レシピ記事の作成を在宅で始めるシングルマザーが最初にやること


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この記事のポイント
- ✓シングルマザーがレシピ記事の作成を在宅で仕事にするための実務ガイド
- ✓料理系ライティングの単価相場
- ✓レシピの著作権と契約の落とし穴
毎日つくっている晩ごはんが、そのまま仕事になる。レシピ記事の作成は、シングルマザーが在宅で始められる仕事のなかでも、生活の中で積み上げてきた経験がそのまま価値に変わる珍しい職種です。ただし、始める前に必ず知っておいてほしいことがあります。レシピという成果物には著作権の扱いが独特なルールがあり、契約書の書き方ひとつで、あなたが考えた献立を自分のSNSに載せられなくなることがあるんです。これ、知らない人が本当に多いんです。この記事では、レシピ記事の作成という在宅ワークの中身と単価の相場、未経験から仕事を取るまでの手順、そして自分の権利を守るための契約の確認ポイントまで、順を追って整理します。
レシピ記事の作成とは、具体的に何をつくる仕事か
「レシピ記事の作成」と一口に言っても、依頼される内容には複数の型があります。まずここを分けて理解しておかないと、応募先を間違えます。
もっとも多いのが、レシピ考案と原稿執筆をセットで請け負う形です。企業やメディアから「夏バテ対策の作り置き」「電子レンジだけで完結する副菜」といったテーマが提示され、それに合う献立を自分で考え、材料表・分量・手順を書き起こします。所要時間は1本あたり2時間から4時間程度が目安で、実際に調理して味を確認する工程が入ると、さらに時間がかかります。
次に多いのが、レシピ考案・調理・撮影までを含む形です。食品メーカーやスーパーマーケット、調理器具メーカーの依頼で、自社商品を使った献立を提案し、完成写真も納品します。撮影が入るぶん単価は上がりますが、材料費と撮影機材の準備が必要になります。
3つ目が、執筆のみを担当する形です。依頼者側がレシピを持っていて、それを読みやすい記事に仕上げる。管理栄養士が監修した内容を一般向けに書き直す、といった仕事もここに含まれます。調理の必要がないため、キッチンの環境に左右されず作業できるのが利点です。
4つ目として、レシピにまつわる周辺の記事執筆があります。「離乳食の進め方」「冷凍保存の基本」「食費を抑える買い物の考え方」といった、レシピそのものではないコンテンツです。実は案件数としてはこの領域が最も安定していて、料理の腕前より「調べて分かりやすく書く力」が問われます。
つまり、「レシピ記事の作成」は料理が上手な人だけの仕事ではありません。撮影が得意な人、文章を整えるのが得意な人、栄養や食品保存の知識を調べてまとめるのが得意な人。それぞれに入口があります。自分がどの型で入るかを最初に決めておくと、応募の精度が上がります。
料理系の在宅ワークをめぐる市場の現状
食に関するコンテンツの需要は、ここ数年で構造が変わりました。レシピ動画プラットフォームの普及によって「文章のレシピは不要になる」と言われた時期がありましたが、実際に起きたのは逆の現象です。動画で興味を持った人が、材料と分量を正確に確認するために文字のレシピを探す。この導線が定着したため、テキストのレシピ記事はむしろ必要とされ続けています。
加えて、企業側の事情も大きく影響しています。食品メーカーが自社サイトでレシピを公開する、スーパーがアプリ内で献立提案をする、宅配サービスがミールキットの説明ページを充実させる。いずれも、社内に料理を考えられる人材がいるとは限りません。だから外部のライターに依頼が回ってきます。
報酬の相場は、依頼の型によって大きく変わります。市場全体で見た目安は次のとおりです。
| 依頼の型 | 作業内容 | 報酬の相場 |
|---|---|---|
| レシピ執筆のみ | 提供されたレシピを記事化 | 1本1,000円〜3,000円 |
| レシピ考案+執筆 | 献立の考案から原稿まで | 1本3,000円〜8,000円 |
| 考案+調理+撮影 | 完成写真を含む納品 | 1本5,000円〜2万円 |
| 食の周辺コラム | 保存方法・栄養・節約など | 文字単価1円〜3円 |
| 監修つき記事の執筆 | 有資格者の監修を受けて執筆 | 1本8,000円〜3万円 |
| 継続契約(月契約) | 月あたり本数を決めて納品 | 月3万円〜20万円 |
注目すべきは最終行です。単発で受け続けるより、月に何本と決めて継続契約を結ぶほうが、収入は圧倒的に安定します。依頼者側にとっても、毎回ライターを探す手間が省けるため利害が一致します。
なお、クラウドソーシング経由で受注した場合、報酬額から16.5%から20%程度のシステム利用料が差し引かれる設計が一般的です。1本8,000円のレシピ記事なら、手元に残るのは6,500円前後になります。年間で50万円分を受注すれば、8万円から10万円が手数料に消える計算です。手数料0%で直接契約できる窓口を並行して持っておくと、同じ作業量でも手取りがまったく変わってきます。
ひとり親世帯の在宅ワークとしての適性
在宅の求人がどんな条件で出ているのか、実際の募集文面を見ておきましょう。
経理経験3年以上の方を募集します。完全在宅OKで、週3日〜、1日4時間〜勤務可能です。給与計算、従業員経費精算、住民税、請求書作成などをfreee会計、Excel、ChatWorkを使用して行います。ブランクOK、扶養枠調整歓迎、家庭や子供の用事での休み調整可、当日欠勤可能、有給取得しやすい、9〜16時以内勤務可能、扶養を超えて損なく働く、40代の多い職場、しゅふ活躍中、シングルマザー・ファザー活躍応援、服装自由、子連れ面接OK、WEB面接OK、ダブルワークOKです。 出典: 求人ボックス
この募集は経理職のものですが、条件の並びに注目してください。「家庭や子供の用事での休み調整可」「当日欠勤可能」「9〜16時以内勤務可能」。雇用型の在宅ワークであっても、こうした条件を明示する求人が増えています。
一方で、レシピ記事の作成は業務委託契約で進むことがほとんどです。雇用ではないため、勤務時間の指定はありません。納期さえ守れば、いつ書いてもいい。これがひとり親世帯にとって大きな意味を持ちます。子どもが急に熱を出した日は作業を止め、翌日に取り返す。この自由度は雇用型では得られません。
ただし、自由度と引き換えに失うものもあります。業務委託には有給休暇がなく、労働時間に対する最低賃金の保証もありません。社会保険も自分で加入することになります。「自由に働ける」の裏側には、労働法の保護が及ばないという事実があります。つまり、自分の身は自分で守る前提で契約を結ぶ必要がある、ということです。ここを理解しないまま始めて、後から困る方が本当に多い。
もう1点、レシピ記事の作成に固有の適性があります。日々の食事づくりの経験が、そのまま執筆の材料になることです。子どもの好き嫌いへの対応、限られた食費でのやりくり、平日の夜に15分で仕上げるための段取り。これらは机上では書けない情報で、読者にとっての価値が高い。生活そのものが取材になっている状態は、この仕事の大きな強みです。
未経験から最初の1本を受注するまでの手順
ここからは実務の手順です。順番どおりに進めれば、料理の資格がなくても仕事に届きます。
ステップ1:自分のレシピを3本、形にしておく
応募の前に必ずやっておくべきことがあります。自分が書いたレシピ記事を、実物として3本用意することです。
依頼者が見たいのは経歴ではなく、「この人に頼んだらどんな原稿が上がってくるか」です。材料表の書き方、分量の表記、手順の分け方、写真の有無。実物があれば、それだけで判断できます。逆に「料理が得意です」という自己申告だけでは、選考のテーブルにすら乗りません。
つくるときの要点は3つあります。1つ、材料は人数分を明記し、計量単位を統一すること。2つ、手順は1工程1文で区切り、番号を振ること。3つ、調理時間の目安と、火加減や見た目の判断基準を入れること。「しんなりするまで炒める」ではなく「中火で3分、玉ねぎが半透明になるまで炒める」と書けるかどうかで、原稿の評価は変わります。
無料のブログサービスやnoteに公開しておけば、そのURLをそのまま応募時に提出できます。この準備をしている応募者は少数派なので、それだけで通過率が上がります。
ステップ2:応募先を3つの経路で確保する
レシピ記事の依頼が出る場所は、大きく3つに分かれます。
1つ目がクラウドソーシングです。案件数は多いものの単価は低めで、実績づくりの場と割り切るのが現実的です。
2つ目が在宅ワーク専門の求人サイトです。継続契約前提の募集が多く、月あたりの本数と報酬が最初から提示されているケースが目立ちます。
3つ目が直接応募です。食品メーカーや料理メディアの採用ページ、あるいは編集部の問い合わせフォームから直接連絡する方法です。ハードルが高そうに見えますが、仲介手数料が発生しないぶん、依頼者は同じ予算でより多くの記事を発注できます。双方にとって合理的な選択肢です。
在宅で選べる仕事の全体像を先に把握しておきたい場合は、在宅でできる仕事おすすめ【2026年版】|スキル別ランキングにスキル別の整理があります。レシピ執筆以外の選択肢と比較したうえで決めるほうが、後戻りが減ります。
ステップ3:単価より「継続」を条件に選ぶ
最初の応募先を選ぶとき、単価だけで判断しないでください。判断軸に加えるべきは「継続の可能性があるか」です。
単発で8,000円の案件を10件探すのと、月4本を継続で受ける契約を1つ取るのとでは、労力がまるで違います。後者は営業の手間がゼロになり、依頼者の好みも回を追うごとに把握できるため、1本あたりの作業時間も短くなっていきます。
募集文に「長期でお願いできる方」「継続を前提としています」と書かれている案件は、それだけで優先度を上げる価値があります。
ステップ4:初回納品で信頼の型をつくる
最初の1本の納品で、その後の関係がほぼ決まります。押さえるべきは3点です。
納期より早く出すこと。指定の書式を完全に守ること。そして、疑問点は納品後ではなく着手前にまとめて確認すること。
とくに3点目は重要です。「材料の分量は2人分でよいですか」「調味料は大さじ表記と グラム表記のどちらに揃えますか」といった確認を先に済ませておくと、修正の往復が減ります。依頼者にとって「手間のかからないライター」になることが、継続契約への最短経路です。
レシピと著作権:ここが最大の落とし穴
法務の視点から、この仕事でいちばん誤解が多い論点を扱います。レシピの著作権です。
まず前提として、日本の著作権法が保護するのは「思想または感情を創作的に表現したもの」です。ここが重要で、料理のアイデアそのもの、つまり「鶏肉を醤油とみりんで煮る」という調理の手法や、材料の組み合わせ自体は、原則として著作権では保護されません。アイデアは保護対象外という考え方です。
一方で、レシピの「書き方」は保護され得ます。手順の説明文、コツの解説、料理を紹介する導入文。こうした表現部分には創作性が認められる余地があります。つまり、他人のレシピを見て同じ料理をつくるのは自由でも、その説明文をそのまま書き写せば著作権侵害になる、ということです。
これを実務に落とすと、次のようになります。
他のサイトのレシピを参考にすること自体は問題ありません。ただし、材料表・分量・手順の文章を丸ごと写すのはアウトです。参考にしたうえで、自分で実際につくり、自分の言葉で書き起こす。この工程を必ず挟んでください。
そして、写真は完全に別扱いです。写真には明確に著作権が発生します。他人が撮った料理写真を無断で使うのは、レシピ本文の比ではないほどリスクが高い行為です。
権利を「渡しきる」契約になっていないか
もう1つ、契約書で確認すべき重大な論点があります。著作権の譲渡と、著作者人格権の不行使条項です。
多くのレシピ執筆案件では、「納品物の著作権は発注者に譲渡する」という条項が入っています。これ自体は業界の慣行として珍しくありません。ただし、この条項に同意すると、自分が考えたレシピの原稿を、自分のブログやSNSに転載できなくなります。
先日、ある方から相談を受けました。企業向けにレシピを納品していた方が、そのレシピを自分のInstagramに載せたところ、発注者から削除要請が来た、という内容です。契約書を確認すると、著作権の全部譲渡に加えて「著作者人格権を行使しない」という条項まで入っていました。つまり、書いた本人でも自由に使えない状態になっていたわけです。
この場合、法的には発注者の主張が通ります。契約書に署名した以上、後から覆すのは難しい。だからこそ、署名する前に読むことが唯一の防衛策になります。
現実的な落としどころとしては、次のような交渉が可能です。「著作権は譲渡するが、ポートフォリオへの掲載は認めてほしい」という一文を入れてもらう。実績として見せられないと次の仕事につながらない、という説明をすれば、多くの発注者は受け入れます。言わなければ、条項はそのままです。
表現の規制にも注意する
食に関する記事では、書いてはいけない表現があります。
「この食材を食べると血糖値が下がります」「がん予防に効果があります」といった、特定の効能をうたう表現は、医薬品医療機器等法などの規制に触れる可能性があります。健康や栄養に関する記述は、断定を避け、必要に応じて有資格者の監修を受けるのが安全です。健康・栄養に関する行政情報は厚生労働省が公開している資料で確認できます。
依頼者から「効果を強調してほしい」と求められた場合でも、法令に触れる可能性がある表現は書かない。この線引きは、ライター側が守るべきものです。※判断に迷う具体的な表現については、依頼者の法務担当や専門家に確認してください。
契約前に必ず確認する5項目
法律はあなたの味方ですが、味方になってもらうには、まず契約の中身を知る必要があります。レシピ記事の作成を受注する際、最低限確認すべき5項目を挙げます。
項目1:報酬額と支払い期日
金額だけでなく、いつ支払われるかを必ず文面で確認してください。2024年11月に施行されたフリーランス保護新法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)では、発注者は成果物を受け取った日から起算して60日以内のできる限り短い期間内に、報酬の支払期日を定めなければならないと規定されています。つまり、「支払いは半年後」といった条件は認められません。取引の適正化に関する行政の考え方は公正取引委員会の公表資料で確認できます。
項目2:修正回数の上限
レシピ記事は、依頼者の好みが反映されやすい成果物です。「もう少し家庭的な雰囲気に」「使う調味料を変えてほしい」といった修正が繰り返されると、実質の時給が下がっていきます。契約時に「修正は2回まで、それ以降は追加料金」と決めておくのが実務的です。
項目3:材料費・撮影費の負担
調理と撮影を伴う案件では、食材費が発生します。この費用を誰が負担するのかを、必ず事前に確認してください。「報酬に含む」なのか「実費精算」なのかで、手取りが大きく変わります。1本の撮影で食材費が3,000円かかるなら、報酬5,000円の案件は実質2,000円の仕事です。
項目4:権利の帰属範囲
前述の著作権の論点です。譲渡の有無、ポートフォリオ掲載の可否、二次利用の範囲。この3点を文面で押さえてください。
項目5:クレジット表記の有無
記事に自分の名前が出るかどうかです。名前が出れば実績として使えますが、匿名納品の案件も多い。どちらが良い悪いではなく、事前に把握しておくべき条件だという話です。
これらを口頭でなく、メールやチャットの文面で残す。この習慣があるだけで、後のトラブルの大半は防げます。
必要なスキル・機材・資格
文章力は「読者が再現できるか」で測る
レシピ執筆に求められる文章力は、美しい表現力ではありません。読んだ人が同じ料理をつくれるか、という一点です。曖昧な指示語を避け、判断基準を数値で示す。この訓練は、実は一般的なビジネス文書の作成とほぼ同じ技術です。文書作成の基礎を体系的に押さえたいなら、ビジネス文書検定の学習範囲が参考になります。資格そのものが応募条件になることはまずありませんが、指示の明確さや構成の整え方は、そのまま実務に効いてきます。
書く仕事全体の単価水準を知りたい場合は、著述家,記者,編集者の年収・単価相場で職種としての相場を確認できます。レシピ執筆は書く仕事の一分野なので、この水準が長期的な目安になります。
機材は最小限で始められる
執筆のみなら、パソコンとインターネット回線があれば足ります。撮影を伴う案件でも、まずはスマートフォンのカメラで十分です。むしろ重要なのは光で、日中の窓際で自然光を使うだけで写真の印象は大きく変わります。3,000円前後のレフ板と白い布があれば、当面の撮影環境は整います。
資格は必要か
管理栄養士や調理師の資格があれば、監修つきの高単価案件に応募できます。ただし、資格がないと仕事にならないわけではありません。実際、レシピ記事の依頼の大半は資格を条件にしていません。
IT系の資格、たとえばCCNA(シスコ技術者認定)のようなネットワーク技術の認定は、レシピ執筆には直接関係しません。ただし、料理系のコンテンツをWebで扱う以上、ITスキル全般の需要は把握しておいて損はありません。将来的に職域を広げたくなったときの選択肢として、頭の片隅に置いておく程度で十分です。
AIツールとの付き合い方
2026年時点で、文章生成AIを使った下書き作成は一般的な作業になりました。ただし、レシピ執筆においてAIの出力をそのまま納品するのは危険です。分量が実際に成立しない、加熱時間が現実的でない、といった誤りが混ざるためです。自分で調理して検証する工程は省略できません。
AIを活用する方向で職域を広げるなら、AI・マーケティング・セキュリティのお仕事で関連職種の需要を確認できます。さらに企業のAI活用を支援する側に回る道もあり、AIコンサル・業務活用支援のお仕事にその職域の実態が整理されています。
子育てと両立するための時間の組み立て
レシピ記事の作成には、他のライティング業務にない制約があります。調理の工程が入ることです。キッチンを使う時間、子どもが火のそばに来ない時間、撮影に必要な明るさがある時間。この3つが揃うタイミングは、生活のなかで限られます。
現実的な組み立てとしては、調理と撮影を昼間にまとめ、執筆を夜に回す形が機能しやすいです。昼間の自然光で撮影を済ませておけば、夜は写真を見ながら文章を書くだけで済みます。
作業を工程ごとに分けて、それぞれを別の日に配置するのも有効です。月曜に献立の考案、火曜に買い物、水曜に調理と撮影、木曜に執筆、金曜に見直しと納品。1日あたり1時間から2時間の稼働でも、週に1本から2本のペースは維持できます。
細切れの時間で集中を保つ方法は、在宅ワークの集中力アップ|ポモドーロ以外に効く7つのテクニックに具体的な手法がまとまっています。1日の全体像を組み立てる参考としては、在宅ワーク主婦の1日のタイムスケジュール公開の実例が使えます。
もう1つ、料理系ならではの効率化があります。家族の食事づくりと仕事の調理を重ねることです。案件のテーマに合う献立をその日の夕食にすれば、食材費の負担感も減り、味の確認も家族の反応で取れます。この重ね方ができるのは、生活者として料理をしている人だけの利点です。
収入が出たあとの税金と手続き
業務委託で受け取る報酬は、給与ではありません。事業所得または雑所得として扱われ、年間の所得が一定額を超えると確定申告が必要になります。申告の要否や適用できる控除は個々の状況で変わるため、最新の基準は国税庁の案内で確認してください。
レシピ記事の作成で特徴的なのは、経費として計上できる項目が多いことです。撮影用に購入した食材、調理器具、撮影機材、書籍代、通信費の一部。業務に使った割合に応じて経費にできる場合があります。レシートは撮影した日付ごとに保管し、どの案件のためのものかをメモしておくと、後の処理が楽になります。会計処理にはfreeeやマネーフォワードといったクラウド会計サービスを使う選択肢もあります。
国民年金や国民健康保険の扱いも確認が必要です。所得に応じた保険料の免除や猶予の仕組みがあり、要件は制度ごとに定められています。詳細は日本年金機構の案内を参照するか、市区町村の窓口で相談してください。
ひとり親世帯を対象とした各種の支援制度については、この記事では要件や支給額を断定しません。制度の内容は自治体ごとに異なり、所得基準や在宅就業との関係も個別に判断されるためです。必ずお住まいの市区町村の担当窓口で、現在の要件を直接ご確認ください。
実際にあったトラブルと、その防ぎ方
匿名化した事例を2つ挙げます。どちらも契約段階の確認で防げたものです。
1つ目。レシピ10本をまとめて納品したあと、発注者から「クオリティが想定と違う」として報酬の減額を通告されたケース。契約書には修正回数の定めがなく、単価も口頭合意のみでした。フリーランス保護新法では、受託者に責任がないのに報酬を一方的に減額する行為が禁止されています。ただし、そもそも金額と条件が文面で残っていなければ、何が「一方的な減額」なのかを立証すること自体が難しくなります。※実際に減額を通告された場合は、行政の相談窓口や弁護士への相談を検討してください。
2つ目。食材費を自己負担で立て替えて撮影を進めたところ、精算の段階で「報酬に含まれている」と言われたケース。事前の募集文には材料費の記載がなく、確認もしていませんでした。この場合、契約時に取り決めがない以上、交渉は難航します。
どちらの事例にも共通するのは、「決めていなかったこと」が争点になっている点です。契約書という言葉に身構える必要はありません。メールで「以下の条件で承知しました」と条件を列挙して送り、相手が「了解です」と返す。それだけでも、記録としては十分に機能します。
市場を長く見てきた立場からの観察
フリーランス・在宅ワーク市場を20年運営してきた立場から言えることがあります。長く続いている人ほど、単価の高い案件を追いかけるより、「この人に任せると楽だ」と思われる関係づくりに時間を使っている、という点です。
料理系の分野は、これがとくに顕著に表れます。依頼者の側から見ると、レシピを書ける人自体は探せば見つかります。しかし、指定した文字数と書式を守り、納期を落とさず、写真の明るさが毎回そろっている人は、そう多くありません。一度そういう人を見つけた編集担当は、次のテーマでも同じ人に声をかけます。募集を出す前に依頼が回るようになると、そもそも競争から抜け出せる。これが在宅ワークにおける安定の実態です。
運営者として見てきた限りでは、中間マージンの有無も無視できない要素です。仲介手数料が乗らない直接取引では、同じ予算で依頼者はより多くの本数を頼めますし、受け手は同じ作業量でも手取りが厚くなります。手数料0%の意味は、単に金額が増えるという話ではなく、双方に余裕が生まれるという構造の話です。実際、直接契約に移った方ほど、テーマの企画段階から相談を受けるようになり、単なる書き手ではないポジションへ移っていく傾向があります。
独自データから読み取れる需要の変化
在宅ワークの求人データを職種別に追っていくと、食のコンテンツ領域でいくつかの変化が見えます。
第一に、単発発注から継続契約への移行です。以前は「レシピを10本まとめて」といったスポット発注が主流でしたが、現在は「月に4本、半年間」といった継続前提の募集が増えています。背景には、コンテンツの品質を安定させたいという依頼者側の事情があります。毎回違うライターに頼むと、書式も文体もばらつく。同じ人に継続して任せるほうが、結果的にコストが下がる。この構造がある以上、継続を前提に動ける人が有利です。
第二に、求められる専門性の細分化です。「レシピが書ける人」ではなく、「離乳食に詳しい人」「糖質制限に対応できる人」「作り置きに強い人」といった指定が増えています。守備範囲を広く見せるより、特定の領域を明示するほうが指名されやすい。生活のなかで自然に蓄積してきた領域があるなら、それを前面に出すべきです。
第三に、周辺スキルとの複合です。レシピ執筆に加えて、SNS運用ができる、簡単な画像編集ができる、Webサイトの更新作業ができる。こうした複合的な募集が明らかに増えています。単体のスキルより組み合わせで評価される流れは、Web系の職種全般に共通する傾向で、ソフトウェア作成者の年収・単価相場やアプリケーション開発のお仕事で示されている技術職の需要動向とも重なります。料理の知識にデジタルの実務が乗ると、単価の階段を上がりやすくなります。
以上を踏まえると、レシピ記事の作成に取り組む際の合理的な進め方は明確です。まず自分の記事を3本つくって実物を用意する。単価より継続性で応募先を選ぶ。契約前に権利と費用負担を文面で確認する。そして、得意な食のテーマを1つ決めて、そこで指名される状態を目指す。
生活の制約が大きい状況で新しい仕事を始めるのは、それだけで負荷の大きいことです。だからこそ、毎日やっている料理という行為をそのまま資産に変えられる仕事から入るのは、合理的な選択だと考えています。そして、その資産を守るのが契約の知識です。法律はあなたの味方です。使い方を知っておいてください。
よくある質問
Q. レシピ記事の作成は料理の資格がなくても始められますか?
始められます。依頼の大半は管理栄養士や調理師の資格を条件にしていません。応募時に見られるのは資格より実物の原稿なので、自分で書いたレシピ記事を3本ほどブログやnoteに公開しておくのが有効です。ただし監修つきの高単価案件では有資格者が優先されます。
Q. 報酬の相場はどのくらいですか?
提供されたレシピを記事化するだけなら1本1,000円から3,000円、考案から執筆までなら3,000円から8,000円、調理と撮影を含む場合は5,000円から2万円が目安です。食の周辺コラムは文字単価1円から3円。クラウドソーシング経由では16.5%から20%程度の手数料が引かれます。
Q. 他のサイトのレシピを参考にしても大丈夫ですか?
材料の組み合わせや調理手法といったアイデア自体は著作権の保護対象外なので、参考にすること自体は問題ありません。ただし手順の説明文をそのまま書き写すのは著作権侵害にあたります。写真は明確に著作権が発生するため無断使用は避けてください。実際に自分でつくり、自分の言葉で書き起こす工程を必ず挟みましょう。
Q. 納品したレシピを自分のSNSに載せてもいいですか?
契約次第です。「著作権は発注者に譲渡する」という条項に同意していると、自分が考えたレシピでも自由に転載できなくなります。契約前に「ポートフォリオへの掲載は認めてほしい」と一文を入れてもらう交渉が現実的です。実績として見せられないと次の仕事につながらない旨を伝えれば、応じる発注者は少なくありません。
この記事について
編集部
監修:@SOHO編集部
2004年よりフリーランス・在宅ワーク向けサービスを20年運営。編集部が事実確認のうえ公開しています。

この記事を書いた人
長谷川 奈津@SOHO編集部
行政書士・元企業法務
企業法務で数多くのフリーランス契約を扱った経験を活かし、フリーランス向けの法律・契約・権利に関する記事を執筆。「法律はあなたの味方です」がモットー。
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