個人事業主 育休 収入ゼロ期間の節税|青色申告継続と扶養に入る判断


この記事のポイント
- ✓個人事業主の育休は会社員と仕組みが違います
- ✓育児休業給付金がない代わりに使える公的支援
- ✓配偶者の扶養に入るべきかを2026年10月新制度も含めて解説します
「個人事業主 育休」で検索している方の多くは、出産を控えてはじめて「会社員なら当たり前にもらえる育児休業給付金が、自分にはない」という現実に直面したタイミングだと思います。私自身もアパレル系のEC運営代行をフリーランスで請けている立場として、同業の女性経営者から相談を受けることが増えてきました。結論からお伝えすると、個人事業主には法律上の育休制度こそありませんが、収入ゼロ期間を前提に設計された節税・社会保険の打ち手は確実に存在します。本記事では、青色申告を継続すべきか・配偶者の扶養に入るべきかという2つの大きな判断軸を中心に、2026年10月開始の新制度まで含めて整理します。
個人事業主に「育休」がない理由とマクロな現状
まず大前提として、個人事業主・フリーランスは雇用保険・健康保険組合の被保険者ではないため、会社員が受け取る育児休業給付金(月給の67%、6か月経過後は50%)や出産手当金の対象外です。これは「個人事業主だから差別されている」というよりも、保険料を払っていない制度の給付を受けられないという、保険制度の基本構造に基づくものです。
フリーランス協会が公表する調査によれば、女性個人事業主の産後復帰時期は会社員と比べて圧倒的に早い傾向にあります。
女性の個人事業主の場合、産後直後に仕事復帰をする傾向があります。 フリーランス協会が公表する「フリーランスの課題と実態」によれば、産後1カ月以内に復帰した人が44.8%、産後2カ月以内に復帰した人が59%という結果でした。 体が妊娠前の状態になるのは産後6~8週間といわれ、最低でも3週間は休養することが推奨されています。 しかし、個人事業主には育休手当がないこともあり、体調が万全ではない状態で仕事復帰する女性が多いようです。
産後1カ月以内に復帰している人が約半数というのは、ある意味で異常事態です。背景には「クライアントを失う恐怖」「収入ゼロ期間を耐えられない貯蓄事情」「保育園入園に必要な就労実績の壁」が複雑に絡んでいます。総務省の労働力調査でも、フリーランス女性の就業継続率は出産後に大きく下がることが指摘されており、この層への支援は政策的な課題となってきました。
その結果生まれたのが、2026年10月開始の「国民年金第1号被保険者の育児期間に係る保険料の免除措置」です。これは個人事業主にとって、はじめて自分たち向けに整備された「育休に相当する公的支援」と言えます。後ほど詳しく解説します。
産休・育休期間中に個人事業主が使える公的支援制度
個人事業主が育休を「取得」する場合、活用すべき公的制度を整理しておきましょう。会社員のように毎月手当が振り込まれる仕組みではなく、「給付」「免除」「一時金」が複数の制度に分散している点が特徴です。
1. 出産育児一時金(健康保険・国民健康保険)
出産時に一人あたり50万円が支給される制度です。これは個人事業主が加入する国民健康保険でも対象で、産科医療補償制度に加入している医療機関で出産した場合に支給されます。直接支払制度を使えば、医療機関の窓口で出産費用と相殺されるため、実質的に手出しが大幅に減ります。双子の場合は100万円(50万円×2)支給されます。
ただし、注意点として「出産育児一時金」と「出産手当金」を混同しないでください。出産手当金は産前産後の休業中に給与の3分の2を補償する制度ですが、これは会社員(健康保険の被保険者)専用で、国民健康保険には存在しません。
2. 国民年金保険料の産前産後免除
すでに2019年から始まっている制度で、出産予定月の前月から4か月分の国民年金保険料(月額約17,000円)が免除されます。多胎妊娠の場合は前々月から6か月分が免除対象です。
ここで重要なのは、免除期間中も保険料を「納付したもの」として将来の老齢基礎年金の計算に反映されるという点です。つまり、所得が下がって免除を受けても、将来の年金額が減らない仕組みになっています。市区町村役場での申請が必要なので、出産前後の手続きリストに必ず入れておいてください。
3. 【新制度・2026年10月開始】国民年金第1号被保険者の育児期間保険料免除
ここが本記事で最も注目すべきポイントです。2026年10月から、子どもが1歳になるまでの期間(産前産後免除と重複しない期間)、国民年金第1号被保険者の保険料が全額免除されます。
育児休業給付金と並んで、産前産後休業中に支給される「出産手当金」や、「出生時育児休業給付金(産後パパ育休の給付)」といった制度も存在しますが、これらも健康保険や雇用保険に基づく制度です。個人事業主はこれらの保険制度に加入していないため、同様に受給資格がありません。
新制度では、年間で約20万円の保険料免除効果があります。さらに、産前産後免除と同様に「納付したもの」として年金記録に反映されるため、将来の年金が減らない設計です。詳細は日本年金機構と厚生労働省の最新情報を必ず確認してください。
4. 児童手当・乳幼児医療費助成
これは個人事業主特有ではなく全国民が対象ですが、2024年10月の児童手当拡充で、所得制限が撤廃され高校生年代まで対象が広がりました。3歳未満は月15,000円、3歳以上は月10,000円(第3子以降は3万円)です。乳幼児医療費助成は自治体ごとに条件が異なるため、住んでいる市区町村の制度を確認してください。
5. 国民健康保険料の減免
前年所得が大幅に減る場合、国民健康保険料の減免申請が可能な自治体があります。育休で売上ゼロになる年は、翌年の保険料が大幅に下がる可能性が高いため、確定申告は休まず必ず行うことが重要です。
青色申告は「継続」が圧倒的に有利
ここからが実務的な核心です。育休で売上がゼロまたは大幅減になる年、「もう個人事業を畳もうか」「青色申告から白色に戻そうか」と相談されることが頻繁にあります。結論からお伝えすると、青色申告は必ず継続すべきです。
青色申告を継続するメリット
青色申告には、収入ゼロでも消えない強力なメリットが3つあります。
1. 純損失の繰越控除(最大3年間)
事業所得が赤字(純損失)になった場合、その損失を翌年以降最大3年間繰り越して、将来の黒字所得と相殺できます。育休中は売上が落ちる一方で、サブスク代・通信費・自宅家賃の按分など固定費は発生し続けるため、ほぼ確実に赤字になります。この赤字を「捨てる」のは非常にもったいない。
たとえば育休中に100万円の赤字が出て、翌年復帰して400万円の所得が出た場合、相殺後の課税所得は300万円になります。所得税・住民税・国民健康保険料の3つに効くため、実質的な節税効果は25〜30万円規模になることもあります。
2. 青色申告特別控除65万円
復帰した翌年から、e-Taxで電子申告し複式簿記で記帳することで、所得から65万円を控除できます。育休前後で青色を取り消してしまうと、再申請まで2か月以上かかり、繁忙期に手続きが重なって面倒です。
3. 専従者給与(配偶者が事業を手伝う場合)
配偶者や親族が事業を手伝う場合、青色事業専従者給与として全額を経費に算入できます。育休中は配偶者がメインで業務を回すパターンが多く、これを使えば家計内での所得移転と節税が同時に実現できます。
開業届・青色申告承認申請書の維持
廃業届を出さない限り、青色申告の効力は維持されます。売上ゼロでも問題ありません。むしろ、いったん廃業して再開業すると、青色申告承認申請を再度提出する必要があり、手続きが煩雑になります。
売上ゼロでも申告は必ず行う
「売上ゼロだから申告不要」と思い込んでいる方が多いですが、これは半分正解で半分誤解です。確かに所得がゼロなら所得税の納税義務は発生しませんが、申告しないと以下のデメリットがあります。
・純損失の繰越が使えない ・国民健康保険料・住民税の所得証明が出ない(保育園入園に響く) ・配偶者の扶養に入る/外れるの判定がスムーズにいかない ・住宅ローン・カードローンの審査で「所得不明」扱いになる
詳しくは国税庁の確定申告ページで毎年の手続きを確認してください。
配偶者の扶養に入るべきかの判断軸
ここはおそらく多くの方が最も悩むポイントです。育休で所得が下がる年、配偶者(会社員)の扶養に入るべきか、それとも個人事業主として独立を維持するか。判断軸を整理します。
「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」を分けて考える
扶養には2種類あります。混同すると判断を誤ります。
税法上の扶養(配偶者控除・配偶者特別控除) 事業所得が48万円以下(所得ベース)なら、配偶者は配偶者控除(最大38万円)を受けられます。事業所得は「売上 - 経費 - 青色申告特別控除」で計算されるため、育休で売上が下がっても経費が変わらないなら、簡単に48万円を下回ります。
配偶者特別控除は、事業所得48万円超〜133万円以下まで段階的に控除額が下がる仕組みです。
社会保険上の扶養 配偶者の健康保険組合に入る判定です。年収130万円未満(一部健保組合では180万円)が目安ですが、ここでいう「年収」は事業所得ではなく「事業収入 - 経費(社会保険上の経費判定は税法と微妙に異なる)」で見られます。
健保組合によって判定基準が異なるため、配偶者の勤務先の健保組合に「個人事業主の妻(または夫)を扶養に入れる際の収入認定方法」を必ず確認してください。
扶養に入るメリットとデメリット
メリット ・国民健康保険料がゼロになる(年間20〜40万円規模の節約) ・配偶者の所得税・住民税が下がる(年間5〜10万円規模) ・国民年金第3号被保険者になれる(保険料ゼロで年金記録は維持)
デメリット ・売上が増えた瞬間に扶養から外れ、遡及して保険料を払う羽目になる ・「年間収入見込み」の認定が厳しい健保組合だと、月収換算で判定されることがある ・自分の社会保険料控除(経費とは別の所得控除)が使えなくなる
育休中だけ扶養に入る「期間限定扶養」は可能
実は、税法上の扶養も社会保険上の扶養も「年単位」ではなく「その時点での収入見込み」で判定されるため、育休中だけ扶養に入って復帰時に外れる、という運用が可能です。実務的には、出産前に配偶者の健保組合に相談して書類を準備しておき、産後の収入見込みが下がった時点で申請するのがスムーズです。
私の周りでも、アパレルEC運営のフリーランスとして年収400万円以上稼いでいた方が、育休中1年半だけ扶養に入って国保料20万円超を節約し、復帰のタイミングで自然に外れた事例があります。この期間限定運用は、個人事業主であることを廃業せず、青色申告も継続したまま実行できます。
クライアント対応と「事業継続」の見せ方
ここは税務というより事業運営の話ですが、実はクライアント対応こそが個人事業主の育休戦略の本丸です。私自身、出産経験のあるフリーランスの先輩から「税金より、クライアントへの伝え方を間違えると一気に仕事が消える」と何度も言われてきました。
実際、私が請けているアパレルEC運営代行の現場でも、商品撮影のディレクション、商品説明文の作成、Instagram運用、在庫管理を月額10〜20万円でパッケージ請負していると、「あなたが居ないとECが止まる」という状態になりがちです。これは案件継続上は強みですが、育休を取る場面では「ピンチヒッターが居ない」という致命的なリスクに変わります。
引き継ぎ可能な業務と止められない業務を分ける
実務的なやり方として、引き継ぎ可能な業務(投稿スケジュール管理、定型レポート、画像加工)と、止められない業務(戦略立案、撮影ディレクションそのもの)を分けて、前者を業務委託の同業者にスポット依頼できる体制を作っておきます。
私の場合、SNS運用代行案件のうち定型業務をフリーランス仲間に再委託する仕組みを準備しておいたおかげで、出産経験のある同業者の体験談からヒントを得て、産後の復帰スケジュールを柔軟に調整できる設計に切り替えられました。これは「育休中も完全に収入ゼロにせず、利益率を落としてでも事業継続を見せる」ための選択肢です。
保育園入園の「就労実績」をどう作るか
個人事業主が育休明けに保育園に入園させる場合、自治体によっては「過去6か月の就労実績」を確定申告書や開業届で証明する必要があります。育休中に完全に売上をゼロにしてしまうと、復帰直後の保育園入園で不利になる可能性があるため、月数万円でも売上を立てる設計にしておくのが安全です。
確定申告書の控えは、出産前年・出産年・復帰年の3年分をPDFで保管し、e-Taxの受付番号も控えておきましょう。これは住宅ローン審査でも保育園入園でも同じ書類を要求されるため、整備しておくと無駄になりません。
育休前に必ずやっておくべき税務・経営の準備
ここからは実務リスト形式で、出産6か月前〜出産直後にやるべきことを整理します。
6か月前まで
・事業用クレジットカード・銀行口座を「自動引き落としだけ」で回せる状態に整理 ・主要クライアントとの契約書を「業務委託のスポット化」または「再委託可」に改定交渉 ・会計ソフト(freee・マネーフォワード等)を導入し、月次決算を自動化
freeeやマネーフォワードの無料お試し期間を活用して、領収書のレシート撮影だけで月次帳簿が回る状態にしておくと、育休中の事務負担が激減します。
3か月前まで
・配偶者の健保組合に「個人事業主の扶養認定基準」を文書で確認 ・国民年金保険料の産前産後免除の申請書類を市区町村役場で入手 ・出産育児一時金の直接支払制度を出産予定の医療機関で申し込み
出産直後
・出生届と同時に、児童手当・乳幼児医療費助成・国民年金保険料免除を申請 ・配偶者の扶養に入る場合、出産後14日以内に健保組合へ申請 ・取引先に出産報告と復帰目安を連絡(具体的な復帰日は未定でも可)
復帰後
・売上が戻る前に、青色申告で純損失の繰越控除を確実に申告 ・扶養から外れるタイミングを判断し、国保・年金の切替手続きを行う ・保育園入園書類の準備(自治体ごとに必要書類が異なる)
育児中の確定申告で押さえるべき節税ポイント
育休中・復帰直後の確定申告では、通常の年と異なる注意点がいくつかあります。
医療費控除の対象になるもの・ならないもの
出産にかかった医療費は医療費控除の対象ですが、出産育児一時金50万円を差し引いた残額が控除対象です。妊婦健診、通院のための公共交通機関代、入院費は対象ですが、入院時の差額ベッド代(自己都合)や里帰り出産の交通費は対象外です。
不妊治療費は2022年4月以降、保険適用範囲が拡大されましたが、自費分は医療費控除の対象になります。レシート・領収書は5年間保管が原則です。
小規模企業共済の活用
個人事業主向けの退職金制度である小規模企業共済は、掛金が全額所得控除(最大年84万円)になります。育休中で所得が低い年は控除メリットが小さいため、掛金を最低額(月1,000円)に下げる手続きをして、復帰後に増額するのが定石です。
詳細は中小機構の小規模企業共済のページで確認できます。
iDeCo(個人型確定拠出年金)の継続判断
iDeCoも同様に、所得が低い年は所得控除メリットが小さくなります。ただし、運用益非課税のメリットは継続するため、原則として最低額(月5,000円)で継続するのが推奨されます。
経費按分の見直し
育休中、自宅で過ごす時間が長くなり、家事按分の比率が下がります。自宅家賃・光熱費・通信費の按分割合を「事業使用時間 ÷ 24時間」で再計算し、過大計上を避けることが税務調査対策になります。
育休中によくある落とし穴とトラブル事例
最後に、私が実際に同業のフリーランス女性から相談を受けた、ありがちな失敗パターンをまとめておきます。
失敗1: 廃業届を出してしまう
「どうせ売上ゼロだから」と廃業届を提出してしまい、青色申告承認も失効。復帰後の確定申告で65万円控除を受けられず、純損失繰越も使えなかったケースです。廃業届は絶対に出さないでください。
失敗2: 扶養認定基準を勘違いする
「年収130万円未満」を「税法上の48万円」と混同して、本来扶養に入れたのに国保を払い続けたケース。逆に、事業所得は低くても売上が高いために健保組合の認定基準(売上ベース)に引っかかって扶養に入れなかったケースもあります。健保組合への事前確認が必須です。
失敗3: クライアントへの伝え方を間違える
「育休に入ります」とだけ伝えて、復帰時期も再委託先も明示しなかったため、復帰時には契約が他社に切り替わっていたケース。中小ブランドのEC運営支援は「あなたじゃないと困る」と言われる一方で、止まると他社に流れるスピードも早いので、再委託先の準備と定期的な近況連絡が重要です。
失敗4: 保育園入園で就労実績が証明できない
完全に売上ゼロで1年過ごしたため、復帰時の保育園入園で「就労実績なし」と判定され、入園点数が下がって希望園に入れなかったケース。月数万円でも事業継続の実績を作っておくことが、結果的に育児と仕事の両立を支えます。
たとえばAIコンサル・業務活用支援のお仕事は、ChatGPTやClaudeなどの生成AIを企業の業務に組み込む支援案件です。育休前にWebマーケや業務改善の実務経験がある方は、知識のキャッチアップだけで参入でき、自宅完結・短時間稼働で月数十万円規模の案件になることもあります。
またAI・マーケティング・セキュリティのお仕事は、AI関連の業務とマーケティング・セキュリティ分野が交差するカテゴリで、SNS運用の自動化やコンテンツ生成の効率化案件が増えています。アパレル系のEC運営代行をしていた方なら、Instagram投稿の生成AI活用支援などにスライドしやすい領域です。
エンジニア系の復帰を目指す方にはアプリケーション開発のお仕事カテゴリがあります。これは納期を区切ったスポット案件が多く、育児スケジュールに合わせて稼働量を調整しやすいのが特徴です。
報酬感の目安として、ソフトウェア作成者の年収・単価相場では、フリーランスエンジニアの単価レンジを確認できます。育休明けでスポット案件中心にする場合、フルタイム単価の60〜70%程度を想定すると、家計設計が現実的になります。Webライティング系の復帰なら著述家,記者,編集者の年収・単価相場が参考になります。
復帰時に資格でブランクを補強したい場合、ビジネス文書系の基礎を再整備するビジネス文書検定や、ITインフラ系で需要が安定しているCCNA(シスコ技術者認定)が選択肢になります。育児中の隙間時間で取得できる難易度のものを選び、復帰時の名刺代わりにしておくと、案件交渉時の説得力が変わります。
関連する家計面の整備として、復帰後に住宅購入を検討している方は個人事業主 住宅ローン 審査 通りやすいで個人事業主特有の審査ポイントを、復帰後の通常運転で節税を強化したい方は個人事業主 節税 2026 テクニックで最新の節税手法を、所得が戻った後の節税策としてふるさと納税 上限額 個人事業主で寄付上限の計算方法を確認しておくと、復帰1年目の家計設計が一気に明確になります。
よくある質問
Q. 白色申告の方が簡単で良いと聞いたのですが?
以前は白色申告なら帳簿付けが不要という時代もありましたが、現在は白色申告でも帳簿の保存が義務化されています。記帳の手間がほぼ変わらない以上、クラウド会計ソフトを利用して自動で複式簿記を作成し、65万円控除を受けられる青色申告を選ばない理由はありません。
Q. 個人事業主の場合、「年収」を聞かれたら確定申告書のどこを見ればいいですか?
場面によって答え方が異なりますが、住宅ローン審査や保育園の入園申請などで公的に「年収(所得)」を求められた場合は、第一表の「所得金額等 ⑧(事業 営業等)」の金額が基準となります。ただし、青色申告をしている場合はこの金額からすでに青色申告特別控除額(最大65万円など)が差し引かれているため、実質的な年収を算出するには「所得金額等 ⑧ + 青色申告特別控除額」を加算した金額で答えるのが実務的です。
Q. 65万円控除を受けるために必要な「複式簿記」は難しいですか?
手書きで行う場合は非常に難易度が高いですが、現在のクラウド会計ソフトを利用すれば、簿記の知識がなくても画面の指示に従うだけで複式簿記の形式で帳簿が作成されます。
Q. 会社員から独立して個人事業主になる際、健康保険はどうなりますか?
会社員時代の健康保険を最長2年間継続する「任意継続」、またはお住まいの自治体の「国民健康保険」に加入するかのいずれかを選択します。自治体や前年の年収によって保険料が大きく異なるため、退職前にそれぞれの金額をシミュレーションして比較しておくことが大切です。
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この記事を書いた人
丸山 桃子
アパレルEC運営支援・SNSコンサル
アパレル企業でMD・ECバイヤーとして勤務後、フリーランスに独立。アパレルブランドのEC運営支援・SNS運用を手がけ、ファッション・EC系の記事を執筆しています。
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