個人事業主 住宅ローン 審査 通りやすい

織田 莉子
織田 莉子
個人事業主 住宅ローン 審査 通りやすい

この記事のポイント

  • 「個人事業主だと住宅ローンは組めない」と思い込んでいませんか?確かに会社員に比べれば審査のハードルは高いですが
  • 2026年現在は働き方の多様化が進み
  • 個人事業主を正当に評価する金融機関が増えています

「個人事業主だと住宅ローンは組めない」と思い込んでいませんか?確かに会社員に比べれば審査のハードルは高いですが、2026年現在は働き方の多様化が進み、個人事業主を正当に評価する金融機関が増えています。

私は会計事務所時代、多くのお客様から「家を建てたいけれど、節税しすぎて所得が足りない」という相談を受けてきました。実は、審査に通るためには「銀行がどこを見ているか」を知り、数年前から準備をすることが不可欠です。本記事では、2026年の最新トレンドに基づき、審査に通りやすい銀行の特徴や確定申告のポイントを詳しく解説します。

1. 個人事業主が住宅ローン審査で不利とされる理由と2026年の実情

個人事業主が住宅ローンの審査において、なぜ「通りにくい」と言われるのか。その根本的な理由と、最新の市場環境について整理しておきましょう。

収入の「継続性」と「安定性」が厳しく問われる

銀行が最も恐れるのは、ローンの返済が滞ることです。会社員の場合は「給与」という安定した原資がありますが、個人事業主は景気や体調、取引先の都合によって収入が大きく変動します。 そのため、銀行は過去の「実績」を非常に重視します。

「額面(売上)」ではなく「所得」で判断される

ここが最も注意すべき点です。会社員は「年収(額面)」で審査されますが、個人事業主は売上から経費を差し引いた後の「所得(青色申告特別控除前の場合が多い)」が審査の対象となります。 節税のために経費を多く計上していると、実際の生活に余裕があっても、銀行の計算上は「返済能力が低い」とみなされてしまうのです。

2026年は「フリーランス特化型ローン」の普及期

かつては「確定申告3期分が黒字でなければ土俵にも乗れない」というのが常識でした。しかし、2026年現在はネット銀行を中心に「確定申告1期分からOK」や「売上の一部を所得とみなす」といった、柔軟な審査基準を持つ商品が登場しています。働き方の変化に合わせ、金融機関側もビジネスチャンスを求めて門戸を広げているのが現状です。

我が国におけるフリーランスの数は、広義の定義で約1,000万人を超えるとの推計もあり、全就業者数に占める割合も年々高まっています。これに伴い、公的な支援や金融機関による評価の適正化も進められています。


2. 審査に通りやすい銀行の選び方|メガバンク・地銀・ネット銀行の比較

どの銀行に申し込むかで、成否は大きく分かれます。それぞれの特徴を理解し、自分の状況に合った窓口を選びましょう。

銀行タイプ 審査の通りやすさ 審査期間 金利 特徴
メガバンク 厳しい 普通 低め 3期分の実績を重視。属性が良い(士業等)と有利。
地方銀行 普通〜柔軟 普通 普通 地域密着型。事業内容を詳しく聞いてくれる場合がある。
ネット銀行 比較的柔軟 早い 最安水準 AI審査を活用。特定の条件を満たせば1〜2期分でも可能。
フラット35 非常に通りやすい 普通 固定・高め 所得の安定性より、物件の質と前年の所得を重視。

ネット銀行が個人事業主におすすめな理由

最近のネット銀行(auじぶん銀行、ソニー銀行など)は、従来の「3期分」という縛りを緩和し、直近1〜2年の所得が安定していれば柔軟に対応するケースが増えています。また、団信(団体信用生命保険)の保障内容が手厚いのも、万が一のときに家族を守りたいフリーランスには大きなメリットとなります。

「フラット35」は個人事業主の強い味方

住宅金融支援機構が提供する「フラット35」は、個人事業主にとって最もハードルが低いローンの一つです。詳細は住宅金融支援機構の公式サイトで確認できます。

  • 確定申告書は直近1年分でOK
  • 「所得」の安定性より「物件」の担保価値を重視
  • 経費として計上した「減価償却費」を所得に加算できる場合がある

※ただし、フラット35は固定金利のため、変動金利に比べると毎月の返済額が高くなる傾向にあります。将来の金利上昇リスクを避けたい方には最適です。


3. 個人事業主の住宅ローン審査に必要な確定申告の年数

「何年分の確定申告書が必要か」は、多くの個人事業主が抱く疑問です。銀行によって異なりますが、一般的な基準は以下の通りです。

基本は「直近3期分」の連続黒字

多くの金融機関、特にメガバンクや大手地方銀行では、直近3年分の確定申告書の提出を求めます。

  • 3年連続で黒字であること
  • 所得金額が安定、または右肩上がりであること
  • 3年の平均所得で返済比率(年収に対する年間返済額の割合)を計算する

「1期分」で審査可能なケース(2026年トレンド)

一部のネット銀行や外資系銀行、そしてフラット35では「直近1年分」の所得で審査をしてくれます。

  • 独立して間もないが、前職(会社員時代)と同職種で高い売上がある
  • 特定のプラットフォーム(@SOHOなど)での継続的な受注実績をエビデンスとして提出できる
  • 自己資金(頭金)を20%以上用意している

また、ITエンジニアの年収データを見ることで、自身の所得が市場平均と比較してどの位置にあるかを把握しておくことも、銀行との交渉において客観的な指標となります。

税金の未納は「一発アウト」

年数以前の問題として、所得税、住民税、国民健康保険、国民年金の未納・滞納がある場合、審査に通る確率はほぼゼロになります。銀行は「納税証明書」の提出を求めるため、隠すことはできません。住宅ローンを検討し始めたら、まずは全ての税金を期日通りに納めることがスタートラインです。


4. 審査通過率を上げるための5つの重要ポイント

私が会計事務所で多くの方の決算書を見てきた経験から、審査を有利に進めるための具体的なテクニックをお伝えします。

① 住宅ローンを見越した「所得」のコントロール

住宅ローンを申し込む直前の2〜3年間は、過度な節税を控える必要があります。 例えば、4,000万円のローンを組みたい場合、他の借り入れがなければ、一般的に年間返済額が所得の25〜30%以内に収まる必要があります。

【シミュレーション例】

  • 借入額:4,000万円(金利1.0%、35年返済)
  • 年間返済額:約135万円
  • 必要な最低所得:約135万円 ÷ 0.3 = 450万円

もし、節税のために所得を300万円に抑えていた場合、この時点で審査落ちの可能性が高くなります。「家を買う前の3年間は、税金を払ってでも所得を出す」という割り切りが必要です。

② 頭金(自己資金)を「2割」用意する

個人事業主の場合、物件価格の100%(フルローン)を組むのは容易ではありません。自己資金を2割程度用意することで、銀行側のリスクが軽減され、審査の承認率が飛躍的に上がります。また、金利の優遇を受けやすくなるメリットもあります。

③ 他のローン(車のローン・リボ払い)を完済する

審査では「総返済比率」が見られます。

  • 車のローン
  • スマートフォンの分割払い
  • クレジットカードのリボ払い これらは全て合算されます。たとえ少額でも、ローンの本数が多いと「計画性がない」と判断されることがあるため、事前審査の前に完済しておくことを強くおすすめします。

④ 家族(配偶者)との「収入合算」を検討する

配偶者が会社員や公務員であれば、収入合算(ペアローンや連帯債務)を利用することで、借入可能額を大幅に増やせます。2026年現在は、夫婦共働きが前提のローン商品が非常に充実しています。

⑤ 事業の「安定性」をアピールする資料を添付する

確定申告書だけでなく、以下のような「数字に現れない強み」を補足資料として提出するのも有効です。

  • 主要取引先との継続的な基本契約書
  • 保有資格の証明書
  • 自身のポートフォリオや事業計画書 「この人は来年も再来年も稼ぎ続ける力がある」と担当者に思わせることがポイントです。

5. 個人事業主に選ばれている住宅ローンランキング【2026年版】

実際に私の周りのフリーランス仲間やクライアントが利用して「通りやすかった」「対応が良かった」という銀行をランキング形式で紹介します。

第1位:フラット35(ARUHIなど)

【理由】圧倒的な間口の広さ やはり個人事業主にとっての最強の選択肢です。特に窓口販売最大手のARUHIなどは、個人事業主の扱いに慣れており、審査の進め方が非常にスムーズです。

第2位:auじぶん銀行

【理由】ネット銀行ならではの柔軟性と低金利 AIを活用した高度な審査モデルにより、従来の銀行では評価されにくかった「ITフリーランス」などの職種を高く評価する傾向があります。変動金利の低さは業界トップクラスです。

第3位:住信SBIネット銀行

【理由】法人口座との連携強み マイクロ法人(一人社長)として活動している場合、法人口座とのセット利用で優遇を受けられる場合があります。


まとめ:準備さえすれば、理想の家は手に入る

個人事業主にとって、住宅ローンは「過去3年間の集大成」とも言える大きなプロジェクトです。

  1. 3年前から「所得」を意識した確定申告をする
  2. 税金を完璧に納める
  3. 自分の状況に合った銀行(ネット銀行、フラット35など)を選ぶ

この3点を守れば、審査通過の確率はぐっと高まります。

※本記事の内容は2026年4月時点の情報に基づいています。実際の審査基準は各金融機関によって異なり、また個別の状況によって結果は変わります。具体的な借入計画については、必ず金融機関の窓口やファイナンシャルプランナーにご相談ください。


よくある質問

Q. 個人事業主の場合、「年収」を聞かれたら確定申告書のどこを見ればいいですか?

場面によって答え方が異なりますが、住宅ローン審査や保育園の入園申請などで公的に「年収(所得)」を求められた場合は、第一表の「所得金額等 ⑧(事業 営業等)」の金額が基準となります。ただし、青色申告をしている場合はこの金額からすでに青色申告特別控除額(最大65万円など)が差し引かれているため、実質的な年収を算出するには「所得金額等 ⑧ + 青色申告特別控除額」を加算した金額で答えるのが実務的です。

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この記事を書いた人

織田 莉子

FP2級・フリーランス経理サポーター

会計事務所で10年間の実務経験を経て独立。フリーランスの確定申告・節税・資金管理を専門に、お金にまつわる記事を執筆しています。

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