっています。
一方で、この数年で行政の摘発は明確に強化されています。消費者庁は「打消し表示」や「体験談を使った暗示的な効果訴求」への監視を強め、措置命令の対象は年々広がっています。厚生労働省が所管する薬機法についても、インターネット広告やアフィリエイト記事を含めた取り締まりの対象範囲が拡大しており、外部ライターが書いた記事であっても、公開して広告として利用している以上、責任を負うのは発注者側の企業です。「ライターが勝手に書いた」という言い訳は、行政処分の場面では通用しません。
つまり今、サプリ記事の外注で本当に必要とされているのは、優秀なライターを探すことだけでなく、「何を書いてよくて、何を書いてはいけないか」を発注者があらかじめ言語化しておく力です。これがレギュレーション(指示書)です。
> ただしその分、個人ライターに直接依頼する場合に比べて、10%~20%の仲介手数料が発生する点がデメリットです。例えば記事外注費が10,000円の場合、手数料が1,000円~2,000円程度かかります。 > 出典: shwat.jp
この仲介手数料の話は、あとで「外注先の選び方」の章でもう一度触れます。まずは法律面の土台を固めましょう。
サプリ記事で絶対に押さえるべき2つの法律
サプリ・健康食品の記事外注で問題になる法律は、大きく分けて2つです。「薬機法」と「景品表示法」。この2つの違いを発注者自身が理解していないと、そもそもライターに正しい指示を出すことができません。
薬機法(医薬品医療機器等法)とは
薬機法は、医薬品でない食品(サプリメントもここに含まれます)について、病気の治療や予防に効果があるかのような表現を禁止する法律です。つまり、「このサプリで糖尿病が治る」「飲むだけでがんが予防できる」といった、医薬品的な効能効果を暗示する表現は、それがどれだけ体験談ベースであっても違反になります。
具体的にNGとされやすい表現には、次のようなものがあります。
・「治る」「治療する」「予防する」といった医薬品的効能効果を直接示す表現 ・「痩せる」「脂肪が落ちる」など、身体機能への直接作用を断定する表現(機能性表示食品として届出済みの範囲を超える場合) ・体験談を使って間接的に病気治癒を示唆する表現(「がんが消えた」という体験談の紹介自体もNG) ・医師・専門家の推奨を装って効能を保証するような表現
つまり、サプリはあくまで「食品」であり、「体調を維持する助けになる」「健康的な生活をサポートする」といった、食品としての範囲を超えない表現に留める必要があります。ライターに「効果を書いてください」とだけ指示すると、悪気なく薬機法違反の表現を書いてしまうケースが非常に多いのです。
景品表示法(優良誤認・有利誤認)とは
景品表示法は、商品の品質や価格について、実際よりも著しく優れている、または著しくお得であるかのように誤認させる表示を禁止する法律です。薬機法が「効能効果の表現」を規制するのに対し、景品表示法は「誇大な比較・実績・価格表示」を規制すると考えると整理しやすくなります。
サプリ記事で特に問題になりやすいのが、次のパターンです。
・「モニターの98%が満足」といった調査結果の根拠なき提示(実際の調査母数や条件を明示しないと優良誤認のおそれ) ・「今だけ半額」「先着100名限定」といった表示を、実際には常時実施している場合(有利誤認) ・他社製品との比較で、根拠のない優位性を主張する表現 ・打消し表示(小さい文字の「個人の感想です」表記だけで効能表現を正当化しようとする手法)
先日、あるEC事業者の方から相談を受けました。「外注したライターが書いた記事に『愛用者の97%が実感』と書いてあったが、根拠となるアンケートは存在しなかった」というケースです。ライター自身に悪意はなく、「よくある表現だと思っていた」とのことでした。つまり、ライターの善意やモラルに頼るのではなく、発注者側が事前に「根拠のない数値・実績は書かない」というルールをレギュレーションに明記しておく必要があったのです。こういうケース、実は本当に多い。
※このように「どこまでがセーフでどこからがアウトか」の線引きが微妙なケースでは、必ず薬機法・景品表示法に詳しい弁護士や、実績のある薬事コンサルタントに相談してください。行政書士は契約書や許認可申請の専門家であり、個別の広告表現の適法性判断は弁護士・薬事専門家の領域になります。
レギュレーション(指示書)に入れるべき7つの項目
ここからが本題です。サプリ記事の外注を安全に進めるための「レギュレーション」には、最低限、次の7項目を盛り込んでください。これはライターへの発注時に毎回渡す指示書のテンプレートとして使えます。
1. NGワードリスト
「治る」「完治」「即効性」「副作用なし」など、薬機法・景品表示法上使ってはいけない単語を一覧化します。業界団体(日本健康・栄養食品協会など)が公開しているガイドラインを参考にしつつ、自社商品のジャンル特有のNGワードも追加しましょう。リストは50〜100語程度にまとめ、ライターが執筆前に一読できる分量に収めるのがコツです。
2. OK表現の言い換え例
NGワードを禁止するだけでは、ライターは「では何と書けばいいのか」で手が止まります。「痩せる」→「健康的な体型維持をサポート」、「治る」→「毎日のコンディション管理に」といった言い換え例をセットで提示することで、執筆スピードと表現の安全性を両立できます。
3. 引用・体験談のルール
体験談を記事に入れる場合、「個人の感想であり、効果効能を保証するものではありません」という打消し表示を、体験談の直後に明記するルールを定めます。また、体験談自体が病気治癒を示唆する内容になっていないか、ライターが自己判断で「盛る」ことがないよう、実在する声のみを使うことを明記します。
4. 数値・実績表示のルール
「満足度◯%」「売上実績◯件」といった数値を記事に載せる場合は、必ず根拠資料(アンケート結果、販売データなど)を発注者側から提供し、ライターが独自に数値を創作することを禁止します。根拠のない数値は絶対に書かせない、これを徹底するだけで景品表示法のリスクは大きく下がります。
5. 参考にしてよい情報源の指定
厚生労働省や消費者庁が公開している資料、公式な業界ガイドラインなど、参照してよい一次情報源をあらかじめ指定しておくと、ライターが根拠不明のブログ記事や個人サイトを参考にして誤った情報を書いてしまうリスクを減らせます。薬機法に関する公式情報は厚生労働省のウェブサイトで随時公開されています。
6. チェック体制とフロー
ライターが執筆した原稿を、誰が・どの順番で・何を確認してから公開するかを明文化します。理想は「ライター執筆→社内担当者による薬機法チェック→(必要に応じて)薬事監修者の確認→公開」という三段階です。チェック担当者が不在の場合でも、最低限「NGワードリストとの照合」だけは公開前に必ず行うルールにしておきましょう。
7. 修正・差し戻しの基準
薬機法・景品表示法に抵触する表現が見つかった場合、どの範囲まで無償修正を依頼できるのか、契約時に明記しておきます。単純な誤字脱字の修正と違い、法令リスクに関わる修正は「ライターの落ち度」ではなく「発注者の指示不足」が原因であることも多いため、双方が納得できる修正範囲をあらかじめ合意しておくことがトラブル防止につながります。
記事外注化でありがちな失敗パターン
レギュレーションを整備せずに外注を始めると、次のような失敗が起きやすくなります。
失敗1:口頭やチャットだけで指示を済ませてしまう
「サプリの良さが伝わるように書いてください」という抽象的な指示だけでライターに発注し、納品後に薬機法違反の表現が見つかって全面書き直しになるケースです。修正のたびにライターとのやり取りに時間がかかり、結果的に内製するより時間もコストもかかってしまいます。指示書は必ず文書化し、口頭指示だけに頼らないことが鉄則です。
失敗2:安さだけでライターを選んでしまう
私自身、行政書士として独立する前、別の案件でライター選定に関わった際、見積もり額の安さだけで発注先を決めて苦い経験をしたことがあります。相場より大幅に安いライターは、リサーチや校正にかける時間が短く、結果的に薬機法・景品表示法のリスクを孕んだ原稿が納品されやすい傾向があります。安さの裏に「何が省略されているか」を必ず確認する視点が必要だと痛感しました。
失敗3:チェック担当者を置かない
レギュレーションを渡しても、最終的に誰も内容を確認せずに公開してしまうケースがあります。ライターは薬機法の専門家ではないため、「指示書通りに書いたつもりが、微妙にニュアンスがズレていた」ということは起こり得ます。公開前の最終チェックは、発注者側の責任として必ず設けてください。
サプリ記事外注を成功させるポイント
失敗を踏まえて、成功のポイントを整理します。
ポイント1:レギュレーションはPDF+チェックリスト形式で渡す
長文の注意書きをテキストで渡すだけでは、ライターが全てを記憶しきれません。NGワード一覧、OK表現の言い換え例、チェックリストを1枚のPDFやスプレッドシートにまとめ、執筆時に常に横に置いて確認できる形にすることで、遵守率が大きく上がります。
ポイント2:初回は少量発注でテストする
いきなり大量発注するのではなく、まずは1〜2本を試験的に依頼し、レギュレーションの理解度・表現の安全性を確認してから本格発注に移行しましょう。テスト記事の段階で薬機法チェックを丁寧に行うことで、以降の記事の品質が安定します。
ポイント3:ライター経験と薬機法知識の両方を確認する
サプリ・健康食品ジャンルの執筆経験があるライターは、NGワードの感覚を既に持っていることが多く、指示のブレが少なくなります。過去の実績に「健康食品」「化粧品」「医療」ジャンルの経験があるかを確認する質問を、発注前のヒアリングに必ず含めてください。
外注先の選び方と費用相場
サプリ記事の外注先には、大きく分けて「制作会社(代理店)」「クラウドソーシング経由のフリーランス」「フリーランスへの直接依頼」の3種類があります。
制作会社は薬事チェック体制を自社で持っていることが多く、安心感がある反面、費用は1記事あたり5万円前後からと高めです。クラウドソーシング経由は手軽ですが、先述の通り仲介手数料が発生し、直接依頼に比べて割高になる傾向があります。
> クラウドワークスに比べて仲介手数料が安く、依頼費用の10%なのでお得に利用可能です。さらに依頼数に応じた割引制度もあるので、外注する記事数が多い事業者はランサーズを活用した方がよいでしょう。 > 出典: shwat.jp
一方で、薬機法・景品表示法に理解のあるフリーランスライターへ直接依頼できれば、仲介手数料が発生しない分、同じ予算でより多くの記事を発注できたり、単価を上げてリサーチや校正に十分な時間をかけてもらえたりするメリットがあります。中間マージンが乗らない直接取引は、発注者にとっては予算効率が良く、ライター側にとっては手取りが厚くなるという、双方にメリットのある構造です。手数料0%で直接ライターとつながれるサービスを使えば、この構造をそのまま活かすことができます。
サプリ記事のようにジャンル知識が求められる案件では、SEO記事・ブログ・コピーライティングのお仕事のような専門ジャンルに強いライターを探せる求人カテゴリを活用し、健康食品や美容ジャンルの執筆実績があるライターを個別に探す方法もおすすめです。文字単価の相場を把握しておきたい場合は、記事制作・ライティングの外注費用相場|文字単価の適正価格【2026年版】で業界全体の価格帯を確認したうえで交渉に臨むと、適正な発注ができます。
外注先を探す際の実務的な流れについてはライティングを外注する方法|良質な記事を依頼するコツ【2026年版】で依頼の手順を、ライターの外注先の探し方|記事作成を依頼する方法と相場【2026年版】で具体的な探し方を、それぞれ詳しく解説しています。どちらもサプリに限らず記事外注全般に使える内容なので、レギュレーション作成と並行して目を通しておくと発注の解像度が上がります。
なお、記事の品質を最終的に担保する社内担当者を採用する場合、文章の校正・編集スキルを客観的に示す指標としてビジネス文書検定のような資格を採用基準の参考にする企業も増えています。ライティングディレクターやチェック担当者を新たに採用する際の目安として知っておくと良いでしょう。
一次観察:長く続く発注者ほど「指示書」に投資している
フリーランス・在宅ワーク市場を長く見てきた運営者の視点から言えば、サプリ記事の外注で長期的にうまくいっている発注者ほど、実は「良いライターを探すこと」以上に「良い指示書を作ること」にリソースを割いています。ライターの実力は発注前に完全には見極められませんが、指示書の質は発注者が100%コントロールできる要素だからです。
運営者として見てきた限りでは、レギュレーションを毎回使い回せる形に整備している事業者は、ライターが変わっても記事のクオリティと法令遵守レベルが安定する傾向があります。逆に、案件ごとに口頭で説明を変えている事業者は、ライターの入れ替わりのたびに同じトラブルを繰り返しがちです。つまり、レギュレーションは一度作れば資産になり、外注先が増えるほど投資対効果が高まるという性質を持っています。
また、中間マージンが発生しない直接契約の場合、浮いた予算をレギュレーション作成やチェック体制の構築に再投資する事業者が多いのも興味深い点です。同じ予算でも、仲介コストを削った分だけ「安全性への投資」に回せる。これは金額の大小ではなく、予算の使い道の質が変わるという意味で、双方にとって健全な構造だと感じています。
まとめに代えて:レギュレーションは「守るための道具」
サプリ記事の外注は、正しい知識と手順さえ踏めば、決して怖いものではありません。薬機法と景品表示法という2つの法律の性質を理解し、NGワードとOK表現をセットにしたレギュレーションを整備し、公開前のチェック体制を設ける。この3つを実行するだけで、外注に伴う法令リスクの大部分はコントロール可能になります。
法律はあなたの味方です。正しく使えば、発注者自身とライター、そして読者を同時に守る道具になります。レギュレーション作成に時間をかけることは、遠回りに見えて、実は最短で安全な記事外注を実現する近道なのです。
よくある質問
Q. サプリ記事のレギュレーションは自分(発注者)が作らないといけませんか?
基本的には発注者が作成すべきです。ライター任せにすると薬機法・景品表示法の知識にばらつきが出るため、NGワードや根拠数値の扱いなど発注者側の基準を文書化して渡す必要があります。
Q. 薬機法チェックは弁護士に依頼しないと危険ですか?
判断が微妙な表現や新しい訴求パターンを使う場合は、薬機法・景品表示法に詳しい弁護士や薬事コンサルタントへの相談をおすすめします。基本的なNGワードの排除は社内チェックでも対応可能です。
Q. クラウドソーシングと直接依頼、サプリ記事にはどちらが向いていますか?
どちらも可能ですが、直接依頼は仲介手数料がかからない分、同じ予算でリサーチや校正に十分な時間をかけてもらいやすい傾向があります。ジャンル経験のあるライターを個別に探す手間はかかります。
Q. レギュレーションに入れるNGワードはどこで調べればいいですか?
業界団体が公開しているガイドラインや、厚生労働省が公開している薬機法関連の資料が参考になります。自社商品特有の表現は、過去の広告審査で指摘された事例を蓄積して追加していくのが実務的です。
無料で案件を掲載する
入力は3分ほど。掲載料も取引手数料も0円です。@SOHOに登録しているフリーランス・副業ワーカーから、早ければ当日中に最初の応募が届きます。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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